柳井正の名言

柳井正のプロフィール

柳井正、やない・ただし。日本の経営者。カジュアル衣料のユニクロを展開する「ファーストリテイリング」社長・会長。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、父が経営する小郡商事(のちのファーストリテイリング)に入社。父から経営を引き継ぎ、同社を大きく成長させた。

柳井正の名言 一覧

グローバルになった今、日本一ということにあまり意味がないんですよ。だって、ビジネスにはもう国境がないんだから。


負けないようにするには、より良い商品を安く提供し、誰でも買えるようにすることしかない。そういう単純なことを追求すべきです。それをきっちりやっている小売りは生き延びてきたし、今後も生き延びるという当たり前のことです。


アマゾンは万能ではないし、市場の全部を取ってしまうわけでもない。もし全部取られるということは、自分のやっていた商売が違っていたということですよ。


危機感がなければ企業経営をやっていても意味がありません。企業は安定することはなく、変化をし続けます。変化がなくなってきたとしたら、それは倒産の前兆です。


チャレンジしない人生は、意味がない。
チャレンジしない企業も、意味がない。


ビジネス=実行です。ビジネスは、勉強とは違います。勉強しても、できなければ意味がない、それがビジネス。


エネルギーがある若いうちに徹底的に勉強して、徹底的に実行することが財産になる。自分で判断する場面をたくさん経験しないと、成長していけないと思う。


上に立つ人が強いチームを作ろうと思ったら、部下がどういう気持ちで仕事をしているかを理解しないといけない。


海外で店を作ることは苦労も多いけれど、リスクを取って取り組むからこそ、得られるものも大きい。


我々は零細企業から出発した会社です。私を含めて経営陣の中には、まだ現場の感覚が残っている。現場の感覚を持ちながら高い意識で経営にあたってきたから、うまくやってこられたんじゃないでしょうか。


世界一にならない限り儲からない。世界一でない限り成長できない。


理想を持つと持たない、夢を持つと持たないでは全然違う。


勉強するかしないか。勉強しない限り、あとは衰退するだけ。ベテランになればなるほど、駄目になる。それは勉強しないから。


経営者にはある種の覚悟が必要だと思いますし、熱の無い人はダメですよ。クールと熱がないのをはき違えて、淡々と偽紳士みたいにやっている人はダメ。


人格は重要。いい人はいい人を使えるけれど、悪い人はいい人を使えない。


たとえ再建に失敗したとしても、失敗した人のほうが見込みがあります。何もしない人が一番ダメ。


会社を沸騰させて飛び上がるほど熱くしないと、普通のサラリーマン体質の人には危機感が伝わらない。


僕は常日頃から会社というのは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。


一足飛びの成功はありえない。毎日、少しずつ前進していけば、いつか成果を収めることはできる。


前もって考えて、いろいろ準備をしていないと、チャンスがきても見逃してしまう。


根無し草の生活は長続きしない。人間には、やっぱり拠って立つところがないとダメ。


誰にでも得意な分野があるはず。必死になって10年間磨いていったら、必ず活路は拓ける。


こんな時代にどうやって希望を持てばいいのかと思っているかもしれませんが、希望を持たないと生きていけない。それも、社会にではなく、自分に対して希望を持つこと。


失敗から学んでいくしかない。試さないで失敗するのが一番よくない。


自分が主役だという信念を持ち、自分に期待すれば活路は拓ける。


自分に期待すれば、どんな人でもいろんな夢を持って、実現できる。「ひょっとしたら自分はこういうことができるんじゃないか」って僕は思えたからいまがある。


いつの時代も「世界は一瞬で変わった」とみんな錯覚するんだけど、本当はその前に変わっているんですよ。


全ての企業が創業期になる。創業期だからこそ、どんな企業も根源を改めて問い直す必要がある。それなしには決して成り立たない。


今までの産業分類というのは、既存の事実を積み上げた常識が範囲を決めていると思うんです。でも今から来る世界は、産業分類を超えていく。


明日の仕事を今日するのが経営だ。


単純労働から知識労働に変わらない限り、付加価値を上げられない。


最も大きいのは社員の意識の問題。物理的なことよりも、社員の習慣や仕事のやり方の見直しが、大きな挑戦になる。


すべての企業が新たな創業期。我々もいま、創業している最中。


問題は、失敗と判断したときに「すぐに撤退」できるかどうかだ。


外に出ないと生き残れない。だから、宇部を出て広島へ、東京へと出て行き、世界にも店舗を広げていったのです。


人間はいつか死ぬ。生きているうちが花なのだから、生きているうちに何かやったらどうですか。


いつ死ぬか分からないなら、生きているうちに自分ができることをやったらいい。本気でやれば、できないことはない。


自分で考えなければ、実際の行動に移せない。


世の中はもう危機だらけで、危機を楽しみながら、どうやって世界を変えていくかを考えないといけない。


自分から変わろうと思わないといけない。評論家や傍観者ではダメだ。


あらゆることは原点に返って、目的は何なのか、結果としてどういうものが必要なのかということを、よく考えないといけない。


誰も期待しないのであれば、少なくとも自分が自分に期待しないといけない。


経営者に熱意がないと何も始まらない。


経営者がいいかげんな仕事をしていたら、社員は絶対に仕事をしない。


熱意を伝えようと思えば、何千回、何万回と同じことを、本当にイヤになるくらい言い続けなければならない。それも心をこめて真剣に語ることが大切。


会社は、経営者次第、トップ次第。うちの海外事業を見ても、うまくいっているところと、うまくいっていないところ、全部トップで決まっています。


部下の欠点ばかりを指摘する上司もいますが、欠点に目をつむって長所を活かすことのほうが大切。


社員の長所を伸ばして活かすのも経営者の仕事。


商売というのは体得です。経営も体得。知識でできるなら学者がみんな経営者になっていますよ。


自分より相手のことを考えている人は、これからの時代、必ず活躍できる。


会社には夢がないといけない。ダメな会社ほど夢がない。夢がなくて、昔のことばっかり考えている。


いい会社、いい組織をつくろうと思ったら、当たり前のことが当たり前にできるようにすること。


傲慢になると、人は小さなこと、部下のちょっとした心の変化などに気づけなくなる。


未来をつくるのが経営者。


オンリーワンでは世の中を変えられない。ナンバーワンでなければならない。


知らせなければ誰が買ってくれるんですか?
【覚え書き|広告宣伝についての発言】


あらゆる産業においてナンバーワンが儲かります。ナンバーツーやナンバースリーはそこそこ儲かり、それ以外は儲からない。


時代が変わったという事をもっと認識してほしい。年寄りの言う事を聞いていたら駄目。


リーダーシップとハングリーさが欠けている事は経営者やリーダーとして致命的です。与えられるのを待っているような人は駄目です。


未来を創るのが経営者です。未来を創るという事は、ある意味ではクリエイターなのです。


自分たちは、世の中に役立つものをこれからもつくり続けなければいけない。


真っ当に生きれば、怖いものはない。


店を開けていればお客様は来て当然、売れるのは当たり前と考えるのは大間違い。


去年と同じことをやっていたら、お客様はどんどん減って行く。


経営で一番大切なのは顧客の要望に応えることである。顧客の要望に応え、顧客を創造しない限り、商売は出来ない。


ライトノベルやハウツー本を読んで、偉くなったり、本当にいい経営者になった人はいない。


顧客の創造が重要です。お客さんが来て「これください」と言われてはじめてビジネスが成立するのです。


会社は自分の為にあるわけではありません。社員の為でもありません。お客様のためです。


終点はありません。企業は満足したらそれで終わりです。


経営者の覚悟とは「会社が存続して成長していく為だったら何でもやる」という気概です。その先頭に立つ覚悟を持つべきです。


逃げたらダメ。砕けても良いから正面から突破することを考えるのが企業家ではないでしょうか。その姿を見たら、絶対誰かが協力してくれるはずです。


単純に商品が良いだけでは売れません。我々が何を目指しているかを理解していただいて初めて商品が売れると考えています。


ブランド戦略=企業創りなので、ブランドをどのように伝えていくかが重要。


「その会社やその事業が無いと困る。世界にとってその会社が絶対必要だ」と思われる企業にしたい。


世の中を変えるにはナンバーワンでなければならない。


ビジョンなき事業は売った方がいい。


重要なのは成長し続けること。僕は死ぬまで成長したい。それが一番いい人生だと思うんですよね。


仕事がその人をつくる。


考えないと、会社というのはすぐ潰れます。


未来に向かって次はこういうことをやろうと考えないと、いまのこの位置すら危ない。


昔のことを振り返るのではなく、つねに将来のことを考えないといけない。だから危機感がないところには未来はない、と思います。


個人でも、企業でも、国でも同じ。安心感を持った途端に終わりなんです。「これで達成した」と思った途端に終わり。


現場を経験することは、すごく大事。上から下を見るだけでなく、下から上を見る。上下両方とも経験することで、偏りなく見ることができますから。


自分から進んで、仕事の幅を広げていく必要がある。


経営者が「善い」ことをしようとしているからこそ、周囲は協力する。


日米欧など国・地域によって経営スタイルは違うと言われるが、原理原則はどこでも一緒。


まだ小さな会社でも、夢に共鳴する人が多ければ、事業を拡大できる。


経営者には高い倫理観が求められる。悪だくみや単なる金儲けのために協力してほしいと求めたら、社員も取引先も手を差し伸べてはくれない。


最も重要なのが顧客だ。顧客が不在なら、そもそもビジネスは成立しないからだ。


困難な時代だからこそニーズが産まれる。


既存の枠組みを超えない限りチャンスはつかめない。


本当のイノベーターは辺境から現れる。


仕事は自ら創り出すもの。仕事を見つけるのではなく発明するものです。


つらい時こそ経営者は誇大妄想狂になるべきです。トップが夢を実現しようといわない限り、社員は信用しない。


自分の頭で考えて、実行できる人。こういうものを絶対に作りたいという理想や希望を持って、人の力を引き出せる人でなければ経営者は務まりません。


日本の経営者の多くが勘違いしています。経営は勉強でなく実行です。ビジョンを作って、全社員の力を使って成果を出す。調査や分析が1としたら、実行が30です。


失敗してもそれを認識して行動し、また失敗しても最後までやる。それを早くやれば、絶対に成功する。


規模が大きくなってもやることは変わらない。同じことをやって、より多くの人を幸せにできて、社会に貢献できる。利益を伴っている限り、成長するほどいい。


働く人も経営者もサプライヤーさんも、成長しない会社に何の楽しみがあるんですか。


即断、即決、即実行。考えてもわからないことはサイコロを振れ。またわからなかったら周囲の人に聞け。今はスピードが大切。


常に今日、スタートしたばかりと思って、革新・挑戦し自分を変えていくということが大切。


当社は大きくはありません。大きいことはいいことではありません。大きくなると動きが鈍くなる。もっと俊敏にならないと。


これで安心してはいけません。世界にはまだまだすごい会社がある。世界に通用する会社になるには今のままではいけない。将来に向けて自分たちを変えていかないと。


絶対にこの事業をやりたいという強い思い、情熱があるかどうか。パッションがなければ成功できません。


人生は一回しかない。自分の可能性を試して欲しい。


最近は金儲けの手段として事業をやる人が多すぎます。それでは一定のところまででお終いだし、自分が死んだら終わりです。


社会にとっていい事業、お客様にとっていい事業をやろうと思うことが大切です。そうした事業がお客様に評価されてはじめて売上が上がり、成長できる。


若い企業家の中には上場して終わりという人も見受けられる。それでは駄目。一生の仕事としてやってもらいたいですね。


会社とは経営者そのもの。


強い思いと執念、最後の一線はそこに尽きます。


自分はまだまだだと、未熟だと思っていないと長期的に成長しません。


経営者は好き嫌いはいっていられません。世の中がその方向に動いているなら素直にそれに従うべきです。


経営とは矛盾を解決することに尽きると思います。矛盾は解決できると思わないと駄目だし、矛盾解決が社長の役割です。


「ピンチ=チャンス」「チャンス=ピンチ」だと思います。苦しければ苦しいほどチャンスは大きい。


自分はこれをやりたいと心底思わないといけない。人の意見でやっていては駄目です。


自分で業界を創るという覚悟がなければ絶対大成功はありえない。


買収されるのが嫌なら上場するなと言いたい。上場したということはうちの会社売りますということです。経営者は高く売れるように経営すべきです。


クローズドになったら進化が止まってしまうし、それで成功した会社は存在しない。


現実を知らない限り、リーダーシップは発揮できない。


一直線に成功ということはほとんどありえないと思う。成功の陰には必ず失敗がある。


僕の場合、仕事は30歳前後から面白くなってきました。いろんなことを体験して、自分の感覚とか、立ち位置みたいなものがつかめるようになってから。


チャンスはあらゆる人の前を通っている。でも、ほとんどの人は気づかない。「もし、こうなったら」っていうことを前もって把握し準備して、自分から取りに行かなきゃチャンスは掴めない。


少しだけ無理して壊れないことが大切。「無事これ名馬」なんですよ、人間も。少しだけ無理して生きないと。


日本は自主規制みたいなことがすごく多いんですよ。その自主規制が日本人とか、日本の企業を駄目にしていると僕は思います。


世界中の英知が集まり、文化と文化がぶつかり合うことで新しい発想が生まれてくる。


新しいことをやろうと思ったらほとんどが失敗ですよ。あきらめないで失敗から学習し、将来に生かす。これを繰り返すから成功につながる。


ピラミッド型の組織、秩序ではなかなか新しいものは生まれない。


様々な人種が集まる場では、階層がかえって邪魔になる。


「できない理由」を考えるために考えるのではなく、僕は「できる理由」を考える。どうやったらできるかを考え、着々と実行していけばできる。


部下は部品ではない。


世界で甘い企業で成功している企業は一社もない。とくに労働集約的な産業で甘い企業で成功している企業は一社もないと思う。


日本で一番心配なのは「ゆでがえる状態」だということです。株価が上昇しているだけで、景気は決してよくありません。今は金余りで投機に向かっていますが、その資金が実事業に向かうようになった時が本当の景気回復だと思います。


不安や失敗ばかり考えているから、失敗する。


安全に階段を上がっていくような世界は、ビジネスではあり得ない。


海外で失敗して帰ってきた人も、銀座の旗艦店で店長をやっています。失敗の経験は、必ず役に立つんです。


企業のバイタリティーは新陳代謝を活性化する政策からしか出てこない。


皆さんが店長ならば、改めて自分の店を隅から隅まで見ることです。それも、一番厳しいお客様になったつもりで、自分の店を点検する。従業員の動き、表情、売り場が整頓されているか、店舗の清掃はちゃんとされているか……。すると、問題点はいくつも出てくる。


企業のセクションで最も重要なのは販売、営業の現場です。若い人はとかく企画室スタッフのような格好のいい仕事を望むけれど、理論や能書きだけでは物事は進まない。販売の現場でそれが実現できなければ、何の意味もありません。


店長がやるべきことは、とにかく「儲ける」ことです。商品を売って、お客様に満足していただいて、結果として利益を上げる。儲けないとダメですよ。儲からない事業を続けていたら、すべての関係者が不幸になってしまう。


企業理念を実現する場所は現場であり、そのための指揮者が店長です。いくら本部や企画室のスタッフが優秀でも、店長がダメだと企業は繁栄しない。販売の最前線にいる人間が、企業の生命線なんです。


世界中をみれば100兆円以上の市場があるんですよ。だから、日本企業は海外に出て行けばまだまだ成長できる。


すでに世界はバーチャルとリアルが融合している。リアルもバーチャルもなくなって、とにかくデジタルの世界に変わった会社が勝つ。


自分には必ずいいところがあると信じて、どんな境遇でもやっていくことが大切です。


「燃える闘魂」を持っていれば人生はがらりと変わる。希望を持つことで人生の回転が変わり、いい方向に進んでいく。


日本には人、モノ、カネ、インフラのすべてが揃っています。やる気さえあれば、日本は最高の立地と言える。チャンスはたくさんある。


チームの先頭に立ってビジョンを示し、問題があったら真っ先に飛び込む。経営者がまず変わるべきです。


最初からそこそこでいいなんて甘い考えでいたら、箸にも棒にもかからない程度の水準でしか生きていけない。それだと将来的に食えなくなる。


そこそこの水準であればいいなんていうのはダメ。卓越するとか、傑出する能力というものを身につけてもらいたい。


日本は全体に、つくることにおいて職人気質なので、ものすごく狭い了見にとらわれて技術自慢する。技術自慢で自己満足におちいっている。


従来の繊維産業、旧来の小売業にとどまっていては生きていけない。それには自らが創り出すという考え方が必要。


何でも1回目でうまくいくはずがないだろう。1回失敗したぐらいで何を言っている。経験を次に生かせ。

【覚え書き|ユニクロ野菜事業の失敗で30億円の赤字を出してしまった担当者に対して】


私はハングリー精神とは「勉強する心」だと理解しています。求めて勉強していく心を持てるようにならないといけない。


海外に行って世界を見ないと、一流の経営者にはなれない。


いい経営というものは、どの国に行っても、どの時代になっても変わらない。


企業がグローバル進出を目指す時は、それぞれの国に新しい価値を持っていかなければならない。


会社というのは毎日が創業です。そして、会社は危機の連続。だから、創業者精神がない会社はつぶれるんです。それはサラリーマン会社にしても、伸びているのは創業者精神を持ったところですよね。


ビジネスチャンスは世界中にあるんですよ。その際に大事なのは、その国の国民のためにビジネスをすること。その企業がその地域(ローカル)の人たちに支えられることが最も大事なんです。


グローバルはローカルだし、ローカルはグローバルである。グローバルを前提に、この二つが共存するのが望ましい。この二つが共存しない限り、我が社に未来はない。


今は、本当に付加価値があって、生活が豊かになるような要素がないと、服は売れない。


早い段階で自分の将来を考え、行動した方がいい。


グローバルに通用するポジションがある会社だけが生き残る。今まではそのポジションが日本国内でだけ通用していればよかった。だから同業者が一生懸命、無意味な競争をやっていたんです。


去年と今年を変えない限り、会社は潰れると思って欲しい。


変革しろ、さもなくば、死だ。


世の中の変化と市場は暴力的です。そこでは自分の都合や自社の都合は一切許されません。


自分が自分に対しての最大の批判者です。


目標がどんなに高くても「できない理由」ではなく、「できる理由」を考え、着々と実行する。


お客様はシビアです。商品と自分のお金を交換するわけだから、お金にふさわしい価値があるかないかを瞬時に見ぬきます。ですから、絶対に騙すことはできません。もし、お客様を騙そうとすれば必ず大きなしっぺ返しに遭います。


寛容性や他人への共感がないとビジネスの現場は回っていきません。いろいろな人に会って、いろいろな考え方を知る。いろいろな現象を分析する能力がなければ経営はできません。


「わかる」ということは身にしみることです。自分で体験して、これが原理原則なんだなと実感しない限り、その後の行動指針にはなりません。本で読んだり、他人に聞いても、本当の意味はわかるものじゃない。僕は「知った」ではなく「わかって」よかったと思っています。


経営書を読むとき、漠然と活字を追っているわけではなく、読みながらこの会社を自分が経営していたらどうする、と登場する経営者を自らに置き換えて考える。著者が書いたことと自分の想像を突き合わせながらページをめくっています。そうしないと本を読んだという気がしない。


頭のいい人は自分の考えがすべてだと思いがちです。なかなか他人の意見を受け入れようとしません。けれど実際に仕事をするには他人の意見に対する理解力が必要なんです。自分の視点だけで世の中を眺めるのでなく、上の人の視線になって想像する場面もあれば、下の人の視線で考えることもある。


会社のオーナーは一人の後継者をつくるだけではいけない。社内に経営者のチームを育てなければならない。組織や仕組みで会社が成長を続けていけるようにする。一人の優秀な経営者を待ち望むよりも、組織自体を確実にする方が正しいように思います。


儲けた後の行動は他人がちゃんと見ています。大金を手に入れた若いベンチャー経営者の中には金銭感覚がズレた人がいます。30代くらいでプライベートジェットを買ったり、高級車を何台も車庫に置いたり。仕事をほったらかしにして、ゴルフしたり、世界旅行したり。世間や取引先がそんな経営者を信用しますか?社員だってやる気がなくなるでしょう。銀行なんて実にシビアだから、生活が派手になった経営者には冷たくなる。


僕は仕事が一番楽しい。どんなことよりも面白い。ゴルフをやるより、仕事の方がはるかに充実します。


僕はベンチャー起業家と言われるより小売業の経営者と呼ばれたい。小売業の中でしっかりした会社だと評価されたい。僕らの仕事は日々、売り場に立って、一生懸命に売ることです。毎日が戦いと言っていい。いい加減な仕事をしたらすぐに脱落してしまいます。小売りの世界で最終的に勝っている企業を見てみると、地道に仕事しているところしか残っていません。


意見を自由に言える社風は大切です。僕はいつも言うのだけれど、社長の指示した通りに現場の社員が実行するような会社は間違いなくつぶれます。現場の人間が「社長、それは違います」と言えるような会社にしておかないと知らず知らずのうちに誤った方向に進んでしまいます。ただし、現場の社員は社長が本質的に何を指示しているのかを理解しておくこと。それを現場の判断で組み替えていくのが仕事なんです。


レイ・クロックのことを知ったのは一冊の本からです。大学を出て、宇部に戻り、父親が設立した衣料品の会社に勤めていたころでした。ある本の中にレイ・クロックの印象的な言葉が載っていて「Be daring(勇気を持って)Be first(誰よりも先に)Be different(人と違ったことをする)」。これこそ商売の真髄だと思って、手帳に書き写したのを覚えています。


若い人は、もっと自分自身に期待していいんですよ。遠慮しないで自分に期待して、世の中を渡っていってほしい。日本を復興するのは年寄りじゃない。政治家でも、財界人でもない。復興の主役は若い人ですよ。


本を読むことは、ビジネスマンに限らず、誰もがやらなくてはならないことでしょう。そして、本を読むうえで大切なことは、頭でっかちにならないこと。ビジネスマンならば読書を通して知識を増やすことよりも、仮説を頭に描きながら、考えながら読むこと。本来読書とはそういうものでしょう。脳から汗を流して読むこと。


私たちが売っている商品はベーシックカジュアルです。流行に左右されない美的な服のことで、お客様が選んで、好きなように着こなすことができる。そして、そういった服ならば国境も問わないし、年齢にも左右されることはない。あらゆる人が買うことができる。私たちが対象にしているマーケットは流行の服よりもはるかに大きなものです。


いつの時代からか、商売人気質を忘れ、製造業の職人気質だけを強調するようになった。しかし、「オレたちはいいモノを作っている」という自負だけでは商品は売れません。


これから問われるのは、自分の頭で判断して、決めること。周りの空気、隣の人の行動に左右されるなんてことは情けないことだ。


いま若い人の中で「頑張らない生き方」が流行っているとも聞きます。しかし、本当ですか?頑張らないで、いったいどうするんですか?私は、生きることはすなわち頑張ることだと思うし、仕事とはつらいことだと信じている。確かに、仕事はつらくて苦しい。しかし、それでこそ正しいのです。楽しく仕事をしたいと言っている人は現実を見つめていない。いい仕事をしようと思ったら、精一杯頑張らないといけない。


私は若い人に対して説教をするつもりはない。希望を持て、自分で自分の希望をつくれと言っているのです。私だって若いころはフリーターだったし、縁故入社で入った会社をすぐに辞めてしまって、ダメなやつと思われていた。将来のことなんて何も考えていなかった。他人に説教する資格なんてありません。ただ、仕事を通して研鑽を積んでいくうちに、仕事が面白くなって、一人前の社会人になることができた。私を育ててくれたのは仕事であり、社会です。


経営者として先頭に立つ。従業員、社会に向けて、第一声を発する。現実を直視して、受け止める。自分たちに過酷な現実であっても、受け止めて、何らかの言葉を出す。従業員を意気消沈させないように「いまは厳しい状況かもしれないが、いずれはこうしていく」と伝える。危機、災害は必ずやってきます。平時のうちに準備をして、パニックを起こさず、淡々とやっていく。危機の時代に必要なのは平時における準備です。


私は店長たちに、つねづね「店長の仕事でいちばん大切なのは、作業を割り当てることだ」と言っています。デキる店長とデキない店長がいる。デキない店長は自分一人で頑張る。自分一人の理想の店をつくろうとする。それに対して、デキる店長は全従業員と一緒になって仕事をする。従業員それぞれの立場を考えて、仕事を割り振っている。


売れるためには3つの要素が必要です。商品がいいこと、商品のイメージがいいこと、商品情報がいいこと。3つが揃わなくてはヒット商品にはならない。ところが日本のメーカーの大半は「商品が良ければ自然と売れていくだろう」と考えている。しかし、商品自体が良くても、売れないものはたくさんある。いくらいいモノでも、モノを作って、そのままにしておいて、売れる時代ではありません。


僕はうちの社員や日本の若い人に世界で活躍できる商売人になってほしい。日本は資源のない国です。敗戦のときには設備やインフラがすべてなくなった。それから、みんなが一生懸命、商売をして、外国へ出かけていって、輸出を伸ばして豊かな国を築き上げた。戦後、日本人は商売人として頑張ったから、復興を果たすことができた。


我々ビジネスマンは稼ぐことが使命です。働いて、金を稼いで生活を豊かにする。金が回るようにして、日本の景気を上向きにしていく。


僕は若いころからストレートにモノを言いすぎる。生意気だと評されてましたから。いまでも、まだ言われるけれど……。


SPA(製造型小売業)は調整しやすい。全部のリスクをウチが負っているので、情報が正確かつ迅速に集まってくる。従って、生産・販売・調整ができる。


行動してみる前に考えても無駄です。行動して修正すればいい。致命的にならない限り失敗してもいい。やってみないとわからない。


他人に学ぶとは自分より上の人、自分よりすごい人を素直に尊敬すること。それには「いいものはいい、悪いものは悪い」という客観的な判断基準が自分の中になければいけない。僕らが成功した要因も、そこにあると思います。たとえばSPA(製造小売業)を学んで自分でもやってみようと思ったのは、「いいものはいい」と考えたからです。


いまの若い人は豊かになったからか、他人に学ぶ心がないし、物事を多面的に見る力が欠けているように思います。モノの見方が教科書的だし、常識的なところも気になります。若い人にはもっと日本の先人たちに学んでほしいと思います。


僕の好きな経営者は松下幸之助です。松下さんは経営に必要なことをほとんど経験し、そこから多くを学び、現代に通じる経営哲学を伝えています。どんなに技術が進歩しても経営の基本は松下さんの時代と変わることはありません。僕は松下幸之助や本田宗一郎の本をほとんど読んでいます。経営ってこういうことなのか、とずいぶん教えられました。


経営とはいろいろな人が集まって、自分の一番の強みを活かすことだと考えています。うちの社員にもよく言っているのですが、いまできるとか、できないということではなく「自分としてこうありたい」「これがしたい」ということを思い描かなければいけない。人は高い目標があるほど頑張ろうと努力します。ですから、私の役割は目指すべき理想の会社とか、理想の商売を描くことだと考えています。


会社組織の進歩はコンピュータの進歩と同じだと考えています。かつては中央の汎用コンピュータにいくつもの端末がぶら下がっていましたが、今日ではパーソナルコンピュータがインターネットにつながり、世界中のコンピュータが同時に動く。インターネットは時間や距離を圧倒的に短縮しましたが、組織も同様に進化しなければいけない。


大多数の日本企業は、いまだにクライアントサーバー型にとどまっていて、作業や仕事を同時進行し、同期化する感覚を持てずにいます。ですからリーダーについても柔軟に考えることができない。リーダーはその仕事にふさわしい人がなればいいし、これからは一人一人が全体最適を考えながら自立し、その力が有機的につながっている会社を目指すべきだと思います。


商売とは成功したと思った時点でダメになります。成功はマンネリ、保守化、形式化、慢心を生むからです。だから企業の存続発展のためには、小さい失敗をどんどんすべきだと思います。致命的な失敗をする前に、ちいさい失敗を何回もして、それを財産にとらえて次に生かすのです。失敗して、転んで、起き上がる。その繰り返しの中で学んでいかなければいけない。最悪なのは失敗を恐れて立ち止まったり、ためらって何もしないことです。


私が撤退の決断を急ぐのはできるだけ早く失敗し、致命的な失敗に至る前に早く対処したいからです。ですから、エフアールフーズも、かすり傷程度の失敗で、骨折までには至っていない。ところが、多くの企業は失敗に気付かず、骨折をしてもまだ行けると思って突き進み、どんどん傷口を深くしてしまう。大切なのは、失敗で会社を潰さないことです。ですから私は、かすり傷の時点で撤退を決めます。【覚書き:エフアールフーズは高級野菜を販売する事業を展開したファーストリテイリングの子会社。ユニクロが野菜販売を始めたと当時話題になったが数年で撤退】


日本の大企業の経営者のほとんどはサラリーマン経営者だから、失敗のリスクを100%背負わない。自分のお金で会社を動かすわけではないし、任期が終われば責任から解放される。だから、よほどせっぱつまらない限り、自分のしたことを否定しない。私は常に否定してこそ商売だと思うんです。


自分のやっていることが間違っているのではないかと、いつも考えるべきです。経営、店舗、商品、人事などについて日頃から根本的に否定していくことです。ずっと自己肯定が続くと、時代とズレていき、ある日、気づいたら手遅れだったということになりかねない。昨年売れた商品が、今年も売れるという保証はない。もちろん、経営の本質的な部分は通用しますが、表面的な方法は変えなければなりません。


2002年9月に設立したエフアール・フーズの撤退について一言でいうと、我々にとっては大きすぎる仕事でした。エフアール・フーズのトマトなどの農作物は、水や肥料をできるだけ与えずに農作物が持つ力を引き出して育てる永田農法で生産し、品質や味への高い評価をいただいたのですが、手間暇がかかるため残念ながら生産効率と販売効率が合わなかった。当時、フリース・ブームが終わり、何度目かの停滞期に入っていたことから、行き詰まり感を打破する意味でも、チャレンジを試みたのですが、慢心があったのかもしれません。


自分のお金で会社を経営して、100%自分でリスクをとってきたので、責任が自分以外の人間にあるとか、他の要因にあると思った瞬間、僕は自分に負けるような気になるんです。言い訳をせずに全部自分に責任があると割り切った方が気持ちがいいんです。だいいち、失敗を直視し、かつ客観的に原因を分析してこなければ、生き延びてこられなかったでしょう。


自分に対しても相手に対しても、厳しい目を持って見ることが大切です。それは、商売をするうえで欠かせない視点だと思います。客観的な分析、評価ができるということは、経営者としての大切な資質です。自信過剰になることもないし、不必要に卑下することもない。自分に対して厳しすぎると言われることもありますが、その方が居心地がいい。


自分の行動結果を客観的に分析評価できなければ、失敗を失敗と認めることはできません。しっかりした分析に基づかずに反省し、行動しても傷口は広がるばかりです。どんな時にも冷静かつ客観的に分析し、適切な判断のもとに行動しなければいけない。そのなかにこそ、革新の芽があるのだと思います。


組織は大きくなると安定を求め、保守的になります。それは、日本の企業の多くが直面する課題です。だから、常にぶち壊して一番いい組織に造り替えていかなければなりません。一つ成功すると、達成感のようなものがあって、これでいんじゃないか、このままずっと続けられるのではないかという錯覚に陥る。しかし、世の中は動いていますからそのままではいけない。


組織は仕事をするためにあるのであって、組織のために仕事をするのではない。組織が大きくなると、どうしても初めに組織ありきで仕事を作ってしまいがちですが、いい仕事をするためにどういう組織を作るべきかを、常に考えていかなければいけません。


異業種からの多数の人材を迎えたのも、異質な人材が、安定し保守化した組織を壊すことを期待したから。外から来た人が多すぎると思ったこともありましたが、要するにチームのバランスですね。現場でたたき上げた僕らのような人間も必要ですし、客観的に現場を見て判断を下す人材も必要です。外から来た人に、大きな仕事を任せるのは大胆だと思われるかもしれませんが、うちの活力の源はここにあると考えています。


組織を固定化したり、壁を作ったりするのが大企業病の典型。そうなると、上の人が現場に降りていかないため、意思疎通が図れないという問題も出てきます。あくまでも現場は宝なんです。だからわが社の場合、極端な話、店長の方が社長よりも偉くないといけない。店長を最終目標に位置づけ、店長という職に誇りを持ってもらいたいんです。


チェーンストア理論では、店長は出世のステップにすぎず、店長の次はスーパーバイザー、ブロックリーダー、本部というように出世の階段を上がっていきます。しかし、それじゃあまるで官僚システムでしょう?店長を生涯の職として極めることなどできないし、自己実現につながっていきませんよね。99年2月にスーパースター店長制度を設けたのも店長の見本を示したかったからです。店舗と本部は双方向の関係性にあり、対等です。むしろ商売の場面では、店舗が主役で本部がサポート役にならなければいけないと思います。


われわれは大型店をつくっているので、既存店への影響大きくなり、不必要な店舗が出てくる。大型店は既存店の2倍以上売るところもある。既存店は建て替えている。小売業なので、いつも最強の店舗布陣にしないといけない。われわれは出店費用をかけないようにしているので、気楽に撤退できる。誰にも迷惑をかけないようにしている。【覚書き|出店に対する閉店の割合が増えてきているのでは?という記者の質問に対するコメント】


素材選定から商品生産、企画、顧客満足まで自社でワンサイクルで回すことを徹底して、今まで以上に満足してもらい、リピーター増やすことが大事になる。「海外はこういう方法」ということではなく、グローバルワン、世界中で一つのことをやることが大事だ。


フリースブームというものがありました。爆発的なヒットになりました。ただ、そこでマスの一員になったらダメです。成功の復讐があります。ブームになると、終わったとなる。次の世代に行かなければならない。【覚書き|フリースブーム後のユニクロ低迷に関して心機一転した言葉】


僕はずっと失敗してきた。今までのどのビジネスでも一勝九敗くらい。唯一成功したのがユニクロです。致命的にならない限り失敗はしてもいい。やってみないとわからない。行動してみる前に考えても無駄です。行動して修正すればいい。


自分の評価は自分で出来ない。人が自分の言うことを素直に聞いてくれない。提案が通らないというなどというときには、周囲があなたの能力を認めていないと考えるべきでしょう。本当に仕事ができる人は、自分に対する評価が非常に低いのです。それは到達する目標が見えていて、届かない距離が分かるからです。


競争相手と差をつけるには人と違ったことを考えるということですよね。そしてもっと重要なことはそれを実行すると言うことなんですね。99%の人は、自分で他の人と違うことを考えているつもり。でも考えられてない。で、1%の人も考えていてもそれを実行しない。それでは起業は上手くいかないと思います。


商売はスポーツと同じ 。一枚一枚積み重ねてやっていくということが一番大切なんではないかと思います。


ほとんどの人が経営を勉強だととらえているからではないでしょうか。ぼくにとっての経営は『実行』『実践』。だから、勉強することも、良いことであれば実行しよう、実践しようという前提があってやる。どれだけ良いアイデアがあっても、実行しなければ成功もしないし、失敗もしない。それは時間のムダでしかないでしょう。


チャンスというのは、そのチャンスを本当に生かそうと思わないと、生きないと思うんですよね。生かそうと思ったら、具体的に考えて、具体的に行動して、生きる方向に持って行かなきゃいけないでしょう。自分としてこうありたいとか、自分の会社をこうしたいという、最高水準の夢というか、理想というか、そういったものは追求してもらいたいなと思うんですね。だから、希望だけは高く持ってもらいたいな、と思いますね。


売り上げが大体3倍になると、企業の性格というのが全部違ってくる。


こういう人に来てもらいたいと心底思っていたら、それは必ず伝わるものだ。必然性のないところには、人は集まらない。


失敗を恐れてはいけない。失敗にこそ成功の芽は潜んでいる。人生でいちばん悔いが残るのは挑戦しなかったことです。新しい可能性に挑んで、失敗したことではありません。泳げない者は溺れればよい。最初からできる人は少数派で、『できる』と言われる人の多くは、できる人に自らを変えていったんだと思います。ただし、その必然性は人それぞれ違うので自分で発見するしかない。


起業をするのに、特に素質は必要ないと思います。僕はほとんどの人が起業できると思っています。大事なのは、まずは全部自分でやってみること。そこで何回も失敗して、また懲りずに挑戦する。その繰り返しの中で経営者として育っていくんです。


洋服の伝統がなかった日本人だからこそ、既存の常識にとらわれず発想できる。


本当に新しい需要を創って、お客様の生活を一気に変えられるような商品を出さない限り売れない。


当社の商品の比較対象になるのは洋服だけではなく、例えば携帯電話だったりするわけで、旧態依然として、競争相手は小売業や繊維産業だという狭い範囲に捉われていてはいけない。


単純に商品が良いだけでは、たいして差は無いんです。良い人が経営をしている良い企業の良い店で、良い販売員が良い商品を良い環境で売っているという企業にしないといけません。本当に良い企業にしない限り、消費者に買ってもらえませんし、グローバルでは生き残っていけません。


これからは日本へも大勢の外国人が来るでしょうから、外国人と共に仕事をすることになるでしょう。だから、上から与えられた仕事を右から左へ流すような人は、仕事ができなくなると思います。


どこの店舗も成功した要因とは「本当に良い店を創ろう」という思いに尽きます。「世界最高の店を創ろう」という志があるから集客できるし、売れているのだと思うのです。


僕は頑張った人がもっと報われるような社会にすべきだと思っています。間違った平等主義を掲げているのは世界中で日本だけです。人と違うことを評価しないし、リスクを取るとか、決断する勇気とかを評価しないですから。


若い人は日本に閉じこもらないで、ビジネスチャンスを求めて世界中に出て行かないといけない。いまは、本当にいいアイデアがあれば世界中からお金が集まるし、成功する可能性も少なくない。


僕はいまのような変革の時代においては、人より卓越したものを職業で身につけ一人前になるということが一番大事だと思っている。自分に何もない人に「自分探し」もない。そんなことよりも、まず社会で一人前として生きていけるようになることですよ。でないと、これからの時代は生き残れない。


最初は商品の仕入れから販売、経理、広告宣伝まで全部、自分でやらなければならなかった。でも、おかげで「商売というのはこういうことなのか」と体感でわかるようになってきた。とにかく会社を潰さないように、と必死でした。


本を読むことは、内容を記憶することじゃないと思うんですよ。とくにビジネス書を読むときは「なぜこの人はこういうことを考えたのか」「自分だったらどうするのか」を考えながら読んでいた。


一回失敗したくらいで何を言っているんだ。勉強したのだから、きちんと儲けて損した分を仕事で返せ。
【覚え書き|26億円の損失を出した野菜事業担当者が辞表を出したときの言葉】


私は決して奇抜なことを考え、言っているわけではないが、他人様からは過激なことを言っているように見えるらしい。本人は真面目に考え、正論を吐いているだけなのだ。物事を真正面から考え、解決策を考えているにすぎない。真っ当に生きたいと考えているだけなのである。


私は小さい頃、「山川」というあだ名がついていた。人が「山」と言えば、反対の「川」と言うのである。別に天邪鬼ではないが、自分の考えをはっきり述べる性質(たち)らしい。自分で物を考え、自分で納得しないと、気が済まないのである。


少なくとも、誰とでも対等に話ができるということが、成功の第一要件。


どんな単純な仕事も、できなければ駄目なんですよ。で、できた後にまた考えて、より上手くやる方法とか、何か別の方法があるんじゃないかって考える訓練をしないといけない。


海外ではナイーブでは生きていけない。反対に、相手の気持ちが分からないとダメ。そのバランス感覚を経験や交渉によって培っていかないといけない。


日本が最高で、ほかの国のことは勉強する必要がないというふうに思い始めたらよくない。


会社には6時ごろ来てます。うちの社員は7時ごろ来るんですよ。だから1時間は邪魔されずにいろんなことができる。効率がいいんじゃないかと思います。


ユニクロは今回、ニューヨークのソーホーに店を出しました。おかげさまで全米メディアの話題にもなり、売上も上々です。以前ニューヨーク郊外のショッピングモールに出店して失敗しました。大失敗でした。一般のアメリカ人はそもそもユニクロを知りません。また、モールの中の一店舗じゃ目立たないから話題にもならない。戦略が間違っていたのです。
【覚書き|ニューヨークのソーホーは芸術家やデザイナーが多く住み、先端ファッションブランドが軒を並べる地域】


偉くなるとすぐ「自分は考える人、社員は行動する人」と、これは最低の考え方です。社員全員が考えて、社員全員が実行する会社を作らなくてはなりません。


社内にいる経営者やその候補者からしても、いつかはグループのCEO(最高経営責任者)になれるということでないとモチベーションを持ってもらえませんから。
【覚書き|子供に会社を継がせない理由を聞かれての発言】


子供達は経営者にはしないよ。うちの息子二人は、能力も性格も見識も今の執行役員と同等ぐらいのものは持っている。でも飛び抜けてはよくない。だったら実際の経営をするよりも経営者を任命したり、オーナーとして振る舞う方が普通だと思うし、全社にとってはそっちの方が絶対いいと思う。


僕らもビジネスをやっているのは社会のためで、金儲けを目的にやっているわけじゃない。そういうことを全社員が信じられるような企業にしない限り、特に小売業ではうまくいかない。みんながそれを信じられれば、一人ひとりが主役として働けるはずです。


僕は一人ずつの人を説得したら変えられると思ったんですよ。でも人はやっぱり自分の過去とか自分の経験とか自分の能力とかいったことで変えられない人もいる。でも変えられない人を否定してもしょうがないなということなんです。だから変えられなくてもこつこつ頑張っている人は、それはそれとしてやっぱりいい人生だったなと言ってもらえるようにしたい。
【覚書き|転勤のない地域限定社員を始めたきっかけについて】


まず儲かるところからやっていかないといけないから、儲からないところにそんな資本投下できない。


(反日感情の強い中国で業績が好調なのは)やっぱり中国に貢献しているからだと思います。中国の繊維産業に貢献してきましたし、中国人の経営者を登用し、任せて経営してきました。商売も地元に密着してやっている。そういうことが評価されたんじゃないかと思っています。


日本にある本部を、本当のグローバル本部にしないといけないと思っています。そのためには、今の人間の半分ぐらいを世界に出して海外事業を経験させるということをしなくてはいけないし、あるいは逆に国内事業に海外の人たちを入れて、混成チームにしてやっていくということが必要なんじゃないかと考えています。できるだけ早く3分の1を外国人にしたいし、最後の理想としては半分を外国人にしたい。


日本人が海外で働く場合もローカル化してもらう。たとえばニューヨークに行く人には「ニューヨーカーになれ」とよく言うんです。外国人の経営者と対等に話ができて、その人達を使わないといけないので、日本人とつるんでいるようではどうしようもない。


いままで私は数多くの失敗をしてきました。その中で大きな失敗が、店長を主役にした会社にしようとしてきたことです。これからは、店舗のスタッフ一人一人を主役にします。


根源を改めて問い直す必要がある。例えば時計の会社だったら、「あなたはなぜ時計を着けるんですか」と。それをもう一回問わないといけない時代になったということ。だからうちは、「なぜ服を着るんですか」というところから出発しようと考えています。


技術の進歩によって、全ての人が力を持つようになった。それを生かす人と生かさない人では大きな違いが出ます。生かせば、誰でも小売りビジネスができるし、繊維だって物流だって、規模の大小にかかわらずどんなビジネスだってできるんですよ。


経営者が倒れたら、ほかの人に迷惑がかかる。ビジネスパーソンも同じでしょう。だから、体調管理には特に気を使っています。


スポーツは才能によって結果が左右される面が少なからずありますが、ビジネスは違います。一般の人がチームを組んで取り組めば、偉大なことができる。それができるのが、ビジネスの世界です。


ビジネスというのは、自分1人だけでするわけではありません。1人では無理でも、チームでならできる、という場面が多々あります。自分の長所を活かす働きをして、苦手なところはチームの他のメンバーがやってもいい。そうする方が、効率的でもある。


今の若い人を見ていると「なぜこんなに自信がないのだろう」と感じることがあります。まだ何もやってないのに、できないと思い込んでいる。物事は、やってみないと分かりません。もっと自分に自信を持ってほしい。


そう簡単に、人は成長できないものです。自分で努力することはもちろんですが、人の協力も必要。


日本人は困難な課題に直面した時、「難しいですね」とよく言います。しかし米国人は、「チャレンジングだ」と言う。「難しい」とは言わないんです。「チャレンジングだ、けれどひょっとしたら、自分にもできる」。そんな気持ちを持つことが、特に若い人には必要だと思います。


生きることは、失敗することです。何かを興そうと思ったら、そんなに簡単に成功できるわけがない。実行する前から失敗を恐れていたら、何もできません。


商売するうえでお客様の「クチコミ」は、一番大事なもののひとつ。


人は教科書や本を読むと、考えているような気になるものです。でもそこに書かれているのは著者の考えであって、自分の考えではない。本を読んで「自分はどう思い、どう考えるか」「自分の付加価値は何か」といったことを考えることが大事。


うちの社内では、「教科書通りですね」という言葉はマイナスの言葉なんです。「あなたは何も考えていませんね」と同義だから。


思いを自分の言葉でしっかりと伝えないと、相手に伝わりません。どこかから借りてきたような教科書通りの言葉で説明しても、なかなか伝わらない。


海外でビジネスを展開するには、世界共通語である英語でなければ通用しないことが多い。英語は、運転免許証のようなものです。


今は、世界中の人と競争していかなければならない時代です。ただそれは同時に、「世界中の人にチャンスがある」ということでもあります。今は、ネットなどを通じて、世界中とつながることもできます。その中で日本の若い人に、もっと活躍してほしいと思っています。


我々は、もっと冷静に、相対的に日本を見るべきです。もちろん、日本にはたくさん素晴らしいところがあります。しかし、長所は別の角度から見れば短所でもある。


「ヒートテック」などでの東レとの協力関係は大成功していますが、そこから学んだことは、我々が持っていない能力を身につけようと思ったら、オープンイノベーションをするしかないということです。ですので、デジタル化に対応するために、物流センター運営で大和ハウス工業、システム構築などでアクセンチュアと、より密接なチームを作ることにしました。


サラリーマン経営者でも創業者のように、「この会社は何のためにあるのか」を突き詰めて考えるべきではないでしょうか。業績を株主に報告する仕事を、サラリーマン的にバトンタッチしていくという感覚では、会社はおかしくなる。ガバナンスについても、経営者自身が考えを改めずに、社外取締役を入れたり委員会設置会社に移行したりしても、ダメですよ。


最終的な目標を決めて、それに対して具体的に行動しなければ、あなたの人生とほかの人の人生は違わないかもしれない。それではあまり意味がないんじゃないかなと、僕は思うんです。


若い人は残り時間がたくさんあると錯覚しているけど、いつ死ぬかはわからない。明日死ぬかもしれない。それなら今日が最後の日だと思って、行動するべきです。


僕はいつも「人間のピークは25歳」と言っているんです。自分の才能にいつ気付けるかは、人によって違う。ただし、いずれにしても、自分の持っている才能のもとは、だいたい25歳ぐらいまでにできている。その才能にいつ気付けるか、という違いなんです。


父に対しては尊敬する部分と、そうじゃない部分や教師と反面教師の部分がありますね。その二つの間で、自分というものを自分で発見するということが必要なんだと思います。


人生の最終目標なのか、使命感なのか、自分のビジョンなのか。できるだけ早くそれを見つけるか、決めるか、発明するか。そういうことが必要なんじゃないかなと。僕もこの商売を一生やろうと思ったのが早かった。23~24歳からずっと経営をやっているのでうまくいったんだと思います。


辞めた人たちは卒業生として、いい関係を続けたい。いつどこで会うかもわかりません。敵であるより味方のほうがいいですよね。辞める人は、だいたい僕のところへ挨拶に来るんですけど、そのときに「何か困ったことがあれば来てくれ、僕にできることだったら何でもします」と言って送り出しています。そういうことが、僕は大事だと思います。


社員には「サラリーマンというのはもうない。本当はみんな自営業者なんだ」と言っています。自営業者としても食える人でなければ、組織の中でもやっていけない。


大企業であっても、零細企業のつもりで、少なくとも自分の周辺、自分の上下を見渡して、会社がどっちの方向に進もうとしているのかを知っておく必要があるはずです。そうじゃないと、たぶん仕事はできないと思いますよ。


僕らは「売上高5兆円」という前人未踏のエベレストに登頂しようとしているわけです。大学を卒業したばかりの新入社員に「エベレストに行こう」と言っても難しい。それなら、まずは近くの標高500メートル程度の山に登るところから始めないといけない。地域正社員はその取り組みのひとつです。でも500メートルに登ったら、次は1000メートルに登りたいと思うはずです。500メートルで見える風景と、平地で見える風景は、まったく違いますから。


不思議なことに、みんな大学を出たら一人前だと思っている。どれだけ優秀な人でも何かの仕事で一人前になろうとしたら、3年から5年はかかります。普通の人なら一つのことを10年ぐらいはやり続けないと絶対に一人前になれません。


日本人は周囲のムードや相手の事情を気にするあまり、本質的なことを忘れてしまうところがある。危機に際して、我々ビジネスパーソンがやるべきことは過度の自粛や自主規制ではない。商売を続けてカネを儲け、景気を良くすること。それでこそ、日本は復興し、再び成長へ向かう。


店の運営とはこんなもんだ、商品の整理はこうしておけばいいんだ……。現状を良しとすれば、自分に甘くなる。そうなれば、たちまち店の水準は落ちていきます。買う立場になってみたら、誰もそんな店には行きたくないでしょう。


従業員の表情が暗い、売り場が汚いといった問題が起きる最大の理由は、店舗運営がマンネリに陥っているから。マンネリと傲慢は、店長の大敵です。店長の仕事は同じことの繰り返しでもあるので、いったん、「オレはできる店長だ」と思った瞬間に、小さいけれど大切なことに気づかなくなる。


成長性や収益性が高ければ、従業員や取引先は夢を抱くことができる。人々は勢いのある会社にビジネスチャンスを見いだし、人、物、カネなどの経営資源が集まってくる。だからこそ、会社には「私たちはいう夢を実現する会社だ」というが必要になる。


私にとっての「善い会社」とは、「長期的に成長し、収益を上げられる会社」だ。成長性と収益性が高ければ、顧客、地域社会、従業員、取引先、株主などすべてのステークホルダーとウィンウィンの関係を結べる。


欲望は、ある意味で非常に悪い面もありますが、人間が生きるため必要なものでもある。生存欲に火がついてないんです。


本気で仕事に取り組めば、分からないことや課題が見えるはずです。課題さえ分かれば、そのほとんどは解決できるものですから、人は何倍でも成長できる。まずは課題意識を持つことです。


僕はよく、こんなことを社員に言っています。「おまえたちは自分の能力を全然発揮していない。人間は普段、自分の能力の3%しか使っていなくて、残る97%の能力は眠っている。眠っている能力を覚ませ」と。


日本では、会社という看板を隠れ蓑にして、なかなか個人が表に出てこない。だから重要な経営判断を下す場合でも、責任の所在が曖昧になってしまう。


外国人とビジネスする場合、相手がどんな人間か知り、その人を信頼しないと商談は進みません。


僕は全社員にこう言っています外国人と仕事をする時には、たとえ反日感情の強い国であっても、相手の国に敬意を払うこと。そこの国の人々の生活を良くしようという意識を持つこと。その国の会社である以上、主役はそこの国の人々ですから。


今の若い人はバブル崩壊後の世界しか知りません。親の給料がどんどん下がる環境で育てば、安定を求めるようになるのかもしれない。けれども、それが起業家精神や事業欲、自分で生活して家庭を営むんだという人間として本来あるべき欲を阻害してしまった。


僕は子供の頃、親と一緒の部屋で寝ていました。するとおふくろとおやじが夜、年末の資金繰りを話し合うんです。うちは大丈夫かと思うことが何度もありました。これが僕の原体験です。今は皆さんサラリーマンで、毎月毎月、同じ額の給料が入ってくる。これは現実のビジネスとは違います。会社はいつ潰れるか分からないし、店だっていつ閉店するか分からない。そういう現実感が希薄になっている。


僕はどちらかと言えば、内向的で人づき合いが下手です。つまり商売には向いていない。しかも商売を始めたのは炭鉱町の駅前商店街です。今でも本社の最寄り駅は無人駅。キツネとタヌキが出るようなところです。そんな僕の境遇と比べると今の人は恵まれています。インターネットを使えば誰もがあらゆる情報にアクセスできるオープンな世界が広がっている。それなのに、すべてが海外に流れ出て日本が終わるかのように嘆く人がいる。恵まれすぎて、今以上の生活を望まなくなったことが一番の問題でしょう。要するに、みんなが「坊ちゃん」「嬢ちゃん」になってしまった。


何をどうすればいいのかは教えてもらうのではなく、自分で問いかけ、自分で答えを出すべきです。それが自立した人間であり、そういう自立した人間が集まることで強い国ができる。


企業経営というのは自分が弱い点は他の人がチームで補完してくれるんです。だから、企業経営をやって、自分はどういう強みを持つのか、どんなことで自分の弱い分を補っていけるのか、常時考えないといけない。


商品をつくるというと、みんな技術の問題だと勘違いしている。そうではなくて、つくるというのは、お客様のためでしょう。お客様の生活をより良くして、ああこんなものがあったらいいなというものをつくっていく。それは製品の使い方とかマーケティングとか、商品化していって、買いたいなと思ってもらい、買ってよかったなと思ってもらう。そういうものにしないといけない。


当社が世界一になるためには経営陣だけでなく、お店のスタッフも総務もグローバルで世界一を目指すという経営者意識を持ってもらいたいと思います。そのための様々な仕組みが必要だと思います。


つくづく思うのがビジネスに国境はないということ。今まで日本だけなら1億人がターゲットでしたけど、世界を目指せば40億人が対象になるということで、すごくビジネスチャンスがある。


今日の仕事を今日やるというのは、起きた問題を解決することに終始します。それは対処療法にすぎない。根本的な解決法は、「明日はどうなるんだろう」と予測して、自分たちで明日をつくっていくこと。それができて初めて、明日の勝者になれる。


民族固有のものとグローバリズムは、対立軸で語るのではなく、対話が必要です。本当に共存共栄しようと思ったら、対話をして、よいものはお互いに取り入れましょうという姿勢が大切だと思うんです。


若い時期に必ず世界へ行く、そして職業を持ったら海外で仕事をする経験を持つべきだと思います。ずっと日本にばかりいると、日本一国主義になってしまう。まず、日本は世界の中の一国なのだと知ること。それから、できるだけ早く違う文化の人々と接する機会が持てるといいと思います。


私がよく言うのは、単純に時間給の労働者として1000時間働くのと、経営者として物事を考えながら1000時間働くのとでは、その成長度合いは何倍も違うということです。後者の場合、現在は労働者であっても、日々成長していけば経営者になりえます。


理念を後世まで伝えようと思ったら、宣教師のような人が必要です。これも宗教みたいなもので、経営者が打ち立てた理念を、宣教師役となった人たちが伝えていく。そういう体質をつくることが大事ではないでしょうか。


私は根本的に古くならないものが経営理念だと思っています。確かに言葉の上では古くなりますが、創業者がその時に置かれている立場で発した言葉は、根源的なものだと思うのです。


私は経営理念がない会社は、心がない会社だと思っています。何のために仕事をするのか、それを端的に表したものが経営理念です。英語で言えば「ミッション」、日本語で言えば「使命」とも言い換えることができると思います。それを信じるところから、仕事を始めなければなりません。


いろいろな経営者の方を見ていて思うのは、部長や課長に「海外へ行ってこい」と命じる経営者は多いですが、それより前に経営者自身が率先して海外へ出ていく必要があると思います。その意味で、私には経営者の行動力が無いように見えますし、あまり会社を成長させようという意欲が無いのかなと思ってしまいますね。


創業者の人間力、器量以上に、その会社は大きくなれないといいますが、これをどう考えるか。僕は本来、謙虚なタイプ。本当は謙虚な人間なんですが、経営者は謙虚だけではダメ。ホラを吹かないとダメだし、ホラを吹いたことに関しては実行していかないと。みんなが幸福になろうと思ったら、成功以外にはない。


グローバルに仕事を展開していく上で大事なのは、全員経営です。全員が経営者になるということです。経営者のつもりで仕事をするのと、労働者のつもりで仕事をするのは、同じ1時間仕事をしていて、たぶん、2倍、3倍の開きではなく、10倍とか100倍ぐらいの違いがある。


日本の若い世代は外を知らないし、自分でコミットしない。何かちょっと成功すると、大経営者になったような錯覚を起こす人もいますね。これを持ち上げるマスコミの人も悪い(笑)。人に対する恩とか、信頼感という点でどうかなと思わせるようではいけない。


やはり相手を見ないといけない。経営者を見て、工場長を見て、本当にいいモノを一緒につくりたいという人と思ったら、2回、3回失敗しても、同じ相手と付き合っていくようでないと。当初から、上手く行くわけないですよ。


僕らは、信頼できるパートナーとともに、その国に行ったら、その国のために仕事をする。アメリカへ行ったら、アメリカのために。ロシアへ行ったら、ロシアのために。中国へ行けば、中国のために仕事をする。それが僕らの主義です。


基本軸に立ち返るということと僕はいつも言っているんです。それは、「グローバル・イズ・ローカル、ローカル・イズ・グローバル」です。グローバルとローカルが共存して初めて世界が成立する。そういう考え方が必要。


僕が中国をやるときに、少なくとも本部の3分の1が中国に行って、仕事をするように言った。だからうまくいったんです。それぐらいの覚悟をして、経営者がコミットしない限り、事業はうまくいかない。


自分で考えることが一番。のたうち回るぐらいでないと。そして、世界中にお手本となるような人はいるし、自分から求めて聞きに行ったり、本を読んだり、現物を見たりして勉強しなければいけない。


「あなたはなぜ仕事をするんですか」と、「あなたはなぜ服を着るんですか」という、そういう基本的な質問が大事。だから、人生は何のためにあるのか。あなたは何でここでこの仕事をしているのですかということが大事になってくる。


我々がやろうとしているのは、お客様中心の新しい産業をつくること。ファーストリテイリングを情報製造小売業へと変革し、全く新しいビジネスモデルを確立させるということです。そのために人の仕事の仕方もデジタル中心に変えていく必要がありますし、物流拠点もそうですし、情報システムも全部変えていきます。


マネジメントの父などと呼ばれるピーター・ドラッカーは「顧客創造をするにはマーケティングとイノベーションしかない。これが経営の真髄だ」という趣旨のことを言っています。つまり、マーケティングとイノベーションというのは経営者の役割なんです。イノベーション=創業者精神ですよ。


経営者は1人でもやり抜かないといけない。一番厳しい決断は自分以外にできない。そこから逃げている経営者は大半が退場しています。


人の気持ちがわかる人、人の心をつかめる人、実行できる人、自分が言ったことには責任を持って最後までやる人。そういう人にしか経営はできない。


私は社員自身も消費者だと考えているので、その人たちがモノを買って経済を回していくようにしていかなくてはいけないと思っています。
【覚え書き|賃上げした理由についてのコメント】


今はオープン・イノベーションの時代だと思う。資本関係があるなしにかかわらず、世界中でベストパートナーと組んでやっていかないと世界競争には勝てない。


海外でのパートナーを選ぶときのポイントは、やはり人格的に正しい人ですね、当然ですけど。ずっと付き合える人。そこから買うという考えではなく、一緒につくる、ということです。結婚と同じなんです。離婚しないような人を選ぶ。そういうことが大事ではないかと思います。


店長より、現場のスタッフの方がよく知っている。やらせて、やって、シェアして勉強する。店長はスタッフを守り、スタッフは仲間を信じ店長を支えてもらいたい。


スタッフが主役ということはお客様視点ということです。店舗スタッフが主役となり、お客様の思いに寄り添うことが大切。目の前のお客様に喜んでいただくことが大切。


社内にいる2人の息子は結構優秀なんですよ。でも、息子が経営したら社員が夢をなくします。サラリーマンは最後は経営者をやりたいと思うし、そのために会社に入ったんですから。僕は株主として優れた経営者を次も、その次も任命しなくちゃならない。そっちの方がよっぽど難しいですよ。


創業者は絶対に引退できないんですね。引退できないけど、迷惑をかけないことだけは気を付けないといけない。だから創業者は自分を引き継いでくれるチームと、そのリーダーを任命しないといけない。


継者候補には「自分のようにやると失敗する」と言っています。僕は創業者でCEO(最高経営責任者)だから人々が言うことを聞くんですよ。同じことを後継者が言ったら誰も聞かないですよね。歴史を全部知っている僕より強いことをやろうと思ったら、チームを作るしかないでしょう。


僕もも創業当時、お金がなかった時が一番厳しかった。45歳ぐらいまで貯金が1000万円しかなくて、借金が50億円。寝ている時以外はずっと考えるか仕事している。それくらい熱中しないと成功しないし、楽しかった。


成功したと思うこと、それがすなわちマンネリと保守化、形式化、慢心を生む源だ。


成功するためには計画を立てたら前準備をしっかりとやることです。わが社ではこれを前始末と呼んでいます。計画を立て、前準備やリスク管理、つまり前始末をしっかりやってはじめて成功できるのです。


事業とは地道なものだと思うし、地道なことをやっていくことが大切です。しかし地道だけでは駄目で、革新と挑戦もしなければいけません。常に挑戦する心がないと、地道だけでは絶対成功しない。


社会起業家でなければ大成功できないと思います。世の中のニーズに応え、喜んでいただきお金が儲かる。これほどおもしろいことはないと思います。資本主義イコール悪、大企業イコール悪、小さいことがいいというような風潮がありますが、小さかったら社会は変えられない。


今、社会貢献しようという人はNPOにいっていますが、そういう人ほどぜひ事業をやっていただきたい。NPOは民間非営利団体なので大きいことはなかなかできません。事業をやって成功する方が社会を変えられる。今は本当の意味で社会に貢献した人が賞賛される世の中になっていると思うし、そういう社会になるべきだと思います。


異業種の人のほうが、この業界の常識にとらわれずに、「なぜだろう」「どうしてだろう」と原理原則から取り組むことができる。同業種だと、「こうなっているのが当たり前」と見なして、無理・無駄の存在する現状を肯定しながら進もうとする。改革には現状否定が欠かせない。


情報を商品化するという、新しい業態に生まれ変わらなきゃいけない。インターネットを見たら世界中の情報が入ってきて、しかもそれは人工知能で全部分析できるという時代なので。


日本にいると日本が中心みたいに思うがそれは違う。グローバル化を考えたら、今やっていることが果たしてニューヨークや上海で通用するかということを考えないといけません。日本で一番といっても何の保障もない。世界中のあらゆる企業と競争して勝てなければ生き残れないのです。


よく頭のいい人は分析ばかりしていますが、なぜ駄目かなど分析ばかりしていても何も変わらない。それより飛び込んだほうがいい。飛び込みもせずに語るだけの人は評論家です。経営は実行あるのみだと思います。


経営はチームです。会社全体でやることです。一人では100メートル9秒台で走ることは難しい。しかしチームなら、それぞれ得意な分野を発揮すれば100メートル9秒台で走ることはそう難しくない。ゴルフのほうがよほど難しいです。


事業部や会社という小さい「公」と、全社という大きい「公」があるときは、大きい公である全社を優先してもらわないといけない。


世の中は凡人ばかりで、秀才や天才はほとんどいません。私は、「ピープルビジネス」と呼んでいますが、いかに一般の人たち、つまり、凡人がやっても成功するような仕事の仕方にしていくか。それが重要なのではないでしょうか。


一つひとつは小さなことだけれども、コツコツコツコツ改善していく。単純にオペレーションを回すだけではマンネリになりますが、改善して、いい方向に変えていく。日本人は、これが得意ですから、改善がイノベーションを生むと思っています。


お世辞なんか、部下は見抜いていますから、そんな「褒め」はムダです。本当にすごいなと思ったときに、「おまえ、これすごいな」と言ってあげる。本心から褒める。そうすると、言われた人も素直に喜び、その得意なことに磨きがかかります。


経営者は自分が仕事をするだけではなく、社員に仕事をしてもらわないといけない。そのためには、経営者は社員の何倍も質の高い仕事をする必要があります。


やはり「褒める」と「叱る」の両方ともやって、その人にいいダイレクション(指導)を与えて、自分で考えるようにもっていかないと、人は育成できない。


臨機応変に、どんなことが起きても、状況がよく分からない状態でも、そのときの最適解を自分で考えて指示できる人でなければ経営者にはなれません。


採用面接でも、みんな口では「これをやりたい」と言うのですが、本気でコミットしているかどうかは、一緒に働いてみるまで分からないというのが正直なところ。ただ、それでも自分のやりたいことを熱く語れる人、熱意のある人を採用します。


人は一緒に仕事をするまでは分からないものです。その人の基本的な考え方が私たちの会社に合うかどうか。その人がどのくらい本気で「やりたい」と思っているのか。


社員は上の人たちのことをよく見ていますよ。経営者自身が、自分では誰よりも仕事をしているつもりでも、社員から見たら全然やっていないように見えるもので、ごまかしはききません。


経営者は自分が仕事をするのは当然として、社員に仕事をしてもらわないといけない。社風とか、価値観とかを組織に根づかせるのも、経営者の仕事です。


服は着る人の組み合わせによって、その人の生き方や個性を表現するもの。魅力的で新しい商品を提案していけば、どんなに不景気の時代だって買ってくれる商品はある。


管理職の皆さんに言いたいのは、ひとつの分野のことだけではなく「全部」知ることです。たとえば生産の仕事をしている人も、経理の仕事を知る。経理の仕事をしていたら情報システムの仕事も知ろうとする。あるいは誰がどこでどんな仕事をしているのか、世界中の会社全体の動きを知る。そのためにはインターネットを使い、あるいは現地に飛んで一緒に仕事をすることも大事です。互いに仕事をより深く知ることによって信頼感と連帯感が生まれてくると思います。


勉強したいと思う源泉は、新しいもの、珍しいもの、自分とは違うものに対する好奇心です。


強みを活かしていくためには、自分の弱みを自覚し、どのようにして強みを伝えていけばよいのかを考えて口に出して表現し、実行することが最も大事だと思います。


社会のニーズがあるからこそ会社も成長できる。社会からあなたの会社は必要ですよと言われない限りは成長どころか存在すらできません。ですからその国に進出しようと思ったら、その国の社会の一員として社会貢献活動も同時にやる必要があると思っています。


僕が一番大事にしているのは「真・善・美」です。商売の利害といったものよりも人間の良識を大事にしたい。今あなたがやっていることは社会のお役に立っていますかと考えることが大事です。


いつも言っているのは、僕のようにしないことだ、ということ。僕のようにしたら絶対に失敗するし、カリスマは必要ない。


会社組織の中ではほとんどの人がリーダーであると同時にフォロワーです。優れたフォロワーシップのある人でないと人はついていかない。


組織はリーダーばかりでは成立しません。僕はリーダーシップとフォロワーシップの2つを持たないと真のリーダ-シップは発揮できないんじゃないかと思います。


入社した人は全員が現場に入り、そこで働く人、我々の製品を使う人がどういう意味を感じて使っているのか、市場がどういうふうになっているかを肌で感じることが大事です。


僕が重視しているのは、社員に世界の現実を知ってもらうことです。日々の業務において、目の前のことしか見えていない人が多いように思います。見えない世界に対する好奇心を持つこと、社会性や感情的なものをもっと大事にしないといけない。


日本人のダメなところは前もって準備しようとするところですね。はじめは失敗するかもしれないけれども、試行錯誤してこそ現場感覚や異文化を身につけられるのです。


経営や商売というのは、自分のなけなしの金で場末に店を出して、一生懸命考えることから始まる。誰も来ないとする。どうして誰も来ないんだろうと考える。店が暗いのか、他の店よりも価格が高いのか。試行錯誤して、お客さまに来てもらえるようになったとしても、何も買わずに出ていく人もいる。そのうち自分の手元のキャッシュが減っていき、胃が痛くなる。そういう経験をし続けない限り、MBAを取ろうが、コンサルティングをやろうが、商売人、経営者にはなれない。


アマゾンやゾゾタウンが出てきたり、アパレル分野に進出してくるスポーツ用品メーカーや、ハイファッションブランドなどとも競合しますしね。でも、そんな競争の中でも、自分たちのポジションをしっかり持っていれば勝てますし、それができれば世界中で勝てるということです。


(参考にしている異業種は)全部ですよ。トヨタも、米国のアマゾン、グーグル、アップルも、中国のアリババ、テンセントなどもそうです。それらを見本に勉強して組み合わせて、自分たちに合った新しい産業を作ろうとしています。お客様へメリットを提供でき、自分たちも改革ができるように、一緒に取り組めるパートナーを世界中で探していきます。


アマゾンもそうだと思いますが、基本的にECはGMS(総合スーパー)に似ており、そこまで恐れる必要はないと考えています。いろいろな商品を売っていますが、1つずつの商品を見るとそこまで品質が高いわけではありません。アマゾンがPB(プライベートブランド)を作っても、服だけに特化はできません。


よく「この仕事は自分に向いている」とか「向いてない」なんて言いますけど、仕事に向き不向きなんてないんじゃないですか? だって僕なんか商売に全然向いていない性格ですからね。内向的で、人に会うのも嫌いだし、仕事の後に会食もしません。いまだに夕方4時、5時には家に帰っています。そんな人間が世界を相手に商売しているんですからね(笑)。


日本にいると実感できにくいかもしれませんが、よその国では日分の国だけがビジネスのフィールドだなんて思っていません。どんどん海外に広げていっていますから。そういう人たちと競争しなきゃならないんです。勝てますか? 残念ながら、僕はもう負けていると思います。だって日本国内から飛び出そうとしない人たちが、「これからは世界が相手だ」と将来に向かって一所懸命努力している外国のビジネスマンと競争して勝てるわけない。


実家のある山口県・宇部市に戻ると、親父が経営していた「メンズショップ小郡商事」を任されました。でも、2年もしないうちに7人いた従業員が1人を残してみんな辞めてしまって。なぜかって? 僕がジャスコで聞きかじってきた経営理論を振りかざして、「ああでもない、こうでもない」と言ったからですよ。何もできないのに。当然、親父に叱られると思っていたら、何も言わなくてね。代わりに、店の通帳と実印を渡され「これからはお前が経営しろ。自分が元気なうちは、会社が潰れてもなんとかできる。店を潰すなら、俺が元気なうちにしろ」と。そう言われたら、逃げられないですよね。それで、僕はもうこの仕事で生きていこうと決意したんです。それからですよ、悪戦苦闘の修行時代が始まったのは。


日本人の悪いところと感じたのが、最初にやろうとしないこと。節電や自粛でも、義援金、寄付行為でも、最初に手を挙げようとしない。誰かがやった後で、それに合わせて行動を起こす。寄付金の金額さえ横並びにしようとする。横並びで対処する時代は終わったんです。これからは、自分の頭で考え、自分で判断したことを自分自身で実行する。最初に手を挙げることが重要になる。


サービス残業をする店長は、往々にして会社に尽くしている気持ちでいる。しかし、それは完全な錯覚。店長がサービス残業をしたら、部下だってやらざるを得ない。それは他人の時間と給料を奪っているのと同じこと。そして、サービス残業を全員にやらせているような会社は、社会に存在する意味はない。労働者の権利を無視しているのだから。


父から洋服屋を引き継ぎ、一人で仕入れ・販売・経理とやった。苦労の連続でしたが、毎日苦労をしていて、問題を克服していくので、楽しくなる。もう苦労が普通だと思えたら、これほど楽しいことはない。課題とか問題を発見できることは、チャンスを発見できるということと一緒。楽しいし、達成したら、次が見えてくる。で、その次、次、次とやっていたら、今日の姿になった。


もう最終的にはどうなるかといえば、お客様が工場に注文して、工場ですぐ作って、自分の欲しいものがすぐ手に入ると。そういう世界になって、もう時間と距離がなくなるということだと思います。そのときに、商品を選んでもらう前に、企業とかブランドを選んでもらうということなので、グローバルブランド以外に生き残れなくなる。


僕は(ユニクロを始めた)当時、金鉱を発見したと思ったんです。米国でGAPなどが、欧州ではZARA、H&Mが出てきていました。ひょっとしたら、僕らも日本でそういうことができるんじゃないか、と思っていて、彼らの事業モデルを勉強していました。コピーするんじゃなくて、それを超えるためにどういうふうにしたらいいのかを考えてきました。独自のポジションを取るために、何をやったらいいのか、と。


今後は現場から経営陣まで、全部自分で判断するようにしないと。その判断をサポートするためのデジタル化なんです。労働者のつもりで働いていたら、いつまでたっても成果は上がらない。一人ひとりが経営者として働き、その成果に対しては正当なお金を払うということですよ。経営の王道は昔から何も変わっていません。古今東西、原理原則はどこも一緒ですよ。自分が大事なメンバーの一員だという自覚を持ってもらって、誇りを持って仕事をしてもらいたいのです。


他社のEC(ネット通販)への商品供給は中国のタオバオだけで、あとは全部断っています。我々のビジネスはECと伝統的なリアル店舗がシームレスでつながったものになると考えています。他社の提供するプラットフォームに商品を出すと、「その他大勢」になります。自分たちでやらない限り、最終的な勝者にはなれません。


検索エンジンで検索される言葉は、服関連が一番多いらしいです。情報が欲しいからでしょう。物を買うときには、インターネットで情報を集め、友達に聞いたり、店舗に行ったりして確かめます。商品を買った後も、その情報をお客様同士でSNS(交流サイト)などでシェアし、発信する。アパレルは商品と情報が一緒に流通しないとうまくいかない業態になっています。


商売を始めて以来、今ほどエキサイティングな時期はありません。日本や欧米は成熟市場ですが、アジアはこれから伸びていきます。約40億人が住んでおり、その半分くらいがもうすぐ中産階級になると予測しています。中国からインド、東南アジアを含めてすごく大きな市場が誕生するわけです。これはチャンスですね。この市場の人たちは、新しい服とその情報に飢えていると思います。


顧客の要望に応え、顧客を創造するということが、アパレル業界はできていません。残念ながら、ほとんど作る側の思い込みでした。反対にお客様は「生活に必要な道具としての服」という感覚になっている。だから業界とお客様の感覚が根本的にずれ、要望に添った商品を開発してきませんでした。我々はずっと、要望に応えることを考えてきたので、今こそ世界中で伸びていけると思っています。


次世代を担う若者たちに言いたいのは、世界は広いよ、ということ。世界に出て自分でやってみて、日本に帰ってきて欲しい。今の若者は異文化への耐久力がなさすぎます。海外に行ったら「阿吽の呼吸」は通用しません。いい意味の緊張感を持たないといけないと思います。


工場でも、一朝一夕に良い商品ができることはありません。当社は中国の工場と20年、30年と付き合ってきました。最近、当社と取引のある会社が香港市場に上場しましたが、彼らはアパレル縫製業で世界一です。デジタルになればなるほど、そうした人的なつながりが必要になると思います。我々が中国で成功したのは人的関係があったからこそです。デジタルの世界でも信頼を得て、そうした人間関係に入らないと絶対にうまくいきません。


東日本大震災後、私が指示したのは、「表の看板に明かりをつけよ。お客様を笑顔と元気な声でお迎えしろ」ということでした。看板に電気を回した分はバックオフィスの電気、従業員用トイレの照明などを消し、店内照明を抑制することで対処した。本社の照明も、かなり暗くしている。我々社員は暗いところで仕事をしてもいい。しかし、お客様には明るい店舗で商品を選んでいただく。それが商売人の気概でしょう。それが商売人がすべき節電です。こういう時こそ、看板の明かりを灯し、元気な声と笑顔で温かくお客様を迎える。景気は気持ちの問題も大きい。元気にしていれば気分も景気も自然と上向いていく。


日本人同士なら感覚で伝わることも、向こうへ行ったら、具体的に内容を説明しないと伝わらない。しかも、1度の説明でなく、何度も何度も繰り返し説得しないといけない。それをやることが店長の力です。そして、どこの国に赴任しても、部下に対しては思いやりを持つ。働いている人はそれぞれの立場があると知り、一人ひとりのモチベーションを理解してやらなくてはならない。海外で店長をやることは、自らを鍛える格好の機会になるはずです。そして、こうした海外での経験は、企業としての力を増すことにもつながる。


いったん海外に出ていくと、日本にいる時と全く違う環境が待っています。日本ではユニクロと名乗るだけで、ひょっとしたら商品が売れるかもしれない。しかし、海外ではそういうことはあり得ない。ゼロから自分の力を試される。けれども、そういった未体験の環境で、店長として活躍することができれば、その人にとっては大きなキャリアになる。日本のスタイルを単純に持ち込むのではなく、自分の頭で判断して、現地の店長になってほしい。


私自身、大学を出た後、父親のやっていた山口・宇部の紳士服店の店長をやりました。接客、人の採用、クレーム対応、資金繰りと、何から何まで経験しました。例えば、お客様に販売したパンツの裾上げも、他に人がいなければ店長がやるしかない。それが商売の現実ってものです。ユニクロの前身にあたる紳士服店は全くの零細企業だったから、私の仕事は社長と店長と雑用係を兼ねているようなものだった。何でも自分でやらなくてはならなかった。でも、レジを打って、パンツの裾上げを経験することで、現場で働いている人たちの気持ちを知ることができる。それはとても大事なことです。


私はよく言うのですが、店長は経営者の分身です。店長たる者、自らを経営者だと自覚して仕事に取り組むべし。そして、経営者への第一歩を踏み出したいと思うなら、なるべく早く自分で手を挙げて店長、すなわち販売現場のリーダーになることです。まあ、世の中には「うちは店長になるのに少なくとも10年は必要だ」という会社もあるかもしれない。無論、「一流の店長」になるにはそれくらいの時間はいるでしょう。しかし、最低限のことを理解し、実行するには半年ないしは1年もあればいいんじゃないですか。とにかく早く店長になって、店長という職を通して研鑽を積む。スタートラインに立つのは早ければ早い方がいい。


お客様を見ないで、本部を向いている店長は、店のことよりも自分自身の職位や出世に関心があるから、本部の覚えがめでたい人間になろうと思っている。どこの会社にも必ずそういう現場リーダーはいるでしょう。しかし、本部を向いて、上司から褒められたとしても、売り上げが上がることはありません。店は常に、お客様のために存在するものだから。


私は店長の仕事で、一番大切なのは部下に作業を割り当てることだと思っている。誰にどういった仕事を任せて、どういう成果を出させるか。本人に仕事のゴールをちゃんと自覚させているのか。そういったことを勘案して、1日あるいは1か月の仕事を割り振っていく。作業を割り当てるには、働く人の生活や立場を考えてあげなくてはいけない。例えば、従業員が小さな子供のいるお母さんなら、早く終わって家に帰れるようなシフトを組む。出社してきた従業員の顔を見て、体調が良くないようだったら、早退させて、他の人に仕事を割り振る。それが店長の役目でしょう。


店長は働いている人すべての生活や、その人にとってのメリットを考えてあげなくてはならない。大学を出て店長という役職を得て、すぐに権力を使ってやろうという人は傲慢そのものだと思う。「おまえのことはいつでもクビにできるんだぞ」といった素振りを見せる。そんな人間は最悪でしょう。店長は謙虚でなくてはならない。従業員には年上の人も多い。社員、アルバイト、パートを問わず、ちゃんと「さん」付けで呼ぶのは当然のことです。謙虚な人でないと、店舗運営はできません。


ダメな店長の典型は社会経験がない割に、指導ばかりに熱を入れる人。熱心なことは悪くありません。問題は、自分の思いや理想を部下に押しつけすぎてしまうことです。「私はこうやりたい」「オレはこんな店にしたい」ということばかりを主張し、従業員の立場やモチベーションを思いやろうとしない。我々のような小売りの会社で働いている従業員には、アルバイトやパートの人が多い。空いている時間を利用して家計を助けようと思っている主婦、放課後や講義の合間に働く学生など、様々な人たちがいて、正社員とはそもそもモチベーションが異なっている。それなのに、「熱心な」店長は全員が自分と同じ使命感を持っていると思い込む。それは錯覚です。


表現が難しいですが、私はオーナー経営以外、経営じゃないと思っています。なぜかといったら、創業者精神がない会社はつぶれるんです。会社というのは毎日が創業。創業精神がない会社で、サラリーマンとして無難に過ごしていたら、会社はつぶれて当然です。会社は危機の連続です。だから創業者が、あるいは創業者以外のサラリーマンでもいいけど、創業者精神を持った経営者でないと危機を乗り越えられないと思います。


将来的にはもうすべての産業が情報産業になる。我々の世界も小売業や繊維業をウォッチングしていればいいのではなく、IT企業など、思わぬところから強敵が現れるようになったということ。デジタル化で人々の購買行動が大きく変化してきた。そうした中で、我々のような服を提供するアパレル製造小売業も、産業の際を越え、今までにない新しい産業へ転換することが求められるようになった。


ケンタッキーフライドチキンもマクドナルドも、創業者は50歳を越えて創業した。年齢に関係ないんです。何歳でも、今日思い立った日が最良の日。それで自分の事業をやって、その志をずっと続けられるかどうかが問題。ドラッカーが言っているんですが、50歳過ぎて、あなたが何者でもなかったというふうに記憶されるようになったら、あなたの人生は最悪ですよと。


僕から言わせると勉強不足ですね。好奇心が足りない。世の中はもうこんなに変わっていて、さらにこれからもめちゃくちゃ変わりますからね。そうした大きな変化の中で、自分がそれを全部、取ってやろうと思わないといけない。どんな立場の人間だって、その変化を取れるんですよ。そういうことに好奇心を持って、自分なりに「こうしたらどうか」という提案とかリーダーシップを出していかないといけない。そこに国籍、性別、年齢は関係ない。


服を作る際も、情報が重要です。何を作ったらいいのか、過去の販売データやこれからの販売計画、顧客の動向、世の中のライフスタイルの変化など、それらを全部、情報として商品に反映する。うちだけじゃなく、あらゆる産業がそうですよ。我々は服をやっているので、企画、製造、販売、物流まで、情報を中心に一気通貫する。それを速く、うまく、コミュニケーションしながらできるような、新しい産業を作っていきたいんです。究極的には、「お客様のために商売をする」という、原点に戻るんじゃないでしょうか。


柳井正の経歴・略歴

柳井正、やない・ただし。日本の経営者。カジュアル衣料のユニクロを展開する「ファーストリテイリング」社長・会長。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、父が経営する小郡商事(のちのファーストリテイリング)に入社。父から経営を引き継ぎ、同社を大きく成長させた。

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