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近藤宣之の名言

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近藤宣之のプロフィール

近藤宣之、こんどう・のぶゆき。日本の経営者。「日本レーザー」社長。東京出身。慶應義塾大学工学部電気工学科卒業後、日本電子に入社。日本電子取締役を経て、子会社の日本レーザー社長に就任。債務超過だった同社を2年で黒字化させた。また親会社から独立を果たした。

近藤宣之の名言 一覧

企業成長の原動力は他でもない社員のモチベーション。モチベーションこそが、会社が伸び行く力の十割を占める。


  1. 言いたいことが何でも言える明るい風土がある。
  2. 社員が会社から大事にされていると実感している。
  3. 会社は自分のものだという当事者意識を持てる。

この3つが整っていれば社員は辞めない。社長批判を受け止める度量があるかどうか。社長の覚悟が人を育てる。


日々の経営は、社長にとってまさに修行の場。社長業というのはいいものです。


社員の教育にはお金がかかるものもありますが、将来の社長や役員、マネジャーに育てようと思うなら必要な投資。


私は運に恵まれるために日頃から次の5つのことを心がけています。

  1. いつも明るくニコニコと笑顔を絶やさない。
  2. いつも感謝する。
  3. 昨日より今日、今日より明日と成長する。
  4. 絶対に人のせいにしない。
  5. 身のまわりに起こることは必然と考え、すべて受け入れる。

どんなにいい制度も、やはり基本は一人ひとりと向き合うことから。


経営者の仕事とは社員がやる気を出して働く環境を作ること。


教育制度や人事評価制度も重要。この二つの制度は車の両輪。


大量に仕入れた品が売れ残った「不良在庫」、使い道のない「不良設備」、売ったつもりで代金を支払ってもらっていない「不良債権」、そして虚偽申告や粉飾を平気でやってしまう「不良人材」。まずはこの4つの解消が必要だった。


当社は常勤社員の3分の1が役員や幹部です。課長、部長という名称のポジションを増やし、幹部会議に出席させています。経営に参画すれば、ますます当事者意識が上がるからです。


どんな理由があろうと、赤字は犯罪。


重要なのは、具体的な取り組みの根底にある経営者としての考え方です。


多角化には原理原則があります。経験のない技術で新たなマーケットに挑戦すると必ず失敗します。得意とする技術に関連することをやるか、すでに持っている市場で新しいことに取り組むかの、どちらかでなければ成功しません。


他責にしないということが重要です。「円安だから儲からない」「政策のせいだ」などと誰かのせいにする経営者では、会社は潰れます。


本来、新商品が利益になるのには数年かかるものです。当社が新たに始めたセンサー事業がスピーディに収益化できたのは、普段から海外メーカーと良い関係を作っていたから。どんなハイテクを扱おうと、いかにグローバル化が進もうと、「ご縁と感謝」が大切です。


「ヒト、モノ、カネ、情報」の関係は、ヒトが頂点、残りが底面をつくる三角錐の関係です。この関係を間違えると、ヒトをカネに変えるリストラを平気でやってしまう。どれだけヒトに投資できるかで、企業の成長は決まります。


普通、海外の展示会に出張するのは2~3人。しかし、当社では10人くらいで出かけて、朝食時に打ち合わせをしたあとは、「勝手に良いパートナー(取引先)を見つけてこい」と別行動をとらせます。一人で海外企業と商談をすることで、社員は一気に成長するからです。人材育成のために増える出張費は無駄ではありません。


当社は、MEBOによって、社員が株主になっています。それも、マネジメント層だけでなく、若手から定年後再雇用の嘱託社員まで、全員が会社を信頼して出資してくれています。
【覚書き|MEBOとは経営陣と従業員による自社買収のこと。日本レーザーはMEBOを行い親会社・日本電子から独立を果たした】


私が社長に就任して以来、当社は黒字を続けていますが、それまでは赤字続きで破綻処理寸前でした。破綻すれば、社員は路頭に迷います。私は労組の委員長を務めた経験から、雇用を守るには会社の事業を存続させるしかないということを身に染みて知っています。そして、事業を存続させるためには、社員が成長し続けるしかありません。


経営者は絶対に赤字を出さないこと、リストラをしないことで、社員にアピールする。社員は実績を挙げることで社長にアピールする。だからこそ、お互い「やるな」と認め合うことができる。厳しい環境でも黒字が出せるのは、根底にこうした緊張感があるからです。


顧客との深いつながりを目指しながらも甘さがない姿勢が、海外の取引先にも評価されているのです。


商社の取引というのは、どうしても担当者対担当者の個人商店的な関係になりがちです。会社同士の関係として、ご縁と感謝を大切にしていくには、工夫が必要。小さな工夫を挙げれば、取引先とのミーティングや懇親会に、担当者だけでなく、周辺のスタッフも参加させるようにしています。たとえば、営業事務などのバックャードのスタッフです。これによって、組織としての信頼感が深まります。


当社はもともと贅沢をしている会社ではないので、コストを削れるのはせいぜい数%ほど。金額にすれば2千万円というところでしょう。でも、その効果には金額以上のものがあります。費用を抑えることで「会社は大変なのだな。頑張るう」という意識が社員に共有され、モチベーションが上がるからです。


高齢者には人生最後の献身をしてほしい。技術を継承し、後輩を育ててほしい。

【覚え書き|70歳までの再雇用を就業規則に掲げていることについて】


社員全員が株主なので、会社がピンチのときには、当事者意識を持って「火事場のバカ力」を発揮してくれる。


結局最後は「運」。困った時に助けてくれたり応援してくれたりする人たちが現れるなど、運がいい人は、出会いやご縁に恵まれる。再建にはテクニックも必要ですが、一番大事なのは、運に恵まれる社長自身の生き方であり、運を引き寄せられるかどうかは、社長次第だということ。


いずれ切られる(かもしれない)と思っている社員が、会社のために力を発揮することはない。「自分は会社から大切にされている」という実感を持って初めて、社員は会社存続のために一所懸命働く。


会社の存在意義とは何でしょうか。私は、雇用の維持(保障)だと思っています。もう少し具体的に言うと、「人を雇用し、その人が働くことで得られる喜びを味わえ、仕事を通じて成長でき、企業という舞台で人生を全うし、自己実現が図れる」ことです。


社長就任翌年には、兼任していた親会社の取締役を退くことを決意しました。親会社に籍を置き、戻る場所を確保した中途半端な立場にいては、社員がついてきてくれないだろうと思ったからです。退路を断った私の姿勢を社員は見てくれていたのだと思います。


買収時に日本レーザーが抱えていた借入金6億6千万円を誰が保証するのかという問題もありました。銀行の要求は、社長の個人保証です。家内に話したら「冗談じゃない」。当然です。結局、内緒でやりました(笑)。社長は腹をくくってやるしかないときがある。


病気の人には地位と待遇を維持し、闘病期間中もそれまでと同じ給料を払い続けています。人間、誰でも同じ状況になる可能性があります。辞めさせたり、待遇を変えたりすると、社員は安心して働けません。病気になった時に会社がどのような処遇をするのかは、非常に大事な点です。


あいさつは、上司から先にすることが肝要。あいさつの「あ」は明るく、「い」はいつも、「さ」は先に。いつも明るく、自分から先にあいさつする。そして一番大事なのが「つ」。これは「続けて一言」の「つ」なんです。相手の最近の状況に合わせたコメントが続いたほうがいいですね。


これらの雇用制度を効果的に運用するためには、社員一人ひとりがどのようなことを希望しているのかを、普段から把握しておくことです。それには、社長が社員と向き合うこと。難しく考える必要はありません。社長室をつくらず、社長がフロアを歩き回り、社員とさりげない会話を交わせばいいのです。


言いたいことが言える社風かどうかは社長次第。私も言われてムッとすることがありますが、そこで3秒間おいて落ち着きます。まず社長が変わらなければいけません。すべては社長の責任なんです。


会社に危機が訪れた時に、どれだけの社員が当事者意識を持ってことにあたり、火事場の馬鹿力を出してくれるのか。会社を救う鍵はそこにある。それには社員が「会社から大切にされている」という実感が持てて初めて可能になる。


当社の評価制度には複数の項目があり、社員と上司が項目ごとにそれぞれ評点をつけます。その際、喫煙者は健康管理の項目が0点。また当社は輸入専門商社ですので、TOEICについては500点未満を0点に設定するなど、会社が社員に求めているものを明確にしてあります。


人事評価制度は、どのような仕組みであっても、透明性と納得性が高いものでなければなりません。仕組み自体に透明性があり、納得性の高い運用をするという意味です。


一番簡単で、かつ一番必要なのは、社長みずからが社員を教育することです。何のためにこの会社がつくられたのか、創業の志を伝える。私は毎週「社長塾」を開いたり、毎月の全社会議で講師になったりして話しています。そして、自分ではできない教育は外部の機関に依頼して補う。


日本電子時代、30代で千人にも上る人員削減・企業再建に直面しました。40代で赴任した米国法人でも、2度にわたってアメリカ人社員に解雇を告げなくてはなりませんでした。私の前で涙を流す社員を見て、私は「安定的な雇用確保こそ、経営者の絶対の役割だ」と確信しました。


海外の展示会や研修に参加させ、視野を広げてもらうため、毎年延べ人数では常勤社員数とほぼ同じ人数の社員を出張させます。その中には出張の必要がない事務員もいます。全員に成長のきっかけを得てもらいたいのです。


日本レーザーは、就業規則に70歳までの再雇用を定め、いずれは80歳まで延長したいと考えています。60歳超の社員比率は2割。社員が育児や介護、病気などで満足に働けなくても、短時間労働や在宅勤務に切り替えて雇用を守ります。雇用を守られている安心感があるからこそ、社員は成長し続けることができるのです。


評価制度で大事なのは、社員本人がつけた点数と上司がつけた点数に差がある場合、なぜその差が生じたのかを、時間をかけてしっかり説明することです。当社では年に2~3回、個別に面接して本人評価と経営評価との差について納得のいくまで話します。その結果、評価のズレは年々小さくなっていきました。


一人ひとりと向き合うコミュニケーションの仕組みとして成功したのは、「今週の気づき」という取り組みです。社長は社員が何を考えて、どのような生活をしているか、なかなかわかりません。そこで社員から、仕事で気づいたことや家庭での出来事など、何でもいいので感じたことを毎週メールで送ってもらうようにしたのです。その際、人の批判はしないことと、気づきの中に問題点が含まれているなら解決策も併せて書くように求めました。この取り組みは今年で十年目。これまで社員が送ってくれたメールと、社長や役員の返信を合わせると全部で約六万通になり、すべて私のパソコンの社員別フォルダに整理されています。


「マタハラ、セクハラをしない」と理念的に掲げるだけではなく、女性が活躍できる仕組みをつくっておくことが重要です。当社がこの仕組みをつくったのは、法律の求めに従ったというより、女性社員に仕事と育児を両立させてもらうほうが、会社にとってメリットが大きいと判断したからです。


定年は60歳ですが、嘱託社員として70歳まで働けます。とはいえ、本人に意欲があれば、実際に70歳になったからといって、年齢を理由に辞めてもらうつもりはないのですが。役員でも希望すれば嘱託社員として採用します。ただし、「退職金を貰ったからのんびりやるわ」という人は採用しないと言ってあります。仕事をするからには何歳であっても成長してほしい。そのための評価制度も設けています。


当社のクレド(信条)の中には経営の原則として、「CSより先にES(お客様満足より社員満足が第一)」と明記しています。社員の成長が会社の成長であり、社員が会社や同僚、自分たちの供給する製品やサービスに満足しなければ、決してお客様を満足させることはできないと考えているからです。そう定義しておかないと、結局は金儲けのための事業になったり、社会貢献を唱えても社員の生活を犠牲にしてまで貢献することになってしまいます。


子会社であること自体が、構造的に社員のモチベーションに壁をつくっていた。「いい会社」にするためには、社員の高いモチベーションが必須で、その前提として、経営は独立独歩、独立自尊でなければならないと考えた。社員が十人であっても千人であっても、独立した組織で、経営者と社員が当事者意識を持って一丸となることが大事なのです。


再建に失敗し経営破綻する企業には、共通する要因がある。最大の共通要因は、社長が不振の原因を外部環境のせいにしていること。「うちはよくやっている。でも環境が悪い」と。何か起こった時に社長が「こういう環境だから仕方がない」と言うと、社員もそう思ってしまいます。皆やる気をなくし、しばらくして外部環境が回復しても、その時にはもう立ち上がれない組織になっている。


決断時には善良さを持って臨むことが不可欠。23年前に親会社を辞めたときも、銀行に借り入れをして完全独立をしたときも、損得で考えれば損でしたし、とてつもないリスクを負いました。でも私は、社員を幸せにすることが善いことだと思った。それが今につながっているのなら、私はやはり「運がよかった」のでしょう(笑)。損得を考えずに正しくあろうとするとき、運は寄ってくるものだと思います。


私が債務超過に陥った日本レーザー再建を命じられたときは、主力銀行からも見放され倒産寸前でした。私自身も日本電子時代には労組執行委員長として1千人のリストラに直面がその後も幹部のリストラ交渉、二度の胃潰瘍と大腸がん、日本レーザー社長就任直後に右腕の常務が部下と独立し、人材と商権を同時喪失、親会社から独立する際は銀行から6億円の個人保証を要求される、といった崖っぷちを乗り越えて今日があるのです。紆余曲折を経て私が辿り着いた結論は、「人を大切にする経営」の実践こそ、会社を再建・成長させるたった一つの方法だということ。


当社では第一子妊娠・出産で女性社員が退職した例がゼロ。全員が育児休暇後に復帰しています。当社はハイテクで難しい分野の仕事なので、1人前になった社員の退社は会社の損失です。そのため復帰できる仕組みを設けており、公平な評価基準がある、社員の事情に合わせて個別管理をしている、ダブルアサインメントとマルチタスクの導入、目指したいロールモデルがいる、などです。


ファンドを入れず、銀行借り入れと社員からの出資金だけで親会社から独立を果たしました。しかも、新卒、嘱託、派遣社員やパートまでが出資者に。これは日本で初めてにして唯一の、コーオウンド・ビジネス(社員が大株主となるビジネスモデル)です。社員全員が株主、という体制になって以降、社員の責任感とモチベーションはさらに増しました。


出向前の私は、日本電子で最年少の取締役でした。取締役は互いに、次の社長の椅子をめぐって牽制し合う間柄。そんな中、赤字続きの子会社(日本レーザー)へ出向させられた私は、再建できなければ後がない状況でした。結果、社長就任1年目で2000万円の黒字を達成。これは「社のため」のみならず、当時の私自身にとっても、為さねばならぬ仕事だったと言えます。


「腰掛け」感覚の社長のもとでは、やる気が出なくて当然。そして、社員のやる気が出ない限り赤字体質は変わらない。とすると、選ぶべき道は一つ。(親会社の)日本電子には戻らず、名実ともにこの会社のリーダーになろうと決意しました。その後、年度が終わってみると、累積赤字の1億8000万円を一掃する空前の好業績。背水の陣で臨んだことで、皆のモチベーションが上がったからこその結果だと思います。


近藤宣之の経歴・略歴

近藤宣之、こんどう・のぶゆき。日本の経営者。「日本レーザー」社長。東京出身。慶應義塾大学工学部電気工学科卒業後、日本電子に入社。日本電子取締役を経て、子会社の日本レーザー社長に就任。債務超過だった同社を2年で黒字化させた。また親会社から独立を果たした。