藤田紘一郎の名言

藤田紘一郎のプロフィール

藤田紘一郎、ふじた・こういちろう。日本の免疫学者、寄生虫学者。「東京医科歯科大学」教授。満州国出身。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学医学系大学院修了。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を務めた。

藤田紘一郎の名言 一覧

自分と他者を区別する身体のしくみは悩みも生みだすと同時に、人の命を永らえる幸せも生み出す。


本来、腸の中に善も悪もない。たとえば悪玉菌として「大腸菌」がありますが、これもビタミンを合成したり、他の有害な細菌が大腸に定着するのを阻害するなどいい働きもしてくれる。ただ、これが増えすぎると問題が起きるわけです。


日本人はマスクや殺菌剤などで菌を排除する傾向にありますが、実は非常にもったいないこと。菌は私たちにとってむしろ、良い働きをしてくれることが多いのです。空気中や土壌、そして人の身体についている雑菌と呼ばれる菌は、むしろ積極的に身体に取り込むべきです。


今の若い人は「こうありたい」と思う自分の理想像とのギャップにストレスを感じているように思います。でも、「私」で生きていると思ったら大間違い。私たちは腸内細菌に生かされているのです。だから、腸内細菌が求めるとおり、ストレスなく生きる。それが一番大事だと思います。


現代人は我慢をしすぎなのではないでしょうか。ストレスは腸内環境の悪化の非常に大きな要因。それを避けるためには何より「我慢しない」こと。これがこのストレスの多い社会で元気に生きる秘訣。


寿命も病気にかかりやすいリスク遺伝子の有無で決定づけられるのではありません。ほとんどが食事や運動やストレスなどの環境が決めています。同様に自分の才能や能力までも、幼い時の親のかかわり方、成長後の自分の考え方が、各自の才能や能力を伸ばしたり縮めたりしているのです。


人生が短かった頃、余暇はもっぱらリラックスの時間に費やされてきました。しかし今、人生が100年時代に入ってくることで、消費を抑えて長く働けるよう、自分自身の生き方を変化させる時間に割り当てなければならない。


私も昔は清潔好きでした。それが大きく変わったのは、熱帯病の研究のためインドネシアのカリマンタンへ行ったとき。あまりの衛生状態の悪さに「もう二度と来たくない」と思っていました。でも、不衛生な川で遊んでいる子供たちの肌はきれいだし風邪もひかない。それはなぜかという疑問が、寄生虫や腸内細菌の研究を始めるきっかけになりました。それに加えて、人格まで変わってしまいました。それまで私は上司の顔色をうかがうタイプだったのですが、どうでもよく思えてきた。以後、学会で詰め寄られたり大学を追い出されたりといろいろありましたが、この生き方を変えることはありませんでした。


実は最近の研究で、人間の健康の大部分は「腸内環境」で決まることがわかってきています。腸内にはおよそ二百種百兆もの腸内細菌がいて、これら無数の腸内細菌が腸内に「腸内フローラ」という「細菌のお花畑」を形成しています。それが活性化すればするほど、健康にいい影響を与えます。そして、そのためにはより多くの種類の菌を取り込むのが一番なのです。


最近特に注目されているのが、先天的には同じ遺伝情報を持っていたとしても、後天的な環境因子でゲノムが修飾され、個体レベルの形質が異なってくるという「エピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)」の研究です。これは簡単に言えば、環境を変えれば遺伝子も変化させられるということです。その例として、ヒトが持つ生活習慣病のリスク遺伝子は脈々と祖先から受け継がれているはずなのに、百寿者の数が半世紀で約300倍にも増え、逆に糖尿病になる人が約100倍も増えていることからも知ることができます。つまり健康長寿の遺伝子をつくるには、自分の身体に合った食事、運動、睡眠、思考などの良い習慣を見つけ、実践していくことです。あなたの人生をコントロールしているのは、あなたの考え方や生活習慣から構築された、自らがつくっている環境なのです。


2010年、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に、生活習慣病の危険因子が長寿に及ぼす影響を調べた論文が掲載されました。これは、100歳以上の約1700人の長寿者と若年群の全ゲノムを解析した研究です。これまで多くの病気は、生活習慣と遺伝的要因が互いに関与し合って発症すると考えられており、100歳以上の長寿者は病気を起こすリスク遺伝子がないか、もしくは少ないのだろうと推測されていました。研究の結果は、病気のリスク遺伝子に関しては両者のあいだにほとんど差がないというものでした。つまりどの世代においても、リスク遺伝子の数の多さが生活習慣病の発症を決定付けているわけではないのです。


皆さんは自分の病気、寿命、才能などは、自身が持っている遺伝子によって決められていると思っていませんか。うちはがん家系だから……と諦めるのは間違いです。例えば「がん」は、遺伝子が原因で発症する割合はたった5%で、あとの95%は生活習慣という環境の影響であり、それが本来の遺伝子を変化させ、「がん」になるかどうかを左右しています。


老後の生活資金の問題を解決するには、働く年数を長くするか、少ない資金で頑張って生きるしかありません。したがって、どちらの方法を取るにしろ、私たちは何歳になっても元気で働けるような健康な体を維持する努力を惜しまないことが必要となってきます。それには、80歳まで働けるような肉体的にも精神的にも強靱な体をつくることです。


高齢になってからの健康管理や生きがい作りのためには、他者との交流や社会との接点を持ち続けることが必要です。人は歳を取ればとるほど頑固で偏屈になりがちですが、「自己」と「私」を主張する人生を降り、「他者」や「あなた」を大切にして共に生きることで、100年人生でも孤立せず、生きがいのある楽しいものにすることができるでしょう。


HLA(ヒト白血球抗原)は細胞の表面にある蛋白質で、ウイルスや細菌などの異物が細胞に入ると、その異物に反応してつくった物質を細胞表面に提示します。Tリンパ球は表面にレセプターを持っていて、異物を提示している細胞のHLAを認識して攻撃します。ここで、HLAに個人差が大きくあることが重要になります。それは、異物の種類によってはHLA分子が異物だと上手に提示できるものとできないものとがあるからです。つまり、人ごとにHLAの型を変えておけば、多種多様な異物があっても、これらを排除できるHLAを持っていた人が生き延びて、人類を絶滅の危機から救うことができるというわけです。もしみんなが同じHLA型で個人差がないとすれば、ある驚異の異物が感染したりすると、あっという間に人類は全滅してしまうでしょう。私たちは個人差のある免疫能力を持って病気に立ち向かい、人間という種を存続させています。これは、自分は他者のために、他者は自分のために生きているという意味で「共生」であるとも言えるでしょう。


「飽食の時代」と呼ばれる日本において、栄養失調と言われてもピンとこない人が多いかもしれません。ところが、70歳以上の5人に1人が新型栄養失調になっているという統計もあり、それが怖いのは、命を縮める危険性が極めて高い点にあります。高齢になればなるほどカロリー量に左右されることなく、良質なタンパク質となる肉や魚介類や豆類、そして抗酸化力のある新鮮な野菜類をバランス良くとる食事を心がけなければなりません。長い人生の中で嗜好は偏りがちになりますが、好奇心旺盛に種類豊富な食を楽しむのが、100年人生の秘訣です。


藤田紘一郎の経歴・略歴

藤田紘一郎、ふじた・こういちろう。日本の免疫学者、寄生虫学者。「東京医科歯科大学」教授。満州国出身。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学医学系大学院修了。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を務めた。

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