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砂山起一の名言

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砂山起一のプロフィール

砂山起一、すなやま・きいち。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド副社長。東京出身。中央大学経済学部卒業後、オリエンタルランドに入社。経理部長、取締役、常務、フード本部長、テーマパーク統括副本部長・本部長、専務、経営戦略本部長、副社長などを歴任した。開園当時から東京ディズニーランドの運営と経営に携わった。

砂山起一の名言 一覧

顧客満足度のカギを握るものは何か。それは「目に見えない価値」です。様々な場面で、ゲスト(顧客)が出会う従業員のホスピタリティ(もてなし)が見えない価値の源泉です。ゲスト一人一人の心に残る共感や好感度は、後々まで残ります。


顧客満足度(CS)を向上させるには、従業員満足度(ES)を高めることが不可欠です。むしろ、従業員満足を高められれば、顧客満足がついてくると言ってもいいぐらい重要なモノサシです。


恐ろしい夢を見ることがあります。ある日突然、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの年間来園者が500万人減って2000万人になるという夢です。オリエンタルランドのコスト構造を考えると、赤字に転落するしかありません。不安になって眠れなくなることが本当にあります。


難しい時代を生き抜くうえで、当社には疑いないようなく、はっきりとしている重要な経営指標があります。それが「顧客満足度(CS)」です。ゲスト(顧客)の満足度が向上すれば、来園頻度が高まり、入園者数が増えます。売上高や利益といった数字は自然についてきます。


我々は製造業ではなく、心の産業です。人間の根源的な部分を刺激して揺さぶってあげる。それが顧客満足度につながります。


当社のテーマパークを訪れるゲスト(顧客)の9割以上は、リピーターと呼ばれる過去に1回以上来園した人です。再び足を運んでもらうには、「本当に楽しかった。すごく感動した」「ぜひまた来たい」と思って、帰ってもらわなければなりません。


「ディズニーランドの顧客満足度が高いのはマニュアルがしっかりしているからだ」。そんなイメージを持つ人もいますが、事実は違います。私たちは、マニュアルをほとんど使っていません。「あなたの家族を連れてきたとしたら、どんなサービスをしてあげると喜びますか。それを考えて働いてください」とキャスト(従業員)に言っています。


私は企業の寿命は30年という説を信じていません。明日にだって駄目になるかもしれないという危機感が常にあります。だからこそ顧客満足度を向上させるために努力し続けるのです。それを実現する従業員の満足度も同時に高めていけば、東京ディズニーリゾートは100年後も発展し続けられるはずです。


ゲスト(顧客)は2、3回は気に入らないことを我慢できても、不満な点が改善されなければ足が遠のいていきます。だから当社は、ネガティブ要因の排除に徹底的に取り組んでいます。「ゲスト(顧客)が気付いていない課題を先回りして見つけて、改善しよう」。社内ではこう言っています。


顧客満足度をさらに向上させる目的で、ゲスト(顧客)調査の手法を進化させています。最近はゲストの自由記述欄を強く意識しています。1日100件くらいあり、役員は毎日チェックしています。賛辞のコメントはもちろん多いですが、厳しい意見もあります。あまりにネガティブなものは現場のやる気に水を差すのでフィードバックしませんが、マネジメント(経営層)は真剣に受け止めて、対策を考えています。


キャスト(従業員)のアイデアを汲み取って、顧客満足度を一層向上させる仕組みもあります。それが「I have アイデア」です。現場初の改善活動で、様々なアイデアが集まってきます。経営幹部よりも、現場のことを一番よく知っているのは日々顧客に接しているキャストです。提案の中には実際に役立つものがたくさんあります。


もちろんディズニーの理念や現場で守るべきルールは教育します。しかし、基本以外は、すべて現場の先輩から学んでもらいます。サービスの質は、最終的に「人間力」が左右します。だからマニュアルよりも人から学ぶ必要があります。


従業員のやる気を引き出すために、様々な取り組みをしています。今年1月末にはキャストだけのために、ディズニーランドを貸切にして遊んでもらう「サンクスデー」を開催しました。管理職や正社員は、この日ばかりは「もてなし役」になります。私は清掃担当者の制服を着て、掃除しながらいろいろな場所を歩き回って、キャスト(アルバイトを含めた従業員)の皆さんに感謝の挨拶をしました。


ゲスト(顧客)の満足度を実現するのが現場で働く18,000人の従業員です。準社員と呼ぶアルバイトが大半を占めます。社内ではテーマパークで働く従業員のことを「キャスト」と呼んでいます。俳優やダンサーだけでなく、販売員も清掃担当者もそれぞれの持ち場で大事な役割を果たしています。みんなテーマパークを構成する貴重な「配役」たちです。


ディズニーランドやディズニーシーでは、対面のコミュニケーションを大事にしています。自販機は極力設置せず、飲み物やポップコーンなどを、手渡しする形で販売します。清掃をする人は道案内をし、ゲスト(顧客)のために写真を撮影します。様々な場面で、ゲストが嬉しかったり、快適に感じたりする体験を提供することが、顧客満足度に結びつきます。


私は経理部長を経験するなど、経理畑が長い。その経験に照らしても、最終的な業績を高めるために、顧客満足度という根源的な指標を、追い続けることの大切さを身に染みて感じています。


ディズニーランド開業25周年の効果があり、今年2月に営業予想を上方修正しました。「この不況下に好調でうらやましいですね」と言われますがとんでもありません。過去を振り返ると、記念イベントで好調だった翌年は、反動で来場者数が落ち込みます。15周年ときも、20周年のときもそうでした。だからいまの好調を手放しに喜べません。


砂山起一の経歴・略歴

砂山起一、すなやま・きいち。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド副社長。東京出身。中央大学経済学部卒業後、オリエンタルランドに入社。経理部長、取締役、常務、フード本部長、テーマパーク統括副本部長・本部長、専務、経営戦略本部長、副社長などを歴任した。開園当時から東京ディズニーランドの運営と経営に携わった。

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