角田秋生の名言

角田秋生のプロフィール

角田秋生、つのだ・あきお。日本の経営者。公文式を展開する「公文教育研究会」社長。群馬県出身。大手印刷会社勤務を経て東京公文数学研究会に入社。横浜事務局、社長室などに勤務したのち、チャイルド事業部長、事業開発室長、公文エルアイエル社長などを経て公文教育研究会社長に就任。

角田秋生の名言 一覧

どれだけ入念に準備しても、成功するかどうかは当日までわからない。人事を尽くして天命を待つとはこのことです。


公文では毎年1回必ず、地域ごとに過去1年間の指導の実績を紹介し、いい事例から学び合う場を設けています。北米や日本の先生が互いの地域を行き来するなど、地域の枠を超えたやり取りもあります。


最初からフランチャイズありきではありませんでした。創業者の公文公が、この公文式学習法を1人でも多くの子供に伝えたいと模索した結果が、たまたまフランチャイズという方法だったのです。


分かることとできることは違う。いまは何かを知ろうと思えばすぐにインターネットで調べられますが、その前段階の、もっと手足や頭を使って頑張る、忍耐するといった要素がとても大事ではないかと。


個人的には、思考する以前に頭の中で汗をかかなきゃいけない時期があると思うのです。私たちが子供の頃には、何も考えずにひたすら計算問題や漢字の書き取りをさせられた時期がありました。そうした経験を通じて、心と頭の中が鍛えられる面はあると思うのです。


ちょっとストレッチしているけど、もういいやと思わせないレベルの課題を適切に与えることです。「ちょうど」という概念を持って、いい意味でのエールを送り続ける。そうすることで、大人も子供同様、意欲的に学び続けることができるのです。


いま、東北大学の川島隆太先生と一緒に、学習療法が認知症にどう効果があるかを研究しています。患者さんたちにやっていただくのは、簡単な計算と音読です。周囲は見守りつつ、認めて、褒める。すると患者さんに変化が表れるのです。近くで患者さんをご覧になっているスタッフの方も、目を見張るようなケースが多いんです。こうした結果を受けて、導入を検討する施設も増えてきました。


公文ではペン習字や書き方教室「公文書写教室」を開講しています。既に生徒数は7万人ほどになり、多くの大人の方も受講しています。考え方は公文式と基本的に同じです。まず、適切な課題を与える。それをやったことを認める。褒める。大人に対しておこがましいですが、やっぱり褒めることが大事なんです。そして忘れてはならないのが「励ます」です。いい意味でエールを送る。結果的に、いままでなかったような学びの意欲や向上心が芽生えるのです。


学年に追いつけ、追い越せと。いままでに遭遇したことのない新しい世界を歩んでいくときの苦しさや大変さ、そこを乗り越えたときの気持ちには、教材を終えた以上の価値があると思います。こうした経験は後の生活全般にも効いてきます。


私どもが大事にしているのは、学年を越すという概念です。最初は自分が分かるところから始めます。子供によっては、自分の学年より下の内容から始めるかもしれない。しかし、一歩一歩進めていくうちに、気がついたら自分の学年に追いつく。ここではまだ足りないんです。ここを追い越す。すると、初めての領域に入っていきます。そして、新しいことが目の前に来たときに、取り組もうという意志や挑戦意欲を持っている子供になるのです。


「とことん」「こつこつ」。そういう力をつける学習法のひとつとして、公文式があると思っています。1回の学習で必ず100点にしていくという行為を繰り返す。間違えていたら直す。要するに、1枚1枚を完結していかなきゃいけないんです。こういうことを繰り返し、何年も続けるうちに、先ほどのとことんやこつこつといったものが身につくのです。


いま、世界中が変革期を迎えています。うちの教室に来てくれている子供たちは、そうした状況の中を歩んでいくわけです。何かあるたびに腰が引けたり、新しい課題にぶつかってへこたれたりするようではまずい。挑戦意欲や忍耐力が求められます。


学習塾はM&A(合併・買収)が非常に盛んな業態でもありますが、学習塾とウチはちょっと違うと思うんです。もし、そんなことをやろうとしても、ひとつひとつのコンセプトや考え方を確認していったら、「とても無理」となるんじゃないかなと思います。それよりも、自分たちのメソッドを磨きに磨いて、公文の教室に来てよかったと誰もが言ってくれるようなものを作っていくことに注力した方がいいと思っています。


受験対策市場に足を踏み入れる気はありません。自分で勉強する力や新しい課題を解こうとする力、解く方策を知るのが公文です。教室に来て勉強した子供の中には、特別な大学受験対策をしなくても志望校に入れる子がいますし、それでいいと考えています。


保護者の方々が一番分からないのは、「公文をやることが、子供の将来にどう生きるのか」です。そこで、第一線で活躍する公文式経験者の声を通じて、その疑問を払拭できればと考えています。


今後は実績広報のようなことも含めて、公文の神髄を伝えていかなくてはと思っています。創業から半世紀以上が経ち、いま公文のOBやOGが第一線で活躍し始めています。「公文式で学んだことで、集中力が高まった」「作業を進める力が身についた」などとおっしゃる方が増えてきたのです。これは我が社の財産と考えています。


日本国内はこの先、少子化が進みます。しかし、子供の数が減っても、子供の学力強化が将来につながると考える親は多いと思います。しかも、いままでのように「友達が行っているから我が家も」といった選び方ではなく、厳しい選択の中で選ばれるようになります。だからこそ、学習効果をきちんと提供できる公文にしていくことが、少子化が進む中での最大戦略だと考えています。


よく、「どの国や地域に力を注いでいますか」と質問されるのですが、いまは広げることよりも、深まりを生むことを考えています。保護者の方に、公文の教室に入れてよかったと思ってもらえるよう、子供を伸ばすことに注力したい。


以前に比べると収益率は落ちています。理由の1つは、国によってフランチャイズ方式が難しい国や、学校外教育という概念がない国もあるからです。そんな中で話を進めていくうちに、学校への導入や直営教室で展開する国が出てきました。結果、全体の収益構造が変わりつつあります。最初は戸惑いますが、試行錯誤しながら工夫に工夫を重ねていけば、日本では分からないツボが押さえられるかもしれない。ここにも海外展開の大きな意義があると捉えています。


フランチャイズの基本は「標準化」ですよね。しかし、我々の場合には、標準化と個別化を同時に実現しなくてはいけません。そのため、私たちは自社の形態を「フランチャイズの応用編」と認識しています。


公文が大事にしているのがインストラクターの先生です。インストラクターは現地の方にお願いしています。日本の駐在員がやることはあまりありません。その国や地域を愛し、子供たちや国の将来を考えている方々を採用していきます。


外展開の話をすると、よく「どうマーケティングをしているのですか」と聞かれます。しかし私たちは、単に子供の数が多いといったことがスタートにはならないのです。最初からたくさんの教室をつくることも、あまりありません。新たな国に行くとき、私たちはまずひとつの教室をつくってみます。オフィスに本部教室のようなものをつくり、そこから展開しはじめるのです。国によって気質や風土は異なります。ひとつの教室を開き、地道に日々の活動をする中で、基本的な考えや指導法を変えずに、どうすれば公文式を受け入れてもらえるかを探っていくわけです。それができたときには大抵、支持者が増えてきて、「公文式をやりたいけれど、教室はないの」との声が聞かれ始めます。その段階で、少しずつ教室の数を増やしていきます。


米国や南米に進出して35年以上が経ちましたが、年数と経験を重ねていくと、だんだんと各国で共通の課題が表れてきます。日本で30年前に起きた課題がいま、北米で起きているということもあります。そんな時は、過去にその課題を解決したことのある日本のインストラクターが北米へ行き、自分の経験を語ることが可能です。日本で長い時間をかけて見いだした解を、知恵として伝授できます。これは、世界中で同じ教材を使っている強みのひとつであり、私たちの価値観を共有するうえでとても役立っています。


重要なのは、適切な指導を通じて子供がどう変わっていくかを、インストラクターに実感してもらうことです。ちょうどの課題を目の前に与えられたら、子供はいかにやる気を起こすか、現場で実践しながら知っていただく。この実践と座学を組み合わせていくのです。


日夜戦い、戦いです。公文式を始めて54年になりますが、相当の時間とエネルギーを価値観の共有に費やしてきました。特に力を注いだことのひとつが教材作りです。適切な課題を提供できるよう、算数・数学なら数字を書くところから微分、積分まで、一直線につなげています。だから子供がつまずかずにやっていける。そしてこの教材の中にこそ、公文式の理念や哲学が盛り込まれているのです。ですから、新しい市場に展開すると、まずインストラクターは「数かぞえや数唱」から始まる一連の教材を解き、教材から公文の理念、価値観を感じてもらうようにしています。


教育は国造りの根幹であり、各国で大事にしている部分です。どんな専門性や身につけさせたいかは国によって違うはずですから、土足で入り込むようなことはしてはいけないと思っています。しかし、基礎学力は専門性を身につけるためにも必要です。例えば、読解力や算数を学び、論理的な思考力や数学的な分析力を身につけた後に、それぞれの国で国家政策に見合う教育をしてもらえばいい。個人別指導と学習の土台作り。このふたつが、海外でも公文を受け入れていただいている大きな要因だと思います。


教育は人が全て。


日本の経験を海外に持ち込むだけでなく、海外のやり方を受け入れて一体となって新しい価値を創造していく。そんな「知恵の還流」が起きるようにすることこそ、真の現地化。


理念や価値観という「芯棒」から手を離しては、成長し続けることはできません。しかし、芯棒を両手で握ったまま日本のやり方にしがみついていては、海外に出る意味がない。芯棒は片手で握り、もう一方をフリーハンドにしておく。それがグローバル展開でのカギになります。


公文式は個人別指導という点が、支持される理由として大きいと思います。例えば目の前に小学3年生の子がいたとします。普通は、3年生だからこの内容といった考え方をしますよね。しかし、同じ小学3年生でも学力には大きな個人差があります。公文式の場合は、「その子が持っている学力がどうか」からスタートします。インストラクターを通じて、その子に最適な課題を与えます。私たちはそれを「ちょうど」と言っています。ちょうどの課題が与えられれば、子供はできる。そして、できたという自己肯定感が自信になり、学習意欲が出て、もう少しやってみようとなります。これは日本も海外も基本的に同じです。ここに、あまり躊躇せずに海外展開できる理由のひとつがあります。


角田秋生の経歴・略歴

角田秋生、つのだ・あきお。日本の経営者。公文式を展開する「公文教育研究会」社長。群馬県出身。大手印刷会社勤務を経て東京公文数学研究会に入社。横浜事務局、社長室などに勤務したのち、チャイルド事業部長、事業開発室長、公文エルアイエル社長などを経て公文教育研究会社長に就任。

他の記事も読んでみる

前川孝雄

「提案を通していただいてありがとうございました」とお礼を言うのを忘れずに。次の提案をしたときも、上司が前向きな決断をしやすくなります。


斎藤広達

米国人と議論していると「お前の基本スタンスを教えろ」とよく質問される。そこが明確にならないと、個々の言動の是非は判断できないということ。


阿部祐二

僕の姿を何人の人が見てくれているかはわかりませんが、朝、僕が何かを伝えることで、「見ると、元気が出るよ」とか、「阿部さんが出てくるのを待っているんだよ」と言ってもらえることがあります。これは、僕の何よりの喜び。それを味わうためには、疲れている場合じゃありません。


岩井俊二

僕も自分がピュアじゃないから、映画ぐらいピュアなものを観たいんだと思う。


江上治

時間の価値が高い、稼げる人に共通することの一つは、彼らが意外にも1人で勝とうとは考えていないことである。現代は才能をシェアしてチームで勝ちに行く時代であることを、彼らがよく知っているのである。1人で勝とうなどという考えは捨てている。彼らは、仕事は自分だけではできないとはっきり言う。経験や知恵が足りない分は、誰か他人の力を借りなくてはならない。周囲の協力を得て大きな成果を上げるために、時間とお金を人脈づくりに注いでいるというわけなのだ。


ダンカン(お笑い芸人)

たけし(北野武)さんは、ほとんど怒りもしないし、何も教えてくれない。僕らがハッと気づくと、もう新しいことを自分一人ではじめていて、どんどん先へ走っていっちゃうんですよ。だから一生懸命、その後を追うというか、それこそ全力で追っかけていかないと、背中が見えなくなりそうで怖いんです。


藤井佐和子

転職したいとは思わなくても、「職場にどうしても好きになれない人がいて……」などという悩みを抱えている人はけっこう多いのではないでしょうか。そんな方にアドバイスがあります。それは、「嫌いなままでもいいですよ」ということです。嫌いなものを無理に好きになることは、なかなか難しいもの。でも、好き・嫌いはどうでもよいことなのです。ゴールは、「自分の思いどおりに物事を運ぶにはどうしたらいいか」と戦略的に考えるべきです。


大橋未歩

取材で何よりも大事なのは、「お話をお聞きしたい」という気持ちを、ストレートに伝えることです。一流の方でも、真剣に向かっていけば、真剣に応えてもらえるものです。


池谷裕二

毎日を悲観的に過ごせというつもりはありませんが、このくらい悪いことが起きるかもしれないと、頭の中でシミュレーションをしておくと、実際に不測の事態が起こった際に感じるストレスを軽減できます。これは準備された心、「プリぺアド・マインド」といいますが、このような予測を心のどこかに持っておくことは必要でしょう。


ジェイ・エイブラハム

私はある企業家から、リピート客の生涯価値という概念を学びました。買収によって彼が手にした製品のひとつに関節炎の薬「アイシーホット」がありました。「アイシーホット」という名前は、その薬が熱くなったあと冷たくなって、関節炎の痛みを和らげるところからきています。当時ひとつ3ドルで売っていました。この薬のコストは送料も含めて55セント。そこで彼が教えてくれたのは、この3ドルの薬を販売したときに、何が起きていたかということです。購買した人はその後、年間に12個以上買ってくれて、しかも生涯にわたって購買し続けてくれる確率が高いという。そのうえ低コスト。つまり、毎回3ドルの最初のセールスが成功すると、2ドル45セントの利益を得る。それが年間12回あると25ドルの利益になります。それが何年も続くわけです。さらに試しに、「アイシーホット」を購買しているお客様に別の商品2つをお薦めすると、40パーセントの人が2つとも購入し、それをまた年間5回買ってもらうことができた。ですから、一度お客様に買ってもらうことができれば、年間50ドルの利益をその後何年も保証する営業ができるわけになる。彼はそういう考え方を教えてくれました。


木村皓一

70年代に入ると、ファッション誌『アンアン』、『ノンノ」が創刊されるなど、ちょうど日本の女性たちがファッションに関心を持ち始めていました。豊かな時代への変わり目でした。ところが、当時の子供服は、時代の要求を満たしていなかったわけです。それを満たすものは、僕の風呂敷の中にあるという自信がありました。
【覚書き|ミキハウス創業時、子供服のサンプルを風呂敷に詰め営業に出たときを振り返っての発言】


野中正人

しまむらが勝ち組とかいう組に入った事実はありません。ほかの企業さんが苦戦をなさっているときに苦戦の幅が小さかったというだけで、決して景気の影響を受けてこなかったわけではありません。当社も一番業績が良かったのはバブル時代ですし、リーマンショックのときは初の減収減益も経験しました。ただ、しまむらは急激な落ち込みをせずに済んだというだけです。そのあたりをご評価いただいているということでしょう。
【覚書き|しまむらがデフレの勝ち組と呼ばれたことについてのコメント】


高碕達之助

事業の目的は第一に人類の将来を幸福ならしめるものでなければならぬ。第二に事業と言うものは営利を目的とすべきではない。自分が働いて奉仕の精神を発揮するということが、モダン・マーチャント・スピリット(近代商人魂)だ。


酒巻久

時間に追われている人は、実は仕事の整理がついていないケースが多い。中でも最大のムダは、同じ失敗を繰り返すこと。何が失敗要因で何が成功要因だったかを検証しないから、同じ間違いを繰り返す。経験を次に生かす視点を持たないと、コンスタントに成果が生まれることはありません。こうした仕事の仕方が身につかないままでいると、いつまで経っても同じところをグルグル回るだけで、忙しさに追われて何もできない、ということになりがち。


江夏豊

勝つことと、金儲けをすることが、わしの心理の上で直結していたわけではない。案外おカネには淡泊やった。プロ入り以来契約更改で揉めた記憶もない。おカネのことでごちゃごちゃするのは好きじゃなかったのだ。そりゃ、人間だからわしも一銭でも多く給料はもらいたい。でもこちらの期待する年俸が提示されなかった年でも、わしはポンポン印鑑を捺してきた。カネがもっと欲しけりゃ、来年もっと頑張ればええ。もっと勝てばええ。要は勝つんや。こう思って生きてきた。


ページの先頭へ