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津曲孝の名言

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津曲孝のプロフィール

津曲孝、つまがり・たかし。日本のパティシエ、経営者。「ツマガリ」社長。宮崎県出身。ヒサモト洋菓子店、エーデルワイスなどを経てアンテノール社長。その後、ツマガリを創業。また、兵庫県洋菓子協会副会長、兵庫県洋菓子技術専門校校長を務めた。厚生労働省・現代の名工、西宮市民文化賞を受賞。黄綬褒章を受章。

津曲孝の名言 一覧

「徳」という字は、「ぎょうにんべん」に「十」と「四」と「心」ですから、お客様のために14種類の心を尽くしてやってきました。


私は菓子学校に行って学んだわけではないので、素材選びもすべて私の思いから始めたことです。思いが強いとお客様が見えてきます。そうして、お客様が喜ぶことをしていくうちに、売上げも伸びていきました。


シュークリームを50年間製造していますが、いまだに改良しています。改良を習慣化しています。その意味では、習慣が大切です。美味しいお菓子を作るのも改良の習慣化ですし、売上げもよい習慣で上がるのです。


私はお菓子を作ることによって、哲学を学びました。生き方、人間力、歴史観、過去と未来――、お菓子がみんな教えてくれました。


ただ、ひたすら美味しいお菓子を作って、お客様に喜んでいただきたいという思いだけです。


洋菓子とは関係のない仕事に就いていたのですが、人のご縁でお菓子屋さんに入れていただきました。毎日毎日、お菓子作りを一所懸命やっているうちに運が向いてくると言いますか、自分の意図とは関係なく、人に言われるがまま進んでいき、今に至っているという人生です。


言われたことを素直に一所懸命やっていると、人が喜んでくれるので、もっと喜んでもらいたいと頑張る。ですから、経営も、美味しいお菓子を作ってお客様に喜んでもらいたいという単純な思いだけです。


材料もピンからキリがあれば、ピンを使う。見えないところまで、「おもてなし」の心を忘れない。そういうことを毎日考え、進化させています。期待を裏切らないのではなく、期待を超える。そのためにも、今でも研究は欠かせません。


大きな会社も小さな会社も本質は同じだと思いますが、クオリティと価値観が大事だと思います。お客様が常に魅力を感じ続けてくれなければ、商品は売れなくなります。「昔と同じように作っています」では退化と同じ。毎日、改良していって、ようやく「昔と変わらないくらい美味しいね」と言われる。だから、日々改良が大切なんです。


美味しいお菓子は材料で決まります。いい材料を選ぶのは私の味覚次第になります。風光明媚で自然豊かな宮崎・串間で育ったので、海の幸、山の味、磯の香り、土の香り、草の香りが、私の味覚を育ててくれました。


起業は計画していたわけでもなく、突然のことでしたが、20数年間の経験がありましたし、社長をしていたので、モノを売ることに関しては自信がありました。行商でもモノは売れますから、自分の店で作って売ることはどうってことないなと。


ツマガリを始めたとき、それまで社長として50近い店舗を見ていたのに、独立して1店舗になったので、炎が燃えさかるようにパワーが集中して、その1店舗に全力投球しました。24時間を通り越して、翌日の朝9時頃まで働いていたこともありました。


最初の頃は、1日9万円の売上げでした。店が半地下なので、店の前に車が停まると店がどこにあるのか分からないので、まずは店の存在を知ってもらうことから始めました。でも、半年後には1日20万円の売上げになり、そこからは右肩上がりで年商が増えていきました。


お客様が来てさえくれれば、どんなサービスでもできます。でも、来ていただけなければ心尽くしもできない。ですから、箱や包装紙もイタリアやフランスのものにしましたし、素材にもこだわりました。


甲陽園は高級住宅地で、世界を股に掛けて仕事をしている方たちがたくさん住んでおられるので、美味しいお菓子を作ると反応が返ってきます。逆にいえば、いいものを作らないと買ってもらえないので、商売をするには厳しい場所ですが、そのお客様たちに育てられました。


ツマガリの売上げの90%が贈答用の焼き菓子です。贈答はギフトですから、贈られた方に喜ばれなくてはいけません。その意味でも、我々の責任は重大です。「これを贈ってください」と言われてお金を頂戴しているのに、届いた方に文句を言われるようなことがあってはいけません。贈り主が10の贈り物をしたら、受け取る側は20の贈り物として受け取れるようにしたい。「あの人(贈り主)は、やっぱりすごいわね」と言ってもらえるようにすることが、私たちの使命です。


酒好きな人・苦手な人、ナッツ系か好きな人、小麦のきいたお菓子が好きな人、バターのきいたお菓子が好きな人など、好みはいろいろなので、お店にはあらゆる商品を取り揃えています。


お菓子は人間模様と一緒です。「こいつは地味やけど食べたら個性を発揮する。ぐっとくる」もの、「こいつは派手やけどさらっとして、思った以上にあっさりした」ものとか。人間模様と同じ感覚で捉えながら、お菓子を作っていくのはとても面白いことです。ちなみに、創業時よりの理念は、「人間味」です。


拡大はしません。しかし、成長はします。成長というのは進化、改良。人間の身体でいえば新陳代謝です。ただ、拡大をすると、血管と同じで、血液が行き届かなかったり、どこかが滞ってくるのです。新陳代謝のためには、キレイないい血が毛細血管の隅々までいくことが大事です。


調理とは調和、つまりバランスですから、いい材料といい組み合わせが重要です。その意味では我々パティシエは仲人、コーディネーターです。


前の会社の社長をしているときは、独立する気はありませんでした。ただ、ある時、妻から「あなたと結婚したのは、独立して、美味しいお菓子屋さんを一緒にやれると思ったから。でも、もう待ちきれないから自分でやる」と言われ、妻がそう言うならお金がなくてもやろうかと、10月に会社を辞めて、翌年1月に兵庫県西宮市甲陽園でツマガリを始めました。


お店は3店舗ですが、生菓子は本店のみで、百貨店では焼き菓子しか売っていません。店舗を増やさないのは理由があります。それは、マイナーズ・トップブランド、地方の「おらが一番」というブランドを目指しているからです。そうすることで、お土産に持って行く価値を作ることができ、「あそこでしか買えないものを頂戴をして、どうもありがとう」と言われるようになります。これが見えない付加価値です。


最初に勤めたのは東京の洋菓子店でしたが、その後、人の紹介で、神戸に本社があるエーデルワイスというスイス菓子の会社で働き始めました。その会社が、スイスの民族舞踏団が来日した際、スポンサーになった縁で、スイス大使館がスイスで洋菓子を学ぶ機会をくださり、社長から「新しいブランドを立ち上げるから、スイスで学んで来い」と言われ、私が会社を代表してスイスに行かせてもらいました。スイスでは材料の違いを感じました。当時は、まだ最高の材料が日本には入ってきていませんでした。ヨーロッパは、いい材料を当たり前に使ってお菓子を作っていたので、日本でも「いい材料でお菓子を作らなければいけない」と思って帰国しました。


津曲孝の経歴・略歴

津曲孝、つまがり・たかし。日本のパティシエ、経営者。「ツマガリ」社長。宮崎県出身。ヒサモト洋菓子店、エーデルワイスなどを経てアンテノール社長。その後、ツマガリを創業。また、兵庫県洋菓子協会副会長、兵庫県洋菓子技術専門校校長を務めた。厚生労働省・現代の名工、西宮市民文化賞を受賞。黄綬褒章を受章。