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瀬戸欣哉の名言

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瀬戸欣哉のプロフィール

瀬戸欣哉、せと・きんや。日本の経営者。「MonotaRO(モノタロウ)」会長、「LIXIL」社長。東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。米国駐在、米国ダートマス大学でMBAを取得。アイアンダイナミックスプロセスインターナショナル社社長、住商グレンジャー(のちのMonotaRO)社長・会長、LIXIL社長兼CEO(最高経営責任者)などを務めた。

瀬戸欣哉の名言 一覧

現場感覚があると過信して経営し続けると、間違ったトップダウンになる可能性があります。現場の社員が察知したリスクを無視してしまったり、どんなに優れた現場の社員でも、トップが言うことに対して疑問を持たなくなってしまったり。こうした事態は先回りしてでも防がなければなりません。


ジュースバーは誰がボタンを操作しても同じジュースが出てきますよね。会社もそれと同じように、誰でも一生懸命働けば結果を出せるような組織でなければ、持続的に成長できない。


停滞した事業を再び活性化させるには、強さとは何かを再定義して、生かしていく視点を忘れてはいけない。


ブランドは、別の言葉で言うと顧客との「約束」です。INAXを買うと安全で衛生で、ちょっとリッチな気持ちになれるといった約束事を、企業は果たさなくてはなりません。


持続的に成長する組織で重要なのは、社員が暗黙知に従って動くのではなく、明文化されたルールを行動の原理原則とすること。


無駄だと判断された部門の人は、当然反対します。それが自分の存在意義だから。しかし、本当にコストに見合っているのかを考えなければいけない。


僕には物事をやる時のプリンシプル(原理原則)があって、それがドゥ・ザ・ライト・シングなんです。いろいろな理屈やしがらみがあっても、正しいことをやると決めたら迷いません。


大切なのは社員のマインドを変えること。そこで、クイックウィン、つまり短期的に勝てることから着手し、それがある程度うまくいきました。


会社を持っている限りはその会社を良くする努力をするのが義務。


これまでと違うやり方をしないと勝てない。


会社は、大きくしたら無駄を整理するという作業を繰り返さなければならない。


LIXILには一人で来ました。最初から連れてくると、もうその瞬間から社員に信じてもらえなくなるでしょう。ある種の考え方を進駐軍的に押し付けようとすると、必ず失敗します。


自分がプロならば、より難しい仕事にチャレンジしてみたいと思った。

【覚え書き|LIXIL社長就任要請を受けたことについて】


重視しているのは、直属の部下ではなく、その下、より現場に近い社員から直接話を聞くこと。


市場を大きくする努力が重要です。そこで勝つために、デザインやブランドなどを生かして、競争力のある商品を作っていきます。


僕はラッキーなんです。いろいろな会社で事業をやってきましたが、周囲の助けや環境に恵まれているんです。


投資家は大切な存在で、納得してもらう努力は必要ですが、投資家に振り回されてもいけません。経営者としての評価が在任期間中に低くても、自分がまいた種を次の社長が育ててくれればいいのです。プロ経営者というのは、そのような存在であるべきだと思っています。


経営者がやるべきことは仮に社長の座を次の人に渡すことになった後もしっかりと成長していけるようにすること。よく言うのですが、「会社」というのは逆さまにすると「社会」ですよね。より良い社会を築いていこうという時に、短期的な成績に一喜一憂してはいけないと思うのです。


四半期の結果に投資家が反応するのは当然で、パブリックカンパニー(公開企業)なんだから仕方がありません。ある程度、株価の上下を覚悟して、それでも僕は長期的な視点で経営していきますということを株主に納得してもらうしかない。


僕は社長就任当初から、我々はメーカーであり、国内でいい商品を作って、それを海外でも展開して成功していくんだというメッセージを、かなり力を入れて発信してきました。これから会社を強くしていこうという時に、社員が萎縮していたら前に進めないからです。


最初、僕らは大企業を顧客にしようと考えていました。総合商社の発想ですよね。しかし、思うように顧客を集められず、工具商出身の社員のアイデアなどを聞きながら打開策を考え、チラシをまくことで中小企業を獲得するのが一番効率的だと判断しました。つまり、現実に即してビジネスモデルを修正したのです。


現場に近いところで判断とコミュニケーションができ、社員が自分で考えているという感覚を持てるよう、組織はシンプルでフラット、かつ俊敏にしなければいけない。


現時点で経営者としての能力を比べると自分の方が圧倒的に高いし、10年後も抜かれない自信がある。だが、20年後のモノタロウを考えると、今、交代した方がいい。
【覚え書き|モノタロウの社長から退いたときの発言】


人は誰しも自分の属している組織に、ぼんやりとした愛情を抱いていると思うんです。普段は関心がないスポーツでも、日本人が金メダルを取ると喜びますよね。そういう愛情を本当に素直に出せる職場になったら、みんな会社のために頑張れるはず。


社員は皆、優秀ですが、それぞれ旧INAXだったり旧トステムだったり、10年、20年と背負ってきている文化が違うんです。それを否定されると、心を閉ざしてしまう。大切なのは、ある種のプリンシプル(原理原則)に従いつつ、お互いに違いを認め合う働き方です。


社長就任当初、「瀬戸さんの目的はなんですか」と聞かれた時、僕は「一番の目的は社員が楽しく誇りを持って仕事ができるようにすること」と答えました。バケツの穴を塞ぐ(無駄遣いをやめる)のは、その前提条件です。一生懸命働いても、穴から水が漏れていたら楽しくないでしょう。


発表するだけの会議や、会議のための資料作りはやめて、時間は30分以内にしました。社員には、起業家精神を持ってもらいたいのです。「議論をするんだったら、まず実験をしてみよう」と、口を酸っぱくして言っています。


改革を続行しながら、社会に新しい価値を提供していく。そのホームグラウンドはあくまでも日本だ。日本で価値を提供できなければ、グローバル市場でも勝負できない。


私自身がどれだけ強いメッセージを発して社員とコミュニケートできるかが勝負。今年の1月から最初の100日間で10カ国を回り、600人余りの社員と一対一で話した。


前から潮田洋一郎会長「そのうちLIXILに来る気はないか」と声をかけてもらっていた。幸い、MonotaROも東証一部へ上場。後継者が育ったこともあり、新しい挑戦はやりがいがあると考えて受けさせていただいた。
【覚え書き|LIXIL社長に就任したことについて】


合弁会社やコンソーシアム(企業連合)という方式は、出資者の覇権争いが競合に勝つより大事になってしまいがち。本来はパイそのものを大きくするのが目的のはずが、パイの分け前を誰が多く取るかという議論にエネルギーが費やされてしまいます。自分が組織の中で偉くなることの方が、会社が儲かることより大切だと思う人は結構いますよね。合弁やコンソーシアムでは、その悪い面が極端に出がちです。


誇りを持つには儲かること、勝つことも重要。最初、国内部門の人たちと話した時、ちょっと元気がないと思いました。会社が海外で買収を進めるほど、自分たちには未来がないのかという気持ちになった人も少なからずいたでしょう。しかし、国内はすごく重要で、国内事業の競争力があるから、買収した海外企業のデザインやブランドとの融合もできるんだという話をしていくと、みんな頑張ろうと思ってくれました。


突破口は、短時間で簡単に施工できる商品群の開発だ。というのも、今、工務店などで工事を担う人材が不足し、受注拡大のボトルネックになってしまっている。こうした現状にテコ入れできれば、エンドユーザーの声も吸い上げられ、リフォーム分野の新たな需要をも掘り起こすことができる。


商品を売るには「ブランドが商品やサービスを想起させるか」も重要です。TOTOならトイレや水回りの総合メーカー、YKKなら窓とファスナーを想起させますよね。一方、LIXILというブランドは、残念ながらあまり商品を想起させません。そのような場合には、企業ブランドではなく、商品やカテゴリーを想起させる別のブランドも必要になります。米P&Gがいい例ですが、柔軟剤では「アリエール」、おむつなら「パンパース」がありますよね。


LIXILでは、M&A(合併・買収)で急速に海外事業を拡大したことで、国内の社員が「俺たちはもう仕事がないのか」と考えてしまっていました。こうした状況から脱するには何が必要でしょうか。答えは、そもそもの強さとは何かを検証し、その上で比較的早く結果が出るロー・ハンギング・フルーツ(手が届く位置にぶら下がっている果実)を作ることです。うまくいっていることを実感できれば、誰だってやる気が出ます。非常にシンプルな戦略ですよね。


会社で一番大切なのは、そこで働く人たちが楽しんで誇りを持てることです。しかし、もう一つ大切なことは、生き残ること。会社が生き延びることを考えたとき、僕(創業者)が長くいることがいいとは言えません。会社の持続性を考えた際、創業社長というのは非常に危険な存在です。現場のことをよくわかっているから、ものすごく万能感があるんですよね。だけど、会社が大きくなってくると、その万能感が間違っていることが増えていきます。社長が知っている現場は過去の現場で、いまは違うことが起きている場合があるからです。


モノタロウは僕がほぼゼロから設計した会社なので、最初から理想の形を目指すことができました。実は、モノタロウの強みはビジネスモデルに加え、業務をシステム化することを繰り返ししてきたことにあります。ビジネスモデルは、誰にでもすぐに真似されてしまいますよね。だから、真似できない「何か」を組織の内部につくりあげることが必要だと考えました。会社を大きくしていくとだんだん非効率になっていくもの。そうした状況に陥ることを避けるために僕は、業務のシステム化が重要だと考えてきました。


モノタロウを立ち上げるきっかけは米アマゾン・ドット・コムでした。「無限の商品から選ぶ」「一物一価の透明性を持つ」というビジネスモデルは、住友商事という総合商社に勤めていた僕には衝撃的でした。企業間取引(BtoB)の世界は、大企業は安く買い、中小企業は高く買うというのが基本で、そこにアマゾンのように一物一価を持ちこんだらどうなるか、そのインパクトを考えずにはいられませんでした。


技術とデザインを融合させました。旧INAXには素晴らしい技術はあるけれども愚直であまりデザインに力を入れていませんでした。その点、買収したグローエという会社は、デザインが非常に優れていました。旧INAXの製品に「プッシュ水栓」というものがあります。ボタンを押すだけでシャワーなどを出したり止めたりできるというもので、すごく売れていたわけではありません。ところが、これをグローエがデザインし「スマートコントロール」という名前で販売したら、おしゃれになって飛ぶように売れた。シャワートイレも、これまで欧州では売れていませんでしたが、グローエがデザインして「センシア アリーナ」という商品にしたら、格好良くて生産が間に合わないほど売れたんです。


衛生陶器の生産では、旧INAXは非常に高い技術を持っていて、歩留まりは95%以上あります。一方、買収した米アメリカンスタンダードの工場は、歩留まりが非常に低かった。こうした工場に旧INAXの人を送って助けてあげると、例えば7割程度だった歩留まりが9割くらいまで上がるようになりました。何も投資をせずに2割も多く製品が作れるわけですから、大きな効果です。


経営効率が非常に悪く、組織的にも膨れ上がっていたところを、まずはきれいにしました。一番大きな穴は無駄遣いです。経営統合や海外展開のためにコンサルタントをたくさん雇っていたり、難易度が高過ぎて破綻しかねないITシステムを作りつつあったり。こうした無駄遣いはやめました。組織についても、なんでこんな部門があるのか、なんでここに重役がいるのかという視点で見直し、114人いた役員を53人に減らしました。


LIXILに来て最初に思ったのは、2011年に5社(トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリア)が統合して生まれ、海外企業も積極的に買収していたので、そもそも経営が難しいということです。統合効果を十分に発揮する前に、次に次にと進んでしまって不具合が出ていました。例えるなら、バケツにたくさん穴が開いているような状態でした。


プロ経営者というと、まずコストをドーンとカットして、利益をV字回復させることを期待されるものです。テクニカルには、僕もそれはしています。M&Aした海外企業でうまくいっていなかった会社を売却するなど、資産を整理しました。ただ、中長期的に会社の体力を失ってしまうようなリストラ(人員削減)はしたくありません。基本的にリストラは日本の会社では下策中の下策だと思っています。経営者として絶対にやらないとは言い切れませんが、リストラをする場合、高い退職金を払うか、ブラック企業になるか、どちらかの選択肢しかありません。ブラック企業にはなれないから前者を選択するわけですが、そうすると優秀な人から辞めていきます。


中期経営計画の発表後に株価が下がったのは、投資家の期待と我々が用意した回答が違った、ということでしょう。投資家が期待したのは、いつ、いくら儲かり、コストはどのくらいなのかという情報だと思います。こうした情報は、将来が今のビジネスの延長線上にある時には伝えやすいでしょう。でも、我々がやるべきなのは新しいビジネスや商品を生み出すことです。そのための体制を整備しているという話を投資家に納得してもらうのは、なかなか難しいものです。ある程度の感触を投資家から得ていますが、まだ十分には伝わっていないと思います。モノタロウでも投資家に理解されるまでに何年もかかりましたから。


モノタロウを立ち上げた時、最初の3年間くらいでストップ安とストップ高を何度も繰り返した経験があります。その頃の企業価値は数十億円だったので、流動性の低さもあり、まるでジェットコースターのような状況でした。当時、僕は自分の財産のほとんどをモノタロウの株式に投じていました。サラリーマンでしたから、借金をして株を買っていたわけです。株価が下がった時には、普通に考えたら返済できない状況にまで追い込まれました。しかも、ネットの掲示板にとんでもないことを書かれるんですよ。ゴルフはやっていないのに、ゴルフをやめて仕事に専念しろとか、ひげの社長はうまくいかないからひげを剃れとか(笑)。だから、精神的にかなり鍛えられました。


ブランドには3つの評価軸があります。認知度、カテゴリー想起力、好感度です。まず1番目の認知度はものすごく重要です。僕が創業した工具のネット販売会社モノタロウでは、コマーシャルで「モノタロウ、モノタロウ」と連呼しています。社名を覚えてもらうのが最大の目的だからです。調査してみると、モノタロウでの購入理由で一番多かったのが「社名を知っていたから」でした。一方、購入しなかった理由としては「モノタロウを知らなかったから」か、「買おうとした商品のブランドを知らなかったから」というのが最も多かった。


モノタロウでは経営については僕が全ての判断をするような状況で、ある意味で非常に属人的でした。現場の隅々まで分かっているし、創業当初から死ぬほど考えてきた知識の蓄積もあります。社長と一般社員の差は、突き詰めれば毎日入ってくる情報の多さと深さの蓄積であり、判断能力の差にこの情報量の差が掛け算で利いてきます。そう考えれば、鈴木(雅哉)に社長を譲った時点でも僕の方が勝っていて、その後10年だけを考えれば僕が社長を続けた方がよかったかもしれません。しかし、もし僕が続けていたら、周囲はますます判断を僕に頼るようになって、次に社長になる人はさらに大変になります。


実験して真理が分かったら、その仕事は平準化して人が判断する必要性をなくすというサイクルを繰り返してきました。毎回人の判断が必要な仕事は属人的になりますが、システム化すれば誰でもできます。言い換えれば、モノタロウの強みは、業務の要件定義が簡単だったことです。受発注にしても在庫の管理にしても、全般的にある程度ワークフローとして確立している業務が多く、個人の暗黙知に属する仕事があまりなかったんです。システムの要件定義は簡単で、仕様を設計してコーディングしていく作業を延々としていきました。モノタロウでは、仕事の自動化が創業当初から一つのテーマでした。


モノタロウ創業の経験から言えることは、サラリーマンとして新たな事業を立ち上げることの難しさは、突き詰めれば与えられる裁量ではないでしょうか。モノタロウの場合は、住商もグレンジャーも様子見で、僕が全てを決められました。お金も人もノウハウも、リソースがほとんどなかったことが自分たちでゼロから作り上げていくという覚悟につながり、チーム全員の当事者意識が高まったと思います。組織の論理に左右されず、事業の成長に必要なことを自ら考え、実行できるか。成否はそこにかかっています。


最初のうちは顧客獲得コストが経費のほぼ全てで、調達した資金がいつ底をつくかという、いわゆるバーンレートを計算しながら、黒字化と上場の計画を練っていきました。1件の顧客獲得コストは1万円程度で、1回の平均購入単価も1万円程度。限界利益率はだいたい15%でしたから、1万円ばらまくと1500円くらい限界利益が出る計算です。つまり、1人のお客さんが7回買って初めてペイします。年間の購入回数は3~4回と想定すると、ペイするまでだいたい2年です。そのような計算でいけば、顧客を蓄積していけば必ず利益は出るわけです。サイトのオープンから4~5か月して、「ああ、これは商売になる」と確信を深めました。


モノタロウ創業当時、主要メンバーは僕を含め住商出身者3人と間接資材の専門商社出身者ら2人の計5人。事務所は大阪の工具の問屋街に近い阿波座(立売堀)にあるペンシルビルに入居しました。サーバーを事務所に置いていたら夜中に守衛さんが電源を落としてしまうので、家賃5万円ほどのマンションの一室にクーラーを山ほど持ち込んで即席のデータセンターにしました。パソコンも全て自作で、机や椅子も中古品という徹底したケチケチぶりでした。システムも自前で作りました。


瀬戸欣哉の経歴・略歴

瀬戸欣哉、せと・きんや。日本の経営者。「MonotaRO(モノタロウ)」会長、「LIXIL」社長。東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。米国駐在、米国ダートマス大学でMBAを取得。アイアンダイナミックスプロセスインターナショナル社社長、住商グレンジャー(のちのMonotaRO)社長・会長、LIXIL社長兼CEO(最高経営責任者)などを務めた。