濱口道雄の名言

濱口道雄のプロフィール

濱口道雄、はまぐち・みちお。日本の経営者。「ヤマサ醤油」社長・会長。東京都出身。慶應義塾大学商学部卒業後、ヤマサ醤油に入社。同社社長・会長を務めた。

濱口道雄の名言 一覧

失敗作の商品ラベルは手元に取ってあります。失敗からこそ学べることがあり、それを忘れないためです。


もしあなたがとても面白いアイデアを思いついて、失敗を嫌う上司に提案をする気になりますか? 私はなりません(笑)。挑戦と失敗の意義を知り、それを日々楽しんでいる人間のところにこそ、人材もアイデアも集まるのではないでしょうか。


当社の創業は正保2年、千葉の銚子で醤油づくりを始めて372年になります。美味しい醤油をお届けすることを何より大事にしていますが、ただ「守る」だけでは時代の変化に対応できません。長く続けるとは、つまり変化に対応し続けること。それが「しぶとさ」の源泉です。


もちろん、チャレンジにはリスクが伴います。ヤマサ醤油で一番多く失敗をしているのは私です。アイデアが浮かんだら試してみる。失敗したら改良してみる。それでもダメならしばらく寝かせて、時機を見てまた試して……。商品化に至らない失敗もあれば、商品化しての失敗もたくさんあります。


「昆布つゆ」は、昆布から取っただしのまろやかさに着目して商品化しました。今でこそ、めんの汁、鍋、煮物などに幅広く使える加工調味料として定番となりましたが、発売当時はだしと言えば「かつおだし」が主役とされていました。実は取引先から「売れそうにない。売り場がない。やめておいた方がいい」とダメ出しをされながらの発売でした。


私が12代目の社長になった34年前、醤油の出荷量は日本全体で約120万キロリットルほどありましたが、今や78万キロリットルを割り、私どもの売上高に占める醤油の割合も7割から3割ほどに。そんな厳しい環境でも業績を伸ばし続けてこられたのは、醤油をベースにしたユニークな商品のおかげです。


前例のない商品を発売する時、不安はつきもの。ですが、そこで立ち止まっているばかりでは、それこそ時代の変化に負けてしまいます。そもそも明治の頃、日本で初めてソースをつくって米国で販売したり、その後も「有機大豆」を原料とした醤油づくりにいち早く取り組んだり、他に先駆けて新たなことを試み、市場の開拓に挑戦することが、代々続く伝統と言えるかもしれません。


気をつけたいのは、アイデアに酔わないこと。自分が考えつくアイデアは、きっとほかの誰かも思いついているでしょう。でも、そうした多くのアイデアは、アイデアのまま消えてしまう。重要なのは、優れたアイデアを、安全でおいしい商品に仕上げる力です。メーカーとしてそうした土台の部分がしっかりしていてこそ、様々なチャレンジができる。ユニークな商品は一日にして成らず。良い環境を整え、良い素材をしっかり熟成することが肝要です。


濱口道雄の経歴・略歴

濱口道雄、はまぐち・みちお。日本の経営者。「ヤマサ醤油」社長・会長。東京都出身。慶應義塾大学商学部卒業後、ヤマサ醤油に入社。同社社長・会長を務めた。

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