澤田秀雄の名言

澤田秀雄のプロフィール

澤田秀雄、さわだ・ひでお。旅行会社HISの創業者。高校卒業後、ドイツのマインツ大学に留学し、ヨーロッパを旅してまわる。帰国後、HISの前身であるインターナショナル・ツアーズを創業し、格安航空券を個人に販売し大成功を収める。その後、航空会社スカイマークエアラインズを設立や、ハウステンボスの経営再建に成功するなど、同社を総合旅行企業へと成長させた経営者

澤田秀雄の名言 一覧

1から2つくるのは大変ですが、10から20つくるのは結構楽。100から200はすぐつくれる。


自分が楽しいと思うものはお客さんも楽しい。創造力を生かす仕事って楽しいじゃないですか。


どこよりも速い情報と、どこよりも速い行動、それがどこよりも速いサービスにつながる。


成功している会社は、オフィスや工場がきれいです。逆に整理整頓ができていない会社は、低迷していく。環境の乱れが、社員の士気低下を招き、投げやりな雰囲気を作り出す温床なのでしょう。


ビジネスモデルは変わっていく。変化に対応するどころか変化の先を読んでいかないときつい。


当たり前のことを正々堂々とやる。そして間違いは間違い、失敗は失敗だと正々堂々と認める。隠したりごまかしたりしない。これはいつの時代も変わらない。


時代が大きく変化している。我々もそれに対応できるように変化する必要がある。ビジネスモデルを根本から変えなければならない。


いまは日本だけでやっていても成長しない。世界をマーケットにしなければならない。大変だけど面白くなってきました。


ビジネスはスピード。スピード感がないと結局は二番煎じ、三番煎じになってしまう。やるんだったら早くやる。


目標があって、やるべきことが分かれば、物事は実現する。


5年、10年先のあるべき自分の姿、夢、ビジョンをしっかりと持つことも大切。そうすれば、自然とそちらの方向に進んでいく。


経費というのは単純に言ってしまえば、そのまま利益です。2億円のコストを削減すればこれは、そのまま2億円が真水の利益となります。


会社を黒字にさせる方法は、大きく分けて2つ。コストを削減すること。もう一つは、並行して売上増を実現すること。


すべてにおいて変化の時代、ベンチャー企業にとっては可能性のある時代の到来ですが、旧来型の変われない企業にとっては危機の時代。


我々も世界対応をしていかなければならない。すべてにおいて変化の時代ですから、日本だけで考えると遅れを取ることになる。


お客様は「新しいもの」を求める。これは我々が常に意識しているポイント。


失敗は必ず成長への糧になる。


大変化の時代、旧来と同じことをやっていてはダメになっていく。


新しい試みをするときは、上がまずやって見せ、それから教えて実行させることが大事。


口で言っても、なかなか伝わらないので、まずは結果を出そう。


うちは、人のやらないことをやる。ディズニーさんもユニバーサルさんもできないテーマパークを目指しています。


チャレンジしないと新しいものはできない。


チャレンジすれば失敗の確率も出てきます。ただ、失敗から学ぶことは非常に大きいですから、そこから新しいものが出来上がっていけば良い。


新しい時代は若い人が作るもの。


時代は容赦なく変化していきます。時代感覚に合わなくなったら社長は辞めるべき。


確かに失敗はしたくありませんし、問題は無い方がいいのですが、企業家たるもの危機を糧として学んでいくことが重要。


お客さんをリピーターにするには、「いつ来ても楽しい」という印象をもっていただく必要がある。


こだわりはいいのですが、それをお客さんに押し付けても意味がありません。


任せるなら、優秀な人間にとことん任せる。任せないのならば、とことん自分でやる。


私の企業家人生は失敗の連続。失敗したときほど明るく元気に振舞い、原因を突きとめて、教訓にすれば、必ず成功します。


失敗してもいいからチャレンジする。挑戦する限り、問題が起きたり失敗したりするのは当然です。


厳しさや苦しさを乗り越えて継続し、より高い成長を目指す企業こそ、素晴らしい企業。


大きな夢を持つことが大切。その上で時代に合った変化や創造をしながら、奢らず、基本や原点を大事にすることで、企業はまた発展していく。


手を抜いていては、力は付かない。努力の積み重ねが、運をも呼び込む。


問題は常に起こりうるもの。努力を継続していれば、即座に対処することが可能だ。


どんなにつらくても明るく元気に振る舞うことで、最終的には勝利を手にしてきた。何事も、諦めずに継続することが一番大事。


運は自ら掴むもの。運は「運ぶ」と書くように、自分の力で引き寄せなくてはならない。


従業員には「全世界から学べ」と言っています。良いところは全部吸収するのです。


ダメなところがわかれば、それを治療すればいい。


たいていの事業は3年やれば結果が出るもの。3年やってダメなものは何年やっても同じ。


とりあえず皆で検討して、莫大な費用がかかるなど、致命傷にならない限りはチャレンジします。


たくさんの方の意見の集合が良いものを生む。


可能な限り失敗は回避すべきですが、チャレンジと失敗は隣り合わせです。必要以上に恐れてはいけません。


あらゆる分野において、経験値の高い優秀な方に学ぶことによって、人は育つと思います。


人間がもめる原因はコミュニケーション不足にあることが多い。


人々に喜ばれるような企業でなければ、結果的に存在価値が無くなってしまう。


チャレンジしなければ失敗や損をする確率は少ないですが、新しい時代を担うことはできない。


危機はチャンスであり、マイナスはプラスに変えればいい。


人気がなかったものはやめるか、修正をして、いまも試行錯誤を続けています。内容は毎年よくしているので、お客様もまた来てくれます。


ハードもソフトも、改良するためには実用で使ってみたほうがいい。


集中と選択、経営の王道は一つのことを極めることです。


様々なことをやってきましたが、経営の基本は集中です。一業種で日本一、世界一になることが成功の秘訣だと思います。


いつも言っているのは、世の中の役に立つ、時代に合った会社にするということです。


一番大事なのは、お客様の目線で、商品・値段を提供することです。あとは、時代に合ったシステムを構築してきたことです。


挑戦しなければ失敗せずに済みますが、新しい時代も、新しいこともできません。挑戦することで世の中のためになるのです。


努力する人には必ず運が向いてきます。それを見逃さないこと。


会社が大きくなると、経営者には驕りが生まれたり、安心感から油断が生じたりします。すると、変化の激しい時代ですから、すぐに時代にマッチできなくなります。


怖いのはむしろ業績が急上昇しているときなのです。上り調子のときほど、転落のスピードが速い。


数々の失敗があったからこそ、今がある。


ピンチのときにも挑戦し続けなくてはならない。ピンチのときほど前向きになるべきだ。


人は好調が続くと安心しますが、そんなときほど問題が生まれやすい。


何のために働いているのかというゴールが見えなければ、人は走り続けることはできない。


施策を実行するのは、言うまでもなく社員です。社員がやる気にならねば何もできません。


事業を伸ばすには「一番低いところ」を改善すればいい。その企業の一番弱いところ、と言い換えてもいいでしょう。


私自身、これまで社員に積極的に挑戦する姿を見せるとともに、社員の失敗を罰するようなことはせず、積極的に挑戦を促してきました。


一番大切なのは、気持ちです。本気で相手を欲しないと気持ちが通じません。中途半端な気持ちではダメ。
【覚え書き|人材獲得について】


一番大切なのは人。優秀な経営者を見つけ、任せれば黒字になる。


もっとゆったり人生を過ごす。これもひとつだと思います。ただ我々創業者は根っからの事業家です。何もせずにはいられない。だからみんな、辞めると言っても辞めないし、辞めてもすぐに復帰します。


解決法を考えることは、新たな発見の糸口にもなります。


問題には必ず原因があります。また、数字は正直です。原因や数字を現実と踏まえることで、必ず対策が見えてきます。


人の注目を集めるためには、ナンバーワンかオンリーワンであることが必要。


切った(撤退した)部門の人員は今後伸びる部門に配置転換したのでリストラはしていません。ホテル部門や法人団体向けやクルーズ、インバウンドのセクションなど伸びる部門に戦力を集中します。


株式投資の3つのポイント

  1. その企業が成長の見込めるビジネスモデルを持っていること。
  2. トップの社長にしっかりとした経営能力が備わっていること。
  3. きちんと利益を出していること。

これらを満たしていれば、きっと長期投資で大きなリターンを期待できるでしょう。


有望な投資先を見つけるには、世界の動きをよく見ること。そこに成長産業、有望な市場の芽があるからです。私はドイツ留学以来、世界各国を旅する中で、世の中の動きを俯瞰して見る目を養ってきました。


大手と戦うベンチャー企業は、「ニッチだけどいずれはマスになる」ような市場を見つけなければなりません。


これまで取り組んできた事業を改めて見てみると、どれも他の人が当たり前だと思っていることを疑うところから始まっています。


困難なことにチャレンジしたくなる、これは私の病気みたいなものです。


皆が不可能だと思うことでも、思い込みを排除してフラットな目で見れば、解決すべき道が見えてきます。


暴利を貧るな、でも適正な利益は確保しろ。


中途半端なことをやってもお客さんは来ません。


経営は人がすべて。人材が育つかどうかで、会社の行く末が決まります。


幹部には「『ランチェスター戦略』と『孫子の兵法』を必ず読め」と言っているんですが、社員にはあまり言わなくなりましたね。でも、経営の仕方でも何でも、歴史や思想の本の中に解答がある気がしますね。


テーマパークは、常に最新のイベント、感動するイベントをやり続けなければ集客が落ちてしまいます。我々はそれをやり続けたことで業績を伸ばしてきたわけですが、やはりイベント次第だと思っています。


ベンチャーを始める際に重視する3つのポイント。

  1. 向こう10~15年伸び続けられる成長性があるか。
  2. 投資を3~5年で回収できるだけの利益を出せそうか。
  3. その事業が世のため人のためになるのか。

個人的には、社長は8年ぐらいの周期で交代することをイメージしている。8年ぐらいでアイデアが出尽くすためだ。


それぞれの事業の成長スピードを見極め、撤退の判断や経営資源の配分を思い切ってやりたい。私が考えているのは3~5年先のことだ。


変化のスピードが速い時代を生き抜くのはしんどいことだが、裏返して考えてみれば、一夜にして巨万の富を手にできる面白い時代でもある。


万人に平等に与えられている1日24時間という時間をいかに過ごすかによって、成果が5倍、10倍、時には100倍にもなる。


実は失敗も多いんですよ。その時、社員には「失敗から学ぶ」ことを求め、失敗を成長の芽とするよう言ってきました。失敗を放置すると、自暴自棄になり負け癖がついてしまいます。しかし、失敗と向き合い、原因を把握するようにすれば、必ず勝ちにつながります。


忘れてはいけないのは、徐々に変えること。環境を変える時は、ゆっくり、ゆっくり変えていかなければなりません。急激に変えると、ついてこられない人が出てきますから。


内心はどう思っていようと、明るく振る舞えば、自然と前向きになれる。落ち込んでいても、何も解決しません。それにお客様に暗い顔を見せるのは、申し訳ないじゃないですか。社員が明るく元気になれば、それだけで活気づきます。


お客様が増えて利益が出れば、社員の気持ちも上がってきます。企業は「人」ですから、大切なことだと思います。


企業は100%「人」ですね。会社は社長次第。スタッフも大切ですがトップですべてが決まります。結果を出せなかったらトップを代えるしかない。トップが創造的なことにチャレンジしていかないと停滞していきます。


私はグループ会社などの経営を人に任せたら一切、口を出しません。私が手を出すと頼ってきますからね。その代わり結果で評価します。経営は大変だけど楽しい。だから自分がやるときは100%自分でやります。


日本が内向きになってきていると思います。旅行して世界を見ると創造的になり挑戦する気持ちも養われます。特に若者が内向きになることは、日本経済を成長させる上でもよくないことだと思います。


イベントはオンリーワンかナンバーワンの企画をやるしかありません。


ハウステンボスの再建依頼を引き受けた一番大きな理由は、「難しい案件だからこそ、やってみたくなった」です。高い山があったら、登りたくなるものでしょう?


自分がいる場所が変われば、見える風景はまったく違うものになる。


失敗してもいいんですよ。失敗も経験値になりますから。失敗体験の中には、新しいものを生み出し、問題点を解決するヒントが必ず隠されています。


会社というものは結局、人材次第。まずは上層部の人間をきちんと育て、それから一般の社員を育てる必要がある。


理念やポリシーはずっと守っていくべきものだと思います。変化の激しい時代だからこそ、余計にそれが重要ではないでしょうか。


私は、基本にのっとってチャレンジし、失敗するのであれば、それは許せる失敗だと思っています。そこから学んで次に活かせば、長い目で見た時に成功につながるからです。


特に若い人は、理解は早いけれど、忘れるのも早い。やはり体で覚えてもらうのが一番。


どんな企業も、最初は数名の小さな規模からスタートしています。大きな目標、夢を持つことが大切。


トップの立場で何が一番大切かというと「人を育てる」こと。


企業は社長次第。本当に素晴らしい理念や熱意を持ち、努力できる社長が率いる企業は必ず勝つ。


東京や大阪にあるものを作っても人は来ません。誰もやらないことをやることに意味がある。


元気で、やる気さえあれば、能力に多少の問題があろうと、1・2倍の仕事ができる。


人のマネをして小さいことをやっても、お客様には来ていただけない。


結局、再生に一番大切なのは「人」です。トップ、幹部、スタッフがやる気を持ち、一丸となって取り組めば、企業は再生します。


チャレンジの際は2つの条件を守るべきです。

  1. 致命傷にならない規模で行なうこと。やはり会社が潰れるような挑戦は避けるべきです。
  2. ルールを破らないこと。法律にのっとるのはもちろんのこと、企業にはそれまで培ってきたルールがあります。売掛金を作らない、人をだます商売はしない、などです。

世の中でやってないことをやらなければいけない。お客様が見たこともないもの、他人に話したくなるもの、また次も足を運びたくなるものを。


東南アジアでも日本と基本は一緒。お客様に喜ばれる企画、値段、サービスをきっちりとやるということに尽きる。


各世代にまんべんなく来場して頂けるような魅力ある施設にしなくては、将来展望は描けない。顧客ターゲットを絞ってしまうのは愚策。


他でやっているようなモノマネでは勝ち目がないし、意味がない。


験値を蓄積し、考え抜けば、必ず途は開ける。


単なる価格訴求や中途半端なイベントでは、集客に結び付かない。やるのだったら日本一、東洋一のものをやらなければいけない。


何をどうすれば黒字に転換できるかということを、数字と現場を見ながら考えた。そして、再建は可能と判断した。


世界中の顧客に貢献できる企業になりたい。社会貢献という観点を一層意識した産業分野にトライしたい。


マーケットを掴んでいくためには、ディズニーランドさんとは違うことをやって、差別化することが重要です。


若い人には、いつの時代も、たくさんチャンスがある。若者は今、チャレンジをすべき時。


チャレンジしなければ変化は起きない。変化しないと新しい製品やサービスは生まれてきません。


ハウステンボスの再建にはたくさんのチャレンジをしましたが、その7割は失敗に終わっています。しかし、3割の成功が黒字に結びついたのです。


苦況もリーダーと幹部、スタッフのやる気次第で変えられます。


世の中の変化は激しい。以前なら10年かかったことも、いまでは数年でガラリと変わります。チャレンジをしないと時代に乗り遅れてしまう。先が見えない激動の時代だからこそ挑戦が必要なのです。


運は企業にとっても個人にとっても最も大切な要素です。会社がうまくいくかどうかは99%、運で決まると思います。ただし、運はリーダーと幹部によって変えられる。運は避けられないものですが、「運ぶ」とも読むように、運び方によって変わってきます。例えば、運のいい一流企業と取引すれば自社の業績も良くなるものです。


運を変えるためには「元気を出す」ことも重要な要素です。元気を出せば状況は改善します。人間、失敗すると元気がなくなり、自信を喪失してまた失敗する。悪循環に陥ります。変化が激しく、沈滞しているからこそ、嘘でも構わないから元気に振る舞うことが大切なのです。


決して人を切り捨てたりせず、だれをも包み込むような経営は、私の目指すところです。


遅いより速いほうがいい。だって、速くやれば、それがよかったのか、間違っていたのかが早く分かるじゃないですか。一歩、速く取り掛かる。間違っていたら一歩、速く立ち直る。


私なんか、早く引退したほうがいいんです。若いマーケットを狙うなら、若い人が経営したほうがいいに決まってます。


褒めることもしますが、ダメなら叱ります。結構厳しいですよ、特に幹部に対してはね。私は、やっぱりスタッフを大切にしなければいけないと思っています。大切にするということは、間違ったときには厳しく叱ることも必要です。優しさだけでは人は育ちませんから。


ハウステンボスの再建が成功した最大の要因は、みんなで努力したことだと思いますね。売上を2割増やし、経費を2割削減するという目標への努力に尽きます。


経験しないとカンは働かないし、勉強していなくてもカンは働きません。でも経験と勉強ができていれば、緻密な計算をしてから決めるより、カンで決めたほうが当たるように思います。


経営は速度です。速く情報収集して、速く修正したところは生き残りますが、情報収集も遅く、修正にも時間がかかっていたら、競争に負けてしまいます。今は変化の激しいときですから、変化に対応するには速さが鉄則です。


私もしょっちゅう失敗しています。この1年間にもだいぶ間違いをしたと思いますし、いまこの夏だって私の作戦はちょっと間違えてます。それでもいいんです。来年の資料にしますから。今年間違えたことは、来年は絶対にしません。とりあえずやってみて、ダメなら修正する。それでいいんです。


スピードを速くするために必要なのは行動力です。とにかく行動する。ダメだったらすぐに戻ればいいんです。逆に遅かったら、戻るにも時間がかかる。そして戻るに戻れなくなる。


集中すべきところを選択するということは、思い切って捨てるところも決断しなければなりません。


ビジネスの競争は、パワーとパワーのぶつかり合いです。相手が自分と同じくらい、あるいは自分よりも大きければ、まともにぶつかっても勝てません。そこで、成長している市場や自分の得意分野に、ヒト・モノ・カネを集中させる必要があります。戦力を集中させることで、自分よりも大きな相手に勝つことができます。


重要なのはスピードです。速く決断し、速く行動しなければ勝つことはできません。もし判断を間違えたとしても、スピードが速ければ結果も早く現れますから、仮説の修正がすぐにできます。


指示したことが実行されているかは、現場に足を運ばなければわかりません。また、実行されていないとすれば、それは指示の仕方の問題なのか、現場を担当する人数の問題なのか、あるいは予算の問題なのか、といったことも現場に足を運ばなければわかりません。わからなければ、手の打ちようがありません。


現場では「お客様目線」で、つまりお客様が感動するかどうかを基準にして、サービスやレストランの味など、あらゆることを見ています。ペンキが剥げていないか、場内の案内板はわかりやすいか、ゴミは落ちていないかなど、お客様が不満に感じるだろうことすべてに目を光らせ、至らない点が見つかれば、すぐに改善を指示しています。


企業家に必要なのはやっぱりハングリー精神。素地がハングリーで夢と志が大きい人。


経営は頭だけじゃ駄目、全部自分でマネジメントしてみないと。


ハウステンボス歌劇団の学園には元宝塚で優秀な人やバレエの先生を集めました。一流の講師陣を集めないと良い授業ができませんから。


元気になるには結果を出さないと、負ける戦いには行きたくない。そこで最初から半年から1年で黒字にしてボーナスを出そうと。結果を見せると元気になる。


成功条件が全部なかったから裏返せばいい。広くて無駄が多ければ、狭くして経費を下げる。お客さんが少ないならイベントカをつければいい。結果的には他のテーマパークが出来ないことができた。


ハウステンボスは好調ですが、ラグーナの方は難しい。狭いし近くにはナガシマリゾートがあるし、名古屋から同じ時間かけたらUSJまで行けますから。だからこそなかなかやりがいがある。


今こそ、日本の経営者は原点に戻る必要があります。基本と原点は、常に大切にすべきものです。


企業は人であり、人は急に育ちませんから、育成は地道にやっていくしかありません。


「ゴールのないレースは走れない」とよく言います。集団にとって大切なことは、同じ夢とか、同じ目標、志、ゴールを持っていることです。企業にとってそれは企業理念です。


優秀な人ばかりを集めようとして、できるものでしょうか。仮に優秀な人ばかりを採用できたとしても、その優秀な人たちの一部が手を抜き出して優秀ではなくなるのが、組織というものです。


社員一人ひとりがやる気を持って仕事に取り組んでいるかどうかで企業の業績は決まります。しかし、人をやる気にさせるというのは簡単なことではありません。


自信が失せると能力も下がりますから、本当はできることまでできなくなってしまいます。失意泰然と言うように、ピンチのときはたとえ空元気でも明るくどっしりと構えていることが一番なのです。


逆境というのは見方を変えれば、自分を鍛え、経験値を高める絶好の機会だといえます。そう考えたら暗くなる必要なんてないでしょう。


私ももちろん不安になることもあります。でも不安になったときこそ、「絶対にできるんだ」と自分に言い聞かせ、それこそ空元気を出し続けました。そうしたら不思議なことに、ものごとはいい方向に進んでいったのです。


自慢じゃありませんが、私は30年間、病気で会社を休んだことは一度もありません。いつも「元気だ」と自分に繰り返し言い聞かせているからです。


暗い人でも日ごろから大きな声で挨拶をし、前向きな言葉を使うようにしていれば、次第に考え方が楽観的になって、性格も明るくなります。実際、私はそうやって変わった人を何人も見てきました。


私は旅が大好きなんです。遠く見知らぬ国を一人で訪ねる。それは私にとって、冒険であり、チャレンジです。旅は、ぼくの可能性を試すチャンスなんです。そして、旅はビジネスに似ています。ビジネスもまた、自分の人生を賭け、自分の可能性を試す冒険でありチャレンジですから。


得意なところを自信を持って伸ばしていくと、不得意なところも徐々に消えていくものです。


私は、旅行ビジネスに携わることで、世界平和の役に立ちたい。これまで、多くの困難に直面しましたが、この夢を持ち続けたからこそ、困難を乗り越えられたのだと思っています。


金融で学んだのは、自分ができないことについては、世界の一流のプロを連れてきた方がいいということでした。経営に対する志や事業のポリシーは、しっかり自分で主導していかなければなりませんが、マネジメントについては外部のプロに任せた方がいい。


私はハウステンボス再建を引き受けたときから現場の一線に立って取り組んできましたが、社員全員にお願いしたのは3つの目標だけです。18年間にわたる赤字で人材はほとんど流出し、平均年齢も高く、負け癖のついた職場でした。そこでまず、基本をみんなでやることからはじめようと話しました。

  1. みんなで朝15分だけでも掃除をして、常に清潔に保つよう心掛ける。
  2. 売上と利益を上げること。とくに経費を下げること。
  3. 嘘でもいいから明るく元気で仕事すること。

【覚書き|このあと1年かからずに開園以来初の黒字化が達成された】


できることはなるべく早く動く。何か起きた時にスピードを上げなければチャンスを逃すし、ピンチをチャンスに変えることはできません。


危機を突破するにはスピーディに決断することが大事です。何かをやろうとしたとき、決断が早ければその分だけ立ち上がりを早くできます。決断に誤りがあっても、決断が早い分だけ早めに修正することも可能です。我々はベンチャーですから、こういうときには動きを速くしなければなりません。反転攻撃に出られるか否かはリーダーの手腕にかかっています。


経費が下げられない場合は、1.2倍の速度で仕事をこなすようお願いし、従業員に徐々に意識を植え付けていきました。速度が1.2倍になることは2割の効率化を実現したのと同じで、人件費が2割カットできます。残業が減り、アルバイトの数も減らすことができるわけです。


最初に駄目だと思った瞬間から、ダメになる。


(HIS本社の経営の第一線から退けたのは)たまたま僕には、他にやることがいっぱいあったからよかったのかもしれません。何もなかったら、つい口出しして「また俺がやる!」なんて言い出すかもしれないでしょ?


僕はテストをしているわけです。社長以下のみんなに任せて、上手くやっていけるのかと。いまのところは、まあまあ上手くいっているわけです。そしてどんどん次の世代が経営を担っていけばいい。優秀な人がいい志を持って、いい事業をして、いいパワーでやっていくのが僕の理想だと思うんです。だから僕は、会長になってからは、もちろんたまに口を出しますけれど、ほとんど任せるように、できる限り努力しているんです。


本当をいうと、僕は早く引退したい方なんです。これから先、自分がいたら老害が起きる可能性があるわけです。やっぱり一番パワーがあるのは30代、40代です。発想力も、行動力も、体力もそう。それなのに年寄りが上の方でふんぞり返っていたら害になると僕は思います。だから、そうならないうちに早くリタイアしたいんです。


アーリーリタイアメントという選択肢も確かにありますけれど、やっぱり一生懸命働くから遊びも楽しいし、頑張って働いているから一週間の休みがありがたい。それがなくて、ただ遊んでいる、ただお金を儲けているというだけでは、何のために生きているのかわからないですよね。


お金を儲けるというだけならば、引退して投資家に専念するのが一番楽かもしれません。でも僕は事業家です。その事業が世の中のため、世界のためになるとか、何かに貢献できるということを感じています。だから年を取ったら別でしょうけれど、僕はまだ事業家をやりたいですね。


どんなに「できる」と念じても、空を飛んだり、透明人間になったりすることはできません。けれども、誰かがすでにやっていることだったら、たいていのことは実現できると私は考えています。


確実に結果を出すために必要なものは、やる気の継続です。大半の人は、最初は意欲満々で臨んでも、途中で壁にぶつかると途端にモチベーションが下がってしまう。いかにやる気を高く持ち続けるかが最大のポイントです。


上手くいっていないときや運が悪いときほど、明るく元気な言葉を使うということを意識しています。悪いときこそ、「今回は駄目だったけど、次は必ずできる」「これも勉強だ」といった前向きな言葉をあえて口にするのです。


事業を始めれば何かしらの問題が必ず発生しますし、失敗することもしょっちゅうです。それなのに、ひとつ失敗したからといってすぐに泣きごとを口にしたり、自分を否定するようなことを言ったりしていたら、とても事業なんて継続できません。


嘘でも明るい言葉を繰り返し口にしていると、その言葉がだんだんと自分の中にしみこんで、気持ちが前向きになってくる。そうすると、すぐにではなくても、状況は確実に良くなっていくんです。逆に「駄目だ駄目だ」「難しい、厳しい」などと言っていると、気持ちがどんどん落ち込み、自信までなくなってしまいます。


調子がよすぎるときは、逆に少し暗めがいい。「少し慎重に行こう」と、あえて自分を抑えるんです。たとえばバブル期には、自分たちの実力や努力以上のペースで業績が伸びていました。それで私は、いっさいの拡大策を実施しませんでした。そのおかげで、バブルが弾けてもまったく影響を受けずに済んだのです。


ビジネスはチャレンジそのものです。チャレンジするためには、明確な夢と目標を持つことが不可欠です。つまり、ゴールです。ゴールがあれば人はそれを目指して遠い道のりでも走り続けることができます。夢と目標を目指して、ひとたび走りだせば、どんな方針で経営していくべきか、おのずと見えてきます。


若い人たちは、自分の持っている可能性になかなか気づかないことが多いものです。たまたま日本しか知らなかった。たまたまこの社会しか知らなかった。そのせいで、自分の可能性を限定してしまいがちです。視野を広げ、世界に目を向けて欲しい。


若いときは、視野を全世界に広げ、何事も自分で実際に経験してみることが大切です。世界を広く知れば、いたずらに自分の可能性を限定せず、夢や目標を高く的確に定めることができます。


私の夢は旅行を通して世界平和に貢献することです。旅をすると、外国の文化や人情に触れ、外国を知ることができます。旅行者を迎える側の人も、旅行者を通して旅行者の国の文化を知り、人情を知ることができます。互いに触れ合い理解し合えば、戦争なんて起こらないですよ。


人は潜在的可能性を持っています。現在の自分をしっかりと見つめ、つねに自分の得意・不得意を正しく知っておくことが大切です。自分が何を不得意とするのかを正しく把握すれば、不得意を克服する道が開けます。適切な指導者を見つけるなど対策を立て、自分の不得意を克服していけば、人間大概のことはやれるようになります。


若い人にどんどん仕事を任せることは、次世代の育成には重要ですが、任せることは放任とは違うんです。適性のない人に任せれば、任せられた人は当然失敗します。まずはその人の素質の有無を、しっかり見極めなければなりません。


その人材に素質があるとわかったら、その素質を伸ばせる環境をつくります。優秀な先輩の仕事ぶりを見て学べる環境、必要なら少し指導を受けられる環境を整えます。そして、本人が力をつけたことを確認したとき、初めて仕事を任せます。


闇雲に仕事を任せれば、若手が伸びるわけではありません。まずは任せられるレベルまで育つように環境を整える。そのうえで育っていく過程を見極める。つまり、仕事を任せるまでの過程が大切なのです。


金融の世界はなまじの勉強では素人が入っていけない世界です。モンゴルAG銀行(ハーン銀行)の取締役会長に就任しましたが、自分でやるのではなく、アメリカのマネジメントチームに任せたからこそ、いまやモンゴル一の銀行になったのです。


私は旅行を通して、自分の知らない文化、知らない世界を肌で感じました。旅行は私に、未知の世界を開いてくれました。自分の目で事実を見ることの大切さを教えてくれました。


HISのスタッフで外国人の占める割合は高いです。国籍や年齢で人を評価するような固定観念にとらわれていては、優れた人材を確保、育成することはできません。まず、人を平等に見ることが必要だと思います。


人を評価するとき、その人が何を得意とし、何を不得意とするかを見極めることが重要です。いくら平等に見ても、背の高い人もいれば、背の低い人もいる。走ることが得意な人も泳ぐことが得意な人もいます。スタッフの長所と短所を的確に見抜き、把握することが肝心だと思います。得意不得意を把握したうえで、得意なことを伸ばすように仕事を担当させるのです。


組織が大きくなればなるほど、目標や夢は伝わりにくくなります。やり方は時代に合った若い人間に任せますが、ポリシーとか考え方を組織に浸透させていくことは、これからも続ける必要があります。


文化を変えるのは、とても大変なことです。文化はいわば習慣のようなもの。禁煙しなさいといっても、見えないところでタバコを吸ってしまうのと同じ。そこでとにかく「明るく振る舞う」「朝会社に来たら15分掃除をする」など、皆が理解できる、簡単なことをお願いしました。


1年後より3年後、世界がどう変わっていくか、予見しないと厳しい。デジタルカメラが誕生した時、解像度が良くないからフィルムの時代は続くと考えたコダックはつぶれてしまった。完全に予測することはできないけれど、大きな流れをまずつかむ。


僕も昔、50歳か60歳で辞めると言っていましたが、やはり辞められない。だったら中途半端じゃなくやれるところまでやろうかという気持ちです。パワーが続いている時は頑張って事業の発展のお手伝いができればいいと。


世界各国に個性の強いトップが誕生しています。それによって何が起きるか。もしかすると戦争が起きたり、円が暴落することもあるかもしれない。そういうことを常に考えて仕事をする。どう流れていくのか方向性をとらえ、先を見越して手を打っていく。


人が変わるには時間がかかります。ただ、お願いするだけではなく、結果を見せることで味方は増えていくのです。


ハウステンボスの場合、何度も社長が交代しても従業員たちはあまり給与が上がる経験をしたことがありません。何をやっても無駄という、諦めムードが漂っていました。経費削減や新しいアトラクションの導入など、さまざまな取り組みに好意的な人だけではありません。でも、大きく変わってきたと思うのは、一年後に初めてのボーナスを支給してからです。自分たちの取り組みが無駄ではなく、良い方向に向かっていると実感できたと思います。それだけではなく、新しい取り組みによって、前よりももっとお客さんに喜んでもらえると、「やっていて良かった」というやりがいも生まれてきます。


旅にはリフレッシュ効果だけではなく、視野を広げてくれる効果もあります。


私も重いストレスを抱えたとき、思い切って休暇を取り、旅に出ることにしています。ときには3カ月ほど旅に出たこともあります。


心が折れそうなときは、空間を変えることが大事です。同じ場所に居続けては、頭も身体も固定化されてしまいます。旅に出てはどうでしょうか。


リスクの大きい事業に手を出して失敗した場合、影響を受けることになりますから、反対されるのは健全な会社である証拠と言えるでしょう。


良い師匠に恵まれれば早く実績を上げるコツを教えてもらえたり、適正を見抜いてもらえたりします。しかし、すべての人にそのような師匠がいるわけではないでしょう。そのような場合は、本などに教わるのも良いでしょう。私も、失敗から学び、本に教えを請いました。


たとえ実績が上げられなくとも、3年間は今の仕事を続けてみてください。三年続けると、自分の得手・不得手がおのずと見えてきます。


叱られて悩んでしまうという人は、その理由を見つめ直してみましょう。上司はあなたの成長を願って厳しくしている可能性が高いのです。最も良くないことは、自信をなくすことです。自分を信じられない人に仕事は任せられません。自分はダメだという思い込みをなくしましょう。


私は部下が間違っているときには、厳しく指導することにしています。なぜなら、もしも間違ったまま放っておくと、間違った方向へそのまま向かってしまうからです。正しい方向へ導くための指導です。もちろん、ただ厳しいだけではありません。その人が成長して立派になってもらうために、愛を込めています。彼らもそれがわかるから、耐えながらも一人前になるのです。


人間ですから、どんな人でも怒られたらへこたれますよ。でも、「なにくそ!」と「めげながらも頑張る」こと。こういう人は成長します。


私はこのようにたとえるようにしています。「Pressure is my Lunch」「Problem is my Breakfast」と。トラブルやプレッシャーは自分の栄養であると。問題が起きたら朝食と思えばいいのですよ。その経験は、自分の血となり肉となり、力となります。次の仕事の強みとなるのです。


予想外のことが起こると、プレッシャーは高まります。でも悔やんでいてもしょうがないのです。失敗の裏には必ず対策と答えがあります。


私は、プレッシャーの半分は思い込みではないかと思っています。その思い込みのために心が病んだり、身体を壊したりするのはもったいないと思いませんか?


学生時代、ヨーロッパをはじめ、アフリカ、アジア、アメリカ大陸と全世界を見て回りました。楽しいこともありましたが、騙されたり、病気にかかったり、思いがけない事態もよくあります。アフリカに渡った際は、お金を全部使い果たしてしまって無一文に。そこで、ドイツまでヒッチハイクしながら帰りました。そんな体験をしたので、事業で失敗しても「どうってことない」という心境になれます。旅が開き直りの原動力です。


万一、会社が倒産してもまた作ることだってできます。モノも人もお金も、なくなっても死にませんから。まったく怖くないというのは嘘ですが、最終的には空気と水があればいいという心持ちになります。


私も人間なので、ストレスや悩みはたくさんあります。毎回、新たな事業に着手するときは、プレッシャーで押しつぶされそうです。でも、私の場合は開き直ってしまうため、強いと見えるのかもしれません。


新しい道を自分で切り拓くというのは、未知のジャングルに足を踏み入れるようなものだ。何が待ち受けているのか、皆目見当もつかない。必ず危険がつきまとう。しかし同時に、誰も知らない財宝が見つかる可能性も秘めている。私などは、冒険者の血が騒ぐのである。


夢が共有でき、将来ここで何かを成し遂げられると思い込ませることができれば、人は自然と集まる。


本当に欲しいと念じれば、必ずその人材は現れるものだ。


運を引き寄せるには次の5つが肝要。

  1. つらい時こそ明るく振る舞う。
  2. 景気の良い時には控えめにする。
  3. 運気の悪い時にはじっと耐えて待つ。
  4. 強運の持ち主と交流する。
  5. 運を使い切らない。

何か物事を成し遂げたい時、「やろう」と強く思うこと。やりたいことを心に描き、その形を具体的にイメージし、継続して持ち続けられれば、それは80%出来たも同然だ。


ご存じの通り、ベンチャーとは「冒険」を意味する。然らば、ベンチャー企業にはチャレンジ精神が不可欠だ。私自身、大組織の歯車に甘んずるよりも、一人新しい冒険に挑戦していく方が好きだ。


私はどこのテーマパークでも共通して閑散期と言われる冬に注目しました。冬にお客さんが少ない理由はずばり「寒い、暗い」。ならば逆転の発想で、「温かい、明るい」を目指そうと始めたのがイルミネーションとプロジェクションマッピングです。園内がパッと明るくなって、冬で日が短い分、長い時間イルミネーションを見ることができる。光は熱を持ちますし、気持ちも温かくなります。以前は春休みの3月と夏休みの8月が最も集客のできる時期でしたが、今では12月が一番です。


人間の体ならば健康診断をしてどこが悪いのか見るように、私も現地視察や決算書を通した診断から入りました。だいたい数字を見れば現状を把握できます。こうして数字から様々な判断を下し、手を打つ準備をする。これを、再建に手を付ける数カ月前から進めることで、いざ経営をする時には半分黒字化への体制が作り上げられている状態になります。


企業というのは単純で、利益と経費の差で黒字か赤字かが決まります。赤字を黒字に転換させるためにすべきことは2つ。無駄な設備投資を削り経費を下げること。売上げを増やすこと。


ハウステンボス再建1年目は集客の伸びを重視し、料金を安く設定しましたので、特に海外からのお客様が伸びました。2年目は、これ以上の集客は難しいと判断し、客単価を上げる戦略へ切り替えました。そのため集客の伸びは抑えられましたが、客単価の向上に伴い、結果的に売り上げの前期比は1年目の130%に対し2年目は135%となったのです。


できるか否かは別として、今以上のものを作るにはどうしたらいいのか常に考え続けなければなりません。誰もが考えもしないような案を出していくことで、差別化を図っていかなければならない。


イベントの成功条件は「オンリーワン」か「ナンバーワン」であること。ここでしか見られないものでなければ、お客様はわざわざ来てくれない。


テーマパークが成功するためにはハードだけではダメ。リピーターになってもらうためにはソフト面、すなわちイベントが大事。


売り上げを出すのは人間ですから、社員のやる気向上と適材適所に懸かっています。やる気と能力のある人が適切なポストについていれば、何も案ずることはありません。


黒字経営のコツはまず経費削減です。経営が危うくなる企業は、往々にして無駄なお金を使っています。特に会社が大きくなると、どこの部署から赤字が出ているのか、どこに無駄があるかが見えづらくなります。会社にぶら下がっているだけの社員もおりますから、そうした経費は徹底的に削減します。大抵それだけで黒字にはなります。ただし、必要な経費まで下げては本末転倒なので、見極めが必要です。


ハウステンボスのイベントは最初は結構、失敗しましたね。そのうち、コツがわかってきまして、世界中でここにしかないイベントをやろうということで、国内最大級「100万本のバラ祭」。最初は「ボタニカルガーデン」と言ったんですけど、そんな、ぼた餅みたいな名前、と名前を変えて。イメージできますでしょ。


ハウステンボスの再建では、まず小さな意識変革を起こして、そこから徐々に求めることを増やしていきました。それでも、以前の習慣が染み付いた40~50代の中には、変わらない人もいる。そういう人は、買収2年目くらいから別の人に交代させていきました。上の人のやる気がなければ、部下も頑張ることができないからです。


負け癖を克服するためには、少し意識すれば到達できる目標を与えて、達成感を感じてもらうことが重要です。


ハウステンボス再建時、スタッフ達に最初に言ったのは「みんなで掃除をしましょう」「経費を2割削減しましょう」「明るく元気に仕事をしましょう」という3つだけです。意識的に、最低限のことしか言いませんでした。簡単なことを少しだけ言われれば、守ることができます。


どんなに正しいことを言っても、定着しないと意味がない。毎日たばこを吸っていた人に、「明日からは一切やめろ」と命令しても、陰で吸うでしょう。これと同じで、悪弊を急にやめさせようとすると、禁断症状が表れます。つまり、社員のモチベーションが低下するなど、混乱が起こります。それを避けるため、時間をかけて文化を変えていきます。


自分で興した企業については、働く姿を通して、一般の社員にも理念などがある程度は浸透しています。でも、買収した企業は別です。買収した企業の文化を変えるためには少なくとも3~5年、規模が大きい企業であればもっと、長い時間をかけなければいけません。


創業社長は何から何まで自分でやろうとしてしまいがちですが、引き際を見極めることも大切です。旅行業界では今、ツイッターやフェイスブックなどSNSを使ったツアーなどが急速に伸びています。ただ、私自身はSNSがよく分かりません。こういう感性は若い人でないと分からないと私自身割り切って、後任にどんどん任せています。自分で勉強すればできないことはないでしょうが、効率的ではありません。


現場のやる気を引き出すためには、経営トップがいつも気にかけているというメッセージを発することが重要です。


若手にチャレンジをさせれば、当然失敗することもあります。でも、失敗はその後の糧になるからいいんです。


創業当時に本を読んで得たノウハウは、確かに今の経営の基礎を支えてくれています。しかし、本で得られるのは「知識」にすぎません。ゴルフの本を100冊読んでも、自分で10年間ボールを打っている人に勝てないのと同じですね。実務を通して「知識」を使うことで、「見識」や「胆識」にしていかなければいけません。そのためには、とにかく経験を積むしかありません。


教育の一環として、社員には「経営幹部を目指すのであれば、まずは歴史と哲学の本を読め」と言っています。賢い人や愚かな人、軍師から大将まで、歴史というのは人物の巣窟です。歴史の本を読めば、世の中には色々な人がいるということが、よく分かります。


他社を巻き込めば利益は山分けになるので、実入りは少なくなりますが、リスクやコストも少なくて済みます。


ハウステンボスでは、イベントの共同企画やスポンサーという形で他社を巻き込みました。これは、HISが買収するまでは一度もなかった手法です。今、ハウステンボスで家族連れや若者に人気なのが、お化け屋敷などを配したエリアです。ここの施設のうちの一部については、フジテレビと共同で開発しました。


格安航空券の販売では、大手の旅行会社に随分と邪魔されましたが、結局取引は続きました。それは、相手にとってもメリットが大きかったからです。HISと付き合えば、閑散期でもチケットを売りさばいてもらえます。いくら大手に取引停止をちらつかされても、HISへの航空券の販売をやめるわけにはいきません。


相手にもメリットがある仕組みを作ることで周りを巻き込むという手法は、ビジネスの原点になっています。


ハウステンボスでは、キャッチコピーでもオランダらしさを捨てました。ハウステンボスで好評を博しているイベントのひとつに、「100万本のバラ」があります。これはもともと、オランダ風に「ボタニカルガーデンのバラ」と呼ばれていましたが、お客さんにすごさが伝わりにくいので、「100万本のバラ」と分かりやすい名前に変えました。


買収した当時のハウステンボスは、ひたすらオランダらしさを売り物にしていました。オープンした頃はこれでもよかったかもしれません。ただ、HISのせいでもあるのですが、今は10万円くらいで本物のオランダに行くことができる。日本でいくらオランダらしさを追求しても本場にはかないませんよね。物珍しさで1回は来場してもらえても、リピーターにはなってもらえません。よって、オランダにこだわるのはやめました。


将来的にマスになるニッチ市場を見つけても油断してはダメです。成長市場だと分かれば、大手がすぐに参入してくるからです。それを防ぐ作法としては、体力がつくまで「目立たない」というのが一番です。あとは、諦めること。勝てるところだけに集中して、それ以外は潔く諦めるのです。


競合からは当社の取引先に圧力をかけるような露骨な嫌がらせを受けました。ただ、その時には既に当社にも十分な体力がついていました。そのため、大手が値下げで対抗した時に、赤字になってしまう水準まで一気に値下げして、他社が音を上げるのを待つ、というような戦い方もできたのです。


資本力がある大手が本気で参入してくれば、ベンチャー企業が勝てるわけがない。社員数を見ても、我が社が数人の時に競合は1万人くらいいましたので、十分に戦える競争力がつくまでは、なるべく目立たないようにしていました。


証券会社の買収では痛い目を見ましたが、そこから学んだもうひとつの重要なことが、自分の知らない業界については専門家に任せるということです。金融は旅行業と違ってルールがとても厳格。しかも、自分たちがお客さんのためと思ってやっても、お客さんが損してしまうこともある。こうした違いから、金融は自分でやるのは難しいと思いました。そこで、モンゴルのハーン銀行の再建では、世界中から銀行経営のプロを招いてすべてを任せました。私は会長として、長期的な目標などビジョンやポリシーを示すだけです。その結果、買収後2年で軌道に乗せることができました。


夏の暑い時期の集客のために、プールを開設しました。プールを常設にすると、何億円もの投資が必要となりますが、それでいて2カ月しか稼働しません。そこで、アメリカで仮設のプールを探してきました。これを使えば、投資は数千万円程度で済みます。これで夏場もお客さんがぱっと増えました。


過剰投資が収益悪化の一因だったこともあり、ハウステンボスは大規模な設備投資は控えてきました。ただ、それでも工夫をすればいくらでも集客に結び付けられます。


イベントを毎年進化させていかなければ、「今年も行ってみよう」とお客さんに思ってもらうことはできません。


ハウステンボスには東京ディズニーランドやUSJのような資金はどこにもない。まともに勝負しても、機関銃やロケットに竹槍と火縄銃で対抗するようなものです。勝てる分野を絞り込まないといけません。イベントについては、「オンリーワン」「ナンバーワン」だけを目指すと決めました。


緊急事態で、しかも外部の人間だからこそ、しがらみにとらわれることなく、取引先についても見直すことができるんです。


なぜ難しい再生案件ばかり手掛けるのかとよく聞かれます。これについては、みんなが買収したいような案件は値段が高く、そもそもHISには持ち込まれない、というのがひとつ目の理由です。ふたつ目の理由は、「誰もできないからこそ挑戦してみたいと思うし、再生できた時の喜びも大きい」ということです。


数字を見れば企業が抱えている問題の7割は分かります。もちろん、残りの3割は数字だけでは分からないので、現地にも行きます。


HS証券の失敗から、私は企業買収を成功させるために必要なことをいくつも学びました。その中でも、特に重要なのは買収契約を結ぶ前に、相手先を徹底的に調査するということでしょう。ハウステンボス買収ではこの時の経験が生きました。


事業の立ち上げが早すぎると苦労しますが、一方で需要が顕在化すると大手が参入してくるので、競争が途端に厳しくなります。これまでの経験では、需要が大きくなる3~5年前に参入するのがベストだと感じています。


目にした変化が何を意味するのか、事業で得る情報から何を読み解くのか。大きな流れを感じ取るためには、いったん俯瞰して複数の情報を組み合わせてみることが必要です。


思考の枠を外すために有効な手段は、数字を見ることです。数字はウソをつかないので、余計な「常識」が入り込む隙がありません。


思考の枠を外すにはまず、世の中にはいろいろな考え方の人がいるということと、自分には物事の一面しか見えていないということを絶えず認識する必要があります。そのうえで、同じ物事をどういう角度で見ているのか、他の人の意見を聞くことで思考の枠が外れていく。


人間は知らないうちに自分の思考に枠をはめてしまうので、視線も興味があるものにしか行きません。その枠を外さなくては、新しいものは見えてきません。


学生時代、日本を離れたことで、それまで当たり前だと思っていたことが海外ではいかに異常かということも分かりました。日本の航空券が高すぎると感じたのも、格安の航空券を海外で実際に利用していたからです。格安航空券の販売やLCC(格安航空会社)設立などは、こうした海外の先進事例を日本に持ち込んだ形です。


人口減少や少子高齢化で日本経済は先細りだとよく言われます。しかし、工夫次第でチャンスはいくらでも広がっています。それを生かさないなんてもったいない。


中途採用する際、特に前職の職種などは限定していません。一番重視するのは人間性で、次が健康であること。能力は3番目、最後です。能力なんて、それぞれ違ったものがあって、元気があって努力すれば何かしら会社に貢献してくれると考えているからです。


ベンチャー時代とは違い、大企業になるにつれ、どうしても安定志向の社員が増えてきます。そこで、HISでは、チャレンジ精神が旺盛で、個性が強い「尖った」人材を採用するための仕組みを作っています。色々な人を取り込むことで、刺激になり強い組織が出来上がります。


旅の途中で知り合ったアラブ系の友人は、少し仕事を残していても、必ず午後6時には切り上げていました。理由を聞くと、「全部片づけてしまっては、明日やることがなくなるかもしれない」と答える。日本人であれば逆に、明日の仕事を減らすために今日すべてを終わらせようとするでしょう。発想が全然違う。このように、物事というのは発想によって見え方が180度違ってくるということを、いろいろな地域の人と出会う中で実感しました。


事業を始めるためにはは大義名分が欠かせません。我々の場合は、「消費者のため」ということが錦の御旗でした。意味のないルールに縛られて、高い航空券しか買えない状況は、消費者にとって不利益以外の何物でもない。いくら常識外れでも、我々に理があればいずれルールは変わる――。そう信じて走り始めました。
【覚書き|スカイマークを立ち上げた当時を振り返っての発言】


うまくいかないことも当然ある。そういう時は、強行突破するのもひとつの手です。既存のルール内でうまくいかない時は、見切り発車で事業を始めるくらいの思い切りが必要です。


常識外れのことをビジネスにするわけですから、いろいろな場面で壁に当たります。時代の大きな流れとやろうとしていることの方向性があっていれば、LCC(格安航空会社)のケースのようにルールを変更することもできます。


資金力やブランド力が小さい状態から事業を立ち上げるには、他社に先駆けて参入することが不可欠。そのためには、人と違った見方で新しい需要を見つけなくてはなりません。


買収前、ハウステンボスは再建不能と言われていました。「どうせHISも無理だろう」と周囲は思っていたと思います。ところが、無事黒字化することができました。今では立派な稼ぎ頭です。


ハウステンボスでも取引先をすべて見直し、過去の癒着を排除しました。しがらみがある状態を続けていると企業の運が落ちますが、リーダーはそれを変えることができるのです。


チャレンジしている人が減っている日本の状況に危機感を抱いています。日本は豊かになり、あえて何かに挑戦しなくてもとりあえず食べていけるようになりました。言わば、ぬるま湯に浸かっている状態です。しかし、いずれは必ず茹で上がってしまう。それは企業においては倒産を意味します。


いまの若者は、海外に出る率が少し落ちるなど、保守的になっているという感じを受けます。やはり吸収が早い若いうちに世界を見ておくべきだと思います。視野も広がりますし、チャレンジ力も付いてくると思いますね。


カジノはエンターテインメントとの組み合わせが重要です。ラスベガスもカジノよりエンターテインメントの利益のほうが大きいくらいですから。その点でいうと、ハウステンポスは最有力です。ただ、やるなら相当に個性的なものをつくらないとダメ。中途半端なものをつくったら、マカオやシンガポール、フィリピンには勝てないでしょう


ハウステンボスはモナコと同じ大きさがあります。広さは経費を考えるとマイナスですが、マイナスは裏返すとプラスですから、大きな敷地を利用して、ほかではできないことをいろいろ試せばいい。


最初は石炭か石ころかというつもりで引き受けたので偉そうなことは言えないのですが、磨いてみたらダイヤモンドだった。引き受けてよかったです。
【覚え書き|ハウステンボス再建時を振り返っての発言】


お客様に何度も来ていただくためには、つねに新しいイベントをやっていく必要があります。しかも新しいだけでなく、ディズニーランドやUSJがやっていなくて、何度も見たくなるものでないといけない。


ハウステンボスを引き受ける前に5カ月かけて調査しました。数字はもちろん、現場に行っていろいろ調べていった結果、重病ですが、手術すればなんとか生き返ると判断しました。


社長に復帰したのは、自分で作ったビジネスモデルが古くなり、成長が鈍化してきたから。一つのビジネスモデルは長くて30年。新しく創造しなければならない時期が来ている。


若くて優秀な人材を育てるために、澤田経営道場をつくった。経営者になりたい人が立候補し、選考した上で学ばせている。そこで育った人に子会社社長をやってもらい、成果を出したら本社役員や社長を任せる。


創業者は「病気」みたいなものだから、完全にやめることはないだろう。一歩下がって、何かあったときには相談に乗る。だから創業経営者の後継者は苦労すると思う。ただ、創業者も体力と知力は落ちてくるので、若手に譲っていくべきだろう。


振り返ってみれば私がエイチ・アイ・エスを創業できたのは、4年半にわたって世界を放浪したからだ。その旅がなければ、格安航空券が日本に存在しないことに気づくことすらできなかったはずだ。私はいまでも月に一度は海外に出かける。この海外での見聞が、帰国してからの時間の密度を格段に高めてくれる。


ハウステンボスの「光の王国」は、仏・リヨンの光の祭典にヒントを得たものだ。光の祭典は01年から開催されているが、そこからアイデアを貰うことで、我々は10年の歳月を圧縮できたと言ってもいい。もしも冬場のイベントをゼロから自力で考えていたら、短期間での黒字化は難しかったかもしれない。このように海外の先行事例に学んで時間を圧縮することによって、成果を10倍にも100倍にもできる。


他者より常に一歩先んじて、成果にレバレッジをかけるには、わが国より5年、10年先行している成功事例を海外から探し出し、それを我がものとすればいい。そうすることで事業を発案し、財やサービスを開発するのにかかる5年、10年という歳月をぐっと圧縮することが可能になる。


情報の重要性を端的に示す例としては、私が再建に成功したモンゴルAG銀行(のちのハーン銀行)が好適だろう。実は、再建の打診を受けた2003年当時、破綻しかけているモンゴルの銀行などに興味を持つ人間はほとんどいなかった。しかし世界の情報の流れをつぶさに観察していれば、いずれモンゴルの豊富な地下資源に注目が集まり、モンゴルの経済が上向くことは自明だった。だから私は再建を引き受け、会長に就任した。予想通り、ハーン銀行は見事な復活を遂げて、いまやモンゴルナンバーワンの銀行となった。


どうすれば変化の早い時代のオセロゲームの勝者になれるのか。勝敗を分けるのは、情報と時間である。


グラハム・ベルが電話機を発明したのは1876年のことだが、一般に普及するには、それから数十年の歳月を要した。ところが携帯電話はどうだろうか。小型化が達成されると、あっという間に日本中に広まった。そしてスマートフォンが登場すると、これまたあっという間に二つ折りの携帯電話を駆逐してしまった。こうした時の流れの中では、変化に対応できない企業も人も瞬く間に脱落してしまう。


ロボットの使い方で効率化、合理化になります。全部ではなく8~9割をロボットにやらせて、1~2割の足りない部分を人間がやる。そうすると30人かかるところが6人ででき、非常に生産性が上がります。


大変は大変ですが、できない再建はほぼないと思います。地方であっても、どこであっても、やり方次第で変わるのではないかと思います。ハウステンボス再建は難しい山だったら登ってみたいという気持ちもありチャレンジしましたが、やってよかった。


日本全国、あるいは世界から来ていただくためには、オンリーワンかナンバーワンのものにしなければならないと考えました。オンリーワンだと他はやっていませんから、そこに集中して再生してきた感じです。


HISはここ2、3年成長が止まり始めている。我々の古いビジネスモデルがそろそろ通用しなくなっている。時代に合った、世界に通用する新たなビジネスモデルを構築し、2桁成長を目指そうと社内に言っています。


テーマパークの仕事は、お客さんに喜んでもらい、感動を与え、楽しんで頂く素晴らしい仕事です。世の中のためになっているのだから、自信を持って仕事して下さい。
【覚え書き|ハウステンボス再建時、スタッフへの最初のスピーチでの発言】


私はこれまで多くの会社を見てきました。発展している会社はオフィスや工場、レストランのキッチンが綺麗です。レストランが汚いところにお客さんは来ないし、汚い工場は発展していません。


すべてが一朝一夕にうまくいったわけではありません。速く動いてくれる社員もいれば、時間がかかる社員もいます。でも小さな一歩を積み重ねて、それを広げていくしかないでしょう。


いまのハウステンボスに点数をつけるとしたら、57.8点ですね。65点くらいなら合格で、70点になったら、もう私がいなくてもやっていけます。まだまだ改良することはあります。お客様に本当に満足いただくために、もっともっと改良していきますよ。


人間は自然から生まれて、自然に生かされていますから、その摂理を守らなければ必ず病気になりますし、会社だったら経営がおかしくなります。経営がうまくいかなくなるのは、理にかなっていないことをするからです。


スピード感のある動き、お客様本位の取り組み、スタッフをはじめ人を大切にするということ、自然の摂理を大事にするものの考え方。そういう遺伝子ができあがれば、私なんかいないほうがいい。私は、そういうものをここにつくるための代打みたいなもんです。


実は、いまは過渡期だと思っています。オランダの雰囲気とかチューリップとかで食べていけるなら、それでいいと思うんですよ。でも、結果はそれでは食べていけなかった。だから、オランダの雰囲気のよさは残しつつ、新しい方向を目指さなければならない。私はここを観光ビジネス都市にしたいと思っています。ハウステンボスには電柱・電線が一本もありませんし、エアコンの室外機も一つもありません。東洋一美しいこの街に新しいベンチャーが続々と集まってきて、どんどん育っていく、そういう観光とビジネスのメッカみたいな都市にしたいと思っているのです。


ハウステンボスは売上が2割増えて、経費が2割下がって、結果として黒字になったわけですから、それは従業員に還元します。なにせここ何年もボーナスを出せない会社でしたから、それではモチベーションも上がらないでしょう。去年の12月には、ボーナスとまではいかずとも一時金を出しましたし、今年の夏はもう少し多く出しました。自分たちでがんばったら、もらえるものも増えると分かれば、モチベーションは上がると思います。将来的には給料も上げたいと思っています。


ハウステンボスの再建時、私は現場をとにかく回りました。私にとってレジャー施設の経営は初めての仕事ですから、現場を回らないと何も分からない。だから店舗を回って、お客様の目線で、お客様だったらどう感じるかな、この置き方では見えないんじゃないかとか、ここはこうしたほうがお客様のためになるんじゃないかとか、気づいたことはどんどん言っていきました。そして改良させていきました。そうすると、だんだん反応が速くなってきたのは事実です。朝、指摘したら、午後には改善されているとか。あるいは翌日には改善されているとか。でも、私にしたら、まだ遅い。もっと速くできますね。


ハウステンボスの従業員の意識改革のため、競争原理を取り入れて、経営感覚を持たせるようにしました。各店舗で、自分たちの売上とか原価とか経費とか利益とか、そうした数字が分からない人が結構いたんです。それまでは全店舗ザックリひとつで、別にウチの店がよくても悪くてもあんまり関係ないだろうという意識があったと思います。ですから、店舗ごとにきちっと経費を下げて、売上を上げる。成果が出たら高く評価し、成果が出なければ厳しい評価をする。そういう競争原理をハウステンボスでは初めて取り入れたんじゃないでしょうか。一人ひとりがものを考え、経営を考えるようになって、ムダをなくそう、サービスを向上させようと考えるようになったら、もっともっとハウステンボスはよくなると思いますよ。


決断力も大事です。決断は、衆知を結集した上で、最後はカンで決める。カンというのは裏づけのある経験知です。人間、100%正解できるわけじゃありませんが、その確率は高めたい。そのためには衆知を結集することは欠かせません。普段から専門家に聞いたり、現場のスタッフに聞いたりという努力をします。最終的に決裁するときは自分のカンです。カンが一番速いですから。


人間ですから、誰でも失敗をするし問題もあります。慎重にやったほうが失敗の確率は減るかもしれませんが、多少失敗しても速く一歩を踏み出していれば、速く引き返せるし、うまくいけばさらに前に速く進めます。だから、スピード感というのは行動力だと思うんです。


ハウステンボス内へのベンチャー企業の誘致というのも新しい試みです。フリーゾーンで展開している「イングリッシュスクウェア」には、我々も少し出資していますが、基本はアイデアを出してくださったジャイロスコープという東京の会社が運営しています。経費をかけずにお客を増やす仕組みのひとつです。


ハウステンボスでは他社さんとの共同事業というスキームもつくりました。ディズニーさんはひとつのアトラクションにものすごいお金をかけられる。うちもそうできればいいのですが、残念ながらお金がない。そこでフジテレビさんとの共同事業で「スリラー・ファンタジー・ミュージアム」を開設したほか、シャープさんとは「5D MIRACLE TOUR」というアトラクションをつくりあげました。共同事業ですから、オープン後もお互いが努力してさらに内容がよくなっていくという効果も生まれました。


ハウステンボスは花の美しさが売りなのですが、その花も仕入れを全部見直しました。これによって花の仕入れ値が1億円ほど下がったのです。その他、すべての点で経費の見直しを細かく行いました。


ハウステンボスは悪い条件ばかりでしたけど、いろいろな方と交渉する中で、なんとかやれそうだということが見えてきたので、お引き受けすることにしたのです。そうして経営再建に入るまでに、様々な手を打って、後顧に憂いがなく前だけ向けるようにできましたから、スタートするときには勝てると思ってスタートしました。だから勝てるんです。始まる前に4割くらいは問題を解決してしまったといえるでしょうね。やっぱり事前の段取りは大切です。そうすれば、あとは一気呵成に進められますから。


ハウステンボス再建への具体的な経費削減策の指示やイベントの立案は社長就任後ですが、実はその前から結構手は打っていました。事前にちゃんと数字は全部見せてもらっています。そんな、やみくもに経営に乗り出すなんていうのは危険ですから。数字を見て、どこに問題があるのか、改良すべき点はどこか、アタリをつけて、実際に事前に現場にも来てチェックしました。そして、外部との交渉も事前にしました。一番大きいのは莫大な借金をどうするかですね。私は金融機関と交渉して、約60億円あった債務の8割を放棄してもらうことができました。残りの債務は出資金を使って、就任までのあいだに借金をゼロにしてしまいました。借金がゼロなら、少なくとも黒字を出していれば倒産はしませんからね。それに、無借金経営というのはエイチ・アイ・エス・グループの方針でもありますから。そのほか、佐世保市から固定資産税納付額に相当する再生支援交付金を10年間にわたっていただくことも事前に決めました。九州経済界からも、資金面だけでなくさまざまな協力をしていただける体制をつくりました。


利益は大切ですが、いかに世の中のためになるかが企業にとって一番大切だと思います。


真面目な努力に加え、意義も大切です。何のために会社はあるのか、社会的貢献など、考え方や目標がしっかりしていないと長続きしません。


ハウステンボスを運営していて「何でこんなに電気代が高いのか」と痛切に感じました。特に夏場は非常に高い。だったら自分で電力会社を設立して発電所を作ろうと考えた。電力を販売もするし自社の施設でも使う。来期には売上高100億円程度になる見込みで、次の事業の柱にしようと思います。


ロボットに業務を完全に任せるのは難しいので、8割の仕事をロボットにやらせて残り2割は人間がやります。それでも、人数あたりの生産性は5倍になります。変なホテルでは200機のロボットが働いて、人間とうまく分業しています。


ハウステンボスは、欧州の都市国家であるモナコ並みの面積があり、都市機能がここに全部そろっているのです。ハウステンボスで実験したことを新規事業につなげます。ロボットもここで実験してから、展開し始めました。近く東京・渋谷でロボットカフェの出店も計画しています。


例えばホテルのフロントで使うロボットは365日24時間働きますから耐久性が重要になります。格好いいロボットでなくともローテクでもよいのです。現場で使ってみると実用性があるかどうかすぐに分かります。ロボットの横に人が付き添っていないと使えないような製品ではダメなのです。


ラグーナ蒲郡の再建は、HISの中部営業本部長が手を挙げたので、彼が社長になってやっています。若手が育ったほうがいいですから。


ビジネスにはバランスも重要です。たとえば、すごくいい商品を開発したとしましょう。値段も適切だし、広告宣伝も完璧。でも、それを売る販売店の店員の数が足りていなければ、いくらお客様が来店されても対応しきれないということが起こります。すると業績はあがらない。あるいは、店舗には十分な人数の店員がいて、商品もいいし値段も適切だとしても、広告宣伝ができていないために、お客様が来てくれないということもあります。つまり、様々な要素のうち、「一番低いところに業績が合ってくる」ということです。だから、業績を引き下げる要素が出てこないように、バランスをとるべきなのです。


私は先日トルコに行きましたが、10年前に行ったとることは全然違っていました。中東一の大国になるだろうという感じがします。そういうことを肌で感じることが、感性を磨くことにつながっているのではないかと思います。


若い人には大きな視野で物事を見てもらいたい。インターネットで情報が集められる時代ですが、現地に行って初めて感じられる空気や感覚は、何にも代えられない貴重な体験となります。それがビジネスにも活きるでしょう。


社会状況の変化による影響を判断するには、勘に頼らざるを得ないところがあります。ただし、その勘が正しかったかどうかを検証するべきです。勘による判断と現実とがズレれば、自分の勘が間違っていたということです。そのときは、自分の考え方を修正する必要があります。これを繰り返していくことで、勘も磨かれていくのではないでしょうか。


ハウステンボスの再建で、私が真っ先にしたことは、商圏に合っていない規模の縮小です。ハウステンボスの敷地は広大で、東京ディズニーリゾートの1.6倍もの面積がありました。東京ディズニーリゾートには巨大な人口を抱える関東という商圏があり、しかも羽田空港や成田空港には国際線も多く就航しています。しかし、ハウステンボスには、巨大な商圏やアクセスの良さがない。論理的に考えて、それほど巨大なテーマパークは必要なかったのです。そこで、敷地の3分の1をフリーゾーン(無料開放区)にしました。これでコストが2割ほど削減できました。


「未来の数字」というのは、将来の業績を予測するための指標になる数字のことです。H.I.S.でいえば、航空券やホテルの予約数などがそれにあたります。ハウステンボスでも、周辺のホテルの予約率など、将来の業績を予測するための指標がいくつかあります。こういった指標を見ることで将来の業績が予測できるわけです。「過去の数字」とは違って、確定している数字ではありません。「このままだと、これから業績が下がるな」ということがわかれば、対策を打つことで、業績を下げないように、あるいは上げるようにできるわけです。


H.I.S.の支店長にも、その支店の様々な数字を見て、業績を上げていくためにどのような施策をしていくかを判断することが求められます。数字が読めないと、業績を伸ばしていくことはできないでしょう。


ビジネスでは数字を毎日見ることが大切です。数字は嘘をつきません。業績が上がったら上がった理由が、下がったら下がった理由が数字に表れます。もちろん、数字をつくっているのは人間ですから、間違えていることもありますし、ときには故意に操作することもあるかもしれません。でも、毎日数字を見ていれば、おかしなところは気がつくものです。


会社が大きくなってくると、バランスをとることが難しくなってきます。どこが問題のネックになっているのかを素早く見極めて、対応策を講じることが重要です。


ハウステンボスを先端技術の拠点にする企画を進めています。今、どんどんベンチャーを育てています。ハウステンボスの敷地は私有地なので、規制を受けずに実験ができる。今後はハウステンボスからいろんな技術が世界に出て行くでしょう。


現在ハウステンボスでいろいろな専門の病院を誘致しており、だいぶ育ってきました。いずれハウステンボスは医療観光の一大拠点になると思います。


僕は観光、雇用などで地方を元気にしていく方が面白いと思っています。東京が元気なのは一番大切だし、当たり前だと思うんです。だけど、地方も元気にしていかないと、格差が生まれてバランスが取れない。北海道から沖縄まで満遍なく発展させることが必要で、そのために観光業というのは非常にいい素材だと思いますね。


ハウステンボスにある一番グレードが高いホテルは、食事を含めて団体客を全部断りました。そうすると、いいお客さんが戻り始めて、高い単価で宿泊プランが売れるようになる。その代わり、別のホテルで団体の宿泊や食事を受けています。


東京ディズニーランドと同じことをやっていてもお客さんは来てくれないので、違うマーケットを狙わないといけません。例えば、我々はシニアを取り込めます。100万本のバラを手入れして、客が減るゴールデンウィーク後の目玉にしました。ほかにも、秋にはガーデニングのワールドカップを開き、冬には1000万本という、日本一の規模のイルミネーションを飾っています。


時代の変化というのは激しいですから、30年前に会社を立ち上げた時と今は全然違います。システムも違うし、まさに旅行の形態もどんどん変わった。だから僕は社長を辞めたんです。社内の若い人にそういうことをきちっと研究してもらっていますが、時代に合わなくなった時は、HISの旅行部門は落ちていくと思います。


海外事業はあまり急速に発展させると、サービスの質が落ちてしまいますから、人の養成が一番の課題です。


運気をあげるには正々堂堂と成長している企業、人間性が良くて、明るくて成功している人などとお付き合いすることです。運が悪い人ばかりが集まると不満ばかりが集まってきます。気のいい人は運気を呼び込むと思いますよ。それと気を読むことですね。いい時もあれば悪い時もあります。だけどできる限り運気を読み大切にすることだと思います。


成功に必要なものはやはり努力と継続力、それと好きなことを楽しんでやること、おごらない、投資しすぎない、やりすぎないというバランス感覚。それと人間、運だと思うんですよ。運を大切にすることですね。


10年か15年の節目で、また多くの企業が消えて行きます。なぜかと言いますと、その頃の経営者は年齢が40代の経営者が多く、40代と言えばパワーもあり、10年間会社を成長させてきた自信もあります。そのパワーと自信でやりすぎてしまうんですね。思い切った設備投資や、本業以外の新規事業を始めてしまう。私もそれで反省がありまして、経験もないのにオーストラリアにホテルをつくりました。今から考えると当時の会社の規模で始める事業としては無謀でした。幹部が私を抑えてくれましたし、たまたま運もあったので乗り切れましたが、だいたいの企業はここで消えて行きます。


いつも私が言っていることは、「継続は力なり」です。いかに努力を継続できるか。ベンチャー企業は、創業3年以内に消えるか潰れるかすることが多いのです。資金的に継続できないか、精神的に継続できないか、人材の問題か、理由はさまざまだと思いますが、会社を継続できなくなってしまう。石の上にも3年と言いますが、私の考えでは、3年会社がもてば、この事業でやっていけるのかが見えて来ます。


世界中を見てみると、冬でも多くの人を集めているイベントはたくさんある。フランスのリヨンでは、4日間で400万人もの人が集まるライトアップイベントがあると知り、早速現地へ見に行きました。そして我々もこの企画にチャレンジしようと決めました。


会社が生活のすべてだと、会社の中のことしかわからず、外で起こったことには勘が働かない。でも、その範囲を広げていけば、さまざまなことに勘が働くようになります。皆さんも、いつもの行動範囲から一歩踏み出して、新しいことを見てみたいという好奇心を忘れないでください。


しばらくの間、足を鎖につながれていた象は、鎖を外しても、今までの行動範囲より外へは出ようとしないそうです。動物は一定の動きが習慣化すると、「自分はこれしかできない」と思い込むようになる。いったん身についた習性や固定観念は、なかなか変えられないということです。だから、毎日会社と家を往復するだけでなく、その枠の外へ出て、経験値を高め、視野を広げてほしい。


トライ&エラーを繰り返すうちに、「感動できるもの」「日本一・世界一のもの」「オンリーワンのもの」が、お客様に来ていただける条件だとわかってきました。何度失敗しても諦めず、努力した先にパッとひらめいた勘が、新しい発明や創造につながったのです。


私たちもハウステンボスでは、随分失敗をしました。最初は価格を下げればお客様が増えるだろうと考え、入場料を安くしました。ところが、値下げをしても客数は増えない。思い切って夕方以降は無料にしてみましたが、それでも増えませんでした。この試みは大失敗だったわけですが、そこで失敗の理由を考えた。航空券やツアーは安くすれば喜ばれるけれど、テーマパークではそうではない。では、本当にお客様に喜んでいただけるものは何だろうか。そう考えながら、失敗を糧にさまざまな新しい挑戦をしました。


失敗しても「なぜダメだったのか?」を考え、改良を重ねていけばいい。それを繰り返すうちに、成功を導き出すための勘が磨かれていくはずです。


計算で読めるのは6割程度。つまり、勝算は6割ということです。残り4割は私の勘によるものでしかありません。それまでの経営者たちも、成功するつもりでチャレンジしたはずですが、失敗に終わったということは、計算ではわからない何かが潜んでいる可能性がある。でも、そこは実際に動いてみないとわからないのだから、やってみるしかない。わからないことがあるから面白いんですよ。4割の勘の部分こそが、ビジネスの醍醐味ではないでしょうか。


本を読んで知識を得ることも大切です。しかし、知識は頭で覚えただけ。その知識を使い、実際に経験することで、今度は見識が得られます。さらに、見識を積み重ねると「胆識」が得られます。これは、頭で考えなくても瞬時に出て来るもの、つまり身体で覚えている答えのようなものです。


一定の場所にずっと留まらず、行動することが大事だと思います。実際に動いてみて、視点を変えて、いろいろな風景を見ることで、感性が磨かれる。それが勘を磨くことにもつながるはずです。


日本では新聞の一面で大きく取り上げられるようなニュースも、イギリスではほとんど報道されていない、ということはよくあります。つまり、日本から見る風景と、イギリスから見る風景は大きく異なるということです。私は今、ハウステンボスの事業のために、東京と長崎を行き来する生活を送っていますが、東京と長崎でさえも見える風景は全然違う。面白いことに、東京から発信される情報は長崎にも入って来ることが多いのですが、長崎から発信される情報が東京に入ってくることは少ない。長崎に滞在していると、地元の情報がどんどん入ってくるのに、東京に戻ってみると、「こんな重要な情報を、どうして東京の人は知らないの?」と驚くことがよくあります。


私は、1979年に革命が起こる直前のイランを旅したことがあります。現地に入って感じたのは、街の無秩序さでした。私が乗ろうとした長距離バスが、住民たちに破壊され、結局出発できなかったという出来事も体験しました。そんな現実を目の当たりにした1カ月後に、イラン革命が起きた。つまり、街の風景の中に、すでにその前触れがあったわけです。各地でそんな経験を重ねるうちに、その国が今後発展していくのか、それとも混乱や停滞に陥るのかが予想できるようになっていきました。実際に現場へ行き、自分の肌で感じたことと、その後に起こった現実を照らし合わせるうちに、「過去に見聞きしたことが、どんな結果をもたらしたか」という時間軸で物事を捉える習慣がついた。その経験値が蓄積されて、「現在見聞きしているものが、将来こうなるのではないか」と見通す勘が養われたのだと思います。


もし私に、先を読む勘のようなものがあるとしたら、それは世界中を旅した経験があるからだと思います。私は若い頃にドイツに留学し、その間に50カ国以上を旅しました。そのうちに、訪れた国がこれからどうなるか、何となくわかるようになってきたのです。


勘とは何かというと、「これまで積み重ねた経験値から生まれるもの」というのが私の考えです。たとえば、ゴルフの本を100冊読んでも、すぐにシングルになれるわけではない。自分の身体を実際に動かし、ボールを何度も打って、成功や失敗の経験が蓄積されていって、ある瞬間にコツが掴めるようになる。勘も同じだと思います。多くのことを見聞きしたり、多様な環境に身を置いたり。そうした経験が蓄積した結果、勘が働くようになるのでしょう。


ビジネスにおいて、勘は非常に重要です。数字やデータを見れば、今後の見通しはある程度計算できますが、どうしてもわからない部分が必ず残る。計算できない部分についてどうやって判断を下すかというと、やはり勘が必要になります。


何を言っても、結果が出ないことにはやる気も元気も出てきません。とにかく黒字にして、利益を出して、ボーナスを出して、利益で環境を少しでもよくして、園内をキレイにしていく。結果が出れば社員にも、「社長の言っていることがひょっとしたら正しいんじゃないか」と思い始めてもらえます。ボーナスをもらえば、実感もわいてくるでしょう。だからまずは結果を出すしかないと思いました。


能力というのは、やる気があって努力を続けていれば、必ず上がってきます。一方、物の見方や考え方は容易に変わりません。だから私たちに近い見方や考え方をする、価値観が同じ人たちを採用するようにしています。また、いい仕事をするには健康も大切な要素ですから、元気な人を採用します。


小さな器では、小魚しか入れません。一方で海は、サメもクジラも小魚もプランクトンも、すべてを受け入れています。企業も同じように、優秀な人もそうでない人も、ときに手を抜く人も、みんな受け入れてこそ大きくなることができる。


創業以来18年間ずっと赤字だった長崎県のハウステンボスの経営を引き受けましたが、そのとき社員のクビは一人として切りませんでした。やる気のない経営幹部を交代させただけです。みんなが一丸となって危機を乗り切ることが大切だと考えたからです。仕事ができないからと社員を辞めさせていたら、会社は小さくまとまってしまいます。企業を大きく成長させようと思ったら、社員をみんな引き受ける覚悟が必要なのではないでしょうか。


エイチ・アイ・エスは旅行会社のため、世界各地に支店があり、現地スタッフも多数います。どこの国にもその国固有の文化がありますので、その土地、その土地の習慣や考え方を尊重するのは当然のことです。ですから、文化や商習慣に応じてビジネスのやり方を変えるのは構いません。方法は各支店に任せています。しかし、企業理念や行動憲章といったものは世界共通です。物の見方や考え方、行動様式など、同じ価値観で、同じ方向に向かって進むことが企業として大切だからです。


褒めたほうが伸びる人もいれば、叱ったほうが伸びる人もいます。収入が増えることを喜ぶ人もいれば、仕事の内容や質が高まることを喜ぶ人もいます。私が右を向けと言っても、一割くらいの人は右を向かない。それが人というものではないでしょうか。


私も人間ですから、判断ミスをすることも失敗もあります。私のやり方がすべて正しいわけではありません。20年前には正しかったやり方も、今は正しくないということも結構あります。一つのやり方にとらわれず、時代に合わせて創造・変化・発展させていってほしい。


海外には現在、200以上の店舗があります。理念やポリシーについては、現地の言葉に翻訳して伝えていますが、唱和するという点は日本と変わりません。考え方の基本、つまり理念の重要性は全世界どこでも同じ。


企業理念が必要だと感じ始めたのは、創業から2~3年が過ぎたあたりからですね。社員が倍々に増え始めたのはいいのですが、ベンチャー企業でしたから、社員のほとんどは中途採用で、しかも若手です。だから、ものの考え方や理念をきちんと示しておかないと、会社が発展しないと思いました。


私は様々な分野に手を出しすぎて反省しています。全く違うビジネスに挑戦すると、勉強しなくてはならず、大変ですから。それでも、まだ新しいことにチャレンジしようと考えています。


長い人生、失敗もあれば落ち込むこともある。そういう時は、嘘でもいいから明るく元気に振る舞うことが大切。状況が悪い時ほど明るくいれば、案外早く立ち直れる。


経営する上で便利なのは、代打を立てられるところ。人生において自分で経験できることは限られますから。モンゴルのハーン銀行を再建した際には、優秀な人材、その道のプロに任せました。


「旅行とエンターテイメントはともに平和産業で、「楽しむもの」「喜ぶもの」「感動するもの」という点で共通している。自分が楽しいと思えるコンテンツを提供して人を喜ばせる、これが私のモチベーションになる。


地方活性化は国の施策に頼っていても成し遂げることはできない。地域の情報に精通した地元の人々が協力し合うからこそ、独自性のあるアイデアが生まれ、人々を引き付けることができる。


アカデミー賞を取った映画ですら、10回観に行く人はほとんどいません。いくら面白くても、長くやればやるほど飽きられてしまうものです。流行は早ければ3年、長くても5年で終わります。だからこそ常に新しいコンテンッを提供し続けることが重要。


5年先、10年先のきちんとしたビジョンを持つことで、その方法を探すようになり、いずれはそれを達成する方法が分かるようになる。そしていつか必ず、目標に到達できる。そのことを忘れないでほしい。


どんな時でも、夢、目標、ビジョンを持つべき。先行きが暗くて、前が見えない。問題や失敗がある。「大変なこと」は、世の中にはたくさんある。しかし、「大変だ」と言ってばかりいても仕方がない。明るく考えるようにしてください。


「自分は不運だ」と考える前に「自分で変えられる運」を良くすることが大切。少しでも良いことをして、いい人とつき合う。明るく頑張っていると、自分の能力が引き出されたり、新しい可能性に出合えたりする。


日本の経営者の中には、経営に未熟な人が少なくない。会社員として優秀でも、いざ経営者となると、力を発揮できない人が多い。それは経営の経験値が少ないからです。知っていれば成功できたのに、知らないから失敗する。


大事なのは「成功するまで諦めない」こと。失敗は次の新しいことを教えてくれるだけのもので、成功への勉強だと思えばいい。「必ず成功させる」という強い気持ちが大切。


失敗とは、「ああ、失敗した」と諦めた瞬間から、失敗になるのです。失敗したら、「なぜ失敗したか」考えて、もう一度チャレンジする。でも、また失敗することはありますよね。ここで諦めたら、失敗のままです。もう一度頑張って新しいことを考えて、チャレンジする。そこで成功すれば、過去の失敗はすべて消える。


その時代の最先端の技術を導入して効率化し、生産性を高めていく。その結果、経費が1~2割下がれば、利益はその分上向く。大抵の不振企業は経費面にムダな部分が多く、生産性が悪い。だから、競争に負けていく。いくら働いても使う方が多ければ、赤字になるのは当たり前。


「企業は人なり」ですから、大事なことは人が元気を出すことです。元気があればやる気が出る。すると、物事を考え、努力するようになります。


私は、世界が驚くようなものを作りたいのです。3~4割はまだ夢の段階ですが、実現の可能性は十分あります。私は事業家ですから、問題点があったり、失敗を経験したりしても、いずれは利益を出せる事業にする。それが、私の仕事なのです。決して夢だけでは終わらせません。


調べると、ホテルの一番のコストは人件費、光熱費であることが分かった。世界一生産性の高いホテルを作ろうと考えた時に、この人件費と光熱費をどう削減させるか。それにはロボットや自動化されたシステムが必要なのではないか。そう考えたのです。最初からロボットホテルありきだったわけではありません。しかしロボットホテルを作ったことで世界から注目されるようになり、集客を後押しする結果になりました。


人はすぐには変わりません。企業には文化があり、それは何十年もかけて形成されたもので、いわば習慣です。それを変えるにはやはり、結果を出すしかありません。


再建を始めた当時のハウステンボスは、夏場は好調でしたが、冬になるとお客様が激減し、夏の収益を食いつぶしていました。、私はこの冬の集客の改善にこそ、真っ先に取り組むべきだと考えました。そこで考えたのが、「世界一のイルミネーション」です。冬場は暗くてさびしい気分になるのなら、明るく照らして温かい気持ちになってもらおうと、冬場にイルミネーションイベント「光の王国」を開催。これは毎年恒例の人気イベントになり、今では夏場より冬の入場者が多いほどです。一番伸び悩んでいるところをリカバーすれば、立ち直りも早いのです。


よく「企業は強みを伸ばすべき」と言われます。もちろんそれも大事ですが、日本の企業の多くは、「低い(弱い)ところを改善する」ことを忘れがちに思います。両方同時に進めるべきなのです。


いくら商品が良くても、営業や宣伝が弱ければ売れません。逆にいくら一生懸命売っても、商品が悪ければ買う人はいない。営業力が弱いなら営業力を、商品力が弱いなら商品開発力をまず改善すべきなのです。


ハウステンボスの再建に乗り出す前、市長から10年間の固定資産税の免除を取りつけ、債権者と債務放棄の交渉をし、3年手がけて改善しなければ撤退するという条件も飲んでもらいました。このような条件を整え、本社に致命的損失は与えないという判断のもとでの挑戦だったのです。


一貫して伸び続けられているのは、「お客様目線を大切にすること」「新しいことを行ない、差別化すること」を念頭に、チャレンジを続けてきたことに尽きると思います。


H.I.S.は創業以来、おかげさまで業績を伸ばし続けています。ただ、決して一直線で伸び続けてきたわけではありません。急成長しては踊り場を迎え、そしてまた成長していく、その繰り返しでした。


私は経営道場を作り、まず基本的な勉強をさせた上、有望な人材にはグループ企業で経営を実践させてみる。その中から本当に優秀な方が出てくると考えています。


二度同じ失敗をするのはいただけませんが、一度目の失敗から新しいことを学び取り、次の成功に繋げる。これまで経てきた危機は全てチャンスになったと自信を持って言えます。


春休み、夏休みやゴールデンウイークは、ファミリーやヤングの集客が強い。しかし学校が始まれば、土日以外にはなかなか来場できませんから、集客が極端に下がります。そこで我々が考えたのがアフターゴールデンウイークを意識した100万本のバラなのです。この時期にファミリーは減少しますが、逆にシニアにたくさん来場して頂けるようになりました。ゴールデンウイークまでしか稼げなかったものが、この施策を実施したことで二毛作が可能になりました。


再生案件を引き受けるとき、我々は数字だけのデューデリジェンス(資産査定)はやりません。重要なのは現場力の調査です。問題はどこにあったのか、中身を吟味することから始めました。調査には最低でも5カ月はかけましたね。


当社の歴史は、新しい試みの繰り返し。現在も、いろいろな業種でビジネスチャンスが続々生まれています。今後も新規事業への参入を積極的に考えていきます。


風景だけで人を集められるのならば、誰も苦労しない。「きれいな街並みだったね」と一度は来てもらえる。しかし、二度目はない。素晴らしい景色は、一度見れば十分。


ディズニーランドさんと競争しようとしても、資本力、イベント力、サービスやクオリティなど、どれを取っても敵わない。だから、我々はディズニーさんがやれないことをやる。


赤字の会社というのは生産性が悪い。生産性が悪いということは無駄があるということ。つまり経費を下げる余地がある。そして商品だったらいかに売り上げを伸ばすか、ハウステンボスだったらいかに入場者を増やすかを真剣に考える。売り上げを2割伸ばし、コストを2割下げたら、たいがい黒字になります。それを事前に頭の中で描くことができればうまくいく。つまり引き受ける前に勝負の7割は決まる。


最初は取りあえず食べていこう、次に会社を伸ばそうという考えだけでした。でも会社が成長するにつれ、社員から何のために働いているのか分からない、ただ忙しいだけじゃないかという不満が出てくる。そこでポリシーをつくりました。これがHISの背骨です。そういうものがないと、会社がどこに向かっているのか、何のために会社が大きくなるのか見えなくなってしまいます。


ビジネスモデルを変える。あるいは今までの資産を捨てるとなった場合、創業者でありオーナー経営者であることが有利に働きます。すべてのことを把握しているため決断のスピードも速いし危機感も強い。だからこそ思い切った手が打てる。捨てる決断もできる。捨てる決断をすれば、一時的には大きな打撃を受けますが、他の部門が育ちます。未来を見据えればどちらが正しいかは言うまでもありません。


若い頃は「60歳を過ぎたら新しい発想が湧かなくなる。自分は老害にはなるまい」なんて思っていました。確かに体力は落ちたかもしれませんが、失敗の分だけ学んできましたから、経営者としての能力は落ちていない。「生涯ベンチャー経営者」という病にかかっているんでしょうね。10年後も、きっとそれは治っていないと思うなあ(笑)。


世界で活躍できるような旅行会社に変革。エネルギーや世界一生産性の高い植物工場で世の中に貢献したい。世界の戦争の要因は食料不足かエネルギー不足ですから、それを潤沢に提供し、平和産業である旅行を楽しんでいただきたい。それを助けるのがロボットということで、ロボットに作業を任せて余暇ができたら、ぜひうちで旅行をと考えています。全部繋がっているんです。


「失敗を放置しない」のは、私の信念です。私はこれまで数多く失敗してきました。例えば1999年にエイチ・エス証券を創業した際は、ネット取引システムのトラブルで営業停止処分を受けました。この時も、なぜ失敗したかを考えた。結論の1つは、金融に関する知識が乏しかったこと。そこで、赤字だったモンゴルのハーン銀行の経営を引き継いだ時には、金融のプロに頭取を任せ、自分は一歩引いた立場を取ったところ、再建できました。失敗から学んで次に生かす。こうすれば、負け癖がつくことはありません。


最初の失敗は、入場料を下げたことです。HISは格安販売が得意なので、その考え方を導入しました。しかし安くしても、お客様は来なかった。この失敗を放置したら負けにつながりますが、「なぜ安くしてもダメだったか」考えた。すると、「いくら安くても、目新しい面白さがない施設には来ない」ことが分かりました。


私の母の怒り方には特徴がありました。私が何か悪さをしたとき、私自身がそのことを反省していれば、母は何も言わないのですが、私に悪さをしたという自覚がなく、何とも思っていなかったときは、こっぴどく怒られました。母に怒られた記憶は、そんな光景しかありません。


できる、できないは置いておいて、高い目標は必要です。富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。エベレストを目標にして、そのための訓練や準備をすれば、いつかは登頂できるかもしれません。売上高を1兆円にすることは現在の延長では無理ですから、どうすれば目標が達成できるか社員全員が考えるようになります。


私は、若い人には吸収力のあるうちに、海外に行き様々なものを見聞してほしいと思っています。豊かな国も貧しい国も経験し、視野を広げるのは非常に大切なことです。自分の目と体で、世界にはいろいろな考え方や生き方があることを体験するために、どんどん海外に出て欲しい。


おそらく、実験を通して問題点がいっぱい出てくると思います。でも、実用で使ってみないと、何を改良すべきか見えてきません。研究段階ではよくても、いざ実用に振り向けてみると、使えない機能や技術がたくさんありますよね。だから、開発を担当している企業さんには、どんどん実証実験してくださいと言っています。


私が最も怖いと思っているのは、時代に合わせようとするあまり、基本を考えずに利益の追求に走ってしまうことです。企業にとって利益はもちろん大切ですし、会社を大きくしていくことも大切です。でも、世のため社会のためという基本から外れて規模や利益を追い求めると、利益のためなら不正やごまかしをしてもいい、という気持ちが生まれます。これでは本末転倒です。


朝、全社で理念とポリシーを唱和しています。今日は「自然の摂理を大事にすべし」、明日は「礼節、謙譲を大切にすべし」というように、一日に一つずつ唱和し、全部言い終わったらまた頭から繰り返す、ということをやっています。こうしたものは、一回聞いたくらいでは覚えられません、その時には真剣に聞いていても、一カ月もすればみんな忘れてしまいますから(笑)。でも、毎日の唱和を一年、二年と続けているうち、自然と体の中に入ってきます。


社員が300人を超える切から、一人ひとりの顔と名前が一致しなくなりました。これはよくないと思い、総務や人事などの部門をきちんと整備し、組織として機能するようにした。でも、どんなに組織化を進めようとも、一番大切なのはやはり「理念」「ポリシー」といった経営哲学なのだと思いました。これをしっかりと確立した後に、将来上場しようとか、海外に店舗を展開しようという「ビジョン」、つまり目標を打ち立てた。そして社員には、理念とビジョンの2つをしっかり理解してもらおうと考えました。


創業当初、お客は1週間に1~2人くらいしかおらず、半年間は暇でしたから、近くのパチンコ店に置いてあった徳川家康の伝記や三国志を読み漁りました。それが戦略、マーケティング、歴史の勉強になった。マイナスの状況でも、やり方によってはプラスになります。事業を止めようと考えた時も、本に「石の上にも3年」と書いてあったのを思い出しました。


一回目の失敗で「なぜ失敗したのだろうか」と考え、もう一回チャレンジする。また失敗して、原因を考え直し、もう一回チャレンジする。3回目に成功すれば、最初の2つの失敗は帳消しになる。そして、「成功した」と周りも評価してくれる。失敗したまま止めてしまうから、「失敗」になってしまう。


エイチ・アイ・エスを世界有数の旅行会社にしたい。後は世界の平和に貢献できるようなエネルギー、植物工場を作る。戦争の原因は石油の取り合いなどエネルギー問題と食料問題ですから。また将来のテクノロジーに貢献できるロボット事業も展開していきたい。そして我々旅行業は平和産業ですから、皆さんに楽しんで、喜んでいただく事業を広げていきたいですね。


エイチ・アイ・エスグループが何の会社か、5年したら変わります。今、発電所を作っていますが、電力会社になるかもしれません(笑)。「変なホテル」3号棟で実験しようとしている太陽光と蓄電池を使えば、1~2年で減価償却が終わる。つまり3年目から電気代が無料になる。リチウム電池は価格が高く、大きなモノを作ると熱を持ったりする。一方、我々が作る植物電池は性能も良く、蓄電能力も10倍です。太陽光でこれまでの4分の1くらいの値段で電気を作り、各家に導入すれば、大型発電所は要らなくなる。自分の家の自然エネルギーでまかなえますから。それをいよいよ3号棟で実験して、良ければこれを世界に売っていこうと考えています。


エイチ・アイ・エスはこの3~4年伸び悩んでいましたので、社長に復帰してまず、実施したのは赤字部門の撤退です。例えばリムジンサービスの部門を撤退。またスマ宿という宿泊予約サイトは、楽天やエクスペディアに勝てないなら止めてしまえと撤退しました。おかげで1年間で経費を約25億円削減できました。将来性のある事業は赤字でも残しますが、勝てない事業部や子会社はスパッと切りました。


長年にわたる株式投資の経験で得た私の持論の一つが、「株価は経済の先行指標」です。おおよそ3~9か月先の経済が見通せます。先行き景気が悪くなるときや、企業収益が悪化するときは株価は下がり、逆に経済見通しが明るいときや、企業収益が増える見込みだと株価は上がります。


読書は経営する上で勉強になりました。『徳川家康』には武田信玄や豊臣秀吉などいろんな人物が登場するわけですね。一番勉強になったのは「継続は力なり」ということですかね。徳川家康は非常に粘り強くて、継続力があるんですね。僕は3か月で辞めようかと思いましたけど、『徳川家康』を読んでいると、最低でも石の上にも3年、桃栗三年柿八年はやらなくちゃと書いてありましたから。


「分かりやすい根拠」を示して、改善を促しています。「これを変えて」と上から指示しても、「根拠もなく言っている」と不満が募り、士気が下がって負け癖につながるんです。具体的には、サービスやイベントについてお客様からアンケートを取り、それを点数化。その点数をもとにサービスの改善や廃止を決めています。5点満点中、4.5点以上は「文句なしにいい」、3.5未満は「そのイベントを廃止する」と、明確な基準を設けています。お客様の声を点数として可視化しているわけですから、イベントやサービスの改善・廃止が決まっても、誰も文句を言いません。推進力をもって変革できるのです。


ハウステンボスの再建をはじめたとき、社員たちは元気がなかったですね。社内の雰囲気もとても暗かった。18年間ずっと赤字ということは、「ボーナスが出ない」「給料も上がらない」「優秀な人材も去っている」ということ。社長が9回も代わっていますし、「頑張っても黒字にならない」という諦めが蔓延していた。明るくなれるわけがなく、負け癖がついている状態でした。私が意識したのは、とにかく分かりやすく、すぐに実行できる「働き方の改革案」を提示し、現場の雰囲気を変えること。難しい話をしても、簡単には伝わりません。今すぐ誰でもできることで結果を出し、負け癖体質を少しずつ変えようと考えました。具体的に求めたのは3つの働き方です。「出勤後15分の掃除」「嘘でもいいから明るく振る舞う」「早く歩く」。この3つを実践すれば黒字になると訴えました。最初は皆、狐につままれたような顔でしたよ(笑)。でも「騙されたと思ってやってみなさい」と。


時代を先取りするシステムを作り上げていくことと、そのための人材を確保することは最も重要になっていきますね。店舗を持ち、何千人ものスタッフが商品を販売する時代は半分以上終わっています。今や、スマートフォンからお得な価格、ツアー情報など最新の情報を誰でも簡単に入手できます。そして、そこから予約が入ってきます。ですから、このようなシステムを持っていない会社は勝てないと思います。


黒字化の基本はコスト削減と売上高の向上、つまりいかにお客を増やすかです。カギとなるのはイベントです。競合の東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンにないオンリーワン、ナンバーワンのイベントをどんどん仕掛ける。そうしないとわざわざ佐世保まで来てもらえない。集客にかなり苦労はしましたが、新規事業を生みだす意味でもハウステンボスを手に入れてよかった。広大な私有地ですから、電気動車やドローンなど自由に試すことができます。スタッフは園内をセグウェイで走っています。


澤田秀雄の経歴・略歴

澤田秀雄、さわだ・ひでお。旅行会社HISの創業者。高校卒業後、ドイツのマインツ大学に留学し、ヨーロッパを旅してまわる。帰国後、HISの前身であるインターナショナル・ツアーズを創業し、格安航空券を個人に販売し大成功を収める。その後、航空会社スカイマークエアラインズを設立や、ハウステンボスの経営再建に成功するなど、同社を総合旅行企業へと成長させた経営者

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