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猪瀬直樹の名言

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猪瀬直樹のプロフィール

猪瀬直樹、いのせ・なおき。日本の作家、政治家。長野県出身。信州大学人文学部経済学科卒業後上京。出版社勤務などを経て、明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士前期課程にて日本政治思想史を研究。ビル清掃員、国鉄労働組合書記等を経て作家となる。『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞、ジャポニスム学会特別賞受賞を受賞。『日本国の研究』で文藝春秋読者賞を受賞。行革断行評議会委員、道路関係四公団民営化推進委員会委員、地方分権改革推進委員会委員、東京大学大学院人文社会系研究科客員教、国際日本文化研究センター客員教授、東京工業大学世界文明センター特任教授、石原慎太郎知事の下で東京都副知事などを経て東京都知事に当選した。

猪瀬直樹の名言 一覧

本気で仕事に取り組んでこそ、前に向かって走り続けるエネルギーがわいてくる。


悪い流れから抜け出すには、自分の仕事の進め方に絶えず疑問を投げかけ、いち早くズレを察知し、修正するしかありません。自分の仕事を改めて見直すと、小さなズレが至るところに潜んでいることに気づくはずです。


挫折を感じるのは、自分には何でもできるという万能感があるから。自分にはコントロールできないこともあると考えれば、落ち込まずにすみます。


空手には型があるだろう? いくつか型を覚えていると、相手がこう攻めてきたら、こう切り返すって対処ができる。思考も同じ。型を身につけると応用が利くんだ。


どんなにひどい失敗をしたところで、明日が来なくなるわけではありません。今日の負けは、明日に取り戻すことも可能です。にもかかわらず、一度負けただけで試合を放棄してしまったら、黒星を重ねていくだけ。大切なのは試合を続けることであり、一敗や二敗でうろたえてはいけないのです。


「なんでダメだったんだろう?」って考えると、ネガティブなスパイラルにハマって抜け出せなくなる。「どうしたらうまくいくか」に気を向けると、プラスの方向に切り換えられるよ。


強いビジネスマンは、人生には負けがつきものであることをよく知っています。大切なのは、負けを受け止めたうえで前に進んでいく強いハートなのです。


自分が頑張るのが上司ではない。部下の力を最大限に引き出すのが上司の仕事。


いくら正しい提案でも、思いつきをパッと書いただけでは人の心を動かすことはできない。相手が注目しているのは、提案者がかいた汗の量。


仕事をしていれば、既得権益の壁に跳ね返されることもある。大切なのは、突破するまで諦めずに粘り強く考えること。若い人にはそうやって新しい時代を切り拓いてほしい。


先入観を持たず、素直に「あっ、面白そう」と思えたかどうか。その感性が大事。


急激な変化の時代、みんなと同じものを目指さなくたっていい。むしろこれからのビジネスマンに求められるのは、他の人とは違う、自分だけの才能を磨くこと。


普段はニーズがなくても、それを必要とする人は必ずいる。


自分の得意とする分野なら、人は積極的に関わってくれる。周りから協力を得られない人は、相手の適性を無視して頼んでいる可能性が大。


現在のようなスピード優先のビジネス環境では、じっくりと人間関係を築いている余裕はない。人間関係ができていなくても、いかに人を動かせるかが重要。


自分のキャリアに傷がつく恐れがある仕事にも、果敢にチャレンジする。その姿勢が逆に自分のキャリアを築くことにつながる。


失敗する確率が高そうな仕事でも、過去の事例をヒントにすれば、きっと打開策が見つかるはず。まずはそう信じて自分の体を動かすことが、最初の一歩。


毎回、簡単なテーマを設定することが大事。毎回テーマを持つと、マンネリ感がなくなっていつも新鮮な気持ちを保てる。


相手の心を動かすには、駆け引きやテクニックは必要ありません。大切なのは、相手の心に響く言葉が自然に出るかどうか。


動く気のない人を無理に動かそうとするのは時間のムダ。それよりも、動かしやすい人から攻めていったほうがずっと効率的。


挑戦する価値があるのは、最初は周りが反対するような斬新な提案。「慣例だからダメ」といった空気の壁を破ってこそ、ビジネスマンの評価が高まる。


大切なのは、逆風のなかで空気に流されずに自分の意見を主張し続けられるかどうか。それを貫ける人こそが、優れた人材。


流行は常に未来からやってくるもの。過去の経験だけを見て判断していては、ヒット商品は作り出せない。


自分に理解できないからといって目を背けていては、新しいものは生み出せない。


作家だってビジネスマンと同じ。どんなに優れた作品を書いてもアピールしなきゃ、埋もれちゃうんだから。


似たような種類の仕事はひとかたまりにしてスケジュールを組むと、集中力が持続して効率的に予定をこなせる。


同じことを繰り返しているだけでは経験も増えない。経験が増えなければ成長もストップする。


組織の歯車になっちゃダメ。歯車を動かす存在にならなきゃ、どこの会社に行っても、どんな仕事をしても、使い減らされちゃうんだよ。


大丈夫。キミなら絶対にこの苦境を乗り越えられる。なぜなら、これまでさまざまな困難を越えてきたからこそ、いまここにいるのですから。


どんなに苦しい状況でも、「自分なら必ず解決できる」と、ムリやりにでも思い込む自信がなかったら、仕事は見つからない。


横にプロジェクトチームをつくることが重要です。縦の組織に対して、どうやって横串を刺すかが重要な組織運営の在り方。


経済の主役は民間ですから、あくまでも行政というのはキャッチャーで、きちんと民間がプレーしやすい環境をつくっていくべきだ。


カネはかけなくとも、ハードとソフトが一体となった発想で、新しい市場は創れる。


自信を持つということが大事であり、目標があれば自信が持てる。


「リーダー=カリスマ」という発想は間違い。誰もがカリスマ型リーダーを目指す必要はない。


官僚は、昨日やったことを今日も繰り返すのが得意ではあっても、新しく明日を作ることはできません。だから官僚機構と同じく、民僚化した一般企業もどこかで一度、大掃除をすべき。


一度や二度の負けを気にして、自分を全否定する必要はありません。人生は勝ったり負けたりですから、手痛い負けを喫することもあるでしょう。しかし、焦らなくてもいい。最後に笑うのは、一敗をきっかけに途中退場する人ではなく、粘り強く試合に参加し続けた人なのです。


プレゼンや交渉の場において、数字による裏付けは強力な武器になる。その意味で、数字を読み解く力はビジネスマンに必須の能力。


大人には理解しがたいからといって若い感性を無視している人に、未来は見えてこない。大人が新しいものを生み出すには、若い人をフィルターにして未来をのぞくしかない。


仕事をスムーズに進めるためには、周囲の協力が欠かせません。それには、自分の仕事の成果をみんなにわかりやすい形で確認して、実績として認めてもらうほかない。


検証の先に、新たなビジネスモデルが生まれることもあります。自分は頑張ったと満足し、やりっ放しで終わっては、次のビジネスの種が生まれません。これまでの取り組みを検証するからこそ、「次はもっとよくしたい」という意欲やアイデアが生まれてくるのです。


毎日ぼんやり仕事をしていると、誰でもわかることすら見えなくなります。大切なのは、昨日の延長線上で今日の仕事をしないこと。仕事に向かうときに、本当にこれでベストなのか、もっといい方法があるのではないかと考えることで、日常の仕事に潜んでいたズレが浮かび上がるのです。


部下の積極性を引き出すには、上司が部下と同じ感性を持つことも重要。部下が意見や提案を出すと、「常識がわかっていない」と駄目出しする人がいますが、これでは部下を萎縮させるだけ。一緒になって面白がれる感性を持ってこそ、目下の人間も前向きに取り組めるようになります。


ストレスと上手く付き合うテクニックとしては、日記をつけるのも効果的。心理学では、トラウマになるような出来事を経験したら、それを文章にすることでストレスと折り合えるという研究結果が報告されています。


柔道って、相手のワザを見切らないと勝てない。仕事も同じ。怒ってる相手のパターンを見切れば、勝てるんだ。


一見して難しいと思えることでも、視点を変えてみれば、自分の能力や経験値、持ち時間の範囲内でできる解決策があるはずです。それを考え出すには、「できない、どうしよう」というネガティブな思い込みを捨てる頭の切り替えも必要でしょう。


よく、「準備が足りません」と言い訳する人がいますが、準備が足りないのは当たり前。準備があり余っている人などいません。準備不足のギリギリの状態のなかで、どうやって事態を切り抜けるかを考えることが大事だと思います。


「時間不足で練習できなかったから、完走できませんでした」というのは、言い訳にしかならない。何事も結果がすべてです。


冷静さを失う大きな要因は、焦りです。焦ればパニックに陥るし、そうなったら最後、冷静さを取り戻すことは非常に難しくなります。


上司に叱られたとき、落ち込んだり、反発したりするのは、小さい自分にこだわっている証拠。小さな自分のプライドが邪魔して、上司からの注意や助言に対して素直に「あ、そうか」と思えない。僕からすれば、「あなたにはそこまでこだわる自分があるの?」といいたいですね。


普段の仕事においても、納期までに仕事を終わらせたり、期日までに物事を決めたりするには集中力が必要です。徹夜してでも、「今晩中にやっておかないとマズイ」という状況もあるでしょう。何事も結果がすべて。それに向けて集中すれば、おのずと心の乱れは消えていく気がします。


震災時など想定外の事態に直面すると、既存のルールでは対応できないことばかりなので、何を基準に行動すべきか迷いが生じます。そこで私が心したのは、危機対応でもっとも大事である人命と、人々の安全を見極め、そこに意識を集中させること。そうすることでひとつひとつの物事に優先順位をつけ、走りながら決断し、対応していったのです。


集中力を研ぎ澄ますことで、不安や迷いといった雑念をふり払い、目の前の事態に向き合いやすくなります。


誰かに文句をいわれるからやるとか、締め切りに追われているからやるのではなく、自分が主導権を握り、自分で決めて物事に取り組むことです。そのようにして、やるべきことや決めるべきことのひとつひとつに決着をつけて、自分の状況をコントロールしておくことが、心を冷静に保つための秘訣でしょうね。


若いころ、原稿の締め切りに遅れそうになり、焦って集中力を欠くという悪循環に陥ったことがありました。一度締め切りに遅れてしまうと、それが次の原稿の締め切りにも悪影響を及ぼし、まるで雪崩のように段取りが崩れてパニックに陥るのです。二度とこんな経験はしたくないと思って、それ以降は、前倒しで仕事に取りかかるようにしています。前倒しで進めることで、心に余裕をもって仕事に取り組むことができる。だから、週刊誌の連載の原稿は一度も遅れたことがありませんでした。


昨今の教育では歴史をあまり教えてこなかったこともあり、若い世代は歴史知識に乏しい傾向にあります。いまのように尖閣諸島の問題などが起きていても、歴史的背景を知らなければ、それに対する意見ももち得ないでしょう。これからの世の中を強く生きるには、自国の歴史を知り、己のよりどころとすることも必要なことだと思います。


自分たちは何者なのか、いま一度ふり返ってみるとよいと思います。自分が何者かを知ることこそ、己のよりどころとなるからです。それには歴史の知識が役立ちます。過去から現在まで続く時代の流れのなかで、自分たちはどこに位置しているのか、歴史軸にピン留めすることで自分たちのことをより理解することができるからです。


平常時に冷静に事態を切り抜けられる人は、緊急時でも同じ対応ができます。なぜなら、緊急かそうでないかが問題なのではなく、普段から事態を切り抜けようと努力していることが大事だからです。普段から「○○だからできませんでした」と言い訳している人が、緊急時の大一番で力を発揮できるはずがありませんからね。普段からの習慣が緊急時の対応に表われますから、常日頃から困難なことを避けずに、場数を踏んでおくことが大事ですね。


事態が刻々と変化する震災のような状況下では、あれこれ思い悩んでいる時間はありません。ときには、すべての情報が集まるのを待たずに動き出し、その都度軌道修正していくことも必要です。


事態をどうやって切り抜けるかという意味では、緊急時も平常時もやるべきことは同じです。土壇場を切り抜けるための解決策を考えようとすることで、一歩ずつ前に進んでいくことができるのです。


近年の日本人のメンタルが弱くなったとすれば、歴史をあまり教えなくなったせいではないか。


いつまでも愚痴をこぼしていても仕方がありません。そこでいかに頭を切り替えて、不本意な状況でも「何かいいことがあるかもしれない」と思って、新天地を見つけられるかどうか。これが、どんな状況でも心を乱さない、ネガティブな感情に引きずられないためのコツですね。


上司から叱られるとすぐに落ち込んだり、不機嫌な顔をする人がいますが、叱られたら「あ、そうか」と気づくことが大事。叱られるには叱られるだけの理由があり、部下のことを考えている上司なら「お前のこういうところがよくない。こうしてみたらどうだ?」といった助言があるはずです。なぜ叱られたのかを考えて、自分の間違った考え方や行動を改善する方向に目を向けられる人が、平常心を保てる人ですね。


カリスマと呼ばれる人も、もともとは普通の人。先人の知恵を人一倍努力して学んだうえで、それを破壊したり新しいものを加えたりして、自分の美学として磨き上げたからこそ、結果としてカリスマと呼ばれるようになったのです。


なかには自分のやり方と違ったり、意図がわからないものもあるでしょう。しかし、ひとまず前のやり方をなぞることで、「なるほど、こういうことか」と、新しい発見があるはず。その発見を積み重ねることが、自分を成長させ、周りを納得させることにつながる。


カリスマ型リーダーも、最初からカリスマ性を発揮して部下をまとめていたわけではない。カリスマは生まれつき才能を持っているかのように誤解している人がいますが、汗もかかずにカリスマになった人はいない。


リーダーの役目は、自分が前のリーダーに勝つことではなく、チームとして成果を出すこと。にもかかわらず、前任者と競うようにして、自分の優秀さを誇示しようとするのは子供じみている。どのようなタイプのリーダーを目指すにしろ、前任者を認め、良いところを積極的に取り込んでいくべき。


自分の周りを見回すと、これまでなんとなく当たり前だと思っていたけど、よく考えるとおかしいことが案外たくさんあると気づくはずです。そうした既成概念を壊せるかどうかは、自分の頭で考える力の有無にかかっています。与えられた答えに沿って動くだけの人は、どんなに頑張っても平均点止まり。人より頭一つ抜け出すには、自分で答えを見つけ出す力が大切なのです。


マニュアルは、シチュエーションが変わると通用しなくなりますが、思考の型は一度身につければ、どんな場面でも応用がきくのです。思考の型を身につけることは、「答え」の丸暗記ではなく「方法論」の暗記なのです。思考の型を持っていると、いままで漠然と受け入れていた常識についても、自分の頭で考えて判断することができます。


人が人らしく生きていくためには「自助」「公助」「共助」の3つが欠かせません。「自助」は自助努力、「公助」は政府などの公的機関によるサポート、「共助」はみんなで支え合うこと。最近はこのうち「共助」の意識が抜け落ちている人が多い。社会が何となくギスギスしているように思えるのもそのせいでしょう。


人に頼まれてもいないことをやるのは損だと考える人もいるでしょう。が、ちょっとしたサポートが回り回って、いつか自分に返ってくるのです。お互いに気配りができる職場は活気があって、結局は自分も働きやすくなります。損得勘定はひとまず脇に置いて、自分から気配りの輪を広げてみてはどうでしょうか。


サポート精神を持つには、自分が受けた親切に気付くことが大切。たとえば部署に届く書類や伝票が積み重なっていて、誰かが気を利かせて整理用のボックスを作ったとします。自分が直接やってもらったことではないかもしれませんが、ここで何も感じない人はダメ。誰かがやって当然と考えている限り、気が利く人にはなれません。「気が利く」は、「気がつく」から始まるのです。


先入観を壊すには、言葉の使い方をプラスに変えるのもひとつの方法。これがすべてのものごとに対してできるようになったら、しめたもの。目の前に広がる世界は、ガラリと変わるはず。


数字の表面だけをなぞっても、次のヒット商品は予測できません。市場環境はどう変化しているのか。他社の動向はどうか、そうした背景の知識があってこそ、数字が持つ本当の意味が浮かび上がり、現場で活きる知恵がわく。


諦めたらそこで終わり。たとえ周りから認められなくても、誰にも負けないものを何か一つ持っていれば、いつか必ず日の当たるときが来る。そのときこそチャンス。そのときを信じて、自分の強みを磨き続けることが大切。


原則的に、仕事はすべて周りに任せるつもりで割り振ってください。自分が抱えられない部分を周りにカバーしてもらうのではなく、周りができない部分を自分がカバーしつつ全体をコントロールする。これがリーダーの役割。


人には得意な仕事とそうでない仕事があります。それを考慮しなかったら、積極的に取り組んでくれるわけがない。相手の適性を見極めたうえで、それに合った仕事を振れば、たとえ深い人間関係が築けていなくても進んで協力してくれるはず。


会社は、難しい仕事ほど優秀な人材の力を頼ります。ダメな社員は最初からアテにしません。だから、避けられないお鉢が回ってきたときは、ビジネスマンとしての真価が問われていると思ったほうがいい。


成功の糸口が見つからないのは、頭だけで解決しようとしているから。知恵がなければ、汗をかいて突破口を探せばいい。その手間を惜しんでいる限り、不可能はいつまでも不可能なまま。


ベストを尽くしても失敗するケースはある。しかし、恐れて逃げ回っていては、周りからの信頼を失うだけ。あえて火中の栗を拾う覚悟を持つ。どんな試練も必ず自分の糧になる。そう信じて、腹をくくれば道は拓ける。


モチベーションを保つコツのひとつは「記録」です。記録すると自分の成長を定量的に把握できる。今日は何キロを何分で走ったのか、具体的な数字として把握すれば、自分の成長の度合いが目に見えて、次は上のレベルを目指そうと頑張れるのです。


成果に若干のバラツキがあるのは仕方ないにしても、悪いときに合格点を下回る人は決して一流にはなれない。苦しいときでも最低限の合格レベルを維持できるかどうか。そこが一流と二流の差。


締め切り、納期、納品、アポイントメント、出社時間……。これらの時間について、多少は遅れても問題ないと考えるのはいかにもアマチュアの発想。一流のビジネスマンは、時間を確実に守ることの大切さをよく知っています。


安定感こそが一流のビジネスマンの最大の条件。納期やアポイントも同じです。約束にほんの5分遅れただけで、実害がなかったとしても、周囲には不安感をまき散らすことになります。こういう小さなことに配慮できない人は、まず成功しないでしょう。


誰かを動かそうとするあまり、目の前の人しか見えなくなっている人は多いかもしれない。でも、目の前の人にこだわらなくても、別の人を攻めることで早く同的を達成できることもある。人を動かしたいときは、意識的に視野を広げて、まず誰を動かすかを考えるべきです。


ハナから買う気のないお客さんに対して、セールストークを連発して相手の心を動かそうとしている営業マンがいますが、あれは典型的なダメな例。デキる営業マンは、その間に見込みのあるお客さんにアプローチして、より多くの契約を取っています。


空気を変えるときは、若い人たちを味方につけろ。部長とか常務といった肩書きのある世代は、しがらみがあるせいで、正しい意見を正面からは言えないことがある。その点、20代30代はしがらみが少ないので、正しいことは正しいと、自由にものが言える。


1人目の味方は、論理とデータで説得していくべきです。1対多数の場合は空気にはね返されてしまうことがありますが、1対1では、論理とデータで攻めたほうが相手を納得させやすいのです。


場の雰囲気に流されて、主張を曲げてしまっては、いつまでたっても新しい提案は通りません。そもそも、最初からみんなに歓迎されるような企画は、わざわざ自分が言い出さなくても、これまでにも誰かが提案していたはずです。そんな二番煎じなど、ビジネスとしての価値は低い。


「若い人が作り出した流行はレベルが低い」「大人だから流行に飛びつくのは恥ずかしい」という思い込みを捨てること。それだけで、流行の中にある次の時代の片鱗を見つける感性が養える。


新しい現象が出てきたら、アタマで判断をくだして否定する前に、まず試してみる。たとえば話題の新商品があったら、実際に買って使ってみる。人気のスポットがあったら、ひとまず足を運んでみる。こうやって自分から流行の中に入れば、新しい何かが見えてくるはず。


一般論としては、朝のほうがいいのでしょう。しかし、それが万人に通じるとは限りません。少なくとも僕の場合は、夜のほうが効率的に勉強できた。巷には脳の働きをよくする勉強術や思考法があふれていますが、盲信するのは危険。実際に試したうえで、自分に合ったやり方でいくべきです。


わかっていないなら、わからせる。それが自分の評価を高める唯一の方法。評価は自分ではなく周りの人が決めるもの。自分にできるのは、周囲に認めてもらう工夫をすることです。その努力を放棄して、「上司は何もわかっていない」と不満を漏らしたところで、何の解決にもなりません。


「頑張ったのに上司に認めてもらえない」と嘆くビジネスマンもいますが、そういう人にかぎって、自分の成果を確認してアピールする作業を忘れている。黙っていてもわかってくれるというのは、評価される側の甘え。


すべてにわたって効率最優先という人は要注意。時間には、「なくすべきムダ」と「なくしてはいけないムダ」があります。この2つの違いを無視して何でも排除していると、長い目で見たとき、かえって仕事人生をダメにする恐れがあります。


ときには、あえて時間をムダにしてもいい。たとえそのときには意義を感じられなくても、マンネリから脱して自分の経験の幅を広げることができれば、それは必ず将来の糧になるはず。


効率を追い求めるあまり、チャレンジまで削ってしまうと、人生はやせ細る一方です。それは仕事においても同じ。ムダをなくすことは大切ですが、ムダを恐れて新しいことへの挑戦までやめてしまうと、永遠に進歩しないままです。


日本が経済大国に発展した背景には、働く人たちの心に「お天道様が見ている」という感覚があったからです。そばで人が見ていなくても神様が見ていると思うから、たとえネジ1本締めるにしても絶対に手を抜かない。その結果、品質のいいメイド・イン・ジャパンが世界を席巻したのです。


タブーの根源には、神や自然といった超越的な存在への畏れがある。わかりやすくいうなら、「お天道様が見ている」という感覚。それが失われると「なんでもあり」の混沌とした社会になってしまう。


報酬を意識しながら仕事をすると、「もう給料分は働いたから、このくらいで切り上げよう」という発想になりがちです。ですから、いったん給料のことは脇に置き、目の前の仕事に全エネルギーを注いでみてください。


売上が落ちて窮地に追い込まれたとき、ごまかしに走るか、逆に仕事の質を上げようと努力するか。ここで明暗は大きく分かれる。「こんなもんでいいか」と妥協したら、この不況下ではすぐに淘汰される。


どんな優秀な人でも、ミスを犯すことはあります。が、実力が問われるのは、そのあとの対応です。ただ「すみません」と謝るだけの人は三流。セカンドベストでその場をしのごうとするのは二流。全体を見渡して、最善の策を講じられるのが一流。


「大丈夫、オレならできる!」メゲそうになったら、自分で自分を励ましましょう。これを毎日100回唱えれば、言葉の力で元気が出てきます。さあ、顔を上げて、前進あるのみ。


オーナー社長は簡単に意思決定ができます。しかしオーナーから何代も経たサラリーマン社長がいる会社がほとんどですから、意思決定をいかに行うかというリーダーシップは非常に重要。


愚痴をこぼしたところで、周りが自分に合わせてくれるわけではありません。周りを責めれば、むしろ協力が得にくくなって、自分を取り巻く環境がますます悪くなるだけです。流れが悪いと感じたときほど「自分なら必ず打開できる」と言い聞かせる。その前向きな姿勢が、流れを引き寄せる呼び水になるのです。


動きの鈍い部下に対して「あいつはヤル気がない」と決めつける前に、まずは自分の感性の鈍さを疑ってください。上司と感性を共有できることがわかれば、部下は細かい指示がなくても自発的に動き出します。部下を思い通りに動かすことだけが上司の仕事ではありません。部下が動きやすい環境を整えてあげることもまた、デキる上司の条件なのです。


もしキミが非難されたり悪口を言われたら、最初にやるべきことは、周りの空気に流される5割の人を味方につけること。この人たちは、明確な根拠がなくフィーリングでアンチに回っているだけなので、きちんと説明すれば、たいていは理解してもらえます。逆に、クレーマーやガンコ者など、自分がどう話してもコントロールできない相手にエネルギーを費やすのはムダ。この切り分けが、いつまでも怒りの感情を引きずらないコツなのです。


最近、注目を集めているのはファシリテーター型リーダーです。ファシリテーターとは、中立的な立場から会議の参加者の発言を引き出して、議論を深いところに導く人を指します。いわゆる調整型の一種ですが、これで成果を出しているリーダーは少なくありません。


まず大切なのは、意見をいうときには理由を必ず3つ挙げること。「いいと思ったから」という漠然とした理由はダメ。なぜいいと思ったかを掘り下げ、相手が納得する客観的な根拠を挙げてこそ、はじめて自分の考えを説明したといえるからです。また、理由が1つでは説得力に欠けるし、考える力を養うトレーニングにもなりません。無理にでも「なぜなら~、さらに~、また~」と3つの理由を挙げることで、思考力は磨かれます。これが「思考の型」です。


人の親切に気づいたら、その場ですぐ口に出して伝えてみましょう。というのも、人間の瞬間の動作に関する記憶は20秒しか持たないからです。サッカーでは、コーチが練習中に「ゲーム・フリーズ」といって選手を止めて議論する手法が一般的です。これは、後でミーティングしようとしても、その瞬間の記憶が失われてしまうためだそうです。私たちの普段の生活も同じで、気づいたときに言葉にしておかないとすぐ忘れてしまいます。


重要なのが言葉の使い方。いくら「面白そう」と思っても、頭でそれを打ち消しては、行動に移せないからです。みなさんは、「35歳過ぎたら転職はムリ」「小さい会社だから大手に勝てない」といった言い方に慣れてしまっていませんか。それを「35歳だからこそできる転職もある」「小さい会社だからこそ勝てる分野がある」と、言い換えてみてください。なんとなく、新しいものが見える気がするでしょう?


僕は、未体験の物や情報、現象に出会ったとき、「ノー」ではなく、まず「イエス」から入ることを心がけています。人は未知のものに出会うと、否定的な反応を示して、これまで自分が積み重ねてきたものを守ろうとします。しかし、最初から拒絶すると、新しいものに対して正しい評価を下せません。そこで一度、アタマの中のバケツをひっくり返して水をぜんぶ捨て、新しい水を入れてみるのです。そのうえでやはりおかしいと思ったら、否定すればいい。このプロセスを踏まずに「前例がない」「どうせムリ」と思っていると、いつまでたっても固定観念に縛られたままです。


数字の読み方にはいくつかコツがあります。まず必要なのは数字の単純化。たとえば101という数字があったら、「100という大きなおにぎり」と「1という小さな米粒」といったように、自分にとってわかりやすい単純化したものに置き換えて、全体をざっくり把握します。ケタが増えたり端数が細かくなっても、同じ。数字そのものではなく、イメージや立体としてつかみとります。数字がたくさん並んでいる資料も、こうして単純化すれば、数値がどのような推移で動いているのか、数字同士がどのような関係にあるのか、シンプルに把握できます。


本当に強いのは、同じタイプの人材ばかりで固められた企業ではありません。みんなが同じ発想しかできない会社は、イザというときに脆い。会社が困ったとき、何か新しいことを始めるときなど、ここぞというときに独自の力を発揮するニッチな人材がいてこそ、時代の急激な変化にも柔軟に対応していけるんです。


仕事を依頼をするときは、アウトプットの目標を明示するのも大切。「資料を作ってほしい」という漠然とした言い方では、要点をまとめた1枚の資料でいいのか、それとも詳細なデータが揃ったものでいいのかよくわかりません。その結果、相手は作業負担が多い分厚い資料を思い浮かべ、逃げ腰になる。相手が悪い想像を膨らませる前に、こちらの求めるレベルを示さないと、即座に断られるハメになります。


やってほしい作業は、過去の成功事例の洗い出しです。新規事業はゼロから構築するものだと考えがちですが、そんなことはありません。いま成功しているビジネスの多くは、既存のアイデアを取り込んで発展させているものがほとんど。他の業界のやり方を、自分の業界に応用したり、すでにあるAという方法とBという方法を組み合わせたり……。こう考えれば、これまでの自分の過去の成功体験や他業種の事例が参考になるはず。


我流で通用するのは中級レベルまで。その先に進むためには、一見遠回りに見えても、基本を固め直すことが近道。仕事がうまくこなせないと悩んでいる人は、もう一度、基本に立ち返ってみてはどうでしょうか。お客さんのニーズ、それに対するサービス、アフターフォローなどを再点検し、適切でないものは学び直してみてください。


営業マンにも、カンがよくて最初からそれなりに成績を出せる人がいます。しかしそういう人ほど、ある一定のところまでいくと成績が頭打ちになってしまう。伸び悩むのは、カンに頼って基本を学ばなくなるからです。我流では、結局は、基本を固めて実力を蓄えてきた人に追い抜かれてしまいます。


物事を継続するために重要なのは「技術」をマスターすること。技術を知らないまま何かを始めると、つまずいたときに「どうせ自分には向いていない」という思いが湧いてきて、すぐにやる気がなくなります。しかし、それは間違い。単に正しいやり方を知らなかっただけの話なのです。やり方さえちゃんと覚えれば、一見、難しいようなものも必ずできるようになります。とくに大切なのは基本的な技術です。


期日どおりに仕上げて80点の仕事をする人と、期日に2日遅れても200点の仕事をする人。どちらが優秀なビジネスマンだと思いますか。じつは、これはひっかけ問題。そもそも期日を2日も過ぎて200点の仕事なんてありえません。たとえ中身が優れていたとしても、期日に間に合わなかった時点で大きな減点。プロの仕事としては、せいぜい50点の評価がいいところ。


上司に企画をプレゼンするとき、あるいは部下に何かを依頼するとき、あなたは借り物の言葉で人を動かそうとしていないだろうか。誰にでも通用する万能の殺し文句なんてありはしない。そんなものに頼るより、きちんと相手に関心を持ち、感じたことを自分のありのままの言葉で表現する。それが、相手が心を開く第一歩になるんじゃないかな。


おべっかやお世辞の言葉では、けっして人は動かせません。つけ焼き刃の一言葉は、すぐにメッキがはがれてしまい、逆効果になる恐れもある。相手の心を動かそうと思うなら、まず相手に対する興味や好奇心を持つべきです。そうすれば、どこかにおもしろいと感じたり、なぜだろうと疑問に感じる部分が出てくるもの。そこから自然に発せられた言葉なら、必ずしも褒め言葉じゃなくても人の心を揺さぶるはずです。


いきなり全体の空気を変えようとするのではなく、まずは1人の味方を作る。そうすれば空気の支配力が弱まり、さらに味方が増やしやすくなります。1人また1人と仲間を増やして半数までいけば、こっちのもの。もともとなんとなく反対していただけの人は、風向きが変わったことを敏感に感じ取り、風見鶏のようにコロッと態度を変えます。


本当は、誰でも若いときは時代を敏感に感じ取るアンテナを持っていたはずです。ところが、大人になるにつれて経験が積み重なってくると、前例主義に陥って、新しいことに挑戦して失敗するリスクを避けるようになる。経験を積むのはいいことですが、多くの人は新しいものを排除していくうちに、感性が摩耗してしまう。じつにもったいない。人はもっとミーハーになって流行を追うべき。


脳の動きをよくするキーワードは「貪婪(どんらん)な探求慾(たんきゅうよく)」。貪婪な探求慾とは、本能に近い好奇心のようなもの。人間の脳は、脳神経細胞(ニューロン)同士が結びついてネットワークを形成しています。刺激を与え続ければ、いくつになってもニューロンは成長することがわかっています。では、どうやって刺激を与えればいいのか。そこで役に立つのが貪婪な探求慾です。子供は目につくものすべてに好奇心を持ち、「なぜ?」「どうして?」を連発します。それと同じように世界を眺めることで、脳には刺激となるのです。


なくしてはいけないムダの中でとくに意識してほしいのは、「新しいことへのチャレンジ」です。従来と違うことを試すと、結果が出なかったり、手間や時間が余計にかかったりします。でも、それは意味のあるムダですから、排除してはいけません。新しいことへの挑戦をやめるとマンネリや停滞を招き、モチベーションを低下させます。


アポの予定が散らばっていると、そのたびにウォーミングアップとクールダウンを繰り返すことになりますが、これが積み重なると大きなムダになる。なるべく同じ日の近い時間帯に固めれば、テンションを維持したまま一気に予定をこなせます。相手の都合があるのですべて思い通りにはいきませんが、自分でコントロールしたいという意識を持つだけでもかなり違うはずです。


僕はダラダラとした会食を防ぐために、帰る予定時刻の30分前に話の締めに入ることを意識しています。早めに場をクールダウンさせれば、たいていは予定通りの時刻に切り上げられる。ギリギリになって、いきなり「次の予定があるので」といって席を立つより、相手の印象もいいはずです。聞きたかった情報をその時点で入手していなければ、残りの30分で聞き出せるよう話を運ぶこともできます。


不況でみんなのテンションが下がっているいまは、むしろチャンス。みんなが「給料分でいいか」という、そこそこの仕事で満足しているときに、「そこまでやるか!」と給料以上の働きをすれば、必ず評価されます。実際、トップ営業マンやヒットメーカーといわれる人たちは、給料を度外視して「そこまでやるか!」と驚くほどの努力をしています。


僕は原稿を書くとき、ギャラのことは一切考えません。「この雑誌は原稿料が安いから、この程度でいいか」などと思ったら、読者にたちまち見透かされてしまいます。力を抜いたら、読者はすぐに離れていく。原稿料がいくらであろうが、一文一文に魂を込める。それが僕の作家としての矜持です。


ビジネスにも畏れの感覚が不可欠。畏れを失うと、あとで必ずしっぺ返しがきます。食品の偽装問題がいい例。詐欺や不正でウマイ汁を吸えるのはほんの一時のこと。発覚したとたん、何十年もかけて築いた信頼が一瞬で崩れ去ります。いくら競争が厳しく、追い詰められた状況に陥っても、「自分に誇れる仕事をする」という意識だけは忘れてはいけません。


「悩んでいる自分」が主人公のドラマを思い描き、映画館のスクリーンに、ピンチのシーンが映し出されているところをイメージします。そして観客の立場から、この主人公にどういうアドバイスが相応しいかと考えてみる。この作業をすると、問題を外から客観的に眺めることができ、具体的な解決策を導き出しやすくなる。これは心理学的にも証明されているテクニックであり、ビジネス上での問題に直面したときにも効果的。


実際、誰にでも問題解決力は備わっているのです。試しに、これまでに自分が乗り越えてきた小さなピンチをすべて紙に書き出してみてください。次に、それらの小さなピンチをどうやって切り抜けてきたのかを振り返ります。すると、自分の中に問題解決力があることに気づくとともに、ピンチを切り抜けたときの感覚が蘇ってきます。これで一歩前進です。


プロジェクトの実行中は、「自分なら何でもできる」と考えるべき。最初から自分にはムリなこともあると割り切ると、テンションが下がって実行力が鈍ったり、本当は自分が努力すべきことをしない原因になります。結果的にそれが失敗を招き、挫折感をますます深めるハメになる。まずは「自分は必ずできる」と信じて全力を注ぐ。検証は、その後でも間に合います。


達成感からではなく、自分の努力が不発に終わった徒労感や挫折感からガス欠になるケースがありますが、この場合も大切なのは検証です。仕事には、自分の力が及ぶ部分と、外部環境など自分の手が届かない部分があります。検証の結果、うまくいかなかった原因が自分の力の範疇の外にあれば、クヨクヨ悩む必要はありません。


従来のやり方にどっぷり浸かっていて自分で判断しづらい場合は、周りの意見を参考にしてもいいでしょう。人に意見を求めるときは、仕事を進めるたびにこまめに聞くことが大切。たとえば1か月のプロジェクトなら、3週間たって後戻りできない段階で聞くのではなく、3日進めるたびに、「これでいい?」と意見を聞く。そのほうが相手も自分の意見を気軽に言えるし、ズレが小さいうちに修正できます。


人が流れの悪さを感じるのは、これまでうまくいっていたやり方が通用しなくなったときです。たとえば成績上位の営業マンが、去年と同じ売り方をしているのに、突然、成績が落ちていく。そんなときは、環境や運のせいにしても事態は好転しません。自分を取り巻く状況が変わったのなら、自分がそれに適応するしかない。流れが悪いのではなく、流れに応じてやり方を変えない自分が悪いのです。


怒りが心の奥にたまると、判断が狂ってミスはするし、仕事なんかどうでもよくなるし、いいことなど一つもありません。では、こうしたマイナスの感情はどう処理すればいいのか? まず心がけたいのは、自分でコントロール可能なものと自分ではどうしようものないものの切り分けです。自分で制御できないことに「なぜだ!」と憤ってもムダ。徒労感に苛まれるだけ。イヤなことや腹が立つことが起こったら、自分の力でコントロール可能な部分だけにエネルギーを注ぐのが正解。


じつは僕も若い時期は黒星続きでした。30代でようやくものを書いてギリギリの生活はできるようになったものの、同年代の友人たちはマンションを買ったり、週末は楽しくスキーに出かけたり……。いいものを書いている自信はあるのに、「どうして評価されないのか」と悩む日々でした。しかし、評価されるのを待っていても、周囲との差は開くばかりです。そこで発想を転換して、認められるためにはまず、賞を取ればいいんだと思い直しました。そして、賞に値する作品を書こうと努力した。それが、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『ミカドの肖像』です。以降は仕事のオファーが殺到。それまでとクオリティが変わったわけではないのに、評価させる戦略を取ったことで、状況はガラリと一変しました。


負けが込むと自信を喪失することもあるでしょう。そのときにどうやって自分を支えればいいのか。まず意識したいのは、周りの評価を鵜呑みにしないことです。じつは人の評価ほどアテにならないものはありません。みなさんも、それまでチヤホヤされていた有名人が、突然はしごを外されてバッシングを受けるのをよく目にしているはずです。本人は同じことをしているだけなのに、風向きは180度変わります。人の評価とはその程度のもので、振り回されて自分を見失うことが一番よくない。自分を支えるのは結局、自分だけです。ただし、「評価しないのは周りが悪い」と自己満足の世界に浸っていると、評価はますます乖離していきます。ここで考えなくてはいけないのは、「評価してもらう」という受け身の姿勢から、「評価させる」戦略への転換です。


「負け」を死の宣告のように大げさに捉えて、人生を投げ出す人が多い気がします。負けを重く受け止める人は、人生を甲子園のようなトーナメント戦だと考えているのではないでしょうか。甲子園では一度でも負けたら上に進むことは不可能。それと同じように、一回でも失敗したら、人生という舞台で勝ち昇れないと思い込むのです。しかし、人生は本当にトーナメント戦なのでしょうか。僕はむしろ「リーグ戦」だと思います。たとえるなら大相撲。相撲はたとえ初日で負けても、次の日にまた取り組みがあります。そうやって勝ち負けを繰り返しながら15日間を戦い抜いていきます。人生にも似たところがあります。


僕は当初、ツイッターを単なる情報発信ツールだと思っていました。しかし実際に使ってみると、それだけではないことがわかってきました。ツイッターは意外にも、「自分の思考を整理する道具」として役に立つのです。何か発見があるたびに思ったこと、感じたことをつぶやいているため、思考の材料がすべてツイッター上に残っているのです。あとはそれらを再構成するだけで考えがまとまります。


目の前に大量の仕事があると、人のことをかまっている余裕などありません。しかし、ここで発想の転換が必要です。忙しい原因の一つは職場に「共助」がないからであり、お互いに少しずつサポートし合えば、自分の仕事だってラクになるのです。自分の時間や労力のうち、自分に与えられた役割のために使うのは8割にして、あと2割は周りの人のために使うことをお勧めします。最初は自分の能率を2割高めて時間や労力を捻出する必要がありますが、みんながその意識を持てば、最終的に自分の負担も軽くなるはずです。


90年代後半に4000万個以上を販売したバンダイの「たまごっち」を覚えていますか? 数十万個でヒットといわれるおもちゃ業界では異例のモンスター商品です。一度下火になった商品に再び火をつけるのは難しいですが、同社は2004年に「たまごっち」を復活させる新プロジェクトをスタート。復活後は3500万個を販売して、第一次に匹敵するヒット商品になりました。新プロジェクトが成功したのは、第一次ブームの検証から出発したからです。第一次では供給過剰になって、消費者に飽きられるのも早かった。そこで今回は販売動向を見ながら生産量を決定。その都度デザインを変えたため、コレクターが生まれて息の長いヒットにつながったのです。


同じように全力投球しても、仕事が一段落するたびに息切れする人と、そうでない人がいます。なぜこのような違いが出るのか。それはゴール設定が間違っているからです。仕事はPDCAのサイクルで回せとよくいわれます。燃え尽きるのは、このなかのD(実行)部分をゴールとして捉えているから。計画の実行は、もっとも労力を伴うプロセスです。しかし、それゆえに実行部分をゴールにすると、100%の全力疾走からいきなり立ち止まる形になり、そのギャップが燃え尽きへとつながるのです。一方、実行後も検証へと続くサイクルを意識すれば、実行部分にかけるエネルギーを100%から80%に減らして、検証部分に20%シフトするといったように、次の流れに乗ることができます。これが、燃え尽きから心を守るコツです。


タカラトミーというおもちゃ会社から「人生銀行」なる貯金箱が販売されました。目標金額を順調にクリアするごとに、液晶に映し出された「貯金箱の住人」の人生が展開していくユニークな商品で、貯金箱としては異例のヒットを記録。この商品を企画したのは、なんと入社半年の新入社員でした。玩具メーカーにとって貯金箱は主力商品ではないし、ましてや発案したのは新入社員。普通なら企画は却下です。しかし、上司が商品化をサポートし、取引先が参加する展示会では、役員までもが「人生銀行」と書いたネームプレートを面白がって胸につけた。この商品がヒットした要因は、新入社員のフレッシュな発想を、上司が同じ感性で楽しんだことにあるのです。


部下に考えさせるには日報が効果的。日報には、「今日やったこと」と「明日やること」をそれぞれ10個、箇条書きで書かせる。仕事を分解して具体化させるには、箇条書きが効果的だからです。ただし、1行か2行の文章の説明を添えさせること。今日やったことに関しては、結果を必ず書かせる。良い結果が出なかった場合は、対応策まで報告させる。「~したけど、駄目でした」は、ビジネスマンの報告として失格。「駄目だったので、~します」が正解です。このように次の一手まで含めて報告させると、明日やるべきことも自分の頭で考えられるようになります。毎日、日報のチェックをしながら指示を出せば、上司の負担も減っていきます。


上司は、仕事の全体像が見えているので、「一を聞いて十を知れ」で指示を出す傾向があります。ところが、部下は視野が狭くて仕事を点でしか捉えられない。たとえば「明日の会議で使う資料をコピーしといて」と頼んだとします。関連資料を一緒に用意したり、クリップでとめて当日すぐに配れるよう準備することも言外に含めたつもりです。しかし、デキない部下はコピーの束をドサッと置いて、「やっておきました」という。極端な例ですが、このレベルは珍しくありません。ただ、ここで腹を立てても問題は解決しません。部下は、わざと手を抜いているのではなく、仕事の流れがよくわかっていないだけ。怒ってストレスをためるより、指示の出し方を工夫したほうが建設的です。


よく「仕事ができない部下に困っている」と愚痴る人がいます。でも僕は、部下が悪いのではなく、上司の指示の仕方がヘタなんじゃないかと思っています。具体的にいうと、社内での復唱を徹底させないから、駄目なんです。復唱は仕事の基本です。上司は部下に復唱させてはじめて、的確に指示ができたことになるのです。部下は、聞き直すと怒られるのではないかと考え、適当な返事をしがち。ですから、部下が「はい」と答えてもそこで終わらせず、その内容を復唱させる。これを徹底することで、ミスなく動けるようになります。


猪瀬直樹の経歴・略歴

猪瀬直樹、いのせ・なおき。日本の作家、政治家。長野県出身。信州大学人文学部経済学科卒業後上京。出版社勤務などを経て、明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士前期課程にて日本政治思想史を研究。ビル清掃員、国鉄労働組合書記等を経て作家となる。『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞、ジャポニスム学会特別賞受賞を受賞。『日本国の研究』で文藝春秋読者賞を受賞。行革断行評議会委員、道路関係四公団民営化推進委員会委員、地方分権改革推進委員会委員、東京大学大学院人文社会系研究科客員教、国際日本文化研究センター客員教授、東京工業大学世界文明センター特任教授、石原慎太郎知事の下で東京都副知事などを経て東京都知事に当選した。