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青野慶久の名言

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青野慶久のプロフィール

青野慶久、あおの・よしひさ。日本の経営者。グループウェア大手のサイボウズ社長。愛媛県出身。大阪大学工学部卒業後、松下電工に入社。会社の先輩たちとともに愛媛にてサイボウズを設立し、マーケティング担当副社長、事業企画室担当、海外事業担当などを経て社長に就任。

青野慶久の名言 一覧

かつて経営につまずき、死を考えるほど絶望した時、私は松下幸之助さんの著書に触れ、「真剣」という言葉に文字通り胸を刺されました。命を懸けるほどの思いで、目の前の社員一人ひとりに向き合っているか。そう自問自答しながら、私はこれからも真剣に旗を振り続けていきます。


現場発の提案をできる限り実現させてきたら、28%あった離職率は4%まで下がり、売り上げは伸び続けました。会社にとっていいことばかりだったので、運営面で大きな支障が生じないならば、細かいことは気にせず、まずはやってみるというのが基本スタンスになります。


現場からの提案をベースに、「チームワーク」に好影響を与えるものであれば、基本的には採用します。チームワークを重視するのは、組織や社会の成り立ちを支えるチームが円滑に機能すると、素晴らしい成果を生み出せるからです。


諦めるというとネガティブに響くかもしれませんが、見方を変えれば、厳しい現実を受け入れる能力があるということ。


経験値やスキル、ちゃんと金を出してもらえる「ウリ」がなければ、市場性は低くなる。自分が転職市場でどのぐらいの価値があるか、意識した方がいい。


大切なのは小さな目標を立てること。小さな目標をクリアするのに慣れてくると、だんだん大きな目標が立てられるようになる。


モチベーションとはすなわち「夢」。夢があるから、人はそこに向かって近づこうと頑張るもの。


トップが本気でコミットしない限り、組織の価値観は変わらない。


利益を出すことが起業する者の当然の務め。


会社としての価値観が浸透すると、それに共感する人が集まってきます。結果的にポジティブ・フィードバックでもっといろんなことをやってみようという雰囲気も生まれます。


場企業の社長は利益を出すために粉骨砕身して働くべきという風潮を、私は変えたい。上の人間が率先してやれば、下の人もそれを目指すことができますから。


100人の社員がいれば、100通りの働き方と人事制度があっていい。一人一人違っているはずの希望を実現できれば、みんながハッピーになれる。


働き方の多様化は、新たな問題への対応力も生みます。東日本大震災の際、当社では全員が在宅勤務に切り替えて平常通りの業務をこなすことが出来ました。


働き方の選択肢を増やすことで28%あった離職率は4%を切るところまで下がりました。働き方の多様性を許容した結果、イノベーションが生まれやすい環境もつくれています。


企業は「川上で誰も真似できない技術を持つ企業」と「川下で多くの顧客を持つ企業」の2つに収斂されていく。


夢を忘れないために、いつでも見られる場所に表示して自分を奮い立たせています。いまの夢はこれなんだと何度も思い出すように目に付く場所に掲げるのがいい。


早く帰ると決めれば、人は仕事のやり方を工夫する。日本の生産性が諸外国と比べて低いのは、残業するのが当たり前で、なんの工夫もしてこなかったから。


現在は、優秀な経営者が一人ですべてを差配することで勝てる時代ではない。私はそう見ています。


商品やサービスの開発段階で付加価値を創造できなければ、「いかに安く、大量に売るか」という消耗戦に陥りかねません。


大事なのは、例えば「君はどう思う?」と社員に問いかけること。「皆で考えてみよう」と課題を公開することです。経営者が一人で考えるより、多様な人の意見を聞いた方が面白いアイデアは出てきます。


社員みんなでアイデアを出し合う状況を実現するには、情報をオープンにし、また議論をいとわない環境をつくり上げる覚悟も経営者には求められるでしょう。


初めからメンバーを参加させることで、個人個人のモチベーションは高まります。また、異なる意見を持っていた人も、戦略形成に関与できたことで結論をポジティブに受け止められるようになるのです。


「今、当社はこんな状態だ」「有望な市場がある」「何かいいアイデアないか」などと、まず課 題や状況を皆で「共有」する。それにメンバーが「共感」する。そしてメンバーが活動に「参画」していく。この流れをつくることが大切です。実際、ユーザー企業の多くが、こうした流れを企業活動のイノベーションにつなげることで、躍進を果たしています。


メディアが報じるのは大企業のトラブルばかりなので、多くの中小企業の方々は「うちは問題ない」と思っておられるかもしれません。しかし、サイバー犯罪者は、防御が弱い相手を狙って犯罪を仕掛ける傾向があります。情報セキュリティ対策が甘い中小企業は、格好の餌食となる可能性が高いのです。


当社では自由度の高い働き方を積極的に導入してはいますが、個人としてのメリットがチームとしての果実につながることを前提に、採否を検討しています。ちなみに、僕が提案する制度は、周りに却下されてばかりなんですよ(笑)。


働き方改革を始めたのは、2005年に離職率が28%まで達したことです。それまでにも給与の引き上げや業務改善など、「引き留め工作」はやってきましたが、対症療法に過ぎなかった。抜本的に変える必要があると判断して、人事制度改革に取り組みました。それが今でも続いています。


サイボウズは昨年、おかげさまで創業20周年を迎えました。企業にとってこうした節目はある意味、ものが言いやすい。社会に対して自社の考えを発信しやすいタイミング。


サイボウズには、世界で一番使われるグループウェア・メーカーになって「チームワークあふれる社会を創る」というビジョンがあります。したがって世の中がチームワークあふれる方向に向かっていないと感じたら、当然、それを正さなければならない。


給料以外にも報酬が得られる楽しい職場は、優秀な人材が集まりやすく、離職しにくい。逆に、給料が高くても楽しく働けない幸福度の低い職場は、採用面や定着面で苦戦し、深刻な人手不足に陥りかねません。生産性や創造性の面でも、長い目で見れば、どちらの職場が優れているかは自明でしょう。


何をもって楽しいと思うかは人それぞれです。誰もが自分らしく仕事を楽しめる状態に限りなく近づけていくことこそが、働き方改革のあるべき姿。だから私たちは組織のイズム(あり方)として多様性を最重視し、「100人100通りの働き方」にチャレンジしているのです。


多様性の高い組織をつくるためには、一人ひとりが問題を提起し、自分の意思を周囲に伝える責任から逃げてはなりません。現在、私たちはこの考え方を「質問責任」と呼び、大切な組織風土として、絶えず浸透・徹底を図っています。


世の中の常識とされていることでも、それが本当に正しいことなのか一度疑ってみた方がいいでしょう。固定観念によって「事実」と、自分の「解釈」を履き違えている可能性を考えてみるべきです。


時間に余裕を持てるようになったのは、発想の転換をしたからです。「やるべき仕事を探す」のではなく、「やらなくていい仕事」を探すようにしたんです。


時間に追われている人は、余計な仕事を増やしているのと同時に、丁寧にやりすぎているというケースも考えられます。限られた時間をやりくりしようと思ったら、あえて質を下げる勇気をもって、簡単な形で済ませることも必要ではないかと思います。


これはメールに限らないことですが、大事なのは内容であって、形ではないと思うのです。要点さえきちんとおさえてあれば、形式が簡便であっても、それは問題にはならないはずです。逆に形式を簡単にすることで、かえって内容が充実する場合もあると思います。


私は、何かを計画する際に、あえてその計画が失敗する場面をイメージしています。普通は、「どうやったら成功するか」と考えるものだと思いますが、逆に、「失敗するとしたら、どんな原因があるか」と考えることで、行き詰りそうなポイントがクリアに見えてくるのです。そこで前もって、ウィークポイントを手当てしておけば、仕事の停滞をかなり防止できます。


予想できなかった事態で仕事が行き詰ってしまった場合、私は関係する社員やクライアントにすぐに聞いてしまいます。すると、なんだ、そうだったのかとすぐに解決することは少なくないんです。しかし、それがなかなかできないという人が多い。「自分で何とかしよう」と思っているうちに、どんどんドツボにはまるわけです。


私は原理原則が知りたいのだと思います。どんな場合でも適用できる原理原則がわかっていれば、判断に迷うことも誤ることもないでしょうから。もちろんそれは一朝一夕に理解できるものではありません。ただ、1日30分だけでも原理原則を考え、それを使える形で残していく。その積み重ねは、将来大きな財産になるだろうと確信しています。


せっかく読んだ本を無駄にしないために、読みながら気になる部分があるとポストイットを貼るようにしています。それを、週末など時間があるときにパソコンに入力して、オリジナルのデータベースをつくっています。この作業をすると、読んだときだけでなく、入力時にも大切だと思う内容がもう一度頭に入ってきますし、デジタル化することで必要なときに検索して簡単に取り出すこともできるようになります。


私はパソコンを立ち上げて、空のテキストファイルに思ったことをどんどん吐きだしています。それを読み返してみると、「なるほど、事実はこれであって、それを自分がこう解釈してしまったから混乱しているんだな」というふうに、冷静に区別ができるようになります。頭の中の言葉を一度ログ(記録)として眺めてみるということが大切です。


私も、以前は「睡眠時間を短くした方がいい」と考えていました。多くのビジネス書には、短眠が美徳のように書かれています。だから、自分でも知らないうちに「寝ている時間は無駄だ」という価値観が刷り込まれてしまっていたんです。しかし、眠っている時間は新陳代謝を活発にするなど、身体は必要な活動をしているのです。だから、睡眠時間を削ると、場合によっては生きるために必要な活動まで削ってしまうことになりかねません。


いつも時間に追われている人というのは、タイムマネジメントを見直したほうがいい場合も確かにありますが、それよりもコミュニケーションについての方が、改善の余地は大きいのではないかと思います。一人で仕事を抱え込まずに、上司や同僚にオープンにしてみんなで改善策を練った方が、時間的にも精神的にも余裕が生まれるのではないかと思うのです。


人に意見を聞けない理由はいろいろあると思いますが、最大の原因はプライドではないでしょうか。プライドが傷つくのが嫌だから、自分が行き詰っていることを告白して助言が求められないのだと思います。「怒られるのが嫌」「たびたび聞くのは失礼だ」と思っているというのもあるでしょう。でも、そういう人は、聞かないことが自分や会社にどれだけの損失になっているかを認識したほうがいいと思います。


時間を奪う原因のひとつは、仕事が行き詰って、身動きができなくなっている時間でしょう。何か壁にぶつかって仕事が前に進まなくなることは、もちろん誰にでもあることです。ですから、そうした状態にできる限り陥らないように、前もって準備することが必要です。それが仕事のスピードと質に大きな差を生むと思います。


きちんとしている人ほど、お礼状や会議の資料など、人に見せるものに手を抜くことに抵抗を感じると思うのですが、そうしたこだわりが自分の時間を奪っていないか、一度見直してみるといいと思います。


弊社では社員に会社の戦略を説明する会を定期的に行っています。私は毎回資料をつくって臨んでいたのですが、あるときどうにも資料をつくるのがおっくうになったことがありました。もっと日にちが迫ってからにしようとそのまま放っておいたのですが、気がついたら資料がないままに説明会の直前になってしまいました。そこでたくさんの資料をもとに説明するというスタイルをやめて、最小限の資料をもとに、社員から自由に質問してもらう質疑応答スタイルに変更しました。すると、例年にない活気にあふれたものになりました。


メールを書くときはほとんど用件のみです。余計な挨拶を書き連ねることはしません。それから、メールを送る際に署名を添付するかたちにしている人が多いと思いますが、私はあえて署名をつけていません。私の場合、メールを何往復もやり取りすることが多いので、それにいちいち署名がついてくると、とても読みにくくなってしまうからです。これだけで数秒は短縮できているはずです。たった数秒でも、1日100件程度はメールのやり取りをするので、1件で5秒短縮できれば、1日で10分、1年で2.5日分の時間を短縮できる計算になります。


私のTODOリストは「今日やること」「今日やらないこと」「当面やらないこと」の3つの項目があって、「今日やること」に載っている仕事の必要性を判断して、「今日やらないこと」にどんどん移動していきます。そうして1日の仕事のスリム化を図っていきます。「今日やること」から「やらなくていいこと」を探しているわけですから、私のTODOリストはむしろ、「NOT TODOリスト」といった方がふさわしいかもしれません。


早めに計画することは大切なことです。しかしそれと、必要がないことまでやるというのは意味が異なります。早めに済ませておく必要がある場合は、それを今日やることに組み入れればいいのですが、漠然と早くやっておこうと思って、何から何まで今日の予定に入れていたのでは、間違いなくパンクしてしまいます。


自分の仕事を冷静に振り返ってみると、「やらなくていい仕事」は意外とたくさんあるものなんです。私もそうですが、1日の仕事をTODOリストをつくって管理している人は多いと思います。しかし、そのリストをよく見てみると、とくに今日やらなくてもいいことまで入っていることがよくあります。場合によっては「当面やらなくていいこと」まで入っているかもしれません。そういったものを探し出して外していって、残ったものが本当の「今日やるべき仕事」であるわけです。やってみると、それほどの数にはならないと思います。


仕事は確かに忙しいと思います。朝8時から夜10時まで予定が詰まっていることも日常茶飯事ですから。でも、ここ数年でこれまでの仕事のやり方を改善してきたおかげで、以前よりだいぶ時間に余裕を持つことができるようになりました。日に一時間は一人で考える時間がとれていますし、ときには早く帰る日もあります。


自分でスケジュールを管理している理由は、仮に秘書に任せたとしても、結局は私のところに聞きにきて、そこで判断することになるわけじゃないですか。そのやりとりにかける時間や労力が無駄だと思うんです。だからいまだに、自分でやりくりしています。


普段言わなくてもわかっていることを口にし、形にするのがコミュニケーションです。会社で、「おはよう」という当たり前の言葉を交わすことで、人との関係が円滑になるように、「目の前にいなくても、あなたのことをいつも気にかけている」という思いをあえて形にするのです。短いものでいい、誰もが忙しい時代だからこそ、そんな人間的な気持ちのやり取りこそが人脈を保つ強い武器となります。


起業して思うことですが、仕事を長きにわたって続けていくためには、一人で頭を抱え、目の前の業務に関係ある人だけとコミュニケーションしていてもブレイクスルーは生まれません。利害関係がない人たちの素直な意見や考えから、自分とは違った視点を得て事業に生かしていくことが不可欠なのです。


今後は間違いなく個性のない企業は劣勢に立たされるでしょう。だから我々は「グループウェア」1本に絞って、ますます磨きを掛けていきます。


私はそもそも、やる気を出そうとは思いません。それよりも、「やろうと決めたことをつねに思い出す」ことが大事だと思います。自分の場合には「サイボウズをグループウェアで世界一の会社にする」と決めたので、いつもその目標を思い出すようにしています。


睡眠不足だと頭が働かないため、重大な判断を迫られる局面ではとくにしっかりと睡眠をとることが大切です。


私のストレス解消法はバットの素振りです。ストレス解消法には、「やっている最中に無心になれること」を選ぶことが大事です。


私は意志が強いほうではないので、ネット閲覧をダラダラしてしまうことを防止するための秘策を用意しています。データを分散させると面倒ということもあって、私が使っているパソコンはノート型一台だけなんです。だから、「いま俺はネットにハマっている(ハマリつつある)、まずい!」と気がついた時点で、ディスプレイをパタンと閉じることができる(笑)。こういう「緊急離脱」の技をもっておくといいと思います。


情報収集の場面でとくにいえることなんですが、やることを思いきって絞るということが大切です。私はテレビ番組を週に4つしか観ないんです。もちろん、ほかにも優れたコンテンツはいくらでもあると思うし、観たいんですよ。でも、それをやりだすと時間が足りないんです。だから思いきって「これだけしか観ない」と決めてしまう。結果的に、自分にとってもっとも有益なコンテンツ、アウトプットにつながりやすいコンテンツを厳選するという効果もありますし。


会議資料やメールなどでちゃんとした文章を考える時間がなかったら、思いきって箇条書き中心でポイントだけまとめる。図表なども、プレゼンテーションソフトを使ってきれいにつくらなくてもいい。会議当日にホワイトボードにササッと手描きしても、言いたいことは十分伝わりますよね。「こうしなければいけない」と思い込んでいるだけで、じつは品質を落としても問題がない場面は結構あるはずです。


仕事をたくさん抱えてしまって身動きが取れない人は実際多いと思います。部下がそういう状況に陥っているとき、私はあえて「仕事の品質を落とせ」といいます。一見、暴論のようですが、根性論を捨ててロジカルに考えれば、そう考えざるを得ません。いままで3時間かけていた仕事を1時間でやらなければならないとなったら、質を下げるしかありません。無理してクオリティを維持しようとすれば、期限までに終わらなかったという最悪の結果にもなりかねません。そうならないために、品質を下げるという選択肢もありうることは、ちゃんと認識しておいた方がいいと思います。


人の作業スピードというのは、そんなに速くなるものではないと思います。タイムマネジメントといっても、睡眠時間を半分にするわけにはいかない。努力しても別人のように頭が賢くなるわけでもない。100m走の記録を14秒から13秒に縮めるのはたいへんですが、スピードは一割もアップしていないでしょう?一方、他人を巻き込んだ場合の効果はもっと劇的です。まったくデジタル機器に詳しくないのに、「スマートフォンを業務に活用するアイデアを出してくれ」といわれたとします。自力で勉強してなんとかしようと思ったら最低数日は必要ですが、ガジェットマニアの友人に「何かいいアイデアない?」と尋ねれば数分です。100倍とか1000倍のスピードアップが簡単にできてしまうわけですね。


仕事が速い人というのは、仕事の仕方が「ツイッター的」。つまり、少量のアウトプットを細かく出すことで、他人をうまく巻き込むんです。このやり方だと、相手とやりとりをする時間はかかりますが、見当違いのものをつくってしまう危険は減ります。結果的に大幅な時間ロスを防げるわけです。


仕事の方向性を早い段階で上司に確認するときは、少量のアウトプットでいいんです。極端な話、思ったことをひと言口に出してくれるだけでもいい。質問の形にすれば、なお良しですね。たとえば、「次の新製品の狙いはこんな感じですかね?」とか。そう聞かれたらこっちも「いや、そうじゃなくて」と乗り出さざるを得ないじゃないですか。質問には、「相手の考えを誘発する」「問題に相手を巻き込む」という力があるんです。


「一週間後までに新製品の企画書を出して」と指示を出すとします。すると、ずーっと一人で一生懸命考えてしまう人がいます。一週間後には分厚い企画書がドン、と出てくるんですが、読んでみると「ごめん、これは僕がほしかったものとちゃう……」ということが結構多い。これだと一週間を丸々ロスしてしまいます。こちらの指示が曖昧だったせいかもしれないのですが、だからこそ、頼んだ直後に、まずは手書きの企画メモでもいいからもってきてほしい。「こんな感じですか?」と聞いてくれれば、「いやいや、そうじゃなくて」とすぐに修正できるでしょう。


仕事が最もはかどる時間帯は日によって違い、その日になってみないとわかりません。ただ、調子が出ないときは、外に出て歩く。そうすると、頭の回転がよくなります。


日々の仕事では、小さな夢で成功体験を重ねていく。例えば何か失敗して落ち込んでいるときなら、「次は必ず成功する」ではなく、まず「落ち込みから復帰する」という夢でいい。これなら誰でもできますよね。


「会社の仕事なら何がなんでも歯をくいしばって残業すべき」という価値観がある限り、組織は変わりません。まずは管理職が「帰る勇気」を持っていただきたい。定時になったら席を立ち、会社を出る。その勇気を持たない限り、何も始まりません。


会社は社会の問題を解決するために存在するのですから、会社で働く人は社会のことを理解しておくべき。社会を知るには、家事や育児をしたり、地域のコミュニティやNPOに参加したりといった社外の活動が不可欠。


アイデアやクリエイティブを生み出すには、会社の外で過ごす時間が必要。社会を知れば、「世の中にはこんな問題があるのか」という発見が必ずあります。それを会社に持ち帰れば、新しいサービスや製品作りに活かせる。


工場で1日にボルトを500個作っていたのが、1000個作れるようになる。これを「生産性が2倍になる」と評した時代がありました。しかし、今、求められるのは、ボルトの生産数を増やすことではなく、「今までにないボルト」を作ること。つまり、アイデアやクリエイティブを「生産性」と呼ぶ時代なのです。


他人に任せる仕事を増やしたら、周囲のモチベーションが上がりました。僕の時短勤務は社内で好評だったんですよ(笑)。細かく口出しするのをやめて、部下に権限を委譲することで、社員の生産性がアップしました。


社員がウソをつかない公明正大な組織風土作りに注力しています。部下がウソをつかないとわかっていれば、部下から「明日は在宅勤務をします」と言われたとき、上司は「頑張ってね」のひと言ですみます。本当に働いているかを監視するためのシステムを導入するコストは不要なのです。


今は、皆が一律で同じ夢を見ている時代ではありません。誰もがカラーテレビをほしがったり、新幹線に乗りたがったりする時代ではない。一律的であることが効率的で楽しかった時代から、個性的であることが生産的で楽しい時代にシフトしているのです。


当社は、ユーザー企業から直接要望をいただく機会を定期的に設け、そこで上がった声を開発に反映しています。


グループウェアの利用が進むにつれ、組織はよりオープンでフラットなものに変化するでしょう。社長自らスケジュールを公開する。さらに事業戦略や商品企画などを初期段階から社員に公開し、意見を求める。結果だけでなく、それに至るプロセスごと共有することにより、意思決定の精度は一段と上がります。


「売上高の拡大」や「利益率の向上」はいわば事業活動の「結果」です。結果を手にするため、企業はまず「価値」を生み出さなくてはなりません。では、価値はどこでつくられるか。業種や会社によって様々かとは思いますが、ひとつには企画や開発といった部分が重要になるでしょう。ここが一番レバレッジが効くところであり、企業によって差がつくところです。


私自身、売上利益を莫大にしていくことよりも、世界をよくしていくための影響を与えることの方が、やっていて楽しいと最近気づきました。みんなが発想を変えてこれまでとは違うことをやってみれば、もっと楽しい世界になるはずだという思いがあります。


時間と場所を組み合わせた9分類のワークスタイルから、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができる人事制度を採用しています。そこで当社のグループウェアが力を発揮します。進行中のタスクやスケジュールといったあらゆる情報をグループウェア上で共有できるので、たとえ在宅勤務でも問題なくチームの一員として仕事をこなしていますね。


仕事の時間を縮めて家事に貢献しているつもりでも妻から文句を言われてイラッとすることもあります。それを解決する方法は、お互いを尊重すること、パートナーに対して期待しすぎないこと。「十分してもらっている」と思えれば、いつも感謝の気持ちになります。


そろそろ帰ろうというタイミングで、急に仕事を頼まれることもありますが断ります。無理して受けると「あの人はギリギリで頼んでも大丈夫」と思われて、また繰り返される。その姿勢を貫いていれば、やがて相手も変わってきますから。


本当にやるべき仕事は何かを見極め、捨てられる仕事は捨てることが大切。長時間働く=生産性が高いわけでもないですし、限られた時間の中で仕事するとわりきって、手に余る仕事は人に任せてしまいます。


会社の仕事と家事育児は、両方とも仕事ととらえるべきです。だから仕事と家事は何対何で取り組む、なんて考えないほうがいい。


今日のようにビジネスへのITの利活用が当たり前になった時代に、企業が成長し続けるためには積極的な情報化投資が欠かせません。情報化を推し進めれば、脅威にさらされるリスクも高まります。情報化投資は、常に「攻め」と「守り」の両輪で考えるべきです。さらに言えば「守り」は最大の攻めにもなりえます。ビジネスの成長を止めないためにも、万全な情報セキュリティ対策を心掛けていただきたいですね。


働き方改革とは、どういう状態になれば成功だといえるのでしょうか。私はシンプルに、「みんなで集まって働くことが楽しいかどうか」が問われるべきだと考えています。誰もが楽しく働けるようになれば、働き方改革は成功。楽しくなければ、失敗ということです楽しさとは、「一人ひとりの幸福度」と言い換えていいでしょう。


社員の側にも、自分はこうしたい、こうしてほしいということがあるならば、包み隠さずに意思表明してもらわないと、それを実現するための施策を議論することさえできません。私は日頃からサイボウズのメンバーに、「会社のことを飲み会で愚痴るのは卑怯者だ」と釘を刺しています。モヤモヤすることや問題と感じることがあるなら、まず直属の上司に問いかけてほしい。直属の上司が動かなければ、その上の上司に。それでも変わらなければ、最終的には私に言ってほしい。陰で不平不満をこぼすのは、卑怯な振る舞いだと思うのです。


社員それぞれがトップの掲げる理念に共感し、会社の夢に自分の夢を、その一部分でも重ね合わせることができたら、彼らはそこに喜びや幸福を見出すでしょう。日々の仕事が俄然、楽しくなるはずです。給料をたくさん受け取ることだけが、幸福ではない。自分に合った働き方を主体的に選べること、人脈が広がること、同僚やお客様の役に立って感謝されることも、大きな喜びの一つなのです。


働き方改革の本質は、働く喜びや楽しさの選択肢をどこまでも広げて、社員のトータルな幸福度を高めることにある――サイボウズの12年間の試行錯誤が、私にそう教えてくれました。幸福度が向上すれば、結果として生産性もついてくる。目先の利益や効率にとらわれて、画一的に時短を押し付けるような「楽しくない働き方改革」では、かえって生産性が失われ、経営戦略として裏目に出るリスクも少なくありません。


業務提携の話を頂くことがありますが、一方的に話をまくし立てられた途端、たとえその内容が良くとも「この人とは組めないな」となる。一緒に仕事をするということは、コミュニケーションを重ねて、より良いものを作ることです。最初から話しまくる人は、その提案がすべて。でもこちらの話をい提案聞く人は、次にもっと良を持ってきてくれますね。


離職率が高くなってしまったとき、なぜ辞めるのかを知りたくて社員たちに話を聞いてまわりました。わかったのは「働くモチベーションの源泉は一人ひとり違う」ということです。給与を多くもらいたい人もいれば、技術を究めたい人もいるし、お客様と接するのが楽しい人もいて、モチベーションの在り処は人それぞれ。そして、働く時間や場所もモチベーションに大きく影響すると気がついたのです。そこで考えたのが、社員が働き方を選べる人事制度を作ることでした。


僕がよく言うのは「アホはいいけど、ウソはダメ」。もし寝坊をしても、それはアホだから仕方がない。でも、寝坊したことを隠して「体調が悪くて」などとウソをつくのはダメ。僕自身、寝坊をして飛行機に乗り遅れ、海外出張から戻れなくなったことがありますが、そのときは素直に皆の前で「すみません、寝坊しました」と謝りました。


万全な情報セキュリティ対策を打っておくことは、企業としての信頼を保つために欠かせません。これは大企業でも中小企業でも同じです。情報セキュリティ対策にはお金や人手がかかると思っている経営者も多いようですが、アクセス権限やパスワード管理などといった日常的な取り組みを見直すだけでも、かなりの対策力が打てていると言えます。大切なのは、経営者が情報セキュリティ対策の重要性を認識し、社員に適切な行動を促すこと。


最初に行った働き方改革は育児休暇制度の充実ですね。けれども、大手企業ならばどこでも採用されている1~2年程度の休暇制度だと魅力がない。そこで子供が小学校に入学するまでの最長6年間取得できるようにしました。「日本最長の育休制度」とすればインパクトがありますから。それを皮切りに、当社の理念の重要なキーワードでもある「チームワーク」を高めることができて、なおかつ社員が働きやすければ、可能な限りどんな制度も認めてきました。


働き方改革は、経営者や人事担当者の思いつきで進めてもうまくはいきません。私も自分で何か考えて提案すると、「青野さん、現場が見えていませんね」なんて言われて、たいてい却下されますからね(笑)。


「うちも働き方改革に取り組みたいが、どこから手をつけていいかわからない」という場合は、とにかく現場の社員の声に耳を傾けることから始めてみてはどうでしょうか。どうすればもっといい職場になるか、楽しく働けるようになるか、その答えは一律ではなく、彼ら一人ひとりの心の中にあるのですから。


サイボウズでは「複業」を許可し、原則自由としています。一般的には本業のかたわら別の仕事をするので「副業」ですが、サイボウズでは複数の仕事を本業として取り組んでよいと考えているため「複業」としています。副業をしたいという声が出てきたので、社内で議論を重ねるうちに、認めたほうがメリットは多いのではないかと、考えを改めるようになったのです。解禁してみたら、効果テキメンでした。特に採用面で。複数の企業で働けることや、企業に在籍しながら個人の仕事ができることに魅力を感じ、社内にはない知識やスキル、人脈を持った多才な人材が入社・定着するようになったのです。多様性を重視し自由に働ける職場だからこそ、異能の人材にも選ばれるのです。


働き方改革に取り組み始めて12年。私もたくさんの失敗を重ねて、今の形にたどり着きました。まだまだ、完成形ではありませんけど。理想は、「100人いれば、100通りの働き方」。だから、100通りの制度があってもいい。多様な働き方が求められているのに、1つの仕組みでやろうとするからうまくいかないんです。これからも、現場の意見を参考に新しい働き方にどんどん挑戦していきます。過去の経験から、会社にとっても「いいことずくめ」だと分かっていますから(笑)。


私は、会社ではなく「自分のために働く時代」が、本当に訪れると見ています。いや、もうそこまで来ている。自由度の高い働き方を導入すると、組織の統制が取れなくなったり、働かない人が増えて不公平感が広がると心配する経営者は少なくない。ただ、そう考えるのは、業績と労働(拘束)時間は比例関係にあるという古い考え方から抜け出せていないから。自由や裁量を何のために与え、社員に何を求めるのかを明確にすれば、不公平感や従業員の「権利行使」だけが焦点になりがちな今の働き方改革の風潮も変わっていくはずです。


当社もかつては賃金テーブルで運用していましたが、今は廃止し、「市場性」という考え方を採用しています。簡単に言えば、「もし、あなたが転職した場合、どのくらいの給与がもらえますか?」という視点です。見方を変えれば、過去の成果に対する報酬というよりは、未来への投資に近い。期末になると、プロ野球の年俸更改と同じように、会社側と従業員側とで賃金額を交渉します。スキルが高く、市場性が高い人ならば給与は上がる。今はプログラマーが売り手市場ですから、給与も「上げ基調」になっています。会社に過度に依存せず、自らの価値を高めようとする自立度の高い社員が増えたことが、市場性の導入で得られた最大の利点です。


私たち日本人はこれまで、「働くこと」と「楽しさ」とを切り離して考えがちでした。「会社は楽しむ場所じゃない」「仕事は苦しくて当たり前。苦しいからお金という報酬がもらえるのだ。儲からなければ、幸福も手に入らない」。そんな固定観念にずっととらわれてきたのではないでしょうか。私もかつてはそうでした。でも、職場で過ごす時間は人生の多くを占めます。それが楽しくなければ、いくら儲かっても不毛であり、お金だけでは幸福度は上がりません。経営側から見ても、もはや「金銭的な報酬さえ保障すればいい」という時代ではないでしょう。「得ることが嬉しいもの」をすべて報酬だと定義するならば、社員一人ひとりにとって、「楽しく働けること」や「楽しく働ける職場であること」も給料と同じくらい、いいえ、それ以上に大きな報酬だといえます。


サイボウズの働き方改革は、社員一人ひとりの声を聞くことから始めました。「働き方に何か問題を感じていたら言ってほしい」と呼びかけたり、辞めたいという社員から詳しく理由を聞いたり。すると、予想した以上に多様な意見や不満が浮かび上がってきたのです。勤務時間、働く場所、そのほか個性的な要望も突き付けられました。みんなの求める働き方が一通りでない以上、応えられるものからひとつひとつ、真摯に対応していくしかありません。既存の人事制度にそれぞれの事情に沿うものがなければ、新たに用意し、一人ひとりが楽しく、自分らしく働けるよう支援する。この十余年間、私たちは様々な制度をつくり、メンバーからのフィードバックをもとに改変したり、廃止したりもしてきました。もちろん、すべての要望を形にできたわけではありません。それでも、個別のニーズに応えようとすればするほど、社員のモチベーションが高まるのを実感することができました。


サイボウズでは、台風が来ることがわかると荒天や交通機関の乱れを避けて、ほとんど誰も出社してきません。ただし、社員は休んでいるわけではなく、2012年から導入した「ウルトラワーク」という制度を利用して、家でパソコンに向かって働いているのです。「ウルトラワーク」とは、働く時間や場所を一時的・短期的に変更できる制度。オフィスに縛られることなく、自宅や外出先で仕事をすれば出勤扱いになるので、たとえば、子供の学校の行事や通院、役所の手続といった所用のためにわざわざ休みを取る必要がありません。また、普段は東京勤務の社員が、「ウルトラワーク」で働く場所を松山のオフィスに変更し、週末の旅行と仕事をセットにするといったこともできます。


サイボウズは多様性(ダイバーシティ)を重んじていますが、その改革のアプローチは、いわゆる「ダイバーシティ経営」とは似て非なるものといっていいでしょう。ダイバーシティ経営は、「自社には多様性が欠けている」という現状認識から始まり、欠けているからこそ、女性の管理職比率を高めたり、外国人の採用を増やしたりして、組織内に新しく多様性をつくり出そうとします。一方、私たちの考えでは、元々多様性に欠ける会社などありません。社員は本来、一人ひとり全く違う個性の持ち主なのですから。私たちは、彼らの声を聞きながら、その個性を制限している画一的で強制的な「働かせ方」の縛りを、ひとつひとつ取り除いていきました。その結果、多様な働き方が可能になり、既存のメンバーはより自分らしく、いきいきと活躍してくれています。採用力も大きくアップし、以前なら受け入れられなかった人材に、個性開花の場を用意できるようになりました。


多様性を重んじるからといって、各自が好き勝手に何をしてもいいわけではありません、様々な制約を取り除き、一人ひとりの自分らしさを受け入れていこうとすればするほど、逆に、会社として「これだけは絶対に強制しなければならない」という条件が見えてきます。会社を明確に方向づける理念やビジョン――サイボウズでいえば、「チームワークあふれる社会を創る」という共通の理想に共感し、貢献する姿勢です。理念に共感、貢献してくれる人材であれば、働き方や契約形態は自由でいい。いいえ、むしろ自由がいい。より多様な個性が一つの理念のもとに結集することで、化学反応が起こり、イノベーティブな成果が生まれやすくなると、私たちは考えています。


青野慶久の経歴・略歴

青野慶久、あおの・よしひさ。日本の経営者。グループウェア大手のサイボウズ社長。愛媛県出身。大阪大学工学部卒業後、松下電工に入社。会社の先輩たちとともに愛媛にてサイボウズを設立し、マーケティング担当副社長、事業企画室担当、海外事業担当などを経て社長に就任。