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澤田道隆の名言

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澤田道隆のプロフィール

澤田道隆、沢田道隆、さわだ・みちたか。日本の経営者。花王社長。大阪出身。大阪大学工学部プロセス工学科修士課程修了後、花王石鹸(のちの花王)に入社。素材開発研究所室長、サニタリー研究所長、研究開発部門副統括、執行役員、ヒューマンヘルスケア研究センター長、取締役執行役員などを経て社長に就任。

澤田道隆の名言 一覧

すぐに利益を生まなくても、社会に必要とされ、将来の成長につながるような、そんな取り組みなら、社員だって、ワクワクしながら働いてくれる。


我々はモノづくりの会社です。洗剤や掃除用品などモノをつくっているのですが、言ってみれば「きれいづくり」をしているわけです。きれいにすることは、きれいにしてくれた人や日ごろ使っているモノや家などへの感謝の気持ちにつながる。つまりモノづくりはコトづくりにつながり、最後は心に届く活動になっていくんです。


スローガンは「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」。自分自身に贈る言葉でもあります。達成したいのは、グローバルで存在感のある会社になること。


考え方が違うこともある。でも、それはそれでかまわない。何度も繰り返し意見を戦わせることで、お互いの理解のレベルが格段に深まる。


メッセージに説得力を持たせるためにも、自分の思いをストレートに伝えることに大きなウエートを置いています。


極端に言うと、これまでのすべてを否定したい。やり方、あり方、考え方を全否定しよう。すべてを変える必要はないかもしれませんが、それぐらいの気持ちでやらないといけない。


世の中がこれだけ大きく変わってきている。その変化にまだ私たちは追いついていない。過去を踏襲している部分が多い。自らが変わって、変化を先導する企業にならなければいけない。


やるかやらないか迷ったら、やると決めています。やりたいと言うならやらせてみるという経営のスタンス。


陳腐化しても、圧倒的な価値を新しく加えることができれば、ブランドは甦る。


トップが自分の存在を認めてくれているというだけで、人は元気になる。


対話はきずな意識を高めるのに一役買っている。


スピーチのテーマは同じでも、その時々で話し方を変えるのは、今この瞬間に相手の心に一番響く方法を常に考えているから。


聞いた内容を他人事ではなく自分事に落とし込めるかどうかでモチベーションが違ってきます。だからこそ相手に合わせて話すようにしています。


ダメになってやるのではなくて、いい時に大きく組織を変えるというのが、花王の伝統だと思います。


研究開発費のほぼ半分を基盤研究に使っています。基盤研究を中心にしているので、1個の技術が、いろいろなところに応用できる。


花王の昨年の研究費は約550億円。そのうち250億円ほどを基礎研究に使っています。10年間で2000億円を超える投資をしながら、いまだにリターンしていない基礎研究も多い。長期的にはそういう成果が実を結び、会社の競争力として必ず役に立つ時が来ます。そういう点で、ネット企業がモノづくりをしても、技術の蓄積が桁違いなので、違いが出ると思っています。


我々の強みは、モノづくりのベースとしての研究データとエビデンスです。研究・開発にしつこく取り組んできた結果が社内に蓄積されています。たとえばシャンプーの包装材をリサイクルする化学技術など、社外に売れる技術に育っているものもあります。


スモールマス化が進む市場で1000億円の売上高を目指すならば、100億円の商品を10個つくればいい。スキンケア、ヘアケアという枠組みでくくって、マスブランドの製品を売るのと同じようにやっている場合ではありません。


企業が長期的に存在するためには、環境や人にとって有益な存在である必要があります。ESG(環境・社会・企業統治)への対応は長期的な利益につながる、つまりコストではなく投資なんです。そういう発想までもっていきたい。それは、モノづくりを通して人々の生活や社会に貢献するという花王の理念に通じます。花王らしさを出そうと呼びかけていきます。


女性の問題も、健康の問題も、全部人が介在するので、やはり心につながります。環境対策もそうです。泡の技術を改良し、節水や時短に役立つ洗剤や全身洗浄剤を開発したり、シャンプーの容器なども梱包材の量を17%減らしたりしてきました。それは、ゴミをなんとかしたい、環境破壊を止めたいという人の心につながります。


長年、商品の研究開発に携わってきました。チャレンジしないと新しいものを生み出せないのが研究の仕事です。


社長就任後も、できるだけ異業種のトップの方とお会いして意見交換するようにしています。「こういうやり方もあるのか」と感心させられることが多いですね。そうしたアイデアは経営にどんどん取り込んでいます。


商品の性能が他社より多少いいというだけでは、価格競争に巻き込まれてしまいます。そのなかで、自分たちがどういうことをすべきなのか考えないといけません。我々は、安いものに追随することはしません。


シェアトップの座を確保しても、それで目的が達成されたわけではありません。どの分野の商品においてもよきものづくりを継続し、絶えざる変革を実現していくことが重要です。


失敗に思えたものでも、いつかは次の糧になります。失敗を恐れずによきものづくりに全社員が挑戦していける環境を整え、ひとつでも多く成功体験を味わってもらえるようにしたい。


一心不乱に考え抜くことで問題意識が頭の中に植えつけられ、ちょっとしたきっかけで閃きを得ることができます。


ものごとが上手く運ばないときにはどこかでズレが生じているもので、メリーズ(子供用紙おむつ)が苦戦を強いられていた際も同じでした。「研究がいい技術を導入していなかったのではないか」「ニーズを的確につかまずに間違った売り方をしているのではないか」など、ちぐはぐな意見が散見されるようになっていました。


競合商品との戦いに勝ち抜くためにも、よきものづくりに徹することが大切です。その際に重要な点が一心不乱の姿勢で臨むことです。私がそう言うのも、長年勤務していた素材開発研究所の現場は相反する要求を次々と突きつけられる厳しい職場で、生半可な挑戦ではとてもその要求をクリアできなかった経験があるからです。実際に一心不乱に取り組まないと無理ということが多かった。


気になるものがあれば、自分自身で買うように努めています。自分のお金を出すことで、初めてその物が持つ価値を肌身で感じ取れるようになるからです。実際にライバル会社の商品から、自社の商品とは違った良さを発見することもあります。


自社の商品のことしか知らないのに、それがナンバーワンだと思い込むのを防ぐために私が行っているのが、休日の時間を使ってスーパーなどに出かけ、どんな人がどのような商品を買っているのかを観察することです。


絶えざる変革の実現で肝に銘じておかなければならないのは、「思い入れはよいが、思い込みは気をつけろ」ということです。「自分たちが一生懸命につくった商品はいいものだ」と思い入れを持つことは悪いことではありません。しかし、自社の商品のことしか知らないのに、それがナンバーワンだと思い込むのは「井の中の蛙」と同じです。


リーダー的な存在の人間が冷静に判断を行ったうえで進むべき方向を示し、「皆で努力して進んでいこう」という気持ちを醸成することが大切です。そこで成果が出始めると、「この方向でいいんだ。さらに突き進もう」という気概が生まれ、全員の心がひとつにまとまります。あとは黙っていても歯車はいい方向へ回転していくものです。


当然、商品がよくなればお客様も買ってくれて、売上もシェアも自ずと上向きます。


自宅では週に10冊くらいのペースで本を読みます。本には赤ペンで気になったフレーズに下線を引いたり自分の考えを書き込んだりしています。読後はこれらの書き込みをパソコンに入力して破棄します。入力したメモは3年分あり、時々検索して読み返します。「あの時はこう考えていたのか」と改めて発見することが多く、思考の整理に役立ちます。


一日の業務の最後にはじっくりと考える時間を30分間、必ず持ちます。花王グループの将来やグローバル展開といった大きなテーマについて、社長室で手を動かさず熟考します。以前は天井を見つめていましたが最近、小林 陽太郎さん(富士ゼロックス元会長)から「素心深考」と書かれた色紙を頂き、いまはこの色紙を棚に置いて見つめながら考えています。


仕事は日々、区切りをつけます。資料や書類などは議論が終わったらすべて廃棄します。そして次の仕事、テーマに集中するのです。毎日、その日の仕事を完結させることで、必ず結論を出す癖がつきます。仕事では次々に新たなテーマが出てきますから、レスポンスを速くしないとダメです。結論を先送りにすると書類や資料がたまって判断材料が増え、いい判断ができなくなります。破棄して次の仕事に臨む。デスクには何も残しません。


研究開発は、ときに相反する性質を両立させなくてはなりません。例えば以前、水性マニキュアを研究しました。シンナーなど有機溶剤を使わず、爪に優しいのですが、水で手を洗うと溶けてしまいます。「水性でありながら水には強い」。この難題は既存の研究では解決できない。そこで、全く違う学問を取り込んでみます。本を読み、講演を聞き、専門家に直接会いに行く。結局、化粧品とは全く関係ない壁紙の塗料の技術を応用して「AUBE(オーブ)」の商品開発に成功しました。


今後、大きく飛躍していくために、経営判断のスピードアップを図るのと、変化に向かって果敢にチャレンジするということで、若手を登用して経営執行体制を刷新しました。
【覚書き|経営陣の大幅刷新をした理由についての発言】


花王は、基本的に直販ベースでやってきましたが、中国などでは、それではやはり限界があります。いまは現地の流通と提携して、直販と、卸を使う部分とをうまく使い分けています。最近ではインターネット通販も強化しています。


どっちかと言うと、我々は慎重に議論をしますが、その時間が少しかかる分だけ、遅かった面があるのかもしれません。また、国内が盤石だったために、力を入れてこなかったという部分もあろうかと思います。
【覚書き|海外展開が遅れたことについて語った言葉】


当社は不器用な会社なんです。私たちは何よりもNB(ナショナルブランド)のレベルを上げていく。その中で、例えば小売りと一緒に企画をするということはあり得ます。
【覚書き|PB(プライベートブランド)をやっていない理由について聞かれたときの発言】


消費が回復する局面では、どの層が先に動くかを見極めなくてはいけません。


昨年は、花王グループが持つ資産を最大活用するということをずっと言い続けました。花王には、非常にシェアの高い商品がたくさんあります。それを時代に合った形に少し伝え方を変えるだけで、よりシェアを高めることができ、広告宣伝費をかけなくても、大きな利益が得られるわけです。


高単価商品の機能を削っただけの安い商品を投入するつもりはありません。おむつでも高単価の製品についている「おしっこサイン」のような機能をとれば製造コストは下がります。しかし、そんなふうに中間層を侮ってはいけません。彼らに真に求められる価値をシャープに出せるよう、開発を行うのです。


かつて粉末洗剤は自転車にも積めないような巨大な箱でしたが、花王が「アタック」の小型化に成功すると他社も含め1~2年ですべて小さな箱になりました。文化を変えて、輸送面でもメリットを出せました。そういうことがこれからだってやれると思います。


大上段に振りかぶって大きなテーマからいこうとすると、たいてい言葉に詰まってしまう。ちょっとした思いつきや身近な話題から入ったほうが、議論は盛り上がる。


外国人は仕事とプライベートは別だと割り切っているのかと思っていましたが、意外にも、みんな延々と自分の話をします。それくらい、自分の存在を知ってほしいと思っている。


社内に向けて話をするとき、私は3つのことを意識しています。

  1. 自分の言葉でしゃべること。
  2. 相手の表情から納得しているのかどうかを確認して、話す内容を変えること。
  3. 過去のことではなく将来のことを話す。将来の糧にするために、今リアルに起きていることを話題にする。

花王が最も強い点は「本質的な部分」にこだわるところ。そこは残さなければならない。研究開発は、新商品をどんどん出すことにこだわっているのではなく、皮膚とか毛髪、物質では泡や界面活性剤などの基盤研究にこだわっている。


最も必要になってくる人材は、ライフスタイルをデザインする「コーディネーター」だと思っています。これまで、人が生活するうえで、起きてから寝るまでのいろいろな場面の製品を提案してきました。これからは商品ひとつひとつではなく、ブランドや製品を超えて、トータルでのライフスタイルを提案したい。


我々は、技術開発をして、基礎研究の成果をたくさん持って戦いに臨んでいきます。ただ、スモールマス化が進む製品は、感性を中心に訴求する商品が多いので、革新的な技術がなくても強いブランドを作れる可能性があります。全ての分野で勝てるかどうかは分かりません。ただ、我々も脳科学や感性研究など、心に響かせる研究にも挑んでいます。


スモールマスの市場でやっていくには、現場主導の若い発想で、化粧品のようにブランドごとの世界観で消費者を引き付けていくことが重要だと考えます。経営からは口を出しません。私は研究畑だったこともあって、新製品について聞かれると、「どんな成分が入っているのか、価格が高くないか」と聞いてしまう。しかしスモールマスでは、価格を含めて世界観ですから、現場の若い感性で責任を持って取り組んでもらいたい。


マスとスモールマスの中間に位置するのが、スキンケアやヘアケアでしたが、ヘアケアはスモールマスに急激に移っていて、eコマースを利用した商品やドラッグストアのPB(プライベートブランド)など、コンパクトな規模のブランドがたくさん登場しています。売上高で100億円いけば御の字のブランドが大量に出てきて、マスブランドのシェアを少しずつ削っているんです。


これまでの企業は、売り上げや利益を増やし、利益の一部を寄付するような形で、社会貢献をしてきました。しかし今、ESG(環境・社会・企業統治)を軽視することはリスクになっています。環境問題に対応しない、女性が活躍できない、従業員の健康が守れないなど、ESG対応の遅れは許されない。だから花王はESGにウエートを置いて取り組みます。


ネット企業はもっとスモールマスの販促やマーケティングをして、消費者情報を集めたビッグデータを使った事業ができる。私は、ネット企業は最後にはメーカーになるのではないかと踏んでいるんです。ただ、購買履歴やSNS(交流サイト)の書き込みは把握できても、作り手のメッセージが心にまで届いているかは分かりません。そういう意味で、ネット企業もリアルで消費者との接点を重視しているのかなと思います。


化粧品事業がインバウンドの需要を取り込みきれていなかったのは、ブランドごとの世界観が醸成しきれていなかったからだと思います。化粧品はもっとブランドごとに管理すべきでしょう。特にカネボウ化粧品のブランドは、花王からは個々のブランドとして十分には見えていませんでした。カネボウ化粧品の社長が交代したのを機に、全てのブランドを横並びにして、どのブランドに投資を集中するのか、どうやって売っていくのか、化粧品戦略を見直していきます。


花王の業績は全体ではまずまずです。しかし個別の事業で見ると、まだまだ課題があるため、組織を再編しました。これまで洗剤や化粧品は大きく4つの事業ユニットに束ねていましたが、売り上げ規模や製品グループに合わせ10事業部に作り変えました。大きなくくりだと、たとえば紙おむつが好調で、その事業ユニットの業績がすごくいいように見えても、実はそれ以外にうまくいっていない事業があった。だから全部ばらして、もっと個別に責任を持たせようという狙いです。事業部のリーダーには40代の若い人を積極的に抜擢しています。組織としては、階層を重ねず、自分たちが抱えているものは、自分たちの責任でやれ、ということです。


インバウンド人口を年間3000万と考えると、その半分強の1500万から2000万人が女性です。子供は少ないと考えると、ほとんどが化粧品の購入層です。一方、日本の人口をざっと1億人と考えて、その半分の女性のうち、子供などを除いた化粧をする層は2000万から3000万人。つまり、インバウンドの旅行客と日本にいる人とが、同規模になっていて、その差は小さくなっています。となると、メーカーは日本だけをイメージしたブランドを作る必然性がないんです。それよりも日本以外、たとえばアジアの方々にも好んで使ってもらえるような発想で考えた時、ブランドの目指す価値観は変わるはずです。他社はこうした意識変革でも先行しているので、花王も追いつかないといけません。


今でもマスブランドが強い製品もあります。衣料用洗剤や掃除用品などは、なじみのブランド製品を選ぶ傾向があります。しかし今、市場で起こっている変化は、小さな規模の集合体、スモールマスの台頭です。その代表は化粧品です。たとえば化粧品のソフィーナは全体で見れば約700億円規模のブランドですが、細かく見ると「エスト」「ソフィーナボーテ」など100億~200億円規模のブランドの集合体です。化粧品は女性の美の多様性ということに対応して、それぞれのブランドがそれぞれの世界観で成り立っています。そのため化粧品の分野には1000億円を超える単体ブランドは、ほぼないんです。


澤田道隆の経歴・略歴

澤田道隆、沢田道隆、さわだ・みちたか。日本の経営者。花王社長。大阪出身。大阪大学工学部プロセス工学科修士課程修了後、花王石鹸(のちの花王)に入社。素材開発研究所室長、サニタリー研究所長、研究開発部門副統括、執行役員、ヒューマンヘルスケア研究センター長、取締役執行役員などを経て社長に就任。