福川伸次の名言

福川伸次のプロフィール

福川伸次、ふくかわ・しんじ。日本の経営者。「電通総研」社長、機械産業記念事業財団会長。慶應義塾大学工学部から法学部へ移り卒業、通産省に入省。大臣官房企画室長、大平総理の秘書官、貿易局長、通産大臣官房長、産業政策局長を経て通産省事務次官。退官後に神戸製鉄副社長を経て電通総研社長に就任。そのほか東洋大学理事長を務めた。

福川伸次の名言 一覧

イノベーションは、異なる分野の新結合によって生まれるものです。これまでのように各技術分野が縦型に分断され、それぞれを進化させ続けるだけでなく、異なる分野を融合して、まさに「知を今までにない方法で新結合する」ことが重要になってきます。


トップやリーダーは、多種多様な情報が絶えず入らなければならない。そこから絶えず全体最適を追求していくというのがリーダーに求められる資質。


「志を高く」「視野を広く」「思索を深く」「判断は最適に」「行動は迅速に」を基準にして物事に処してもらいたい。多様で複雑な時代だからこそ、こうした価値観がますます大事になる。


一人が持っている知識には限界があります。だからこそ、官と民が協力し、複数の知を集めて、新しいものを創っていくことが必要。


日本には、技術も素質もイノベーションの種もあります。あとは、それをどう実現させていくか。その構想力と実行力が問われている。


重要なのが「温故創新」です。これはわたしの造語ですが「古きを温(た)ずねて新しきを創る」。つまり、過去の知を組み合わせて、新しいものを創っていく。


日本再生に大切なことは、やはりイノベーションに尽きる。


技術は日進月歩で、今後はそのテンポがさらに加速します。企業もいかに変われるかが存続の条件といえます。


リーダーは社内はもちろん、社外からもできるだけ多くの情報を取り入れ、最適解を見つけていく。それが企業の変革に一番重要なこと。日本が輝くためにも、情報力、発想力、決断力を持ったリーダーが今こそ必要。


大学も各学部を横断的に運営していかなければなりません。今までのように、機械、金属、化学というのではなく、学部を超えて横断的な学問研究を追究していくことが大事です。


ソフトパワーが問われるようになって以来、日本人は自信を喪失しています。その自信の喪失が今回の不況からなかなか脱却できない理由でもあるのです。


個人のソフトパワーが非常に重要になってきます。国や企業のソフトパワーと言っても、結局は個人のソフトパワーに依存するわけですから、個人がいかに自分の資質、能力、人格を高めていくか、いかに自分で選択して、自己責任を全うしていくかが求められます。


新しい分野に挑戦して、文化面で精神的充足を図り、国内はもとより国際的にもネットワークを広げて、好ましい関係をつくっていくことが最も重要なソフトパワーなのです。


日本はどんな立場を取っていくのか、どんな思想体系を持つて世界に提言していくかが大切。国際社会全体にしっかりとした思想を植え付けなければ、国際社会のリスクがかなり高まる恐れがある。


具体的な提案をし、理解を得る努力をすべき。たとえ相手が受け入れないとしても、そういう働きかけをする必要がある。提案に乗ってこないかもしれませんが、提案をし、努力を重ねていかなければ、世界経済は停滞してしまう。


日本企業にはまだ力があります。政府に頼ることなく、自力で市場を切り拓き、世界経済の成長を牽引してほしい。


日本は明治時代、イノベーションを「技術革新」と解釈したので、技術開発に焦点が当たっていますが、シュンペーターのいう「創造的破壊」、イノベーションは、もっと広範囲な意味を持っています。今は、シュンペーターのいう創造的破壊、イノベーションを加速しなければいけない時期です。


いまトップとして活躍している人も、様々な困難を乗り越えて、自己改革を図り、現在の地位を築いたはずです。学生にはその経験談から多くのものを学んでほしいと願っています。


国際会議が増える中で、他国の人々が次々に意見を表明しているのに、日本人は割って入るパワーが欠如しています。外国の友人からは「国際会議では立ち上がりながら意見をまとめて発言するものだ」と言われたこともあり、そこまで鍛えてほしいと思います。


これまでの日本のイノベーションは「優れたモノを作れば売れる」というプロダクトアウト型の発想でしたが、今後は消費者のニーズを踏まえて、「売れるモノを見つけ出して作る」というマーケットインの発想に転換することが重要になります。そのためには、自らの専門分野に拘泥することなく、広角的な視野を備え、多様な分野を横断的にみて新たなニーズを発掘する力が必要になるでしょう。


社会構造が激変期を迎える中で、私は新しい時代を切り拓く若者に4つの力を身につけてほしいと考えています。第1は自己決定能力、すなわち自分で考えて決定し、実行できる力です。第2は豊かな国際感覚です。グローバリズムを抜きにして日本が存在感を示すことは困難ですから、世界を舞台に活躍する意欲が求められます。第3はコミュニケーション力です。それも単に自分の意見を伝達するだけでなく、相互理解を図り、共感し合う段階にまで能力を高めることが望まれます。第4は新分野に挑戦する気概です。


IT投資というのは、企業経営者をはじめ、役員や部長クラスまでの人たちが本当に理解しているかどうかで大きく変わってきます。それをたとえば、企業の情報関係担当者に任せっきりにしているだけでは決してうまくいかないと思います。


どうしたら優秀な外国企業を日本に根付かせることが出来るのかを絶えず考えてきました。外国企業が日本に来る時に最も重要なことは、異なった文化を持った企業が日本に入ってくることによって、新しい創造が生まれてくると思ったからなんです。


世界中で複雑な事態が生じています。こういう時に、どう対応していくべきか。物事を単純に一つの側面だけで見ないこと、複眼的に見ることです。単論理で物事を量らず、複数論理で思考しなくてはいけません。そのためにも、情報を十分に集め、そして自分の頭で考えることが大事な時代になっている。


いま、発言が弱くなっていると感じるのが、経済界と行政だと思います。ここに携わる人たちが、将来の展望を明確に持って、負のスパイラルを正のスパイラルに持っていく努力をしていかないと、世界は分裂し、グローバリズムは崩壊していくことになるでしょう。そういう厳しい事態に今は来ていると思います。


これからの時代、物事を見るときに大事になるのが「楕円の哲学」だと思います。円には中心が1つだけしかありませんが、楕円には芯が2つあります。つまり、複眼思考で、物事を多面的に考えることによって調和が得られるということです。


日本には勤勉、協調、異文化への寛容性などの伝統的な価値観があります。それをもっと世界に拡げていく必要があります。もちろん、日本が今のままでいいわけではありません。日本の伝統、日本が大事にしてきた人間重視の価値観をさらに洗練し、国際的な言葉で説得できるようになれるよう、努力しなければいけません。


大学の質を高め、社会の評価を得るために大事なことは「コンプライアンス」です。今、経済界でも企業経営でいろいろな問題が生じていますが、経済運営の質と信頼を高める上で大事なことは、ルールはきちんと守る、規則はきちんと守るということです。各企業でコンプライアンスの問題が起き、問題となっていますが、コンプライアンスをきちんと守っていくことは、組織の基本です。


日本には、発信力が足りないと思います。今ある価値をもっと洗練させ、グローバリズムの進化とイノベーションの加速に努力しなければいけません。その努力を進めていくと、社会の仕組みも、経済の組織も技術の体系も変わります。その変化した世界とはどういうものかという将来ビジョンを日本はもっと明確な形で提案していかなければいけません。まず日本自身が変わり、世界を変えていく時代です。けれども、なかなかその段階になっていないのが現状です。


東洋大学には、井上円了博士が創立の基礎に据えた建学の精神として「諸学の基礎は哲学にあり」という理念があります。これは、人間価値を大事にした哲学であり、精神的な充足や倫理観を重視し、文化を尊重するというものもあります。東洋大学の建学の精神をさらに現代的に発展させることが非常に大事なことだと思っています。


今の先進国の政治の流れを見ると、世界が多様化した結果、「地球益」よりも「国益」優先の傾向がうかがえます。本来、グローバリズムであれば、地球益と国益の最適適合を考えなければいけないのですが、「ポピュリズム」の傾向に流されている指導者が非常に多いということです。これは米国だけではありません。英国もそうですし、日本も同じです。今の政治は地球益というよりも、国内利益を優先し、人気取り政策に焦点が当たっています。非常に残念なことです。


20世紀までの産業は、どちらかというと物質中心で大量生産、大量消費、大量廃棄のシステムを作ってきました。しかし、今は物質を超える時代です。知的な新結合が大事な時代になると、人間の創造力が非常に重要になってきます。同時に、人間が持つ異文化に対する寛容性や相互理解、異文化の吸収など、新しい人間価値が重要です。相互理解や協調、異文化への寛容性が高まれば、グローバリズムは新しい展開を遂げるはずですし、イノベーションの新たな展開にもつながります。そういった人間の価値をどう尊重していくかが、今日、我々に課された重要な課題です。


現在、世界では、イノベーションは確実に進んでいます。ヨーゼフ・シュンペーター博士は、「創造的破壊」を提唱したことで有名ですが、彼はイノベーションを「労働力や設備機械などの生産要素を今までと異なる方法で新結合すること」と定義しています。私は、高度情報社会におけるイノベーションを「情報を今までと異なる方法で知的創造に新結合すること」と定義したいと思います。「知識を融合する」ことが、これからのイノベーションの基礎だと思います。


福川伸次の経歴・略歴

福川伸次、ふくかわ・しんじ。日本の経営者。「電通総研」社長、機械産業記念事業財団会長。慶應義塾大学工学部から法学部へ移り卒業、通産省に入省。大臣官房企画室長、大平総理の秘書官、貿易局長、通産大臣官房長、産業政策局長を経て通産省事務次官。退官後に神戸製鉄副社長を経て電通総研社長に就任。そのほか東洋大学理事長を務めた。

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