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水戸岡鋭治の名言

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水戸岡鋭治のプロフィール

水戸岡鋭治、みとおか・えいじ。日本の工業デザイナー、鉄道デザイナー。岡山県出身。岡山工業高校卒業後、複数のデザイン事務所を経て、ドーンデザイン研究所を設立。家具、建築などのデザインを行った。また、九州旅客鉄道(JR九州)や両備グループのデザイン顧問として鉄道車両・駅・広告のデザインにも携わった。菊池寛賞を受賞。著書に『あと1%だけ、やってみよう』ほか。

水戸岡鋭治の名言 一覧

大切なのはコンセプト。コンセプトなきところにデザインは生まれない。


自分の不得意なことに挑戦すると、自分の中で新たな質のいい常識が育まれるし、それまでになかったボキャブラリーを身につけることができる。


高いハードルがあるからこそ、人は一層努力できる。


私の今までの仕事を振り返ると、「とてもできない」という障害こそが、大きく伸びるチャンスになってくれたように思います。


観光とは「光を観にいく」ことです。つまり、その地域の人が何より元気に楽しく生きているということが重要なのです。


私たちが手がけているのは「製品」ではなく「商品」です。製品なら利便性と経済性求すればよいですが、商品は相手に夢やロマンを感じさせ、「楽しい」と思ってもらう必要があります。


鉄道が高級リゾートに勝る、などと考えるのは常識外れに思われるかもしれません。ですが、私は「勝てるのではないかと思いました。なぜなら、どんなにすごいホテルであれ、部屋から見える景色はひとつです。それに対して鉄道なら刻一刻と景色が変わっていきますよね。窓に目をやるだけで、映画を観ているように移り変わる風景を楽しむことができる。列車なら雨が降ろうが雪が降ろうが風が吹こうが、最悪の状況すら楽しむこともできます。列車という限られた空間の密度と質を上げるなかで、サービスや食事のレベルを高めることができれば、必ず他のリゾートに勝てると思うようになりました。
【覚え書き|日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」のデザインをしたときを振り返っての発言】


文化というのは手間が掛かるものです。経済性や効率性に反することもあります。しかし、手間を掛けることによって文化が育ち、豊かな時間と空間、楽しさなどの情緒が生まれてくるのです。


もちろん、お客様が第一というのが基本ですが、お客様の言うことを100%聞くことが正しい、とは決して思いません。とくに列車のように公共性の高い商品では、現在のニーズだけでなく、もっと長い月で社会全体を考える必要があります。


提案の際、私は基本的に3つの案を出します。A案はこれまでとは違うオンリーワンなもの、B案は現状より少しだけよくなったもの、C案は現状維持に近いもの。並べてみると、誰がどう考えてもA案がいいと判断します。ただ、実際にはA案が一番困難なアイデアであるのも事実。そんなとき、そうした困難をひとつひとつつぶしていくより、むしろ全員に「楽しいことが起こるかもしれない」と思ってもらうことが大事になるのです。こうして「予感の共有」ができれば、プロジェクトは確実に動き出します。そうなれば、困難は必ず乗り越えられます。


デザインの仕事は、全体の1%にすぎず、99%の仕事は、水面下に沈んだ氷山のよう見えないのですが、デザイナーの最後の一振りの1%が素晴らしいと、99%のたくさんの方々の仕事が見えてくる重要な仕事なのです。ただ、1%を間違うと、どれだけ残りの99%が素晴らしくても、何も伝わりません。


工業デザインというのは個人ではなくチームでやるもので、デザイナーが何を言ったところで、人が動いてくれなければ何もできません。どれだけ多くの気のある人を巻き込めるかが重要なのです。


もともと40歳くらいまでは、住宅やインテリアデザイン、イラストレーターとしての仕事がほとんどでした。それが福岡のホテルのアートディレクションを手がけた縁でJR九州の仕事に携わることになったのです。ですが、自分が素人であったことが、その後の仕事に生きてきました。


あえてベテランのサービスマンを採用しなかったのは、すべてが今までにない質の高いサービスをするには、既成概念のない、旅が好き、コミュニケーションが好きといったスタッフが必要だと思ったからです。そして、全力で接するスタッフを見れば、きっとお客様は好意を持って、むしろリラックスしていただけることを期待しました。


私は心の中で、ブルー、イエロー、レッドの三色のカードを持っています。日本中、世界中、どこの街にいても、景観やデザインを見ながら、「これはOK! ブルー」「これはダメ! レッド」とやるわけです。


私の場合、何か一つ人と違うところがあるかと問われたら、おそらく色の常識のあり方なのだろうと思います。これまで視覚に収めてきた何千色という色から、素材や形、環境に合ったものを選び抜こうとする時、ほかのデータに頼ろうという気に全くなりません。瞬時に決める時はもちろん、迷っても、事務所の窓辺で、自分一人で何日も検証していたりします。


即断即決に勝るものはありません。あまり悪口は言いたくないですが、ほかの企業や自治体、組織だと、「ちょっとそれは社に戻って、上と相談してからにさせてください」となる。そして結局決まらない(笑)。


JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」では、車両としてはタブーとされてきたことに数多く挑みました。それが、古今東西の様式やデザインを曼荼羅のように組み合わせた「オンリーワン」の車両につながったのだと思っています。


デザインの仕事をする上で、感動体験をもたらすことを常にテーマにしてきました。見た人や使った人に感動を与えるには、色も形も素材も使い勝手も、今までにないものに挑戦し、取り入れていくことが重要になります。


今の時代はどうしても効率を重視するため、経済性一辺倒に陥りがちですしかし、私の理想は経済性50、文化50のデザインとものづくりです。そうやって出来上がったものは、使い勝手という機能美もあれば、時代を超えていく普遍性も持ち、多くの人たちに愛され、感動を与えます。あらゆる国の人が使って納得し、受け入れられる多様性を備えているのです。


唐池(恒二・JR九州会長)さんは「気を込めて」と表現するのですが、手間を掛けて作ったものは、放っておいても誰もがきちんとメンテナンスしてくれるものなのです。職人さんなど、関わった人達のエネルギーを感じ取るからなのでしょうね。ななつ星をメンテナンスをしてくれるクルーも、1回拭けばいいところを3回も4回も拭いてくれるんです。磨けば磨くほど、しっかりとデザインしたものは光りますし、味が出てくる。それを今度は乗客の方が感じ取って感動してくれる。そういう意味では、人はエネルギーを掛ければその分だけ大事に使い、長持ちさせてくれるのでしょう。


JR九州の「ななつ星」では、床や内装に木材をふんだんに取り入れ、洗面台には有田焼を使っています。どちらもメンテナンスが難しいし、壊れる恐れもあります。とくに社内の建具に利用した組子細工は、「列車が揺れた時にお客様がぶつかれば壊れてしまうのではないか」と職人さんが心配したほどです。その時に私は、「壊れたら作り直せばいいじゃないか。責任は持つから」と叱咤激励したのを覚えています。組子細工などの木材も、有田焼の洗面台も、皆さんがものすごく丁寧に、傷を付けないようにと扱ってくださっているおかげで、今では経年変化によってどんどん味わいが深まっています。風格すら感じられるほどです。


水戸岡鋭治の経歴・略歴

水戸岡鋭治、みとおか・えいじ。日本の工業デザイナー、鉄道デザイナー。岡山県出身。岡山工業高校卒業後、複数のデザイン事務所を経て、ドーンデザイン研究所を設立。家具、建築などのデザインを行った。また、九州旅客鉄道(JR九州)や両備グループのデザイン顧問として鉄道車両・駅・広告のデザインにも携わった。菊池寛賞を受賞。著書に『あと1%だけ、やってみよう』ほか。