松本大の名言

松本大のプロフィール

松本大、まつもと・おおき。日本の経営者。「マネックス証券」創業者。埼玉県出身。東京大学法学部卒業後、ソロモンブラザース勤務、ゴールドマンサックス最年少ゼネラル・パートナーを経てマネックス証券を設立。アメリカのビジネス雑誌『フォーチュン』で次世代を担う若手経営者25人に選ばれた。

松本大の名言 一覧

お客様にマネックスで口座を開設しようと思っていただけたのは、ひとえに我々自身がお客様の感覚を持っていたから。私たちの提供してきた革新的な商品、サービスは、お客様の「こうなれば便利なのに。なんでできないの?」という素朴な疑問から生まれたもの。


マネックスは、ソニーと私の出資によってできたウルトラベンチャーで、既存の証券会社が作ったという背景ではありません。だからこそ業界の常識に縛られず、「お客様にあったほうが良いサービス」を考えられたんです。


自分に経験や知恵、スキルが足りなければ、他人から借りればいい。


将来、お金が足りない状態にならないための究極の備えは、自分の力をつけることに尽きる。


より大きな成果を上げるためには、周囲の協力が欠かせません。私は人脈を広げるために、お金を相当つぎ込みました。


大事なのは、世の中の大きなトレンドを見逃さないこと。


最初から投資で稼ごうと考えるより、まずは自分を磨くことから入ったほうが、お金との付き合いはうまくいくはず。


フィードバックを得て、間違えたら、それを修正する。そのサイクルを早めるために「すぐやる」ことが大事。


順調に見える事業でも、リスクをとって変える決断をしなければいけない場面がある。それを判断し、決断するのがマネジメントする側の役目。


結果を出すには過去の成功にとらわれず、未来だけを考えて決断することが大事。


自分を卑下する必要はありませんが、誇張してもいけない。等身大の自分をさらけ出して話すことが大事。


ダメもとじゃダメ。絶対にわかってもらうんだという強い気持ちで話さないと、何も伝わらないし、わかってもらえない。


経営者によっては、一人で沈思黙考する時間をもつ人もいるが、私の場合、一人で考え込む時間はまずない。人と話すほうが考えがまとまるし、新しい考えも出てくるというタイプだ。


私はニュースを決して鵜呑みにしない。ニュースの裏側にある情報ソース、考え方について探ろうというスタンスを長年とっている。


僕の中には金融をやる以上は、金融の中心である米国の知識やサービスを取り込んでいくべきという思いがありました。米国でビジネスをし、その刺激を日本へフィードバックしていくことで、サービスはもっと良くなるはずです。


新しいことに挑戦したい気持ちが、現状への満足感を上回ったから決断できた。そして、起業後もチャレンジを繰り返してきたから、何とかここまでやってこられた。


私は11歳の時に兄を亡くしています。兄は当時15歳。まだ生きたかったのに、人生から降ろされてしまった。それ以来、与えられた命をムダにせず、精いっぱい生きようと思うようになりました。


あぶく銭を手にしていたら、遊んでしまっていたでしょう。自分の手で会社を築いた今、努力して得たお金はムダ遣いしないと確信しています。


結局、会社って思うようにはならないでしょう。社員もお客様も思うようにはならない。理不尽な場合もある。でも、そんなものじゃないですか。


話す立場では伝わるまで何度でも繰り返す。聞く立場では分かったふりをしない。この2つが英語のコミュニケーション力を高める秘訣。恥ずかしいという気持ちは忘れて実践してみてください。


お金にうまく働いてもらうということは、有望な投資先に資金を投じるということ。


大切なのは儲かった取引、損した取引でもあっても、必ずその「理由」を考えること。やったことの意味を振り返ることで、投資に対する感覚も研ぎ澄まされる。


日本語でロジカルに説明できない人は、英語もうまく使えないことが多い。


リーダーになろうという思いがあるならば、判断、決断が求められる。そして判断、決断の精度を上げていくためには、回数を増やすしかない。


決断の5割もうまくいかないなら、その人はマネジメントをしてはいけない。すぐにマネジメントする側から退くべき。


その日のうちにできる仕事はすぐやっておかないと、業務は溜まる一方です。決断すべきこと、処理できる案件にはすぐに手をつけないといけない。


僕自身は、仕事を「すぐやろう」と意識したことはないんです。すぐやる理由は単純で、そうしないと日々の仕事があふれてしまうから。


仕事に面白味を感じられるかどうかは、自分から楽しもうとしているかどうかの差でしょう。


ビジネスでも何でも、成功するために一番大切なことは継続することです。そのためには、とにかく気持ちをくじけさせないのがポイントです。


好きな仕事を探すより、目の前の仕事を好きになるほうがずっと簡単で現実的だと思います。「自分の好きな仕事は何だろう?」といくら考えてもわからないし、仮に「これだ」と思っても、それが実現できる保証はありませんから。


近所の神社のお守りつを常に持ち歩いています。自分は小さい存在だということを忘れないように、毎朝、神棚に手を合わせています。


ストレスがないようにするには「為せば成る」「成るようにしか成らない」という言葉を、うまく使い分けることです。基本的には、どんな仕事も「為せば成る」と思って最大限の努力をします。しかし、それでもすべてがうまくいくとは限りません。ビジネスには運がつきものですし、どんなに頑張っても無理だというケースもあるわけです。


やる気を刺激するものが何かあれば、人間はいつも以上の力を出すものです。


人間の能力や時間が有限であるのと同じように、モチベーションや好奇心といった感情にも限りがあります。ビジネスは総力戦でやっても勝てるかどうかわからないのに、限りある自分のモチベーションや好奇心をほかのものに向けていては勝てるはずがありません。それに気がついてからは、気持ちをビジネスに集中できるようになりましたし、やる気や好奇心が下がることもほとんどなくなりました。


やる気の源は、誇りを持てる生き方をしたいという気持ちです。


やらなくてはいけない仕事のリストをいつも持っていて、アポが急にキャンセルされたときや、時間ができたときに一気にそれを片付けます。


座右の銘は「為せば成る」と「成るようにしか成らない」です。状況に応じて使い分け、自分を元気づけています。


やる気や好奇心次第で、仕事のパフォーマンスというのはまったく変わってきます。たとえば、50人の人に同じ雑誌を渡して、「この中に「脱帽」という言葉が一か所だけ使われています。それを探してください」といっても、おそらくなかなか見つけられないはずです。しかし、「一番早く見つけた人に50万円を上げる」といえば、1、2分で誰かがあっさり見つけてしまう。この場合はお金がモチベーションですが、別のものでも同じことです。


「為せば成る」という考えに固執していると、自信を失ったり、自分自身を大きく落ち込ませたりして、それができなくなってしまいます。だから壁にぶつかってしまったときは、「成るようにしか成らない」と考えて、いい意味で開き直る。失敗したときや壁にぶつかったときに、モチベーションを落とさないひとつの方法ですね。


自分の足元の仕事をバリバリやっていると、それは誰かが絶対に見ていて、「おっ、そこまでできるか。じゃあ次はこれをやってみろ」と次のレベルの仕事をくれるんです。そしてまたその仕事をこなすと、もうひとつ上のレベルの仕事が来る。それを繰り返しているうちに、どんどんいろんなことが見えるようになって、仕事も楽しくなっていくものなんです。


他人の仕事をうらやましがるのは、羊が隣の牧草地を見てうらやましがるようなものだと思うんです。たしかに、隣の牧草地に比べれば草が少ないかもしれない。でも、自分の足元を見れば、そこには食べきれないくらいの草が生えているものです。それを食べきらないうちから、隣の牧草地を見ているのはおかしいですよね。


ソロモン・ブラザーズに入社して最初に与えられたのは、債券先物市場などのマーケティング業務でした。朝6時に出社して、前日のニューヨーク市場での値動きをチェックし、8時から始まるミーティング資料を作成。それ以降は経済統計の内容をレポートにまとめてセールス担当者に渡す、といったことを日々くりかえしていました。地味な仕事で、先輩や同僚の中には愚痴をこぼしている人もいましたが、僕は「隣の芝生は青いと腐っていたらダメだ。まずは自分の足元の草から食べないと」と思っていました。


落語家の桂枝雀さんが、寄席に来たお客さんを前にして、こう言っているのを聞きました。「これから私が面白いことを話すと思って待っているでしょ?違うんです。落語は面白いから笑うんじゃなく、笑うから面白いんです。さ、笑ってください」と。これは何事にも当てはまるんじゃないでしょうか。ダンスだって、楽しいから踊るのではなく、踊るから楽しくなってくるのです。


マネックス証券を立ち上げ、国際会議などにも顔を出すようになると、科学者や宗教家など、さまざまな分野の人たちと交流する機会が増えました。そういう人たちは、ビジネスマンとは使う単語も表現も違うので、最初はなかなか意思疎通ができない。自分の英語がいかに貧弱かを痛感させられましたが、だんだんと彼らの英語が僕の頭の中にも入ってきて、結果的にはそれが、英語力に厚みを増してくれたのです。


100のことを7割伝えても、ビジネスにはなりません。求められているのは、70のことを10割伝えられる英語力です。ここを勘違いしていると、いつまでたってもビジネス英語はモノにならないといっていいでしょう。


コミュニケーションに王道はありません。メールもブログも一番大切なのはどう書くかではなく、継続することです。年一回、月一回なら格好も付けられます。しかし、毎日書いていると嘘はすぐにばれます。逆に言えば、地道に継続することが読み手との信頼関係を築き、コミュニケーションの橋を架ける一番の方法です。


信頼関係によって、同じことを書いても受け止め方が違って来ます。どんなにメールでこちらの想いを伝えようが、叱咤激励しようが、空振りに終わってしまうし、何のフィードバックもありません。


マネックス証券と日興ビーンズ証券が合併したときを契機に毎日、派遣社員を含めた全社員向けのメールを書くようになりました。全社員向けのメールには、会社の理念や業務目標、数値目標などを定めたロードマップの一文を入れることがあります。人は忘れやすい。だから社員向けのメールで時折、反復する。社長からメールが来れば毎日ではなくても、たまに読んでくれます。そうやって徐々にしみこめばいいのです。


メールやブログを書くときに意識しているのは、読み手は誰かということ。読み手を想定することで、言葉使いにしても、話題の選択にしても、自ずと決まってきます。


一番重要なのは本当にやりたいことなのかということで、自分の人生観とかそんな偉そうなことを言う気はありませんが、「やんなきゃいけないんだ、自分がこれやるんだ!」という使命感があるのかどうか、そこがすごく重要だと私は思っています。


狭い業界の中でとにかく勝ちたい、そういうことは短期的な理由で先に誰かにいかれちゃうこともあるわけで、そういう時にそれを目標にしておくと、 それができないだけですごいショックを受けて動揺してしまう。私の場合、「競争相手はどこですか?」って聞かれたら「郵便局です」と答えていますが、「そ れはさすがにないでしょう」と言われたら「じゃあ、野村証券」と。こういう風に言っていると案外気が楽で、そんな理由で理念は遠いところにおいてい ます。


自らの力の向上に関して努力していなかったら論外だと思いますが多くの人は「自分にチャンスが巡ってこない」とか、「あの人のほうがいい部署に いる」とか、「先輩のほうがいい時代だった」とか「自分のところには良い球が飛んでこない」と思いがちです。そんなときにやる気を失ったり必死に努 力するのを止めてしまったりしがちですね。私が思うには野球みたいなもので好球は必ず来ると。それに備えて常に素振りをしっかりやっていれば好球 が来たときにちゃんと打ち返せる。そういう考え方をするといいんじゃないかと思いますけど。


変化するほう、新しく行くほうにしましょう。どっちでもいいんだったらね、残る方を選んだらつまらないじゃないですか。まあ、かなり適当な性格なんで(笑)。性格が適当なので,「成せば成る」と「成るようにしか成らない」のどちらか都合の良いほうをその時々で座右の銘にしてしまっている感じです。我々の目標なんですけれども、『郵便局に代わる国民的金融機関』を作りたい。


単行本はめったに読まないんです。雑誌は大好きで,見出しだけをチェックするのが一番好きです。雑誌の多い本屋さんへ行ってバーッと見るんですけ どね。中吊りとか新聞の下のほうのもよく見ますね。週刊ポスト・現代・新潮・文春のうち毎週,2冊ぐらい目を通します。書籍を読むとしたら古今和歌集のよう な古典、小説なら谷崎潤一郎や永井荷風が好きですね。いわゆるビジネス書は生まれてこの方、読んだことがないですね。エコノミストが書いたものは基本的に は余り当てにならないと思っています。ただ,ビジネスマンが書いたものは経験に基づいていて勉強になりますが、一番読みたい失敗談を書くビジネスマンはほ とんどいませんよね。


90年代に入って日本経済のバランスシートはむちゃくちゃに膨張していました。これは必ずバランスシートを小さくする力が起きる。端的に言って、 日本の個人資産は9割が銀行預金で株式投資は1割。株式投資をやっている人数はたった3%でした。アメリカは株式と預金、保険が半々、個人投資家は全体の 35%です。この状態が続くわけがないから、必ず日本の個人資産も株式に流れるはず。仮に5%が動いても、1400兆円の中の70兆円です。そこに低コス トのサービスを出してシェアを取ればビジネスは成立すると思いました。


マネックスやるのが好きだからなんです。ビジネスとしても、シチズン(市民)としても、個人としてもなので、その中でお酒を飲もうが、あまり寝ないでいよ うが、ストレスが低い。人間、ストレスがなければ、持って生まれた免疫システムっていうのがちゃんと動いてくれますから。そうすると健康なんですよ。


中国はこの10年から15年の間に、毎年5万人の大学生、優秀な人間5万人を留学させているんです。毎年5万人。5万人が海外に出るんですが、い ずれ中国に帰ってくるわけです。すると、彼らは40歳ぐらいでアメリカのやり方に精通していて、アメリカの政府とかにも友だちもいる。そんな彼らのほとん どは、新しい中国のためにがんばって、働いているんです。すごいパワーなんです。ところが、日本にはそういうのはないわけです。


(自社内で)留学制度をやらにゃと思っています。全国的にやるのは大変なんですけど。そうそう、僕自身は留学経験、ないんですよ。19歳まで本州すら出 たことがなかったんですよ、旅行も含めて。19歳で四国に行って阿波踊りを踊り、20歳で初めて海外旅行して、って感じなんですけどね。


郵便貯金にお金を入れておくのはね、安全じゃないとは言わないけれど、国のためにならないと思うんです。日本は、資産が700兆円で、負債が 1,500兆円。1年間の収入は40兆円、歳出は80兆円あるんですね。で、郵便局に貯金するとか国債を買うってことは、そこにお金を貸すということです よね。700万円の資産を持っていて、1,500万円の借金があって、月収40万円しかないのに毎月80万円使っちゃってる人にお金貸しますか? 貸さな いですよね。ましてやその人が、自分の親だとか、自分にとって大切な人だったら、貸したくなるけど貸しちゃいけないんですよ。そうじゃなくて、それじゃお かしいから治しましょうと、ね。ちゃんと病気を治して、生活も正しましょう。それでちゃんと一緒にやって行きましょうとするのが本来の姿なんですね。


そこまでして創ったから大切なのではなくて、マネックスで頑張れば自分の人生がちゃんと充足できるように創ったから、僕はマネックスという会社が 大切なんです。要は僕が持っている、ビジネスマンとしてのものとか、一市民としての思いとか、ミッション、使命感とか、いろんなものがあるじゃないです か。それを全部まとめてマネックスに表現したつもりなんです。プライベートでも、あるいは市民としても、あるいは経営者としても、ビジネスマンとしても、 一市民としても、個人としても、マネックスにすべてエネルギーを費やすことで、たとえ1日20時間働こうが、何しようが、満足できるように、会社をデザイ ンしたんです。だから、大切というか、もう、マネックスが「僕」なんです。


僕が好きな、こう言われるとうれしい、という言葉があるんです。”Man of Principle(=信念の人)”。「お前は”Man of Principle”だからな」と言われるとうれしくて。「そうなんだよ」って。(笑)。だからあまり悩まなかったですね。決めちゃった後は、もう目指す だけなので。しかも口に出して、言っちゃったから。会社とかに対してはっきり言っちゃうともうかっこ悪くて「戻る」なんていう選択肢はあり得ない。もう背 水の陣みたいなもので、退路を断ったら、橋を壊したら行くしかないんですよね。


(ゴールドマンサックスをやめた時)ゴールドマンのパートナーがいったいどんなポジションかを知っている人からは、「お前はinsane(=狂人)か!」って言われました。”insane”という言葉を使ってきたんですよ。それで、「信じられない!」と言って。同僚のパートナーもそうでしたね。


(ゴールドマンサックスを)辞める時の思い? あれはですね、きわめてつらい決断でした(笑)。パートナーで、そのポジションは、世界的大企業の中でもかなりのものでした。 パートナーというのは所有者でもあり、普通の会社の役員とかに比べても、ちょっと違っていて、ジョブセキュリティみたいなものは高いんです。力もあるし。 あとは、「日本人」で「若い」という、稀少価値もあって、ゴールドマンでは、順風満帆とは言わないまでも、かなりいい位置にいたんですね。インテレクシュ アル(intellectual:理知的)な面でも、そういうところでしっかりと、やりたいことをやっていけるというのは、とてもすばらしいことだし。そ れに加えて(笑)、半年後には株式公開することがわかっていたんですが。


キツイ練習を重ねるから、体が動きを覚え込み、イザというときも条件反射で体が反応するんです。その分、戦略をじっくり考える余裕も生まれます。シャラポワがいちいち考えながらボールを打っているはずないでしょう。何度も練習を繰り返し、迷うことなく打ってるはずです。


チームが少人数でしたから、このやり方が有効だったんですよ。当時、若手のメンバーが通りかかると、見込みのあるヤツには『ムリしてっか?』と声 をかけていました(笑)。現代のスポーツ医学では間違っているのかもしれませんが、『筋力トレーニングは、辛くなってからの分が効く』と言われていたじゃ ないですか。実際、私もそうやってきたし、彼らにもムリをさせないと、成長できないと思ったのです


一部上場を機に、大勢の方からお祝いのお言葉を頂戴致しました。その中で、『初心忘るべからず』というメッセージを、何人かの特に親しい方々から 頂きました。まさにその通りだと思います。これからも初心を決して忘れないで、お客様のために、株主の方々のために、そして資本市場のために、邁進して参 る決意ですので、今後とも宜しくお願い致します。


一部の特別な資産家にではなく、広く一般の個人にとって最良な金融サービスをご提供したい。自分たちがほしいと思えるような金融商品こそ、自分た ちの手で作り皆さまに活用していただきたい。その思いから、私たちは全社員がお客さまひとりひとりと同じ視点に立ち、うそ偽りないまっすぐな態度で接する ことを大切にしてきました。それはこれからも揺らぐことはありません。


人生の選択肢ってそんなにあるわけじゃないんです。だったら好きなことん探すよりも、やっていることを好きになって没頭するほうがはるかに幸せじゃないかと思うようになって。一番いけないのは、もう、いい球は行っちゃったから来ないと思ってしまうことです。そうじゃない。またいつか必ず来るんです。


プレゼンテーションの際に重要なのは誰を説得するのかということです。例えば20人が出席している会議であっても、その中の意思決定権を持つ人が いた場合、その人に向かってプレゼンをする。たった1人説得すれば成功という場合に、そこに出席する全員に向けてプレゼンする必要はないわけです。


プレゼンテーションは、スライドが美しいから伝わりやすいとは限らない。汚くても伝わる場合もあるでしょうし、キレイで伝わらないこともある。いかに効果を上げるかが、プレゼンにとっては重要です。プレゼンは、情報を相手に伝えるもの。相手を説得するために、何が必要かを常に考えなければいけないでしょう。


秘策ですか? 何もしないのが作戦でした(笑)


どんな仕事であっても、プロの仕事と言うのはこうあるべきでしょう。仕事はやる以上は、決して好き嫌いどころか、濃淡さえも付けるべきではありません。それができなくなった瞬間に、プロの仕事ではなくなります。


(ゴールドマンサックスを)辞めない理由はもう2億個くらい(笑)数えられないぐらいあったんですよ。一方で、社会環境とか、自分のやってきた金融という仕事とかを考える と、自分はキャピタルマーケットの中で育ってきた。そこで力もついて、認められて成長したと感じていたんですね。一金融人として今やらなければならない、と思ったことがあるわけですよ。でも、新しく始めるほうは何の約束もない。うまくいくかどうかはわからない、あるのは道だけ。利益を考慮したら決まらな い。じゃ、変化するほう、新しく行くほうにしましょうと。どっちでもいいんだったらね、残る方を選んだらつまらないじゃないですか。


最も重要なのは「絶対にわかってもらいたい」という姿勢なのだと思います。


絶対にわかってもらおうと思って話しても、わかってもらえないものなのに、ダメモトで話してわかってもらえるわけがないじゃないか。わかってもらえないから諦めるのではなく、わかってもらえないからこそ、わかってもらうための努力をもっとしなければならないのです。


相手がまったく興味のない話に、テクニックでどうにかして興味を持たせることは、かなり難しいと思います。まずは相手が興味のある話をして、その話をする自分という人間に対して興味を持ってもらってから、本当に話したいことを話すしかないのではないでしょうか。


十年ほど前に、ある有名なコンサルティング会社での講演を頼まれたことがあります。役員から新人まで、たしか約60人ものコンサルタントに向かって、なんでもいいから話をしてほしいということでした。これには困りました。みんな優秀な人たちですし、経験も豊富。新人は、経験は少ないとはいえ、かなりの勉強をしているでしょう。どんな話をすれば、彼らは耳を傾けてくれるのか? そこで私は、演台に立って最初に「どんな話が聞きたいですか?」と質問をすることにしました。そして、20ほど出てきた質問をいくつかのグループにまとめて、そのそれぞれについて話したのです。これは少しズルい方法かもしれませんが、満足していただける講演になったのではないかと思います。


私は、講演をするときはいつも、「どういう人が来るのですか?」と確認をしています。聴衆が好むテイストや興味、関心に、自分の話し方を合わせるためです。雑誌の取材でも、どういう人が読んでいるのかを確認してから話すようにしています。


話し手は、相手に合わせて話をしなければなりません。そのためには、よく観察することです。たとえば、何かを説明するとしましょう。そのとき、相手がよく知っている部分を丁寧に説明しても、退屈するだけで、興味を失ってしまいます。また、まったく知らないことを延々と話しても、興味を持ちにくいでしょう。イライラしてしまうかもしれません。観察をしながら話して、興味がなさそうに見えたら、そのときに話している部分は早く切り上げるべきです。相手に合わせて、話し方を軌道修正していくのです。


話をするときには、相手にある行動をしてもらいたいという目的があるはずです。行動するのは相手。ですから、話をするときの主役は、話し手ではなく、相手なのです。


後継者の条件はイエスマンじゃないことです。どれだけ優秀でも、私の言うことを何でも聞き入れる人では、会社は成長しません。時には噛みついてくるくらいの人がいい。


私も多くの人と同じように、仕事がうまくいかなかった時は気持ちが沈むことがある。そんな時は、自分のいいところを教えてくれたり、褒めてくれたりする人と食事をするようにしています。つき合いの長い気心の知れた友人と一緒にいると、沈んでいた気持ちが上向きます。逆に、弱っている友人がいれば、私がエネルギーを与えたいと思っています。


新入社員時代からずっと重視しているのは、「働く環境作り」です。仕事に必要な能力は、人によってさほど変わらないと私は思う。ならば、長く働いた方が大きな成果を上げられる。そう考え、会社の近くに1Kのアパートを借りました。場所が高級住宅地の東京・東麻布だったので、家賃は月13万~14万円と高かった。ですが、通勤時間が短い分、誰よりも早く会社に着くことができ、誰よりも遅くまで会社にいて働けます。働く時間を長くするための投資と考えて、高い家賃を支払い続けたのです。


ビジネスパーソンは、預金通帳に記載された金額を見て残高をいちいち気にするのではなく、仕事の生産性を上げられるなど「自分の価値を高める」ために、お金を積極的に使うべきです。逆説的に聞こえるかもしれませんが、それが蓄えるためのコツです。


私は、中学英語くらいの知識がある人なら、十分英語で仕事ができると思っています。それどころか、ビジネスの場で複雑な表現はあまり使わないほうが無難です。誤解を招きやすいからです。中学生レベルの簡単な表現を使ったほうが、間違いがないとすら思っています。


英会話上達のポイントは、上手に話そうとしないことです。「きれいな発音で」とか「正しい文法で」などと考えていると、話せなくなってしまいます。カタカナ英語でも、文法を多少間違えても、LとRの区別があいまいでも、臆せずに話しましょう。すると、だんだん英語に慣れてきて、表現が頭に浮かぶようになります。カタカナ英語でも通じることがわかれば、自信もつくでしょう。実際、カタカナ英語でも意外と通じてしまうものなのです。


「英語が話せる人」になるための第一歩は、「自分はどんな仕事をしているのか」「今日何をしたのか」を英語で説明できるようになることだと思います。私はその練習と実践を繰り返し行なってきたことで、英語力が向上していきました。


外国人とつきあううえでは、いくらヒアリングが上手でも、ひと言も話さないと「英語ができない」と見なされる。発音や文法がめちゃくちゃでも、自分の考えを一生懸命、自信を持って堂々と話す人は、「英語ができる人」と認めてくれる。


世界を見回しても、皆が皆、きちんとした英語を使っているわけではありません。たとえば、米国のブッシュ大統領(ジョージ・ウォーカー・ブッシュ)の英語なんて、それはもうひどい。「三単現のS」などまずつかないし、明らかな単語の誤用も少なくありません。しかし、その英語力で国連やG7などの国際舞台で堂々と話しているわけです。ネイティブのブッシュ大統領ですらこうなのですから、みなさんがビジネスの場で多少発音や文法を間違えたところで問題はないはず。


仕事で英語を使うぶんには、高度な英語力など必要ない。なぜそう言えるのか。私自身、中学生に毛が生えたレベルの英語力しかないのに、英語で仕事を十分にこなせているからです。


私自身は「誰もが英語を絶対に身につけるべき」とまでは思っていません。ただ一つ、確実に言えることは、「英語が話せると世界が広がる」ということ。


僕は中学高校が開成なんですけど、先輩が現役の生徒向けに話をしたときに「開成の最もいいところは理不尽なところだ」と。開成って、先輩に「やれ」と言われたら、やらなきゃいけない。いまだにそうなんですよ。この年になっても、先輩から何か言われると抵抗できない。もう理不尽極まりない。ただ、それを中高の間に体験できたのは、すごくよかった。


私が金融の世界に入った頃はまだパソコンもなく、大学ノートにドル円の動きを毎日記録し続けて相場の動きを勉強していました。そうすることでトレーディングの幅が広がったように思います。


会社で文句ばかり言ってくる上司がいるとします。部下のあなたからすると腹立たしい存在かもしれませんが、反対の立場で考えたら、上司の言葉の意味だって分かるかもしれません。


ゴールドマン・サックス証券に転職しても、英語の面では大きな進歩はなかったですね。僕が作ったデリバティブ(金融派生商品)がよく売れていたからでしょう。僕の英語がどんなに拙くても外国人の上司や同僚たちは何とか理解しようと努めてくれました。


僕は、コミュニケーション能力の素地というのはそもそも人間にビルトインされていると信じています。そして、それを開花させる最良の方法が、自分とは異なる世界の人々に意思を伝えないと生きていけない環境に身を置くことなのです。


一般にコミュニケーションにおいては、ロジカルであることや、よどみなく話すことが大切だと思われがちですが、それは本質的ではありません。エモーショナルだろうが、とつとつとした語り口だろうが、目的が達成できればいいのです。


社員の前で話すときに私が気をつけているのは、社員の表情や仕草の変化です。話が理解されていないときは、社員の顔が下を向くのですぐにわかります。私と目を合わせないか、目が合うとスッと視線を外す人は、会社や私に不信を抱いているのかもしれません。会場を見渡して、そういう人が一定数以上目についたら、こちら側になにかしらの問題があると思って、話の内容を変更するなどの対策を立てるようにしています。


英語が上達するうえで重要なのは、「聞く」よりも「話す」に力を入れることです。受け身でいてはいけない。「この人は自分に伝えたいことがある」と分かると、相手もすごい勢いでしゃべってくる(笑)。それで分からなければ、聞き返せばいい。


ダボス会議などの国際会議に出るようになって、接したことのない分野の人と話す。つまり、仕事で使わない英語に触れたことで語彙や表現の幅が広がった。


英語を話すことを訓練するためには実は、日本語を訓練することも重要。話の構成がよくないと、それを日本語から英語に置き換えたところで、何を言っているのか分からないものです。発音の善し悪しよりも、言いたいことを組み立てる「文章構成力」が必要。


英語は理路整然と話せるけど日本語ではそれができない、という日本人はめったにいないですよね。まず、伝えたいことを日本語で、分かりやすい構成で話すことが大事。


理路整然とまではいかなくても、話の趣旨を伝えることができれば、英語のコミュニケーションは案外できる。そのためにはまず、カタカナ英語でもいいから、文法などの基本的な「型」をマスターしておくことが大事。


ソロモン・ブラザーズに入社して、最初は言葉が全く通じなかったですよ。でも、トレーディングなど仕事で使う英語は、言葉の順番や使う単語などの「型」が決まっていて、間違いが起きにくいんです。だから仕事で必要な会話は、最初の数カ月でできるようになりました。


英語ってしょせんは言葉ですよね。アメリカでは子供でも使っている。英語しか使えない環境に身を置けば、できるようになるんじゃないかと考えた。そして、「だったらアメリカの会社に行けばいいじゃないか」と思ったら、気分がサッパリして(笑)。その1年後にソロモン・ブラザーズに入社しました。


マーケットでの価格は、さまざまな情報や人の思いをすでに織り込んでいます。「これから業績が良くなる」とみんなが思う会社の株は、これから上がるのではなく、その時点でもうすでに上がっているのです。これから上がりそうな相場や、下がりそうな相場というものは、理論的にあり得ません。だから、いつ投資を始めるかは重要ではありません。


投資は未来の話です。過去にやっていたかどうかは関係ありません。今日初めて株を買う人も、同じ株を2年前から持っていて、売らずに今日も持っている人も、訪れる未来は同じなのです。


私自身、経済を勉強したことは一度もありません。その代わり、新卒で証券会社に入ったときに、「スプレッド・シート」を書くことを日課にしていました。複雑なものではなく、大学ノートに「日経平均」「NYダウ」「ドル/円」などの指標を書き込み、それぞれの終値と前日比の数字を毎日記入するだけです。これを繰り返すと、いつもと違う数字の動きがあったときに、その理由を考える習慣が身につきます。


誤解している人が多いのですが、経済に詳しくなったところで投資がうまくなるわけではありません。たとえば、バブル崩壊で、日経平均が4万円弱から1万円以下にまで下がりました。でも、株価が4分の1になったからといって、日本のGDPが4分の1になったわけではありませんよね。つまり、経済の動きと値動きとは別物なのです。


どの銘柄を買うか決めるときは、「自分に子供が十人いたら、どこに就職させるか?」と考えると良いでしょう。すると、「IT業界は成長産業だけれど、さすがに全員を就職させるのはどうかな? 一人くらいは安定した業界に入れたい」といったことを自然と考えるのではないでしょうか。その後も会社の動向をチェックして、「この会社は最近評判が悪いから、転職させようか」といった判断もできます。


私が提案したいのは、まずは1万円ずつ10個の投資信託を買ってみること。1万円の投資信託を10個では、失敗したとしても、逆にうまくいったとしても、大した金額にはなりません。そんな損益よりも、非常に大きなものが得られます。大事なのは、月に1回でもいいから、買ったあとの値動きを見ること。自分の頭で考えて10個を選んだときには、なんらかの仮説を立てたはずです。その仮説どおりになったか、ならなかったかを検証するのです。そうすることで、世界の経済や政治を見る目が養われます。


経営者の仕事は決断することに尽きます。決断によって事態が良くなる確率が5割以上なら、理論上は決断をすればするほど成果が上がるわけです。すべての決断が奏功するのは難しくとも、7割は成功させたい。


手帳の優れているところは、まず視覚的に入ってきやすい。僕の手帳は一般的なポケットにも収まるサイズです。見慣れた形式ということもありますが、その月のスケジュールや、電話番号などのメモが一覧で目に入ってくる。何日の何時に何があるかが一瞬で判別できるし、海外出張をいつ入れられるかなど、長期的な予定もたてやすい。


レポートなどを書くときに人にわからせようと思うことで、データや情報をいかに取り扱えばいいのかを知る訓練になる。人にわからせようと思うと情報を活かさなければならない。漠然と情報を見ているよりも、情報を効率的に吸収できる。


ホモ・サピエンスの最大の特徴は言語である。文章をきちんと人にわかるように構成し、それを表現する訓練は、仕事をしていくうえでも欠かせないものだ。つまり、アウトプットするということは、コミュニケーションすること、情報を取ることと同じかそれ以上に等しくビジネスマンにとって重要な能力なのである。


普段はとにかく考えることよりも、大量に情報を頭の中に流し入れ、濾過させて、要らないものをどんどん捨てるようにしている。濾過して捨てる作業をすることで、本当に必要な情報が引っかかってくるのである。


川下ではなく川上の情報を得るために、大勢の人とコミュニケーションをとらなければならないとは思っていない。むしろ数人規模のコアな友人、知人のグループを持つだけのほうが役立つことが多い。もしグループの中に目当ての専門家がいなくても、知人の伝手(つて)を辿って別の専門家を紹介してもらえばいい。


情報収集は幅広く、バランスよく取ることが基本。


私の情報収集は、今やネットが中心となっている。ネットは早いし、幅も広い。仕事をしていくうえでは網羅的に情報を知っておくことも必要だ。浅く知って、興味あるところを掘っていくのが効果的だ。


僕の周りには英語の発音が完璧な人が何人もいるけど、それが理由で交渉力に長けているという人はいない。それに口げんかなら僕が誰よりも強い(笑)。完璧なリスニング力や美しい発音の習得に時間をかけるより、「何が何でも伝えてやるぞ!」という気概を持って積極的に話すことが大切。


日本語で論理的に話せない人は、英語でも話すのが苦手。話に筋道を作って相手を説得するために「起承転結」や「三段論法」を使って話せる人は、英語が流暢か否かにかかわらず分かりやすい。僕の場合、様々なトピックでブログを書いており、それが伝わりやすい日本語を組み立てるトレーニングになっています。


英文法は大切ですが、気にしすぎるのはムダ。例えば、僕の経験では時制を間違えて問題になったことはありません。日常会話では、英語のネイティブですら、昨日の出来事を現在形で話すことがあります。ましてや、三単現のSがなくても通じます。


英語が苦手な社員向けに、英語しかしゃべってはいけない飲み会を開催すると効果的です。英語ができる人は参加不可として、参加者は気兼ねなくカタカナ英語でしゃべることができる場を作ってみてください。自信がなくてもとにかく話す。これが、英語でのコミュニケーション力を高める第一歩です。


投資のポイントは、資金を自分の分身、もしくは子供と思うこと。稼いだお金を気になる業界や会社、通貨に分身として送り込むと思えばいいのです。10人分身がいれば、全員同じ会社に行かせるのではなく、誰かは冒険させたり、ほかの誰かは大企業に行かせるなど、分散して送り込めばいいのです。このように、有望な投資先を見つけて、相手の成長力によって、分身も力をつける。それがお金が働きお金を生む仕組みになるのです。


忘れてならないのは、景気や相場は必ず上下するということ。一方向に進み続けることはありません。例えばいま、株式市場は大きく下げ続けています。「こんな相場では手が出せない」としり込みする人がほとんどですが、相場は必ず転換して、いずれは絶好の買い場が訪れます。重要なのは、このタイミングを敏感に感じられるようになることです。


トレーディングの肝は相場の方向をピンポイントで当てることではない。上がるときは誰でも儲かり、下がるときは誰でも損する。差が出るのは、上がるときにビシッとお金を入れられるか。これはつまり、投資している資金の出し入れの巧拙だ。わずかでもいいから、常にお金を入れておく。そうすると温度感も分かって、「キタキタ」というときに増やせる。


世界で最も広く使われているのは英語でも中国語でもなく、ブロークンイングリッシュだと言われています。ただし、何となく「これで伝わるだろう」と思って話しても伝わらない。ちゃんと伝えようという明確な意志が必要だし、それを形にするためにも、文法はやはり大切です。話す内容を、分かりやすく組み立てて伝えようとする意志がないと、相手には伝わらないですからね。


英語力には「聞く力」と「伝える力」があると思うんですけど、「伝える力」の方が、仕事をしていくうえでは役に立つと思うんですよね。英語力を高めたい時は、伝える力を磨いた方がいい。リスニングは、できる人はすぐできるし、できない人は時間がかかると思う。でも、伝える、つまり話す方は、意識すれば案外早くできるようになると思うんですよ。


自分から積極的に話しかけ、「この人とは中身のある議論ができる」と認識してもらえれば、最初は拙い英語でも、会話を通して英語力を磨けます。一度でも言いたいことを伝えられれば、それ以降、相手は話を一生懸命に聞こうとしてくれるし、伝えようと努力してくれる。


昔はボールペンで手帳に書き込んでいましたが、いまはシャーペンを愛用しています。社会人になり、経営者になってリスケジューリングが多くなりましたから、書いては直しができるほうがいい。ボールペンは文字がにじんで潰れてしまうことがあるので、ほとんど使いません。


形式や用語選びは、究極には副次的なものだと私は考えています。文章を書くときに大事なのはやはり内容。これは手紙であろうとメールであろうと同じですし、日本語でも英語でも通用する真理。文章の基本は「こちらの言いたいことをわかってもらうこと」に尽きる。


合理的なメールに対して、気持ちを伝えやすいのが手書きの一筆です。私はいつも一筆箋を鞄に入れて持ち歩き、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるようなときに使っています。会いたい人が不在だったとしても、一筆箋に名刺を添えてメッセージを残しておけば相手の心に残ります。もともと字が上手なほうではありませんが、丁寧に書けば温かみが出ていいものです。また、封筒に入れて言付ければ、ハガキとは違って文面がむき出しにならず上品だと思うのです。


受け取ったときに困るのは、長文でしかも言いたいことがわかりにくいメール。一見して「時間がないから読んでいられないかも」と判断したら、意識から追い出してしまうことになりかねません。厳しいことを言えば、そんな文章を読ませるのは、相手の時間を無駄にしてしまうこと。社会でそれなりの仕事をしている人は例外なく多忙です。彼らの時間を無駄に使わせるのは一番の非礼ではないかと私は思います。メールを出すときは、少なくとも相手が短い時間で用件をきちんと理解できるように工夫をするべき。


私の場合、よく使うのはメールですが、相手の属性や場面によっては、LINEやフェイスブック・メッセンジャー、携帯電話のショートメッセージ機能(SMS)も併用します。一筆箋に手書きした文面を封筒に入れて渡すこともありますし、手紙を郵送することも少なくありません。お礼を申し上げるときなど、メールより手紙のほうがよさそうだと判断したら自筆の手紙を書くようにしています。自分の好みとは関係なく、相手に合わせて使い分けているのです。


「書く」ことの前提は「読まれる」こと。手紙もメールもコミュニケーションの手段であり、主役は相手なので、自分の感覚よりも読んでくれる相手の感覚に合わせるのが当然だと思います。どんな書き方を好むかは人によって違い、時候の挨拶から始まる改まった文章のやりとりを好む人もいれば、用件だけの短い効率的なコミュニケーションが好きな人もいます。メールや手紙など、どの手段で伝えるのがいいかも人によって異なります。まずはその見極めが大切。


変化を排除するのではなく、丸ごと取り組まなければ市場は分からない。ただ同時に、テクノロジーだけで頭でっかちになってはなりません。お金の本質は交換価値です。お金そのものが喜びをもたらすのではなく、お金によって何を体験できるのか、どんな欲求を満たせるのかが重要なのです。お金の未来を思い描くときは、常にその出口を見据えています。すべてのサービスは、お客様の満足のために存在するのですから。


かつてない速度で技術が進化する今は、もっと「テック(技術)」が強くならなければなりません。テクノロジーを知っている人なら、「こんな面白いことができるよ」という金融の常識から飛躍した発想ができるかもしれない。そこから生まれた商品、サービスに金融のノウハウや法務の知識を掛け合わせていけば、ブロックチェーンなどの新しい技術を基盤とする市場創出に対して、いっそうのスピード感を持って挑戦していけるはずです。私たちは2017年までに証券基幹システムの内製化を完了しています。その過程で育ったエンジニアと共に、技術者をさらに増強していきます。


僕は本当にリスニングが苦手なんです。「L」と「R」の聞き分けはとっくの昔に諦めました(笑)。でも、経験上、英語でのコミュニケーションで発音が与える影響は実のところはごくわずかだと思います。日本人にとってリスニングや発音が特に難しいのは「L」と「R」、そしてThinkの発音時などの「TH」ですよね。話す内容によって使われる頻度は変わるけれど、単純に考えてこの3つが出てくるのは、会話全体の1割程度じゃないかな。その1割も話の文脈からだいたい想像がつきます。


英語で言いたいことを伝える基本は、大きな声で最後まで話すことだと思います。発音や文法への自信のなさからか、日本人は英語になると声が小さくなりがちですが、それが「通じない原因」なんです。難しい単語を使う必要はありません。中学レベルのカタカナ英語でいいので堂々と大きな声ではっきりと話せば、相手はしっかり聴き取ろうと努めてくれるものです。言葉よりも先に「伝えたいという気持ち」を相手に分かってもらうことが大切です。


外資系証券会社の12年間は、朝から晩まで英語漬けだったのに、実際の力はほとんど伸びませんでした。独立してマネックス証券を設立してから2年目に、世界経済フォーラムが開催するダボス会議に出席する機会を得ました。ダボス会議には科学・政治・宗教など全く異なる分野のリーダーが世界中から集まります。当然ながら僕のことを知らない人ばかりで、仕事も英語で一から説明しないと分かってもらえない。僕は自分の仕事や考え方について、必死で相手に伝える努力をしました。マネックス証券の仕事で英語を使う量は以前の百分の一くらいに減っていました。しかし、ダボス会議をきっかけに、多様な業界の人たちと様々な話題について英語でコミュニケーションを取るよう意識して過ごすようになりました。すると、半年後には英語力が10倍くらい高まったという実感が持てたのです。


松本大の経歴・略歴

松本大、まつもと・おおき。日本の経営者。「マネックス証券」創業者。埼玉県出身。東京大学法学部卒業後、ソロモンブラザース勤務、ゴールドマンサックス最年少ゼネラル・パートナーを経てマネックス証券を設立。アメリカのビジネス雑誌『フォーチュン』で次世代を担う若手経営者25人に選ばれた。

ページの先頭へ