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池上彰の名言

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池上彰のプロフィール

池上彰、いけがみ・あきら。日本のキャスター、ジャーナリスト。長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHKに入局。報道記者として松江放送局、広島放送局呉通信部などを経たのち、報道局社会部へ移り警視庁・気象庁・文部省・宮内庁などを担当。その後、『ニュースセンター845』『イブニングネットワーク』『週刊こどもニュース』などでキャスターとして活躍。報道局記者主幹を最後にNHKを退職。NHK退社後はフリージャーナリストとして活動し、数多くの著作を執筆した。そのほか、信州大学特任教授なども務めた。

池上彰の名言 一覧

自分をどこか第三者の視点で冷静に視るっていうのは、やっぱり読書の蓄積があったからこそだと思うんです。


若い頃は、難解な本に取り組んで、ウンウン唸りながら、自分の中で「要するにどういうこと?」って、咀嚼していくことがとても大事。


わかりやすく説明するには、まず身の回りの、そのことをよく知らない人に向かって説明してみなさい。


振り返ってみれば、体力も気力もあるときに辛い仕事をいっぱいやったことが、将来につながった。


「週刊こどもニュース」を担当したとき、収録前のリハーサルでは子供たちの思わぬ質問によって、気づかされることがたくさんありました。


人間の気持ちがわかるとか、人情の機微を感じ取るとかいうことは大切。


説明するというアウトプットを意識してインプットをすると、スムーズに必要な情報が頭に入ってくる。


ストレッチ(少し無理を)させない限り、人間は成長しない。アスリートが筋肉を鍛えるのって、それですよね。


いろんな世界で成功された方って、皆さんブレない。


家庭の雰囲気って、大きいと思いますね。私が本好きになったのは、父親の影響も大きいと思います。


若い頃に読んで皮相的になんとなくわかった気になっているけれども、ある程度経ってから読み返すと、また新しい発見がいくらでもある。


自分の発言を相手がどう受け止めるのかを推し量ることが、伝える力の一番のポイントです。


上手く話せるようになりたいなら、「この人は話が上手い」と思う人を見つけて、なぜその人の話が面白いのかを考えてみてください。


話すことが苦手、書くことが苦手、という人もいるでしょう。でも、努力と工夫次第では、いずれも大きく向上させることができます。


つねに「おかげさま」の気持ちを持って、陰口や悪口は慎み、相手の話をじっくり聞く姿勢を持つ。そうすることで、好感度や信頼はずいぶん高まるし、「伝える力」にも一層磨きがかかります。


なかなかアイデアが浮かばなかったり、参考になる本がないかなって書店を歩いていたりすると、本の方から手招きするんですよ。


リタイアや転職したあと、前に働いていた職場や自分を全否定しない働き方をしてほしい。自分の仕事に真摯に向き合えた人こそが、幸せになれる。


言いたいのは会社に全面的に依存してはいけないということ。それは経済的な面もそうだし、心情的な面もそうですね。その見極めと覚悟があるほうが、むしろうまく関係が保てると思うのです。


現代のビジネスパーソンはあまり本を読まない。ならば、むしろ本を読むだけで差別化できるのではないか。考えようによっては、楽な時代になった。


決して自分の言っていることが正しいわけではなく、いろいろな見方があるということを伝えるようにしています。


独自の切り口を持つことが要求される。ニュースをただ読むだけでなく、「考える」ことをしていないと、その「切り口」が見つからない。


私は子供のころから就職して1~2年目まで、ずっと内気で引っ込み思案でした。それがいまでは、国内外の様々な人に会って取材したり、テレビに出たり。記者になって、存分に仕事をしたいという思いが私を変えていきました。伝える力はいくつになっても伸ばすことができると強調したいです。


人は自分の話を聞いてもらうと、存外嬉しいものです。ましてや、初めて会った人が自分の話を熱心に聞いてくれると、感動すら覚えたりします。自分の話を聞いてくれる相手には当然、親しみを持つし、好感度も増します。反対に、相手の話を聞くのも楽しいけれど、一方的に聞かされると、苦痛になってしまいます。


日本にはいわば、「けしからん罪」が存在しています。それは、「法律には違反していないけれど、なにかけしからんよね」という、多くの人たちの気持ちであり、感覚です。これは理屈ではなく、庶民感情です。たとえ法律に違反していなくても、なんとなくけしからんと思った行為や人は糾弾されてしまう。そうした風潮は日本にあります。


嫉妬は多くの日本人が多かれ少なかれ持っている感覚です。嫉妬社会の側面を持つ日本では、たとえすべてが上手くいっていても、それを声を大にして言うのは慎むのが賢明でしょう。


建前を中心に話をせざるを得ない場合は、本音を少し差し挟んで話すと、好感度は往々にしてあがります。フォーマルな席で、少しカジュアルな雰囲気が出ると、聞いている側はその人の人間性を垣間見ることができ、親しみを持てるようになるからです。


説明して相手がわからないのは、相手にわかるように説明できない自分の力不足です。常にそういう気持ちで話せば、「私の説明が支離滅裂でした」という言葉が自然と出てくるはずです。


組織を引っ張っていく立場の人が、「なにがなんでも目標を達成するぞ」という気迫を示すことで、プロジェクトや部や課をまとめていくことができます。逆に部下にあれこれ命令するだけでは、「下にばかり押し付けて」と言うことになるからダメなんです。そうではなくて、「俺が全責任をとるぞ」という気迫を示す。これも、言葉ではない伝える力なんだろうと思います。


テレビの世界では、視聴者が画面で一人の発言を聞き続けられるのは、20秒が限度です。短い時間で発言をまとめなければなりませんから、起承転結で話すのではなくて、まず「結」を端的に言いきることがポイントです。


ネットの普及で、探している情報へ即座にコンタクトできるようになりました。それ自体は悪いことではありません。しかし、その分、無駄と思われる情報、いわばノイズとでもいうものに触れる機会が減っています。たとえば、新聞を読むときや本屋に行ったとき、探していた情報以外の個所が目に留まることがあります。普段から問題意識を持っていれば、新聞の活字や書店の書籍が、その問題意識に自らアピールしてきます。振り返ると、こうした情報こそ役に立つことが多いのです。一見無駄と思われるノイズに触れるためにも、新聞を読んだり書店に行くという行動は続けた方がいいと思います。


記者が警察のところに行って、なにかありますか?と漠然と聞いても何も答えてくれません。情報収集を行い、それをもとに自分の読みを立ててから質問すれば、警察もこちらに一目置くようになります。仮説を持って取材に行くから、相手との信頼関係が生まれるのです。それはビジネスなどの営業活動でも同じでしょう。いい結果を生むのは相手との良好な信頼関係です。相手から信用を得るには、入手できる情報から、自分なりの仮説を立てることが重要なのではないでしょうか。


諜報活動をする人たちの情報源の98%は、対象国の新聞などの公開情報です。それをどう加工するかが彼らの腕の見せ所になります。新聞などから得た複数の情報をかけあわせ、新しい視点を導き出す。その視点がインテリジェンスです。


悪口や陰口は、当然ビジネスをする上でも気を付けるべきことです。ビジネスマンは、少なくとも顧客の前ではよその会社の悪口や噂話を絶対に言ってはいけません。


業績が秀でていたり、事業が成功したりしても、愛される人と、疎まれる人がいます。この違いは、謙虚さの有無、あるいはそれの程度の差にあるように思います。愛される人は、たとえ血のにじむような努力をした結果、成功をおさめたとしても「みなさまのおかげで、ここまで伸びることができました」と言うなど、謙虚な姿勢や雰囲気を持っています。一方、疎まれる人は「俺の才覚で、ここまで来たんだ。どうだ、すごいだろう」という雰囲気がそこかしこから漂います。


日本人に限らず、人間は社会的な動物です。そうである以上、大成功を収めた場合も、ほかの人や周りから何かしらの恩恵を受けているのは確かです。社会の一員である以上、「おかげさま」の精神は必要なのです。


たとえ自分の能力や努力によるところが大きいと思っても、それを口に出してしまうと、世間の反感を買ってしまいます。本音はそうであっても、時と場合によっては、建前とのバランスが大切になる場面があるものです。とくに記者会見などの公的な場では、そうしたことへの配慮も必要です。


一番望ましいのは悪口の類を一切言わないことですが、人間だから腹の立つことも、不満を募らせることもあります。聖人君子でもない限り、人の悪口を一切言わないのは無理かもしれません。そこで、現実的な線引きとして、悪口を言う場合は、面と向かって言えるレベルにとどめる。そうすることで、人としての最低限の品位は保つことができるし、人との信頼関係も築くことができるようになるはずです。


落語家は基本的にはゆっくり話しますよね。ただ、ときどき速く話したり、声を大きくしたりと、メリハリのある話し方をします。落語家の話が面白く、思わず引き込まれてしまうのは、そうした話術にも秘訣があります。ビジネスパーソンも見習いたい技です。


ビジネスパーソンがプレゼンテーションをする場合などは、いつもよりゆっくり話すことを心がけてみてはどうでしょうか。聞き手側は、普段、早口になれている分、新鮮で、思わず引き込まれるかもしれません。さらにいえば、スピードに緩急をつけるとより効果的です。


ここ数十年で日本人の話すスピードはかなり速くなりました。昭和10年ごろに比べると、いまの私たちは2倍くらいの速さでしゃべっているというデータもあるようです。忙しくなって、ゆっくりのんびり話していられない時代になったということでしょうか。本来、私も相当な早口です。でも、テレビに出るときは意識してゆっくり話しているのです。幅広い視聴者を意識してのことです。


相手に何かを伝える行為は、決して自分の知識をひけらかすことではありません。相手の立場を慮って、わかりやすく伝える気持ちを持つことが大事なのです。


専門用語や業界用語というのは、なんとなくカッコいいと思うのか、使ってみたくなるものです。「コンテンツ」「シナジー」「ソリューション」などのカタカナ用語も似たような傾向があります。でも、こうした用語は誰にでも通じる言葉ではありません。知らないよりは知っていた方がいいのですが、使う相手や場はしっかり考えるべきです。一般のお客さんなどに専門用語や業界用語を安易に使うのは避けた方がいいでしょう。


話している内容が同じでも、伝える姿勢や態度によって、相手が受ける印象は大きく異なります。たとえよいことでも、仏頂面で言っては、相手は不愉快になるかもしれないし、自信なさげだったら相手の心に届かないことも十分にあり得ます。


かつてマスコミに入るような連中はどこか道を外れたような人間が多かった。浪人や留年は当たり前、学生運動で逮捕歴があるとか。まともな会社に就職できないようなやつらばかりでした。反面、耐性は強かったですよ。でも、テレビも東大卒のエリートがどんどん入ってくるようになってから番組がつまらなくなった。エリートじゃない人ほど、じつは発想力や雑草力という強みがあることを知ってほしい。


本は読みっぱなしにせず、実際に誰かに伝えてみることが一番有効です。知識のない人間に、「そうだったのか!」と理解されるよう専門情報を的確に簡便に伝えるのは案外難しいですよ。


知識をインプットするだけじゃなくアウトプットまでできるようになる、となるといきなりハードルが上がります。生半可な理解では人に伝えることはできません。私の場合、NHKで「週刊こどもニュース」を手がけたときに、小学6年生に大人向けニュースを理解してもらうにはどうすればいいか腐心しました。


たくさん本を読んで、知識が豊富になれば、それで「教養がついた」ことになるかというと、ちょっと違うような気がします。自分の得た知識を他人にちゃんと伝えることができて初めて「教養」が身についた、と言えるのだと思うのです。


教養を1人で身につけるにあたって、誰でもできるのは、本を読むこと。読書です。NHKを辞めて独立したとき、肩書がない厳しさを初めて味わいました。でもそのとき、記者時代に夜回りの合間などを使って、本を読み、独学した英会話から経済学の古典に至るまでの様々な教養が、自分の武器となりました。その後の執筆活動などにも大いに役立ったのです。


ちょっと無理すればできるかもしれない、むしろそういう状況に自分を追い込んだほうが成長できると考えて、あえて難しい仕事を受けるようにしてきました。


まずは、思いついたことを思いつくままに書いてみる。次に、その書いた文章をみながら「一人ツッコミ」をする。さらに、周囲の人にその内容をぶつける。こうした訓練をするうちに、文章力も内容も、格段に向上していくことでしょう。


企画書や報告書を書くときにインターネットに書かれてあることをそのまま書き写してしまうのはよくありません。インターネットの情報は、基本的には「死んだ情報」です。参考にするのはかまいませんが、これから独自のビジネスを展開する場合には、インターネットの情報だけではまったく不十分です。


中身の充実した報告書や提案書を書くためには、五感を研ぎ澄ませて、調査や打ち合わせに臨むことも大切です。現場の匂い、景色、雰囲気、人の話などを虚心に受け止め、書面に少しでも書き込んでみるのです。そうすることで、ほかの人とは違った臨場感とオリジナリティーのある報告書や提案書ができあがるはずです。


仕上がりのフォーマットを頭に浮かべたうえで、下調べをして調査や打ち合わせに臨む。下調べをして調査に行き、調査中は、仕上がりのフォーマットを頭に浮かべたうえで、文章の構成を考える。帰社する途中で、文章の中身を考える。これで中身の濃い文書を効率よくスピーディーに書けるようになっていくと思います。


効率よくスピーディーに文書をまとめるには、下調べも大切です。たとえば、現地調査をして、その結果を報告書にまとめる場面を考えてみましょう。下調べもせずに、興味の赴くままに調査をしていると、報告書をまとめる際、何をどう書いてよいか途方に暮れることにもなりかねません。そこまでならなくても、非効率的ですし、伝えたいことがやみくもに詰め込まれた、整理の不十分な報告書になってしまいがちです。また、貴重な情報に接しても、予備知識がないために、見過ごしたり、気づかなかったりしてしまうことにもなりかねません。こうしたことは、下調べを十分にして、仮説をあらかじめ立てておくことで、かなり防げます。


私はNHKの新人記者時代、先輩記者の書いた原稿をペンでひたすら丸写しして、腕と頭に文体を覚えさせました。やがて、自信をもって原稿が書けるようになりました。


記者が自由に書いていると思われがちな新聞記事でも、ある一定のパターンがあります。5W1H(いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように)を抑え、そこに固有名詞を当てはめれば、いちおうの記事にはなります。


報告書や提案書を書くうえで何より大切なのは、各会社や職場にある書面のフォーマットを知ることです。たとえば報告書なら、「目的」「内容」「結論」といった必須の項目があるなど、一定の形式があるものです。まずはこれを、しっかり抑えてください。このフォーマットにのっとった文書の手本があれば、それを徹底的に研究するとよいでしょう。職場に手本がない場合は、上手な先輩社員などの書面をみせてもらい、コピーして、やはり徹底的に研究してみてください。


「週刊こどもニュース」で痛感したのは、かいつまんで説明することの難しさ。話す本人が全体像を掴んでいなければ語れません。断片的なニュースを集めて、中途半端な理解で解説しても、子供たちは「?」を顔に浮かべたままでした。


しっかり準備をしたつもりでも、思わぬ質問が飛び出し、驚かされるのが面白いところ。私は私で違う視点から見ることができるわけです。こういう化学反応が楽しくて、書くのが好きと言いながら情報バラエティをやっているように思います。


ニュースを伝えるとき、自分としてはなるべく独自の視点を出さないようにしています。片寄った見方ではなく、バランスよく事実関係を提供して、判断は視聴者にお任せしたい。


とりわけビジネスの世界で成功される方って、読書好きの方が多い。


会社の論理に染まって悪事に手を染めたり、働き過ぎで倒れたりして、自分を見失わないでほしい。最後は自分で自分を守るしかない。そういう意味で強くあってほしい。組織よりまず、自分を大切にしてほしい。


結局、自分なりの働き方改革をしなきゃいけない。会社やまして政府に言われてやるようなものじゃない。自分自身が何をやりたいか。どう生きたいか。そのためにはどう働くべきか。自分なりのストーリーを描くことだと思います。


かつて西武百貨店の社長に就任した堤清二さんという人がいますが、社員に向かって「組合を作れ」と言った。これには社員のほうが驚いたと言います。組合がなければ、経営者にとって都合の悪い話は上がってきません。堕落を防ぐために、意識的に批判者を作ろうとしたのだと言います。


私はニュースを解説するのが仕事ですけど、どうやって解説したらいいんだろうって、やっぱり本屋へ行っていろいろ手に取って立ち読みするわけです。すると探していたテーマとはまったく違う本を読んで、突然ひらめくっていうことがあります。


一番難しいのは、「このニュース、みんなどこがわからないんだろうか?」という疑問です。みんなのわからないがわからない。そこがわかれば、そこを解決すればいいということになりますでしょう。だからこそ一番、頭を使うんですよね。


本を読むと、語彙が増えるというメリットもあります。テレビやラジオは話し言葉が主体ですから、難しい言葉や表現はあまり出てきません。また、新聞には常用漢字以外の漢字はあまり使われません。その点、本にはそうした制約はありませんから、さまざまな表現が出てきます。


親が本を読んで笑ったり、親同士が本について語って、「こんな面白い本を子どもになんか読ませられない」という態度で、書棚にしまったりしておきなさい、と。そうすると、子どもはこっそり読んだりするんです。


読書はすぐに何かの役に立つわけではありません。でも何冊も読むことで視野が広がり、教養も身につく。それはいつしか、ビジネスの現場でも大きな力になる。


私はいまも書店へ行くのが日課になっています。急ぎの場合はネット書店も利用しますが、本当に必要な本というのは、ネットのキーワード検索では引っかからない可能性があるんです。たとえば、私がいま読みたいと思っている分野は行動経済学なのですが、リアル書店の行動経済学のコーナーへ行けば「人はなぜ○○したがるのか」みたいなタイトルの本が結構ある。キーワード検索では、たぶん見つけられない本もあるでしょう。


ただ自分がわかればいいというだけでなく、わからない人に説明するときにはどうしたらいいかという問題意識をもって読むと、理解の深さが格段に違ってきます。アウトプットを意識して読むわけです。


関連本をとにかくありったけ買う。それを片っ端から読んでいくと、原典というか、本当にしっかりした「教科書的な本」に出合うんです。他の本はすべてその本を参考に書かれていることがわかる。孫引きみたいな本はどうでもよくて、教科書的なタネ本を2~3冊、それさえちゃんと読めば、全体がわかる。


本を読んで面白かったから、その内容について人に伝えたいとき「面白かった」と言ってしまってはダメだと思います。それは感想の押し売りにすぎない。説明を聞いた相手に「面白そうじゃないか」と思わせなければならない。


人に説明するためには、自分で勉強したことを本当の意味で理解していないとできない。どうやって説明するかを考えるとき、初めて自分の頭の中で勉強したことが整理されるのです。よりわかりやすく伝えるためには、どんな情報が必要なのかも見えてくるんですよ。


自分が持っている知識だけでとりあえず考えてみるけれど、もっと違う知識が、もっと違う事実があるかもしれない。その事実を知ったら、今の自分の事実認識は大きく変わるかもしれないわけです。そういう恐れを持っていれば、事実に対して自然と謙虚になりますよね。


自分の意見と違う論調の新聞って、読むのに抵抗感があるという人もいるでしょう。でも逆に、それを面白がるという発想が必要だと思います。「こんな見方ができるんだ」と思って読めば、新たな刺激になりますよ。


ネットの情報は便利ですが、まさに玉石混交。事実関係のあやふやなものや、偏った情報がたくさんあります。そこで大事なことは、最初に出てくるページの情報だけで終わらせないこと。1ページ目には肯定的な情報しか載っていなかったのに、3ページ目でようやく批判的な情報が出てきたり、ということも。そうして全体像が見えてくるのです。


情報を得たら、それをどのように解釈するのか、考える時間を意図的に作り出す必要がある。一日に何分間かでもいいので、必ずその時間を持つ。そうすれば、読んだだけでは忘れてしまうような情報も、身になっていくはず。


「積ん読」状態であっても、本のタイトルを折に触れて見るだけで、そこから触発されるものがあります。原稿を書くときなど、何を書こうか悩んでいるとき、本のタイトルを見ているだけでアイデアが浮かぶこともあります。


日々のニュースを見ていると、大きく扱われるトピックもあれば、小さいものもありますよね。でも、小さいからと言って重要ではないのかというと、そうとは限らないのです。新聞の一面に出ているニュースでも、そのときたまたま他に大きいニュースがなかったからそれを取り上げているだけかもしれない。逆に、大きなニュースがたくさんあったために、本来なら大きい扱いになるはずのニュースが小さく扱われている、ということもあります。つまり、その日のニュースを一度見るだけでは、それが長期的に見て大きなニュースかどうか、判断できないのです。最低でも一週間は寝かせてみて、時間が経ったあとで見返してみると、「これは大したことがなかった」「このニュースは重要だ」という判断が初めてできるのです。


タレントさんや芸人さん、子供たちの質問は、一般の視聴者の方が抱えている「?」でもあるはずで。そこに少し解説が加われば、多くの人がニュースの奥にある面白さに気づいてくれる。そういう知りたいというニーズはずっとあったと思うんです。それを作り手側が「国際情勢じゃ、視聴率は取れない」と思い込み、応える番組を作れなかっただけ。私が予想外に忙しくなったのは、そのせいだと思います。


大切なのは、基礎的な情報をきちんと押さえておくこと。たとえば、タリバンのことを取り上げるなら、イスラム教のことは避けて通れない。そこで、コーランを読むところから始めてみました。一度、身に付けた基礎は別のニュースの解説でも役立ちますし、全体像が見えるから「かいつまんで説明すると」と言えるわけです。


28歳のとき、社会部の中でも最も厳しい警視庁の担当記者になりました。ネタ元になる刑事さんの自宅へ夜討ち朝駆けは当たり前。事件が起きれば、現場に張り付いたまま。一生、こんな仕事が続くと思ったら辞めてますよ。でも、いまも昔も記者にはローテーションがありまして。必ず2、3年で別の部署に変われるという希望があったから耐えられた。


ホリエモン(堀江貴文)が出所後、対談をしたんです。彼はフジテレビを買収したくて、ニッポン放送株を買い占めようとした。「あなたはフジテレビを買うための踏み台にされたニッポン放送の社員の気持ちを考えたことがありますか?」って聞いたら、びっくりした顔をして「考えたこともないです」って。「小説をあまり読んだことがないでしょう?」って聞いたら、「読んだことがない」って。「だから失敗したんだよ」って話をしたんですけど。ツイッターで「池上からお説教された」って書いてたみたいですけど(笑)。やっぱり彼も刑務所に入っている間、膨大な本を読んで、だいぶ変わりましたね。最近、また会う機会があったんですが。体は痩せましたけど、人間は丸くなりました(笑)。


私の場合、猫のように特定の人間になつかないというのが理想です(笑)。派閥に入ったら、そこがコケたら自分もアウト。NHK時代、これは派閥に勧誘されているのだなと感じても、気づかないふりをしていました。面倒だから、あらゆるものから距離を置きました。職場の飲み会も一次会まで。二次会は行きません。そんなヒマがあったら違う業界の人たちと知り合うことです。


NHK時代からやっていて、いま意外に役に立っているのが語学の勉強でした。警視庁担当で夜回りをしている時期、深夜に住宅街で刑事を待っている間に時間があるでしょう。そのときにやっていたのがNHKの「ラジオ英会話」や「ビジネス英語」。街灯や自販機の灯りのもとでテキストをひたすら読み、暗がりでブツブツそれを読み上げて暗唱する。どう見ても危ない人ですよ(笑)。喫茶店など明るいところで待つことができるときは経済学の本を読む。資格を取ろうとか、将来何かの役に立てようなんて気はなく、ただひたすら時間がもったいなかったから。それがいまになってすべて役に立っている。語学力はいろんなところで武器になります。あとは歴史。とくに近代史をしっかりと勉強するといい。


いざとなったら、ここがダメでもほかの収入もあるというのは大事。テレビのコメンテーターが専業の人は、それが干されたらおしまいだからどうしてもバランスを取ったコメントをしてしまう。私の場合は、選挙特番で政治家を怒らせてテレビから干されてしまっても、本で食べていけると思っているから辛口で突っ込めるわけです(笑)。


社会部で警視庁捜査一課担当になってからが地獄でした。捜査本部のその日の捜査が終わり、捜査会談が終わるのが夜の10時。それから彼らは一杯飲んで終電で帰る。午前1時くらいですよ。それをこちらは待ち伏せる。家の前で待つと他社に気づかれるので、途中の住宅街の電柱の陰に隠れて待つ。パトカーが来て職務質問されたりしたこともありました。そんなことを1年365日のうち、360日繰り返す。家に帰って寝るのは深夜3時。ところが朝5時に「特ダネを抜かれている、いますぐ追いかけろ」と社から電話がかかってくる。こういうことを2年間やったら、世の中につらい仕事はなくなりましたね(笑)。


池上彰の経歴・略歴

池上彰、いけがみ・あきら。日本のキャスター、ジャーナリスト。長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHKに入局。報道記者として松江放送局、広島放送局呉通信部などを経たのち、報道局社会部へ移り警視庁・気象庁・文部省・宮内庁などを担当。その後、『ニュースセンター845』『イブニングネットワーク』『週刊こどもニュース』などでキャスターとして活躍。報道局記者主幹を最後にNHKを退職。NHK退社後はフリージャーナリストとして活動し、数多くの著作を執筆した。そのほか、信州大学特任教授なども務めた。