本田有明の名言

本田有明のプロフィール

本田有明、ほんだ・ありあけ。日本の人事コンサルタント。兵庫県出身。慶應大学哲学科卒業後、日本能率協会に入社。その後独立し、コンサルタントに転身。また、多数のビジネス書を執筆している。主な著書に『本番に強い人、弱い人』『いつも結果が出せる人の仕事術』『若者が3年で辞めない会社の法則』『自分の「流儀」を持ってる人はやっぱり強い』『ヘタな人生論より葉隠』『20代これだけはやっておきたい50のポイント』など。

本田有明の名言 一覧

上司と部下の関係は「親子関係」のようなもの。皮肉屋の上司のもとでは皮肉屋の部下が育ち、寛容な上司のもとでは寛容な部下が育ちます。

上司の人間性を踏まえて適切に対応し真の目的を果たすのが、賢い部下の在り方。

「職場の上司のココがダメ!」と気づくことは、大きな進歩。反面教師として、自分は同じ轍は踏まないと学ぶことが大切。

上司をうまく動かすのも、部下の器量のうち。

上司との関係をつくるうえで気をつけるべきなのは、経過報告を欠かしてはならないということ。これを怠ると、上司は「軽んじられた」と感じ、関係が悪化する。

自分を変えるには、まずは等身大の自分を知ること。人は他人の姿はありのまま見えても、自分の姿を公平に見ることができない。自分の長所と短所を知るには、まわりの人たちに訊くといい。

トヨタはちょっと前に成果主義を導入しましたが、わずか1年半で元に戻しました。従来は課長昇進の条件が「個人の成果5割」対「育成5割」の比率でしたが、それをいったん7対3に変えたのです。ところが変えた途端に、社員たちが育成をないがしろにし始めました。そのため、人が育たなくなることに強い危機感を抱いたトヨタは、課長昇進の条件を従来の5対5に戻しました。

自分の部署に閉塞感が出てきたようなときに、上司自身が部下の目線に降りて「どうしたらいいと思う?」と話しかければ、部下はポツポツと意見を出してくれます。そういったコミュニケーションが頻繁になってくると、次第に「あの人と一緒に仕事をすると面白い」「意見を聞いてくれる」という雰囲気が醸成されます。すると、人望が集まり、必ず仕事の成果もついてくるのです。

今後求められる管理職像は「イノベーターとモチベーター」です。イノベーターはイノベーションを起こせる人。一方、モチベーターは「この人と一緒に仕事をしたい」「多少きついことを言うけれど、この人とだったら一緒にやっていける」と思われる人だ。

いま会社で必要なのは、職場での一歩踏み込んだコミュニケーションです。私はこれをお節介というキーワードでとらえることにしています。たとえば生協最大手のコープこうべは、若手の離職者がほとんど出ないことで有名ですが、それは上司がお節介を焼いているからです。コープこうべの新人は一人一人「OJTノート」を持たされ、日報などをここへ記入し部門長へ提出します。そして部門長がそこにアドバイスや返事を書いて本人に戻すのです。

課長クラス以上になったときに一番重要なのは「自責の念を持つ」ということです。たとえば部署内に伸びない部下が多い、残業が多い。こういうことはすべて管理職の責任です。どう解決するかは、まず自分の責任として考えなければなりません。もちろん誰かに相談してもいいですが、リーダーになっていく人にはそうした責任感が不可欠なのです。

「今後は仕事ができても人気のない人は出世できない。そればかりかリストラの対象にもなり得る」。私は人事コンサルタントとして様々な業種の人とお会いしていますが、最近よく中堅社員に対するこのような評価をよく耳にします。私自身は現場の人たちと接しているので、なるほどと納得できますが、多くの人にとってはショッキングな言葉ではないでしょうか。

本来、上位二割のできる部下は、何も言わなくても成果を出すものです。上司はその勢いを止めないように、少々フォローをするだけでいいのです。大事なのはむしろ普通の部下をケアすることです。端的にいえば、2流ないし2.5流だった社員を、一緒に仕事する中で1.5流にまで引き上げるのです。

上司がちょっとしたことで会話を増やすよう努力することは、組織をメンテナンスし、パフォーマンスを引き上げるうえでとても有効です。

いまは職場がギスギスしてしている、閉塞感があるといわれていますが、その一因は職場での会話が減ったことにあります。仕事のIT化や専門分化が進み、オフィスのレイアウトもそれに合わせてパーティション(仕切り)が目立つようになりました。各種の通知はメールが基本になり、肉声で話す機会が以前と比べてグッと減ったのです。その中では、会話を増やし、組織の中の絆を太くすることが大きな課題になってきます。

上のために働くのは当然ですが、パフォーマンスを上げるためには部下のために働くことを忘れてはなりません。

プレーヤーとして優秀な上司が部下を育てられない理由のひとつは、自分が優秀だから他人に任せるとまどろっこしいということです。それで、勘所にくると、自ら乗り出して受注に持ち込んでしまう。教える暇がないのです。最近はここに別の事情が加味され、より面倒なことになっています。年功序列が崩れ、場合によっては後輩が自分を追い抜くかもしれない。できる部下なら、ライバル会社に引き抜かれる恐れもある。だから、契約の取り方など虎の巻的な知恵を簡単に授けてしまうわけにはいかないと考えてしまうのです。

組織や人材のメンテナンスのできない人、後進を育てられない人はいくら優秀でも組織のリーダーとしては不適格です。プレーヤーとしては何人分もの働きを見せるスーパーマンのような人がいます。こういう人は周囲から見て、いかにもデキるビジネスマンであり、管理職としても伸びていくのは当然のように思われます。部下を持たされても、本人が優秀なため、2年くらいはまだ成果をあげられます。しかし、異動したあとは、なんだ誰も育っていないじゃないかといわれるような状態になっていることが多いのです。要するに部下を育てることが下手な「焼き畑上司」なのです。

会社組織は一定以上のパフォーマンスを求められますが、パフォーマンスを高めるには組織や人材の不断のメンテナンスが必要です。メンテナンスを実行することで、高いパフォーマンスが実現するのです。ところが近年の成果主義は、短期的なパフォーマンスを追求するあまり、メンテナンスを軽視してしまうという傾向が見られました。そこに落とし穴があったというべきでしょう。

上位二割のできる部下とだけ仕事をする上司は、多数派である普通の部下やできない部下をあっけなく見限ってしまいます。すると、できない多数派と、ひとくくりにされることで、普通の部下のモチベーションが下がり、結局は8割の部下のパフォーマンスを悪化させてしまいます。

リーダーの仕事は、チーム全体のパフォーマンスを引き上げることです。そのときに大事なことは、少数のデキる部下を重用することではなく、多数の普通の部下をレベルアップさせることです。最近は、それができない上司も増えています。

もし「俺のやることはなんでも正しい」と考える「暴君型」上司なら、直言は無謀です。ただ、そういう人でも、「このタイミングでこの言い方をすれば、聞いてくれる」という場面はあるはずです。じっと観察したり先輩の意見を聞いたりして、「そのとき」を待ちましょう。

女性部下の訴えに対してなにより大事なのは、時間を取ってきちんと相手をし、訴える言葉に共感を示すこと。真剣に話を聞こうとする上司の姿勢が、結論にかかわらず部下のモチベーションを高めるのです。

部下が何かを訴えてきた場合、男性はすぐに「結論は何か」と直線的に考えがちです。しかし女性は結論以上に、そこに至るプロセスを大切に考えます。男性上司はまずそうした男女の違いに注意する必要があります。

女性部下の訴えに対応する際のポイントは、なにより「聞く」ことです。コーチングの基本は「積極的傾聴」「共感的理解」「協調的支援」の3要素とされます。まずは部下の口から聞き取ります。このとき、たとえ相手の考えに賛成できなくても、必ず「なるほど、そうなのか」と共感を示してあげる必要があります。

大事なことは、あとになって信頼という果実を得るとしても、いったんは我欲を捨てて真に相手のために尽くすということです。人が大成するカギは、そういう心をもてるかどうかだと私は思っています。

ごまかしをやったのが誰であろうと、その金額がいくらであろうと、悪意をもって行動したことに変わりはありません。上司は目の前の小さなごまかしを、会社を揺るがすようなスキャンダルに発展させないためにも、初期の段階ですみやかに、きびしく叱らなければなりません。

最初から素晴らしい部下など存在しない。スティーブ・ジョブズは「即戦力など存在しない。だから我々が育てるのだ」という名言を遺しています。部下は育てない限り戦力にならない。言われてみれば当然のことですが、そこに気づかず「ウチの部下はダメだ」と言っている上司は少なくありません。

入力するだけではダメ。テストの点が高いのは参考書を何度も読む人より、問題集を何度も解く人のほうで、出力を磨くほうが脳は成長します。仕入れた情報を人に話して、出力を心がけるのが大切です。

本当に仕事ができる人は皆、自分の「マイナスの情報」を実に魅力的に語ることができる。あえて相手に自分の「弱み」を握らせると言ってもいい。それはそうした「負の体験談」こそが人を惹きつけ「この人を応援したい」と無意識に感じさせると知っているからだ。

自分を慕ってくれる部下は、どんな上司であってもいろいろと目をかけて、フォローしたくなります。受け身の姿勢ではなく、自分から上司の懐に飛び込んでいくことで、上司を動かし、良い関係へと舵取りしていくことができる。

人事マネジメントの世界では、リーダーシップの対義語になる「フォロワーシップ」という言葉があります。これは部下が上司を支援、補助することで「上司を動かす」という概念です。

上司の資質に疑問を覚えない部下は、いつしか上司の物言いや態度、仕事への姿勢を映し取ってしまいます。良い面だけ似ればいいのですが、人は悪い部分ほどよく学び取ってしまうもの。なぜなら、悪い部分を真似るのは良い面を真似るよりもはるかにラクだからです。

病気・介護など自分や家族のネガティブな事情は、原則、オープンにすべきと考えます。隠していると、それだけで心理的なストレスがかかります。ただでさえ負担があるのに、かさねて重荷を負えば、うつ病を発症することになりかねません。また、秘密にしていたところで、周囲の人はちょっとしたことから気がつくものです。だったら、同じ職場の人たちに事情を打ち明け、会社に申告するほうがやりやすいでしょう。

アメリカ独立の父ベンジャミン・フランクリンが自らを戒め、守るべき徳目をチェックリストにした「フランクリンの13の徳」をもとに、自分の行動を振り返るのもよい方法。フランクリンは節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲の13項目をあげましたが、全部真似る必要はありません。自分なりの項目を立てて、自らを省みるようにするといいでしょう。

もしあなたが「自分の短所を直さなければ」と真剣に考えているのであれば、ノートを使って改善方法を考えてみるのも一法でしょう。ノートに縦に2本の線を引き、ページを3つに分けて、自分の長所、短所、短所の改善法を考えて書き込みます。「頭にきたと思ったら、こめかみに手を触れて5秒間だけ我慢してみる」など、具体的な対策を考え、ノートに列挙して、実践してみましょう。

痛い指摘を受けると、ついムッとしてしまいがちです。が、そういうとき決して怒ってはいけません。ゴーゴリの戯曲『検察官』の中に、「自分の顔が曲がっているのに、鏡を責めて何になろう」という警句が出てきます。人から欠点を指摘されて怒り出すのは、鏡を見て、「なぜおれの顔が曲がっているんだ!」と責めるようなもの。何を指摘されても、笑顔で受け流しましょう。

多くの上司は、「部下が業績を上げたときに褒める」などの「成果の承認」しか行なっていません。しかし、これでは有能な部下以外は承認を得られないことになります。そこで、必要なのは「行動の承認」です。成果を出せていなくても、資料を丁寧に作っていたり、時間に正確だったり……といった「行(おこな)い」の良さに着目して、「君は時間に遅れたことがないね」などの言葉かけをしましょう。

意見が変わった場合に、自分からそれを認めること。何かの問題について新しい情報が入ってきたら、「認識が間違っていた。本当はこうだった」となるのは、当然のこと。「前におれが言ったことは間違っていた」と素直に認められる上司は、「度量の大きな人だ」と部下から尊敬されます。「言うことがころころ変わる」と陰口を言われている上司は、そのことに気がついていない。

仕事の「抱えすぎ」は、モチベーションマネジメントの大事なチェックポイントです。多くの業務を一手に引き受けて働くタイプの部下には、とりわけ気をつけるべきです。このタイプはやる気も能力も高く、しかも文句一つ言わずに働くので、手がかからないように見えます。しかし、実は本人さえも気づかぬうちに疲労を蓄積させているケースが少なくありません。それが限界を超えると、「うつ病」などの異変に陥るのです。バリバリ働いていた人が突然うつで休職し、「あの人が!?」と驚かれるのは、たいていこのパターンです。モチベーションの高い部下にもケアが必要だということです。

お勧めしたい習慣は「スイーツタイム」。タイミングを見計らってお菓子を一つずつ配り、ひと息いれてもらいながら二言三言、コミュニケーションを取ってみましょう。これもまた「君たちが頑張っているのをきちんと見ています」という承認の一つです。ここでの声かけは、部下の現状を把握する機会にもなります。「今、何をやっている?」と全員に聞くことで、業務に重複やムダがないかがわかります。お菓子を食べながらの気楽なシチュエーションなので、「チェックされているのか」との警戒感を部下に抱かせる心配もありません。

部下の可能性を引き出し、健全なモチベーションを維持するために必要なのは「コミュニケーション」です。多くの上司は「忙しくてそんな時間は取れない」と言いますが、実際のところ、さほど時間を要するものではありません。大事なのは、小さく数を打つこと、日々の「単純接触」を増やすことです。たとえば「挨拶」。それも「おはよう」だけでなく、「○○くん、おはよう」と名前を呼ぶと良いでしょう。そして「昨日は忙しそうだったね」などのひと言を添えるとさらにベター。名前を呼ばれたこと、自分の行動をきちんと見てもらえたことで、部下は「存在をきちんと承認されている」と感じるでしょう。この「承認」は、モチベーションの原動力となる大事なキーワードです。

武士道を説いた江戸時代の名著『葉隠』には「人材の4タイプ」として、「急急」「だらり急」「急だらり」「だらりだらり」というユニークな分類を記した箇所があります。「急急」とは、理解も早く行動も早いタイプ。「だらり急」は、のみ込みは遅いものの行動は迅速なタイプ。「急だらり」は、すぐ理解したように見えて行動が伴わないタイプ。「だらりだらり」は、のみ込みも行動も遅いタイプ、という意味です。興味深いのは、この分類をした佐賀藩主・鍋島勝茂が「急急の人材は滅多にいない」と指摘している点。大半の人材は「だらりだらり」であり、それを「だらり急」もしくは「急だらり」に育てることが上に立つ者の役割である、と藩士たちに説いているのです。これは、現代にも当てはまるでしょう。

「部下が思うように働いてくれない」と嘆いている上司の皆さん。やる気がない、指示をまともに遂行できない、反抗的、傷つきやすい……など悩みの内容は様々ですが、その背後にあるのは「上司の問題」だと気づいている人は、どれだけいるでしょうか。「自分の意見を持て!」と常々部下に言うわりには、意見をよく聞きもせずに却下、という対応をしてはいないでしょうか。「報連相をきちんとせよ」と言うくせに、実際に相談を持ちかけられると、「今でなきゃダメ?」という顔をしていないでしょうか。こうした行動は部下のモチベーションをくじき、仕事に甚大な悪影響を与えます。

本田有明の経歴・略歴

本田有明、ほんだ・ありあけ。日本の人事コンサルタント。兵庫県出身。慶應大学哲学科卒業後、日本能率協会に入社。その後独立し、コンサルタントに転身。また、多数のビジネス書を執筆している。主な著書に『本番に強い人、弱い人』『いつも結果が出せる人の仕事術』『若者が3年で辞めない会社の法則』『自分の「流儀」を持ってる人はやっぱり強い』『ヘタな人生論より葉隠』『20代これだけはやっておきたい50のポイント』など。

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