藤田晋の名言

藤田晋のプロフィール

藤田晋、ふじた・すすむ。日本の経営者。サイバーエージェントの創業者。福井県出身。青山学院大学経営学部卒業後、人材紹介・派遣事業の株式会社インテリジェンスに入社。その後、インテリジェンスの出資を受けサイバーエージェントを設立。同社を東証マザーズに上場させた。主な著書に『渋谷ではたらく社長の告白』『ジャパニーズ・ドリーム』『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』『藤田晋の成長論』『渋谷ではたらく社長の成功ノート』『起業ってこうなんだ(共著)』など。

藤田晋の名言 一覧

現場にどれだけ問題意識があっても、リーダーが正しい道を見せて、仕切っていかなければ前には進めない。


世界が毎日前進し、変化を続けている以上、自分だけが安定を求めても、それは実質後退。


どんな苦境も「復活の目」は必ずある。


ビジネスでは、人と違うものを内側から生み出さないと競争力にはならない。


若い時に苦労している人は、逆境に強い。粘り強く最後まで諦めない姿勢で仕事に取り組む。そんな優秀な人ほど、自分を厳しい環境に置く。


ビジネスの世界では、「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるかどうかが大切です。ですから、「好かれる人」は、やはり有利。


勝負の世界では、危機感を持っているかどうかが勝敗を分ける。


「本物」を目指しましょう。上になればなるほど、「本物」しか残れません。「本物とは何か」は自身で見つけるもの。最初から本物の人はいません。何者でもない人が、何者かになっていくのです。


今は自分たちとの闘い。事業戦略や組織戦略も参考になる前例はないから、自分たちで考えて作り出さないといけない。でも、僕はプレッシャー慣れしているので。


参入するタイミングは、ちょっと早いくらいなら良い。遅過ぎたら終わり。


「任せて伸ばす」ことを大事にしていますが、何かを大きく変える時は自分が先頭に立たないといけない。


勝負の場では過信や油断は禁物。それらが生む、ほんの少しの気の緩みが命取りになる。


たとえ弱くても、弱いなりに勝つ方法を必死に考えれば、勝機は必ず生まれる。


本気で考え抜いた先にこそ、素晴らしい案が出る。


何事も「考え抜きたい時」は、根本的な問題に立ち戻ることが大切。


仕事の達成感や満足感は、仕事と正面から向き合い、やりきった時にこそ得られる。


圧倒的な努力をすれば、評価されようがされまいが、自分自身、納得できるようになる。そうした圧倒的な努力が、後から評価につながってくる。


相手の立場になって考えて判断・行動するために必要な「想像力」。それが仕事の大きな武器になる。


ビジネスの場合、「終わった」と思ったところからが本当の勝負。そこで満足しているようでは、「その他大勢の人」と変わりがない。


「そこそこ上にいる」という居心地の良さは、成長意欲を妨げる。


自分の「やる気」や「やりたいこと」は、自分が積極的に伝えていかないと、チャンスはつかみ取れない。受け身の姿勢ではダメ。


迷っている時点で自然ではないので、そういう時は決断しない方がいい。


誰も分からない未来の話を言い出したらきりがない。


何かに着手したり、生み出したりするには、楽観的に考えて前に進むことが重要。


「仕事がつまらない」と愚痴をこぼす人が言います。「つまらない」と言う人は、仕事を「面白がろう」としていない気がしています。それは単に、面白がる方法を知らないだけかもしれません。


「批評される側の人間が、批評するのは恥ずべきこと」。そのぐらいの考えを持っていた方が、いい仕事ができる。


優れた上司は、異動直後は「現場を知る」ことから始めます。未経験な仕事は自分でも試す。


ベテラン社員は「自分のやり方」にこだわる傾向がある。これは「新しいこと」をする時に足かせになる。


答えが存在しないビジネスの世界では、ひとつずつコツコツ試していく方がむしろ効果的。


素晴らしいアイデアやシステムを思いつけば新しいものが生み出せるわけではありません。実際に形にするには、地味な努力の積み重ねが必須です。


どれだけ辛い状況に陥っても、地べたに這いつくばってでも成果を出さなければいけない。


「昔」ではなく、「今」をどれだけ直視できるか。ビジネスパーソンは、現実を直視したうえで、環境に応じて自分を変えていく必要がある。


新規事業は、「とりあえずやってみよう」の精神で何よりもスピードを優先し、少ない予算と人でチームを組み、小規模でスタートした方が良い。


ネガティブな気持ちは伝染する。「やる気のなさ」が感じられる発言は、一緒に働く人たちの士気を下げる。


リスクを取りにいかない自分に自ら毒されてしまうと、リスクを取って勝負する場面で動けなくなる。


耐える力は教えられて覚えるものではありません。仕事の中で幾度となくピンチを乗り越えて身につけていくもの。


希望的観測で中途半端な企画を通すと、提案者だけでなく、プロジェクトに関わったすべての人が悲惨な運命を辿ることになる。


素晴らしい企画は、その人の経験から生み出されるもの。つまり、提案者自らが経験し、感じたものから生まれた企画こそ、検討の価値がある。


言葉を「拾う」ためにも読書は必要ですが、「使いこなす」ためにも読書は必要ですね。言葉を使いこなせない人は、読書量が足りない。


組織は「意思統一」が何より重要です。逆に言うと、意思統一ができなければ、単なる烏合の衆でしかない。


あらゆる仕事には、最後は退路を断ち切って向き合わなければならない局面がある。


反骨心はとても大事。ビジネスではそれが強い競争力になる。真面目で優秀な人でも、強い反骨心を持った人に負けてしまうことが多々ある。


組織の中では、納得できない謎の評価で出世する人もいるかもしれませんが、誰もが認める「評価されている人」は皆、圧倒的な努力をしている。


一時期、あるメディアに代理店の契約を切られたことが、影響力のあるメディアをつくらなくてばと思うきっかけになりました。


アイデアの段階で中途半端に終わらせず、実現に向けて徹底的に詰めることができるかどうか。これができている会社や職場は強い。


整理のコツは、どこまで潔く捨てられるかにかかっている。


物や情報を残せば残すほど、増やせば増やすほど、大事なことを見落とすリスクが高まる。


僕は結構、勝負勘みたいなものを大事にしているんですが、勝率の高いところを見つけたら大きく勝負する。起業のタイミングがまさにそうでした。


ネット領域は変化が激しいので、他のさまざまなものに目移りしそうになりますが、そこを経営者として見誤ってはダメ。


本にビジネスの答えが載っていることはありません。本とは、適度な距離を取りながらつき合うことが大切。


優れた本は仕事の武器になり得ますが、頼るものではない。本に書いてある通りに行動して上手くいくほどビジネスは甘くない。


ありきたりな感じを受けるかもしれませんが、やはり素晴らしいものは素晴らしい。誰もが認めるだけの理由があります。


これからは、自分たちの戦いだと思っています。競合らしい競合というのはいないですから、そういう意味では、自分たちで大きなミスをして失点をしない限り、自力で何とかできると思っています。


肌感覚ですが、週間1000万人のユーザーがいれば広告は非常に入りやすくなる。まずはそこを目指しています。多くの人が見ているメディアを作れば、収益化の手段は何とでもなる。


若い時に他人に甘やかされたり、自分を甘やかしていた人は、困難な状況を乗り越えた経験が少ないため、土壇場で弱い。仕事に対する粘り強さもなければ、人間としての深みも乏しいように感じます。魅力的な人ほど苦労をしています。


厄介なのは、与えた「貸し」は鮮明に覚えていも、受けた「借り」は、時間が経つにつれて忘れてしまうこと。だからこそ、「借りっ放し」を避けるためにも、素早く、きちんと返していく意識を持ちましょう。


「ネット業界は若い人が活躍する」とよく言われますが、年齢の問題ではないと思っています。「変化に対応できる人」が活躍するだけです。


小さな事業ならともかく、会社を大きく変えたければ、経営者は決して人任せにしてはダメです。


日本で勝てないような会社が海外で勝てるわけがない。


人任せにしていては会社の文化は到底変えられない。経営者自身がフルコミットして、社員に示さなければ会社そのものが変わらない。


プロダクトの改善を重ねるのは当然ですが、どうしても途中で伸び悩む時期が出てくる。そういう時には根本的に仕組みを見直す打開策が必要です。


環境変化に取り残された企業はほとんどが消滅しています。やはりどれだけ組織の規模が大きくても、環境が変わったと感じたら真っ先に動かなければならない。僕たちにはこの10年を振り返って、環境変化に対する耐性が身についていると思います。


一昔前は社員の8割が営業担当者でしたが、今では6割近くが技術者です。約1000人の技術者を新たに採用し、構成を変えていきました。


「誰かのためにやっている」という意識ではなく、「自分が好きでやっている」と考えることが重要。好きでやっていることなら、他人に理解されなくても気にならないはず。


特に勝負を決める大事な局面では、「周りに何を言われようとも構わない。後から正しい選択だったと言わせてみせる!」ぐらいの気概が必要。


ビジネスは中長期も含めて考えるもの。短期的に考えた時は合理的な判断でも、中長期で考えるとものすごく不合理なことも、よくあるのです。


信用は一朝一夕で得られるものではありません。「小さな約束を守る」「相手を信じる」といった積み重ねで、少しずつ得ていきましょう。


「経験を生かそう」とすればするほど、失敗する確率が高まる。ビジネスはそう簡単に過去の経験が生きるほど甘くはない。


20代は若さでごまかせますが、30代以降は「人としての深み」が問われます。「深み」は、その人が持つ志や信念、価値観から見えてきます。


努力している人を「意識高い系」と揶揄する人がいますが、自分のことを棚に上げ、他人のことをとやかく言う人は、それだけでダサい。努力はどこかで必ず生きます。周りから何と言われようと、気にしないでください。


「自分を必要以上に賢く見せようとしない」ことも大切。理屈で説明できないビジネスはたくさんある。無理に理論武装をする必要はない。


事がうまく進まなくても、一発逆転狙いの奇策は打たない方がいい。奇策にすがる気持ちは分かりますが、一か八かの博打はたいてい失敗する。


会議で意見を聞かれた時に周囲の顔色をうかがって「右へ倣え」とする人も、それを嫌って反対の意見を言う人も、どちらもダメ。自分の基準で考えた意見を言っていない。


大きなプロジェクトになればなるほど、他人のアドバイスを柔軟に盛り込んで企画を改善していける人でないと難しい。


ピンチの時の対処の仕方で、その人の真の実力が分かるもの。評価する側は、そこをしっかり見ています。


優れた想像力には、幅広い知見や経験、物事を多角的に捉える洞察力や思考力が必要となる。


「利用者の立場で考える」ということは、自分の考えや気持ちを除いて、とことん相手の立場で考えること。


「小さな変化」を意図的に繰り返すことで、大きな変化に対する抵抗感は次第に減っていく。


変化が求められている時に、しっかり対応できる「変化に強い人」になるには、小さいなことでも構わないので、日頃から変化を楽しむ生活をするといい。


自分のことばかり考えている人は、どれだけ努力しても、小さくまとまるか行き詰まる。


ユーザーにとっては、開発の苦労話などはどうでもよく、純粋に使って「便利か」「楽しいか」「使いやすいか」などが大事。


日頃から誠実に振る舞い、公平な態度で接するリーダーの言葉こそが、チームを1つにする力を持つ。


リーダーには、部下から多くの批判を浴びても、自分の信念を貫き通す覚悟が必要。


サイバーエージェントの社長であることが、一番自分を成長させてくれるんです。このポジションにいるからこそ、新しい経験を積めるし、いろんな方たちから話が来るという部分がある。


ベンチャー精神を失ってはいけませんが、長距離を走れるだけの余裕を持たなければいけない。


技術的には同じことをやれる会社はほかにもあるかもしれませんが、これだけの赤字を許容できる会社はほとんどないでしょうね。

【覚え書き|AbemaTVについて】


現場経験に勝る育成方法はありません。だから、経営者人材を育てるのも、経営を実際に体験させるのが一番いいんです。


若い人でも、「まだ早い」なんてことは全然なくて、必死になって頑張れば、なんとかなるんです。逆に、成長してから社長になろうと思っていたら、いつまでたってもなれません。


スタートダッシュがとても重要です。昔は「大器晩成」という言葉がありましたが、いまは変化のスピードが速くて、晩成するまで待ってもらえませんから。


ネットビジネスは先行者メリットが大きいので、とにかく早くスタートを切ることが大切です。「わからないことはやりながら覚えていく」のが正解です。頭でっかちで身体が動かない人は、この業界には向かないかもしれません。


何かを成し遂げるためには、目標を明確にして、それを見失わないことが大切です。当たり前のようで、これができない人は多い。起業を目指していたはずが、仕事に追われ、熱意を失い、惰性の中で夢から離れてしまう。ひとえに目標に対する集中力が甘いからだと思います。


成功する確率が高い人と、何度チャンスを与えてもダメな人の違いは、結果を出すことに対する執念です。結果を出す人というのは、絶対に諦めない。そして、泥臭くても何でも、なんとか目標を達成するんです。かたや結果を出せない人は、諦めが早い。そして、「○○のせいで」「結果ばかりでなく、プロセスも見てください」などと、目標を達成できなかった言い訳をあれこれするのです。


失敗しても「×」はつけません。人は失敗経験もないとダメです。そういう経験があってナレッジ(知識)も蓄積され、成功の確率も上がっていくんです。実際、一度立ち上げたレコード会社を失敗した人が、別のオンライン・ゲーム子会社で実績をあげた例もあります。


多少実力がともなっていなくても、大きなポストに就くと、誰でもそのポストにふさわしい自分になるように努力するものです。私自身、24歳のときに経営を始めたときはひどかった(笑)。でも、四苦八苦しながら、事業計画を立て、人を使って売上を伸ばすということを必死にやっていくうちに、だんだん社長っぽくなっていったんです。


サイバーエージェントを設立したころ、インターネットに関する専門知識がなかったので、その勉強もしなければなりませんでした。営業先で知らない専門用語が出てきたら、さも知っているような顔をしながらすかさずメモ。帰社後、それを必死に勉強していました。ネットの世界は変化が激しいので、「じっくり勉強・検討してから行動」では駄目なんです。勉強・検討が終わったころには、すっかり環境が変わっていますから。


サイバーエージェントを設立したころは、平日は17時間、土日に12時間働くことを自分に課していました。会社をつくってすぐというのは、実はあまり仕事がないんです。でも、そこでボーっとしていたら終わりじゃないですか。そこで、「週110時間」という目標を決めて、「昼間は外に出てひたすら営業に回る」「戻っても、ああだこうだと戦略を練る」といったように無理やり仕事をつくりだしていました。


よく、「仕事の優先順位をつけ、効率的に仕事をしろ」と言われますが、最初は、何を先にやって何を後回しにしたらいいかなんてわかりませんよね。だから、とにかく量をこなして経験を積むしかないんですよ。


成長のスパイラルに入るには、とにかく量をこなす。それに尽きます。ですから、朝は始発電車で出社し。ほかの社員が出てくる頃には、営業先に向かいました。土日はもちろん、ゴールデンウィークも夏休みも関係なく働いていました。
【覚書き|人材サービスのインテリジェンスでトップ営業マンになった理由について語った言葉】


一度、「負のスパイラル」に陥ると、そこから抜け出すのは相当大変です。もしいま自分が負のスパイラルに陥っていると思うなら、環境を変えることを真剣に考えた方がいいでしょう。そして、新たな環境でまたいちから勝負する。厳しいかもしれないけれど、これは真実だと思います。


仕事は最初が勝負の分かれ目です。早めに成果が出ると、自信が持てるので、ますますいい仕事ができるようになります。周りからも、「あいつはなかなかやるな」と認めてもらえて、どんどん仕事を任せてもらえるようになります。すると、それに取り組んでいるうちにさらに実力がついて……というように、成長のスパイラルに入っていけるんです。


私が絶対に採用しないのは、「言われたことはなんでもやります!」という「依存心が強いタイプ」の人です。「藤田社長の下で働きたいんです!」というのも困ります。変化が激しい我々の業界では、自分で考えて実行していく人間でないと、やっていけないからです。


「素直さ」も大事ですね。人間、そんなに才能に違いはありません。先輩や上司の助言を聞いて自分を変えてゆく素直さがあれば、誰しもそれなりに力がついていくものです。


採用面接のときによく見るのは、その人の笑顔です。笑顔には、その人の性格や人柄が出ますから。


当社の強みは、モチベーションの高い社員が目標達成のために一丸となっているところにあります。ですからまず、チームプレーに向いている人材かどうかをチェックします。ものすごく優秀でもコミュニケーション能力がない人は採用しません。


実績があって人格の悪い人間は、絶対管理職に上げないようにしています。なまじ自信を持っているだけに、このタイプの扱いが最も厄介だからです。


自分のアイデアに熱狂している人は、目つきが違います。目つきが違う人の話は信じていい。


弊社が求めているのは、自分のアイデアに熱狂することができ、プライドも何もかなぐり捨てて、その実現に寝食を忘れて没頭できる人材です。


私が社員のアイデアを評価するときの基準にしているのは、プレゼンテーションをする社員の目つきと姿勢です。自分のアイデアを本気でいいと思っている社員は、まず、目つきが違います。


ネットベンチャー企業である弊社は、前例のまったくない世界でビジネスを展開しています。前例のない世界では、斬新で優れた事業アイデアを発想できるかどうかが勝負を分けるため、クリエイティビティにあふれた社員の存在が不可欠です。弊社のような企業にとって、上にいい顔をするだめに部下のアイデアを利用したり、保身のために部下の優れたアイデアを潰したりするモラルに欠けた管理職の存在は最悪です。


私が最も重視しているのは、提案者自身が自らのアイデアに熱狂しているかどうかです。それさえあればビジネスとして成功する可能性は大いにあります。反対に、どんなに優れて見えるアイデアでも、提案者がそれに熱狂していないときは、絶対に採用しないことにしています。


私は、プレゼンテーションのときに私の方ばかり向いて話をする社員をあまり評価しません。決裁者ばかりを意識して熱弁をふるう人間を、信用できないからです。社長に認められたい、あるいは自分のプライドを守るためプレゼンに勝ちたいといった動機から捻り出されたアイデアに、ロクなものはないからです。


私は管理職に登用する際の選択基準を、一にも二にも人格に置いています。もちろん、人格が優れていて実績も高ければ文句はありませんが、人格と実績のどちらを優先するかといえば、圧倒的に人格の方です。


成果主義を貫くうえで、最も重要なのは、下が上げてくる面白い事業アイデアを、上がきちんと評価できるかどうかです。成果主義は部下のアイデアの質を的確に判断できる上司とセットになっていなければ、たちまち行き詰ってしまいます。成果が正当に評価されない成果主義など成り立つわけがありません。


同期の中で賃金に大きな差がつき、待遇が大きく変わるとなれば、当然、そこに嫉妬が生まれてきます。嫉妬をバネにして頑張る人もいれば、「やってられない」といって辞めてしまう人もいるかもしれません。しかし、大きな格差がつくことが日常の風景になってしまえば、実はそれほど問題は生じません。慣れてしまえば「こんなものかな」と思え、逆に「自分にもチャンスが訪れるかもしれない」と、前向きにとらえられるようになるのです。


弊社は厳しい成果主義を貫いています。社長である私も社員を平等に扱おうなどとは考えていません。優秀な社員は報酬を上げ、待遇を上げ、社長自ら目をかけます。徹底して上位にいる人材を伸ばしていく仕組みなのです。それが会社の成長に不可欠だと考えるからです。


日本的経営を参考にしましたが、年功序列制度だけは採用しませんでした。同期入社の中で賃金に格差をつけるのは、日本の名門企業でも今や当たり前のことになっていますが、弊社の同期内格差の大きさを知ったら仰天することでしょう。弊社は日本的経営を参考にしてはいますが、あくまで厳しい成果主義を貫いています。


時間をかけて新卒を教育するには、離職率を下げる必要がありました。家賃補助やリフレッシュ休暇などの福利厚生を充実させたり、懇親会や部活動で社内活性化を図るなど、日本的経営に範をとった施策を重ねた結果、離職率は目に見えて減っていきました。ネットバブル崩壊当時30%だった離職率が、現在では10%未満まで減少しています。


サイバーエージェントの歩みは決して平坦ではありませんでした。東証マザーズに上場した直後にネットバブルが崩壊。先行投資がかさみ赤字の連続。業績悪化につれて社員の人間関係も悪化し、離職率が異様に高い状態が続きました。このままではまずい。会社を根本的に変えなければと、危機に際して私が参考にしたのは、日本的経営でした。


ネタを考えるのが苦手だという人は、考える癖がついていないだけのことが多いものです。


人は年齢を重ね、会社内で階級が上に行くほど、自分を追い込むことが面倒になり、アイデアを考えたり、新しいことに挑戦するのを厭いがちです。その結果時代に淘汰されるのです。我が社では2年に1度、役員の改選があり、8人のうち2人が必ず入れ換わるルールになっています。ですから役員は必至です。これもまた、自分たちを追い込むための仕組みなのです。


たとえば、ゲームに接しているときでも、ネタを考えようという意識が頭の片隅にあれば、ヒントを探しながらゲームに触れるはずです。ゲームオタクと呼ばれるような人が一日中ゲームを触っていたからといって、商売のネタというのは決して生まれません。消費させられる側でなく、生産する側に回るには、ゲームであれ、マンガであれ、常に考えながらモノに触れていることが大切なのです。


商売のネタを考えるには、組織全体を見渡す視点が必要ですが、営業やマーケティングなど分業化された組織で働いていると、どうしても視野が狭くなってしまいがちです。しかし、いくらで仕入れていくらで売れば儲かるといった、ゼロから商売を立ち上げることを想定する癖をつけるだけで、ネタは誰でも考えられるようになります。そればかりではなく、回を重ねるごとに考える力も上がっていきます。


商売のネタを考えるには、締め切りを設定しないと難しいのです。ただ漠然とネタを探そうと思っていても、締切りがなければ、普段の仕事に追われてうやむやになるだけです。締切日というプレッシャーがあるからこそ、その日までに何とか形にしようと頑張るわけです。あした会議を始めたのも、自分の脳を追い込んで、常に新しいアイデアを生み出せる状況にしておきたかったからです。


単にプレゼンで勝つだけでなく、ビジネスプランに実現性と責任をともなう形にしたことで、一気にパフォーマンスが向上し、一回の会議で十何個もの新規事業がスタートするようになりました。


必ず儲かる商売のネタを見つけるにはどうするか。それには儲かる商売のネタを考え出す機会を設け、それ自体を仕組化することが大切です。当社の場合、こうした仕組みのひとつが、私も含めて役員8人と選抜社員が集まって新規事業プランを出し合う「あした会議」です。これは1泊2日の泊りがけで箱根に行き、準備をしてきた事業プランについて役員をリーダーとした各チームが3つずつ発表するというものです。


ネットバブルのときに失敗したことがあります。株価が低迷し続けたとき、社員に頑張ってもらおうと自分の保有株式を全社員に配ったのですが、辞める人が続出しました。十分な報酬を払えば人はついてくると思い込んでいたのです。しかし、お金だけでは人はついてきません。むしろ、モラルが下がります。苦い経験でしたが、このことから学ぶことは数多くありました。


当社は若い人が多い組織ですから、人材の採用や教育にはとくに力を入れています。社員をやる気にさせ、ロイヤリティを高めてもらうためには、仕事をきちんと評価し、成果に対する対価として報酬を支払うことが大事です。


あるお金持ちの人に「お金だけ持っていても人生つまらないよ、人生を豊かにしてくれる人脈がないと」と言われたことがありました。当時はウザったいなと思ったんですが、最近その意味がようやく分かってきました。人は出会いを重ね、ときに失敗もしながらお金より大事なことを見つけていくのかもしれません。


起業してからは、さまざまな場所に遊びに連れて行ってくれた先輩や友人もいたので、年齢相応の遊びなども経験しました。これらのことから行き着いた結論としては、大切なのは時間です。1時間で100万円であろうが、1日でタダであろうが、金額に関係なく時間を有意義に過ごすことが大切です。有意義な時間を誰と過ごすかを真剣に考えています。


起業当初、USENの宇野康秀社長に「フェラーリと馬は買うな」と口を酸っぱくして言われたこともあり、個人のお金の使い方には注意してきたつもりです。


すごくワインに詳しい人が説明してくれたあとに、「さあぞうぞ」と言われて飲むと、何も考えずに飲むより何倍も美味しいものです。味のパフォーマンスを高めてくれる人と飲むのは楽しいです。食事もそうです。京都に行ったとき、江戸時代にできた器で、京都でしか取れない何とかですという説明を受けました。その器に盛られた料理はいままで味わった中で一番おいしい気がしました。味そのものではなく、シチュエーションがお金を超えると実感した瞬間です。


もともとお金に対する執着はあまりないほうです。当社の株式を公開して自分の個人資産がそれなりにできて、ますます執着がなくなったような気がします。僕は金持ちになりたいと思って起業したわけではありません。企業も、心を震わせられるような仕事ってなんだろうと、21世紀を代表する会社をつくるという理想を実現するための手段でした。


優秀なリーダーは部下を褒めたり、モチベーションを高める発言をしたりするなど、様々な手を使って、部下に自発的に動いてもらおうとします。一方のダメ上司は、「つべこべ言わずにやれ」などと、権力を振りかざす。これは自分の能力不足を露呈しているだけです。


本人の性格や能力にかかわらず、つき合う人によって、良くも悪くも影響を受ける。そう考えると、職場にせよ、友人にせよ、良い影響を与えてくれる環境や人を「主体的に選ぶ」ことが重要。「自分がレベルアップできる」という観点で選ぶといいでしょう。


仕事を設計する時は、「目標までの道のり」をゲームのようにいくつかのステージに分けましょう。最初の方のステージはハードルを低めに設定し、少し頑張れば達成できるようにして、どんどん目標を高めていくのがコツ。達成感が得られ、面白さも感じられます。


これからはもう何があっても信念を曲げない。


知識や教養が豊富なのに、批評家タイプであるがゆえに仕事ができない人を、私は過去にたくさん見てきました。ネット上で批評ばかりしている社員を見かねて、厳しい言葉でたしなめたこともあります。


新たな挑戦には、批判はつきもの。初期段階における「まだ何もできていないじゃないか」という指摘は、まさにその通りだったりします。ですが、そう言われるのが「現場」なのです。


他者の批評をよくする人ほど、打たれ弱かったりします。厳しいツッコミをする一方で、「じゃあ、君はどうなの?」と問い返されると、「うっ……」と言葉に詰まります。やはり、現実から目を逸らしているのでしょう。思い通りにならない、弱い自分を認めたくないという気持ちがあるのかもしれません。


批評家の立場に回れば、相手の事情を鑑みずに、「正しさ」だけを一方的に主張して相手をねじ伏せられるので、とても気分がよくなります。そうして得た自己陶酔感は、歪んだプライドを生み、麻薬のように人を狂わせていきます。人は、楽な逃げ道を覚えてしまうと、厳しい現実に向き合うことができなくなります。そうなると、困難に立ち向かわなくなり、ビジネスパーソンとして終わりを迎えます。


仕事とは、無理や矛盾、理不尽と向き合って進めていくもの。困難が立ちはだかるのは当たり前です。そんな時、現場で必死に泥臭く、努力を続けられるか。それが実は一番大事なことなのです。


コメンテーターやアナリスト、社内で評価業務に携わる人など、仕事として批評をしている場合を除き、批評は「百害あって一利なし」だと思います。


自己顕示欲と謙虚さのバランスが重要。もしあなたが上司で、部下が、「次の大型案件をぜひ私にやらせてください! 必ず成功させてみせます!」と言ってきたらどう思いますか。「現実が見えていないのではないか」と心配になりませんか。では、「力不足で心配をおかけすることになるかもしれませんが、それでも挑戦したいんです!」と言われたらどうでしょう。「そこまでの覚悟があるなら」と、任せてみようという気持ちになりませんか。


若手は大きな仕事を任された時、「自分なんかがやったら大変だ」とベテランより謙虚な態度で、人一倍どころか「人三倍」ぐらい頑張る傾向があります。これが好結果を生む原動力になる。


会社は組織の特性上、社員が多ければ多いほど、自ら積極的にアピールしていかないと、「その他大勢」として埋もれてしまいます。組織の中で埋もれると、大きな仕事を任せてもらえなくなるだけでなく、最悪の場合、リストラの対象になったりもします。


コンペで勝つにはプレゼン内容だけでは決まりません。自分が80点のプレゼンをしても、クライアントに足しげく通って信頼関係を築いたライバルの60点に負けることがある。「20点の差は企画を進めていくうちに埋められる。あの人の熱意や人柄に惚れた」という理由で。


「無駄」と思えるような仕事も経験になりますし、後々の仕事で役立つこともある。失敗したり、恥をかいたりしても、「経験を多く積んだもの勝ち」なのは間違いありません。


全力でいろいろ試してみることが大切。無駄かどうかは、やってみないと判断できない。全部やってうまくやれたものだけを残そうという考え方をするといい。


仕事をする時は「無理なく無駄なく目標を達成する方法はないか」を考えると思いますが、「新しいこと」をする時には、こうした「効率的」な考え方はかえって「非効率」な結果を生むことが多い。想像の範囲の中で考え抜いて導き出した「最適解」や「最短コース」は間違っていることが多く、途中でやり直すはめになるからです。しかも、環境や社内ルールの変化など想像以外の要因で自分が描く「最短コース」が覆されることもあります。では、どうしたらいいか。それは、思いついたこ一とを「全部やる」こと。


優れた経営者や優秀な社員の多くは、必死に走りながら、悩みと決断の繰り返しで知識や経験を積んで成果を出します。もちろん、その中で勉強もしていますが、決して勉強から始めるわけではありません。もし「勉強さえしたら何かが変わる」と考えているなら、考え直した方がいいと思います。


受験戦争を勝ち抜いた高学歴の人に多いのですが、「真面目に頑張れば必ず報われる」と考えているのは危険です。ルールやフレームが決まっている中での競争であれば、「真面目さ」は強力な武器になりますが、ビジネスの場合、いつ、どこでルールやフレームが一変するか分かりません。賢い人が自分で新たなルールを生み出してしまうと、真面目だけが取り柄の人はそこで立ち往生してしまいます。そこで「誰よりも真面目にやっていたのに……」と言っても、どうにもなりません。


ビジネスでは模範解答は何ら参考になりません。求められているものが、アイデアや改善案であれば、さらに意味がありません。当たり障りのない凡庸なアイデアは、議論の余地がないからです。必要なのは、常識外れであっても可能性を感じさせるアイデアです。


新規事業を成功させるには、「小さく産んで大きく育てる」を意識して実行することが大切です。時折、未知や不慣れな分野であるにもかかわらず、多くの予算と人員が必要となる「巨大プロジェクト」を企画する人がいますが、それは多くの場合、机上の空論となり、失敗します。新規事業に関わる予算や人が多ければ多いほど、立ち上げ時に襲い掛かる様々な問題に柔軟に対応できなくなるからです。


できる人は、稚拙なアイデアであっても面白がる。まずは面白がる姿勢を取ることが大切。アイデアを聞いた瞬間に「ダメだ」と思っても、そこですぐに否定せず、まずは「面白そうだね」と相手の話をすべて聞く。話を聞いているうちに、新しい発見があるかもしれないし、気になる点は質問をして一緒に考えていけばいい。


「ポジティブ思考」が強く、何を話しても「頑張れば大丈夫!」「元気を出そうよ!」という人は、相談相手に向きません。「弱っている時」のポジティブ思考は、「押しつけがましい」と感じることが多く、疲れてしまうからです。


社員のブログを読むなかで、「こいつはしっかり考えているな」という人がいたら、仕事で抜擢することもあります。当社にかぎらず、部下がブログを書いていたら、上司はきっと気になって読むはずです。そういう意味でブログは、自分の能力をアピールする場にもなります。ですからどうせブログを始めるのなら、みんなから注目を集められるように、上手にプロデュースしてほしいと思います。


当社はブログを事業としている会社なので、多くの社員がブログを書いています。そのなかでも「面白いな」と思えるブログは、アクセス数を伸ばすためのネタと、どうしても訴えたいメッセージを、うまく織り交ぜている文章です。私も、重たい文章が続いたら次は軽くしてみたりというように、いつもバランスには気をつけています。


ブログ記事につけられたコメントのなかに、ネガティブなコメントが混ざっていたほうが、読み手は興味を惹かれます。これが、「藤田社長のことを尊敬してます」といった類のコメントばかりだったら、誰もアクセスしなくなります。コメント欄を充実させるためにも、読み手が思わずツッコミを入れたくなるような、隙のある文章のほうがいいのです。


ブログでは、読み手のツッコミどころが多いほうがいい。そのほうが、読み手のコメントを引き出すことができます。ブログのなかで、もっとも読んでいて楽しいコンテンッがコメント欄です。コメントもコンテンツになる。これが面白い点なのです。


ブログでアクセス数を伸ばすために重要なのは、ブログと紙媒体との特性の違いを認識しておくことです。もともとPCは、「文章を読む」ことに適したメディアではありません。だからブログでは、できるだけ文字数を少なくすることがポイントになります。ですからブログでは、ぱらぱらと読むことができる漫画のように書くことがコツです。説明しきれない部分は、写真・動画を多用することでイメージを補います。


これ以上問題が見つからないというまで、隅々まで問題をみんなで探しまくって、ひとつずつ潰していく体制ができているんです。だから、僕はいつバトンタッチしてもいいんです。


決断できるかどうかは、頭がいいか悪いかではなく、心が強いか弱いかの違い。周囲に流されたり、目の前の数字や評価に惑わされたりするのは心が弱いから。心を鍛えていれば正しいことを正しくやれます。


株主が怒っているだけでなく、社内は大混乱で僕の求心力はもうなくなっていたし、社会からも批判を浴びている状態。とにかく耐え忍ぶしかなかったですね。
【覚え書き|インターネットバブル崩壊で株価が急落した時を振り返っての発言】


仕事では相手に対して気遣いのある対応ができているのに、家族にはできていないという人がいます。これは「自分のことを分かってくれている」という甘えが、「気遣いをしなくていい」という行動につながっているのではないかと思います。どんな人であっても「立場や価値観が違う」ことを前提に接し、気遣うことが大切。


漠然とした不安を抱えて悩んでいる人もいます。例えば、何らかの病気を抱えていると不安に思っているにもかかわらず、検査にいかない人。1日でいいから時間を取って検査を受ければ、重大な病気が見つかろうが問題なかろうが、ひとまず当初の不安はなくなります。当然ですが、次にすべき行動も明確になります。


悩んでいる時は、他人からアドバイスをもらうのも手です。ブログやSNSなどのツールを使って悩みを発信するといいでしょう。悩みの相談に乗ることが好きな人も多いので、何らかの返答があると思います。自分で思うほど深刻な問題でなかったり、簡単な解決方法が見つかったりします。


仕事については、将来のビジョン、今年の決算の目標、今月の目標など、自分の中で明確な目標を持っています。これらを軸に判断すれば、簡単に合理的な答えを導き出せます。判断基準となる軸さえ持っていれば、「それはないな」「これは絶対やった方がいい」とシンプルに考えられるわけです。悩み続けてしまうのは、軸がないからで、軸さえ持てば何ら悩む必要はありません。


大きなビジネスは、信頼関係の上に成り立ちます。挨拶代わりに守れない約束をするのは、空手形を発行しているのと同じ。それぐらいシビアに考えてもいいでしょう。好意や意欲を示したいばかりに、軽い発言をして自分の価値を下げてしまうことのないように注意してください。


その場で決めなければならない問題を先送りにすれば、それが後々、致命的な問題として表面化したりすることがある。だからこそリーダーは、どの道に進んでも叩かれることを覚悟のうえで、決断していく必要がある。


中長期的な視点に立てば、逆境はあって当たり前で、辛いのも当然だと考えられると思います。短期的な判断が必要な場面もありますが、慌てて間違った判断を下さないよう、逆境を長期的な視点で捉えることを忘れないでほしい。


逆境を迎えた時、私はいつも、「答えは必ずある」と考えます。「そう思うのはなぜ?」「どんな答えがある?」と、後から根拠や解答を探していけばいいのです。どのような難問でも答えはあるからです。


私も元から打たれ強かったわけではありません。20代で起業し、それこそ何度も「えらい目」に遭いながら身につけていきました。その苦労があってこそ、今の私があります。


ビジネスの現場では難局の連続が待ち構えています。そこで最後まで逃げずに、やり遂げるために必要なのが「耐える力」、すなわち「打たれ強さ」なのです。


私はこれまで、謙虚さを失って消えていった起業家をたくさん見てきました。最初は会社を経営するということが、どれだけ難しく、どれだけ怖いかを身をもって実感しながら慎重に事を進めていきますが、ある時、大きな成功を収めた途端、おかしくなる人が本当に多いのです。安全運転の方法を忘れてしまったかのように暴走し始めます。「自分は勝てる」と思い込んでいるのでしょうか。人が変わったように、無謀なことに手を出していきます。


大きな成功体験は、謙虚さや素直さを失う危険が伴う。何度失敗しても、「また一発当てればいい」と考えるようになるからです。こうなると、失敗を失敗として捉えなくなり、反省や改善をしなくなる。


「自分で決めた道か」も、迷わず前に進めるかどうかの決め手になります。「受け身」や「妥協」で選んだ道を進んでいる人は、苦境時に心が折れやすい。だから、たとえ仕方がないという状況だとしても、納得のうえで、「自分で決めた道」と考えて進みましょう。


多くの苦境は、意外と「自分の努力」で何とかなるものです。それなのに、あれこれ言い訳を重ね、自分で「負ける流れ」を作り、それに乗ってしまう。これが「負ける人」のパターン。


「勝つ人」は、苦境に陥っても、焦ったり、必要以上に不安になったりしない。「今をしのげば、何とかなる」と考え、努力で突破しようとする。だから、最終的に勝つ。


人は苦境に陥ると、近視眼的に目先のことにとらわれがちになります。そして、必要以上に不安になる。そうなると、絶望したり、逃げ出したくなったりして、逆転の可能性を残しているにもかかわらず、負けを認めてしまう。だから苦境の時こそ、長期的な視点、つまり全体を俯瞰して見ることが重要になってきます。


「ありきたりの言葉」は、どれだけ並べ立てても効果はありません。海に水をまくのと同じです。同じ内容を伝える場合でも、言い回し1つで「心に刺さる」かどうかが変わります。だからこそ、言葉選びや言い回しを工夫する必要があります。


先日、「過去に機能していたけれど現在は必要なくなったもの」「決めた時はいいと思ったけれど、さほど効果がなかった制度」などを整理する「捨てる会議」を実施しました。


自分自身であれ、他人であれ、「人を動かす」という意味で、言葉の力は、とても大きい。ですから当社では、社内外問わず、発信する言葉をとても大事にしています。


海外事業へ投入する人材は、まず市場を切り開ける能力を持っていることが条件。英語が使えるかどうかは関係ない。本当にできる人材なら、自分の仕事に必要なレベルの英語ぐらい何とか身につけるはずだと考える。


事業、仕事というものは、つまるところ実需を生み出すことが本質。英語を使うことは仕事の目的ではなく、その実需をつかみ取るための手段のひとつにすぎないという、分かりきった事実を、企業も英語人材も改めて認識し直すべき時期に来ていると思う。


飲み会で「羽目を外すな」と注意をするのは簡単ですが、そんな当たり前のことを言っても効果は期待できそうにない。考えた結果、羽目を外しそうな社員旅行や大勢の飲み会がある時は、酒癖の悪い人に「風紀委員のワッペン」を配ることにしました。率先して騒いだりする「トラブルの起点」になりそうな人は、あらかじめ風紀委員に指名して「取り締まる側」にしてしまう。起点そのものを事前に潰す策です。これは大きな効果がありました。


「飲み会は人間性がガラス張りで見えてしまう」ことを意識しましょう。お酒が入ると、人の「良い面」と「悪い面」が浮き彫りになります。


新しい流れや動きに対して、「時代遅れの解釈」や「勝手な思い込み」を当てはめて否定的に捉えてしまう人がよくいます。そういう人は、まずは自分の常識を疑ってかかり、「今、何が起きているのか」を客観的に捉えるようにするといい。


大事なのは、1つでも構わないから、「恐らく(きっと)~ではないか」という考察を入れること。単なる「知っている」だけで終わってしまうと、たとえ流れを察知してもそこまでです。自分なりに本質を見抜こうとする努力が必要です。


私たちビジネスパーソンが着目すべきは、「何が売れているのか。それはなぜ売れているのか」といった身近な消費動向です。政治や経済の動向をいくら考えても、自分の仕事に紐づけて考えることは難しいからです。


インターネット業界は今もなお、かなりのスピードで変化し続けています。そこでの現状維持は、むしろマイナスでしかありません。リスクを恐れて「安定」を選んだ瞬間にジリ貧の道を進みます。


20代の頃は仕事が忙しくても気力でカバーできましたが、30代になってからはそれも難しくなっていました。体調を崩しても仕事のパフォーマンスだけは落とさないようしていましたが、それも限界があります。そこで昨年、体調管理の方法を根本から見直すことにしました。


お酒を飲まない休肝日を1か月のうちに7日は取るように心がけ、ルームランナーを自宅に置くなどして週に6日は体を動かすようにしたところ、体調がとても良くなりました。ずっと体調管理に悩んできただけに、自分に適した方法を見つけられてよかったと思っています。


組織の中では、納得のいかないことは往々にしてあります。理不尽さを抱えながら成立しているのが組織というもの。正諭なら何を言ってもいいわけではないことを理解しておきましょう。


どんなに酷い目に遭っても、ぐっと堪えることが大切です。自分が悪くなくても、キレない。キレたらそこで終わりです。仕事をしていると、忍耐が必要な局面がしばしば出てきます。そこで、自分の心が耐え切れるかどうかが重要です。


今は、ネットの普及により、内向的な人が力を発揮できる時代になりました。会議の場で発言できなくても、ブログやSNSを使い、自分の意見や考えを発信できます。口下手で何を考えているか分かりにくい人でも、ブログやSNSの発言を見ることで「この人はよく考えている」ということが分かるようになった。内向的な人に対する理解が深まっているとも言えるでしょう。


ヒットは出せなくて当たり前で、うまくいくのが稀。このように現実を客観的に捉えながら狙っていくべきです。そうでないと、ヒットを出せない自分に必要以上に苛立ったり、うまくいかない仕事に対してやる気を失ったりしていきます。


1度ヒットを出したからといって「またできる」と考えてはいけない。ヒットには方程式がないため、再現性もありません。つまり、多くの場合、再び狙ってヒットを出すことは難しい。


もし、少しでも他者への依存状態を自覚した場合は、「自分はどうしたいのか」という自分基準で考え、行動してください。他者依存の状態に比べると、自分に大きな責任が生じるうえ、失敗のリスクも背負いますが、人はそうした環境に置かれないと成長しません。


もし、自分の置かれている現状に不満を抱いている人は、圧倒的な努力をしてみてください。周りの目が変わるかもしれませんし、変わらなくても、自分の仕事に対する考え方は確実に変わるでしょう。


結局、自分の努力や成長度合いといった「自分のこと」は、自分にしか分かりません。「努力する自分」と「評価する他人」の間には、絶望的なほどの深い溝があることを認識しましょう。


アンケートやユーザーヒアリングは、そう聞かれたらこう答えるだろうという、予定調和の部分があったりするので、現実とは違うことが多々ある。それだけに、鵜呑みにしない方がいい。


プレゼンは最初の印象が肝心です。市場背景から知りたい相手もいるかもしれませんが、相手の経験や知識レベルに合わせて、説明の仕方を変えなければいけません。それができる人は、実は少ない。だからこそ、できると非常に賢く見えます。


いいときに傲慢にならないことが大事ですよね。いいときって、プライドがすごく高くなったり、結構いろんな人を怒らせてしまう。それに、短期的な評価に満足して、長期的に手を打っておかなきゃいけないことをやらなかったりする。そういうことがないように、僕自身も戒めているし、社内でもそう言っています。


スマートフォンが出てきて、我々にもチャンスはあると思っています。また新しい「よーい、ドン」が始まったんです。我々はこの2年で、会社をスマートフォン企業に入れ替えました。いま年商1600億のうちの1000億はスマートフォン。そこでトップになれる可能性があるなと。


テレビ局や出版社がネットをやろうとしても、あまり成功していないですよね。あれは、「コンテンツがよければいい」というテレビや雑誌の文化をそのまま持ち込んでいるからです。


それまでの経験は役に立たないわけだから、いままでのキャリアを捨ててもやり遂げるつもりでやりました。やれば意外とできるようになるものです。


新しいことはトップが直接やらないと。企業文化が変わらないんですよ。社長の僕がいままでの広告事業を見ていたら、そっちの考え方が正しいということになります。僕がメディア事業に集中すれば、それが正しいということになる。


07年にこのままではダメだということで、僕が直接アメーバの事業をやることにしました。僕が社長で、一番重要な事業はアメーバだと言っていたのですが、それまではアメーバを人に任せていました。当社はもともと広告代理店で、アメーバはメディア事業。会社としてメディアにシフトすると言っているのに、人任せでは何も変わらないことに気がついて、自分でやることにしたんです。


信頼を得るには約束を全部守るしかないです。たとえば「売上が上がりますよ」と言って上がらなかったら、「なんだ、嘘ばかりじゃないか」ということになる。芸能界は、そうした小さい約束もきちんと守ることがとくに大事です。


芸能人にブログを書いてもらうとき、記事には一切お金は払ってないです。うちのサービスを使ってほしい、書くことについてお金は払えないけど、そのかわりに、商売を一緒につくりましょうと芸能事務所に持ちかけました。たとえばタレントさんのブログの空いたスペースを広告枠にして、その広告の売上を折半する。そこの営業活動を結構頑張ったので、徐々に信頼してもらえるようになって、使ってもらえるようになりました。


本当は技術力でいいものをつくらなきゃいけないんですけど、アメーバブログのスタート当時は技術がまだ弱くて、ほかの部分でカバーせざるをえませんでした。それで芸能事務所へ営業して回ることに。そこを一生懸命やっている会社がほかになかったから、まずはここだと決めました。


「計画性」と「気合い」は、どちらが欠けてもううまくいかない。計画は予想外の事態で変更を余儀なくされますし、気合いだけでがむしゃらに働いても、効率的に計画性を持って動かなければ時間内に終わりません。多くの人は、どちらか一方に偏ってしまう傾向がありますが、職種や仕事の内容によって、臨機応変にその比重を変えられる人が最も優秀だと言えます。


当社では、社員一人ひとりが責任を持ち、突き詰めて仕事をしてもらうために、「兼務」を認めていません。どんなに優秀な社員でも、複数のプロジェクトを任せると、どうしても甘くなる仕事が出てくるからです。兼務の状況によっては、「お手伝い」や「腰掛け」の気持ちになってしまう人も出てくる。それらを避けるために、兼務はさせないようにしています。


最後のひと踏ん張りが、大きな差を生む。実はそこが一番苦しくて、辛い。そんな苦しい状況から逃げ出さずに、最後までやり切れるかどうか。そこが勝負の別れ目。


強力なライバルが、それこそ必死で同じ目標に向かって努力をしている以上、さらなる努力をしなければ相手に勝てません。仕事は常に、最も高いレベルの争いをしていると考えてください。


社内人脈をつくるときは「自分の名前を売る」ことよりも、「相手の名前を覚える」ことが先。人は自分に関心を持ってくれている人に、関心を持ちます。だからまず、とにかく社員の名前をたくさん覚えることから始めてください。


周囲の協力を得やすい人ほど、大きな仕事で成果を出す。組織の中で大きな成果を出す人は、決して自分の力だけに頼りません。周囲とうまくつき合い、周囲の協力を得ながら、目標を目指して突き進みます。


「子供は親の背中を見て育つ」とよく言われますが、ビジネスパーソンであっても、誰かの背中を見て学ぶことは多いと思います。私も多くの人の背中に学びました。そして、自分も誰かに背中を見られていることを忘れないでほしい。


会社員はどんな理由があっても、辞める時は一緒に働いている同僚が納得する辞め方をしてほしい。自分勝手な理由で、誰かに対して不義理をすると、自分の世界をどんどん狭めてしまうので、本人にとってもよくありません。それだけに「辞め方」はくしっかり考えてもらいたいと思っています。


自慢ばかりする人は、その時点で「終わっている」とも言えます。将来性を感じないからです。自慢をすればするほど、底の浅い、小さな人間であることを露呈するのも気づいていないのでしょう。「自慢はしない。自慢と捉えられてしまう発言にも注意する」という意識を持ちましょう。


ビジネスパーソンとしてプロ意識が高い人ほど、社内人脈の重要性を正しく理解している。日頃から社内の人と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。


社外の活動や付き合いも大切だと思いますが、社内人脈を甘くみていると、次第に社内で孤立し、評価もされにくくなります。今の職場で低い評価をされていたら、たとえ転職してもうまくはいかないでしょう。


同期の社員がいなかったり、中途入社の場合は、社内のイベントや部活動、全社横断的なプロジェクトに積極的に参加することをお勧めします。時代遅れと思う人もいるかもしれませんが、酒の席での交流、いわゆる「飲みニケーション」も社内人脈を作るうえでは大切。


豊かな社内人脈を活用すれば、1人では到底不可能な大きな仕事も、様々な人を巻き込んでやれるようになります。他部署の人と交流を深めれば、視野が広がります。視野が広がると、独りよがりの判断や行動が減ります。組織の、チームの一員として成果を出せるようになります。


「結論が出ない会議が多い」と不満を持つ人もいます。それは会議の進め方の問題というよりは、意見を取りまとめて決断を下すリーダーの責任が大きいと思います。会議はお悩み相談会ではありません。リーダーは、様々な意見を聞いたうえで決断を下し、今後の行動を明確に指示しなければいけません。


気軽に意見が言える雰囲気が、予想外のアイデアを引き出す。


どんな会議も主体性を持って参加することが大切。


1人で考えたものは妄想になりがちで、実態に照らし合わせて再考すると、現実的でないアイデアだったりします。一方で、意見が飛び交う会議中に思いついたアイデアは、様々な事情を加味した質の高いアイデアになることが多い。


「素晴らしいアイデア」と呼べるものは、ほぼすべてと言っていいほど、会議から生まれている。


アイデアを実現に向けて詰めていくときに最も大事なのは、発案者だけでなく、決裁者、つまり上司も一緒に考えること。それができれば、アイデアの実現率が高まります。


新商品や新サービスが大ヒットした時、「実は同じことを考えていた」とか「うちの会社もやった方がいいと会議で言ったのに……」と言う人は少なくありません。ネット業界はそれが顕著で、あるサービスが大ヒットした時は、よくそういう話が出ます。そんな負け惜しみを言わないためにも、見込みのあるアイデアは、実現に向けて詰めていく必要があります。


大切なのは、チームで戦略を共有し、全員が同じ目標に向かって進んで行くこと。それができれば、スター集団でなくても、組織としての強さを高めることが可能。


ビジネスの世界では、現実から目を背けてはいけません。厳しい状況においても、自分たちの置かれた立場や能力を正確に把握し、競合と比較しながら戦略を考え抜くことが大切です。


結果が悪ければ何を言っても説得力がない。どれだけ苦悩し、試行錯誤しても、結果が出なければ評価されません。


BtoC領域はBtoBと価値観がまるで違ったため、一度すべてをゼロにして、自分自身が大きくキャリアチェンジしないと生き残れなかった。


優秀なビジネスパーソンほど、「すべて自分の責任」と覚悟を決めて働いている人が多いと思います。そんな人が信頼され、大きな仕事を任され、結果を残していくのではないでしょうか。


厳しい現実を目の前にすると、「社会が悪い」「政治が悪い」と批判したくなりますが、それもほどほどにした方がいいと思います。そういった他責の念は、いつの間にか自分の心の中に常駐するようになり、仕事においても「自分は悪くない」と思う気持ちが強くなっていきます。


言い訳の大半は通用しません。自分をさらに不利な状況に追い込むだけです。さらに、言い訳は気づかないうちにクセになります。言い訳したくなる気持ちは分からなくもないですが、そこはぐっと我慢した方がいいでしょう。


単に運が悪かったとしても、違う方法で仕事を進めていれば、状況は変わっていたかもしれない。どんな場合であっても、ビジネスの結果は自己責任です。


仕事とは様々な制約の中で進めていくもの。どんなに困難で理不尽な状況に陥っても、そこを何とか突破していかなければなりません。


厳しいビジネスの世界で生き残る企業や個人は、常に集中力を切らさず、改善を積み重ね、それを持続させます。特に市場の変化が激しいネット企業の場合は、気を抜いたら終わりです。新しいことに挑戦するだけでなく、既存事業の成功に驕ることなく、コツコツとその事業を成長させていく地道な努力が重要です。


新しいことに挑戦する姿勢は大事です。数多く試し、うまくいったものだけを残すという手法も効果的です。ですが、新しいことに挑戦する前提として、既存の事業や仕事でやり残していることがないかどうかの見極めが必要です。


「主力事業がダメだから新しい分野に」という発想で取り組んだ新規事業の多くは失敗します。転職も同じ。仕事がうまくいっていない時の転職は、成功する確率は低いでしょう。


物事に行き詰まると、つい一気に問題を解決する策を求めてしまいます。ですが、そんな時に本当に大切なのは、まず足元をきちんと見つめることです。経営であれば、頭打ちに見える事業でも、残っている可能性を徹底的に探す。個人であれば、今の仕事のやり方をゼロから見直して、改善点がないかを検討する。それが成長(成功)の近道だと思います。


ショートカットできる道を必死に探し、確実に成功すると思われる準備を周到にしてから起業しても、「十分」大変な目に遭います。そこまでやっても失敗する人が多いのです。十分すぎるほどの準備を重ね、良い環境でスタートしてこそ、成功のチャンスが生まれるのだと思います。


良書に出会うには、「世の中で良いと言われているもの」を読むのが近道です。あまり知られていない良書を自力で探すには、たくさんの本を読んでスクリーニングする作業が必要で、難易度が一気に高くなります。まずは信頼する人が薦める本を読んでみてはいかがでしょう。


多くの本を読んで満足している人を見かけますが、これだと思う本を見つけて、繰り返し読むことこそが重要です。何度も繰り返し読み、最終的には自分の言葉で語れるぐらいにならないと役には立ちません。数をむやみにこなすのは時間のムダだと思います。多読はあくまで良書に出会うためのプロセスと考え、自分なりの問題意識を持ちながら、これだと思う一冊を探しましょう。


経営者の健康状態は、会社の業績にダイレクトに影響を与えます。ビジネスパーソンとして一定の成果を継続して出すには、健康であることが必須。


自分の学歴を他人がどう思っているかということより、自分がどう意識しているかをしっかり把握しておくことが大切です。そうすれば、仕事をこなしていく中で、上手にメンタルコントロールができるようになると思います。


自分の学歴を低いと意識している人は、「人の何倍も努力しなくては」と考えて頑張って働く傾向が見られますが、一方で「できない自分」を卑下してしまう危険性もあります。「出遅れているかもしれないが、これからの努力でどうにでもなる」と、ハングリー精神を持って働くことが大切です。


ほどよく空気を読む力を持ちながら、そのうえで置かれた状況に応じて「あえて読まない」選択をできるかどうか。それができるようになれば、ビジネスパーソンとして、一つ上のステージに上がれると思います。


交渉の場では、空気を読みすぎて相手に遠慮する人は、不利な立場に持っていかれやすい。主導権を握るためにも、場の空気を読んで相手との距離感を測りつつ、譲れない点は断固として受け入れない姿勢が大切。


AbemaTVでは約30チャンネルを24時間放送しているので、まず必死になってコンテンツを揃えるところから始まりました。「これを見たい」と思われるコンテンツをつくるためにも、とんがった番組を考えるトンガリスト会議という会議を設けました。


新規事業を手掛けている立場としては、ユーザーもそうですが、同業他社がざわつく場合は成功する確率が高いのかなと思っています。良いことばかりではなく、否定的なことを言われることもありますが、それだけ周囲が気になる事業は結果、成功しています。無視されるのが一番きついですね(笑)。


すでに失敗したサービスもたくさんあったので、AbemaTVがスタートした時も、疑いの目で見られることは覚悟していました。ですので、最初のうちは、あまり関係者を増やさずにテレビ朝日とサイバーエージェントで、できる限り自力で形をつくろうとしてきました。


AbemaTVがある程度、成功していれば、2番手が来ても、大差をつけられます。また、合従連衡が日本で起きた場合も、あちこちから熱烈ラブコールを受けるようなものにしていかなければいけないと思っています。


困難な仕事を抱えると、どうしても気持ちが落ち込みます。ですが、そういう仕事こそ、自分を大きく成長させるチャンスと考えてみてはどうでしょう。困難を乗り越えた先に、大きく成長した自分がいる。そう思えば、将来への希望を感じられ、仕事も前向きに取り組めるのではないでしょうか。


世の中は常に動いているので、「自分が動かないような仕事」をしていると、すぐに時代遅れになる。ですから「時代遅れになっていないか」を自問自答し続けて、現場で仕事をすることを大切にしてください。


どんなビジネスパーソンも、「ブランクの怖さ」を、もっと感じた方がいい。私の場合、リタイアして1年でもネット業界から離れたら自信がなくなります。今の業界にどっぷり漬かって、現場にもいるから、正しいことが正しいと分かるし、疑わしいことも疑わしいと分かる。


当社は「上が丸投げするようになったら終わりだ」と言って、合宿までして、新入社員と同様に新規事業のアイデアを出します。社長の私も同じで、経営の仕事だけでなく、現場の仕事を最後まで責任を持ってやる機会を増やしています。


客の関心や好みは、「山の天気」のようにどんどん変わる。変化の兆候を誰よりも先に気づくのは現場。現場で働いていないと、変化に対応できない。


投資の際に見極めるべきは経営者自身です。規模が小さい会社でも大きく取り上げられる華がある経営者に投資していきます。


僕自身もゼロから起業しましたが、実は本当に投資すべき会社というのは、おおっぴらにお金を集めようとしていません。お金をそこまで必要としていないんですね。ただ、先輩起業家からのアドバイスは欲しいというところがある。だから出資をしてほしいと持ち込まれる案件よりも、むしろ僕自身が自然体で探しに行き、魅力を感じた経営者を見つけて投資していきたいと思っています。


これからは生き残れないスマホゲーム会社も出てくるでしょう。かつての据え置き型ゲーム市場で起きたように、スマホ分野においてもゲーム開発コストが高騰しています。組織力、資金力を備えていなければ、勝つことはできない。学生ベンチャーが作ったものが通用する世界ではなくなってきました。


子供向けプログラミング講座CA Tech Kids始めた理由は、日本の教育に対する問題意識が根底にあります。僕たち現場からすれば、圧倒的にプログラマーが足りないのに、なぜかどこもかしこも「英語人材」しか叫ばない。いいプログラマーが育てば、競争力のあるサービスを生み出し、そして新たな雇用を生み出します。今、明らかに需給のバランスが悪い。むしろ英語人材の方が使い道に困りますよ(笑)。


我々は撤退ルールを定めています。指標はプロダクトの性質によりますが、コミュニティーサービスであれば出してから4カ月で月間ページビューが3000万、ゲームなら月間利用金額が1000万円を超えなければ、撤退です。だからこそ担当者は必死になります。


幹部が泊まり込みで会社の未来のことを話し合う「あした会議」は本社がある東京・渋谷から離れます。どうしても渋谷にいると、今、目の前にあることで手いっぱいになってしまいますから。決して問題を先送りにしないために必要な合宿です。


幹部が泊まり込みで話し合う「あした会議」で議題に取り上げるのは、サイバーエージェントにとっての「今」ではありません。中長期的な成長を考えていくうえで、問題になり得ること、新しい事業を立ち上げることをメインに話し合います。サイバーエージェントの「明日を創る」という意味であした会議と名づけています。


2年前にスマートフォン事業の売上は60億円でしたが、今では1000億円まで拡大しています。全体の収益の6割をスマホ事業から上げています。2年前と言えば、自分の会社の売上高が初めて1000億円を超え、利益も100億円を超えた時です。確実に来期も増益でいける時でした。それらをすべて投資に回す決断をするとしたら、やはり経営者以外にいないでしょう。


新しい潮流が生まれると、本体ではなく、子会社を作って対応してきました。若い人材を経営者として配置し、企業と経営者の両方を育成してきました。基本的には子会社の社長に任せ、結果責任で管理する方法をとっています。


我々はこの環境変化の速いインターネット業界でビジネスを展開しているので、事業構造を変えることについては慣れています。


業績がいいときはどうしても周りにもてはやされ、経営者自身も調子に乗ってしまいます。結果、短期的で社会的な評価に目を奪われてしまいます。本来であれば中長期的な成長を考え、好調な今を犠牲にしてでも取り組まなければならないことがあるにもかかわらず、目をそらしがちになるんですね。これによって問題が先送りされ、事態の悪化を招きます。


成長の秘訣と呼べるものはありませんが、挙げるとすれば2つ。会社の調子がいい時に経営者自身が尊大にならないこと、そして問題を先送りにしないで早めに手を打つことです。


10年くらい前、「10年間生き残ったら褒めてやるよ」と周囲から言われました。その時は何を言っているか全く分かりませんでしたが、今、ようやくその意味を実感できます。実際に周りから次々と消えていますので。続けることはかくも大変なことかと実感しています。


IT業界で勝ち残るための条件は、サービスやアプリなどでトップになること。1位とそれ以下では雲泥の差がある。圧倒的なナンバーワンを目指すことが重要。


IT業界は事業内容が頻繁に変わったり、収益メカニズムも複雑だったりするので、プロのアナリストでも銘柄分析が難しい。その意味において、経営者の人となりを見て信頼できるかを判断して投資することも重要。


重要なのは、相手の気持ちを「想像」するだけで済ませないこと。可能な限り相手と同じ場所で、同じものを見て、同じものに触れる。そこまでしないと相手の気持ちは分からないと考えておきましょう。


仕事をしようとして、相手の立場になって考えられるようになっていく まず、自分の仕事に興味を持つ、好きになることから始めましょう。仕事に対して喜びや誇りが持てれば、もっといい仕事をしようとして、相手の立場になって考えられるようになっていく。


合理主義で自己中心的な人は、「素早く、正確に仕事を処理する能力」は高くても、「顧客の気持ちに立った仕事」ができず、提供する商品やサービスが全く顧客の方を向いたものになっていないことがある。そんな人は、どこかで仕事が頭打ちになります。特に最終意思決定者にホスピタリティーがあるかどうかは、企業にとって重要です。


ビジネスの現場では、ホスピタリティーに力を入れすぎると、優先順位を見誤って失敗することがあります。「何が求められているか」を客観的に判断できなければ、逆効果になる。


次々と責任のある仕事を任せて、ものすごい勢いで知識や経験を得てもらう。だから大企業よりベンチャー企業の方が、人材の成長が速い。


大きな成果(数字)を出した人は、抜擢の理由が分かりやすい。けれども、成果を出せる人が必ずしも、上に立ち、部下を生かせるわけではありません。人格的に問題がある人が上に立つと、部下を潰し、組織をも崩壊させます。


当社は昔から「成果だけでは抜擢しない」と決めています。一緒に働く人から「この人なら大丈夫」と思える人格者であるかどうかを見ます。


成果が伴えば、仕事は面白いんです。これはゲームをしている感覚にとても似ていると思います。「仕事を楽しくする」方法は、ゲームを作る過程に似ています。


我が社もネットバブル崩壊後に、離職率がかなり高まった時期があった。そのころから「これではダメだ」と悟って社員の帰属意識を高める方針に転じた。一番効いたのは、私が発した「社員を大事にする」というメッセージだった。「有能な社員が、長期にわたって活躍できる終身雇用を目指す」ということをあえて明言したことで、社内の雰囲気はガラリと変わった。トップや経営陣がこのようなメッセージを出すと社員も、「我々も会社が好きだし、大事だ」となる。特に日本企業は、このようにして醸成される組織力に強みがあるのは間違いないだろう。


「これは自分の役割ではない」「この仕事はやりません」とみんなが思ってしまうと、組織としての柔軟性はなくなり、大規模なリストラと、新たな採用を繰り返すことになる。そのようなやり方で事業構造転換をする方法ももちろんある。が、社員の組織への帰属意識を高めた方が変化対応力が強くなり、会社として生き残る可能性が高くなると、私は思っている。


サイバーエージェントの上場時と現在では、主力の事業構成が全く異なっている。変化の激しいインターネット産業の中で、手を変え品を変え事業を入れ替えて会社を存続させ、成長を続けてきた。これは、社員が高い就社意識を持ってくれていたから可能になった。従来と異なる事業を始めても、社員がついてきて一生懸命働いてくれるのは、会社への所属意識が強いからだ。


業績には好不調がある。中長期で成長を見据えるには、役割分担やチームプレーが非常に大事になる局面があり、底力を発揮して危機を乗り切る会社は、社員の帰属意識が高い場合が多いように思える。そのような粘り腰の強い組織にするには、社員の就社意識は非常に重要だ。


私も起業前は、終身雇用の時代は終わったとか、実力主義が重要だと思い込んでいた。だが、実際に会社を経営してみると、自分の会社に高い帰属意識を持ち、就職ではなく“就社”したという意識を社員に醸成する重要性を何度も感じた。


ベンチャーらしくないとよく言われるのだが、我が社は終身雇用を掲げている。今いる社員を大事にして育てることが、結局は中長期の成長を確実なものにするという思いがあるからだ。


「先送り」という言葉は悪い印象がありますが、「迷った時の決断は間違いやすい」という前提に立てば、決めずに先送りにする判断が正しいと言える場面も少なくありません。先送りにして根本から状況や問題を見直すと、フッと自然に決断できることもあります。


迷ったうえでの決断は間違いやすいと思います。それが、たとえ論理的に説明できる決断であってもです。論理の積み重ねは、全体を捉えるのがとても難しく、大事な何かが抜け落ちていることがよくある。それに論理的な理由は、後づけでどうとでも創作できます。だから、理屈が通る決断というのは、それだけでは信用できません。


直感的に正しいと思ったら、ほぼ間違っていない。直感で正しいと思ったものは意外と全体を捉えていて、「ここが最も大事だ」というポイントも押さえている。


誰かに好かれたいのであれば、相手を怒らせてしまうことを心配するよりも、相手に楽しんでもらうことを優先する。そのためには、自分が相手と一緒にいる時間を楽しまなければならない。


大物から好かれる人は、「相手に対して恐縮しない」人でありながら、「相手を尊重した気遣いができる」人。一見矛盾しているこの2つを同時にできる人が好かれます。


世の中には、大物扱いをしてくれることがうれしい人もいるのでしょうが、常識的に考えると、「相手に気を使わせている状態」が好きな人など、そういないと分かるはず。恐縮しすぎる人は、かえって相手に気を使わせていることをよくよく理解しておきましょう。


接待は「相手を楽しい気持ちにさせる」ことが何より大切です。接待を成功させる秘訣は、「自分も一緒に楽しむこと」。


何事も自責の基に選択する。どうしても避けられなかったり、自分で選択できなかったりする事情があったとしても、「そんな事情も含めて、自分の人生」と考えられる人は、魅力的に見える。


苦境に陥っている最中でも、「最悪のケースにならなくてよかった」と考える自分の選択を前向きに捉える思考も実は重要です。それで現状に甘んじるのはよくありませんが、「まだまし」と考えて、次のチャンスをつかもうとする人には伸びしろを感じますし、実際、そういった考えが苦境を脱するカギになったりすることも、少なくありません。


選択にセンスを感じる人は、選択を迫られた時、「自分自身と向き合って、何が大事で何が大事じゃないか、自分の頭で考える習慣」が身についています。「自分で決めたこと」であれば、たとえ苦境に陥っても、歯を食いしばって歩み続けることができる。それを知っているからこそ、自分で選ぶことを大事にするのです。


選択のセンスの差は、「自分の価値観をしっかり持っているかどうか」で決まるような気がしています。間違った選択をよくする人は判断時に、周囲の情報や他人の意見に左右される傾向があります。自分の軸がないために、目の前の欲に目がくらんだり、自分に言い訳をしながら妥協したりして、選択を誤ります。欲や言い訳がちらつく選択は、多くが失敗するからです。


選択にセンスを感じる人は、自分の選択をしたうえで、しっかり成果を出し、その積み重ねで他をどんどん引き離していきます。一方で選択にセンスを感じられない人は、選択が間違っているので、ビジネスを遂行する知識や能力があっても、うまくいきません。


過去の選択を嘆くのは、はっきり言って時間のムダ。「時」は常に流れていて、今も何らかの選択を迫られているはず。過去を嘆く暇があるなら、今後の選択をどう決めていくか、考えるべきだ。


「生産し続ける」「編み出し続ける」という活動をするビジネスは、とかくメタボになりがちです。定期的に「捨てる」機会を設けてしっかりデトックスし、たまった老廃物を出し切りましょう。


時代の潮流を捉えている勢いのある人は、新しいモノに囲まれている傾向があります。「特に不満はないから」と、古いものを使い続けている人は、新しいモノの登場に鈍感になっていきます。すると、ビジネスパーソンとして競争力を失います。


仕事のやり方やモノを捨てる時のポイントは、代替案や改善案を出すといった「増やす」ことをしないという点。とにかく「捨てる」ことに徹することが重要です。代替案などは、1度捨ててゼロの状態にリセットしたうえで考えた方が、いいアイデアが浮かんでくるものです。


モノを捨てられない人は「こんな時に使えるから」とプラス面を見て、ほぼ出番がないモノを捨てずに取っておいたりする。だから、物事のプラス面を見がちな人は、捨てられないのです。そんな人は、プラス面の割合を客観的に考えてみてください。「たった1割の理由」にこだわっていることも少なくありません。


「捨てることが苦手」と思われる人は、「やめるべきではない」という理由が似たようなものでした。その理由は、「○○にとって必要だから」。9割やめるべき理由があるのに、1割のメリットにとらわれ、やめられないのです。


先月、「捨てる会議」という名の会議をやりました。これまで実施してきた数多くの事業や制度を1度見直し、「やめるべきもの」を決めようというものです。


信用が得られると本当に仕事がやりやすくなります。私は今、動画関連事業で世界に例がないものを作ろうと必死になっていますが、社員は「社長が言うのなら」と私の判断を信じてついてきてくれています。当然、イケるとは思っていますし、実現するために全力を尽くしますが、それができるのも「信じ合う力」があってこそだと思っています。


「相手を信用する」というのも、信用を得るためには必要です。自分を好きと言ってくれる人を好きになるのと同じで、人は自分を信用してくれる人を信用します。自分を疑っている人を信用する人はいませんよね。だから信用を得たいなら、まずは相手を信用する。


信用は「言ったことはやる」という約束を積み重ねて得ていくもの。言った以上はそれもしっかり守る。仕事の約束はもちろん、普段のつき合いの中で生まれる小さな約束を守っていきましょう。


ビジネスパーソンの最も重要な資産は「信用」です。例えば、「ものすごく仕事ができる人」と「ものすごく信用できる人」であれば、どちらと一緒に仕事をしたいですか? 10人に聞いたら10人が「信用できる人」と答えるはずです。どれだけ仕事ができる人でも、裏切られたり、騙されたりする可能性があるなら、一緒に仕事はできません。


経験は「生かす」ものではなく「捨てる」もの。そう考えて仕事をゼロから取り組み、成果が出た後に「実は過去の経験が生きていた」というのが、正しい経験の生かし方ではないでしょうか。


自身を成長させ、成果を出し続けていくには、「捨てる覚悟」が必要。新卒にいつでも戻れるようなスタンスで仕事をする人が、ネット業界では成功する。積み上げた経験を捨てられる人が強い。


当社は、新卒の社員に子会社の社長を任せるなど、若手の抜擢を積極的に進めています。それは「経験がない」ことのメリットをよく分かっているから。経験がない若手社員は、物事を素直に捉えてがむしゃらに頑張るしかない。新規事業を成功させるカギは、バイアスのかかっていない、そうした純粋な目を持てるかどうかにかかっています。


成功体験は、新しい仕事を取り組む時の足かせとなるので注意が必要。「成功体験を生かそう」と考えると、どうしてもバイアスがかかり、現状を素直な目で捉えられなくなります。現状を正しく捉えられない人は、ズレた行動を取ったり、時に暴走してしまったりします。


あらゆる業界で大きな変化が起きている現在、「新しいことに挑戦して大きな成果を上げる人材」が求められています。上司の多くがそんな期待を持っています。上司が期待しているのはあなたの「経験そのもの」ではなく、経験から得た「能力」や「スキル」を生かした成果なのです。


突出した成果を上げた人は、出る杭は打たれると言われるように周囲から目をつけられます。そんなときは揚げ足取りに注意。対応が面倒ですが、それは突出した結果を出した者の宿命として、つき合わざるを得ないと思った方がいい。揚げ足を取られてイライラしたり、キレてしまったりするようでは、ビジネスパーソンとして甘いと考えてください。


ポジショントークや、データを客観的に捉えられない理由の1つに、物事を近視眼的に見ていることも挙げられます。大局を見る力や、中長期的な視点で考える力をつけ、「目の前の都合のいい情報」に飛びつかないようにしましょう。


自分に自信がないとデータに頼りたくなりますが、そんなデータで取り繕った根拠は、ビジネスでは通じません。「自分が最終責任者だったら、どんな判断をするだろうか」。そのぐらいの責任感を持って、データと向き合ってください。


データに惑わされる人は、「都合のよいデータ」しか見ていないことが多い。自分の考えを正当化したり、補強したりするデータを見つけたら、それで終わり。別のデータが出てきて、自分の考えが根底から覆される可能性を考えません。


会社に対しての意見や批判が言えなくなるような環境はダメ。社員一人ひとりが自分で判断し、意見をぶつけ合いつつ、自主独立しながら会社を成長させていくことが大切。


本当に優秀な人というのは、会社組織の一員であるという帰属意識が強く、自分の会社や同僚に誇りを持っているもの。優秀な人は、転職をしてキャリアアップを図るとしても、所属している期間は、その会社に対して高いロイヤルティーがある。


短期勝負は結果がすべて。どれだけ入念に準備をしていても、負ければ批判されるし、窮地に立たされる。だからこそ、飢餓感にも似た強い思いが必要になる。


短期勝負に勝つために必要なことは大きく2つある。1つ目は、「飢餓感と言っていいほどの勝ちたいという気持ちを強く持つこと」。2つ目は「実際の自分たちの実力を臆病なほど冷静に見極めること」。


競争社会の中で戦う時の敵は「硬直化」。自分たちの足が止まってしまうと、長期的に見て悲惨な事態しか待っていません。だからこそ、常に「新しい風」を吹き込む施策が必要。


周りの声に惑わされることなく、自分の基準に基づいて判断できる人はとても魅力的に見えます。実際、それができる人は、仕事もできます。ネットが普及する前に比べると、現在は周りの声がノイズとしてたくさん入ってくるようになりました。そんな環境下だからこそ、より「自分基準」で判断する力が求められている。


企画を通す立場の人は、企画の説明をされた時、何よりその企画のリスクを考えます。そういった目で見られていることを踏まえて、本当に伝えたいことのみを伝える、シンプルな企画書に仕上げることが大切。


マトリックスで市場分析して「ここがブルーオーシャンです!」と目を輝かせて話す人はダメですね。そんなに簡単に市場分析できるはずがありませんし、そもそも市場を大まかに4つに分けて「ココを狙えば大丈夫!」と言われても「確かに」とは言えません。


企画書を作る前にひたすら頭を絞り、「これだったら大丈夫」というところまで考え抜く。そこまですると、企画書を作るために時間をかけられなくなります。ですから、作ることに時間をかけている時点で、その企画書は通らない可能性が高いですね。


企画の問題点を潰して、より粘度の高いものに仕上げる工程は、企画書を作っている時ではなく、作り始める前にするもの。見栄えの良い企画書を作ることが大好きな人の中には、考える時間が「1」で、作っている時間が「9」の人もいる。それは全く逆で、「9対1」でないとダメ。


ピンチの時は周りが見えなくなりがちですが、一歩引いて自分を俯瞰して見るようにする。そして「落ち着け。むしろこれは評価を上げるチャンスかもしれないぞ」と考える。そうすれば、冷静沈着に対処できると思います。


ライバル会社とコンペで争っている時に動揺を見せると、そこを徹底的に突かれたりします。それは卑怯な行為ではなく、戦い方の1つとして正しいものです。動揺は、ダメージを与えたいと考えるライバルの思う壺なのです。


トラブルやピンチのときは少なからず動揺しますが、一呼吸ついて、動揺を顔や言動に出すのを抑えることが重要。「動揺を見せない人」は、それだけで、「頼もしい」と評価が上がります。ですから、トラブルが起きたりピンチに陥った時こそ、動揺を見せずに乗り切って、評価を上げてください。


逆境の経験が少ないと、不安になりがちで、その不安を誰かと共有したくなります。そんな気持ちになるのは分かりますが、動揺するのは「火に油を注ぐ」ようなもの。すぐに消せる火をあえて大きくするようなことはやめましょう。


「想像できないから相手に直接聞く」という考え方は素直でいい。ただし、市場調査のデータは、調査対象や手法によるフィルターがかかるので鵜呑みにしないでください。「市場調査をしたところ~」と安易に結論づけるプレゼンは、データをそのまま使っているだけのことが多いため、私は好きではありません。そのデータを客観的に捉え、そこから想像(分析したり、仮説を立てたり)しなければ、アンケートをする意味はありません。


相手の気持ちを想像するとき、「自分だったら」と考えるのは簡単。自分ではない他人だからこそ、想像するのが難しい。その難しさを理解した上で、ユーザー目線でサービスをつくれば、本当の意味での顧客主義ができるようになる。


他人を見て想像する時は、きっとこうだろうと決めつけないこと。「○○かもしれないし、××かもしれない」と、様々な視点で考える習慣をつけると、ビジネスの場においても的外れな決めつけが防げる。


「この機能は利用者のために付けました」。当社のネットサービスの会議でこのような内容の発言をする人がいます。私はそんな時、「利用者は本当にその機能を望んでいると思う?」「提供者側の一方的なゴリ押しでは?」と厳しい指摘をするようにしています。「利用者のために」と言いながら、「利用者にこうしてもらいたい」という自分の願望を無理に押しつけていることが少なくないからです。


変化後の結果をすぐに求めてはいけません。短期的な視点でビジネスを捉えると、変化は怖くてできなくなります。「高い目標を達するために、短期的な犠牲は問わない」といった考え方をするようにしましょう。


毎朝、同じ時間に起きて、同じ時刻の電車に乗って出勤している人なら、たまには1つ前の駅で降りて、1駅分、歩いてみる。何となく座る場所が固定化している会議では、反対側に座ってみる。ランチが食堂ばかりなら、弁当を買って公園で食べてもいい。服装や髪型を変えて、イメージチェンジをしてみても面白いでしよう。ほんの少しの変化が、自分に新たな気づきを与えてくれます。


「変わりたい」と考えていても、何もせずに放っておけば、変わることへの抵抗感は、知らず知らずのうちに強まっていきます。だからこそ、自ら積極的に変化していく姿勢が大切になってきます。


「○○と言えばあいつ」というキャラは、分かりやすさという点で持っていた方がいいでしょう。特にピラミッド型組織の下層にいる20~30代の場合、キャラを持っていると「このケースではあいつが適任だ」と抜擢されやすくなる。頭角を現す武器として、キャラが役に立ちます。


良くも悪くも自分のキャラがしっかりあり、そのキャラを破るような対応を柔軟にできる人が「優秀な人」であり、出世していくのだと思います。無色透明の人が出世していくことは、ほぼありません。


日頃の情報収集や下調べを怠らない人は、話をしていると「理解が早い」と感じますし、とても賢く見えます。ビジネスで関わる人が発信している情報は、ツイッターであれ何であれ、手に入れておいて損することはありません。SNSをチェックするだけで、相手の仕事に対する考え方から興味関心まで把握できるのですから。


情熱や熱意は、アイデア実現のために難解な課題に立ち向かったり、出来上がったものを辛抱強く改善し続けていくには欠かせないものですが、企画を提案する段階ではむしろ邪魔。間違いを起こすだけです。


業界ナンバーワンの会社の社員は、「必ず一番になる」といった勝者のメンタリティーを持っている傾向がある。そうした強い気持ちなしには、「勝つアイデア」はなかなか生まれない。


厳しいビジネスの世界では、「出し抜こう」や「叩き潰そう」というくらいの強い気持ちがないと生き残れません。そうでないと顧客に選ばれないからです。攻撃的な気持ちを持つのが苦手な人でも、そこはビジネスとして割り切って考える必要があります。


企画を立てるときによくあるのは、自分でも気づかないうちに肝心なところから目をそらしている見落としです。例えば、ビジュアルが肝の企画でも、「良いビジュアルを採用して……」とさらっと言ってしまったりする。聞いている方も、それを聞き流してしまいがち。本来であれば、良いビジュアルとは何か、誰をデザイナーに起用するか、その調整や確保をどうやって行うのかを説明しなくてはいけません。それこそが難しいのであって、そこを詰めてこないと意味がありません。


仕事はいくつもの問題が複雑に絡み合うもの。大事な何かが1つでも欠けていたら実現は不可能です。ですから、素晴らしい企画とは、前提条件から具体的な手順、起こり得る問題、その解決方法、実現後のアフターケアまで、全体を通して見た時にツッコミどころのない、完成度の高いストーリーになっているものなのです。


どんな状況でも使える専門スキルを身につけようとするのではなく、与えられた仕事の中から自分の強みを見つけ、伸ばしていく。そうすれば、自然に必要なスキルが身につきます。環境が変わってもやることは同じ。ゼロリセットができれば、別の専門スキルがすぐに身につくはずです。いつでも新人に戻ったつもりでやれる力。これは、組織の中で生き抜くための重要な力だと思います。


新天地においてこれまでの経験や人脈を活かそうとする人ほど、伸び悩む。過去の経験や人脈に頼れば何とかなるとは、露ほども思わないでほしい。


新しい専門スキルを身につけるつもりなら、ゼロから、それこそド新人になったつもりでやらないとダメです。こうしたマインドセットができる人は、どんな状況においても、目の前の仕事に素直に向き合えます。当然、成長も早い。


分からないことだらけでつらいと思いますが、とにかく新卒に戻ったつもりでやってください。
【覚え書き|新しい部署に異動した社員への言葉】


高い専門スキルさえあれば、いつの時代でも生き抜いていけると考えているとしたら、それは幻想です。専門スキルは「安定」をもたらすものではなく、それ自体が「不安定」なものだと考えた方がいいでしょう。どんな専門スキルも、時代のニーズや会社の経営方針などで需要が変化します。重宝されているスキルも、数年後には全く必要とされないかもしれません。需要が保障されているスキルなど、ほとんどないと言えます。そんな社会で生き抜いていくには、これまで積み上げてきた経験やスキル、人脈をすべて投げ出したとしても、一から出直せる力が必要になってきます。


自分の強みを見つけ、徹底的に伸ばそうとする姿勢は大事。けれども、「自分にはこれしかない」と思い込み、今の強みにすがりつくようになると問題が生じる。


ネットサービスにおいて小さいベンチャー企業は、自社サービスを個人運営のサービスのように危機感を持って、手間暇を掛けて開発・運用します。大企業が小さなベンチャー企業に負けるのはその点です。ですから、同様の危機感や責任感を感じてもらうために、「ユーザー視点で良いものを作る=プロデューサーの評価」としています。


絶体絶命の状況をイメージし、自分をとことん追い込んで考え抜くことが大切。たとえば、事業戦略を決める重要な会議などでは、参加者全員が「成すべき目的や目標」を強く意識して、それこそ脳がヘトヘトになるまで考え抜かなければならない。


人を動かすには、信頼関係の構築が必須です。リーダーを信じられなければ、部下は全力で動けません。「信じてついてきてほしい」というリーダーの常套句も、信頼関係がなければ効きません。


企画会議などでは、アイデアを通したい気持ちが出過ぎて、不都合な事実をあえて記載しない資料を用意してくる人もいます。そんなな人を騙すような資料でも、疑いを持たずに真に受けてしまう人がいるから困ります。資料には思考の整理や理解を助けるという利点がありますが、一方で思考の枠を狭めたり、停止させてしまう危険性を秘めていることも覚えておきましょう。


私はよく、会議の冒頭で「パソコンを閉じて、用意した資料も伏せて考えよう」と話します。議論の内容を重要な案件だけに集中させ、全員で知恵を絞り尽くそうという意図によるものです。苦労して分厚い資料を作ってくる参加者もいますが、あえて伏せてもらいます。その方が根本的な問題をシンプルに捉え、頭をフル回転させることができます。同時に、自分の言葉でしっかり意見を言うことも可能になります。


どうやって自分の頭をフル回転させたらいいか。頭脳労働で成果を上げるために有効な手段としては、締め切りを設定して自分にプレッシャーを与える方法があります。分かりやすい例では、「1週間後の会議までにアイデアを100個用意する」などです。締め切りに加え、実現が難しいと思える高い目標を立てるのがコツです。同僚や上司にその目標を話し、さらに自分を追い込んでもいいと思います。普段なら見逃してしまうわずかなアイデアのヒントも、「このままではまずい」という危機感があればつかみ取れます。


進むべき方向を見誤っていたり、指示を間違えることもあります。それに気づいたら、変なプライドを持たずに、正直に間違いを認めましょう。何を間違えていたのか、これからどう修正していくのかを、誤魔化さずに言うことが大切です。都合の悪いことを隠したり、ウソで固めた謝罪は通用しません。むしろ、状況を悪化させます。


誰からも好かれるリーダーなどいません。先が見えにくい状況下でも、指示を出さざるを得ないリーダーは、嫌われるのが当たり前。誰しも部下に好かれて、頼られるリーダーに憧れますが、それはあくまで理想でしかありません。チームとして成果を上げたうえで、結果として「好かれるリーダー」が出来上がるだけと考えた方がいいでしょう。そう考えておかないと、好かれるリーダーを目指して、リーダー本来の役割を忘れてしまう危険があります。


「今すべきこと」を何度説明しても、聞いてくれない。そんな状況に陥っても、リーダーは結果を出すために、我慢強く部下を説得し続けなければなりません。


過度の期待から株価が上がり過ぎていれば、「現状はこのような段階で、ここまでいくには○年かかると思う」と素直な実態を丁寧に説明する。過小評価から株価が下がっている時は、企業の魅力をもっと伝えて株価を上げる努力をする。現状と期待が乖離している時に強化するのがIR活動。


期待値のコントロールで最も大切なのは、適切な情報開示です。現状と今後の見通しをしっかり説明すれば、期待値は適切なものになるはずです。厳しい現状を説明して、期待値が下がったとしても、相手はがっかりしません。現状を理解しただけに過ぎないからです。手持ちの情報をすべて開示すれば、不安や気負いも減ると思います。


期待は応えれば応えるほど、青天井で上がっていきます。過度な期待をされて、後で困るのは自分です。「がっかりさせたくない」という気持ちは誰しもありますが、現状を踏まえたうえで自分に対する「期待値」(どれだけ期待されているか)をしっかりコントロールしましょう。


ベンチャー企業を増やすには、リスクを取って事業を立ち上げる起業家が増えるだけでなく、自分なりの評価軸を持ち、ベンチャー企業の価値を適切に判断できる投資家やファンドが増えることも必要だ。日本のベンチャー投資が活気づくことはよいが、その観点が決定的に欠けているケースも散見される。


2000年のITバブル崩壊を経て、我々と同じタイミングで創業し投資ファンドから出資を受けた多くのベンチャー企業が、株式市場の暴落とともに消えていった。割高な企業価値で評価され過剰な出資を受けてしまうと、どんなに将来性のある技術やビジネスモデルを持っていたとしても、企業の実力とは関係なく、株式相場に翻弄されて経営がおかしくなってしまう。


最初から企業価値を高めに評価されてしまったベンチャー企業は一見、得をするように思えるが、実はそうでもない。株式市場が上昇し続けていれば問題ないが、ひとたび地合いが悪くなると増資の応じ手がいなくなり、資金の手当てに追われることになる。


目標設定については、会社や職場から目標が明確に提示されている場合は、それを目指して「面白がる」のが一番いい。例えば、職場ごとに売り上げ目標があるとしたら、自分がどれだけ貢献できるかを考え、目標を設定し、それに向けた戦略を練る。仕事を面白がるには、こうした「仕事の設計」が何より大事。


仕事を面白がるためには、クリアしたいと思える「目標」が欠かせません。人は目標を達成した時に満足感を覚え、「面白い!」と感じるからです。目標を達成できなかった時に感じる悔しさも、面白みの1つになります。特に難しい目標にチャレンジしていれば、「そうくるか、だったら次は……」と悔しさもバネにできます。こうした目標達成に向けたプロセスの「面白さ」は、ゲームと同じ。仕事をゲームに例えることを嫌う人もいますが、本質は一緒だと思っています。


つまらなさそうな顔をして働いている人は、「やらされ感」がたっぷりで、ほぼ良い仕事はしていません。そんな人を見て、仕事に対するやる気を失う人は少なくありません。「こんな人でも給料をもらっているんだな」と考えてしまうと、当然かもしれません。ですが、そう思ってやる気を失えば、自分が損をするだけです。周囲にそんな人がいても、気にせず無視するのが得策です。そもそも会社は、そういう人が少なからず存在するもの。現実的な視点で見れば、社員500人の会社であれば、500人全員がやる気を持って働いていることはあり得ません。会社の構造上、やる気のない社員が出てきてしまうのは、当たり前のことだと考えましょう。


目標を細分化し、スタンプラリーのようにして達成度を可視化するのもオススメ。子供の頃、早朝のラジオ体操に参加し、ハンコをもらってうれしかった記憶はありませんか? それと同じで達成度は、できるだけ見える形にした方がいい。できればそれをチームで共有するのが望ましい。目標を達成した時は、1人よりみんなで喜んだ方が数倍うれしいからです。


アイデアを出し合う場では、「この場でなら自由に意見を言えそう」という雰囲気を作ることが大切。そこで有効なのは、「面白そう」のフレーズ。これは、「もっと聞かせて(続けて)」と話を盛り上げる効果があります。企画会議で「面白そうだね」が自然に飛び交うようになると、様々なアイデアが出るようになるでしょう。


仕事ができる人は、交渉やプレゼンテーションの場で、相手との「ベクトル合わせ」をしっかり行います。例えば、社外コンペなどで選ばれる人は、相手のことをよく理解していたり、自分が相手の味方であることを伝えるのがとてもうまい。たとえ自分の考えと多少違っていても、「そういう見方もあるな」と考えて「確かに」と賛同したりする。これは相手とベクトルを合わせようとする意識があるからこそできるのだと思います。


「この人と一緒に仕事がしたいな」「できそうな人だな」と、相手に好印象を持たれる良い口癖もあります。1つは「ぜひ」。これは使い勝手がいいフレーズなので口癖にしておくといいと思います。例えば、交渉相手から「今回は条件に合いませんでしたが、次回は違う提案を持ってきます」と言われた時や、話が弾んだ相手から「今度、お酒でも飲みに行きましょう」と誘われたときなどは、ひと言「ぜひ!」と返しましょう。「ぜひ」は良い関係をつくりたいという前向きな気持ちを相手に伝えられる。仕事を頼まれた時に「私でよければ、ぜひ」と言うのもいいでしょう。「私でよければ」をつけ加えると、「謙虚な姿勢」が相手に伝わります。


「相談しやすい人」は、悩みを抱えた人の「心のオアシス」になるので、会社にとって必須の人材となります。当社だと創業メンバーで副社長の日高(裕介)が、まさに「相談しやすい人」。昔から、社員はちょっと弱ったりすると、日高のところに相談しに行きます。「日高さん、日高さん」と相談しに行って、「ありがたやー、ありがたやー」と帰ってくる(笑)。


仕事をしていると、思うようにいかないことがあったり、判断に迷ったりすることがあると思います。そんな時に頼りになるのが、悩みを聞いてくれる相談相手です。家族や友人に相談する人もいますが、1人でも構わないので、仕事の状況を分かっている社内に「相談しやすい人」を見つけておくといいでしょう。1人で悩みを抱え込まずに済みます。


アプリ開発でデザイナーが心血を注いで作ってきたデザインを、プロデューサーという立場で突き返す(却下する)時は、本当に心苦しくて言いにくい。でも、「いいプロダクト」を作るという目的のためには、妥協はできません。その目的はデザイナーも同じですから、お互いの考えを理解できるまで、よく話し合うようにしています。


話し合うときのポイントは2つ。ひとつは「いい仕事をするために話し合っている」という「共通の目的」を忘れないこと。気づかないうちに、自分のわがままや好き嫌いで意見を押し通そうとしていることもあるので注意しましょう。「いい仕事をするため」という意識がお互いにあれば、妥協点を探る「建設的な話し合い」ができるはずです。もうひとつは「相手の立場」を理解しようとすること。これは相手を気遣ったり、敬意を払ったりするのです。


当社が2011年に「スマホ元年」と掲げて主力事業をスマートフォンにシフトした時、多くのマスコミから「どうしてスマホに大きく舵を切ったのですか?」と聞かれましたが、答えは単純でした。「電車の中でもどこでも、周りを見渡せば、みんなスマホを使っているからです」。少し周りを見渡すだけで、いくらでもビジネスのヒントは転がっているものです。


世の中の流れに敏感であってほしい。ビジネスでは、世の中の流れにいち早く気づくことができると、先手が打てたり、変化に対応する策が打てたりします。世の中の流れを意識することは、新規事業を企画する時に限らず、「目の前の仕事」の課題を解決したり、改善案を出したりする時も必要になる。


相手の立場になって考えるときに注意したいのは、相手の立場に同化しすぎないこと。例えば商品開発では、利用する側になりすぎると、ビジネスの視点が疎かになってアイデアが出てこなくなったり、コスト面で成り立たないアイデアが出てきたりします。モノを作る時は、提供する側と利用する側の視点を行ったり来たりしながら、バランスを取る必要があります。


部下にプライドを持たせる「マインドセット」は、新規事業を立ち上げる時や、事業の方向性を変える時などの初動が何より重要になります。最初にしっかりマインドセットができないと、途中で取り返すのが難しくなる。同様に、異動してきた人に対しても、「何を評価していて、どう働いてほしいか」を、具体的に伝える必要があります。


プライドを持っている人や組織は、素晴らしい仕事をします。当社のプロダクトチームの中でも、「高いクオリティーを目指す!」と品質にプライドを持って働いている部署は、寝る間を惜しみ、妥協も一切せずに商品を磨き上げていく。そんなモードに入ったチームは、苦境に陥っても簡単には揺るぎません。やり切る力を持っています。


「周囲とうまくつき合う」というのは、「社内人脈をしっかり持つ」ということと同じ。「社内人脈」や「社内政治」という言葉に対して嫌悪感を持つ人も少なくないと思いますが、現実のビジネスでは必須です。社内人脈や社内政治にばかり力を入れる「やりすぎ」の人がダメなのは当たり前ですが、「無関心」でもいけません。


他人の力をあまり借りずに、自力で仕事をしがちな人は、自分が「組織の中」で働いていることをいま一度、思い返してください。そもそも会社というのは、「大きな仕事」をするために存在しています。個人でできる仕事だったら、個人レベルの規模にしかなりません。「1人では絶対に成し遂げられないこと」をするために、会社組織があるわけです。だから、周囲の協力を得るのは当たり前。自分の力を過信していたり、プライドが高かったりして、周囲に協力を仰がない人は、組織で働いている意味がありません。「自分の仕事」という狭い視点で見ずに、「会社の仕事、部署の仕事」という視点で仕事をしましょう。


「走りながら考える」手法が機能しない場合もあります。形がある程度出来上がった「黎明期を終えた市場」の場合、闇雲に走り始めても、他社に見劣りするだけで勝つことはできません。例えば、ソーシャルゲームの市場は、アイデア次第で一攫千金が狙えた黎明期は過ぎています。今この市場に新たに参入しても、勝つことは容易ではありません。


「走りながら考える」手法が最も有効なのは、インターネットのような突如現れた新しい分野に挑戦する時です。「どんな行動を取ればいいか分からない」全く新しい分野は、失敗を恐れず、いち早く行動し、知見を蓄えながら前に進んでいった人が勝者になりやすい。どんな市場も「黎明期」は先行者利益を得やすいのです。


一般的なピラミッド型の組織構造の場合、「縦の人脈」は自然と作れても、部署をまたいだ「横の人脈」は作りにくいもの。だからこそ、意識して横の人脈も積極的に築いていくことが大切です。その足掛かりになるのは、他部署に散らばる「同期」の存在。まずは同期入社のメンバーとのつながりを大事にして、そこから人脈を広げていくといい。


社内人脈を構築するメリットはたくさんあります。例えば、情報収集に役立ちます。生々しい有用な情報は、新聞やネットからではなく、人から直接聞く場合が多いと思います。その情報提供者を「社外で探してこよう」と考えがちですが、実は社内の他部署や別の職種の人に聞いた方が、より深く正確な情報が得られることが多かったりします。


人を疑うことを推奨しているわけではありませんが、疑うことを苦手としている人には、ビジネスで大きな仕事を安心して任せることができないのが現実。


人と人が関わるビジネスの世界は、利害関係だけで成り立つものは少なく、結局のところ、信頼関係で動いているものが多い。そうなると、「信頼できる人間かどうか」を見極める力が必要になってくる。


「裏切らない人」を見極める方法もあります。その人の「失いたくないもの」をチェックしてみましょう。何をするか分からない人は、失うものが何もない人だったりしますから、「ここで裏切ったり、逃げたりしたら、もうこの世界では生きてはいけない」という人はある意味、信頼できる。


成功を収めている人は、信用が第一なので、小さな約束をきっちり守る。「信頼を築くためには、どんなに小さなことでも、自分の責任をきっちり果たす」と肝に銘じてほしい。


相手のウソやいい加減な点を見つけるのは、それほど難しくはありません。約束をしっかり守っているか、時間に遅れることはないか、話を適当に受け流すことはないか。そういった細かい言動から、相手の誠実さを測ればいい。


「騙されやすいモード」に入ってしまうと、合理的で冷静な人でも、いとも簡単に騙されてしまうことがある。そのモードとは、欲が強く働いている状態。欲は様々ですが、それが冷静な判断を鈍らせる。


ビジネスで人を信頼するかどうかを判断する場合、昔から知っていて、信頼できる相手であったとしても、「今はどうか」と考えることも忘れずに。状況が変われば、人も変わる。相手が窮地に追い込まれていれば、昔と違っていたり、どこかで心変わりをするかもしれない。数年ぶりに一緒に仕事をする相手であれば、さりげなく今の状況を探ることも必要。


ビジネスで信頼できる人を見つけるコツは、「信頼できる人を見極められる人」を見つけること。最後は自分で確かめる必要がありますが、「Aさんが信頼している人なら、問題ないだろう」と考えられるからです。「信頼できる人を見極められる人」は、大きな仕事を成功させたメンバーの中で、中心となって動いていた人や、人をうまく束ねていた人である可能性が高い。そんな「信頼できる人をつなぐハブのような人」と知り合えると、仕事がスムーズに進む。


大学生の頃は、ベンチャー経営者はあこがれの職業ではありませんでした。豪邸や高級外車を自慢している怪しげな経営者が多かったし、メディアも面白がってそういう人を扱っていた時代。それより電通やリクルートのような会社がカッコイイ存在であり、大学生の目には経営者はただのおじさんにしか見えなかった。そこで、みんなの憧れの存在になる会社をつくるという方向に頭を切り替えました。


会社や上司に恵まれない人は、頑張って働いても、ねぎらってもらえなかったりするかもしれません。そんな時は、自分で自分をねぎらいましょう。短期間で達成できる分かりやすい目標を立て、それをクリアしたら自分へちょっとしたプレゼントをあげる。「少し高級なワインを飲む」とか、「一人旅で羽を伸ばす」などでいいでしょう。こういった工夫を自分ですることも、モチベーションを維持しながら働くうえで必要です。


誰しも1人で仕事をしているわけではありません。多かれ少なかれ、会社や仲間に対する義理や恩があるはずです。通すべき仁義は通さないといけないでしょう。若い人の中にはまるでバイト感覚で義理や恩を踏み倒して会社を辞めようとする人もいます。しかし、ビジネスの世界は意外と狭いもの。前の職場に軋轢を残して自分勝手に強引に辞めれば、いつかどこかで自分の首を締めます。


仕事は1人ではできません。誰かと関わりながら進めていくものです。そこには当然、目に見えない、気持ちのうえでの「貸し借り」が生じます。この「貸し借り」の意識が低いと、「借り」であるはずの恩を、恩と感じなかったり、それをすぐに忘れたり、あるいは、なかったことにします。人間関係における「借り」は、返していく気持ちがないとトラブルを招きます。


私はこの間、会議中に話題になったアプリを知りませんでした。出席者の多くがそのアプリの存在を知っているようで、「社長も当然知っているよね」という雰囲気で話を進めようとしていました。でも、私は知らなかったので「それって何?」と聞き、その場でアプリをダウンロードして確認しました。分かっているふりもできましたが、私はしませんでした。


出世して偉くなったり、誰かに仕事を教える立場になると、「分からないことを分からない」と言えなくなる人が出てきます。状況が分かっていないのに、分かったふりをして指示だけして、部下を困らせます。部下が斬新なアイデアを出しても、それを理解できずに却下することも……。「分からない」と言うと、相手になめられるとでも思っているのでしょうか。リーダーには威厳も必要ですが、分からないことは素直に「分からない」と言うことも大切です。


「現場の声を拾って考える」などと、現場の大切さを理解している姿勢を見せる経営者はたくさんいますが、実際に現場に立って、現場の人と一緒に考えている人はほとんどいません。現場の人間からすれば、「現場に立たずして、何が分かるのか」と思っていることでしょう。経営者だけでなく、課長でも部長でも同じことですが、大事なのは「現場で仕事をすること」なのです。


清濁併せのむ気持ちでいること。何かを成し遂げる過程では必ず、様々な葛藤と対峙します。例えば、権力でものを言わせる人と、うまくつき合う必要が出てくるかもしれません。そんなつき合いを毛嫌いしている人でも、目的を達成するためには、自分を抑えなければならない。もちろん、何があっても曲げてはいけない自分の軸は、ブレさせてはいけません。ですが、現実を直視したうえで、清濁併せのむ度量は必要になるでしょう。


ビジネスの世界で勝ち抜いてきた人の多くは、他人には想像すらできない「ひどい目」に遭っています。そんな人たちはまず、耳当たりのいい言葉にはひっかかりません。中にはきれいごとだけでビジネスの世界を生きている人もいますが、多くが短命で、すぐに業界から消えていきます。そんな人の輝かしい一瞬だけを見て、真似をしないでください。


特にリーダーは、部下から信用を得ることが重要。リーダーには「方向性を示す」役割がありますが、その道が正しいかどうかは、実は誰にも分かりません。リーダーはそれを「正しい道」にしていくしかないのです。けれども、リーダーが部下に信用されていなければ、誰も同じ方向を向いてくれません。指示さえすれば部下は動くと思いますが、それでは最高のパフォーマンスは引き出せません。ですから、リーダーとしての役割を果たしているとは言えません。


会社の中で埋もれていることを、会社や上司のせいにしている人は、自分の仕事を「(会社や上司から)やらされている仕事」と思っているからではないでしょうか。「自分の仕事」「自分の責任」と考えていれば、いいかげんなやり方はできないと思います。いいかげんな仕事は、その場はやり過ごせたとしても2度目はない。信用も失います。


会社の中で埋もれていることを、会社や上司のせいにしている人は、そこから這い出せない。居酒屋で会社批判や上司の悪口を言っている人がそう。悪口を言うのは爽快だし、批判するのも偉くなった気になって気持ちがいい。ですが、そんなことをしても現状は何も変わりません。居酒屋でくだを巻いている人は、ダサイ会社員の典型。


揚げ足取りへの対処法のひとつは、揚げ足を取っている人に、直接会いに行く。これは早ければ早い方がいい。揚げ足を取っている人は、自分が姑息な行為をしていると分かっているため、こそこそと裏でネガティブな空気を作っています。そんな人を見つけたら、すぐさま会いに行くといいでしょう。相手を追い詰める必要はありません。直接会って話すだけで、相手に「これ以上やるとマズイ」と思わせる効果があります。つまり、それ以降の暗躍を抑えることができるわけです。揚げ足取りが完全に止まるという保証はありませんが、「早めに直接潰す」という感覚で対処してください。


当社には2年に1度、8人の役員のうち1~3人が交代する「CA8」という制度があります。当社は役員の年齢がとても若く、それぞれが長く役員に留まる可能性がある。役員になると「上がり」の意識が出てきても不思議ではありません。役員にとっては厳しい制度かもしれませんが、上に立つ役員こそ、誰より自分に厳しく仕事をしてもらうために、CA8を作りました。下の人間にとっても、2年に1度、役員になれるチャンスが巡ってくるわけですから、上層部のポストに閉塞感を感じることなく希望を持てる制度です。


新入社員に仕事を教えることは、自分のためにもなります。側分の仕事のやり方を見つめ直したり、知識や経験を整理できたりするからです。時代の変化による、新しい視野や視点を得て、凝り固まった常識が変わったりすることも。指導した手前、恥ずかしい行動が取れなくなり、間然と仕事のモラルも高まります。ですから、自分の仕事で手一杯だとしても「教えることは良いこと尽くめ」と考えて接してほしい。


1年のうち、最も会社が活気づくのは、新入社員が職場に配属された時ではないでしょうか。新入社員はやる気に満ち溢れていますし、希望も持っています。社会人としてまだ真っ白で、伸びしろもたくさんある。先輩社員はそんな新入社員を見て、自分の入社当時を思い返すのではないでしょうか。がむしゃらに仕事に打ち込んだこと、大失敗して落ち込んだこと。そんなことを思い出しながら、「育ててあげなくては」という、母性に近いような気持ちで新入社員に接しているように思います。フレッシュな新入社員が職場に来るだけで、「新しい風」が吹き込み、職場だけでなく、会社全体が明るく、活気づくわけです。


新卒採用を総人件費削減の一環で抑制したり、見送ったりしている企業は、景気動向や業績を踏まえた長期的な判断だとしても、未来は暗いと思います。新卒採用は「次世代を背負う人材の育成」の面で必要なのは当然ですが、それ以外でも「社内の活性化」に大きく効きます。実はこの利点を見落としている経営者は少なくありません。


5段階評価は対象をスクリーニングする(振るいにかける)意味では有効ですが、その評価に安易に振り回されないように注激することが大切。他人の点数を気にしすぎると、素直な自己判断ができなくなる。「自分基準」で判断するのは、自分に自信がなければできません。実際にやるとなると難しいかもしれませんが、意識して取り組むようにしてください。


分厚い企画書は、それだけでダメですね。企画書を見て判断する人は、基本的にそこからリスクを探します。それがすぐに分かるように整理されていないと、企画書として成立しません。伝えたいことをすべて盛り込もうとして分厚くなってしまっている企画書は本当に残念ですね。結局、「何がいいたいのか」を伝え切れていません。


「分からない企画書」であっても、頭ごなしに否定することはありません。よく分からない「多くの人が否定する企画」は、ダイヤの原石の可能性があるからです。斬新なネットサービスは、企画書では、その魅力をうまく伝えるのは難しいでしょう。実際に利用してみないと、面白さが分かりにくいサービスだからです。企画書では理解できなかったが、やってみると、とても面白い。そんな企画がたまにあります。


私は社内外にかかわらず大事な局面では、大物と呼ばれる人であろうとも、抱いた疑問や納得のいかないことは率直に言うようにしています。経験上、そうするようにしてから、人間関係が円滑に回るようになったと思っているからです。状況を正しく把握できずに、自分の主張ばかりを言う人は周囲に叩かれますが、ウソをついたり、隠し事をせずに「率直に話す」ことは、コミュニケーションにおいてとても大事なことだと思います。


パワハラやセクハラなどは、「自分にはどうにもできない問題」と我慢しがちで、すごく悩むと思いますが、やはり悩んでいても問題は解決しません。ここで大事なのは、「率直に話す」こと。相手の顔色をうかがって曖昧な表現を使ったり、余計なことを言ったりしないで、ストレートに問題点を指摘した方がいいと思います。例えば、上司の振る舞いに問題があるとしたら、「○○されることに悩んでいます」と伝える。たとえそこで上司の機嫌を損ねたとしても、事態は展開します。もちろん、指摘するタイミングを計る必要はありますが、やはり次の一手が打てるようになるわけです。


判断基準となる軸は、途中で変えても構いません。持っていることが大事です。ただし複数持つと、判断が難しくなります。ですから、まずは1つ、最上位概念となる軸を決めた方がいいでしょう。例えば、「30歳までに絶対に起業する」と決めていたら、30歳目前にどんなに良い条件のヘッドハンティング案件があっても誘いに乗らないでしょう。悩まないで済む方法は結局は心の決め方の問題だと言えます。


仕事をしていると様々な問題にぶつかり、そのたびに悩みます。それは人間なので仕方がありませんが、「悩み続ける」のはよくないと思います。私は仕事においては、ほとんど悩みません。数億円の投資を1秒もかからずに決めるなど、決断や判断は一瞬です。そもそも悩み続けている時間がムダだと感じていますし、むしろ悩んだ方が判断を誤る可能性が高いとも思っています。


どんなに曖昧でも、小さい案件でも、約束を交わしたら、必ず自分のTODOリストに入れて、実現の可否はともかく、自ら実現へ向けて動きましょう。「約束して実現すべく動いた。けれども無理だった」となれば、諦めもつきますし、相手も「単なる社交辞令だと思っていたのに、しっかり詰めてきた」と好意を持ってくれるかもしれません。誘いのフレーズをあたかも社交辞令のように使うことが常態化している現在、改めて言葉の重みについて考え直してみてはいかがでしょうか。


私の場合、体を鍛えるのではなく、整えることを重視しました。健康であれば、それで十分だと思います。仕事に忙殺されて体調が優れないという人は、一度真剣に体調管理の方法を見直してみてはいかがでしょう。


体調管理をやり直して分かったことは、良いスパイラルに入るか、悪いスパイラルに入るかのどちらかしかないということ。体調が良くなってくると運動したくなり、運動するとさらに体調が良くなる。逆は言うまでもありません。体の調子が良いと、仕事に対するバイタリティーが変わります。余裕も出て、自然と笑顔になり、人間関係もよくなります。


体を動かそうとジムに入会しても、最初こそ通いますが、次第に足が遠のく。いろいろ試しましたが続かない。どうして続かないのか。真剣に考えたことはありませんでしたが、仕事の問題点を見つけ、対策を打つ段取りと同じ手法で考えてみることにしました。それなら普段から仕事でやっていますし、得意です。すべき対策はすぐに見つかりました。お酒を減らせば、ほとんどの問題が解決すると分かったのです。お酒は大好きで、仕事でもよく飲んでいました。原因がハッキリすれば、適切な目標設定と対策を打つだけ。目標は自分を追い込みすぎないように「休肝日は月に最低でも7回(週に1~2日)」に設定。カレンダーに休肝日を書き込み、達成できたら○をつけるようにしました。このシンプルな方法が、私には合いました。休肝日をしっかり取るようになってからは、体調が良くなりました。


相手の立場に立つとき、最も良いのは、相手の立場とできるだけ近いところに身を置くこと。同じ立場に立ち、同じ目線で考えて、相手に「なりきって」行動してみるのです。そうすると次第に、相手が誰と関係していて、何を思って、どのようなものに心を突き動かされるかが、少しずつ見えてきます。これはモノづくりに携わる人に覚えておいてほしいことです。消費者の心を動かしたい場合は、消費者になりきることが重要です。


相手の気持ちを「分かったつもり」でいる状態が、実は最もトラブルが起きやすい。遊びの席ならまだしも、商談の場では、上辺だけの知識と軽いノリで「それは○○ですよね」と言うのは避けた方がいい。怪訝な顔つきをされたら、相手をうまく動かすどころか、交渉が決裂しかねません。当てずっぽうは論外ですが、安易な想像で相手の立場に立つのは、無理があると考えていいでしょう。


社員がプライドを持てるかどうかについては、リーダーのマネジメント能力が問われます。リーダーは、「自分たちは何が強みで、どんな誇りを持って働くか」を、周囲にしっかり伝えなければいけないからです。例えば、「やれって言われたから、やっています」と言う部下がいる部署は、リーダーのマネジメント能力は低いと言わざるを得ないでしょう。


仕事に対して「プライドを持っていない」、もしくは「持ちたくても持てない」人もいます。「給料がもらえればいい」という人は、仕事にプライドがなかったりします。本人は無理せずお金をもらえて幸せなのかもしれませんが、私の価値観では「不幸」としか言えません。そんな人は、ビジネスの魅力や面白さを知らずに働いていて、日々、お金以上のものを得ていないことに気づいていないのかもしれません。


「プライドを持ちたくても持てない人」は、世の中や会社、同僚のために役立っていないと感じている人だと思います。極端な例では、仕事がなく、社内でほぼ働いていない状態の「社内ニート」がそう。そんな人は、自力でプライドを持つのは難しい。何とか別の部署に異動するか、転職するかで、環境をリセットするしかありません。


プライドは、それを感じさせ、支える対象が存在しなければ成り立ちません。「プライドが高くて使えない人」と言われる人は、プライドの対象が「自分」にあります。例えば、企画書を上司に一蹴された時に、「自分のプライドが傷つけられた」と感じる人です。そんな人は苦境に陥った時、プライドを傷つけられないように保身に走ったり、逃げたりします。苦境に強いのは、「この仕事さえやり抜ければ、自分のことなんてどうでもいい」と考えられる人。こういう人は、仕事にプライドを持っています。「プライドの基になっている対象は自分なのか、もしくは自分以外の何かなのか」。この2つの差は大きい。勘違いしないよう、自問自答してみてください。


見るべきなのは、「常に自分の一歩先を行く先輩」。「引退した偉い人」ではなく、身近にいる先輩のような存在で「何かに挑戦し続けている人」です。そんな人の背中はリアリティーがある。自然と目線が上がりますし、「自分も負けていられない」と、後についていこうとします。「一歩先を行く先輩」が何を考え、どんな決断をするのか。それがどういう結果を招いたとしても、後ろで背中を見ている人は多くのことを学べます。


「子供は親の背中を見て育つ」とよく言われますが、「背中」からは、良い影響だけでなく、悪い影響も受けます。「愚痴ばかり言う上司」や「やる気のない先輩」などと一緒にいると、その人たちの背中からムダなことを学び、自分の目線が下がることがあります。例えば、目線の低い周囲の人に流され、「この程度でいいか」と妥協した仕事をしてしまう。悪い背中は、「こうなってはダメだな」と、反面教師として見るべきです。知らず知らずのうちに悪い背中に流さないように注意しましょう。


当社はチームのメンバー全員で泊まりがけ、もしくは日帰りの合宿をする文化が浸透しています。合宿では、日常業務をいったん離れ、現状を改めて把握して改善案を出したり、中長期の戦略を練ったりします。「忙しくて考える時間がない」と悩んでいる人は、合宿のように強制的に日常業務から引き離す方法で考える時間を取ってみてはいかがでしょうか。


「走っているだけ」で満足している人も多い。脳を動かすより、手を動かす方が「仕事をしている感」があるからです。20代の頃に走り続けて結果を出した成功体験がある人の中には、30代や40代になっても「とにかく走ろう」と考えがちな人がいます。けれども、30代や40代は、安易に走りながら考える年ではありません。これまでの経験を踏まえて最適解を探してから行動した方が効率的で、先に走り始めた人より早く結果を出せたりするからです。「考えてから走り始める」手法も有効な場合があることも覚えておきましょう。


走ってばかりいて、考えない人も上手くいきません。全力で走り続けていると、どうしても「止まって考える時間」が取りにくくなる。そうなると「行動しているだけ」で、頭が使われなくなります。「行動力さえあれば勝てる」という甘い世界ではないので、意図的にしっかり止まって考えることが大切です。「今のやり方が本当に正しいのか」「自分の役割は何か」「この先、どんな展開が待っているのか」……。こうしたことを、いったん止まって考える。すると、見落としていた重要な点に気づいたりします。


経験の浅い営業職に就いたばかりの人は、「商品をどの層にどうやって売り込むか」をあれこれ考えるより、まずは電話などで多くのアポイントメントを取り、実際に顧客に会い、数をこなして結果を出していく方がいい。営業の場合、「ひたすら動き続けられる人」の方が、圧倒的に成長が速い。私も社会人になって最初の仕事が営業でしたが、行動力を武器にして、営業成績でトップを取りました。「未経験分野」では、「走りながら考える」手法は極めて有効です。


ある大企業のベンチャー企業制度は、1年かけてマーケティングをして、うまくいきそうならスタートすると聞きました。新しい市場は、1年も経てば状況は劇的に変わるので、そんな悠長な考えでは成功するはずがありません。「走りながら考える」という思想そのものが、その企業にないのでしょう。新しい市場は、考えてから動いては遅い。動いた時には「既に終わっている」ということも珍しくないので、「走りながら考える」ことが特に大事になってきます。


日本企業としても頑張らなければいけない。インターネットの世界の主導権は海外勢が握っているのが実情です。そのため、ルールも外資が握っています。例えば、スマートフォンアプリのプラットフォームは外資がシェアのほとんどを占めており、お色気番組があると、注意を受けたりするわけです。日本の消費者に番組を届けているのに、外資から口を出されるようでいいのか、と思うところがあります。とはいえ、アプリを届けられないと事業に影響を及ぼすので、そのルールに則るしかないのですが、日本の企業がもう少し大きな力を持つようになっていかないと、情報を届けるメディアとして、非常に大きな問題があるのではないかと思っています。


AbemaTVでは、ニュースを1チャンネル目に持ってきていますが、これは報道ニュースを軸に据えているからです。報道ニュースをAbemaTVの最大の特徴にしようと考えています。ネットは規制が緩いと言われますが、我々としては「立派なメディアをつくる」ということを目標に置いています。ですから、モラルが低いことやコンプライアンスに外れることはやるつもりは全くありません。むしろ、報道として信頼できるものをつくりたいと。


AbemaTVをやって本当によく分かったのは、ユーザーの視聴習慣をつくっていくためにも忍耐というか、続けることが大切ということです。例えば、格闘技の試合を我々は中継していますが、だんだんと視聴者が増えてきました。最初はあまり見られていなかったのですが、現場の制作の人たち、宣伝の人たちの努力によって、「AbemaTVでやっている」ということが認知され、徐々に視聴者が増えていったんです。その意味でも、腰を据えてやらなくてはいけない事業だと感じています。


最近、うれしかったのは、芸能人の方が「AbemaTVに出たい」と言ってくれたことです。「AbemaTVで番組を持ちたい」とか、「AbemaTVの番組に出たい」と本気で言ってくれるようになってきました。昔は、インターネットは、お小遣い稼ぎみたいなもので、自分の価値を上げるようなものではないと思われていたところがあります。地上波に出たら自分の価値は上がるけれど、ネットなどに出ても価値は上がらず、逆に、自分の価値を切り売りしているような感じで受け止められていました。それが、今では「AbemaTVに出たい」というようになってきたのは素直にうれしいです。


「ビジネスで有効活用できるならフェイスブックの利用を検討したい」と考えている人には、検討する前に使ってみることをお勧めします。これはフェイスブックに限った話ではありませんが、新しいサービスは、世間の評判をどれだけ聞いても分かりにくいと思います。だからこそ、自分で使ってみて判断するしかありません。話題のフェイスブックをビジネスで生かせるかどうかは、自分で使いながら検討してみてください。


逆境でも、前向きに働き続けられるかどうか。それには、現在のポストや給料ではなく、それまでの経験で得た「見えない報酬」が効いてくると思っています。見えない報酬とは、会社から表彰されたり、上司から褒められたり、人から感謝されたりした「うれしい経験」です。働き続ける中で、自分の会社を好きになったり、仲間を大事に思えることも、ある意味で報酬と言えるでしょう。そういった見えない報酬をたくさん得ている人は、高いモチベーションを維持して働くことができます。会社の経営状態が厳しい時でも、粘り強く働けますし、年収がアップするからといって、安易に転職することもないでしょう。働いた対価は、何も出世や金銭的な報酬だけではないのです。


自分の成長過程を振り返っても、憂鬱なことを切り抜けるたびに大きく成長してきました。半泣きになりながら、痛い目に遭いながら、惨めな思いまでして、何とか仕事をこなしてきました。そんな憂鬱な日々を乗り切ったからこそ、今があると感じています。ですから、憂鬱な日々は、自分にとって決してマイナスではないのです。


時折、自分はリスクを負わずに評論家のような発言をする人がいます。そういう人は、ビジネスパーソンとしての価値がとても低い。成長は完全に止まっていると言えます。目の前の仕事すらこなせないのに、新しいことばかりに目を向けたり、漫画やドラマの主人公のように、どう考えても無茶な事業案件に手を出したりするのはダメですが、安定した仕事をしている人ほど、危機感を持って困難な仕事に挑戦してほしいと思います。


昇進や昇給の喜びは、一時的ではないかと考えています。課長になった時はうれしくても、しばらくすればその喜びは薄れると思います。さらに上の役職があるからです。けれども、心から感動したことは忘れません。仕事をやり切ったタイミングであれば、「いい仕事をしたね」という一言でも、うれしく思うはず。そういう言葉は、ずっと心に残ります。私も当社に転職してきた社員に「この会社に来てよかったです」と言われた時は、とてもうれしかった。「もっといい会社にしよう」と強く心に誓いました。


ビジネスパーソンが最も注意すべきは、安定した状況に満足してしまうことでしょう。例えば、30代になると仕事のやり方を一通り覚えて、勝手知ったることばかりになったりします。売り上げが安定している部署にいれば、無理に新しい仕事に挑戦する気持ちも薄れるでしょう。リーダーや管理職になると、責任も大きくなるので、リスクを負う決断から目を背けがちになります。でもそこで、誰もやらない仕事、やりたがらない仕事、リスクを取ってやる仕事などに挑戦していかなければ、さらなる成長は見込めません。


社内の表彰式では受賞者が誇りに思えるような演出をしています。「おめでとう」と言って、テンプレート化された賞状を渡すだけでは、ありがたみがない。そこで、オリジナルの表彰文を書いて渡すようにしています。例えば、上司が部下を表彰する場合は、努力した点やどこを評価したかを「上司の言葉」で書いてもらうのです。表彰式では、その内容を聞いて、感動のあまり泣いてしまう受賞者も少なくありません。そういった経験はかけがえのない財産になります。


見えない報酬とは、会社から表彰されたり、上司から褒められたり、人から感謝されたりした「うれしい経験」。見えない報酬を大事にする上司は、マネジメント能力に優れています。「褒める」「ねぎらう」「励ます」ことを大切にし、創意工夫を凝らして部下のやる気を引き出します。このような上司は、「最高の上司」と言っていいでしょう。部下のやる気が高まれば、仕事の質や効率が上がります。それが成果につながれば、コストをかけずに新たな収益を上げたのと同じです。ですから、これらの視点を持っていなかったり、軽視している上司は、マネジメントに手を抜いていると思われても仕方がないでしょう。


会社を辞めるというのは簡単なことではありません。入社すると辞め際が一番難しく、そして大事だと言っても過言ではないでしょう。会社を辞める時に取る行動で、その人の器や人間力が問われます。時間と手間をかけ、とことん誠意を尽くす。良識ある志の高いビジネスパーソンなら、それが最も大切だと分かるはずです。会社を辞める時は、祝福されながら去り、その後も支援してもらえる関係を築きましょう。それに成功すれば第一関門突破です。新天地で活躍できる可能性は大きく高まるでしょう。


ライバル企業に引き抜かれて成功するケースは稀だと思います。転職先が期待しているのは、その人の力ではなく、前の職場のノウハウや人脈だったりします。それゆえ、それを吸い取る時は重宝されても、本音では評価されていないかも知れません。また、前の会社を裏切る形で移ってきた人を、転職先の社員が心から信用するでしょうか。「いつかうちの会社も裏切るだろう」と思う人も少なくないでしょう。転職直後から大きな成果を出し、人格まで認められないと、そこでの成功は難しいと思います。


大事に育てた社員が辞めるのは、社長として残念ですし、寂しい気持ちもあります。ですが、社員が辞めることによる利点もあります。辞めた人が新天地で活躍すれば、多くの後輩たちにとってキャリアアップの1つの形として良いロールモデルとなります。「今の会社でずっと働く」以外にも将来の選択肢が増え、結果的に今の仕事に安心感が持てるわけです。また、誰かが会社を辞めれば当然ポストも1つ空きます。そこで若手が抜擢のチャンスをつかむこともあります。基本的に、残った社員に悪影響がない、もしくはプラスに働くと思えば気持ち良く送り出します。


ダサい会社員になるな。「ダサい会社員」というのは、端的に言えば、仕事をなめていたり、仕事を適当にこなしている人のことを指します。社会人の場合、どれだけプライベートが充実していても、結局のところ仕事ができなければダサく見えます。例えば、普通の人は麻雀が強くてもモテませんが、プロの雀士は麻雀が強いとモテる。それはプロの雀士は麻雀が仕事だからです。今は仕事がそれほどできなくても、できるようになりたいと努力している人はかっこいい。


「当たり前のこと」を当たり前にやるのがいかに難しいか。人は迷うと「極論」に走ったり、奇をてらった言動をしがちです。「極論」は一理あるうえに、分かりやすいから頼りたくなる。けれども、実際のビジネスや生活は、極論が通じるほど白黒はっきりするものばかりではありません。極論の両端を知ってどうするか。そこで改めて指針になってくるのが「当たり前のこと」です。


藤田晋の経歴・略歴

藤田晋、ふじた・すすむ。日本の経営者。サイバーエージェントの創業者。福井県出身。青山学院大学経営学部卒業後、人材紹介・派遣事業の株式会社インテリジェンスに入社。その後、インテリジェンスの出資を受けサイバーエージェントを設立。同社を東証マザーズに上場させた。主な著書に『渋谷ではたらく社長の告白』『ジャパニーズ・ドリーム』『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』『藤田晋の成長論』『渋谷ではたらく社長の成功ノート』『起業ってこうなんだ(共著)』など。

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