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立川志らくの名言

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立川志らくのプロフィール

立川志らく、たてかわ・しらく。落語家、映画評論家。東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科在学中に7代目立川談志に入門。「シネマ落語」を開拓。劇団下町ダニーローズを主宰。『異常暮色』で映画監督デビュー。そのほか、幅広い分野で活躍した。

立川志らくの名言 一覧

ある程度のキャリアを積めば実力はほぼ同じ。最後は人とは違った経験をしたかどうかで差が出る。


私の師匠である談志は、同じ噺(はなし)を繰り返し、芸が老いていく落語家を軽蔑していた。それだけに、談志は常に自分を変革しようともがき、どう落語を変えるべきか苦悩していた。談志の「あと十年もすれば、お前も狂うぞ」という言葉が、妙に心に引っかかっていた。


私は(弟子に対して)あまり怒鳴りませんね。私自身のストレスになっちゃうので。


今では、異次元の世界だと思っていたバラエティにも出演している。即興大喜利をやっているようでとても面白い。「これは、本来落語家が得意とする分野ではないか」とやってみて気がついた。53歳にして新しい発見があり、楽しく仕事をしている。


私も変わり続けようと、俳句や音楽など新しい芸事に手を出してみたが、それによって落語が変わることはなかった。大きな刺激があって初めて芸は変わる。そこで、もう一人の師匠である高田文夫先生の繋がりで、ワタナベエンターテインメントに所属させてもらい、タレントとしてテレビに出ることにした。別世界での経験が、落語にプラスの変化をもたらすと思ったからだ。


私も必死に気をまわして、「師匠が求める以上のことをやってやろう」と決めました。例えば師匠が「月に2席、噺を覚えろ」と言えば4席覚え、「俺はこれが好きだ」と言った映画を全部観て、好きな懐メロも聴いて……という具合に。同じものを好きになればそりゃ師匠も可愛がってくれます。


多くの公演をこなし、師匠として20名の弟子を育てる。よほどのことがない限り、今のポジションが揺らぐことはない。これまでと同じように落語をこなせば、代わり映えのない毎日は続くが、「いい落語家になりましたね」と人々から称賛され、人生を終えるだろう。だが一方で、これでいいのかという思いもあった。師匠である談志が、マネージャーを通じて「なんで志らくはもっとスターを目指さないんだ?」とぼやいていたからだ。談志は人気者が好きである。


タレントになったからといって、すぐに仕事ができるわけではない。これからどうしようかと考えていたところ、落語家だから何か話せるだろうということで、コメンテーターの仕事が舞い込んできた。苦手意識のある仕事であったが、そもそも落語家は「世情の粗(あら)で飯を食い」と言われるほど、枕で世の中の時事ネタを笑いに変えてきた。その要領でコメンテーターをやってみようと発想を変えたところ、このスタイルが受け入れられた。すると、TBSの「ひるおび!」という番組でレギュラーをもらうようになり、ここから仕事の幅が広がっていった。


落語に飽きた時期があって、自分の劇団公演や映画監督に熱中しすぎちゃって、周囲からは注意も受けるんだけど「これも落語のため。いずれ返ってくる」なんて理論武装までして。そんな時、人づてで耳に入ったのが、師匠の「志らくの奴は落語をナメている」と言う言葉だったんです。自分では「いや、ナメてはいないんだけど……」と必死に正当化していた頃、追い打ちをかけるように高田文夫先生にも呼び出されました。じつは私を師匠に紹介してくれ、入門の労をとってくれたのが高田先生です。その高田先生が「お前、談志師匠の弟子になりたいと言っていた頃と顔が変わったな」と言うんです。この合わせ技で、さすがにハッとしました。師匠はずーっと落語と格闘し、もがき続けて、まだ答えが出せていない。なのに、師匠に憧れてこの世界に入った私が簡単に「飽きた」なんて答えを出してる場合じゃねえよな、とね。それを機に、私は落語に改めて向き合って、やり慣れたネタももう一度練り直すようになったんです。


師匠・立川談志の言葉がやはり折に触れて私を変えましたね。とは言え、最初はひどいもんでしたよ。弟子入りしてすぐですから、私は右も左もわからないわけです。談志はイチから教える人じゃありませんからね。掃除機をかければ「そっとやれ、バカ野郎!」。行き先もわからないのに「なぜ後ろを歩く? お前が案内しろ!」とか。そりゃムリですって(笑)。もちろんそうやって怒られるうちに、落語に必要な「気を利かせる」ことを肌で学ぶわけです。


タレント業に勤しんでいると、落語の腕が落ちるぞとお叱りを受けるかもしれない。かといって、職人芸はそれだけやれと言われても上達するものでもない。テクニックだけを追求しても限界があるのだ。それよりも、ある程度のキャリアを積んだら、いろいろな世界を見ることのほうが大切だ。なぜなら、表現力や豊かな人間性は人とは違った経験を通じて磨かれるものだからだ。これはどんな仕事も同じだろう。とはいえ、私はテレビに魂は売らないのでご安心いただきたい。本業は落語家であり、他はあくまで芸の肥やし。これからも芸の追求に邁進していく所存である。


立川志らくの経歴・略歴

立川志らく、たてかわ・しらく。落語家、映画評論家。東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科在学中に7代目立川談志に入門。「シネマ落語」を開拓。劇団下町ダニーローズを主宰。『異常暮色』で映画監督デビュー。そのほか、幅広い分野で活躍した。

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