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川上量生の名言

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川上量生のプロフィール

川上量生、かわかみ・のぶお。日本の経営者。「KADOKAWA・DWANGO」会長。愛媛県出身、大阪育ち。京都大学工学部卒業後、ソフトウェアジャパンを経てドワンゴを設立。同社を東証一部に上場させた。その後、KADOKAWAと経営統合を行い、会長に就任した。

川上量生の名言 一覧

ビジネスのやり方は人それぞれ違います。僕はあまり働かないから、誰かと競うと負けてしまう。それを避けるために、競合相手がいない場所を常に考えるわけです。


ネタを探す時に重要なのはポジション取りという発想です。明確に定義できる場所には、必ず誰かが既にいるというのが僕の持論。だから自分でも明確に定義できない、人間の想像力の限界という場所を勘で探そうとしています。


ニコニコ動画がどうしてネットの世界で人気かというと、答えは簡単。「テレビではできないニッチなことをやっているから」というだけの話です。テレビの代わりが務まっているわけではないですよ。


ドワンゴは他社がやらないことをやって成長してきた企業です。だから他社と競争することがないし、のんびりしていても会社は潰れません。このような環境を今後もずっと続けるにはどうすればいいのかを考えるのが僕の仕事です。


優柔不断はあらゆる可能性を模索する賢さの象徴。短時間で答えを出そうとするのは競争社会の悪弊。熟考が強靱な思考力を育む。


僕がやろうとしているのはわけがわからない事業だから、みんな逃げます。説得は無理なので、巻き込もうとせず勝手にやったほうがいいんです。


きちんとお金を儲ける仕組みを最初につくったところが勝つ。


ドワンゴはエンターテインメントの会社だと思っています。だから、既存のメディアの人たちがやらないことを平然とやってみればおもしろいかなと。


既存のビジネスをやりながら新規事業をやるのは無理がある。新規事業は自分のすべてを注ぎ込まなくちゃいけないのに、本業があったらできません。


やっていることが世間の常識と違った場合に、「じゃあ、やめよう」とはならずに、むしろ、やる気が出るのが僕らの特徴。


とくに変わったことをやろうと、いつも意識しているわけではありません。僕たちが当然だと思っていることをやっているにすぎない。


既存勢力と対立するつもりはありません。


チャンスがあるのに行動しないことで終わってしまうのは惜しいですよね。時間切れになる前に、トライする企業が増えればいいんじゃないかなと思います。


新しく注目されているネット系のサービスの多くは、ネットに閉じず、リアル(現実世界)と結び付いたサービスですよね。もはや、純粋なネット系のサービスは、行き詰まっているんですよ。


将棋で言えば、米長邦雄(日本将棋連盟)会長の将棋の指し方が理想ですね。「泥沼流」と呼ばれていたらしいですけれど、自分が不利になると難しい手を指して、もう訳を分からなくして、どさくさに紛れて勝つという。僕はそれが最上の手だと思っています。


僕が好きなのは、相手から見て「これはいったい何を狙っているんだろう、分からない」という手が好きなんですよ。勝つために何が一番有効かというと、「いや、僕もよく分からないんだよね」みたいな(笑)。逆に、誰もが「これはこういう狙いだろう」と思うような手は打ちたくない。ライバルに対策を講じられてしまいますから。


人間って与えられた経験が糧になって形成されていくと思う。自信が持てるものを見つけて、どんどん身につけていきましょうということですね。


僕らはいろいろな矛盾を世の中に見せたいという愉快犯的なところもある。その先にどんな目的が、と聞かれると、すごく困るんですけれども。


「やってはいけない」ことをやる。それがニコニコ動画。


立ち上げた会社がある程度まで成長すると、後は惰性であまり考えなくなりがちです。そんな状態では、仕事に対して高いモチベーションを保てない。ただでさえ僕は嫌々働くタイプだから、モチベーションを維持するのが苦手なんですよ。でもジブリに入社してからはやる気が出てきた。ドワンゴの仕事を、それまで以上のペースでこなしています。


スタジオジブリを一言で表現すると、特殊な会社。ジブリほどの会社なら、儲けようと思ったらいくらでも儲けられると思う。でも営利を追求しないで、自分たちが作りたい映画のことだけを考えている。売り上げや利益の目標設定がどうやらないようだし、経営としてはめちゃくちゃです(笑)。


これまで、映画『風の谷のナウシカ』の続編が見たいと思っていました。でもスタジオジブリに入社して、実現は絶対にあり得ないと思った。監督を務めた宮崎駿さんは前しか見ない人で、過去を振り返らない。大ヒットしたから続編を作る、なんて最もジブリらしくないんですよ。


昨年、スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんのラジオ番組に出演させていただいたんですよ。「面白そうな人だな、この人の下で働いてみたいな」と思ったので弟子入りを鈴木さんに志願したところ、希望がすんなり通っちゃったんです。今年初めからジブリの社員です。


道を踏み外した人たちに元気を出せ、頑張れなんて言ってもしょうがなくて、こうすれば勝てるよ、という具体的な武器を与えてあげたいんです。精神面じゃなくて。


僕らとしても今の枠組みでやっていくことが目的ではなく、物事を成功させる環境を作ることが目的なわけで、僕らの取り組みを評価してくれる会社があれば、そういうこと(他社との統合)もあり得ると思います。


ネットにおける文化やテクノロジーというのは全世界でかなり共通化されていますから、日本で流行ったものは、同じ環境を作ることができれば、海外でも成功すると思っています。


ポケモンが日本で大ヒットした時、みんな「これは海外ではヒットしない」「米国のゲーマーはポケモンに興味を示さない」と言っていたんですよ。確かに指摘通り、米国のゲーマーは遊ばなかった。けれど、米国の子供たちはポケモンに飛びつきましたよね。「iモード」も同じで、最初、僕の周りは誰も使わなかったけれども、若い人たちは使った。人間というのは絶えず生まれているわけで、変わらない人もいれば、新しい文化の洗礼を受ける人たちもいるのです。


日本って特殊条件がいくつかあって、ひとつは衰えたとはいえまだまだ豊か。こんなに豊かな人たちが均質にいる国は世界でほかにない。そのうえ、新しいものが好きで、合理的に考えればお金を払う必要のないことに払う人たちもたくさんいますよね(笑)。それこそ新しいガジェットを次々と買ったり、握手券欲しさにCDを1000枚買ったりする人たちがいるわけですよね。合理的ではないけれど、面白いからやる。そういう文化がネットにも引き継がれて、日本というのはネット文化において世界の先行指標になりつつあります。


僕は囲碁が好きなんですけれども、仕事も囲碁的な感覚でやっているところがあって。その手が正しいかどうかは打った時点では分からないわけですよ。たぶんこのあたりじゃないかな、という手をいくつも打って、それが組み合わさって、結果としていい手になった、みたいな感じですよね。


今のコンテンツ業界の弱点は、エンジニアがいないことです。ネット時代におけるコンテンツ業というのは、自力でプラットフォームを作れる力を持つことが決定的に重要で、エンジニアと一体となったネット企業にならないと勝負できないわけです。


何かキラーなコンテンツを世の中に出す、流れを変える、というのが、僕がドワンゴで果たしてきた役割ですし、それが一番得意。なので、僕は新会社でも社長をやる気は全くありません。
【覚え書き|KADOKAWA・DWANGO会長になったことについて聞かれての発言】


「着メロ」にせよ「ニコニコ動画」にせよ、経営者になってから作った新しいサービスの動機は何かというと、「このままだと(日本のコンテンツ業界は)本当にやばい」という危機感なんですね。危機感が僕に命令を与えたというか、もう義務感ですね。


経営統合したら、KADOKAWA・DWANGOで何かやるとみんな思うでしょう。そうしたら全力で、ドワンゴだけでできるサービスをやるわけです。みんなに「経営統合って何だったっけ」と思ってもらえたらそれでいいんです。


著作権の侵害には、権利者に経済的ダメージを与えるものと、宣伝になるものの2種類ある。権利者に経済的ダメージを与えるような単なるコピーは取り締まるべきですが、パロディのようなものは、むしろ宣伝となってコンテンツの寿命を延ばす。


企業の社会的役割で一番重要なのは雇用です。だから人数が多いのはいいこと。うちは多すぎますが、それだけ社会のために役に立たない人間を雇っているわけだから、多すぎることに胸を張ってもいい。もちろん、そのぶん儲ける必要はありますが。


うちのエンジニアチームが崩壊したことがありました。マネジメントをきちんとやっていなかったから、人がどんどん辞めてしまったんです。それでニコ動のサービスをつくっていた現場の人たちから、「メンテナンスだけで手一杯。向こう2年は新サービスをつくれない」と悲鳴が上がった。2年間も新サービスを出せなければ、ニコ動は終わってしまう。何か延命させる方法はないかと試しにイベント(ニコニコ超会議)をやってみたら、これがうまくいった。


ドワンゴは着メロとニコ動で大きくなった会社なのですが、どちらも僕がやりたいからやったわけじゃない。このままだと会社が潰れるから、何か新しいことをやらなくちゃいけないと必要に迫られてやっただけ。


「金儲けして成功したい!」と思う方が多いだろうけど、やめたほうがいい。「大金を手にしたい」をエンジンにして仮に達成しても、必ずどこかでモチベーションが下がります。人間ってそんなものじゃないでしょう。もっと目の前の好きなことに没頭したほうがいい。そのほうが成果も残せるんじゃないかと。


人間もそうですが、出会って2秒ほどで相手を判断する。ネットも同じで「面白そうかどうか」は一瞬で判断される。他と似たような機能を並べたら差が出せない。しかし「あの機能もない」「コメントが動画の上を流れてんじゃん!」となったら「このサイトおかしい!!」とすごいインパクトを与えるじゃないですか。


ドワンゴで独立してネットゲームの世界から着メロを手がけた。大手はすでにいましたが、着メロ専業の会社はなかった。カラオケやゲームメーカーが「柱の事業を持ったうえで参入している」状況だった。専業で勝負すればイケるだろう、と踏んだんです。ようは僕は常に奇襲で裏をかく。それしかできないんですよ。


僕らは「YouTube」を目指さない。そもそも勝てないと思っている。ただ、向こうだって全能じゃないから見落としはあるわけで、ゲリラ戦というのが成功する可能性はある。長期的には無理ですよ。でも、ちょっとした番狂わせは起こせるかもしれない。実際に、国内においては「二コ動」のアクセスがYouTubeより上だった時期もあった。これからもまだ、そういうことは起こせると思っています。


日本のコンテンツ産業で本当に外貨を稼げているのはゲーム産業だけです。それは、任天堂やソニーがプラットフォームを握ったから。だから、コンテンツで外貨を稼ごうと思ったら、コンテンツを売るんじゃなくて、プラットフォームを海外に取りにいかないとダメなんですよ。


別に僕は、何もぶち壊そうとは思っていません。教育を語る時って、みんな過激になるんです。何かイデオロギー闘争になっちゃうんですね。こうじゃなきやだめなんだという。でも、そういうものは存在しないと思っているんです。だって僕らは他人の人生を預かっているわけで、その人の価値観は尊重すべきなんですよ。僕らはそうじゃない価値観の提示はできるけれど、強制はできない。責任が取れないことに対して、そんなもの押し付けちゃだめです。


スタジオジブリに弟子入りして大きかったのは鈴木(敏夫)さんのモチベーションの保ち方。モチベーションの維持って、ある程度の年齢を経た人間には最も仕事で大事だと思うんです。若い時は何をしてもガツガツと仕事に突っ走れる。ただ走り続けると、ある時、ふと緊張の糸が切れるものなんです。とくに「何かを成し遂げた」感を持つ人はね。どこかでモチベーションが維持できていない不安があったんですよ。しかし、鈴木さんはいつも活き活きと長時間働いていた。「なぜかな?」と観察していると、ようは楽しいことを真剣にやっているだけなんですよね。ようは「働くこと」と「生きること」の統合がうまくいっている。簡単に言うと「好きなことなら、なんだって没頭できる」ってことだと思います。


主流から外れて奇襲で行く。既成概念の裏で勝とうとする。これは高校時代に培われたものなんですよ。普段勉強しなくても、テストでそれなりの点がとれたんです。だから高3の時に「一生懸命勉強したら、すごいことになるはずだ」と半年間、必死で勉強してみました。その結果、偏差値が1も上がらなかった(笑)。「努力って大変なんだ~」と痛感したわけです。正攻法で努力しても、この程度の努力じゃダメだと悟ったんです。以来「競争相手がいない世界で戦おう」と覚悟を決めました。


ニコニコ動画に投稿された動画は様々ですが、一様に動画上に流れるコメントを通じてユーザー同士が盛り上がっています。ニコ動の名前以上に、じつに「人間臭さ」を感じさせるサイトになっている。その「人間っぽさ」が、支持されている大きな理由かもしれませんね。だって、グーグルをはじめネット業界の主流は「できるだけ機械にやらせて人の手間をかけない」ビジネスモデル。だからうちは「やっぱり人間の顔をみよう」と。でも、皆が人間の顔を見てビジネスをしていたら、僕は機械を見るでしょうけど(笑)。


YouTubeやmixiみたいに、普通はカッコイイ名前をつける。逆に、うちは「いかにも怪しい名前」にしようと。イメージとしては消費者金融。「ニコニコローン」とか、かわいらしいけど逆に怖い。そんな胡散臭さがユーザーの興味になるかなと。あとは様々な問題で叩かれにくい名前にした面もあります。真面目な会社の重役会議で「YouTubeはけしからん!」って言いやすいけど「ニコニコ動画、けしからん!」って、口にするのが恥ずかしくなるでしょ?


最初、YouTubeなど競合になりうる動画サイトの機能比較を表にしてみた。そして各サイトが備えている機能を「○×」で書き出して、どのサイトにも「○」がつく、いわば動画サイトの必須条件のような機能は「ニコ動には乗せない」と、すべて取っ払いました。逆に視聴者が書いたコメントが流れるなんてこと、普通の動画サイトならまずやらない。動画の邪魔になると考えますから。それなら、うちはやろうと。正攻法で勝負したら競合に勝てる気がしなかったから。


「起業したい」という声をよく耳にします。でも、自分が本当にやりたいことではなくて、「人の下で働きたくない」「お金が欲しい」といった単純なプライドや欲望が先に立っていないでしょうか。「何をやりたいか」という具体的なビジョンがまずは必要。そして、それを実現させる手段が何かを深く考えれば、目的までの最短ルートが若いうちの起業ではないと分かることが多い。目的と行動を一致させる。これが最も合理的で、ビジネスの正しい道筋です。


僕はそういう視点(ネットとテレビの新旧メディア対立論)で捉えていません。ネットは能動的、テレビは受動的と2つは根本的に違う。これは人間の本質に関わる問題で、世の中は受動的な人間の方が恐らく多いんです。傾向として若い人は能動的なものが好きですが、年を取るにつれて受動的なものの方が好きになっていくと思う。


僕と同じレベルで同じ内容の仕事をできる人が社内にいませんから。ネット業界で生き残りたいという思いが僕はとても強い。この業界はまだ産業としての構造が固まっていません。どんなビジネスが生き残れるのかが明確に分からないし、3年後をせいぜい想像できるくらい。そんな世界ですから、利益だけを追って儲けても意味がない。実際、僕の目的もお金を稼ぐことではありませんしね。


ニッチな話題が主なニコニコ動画で、世の中が注目しているニュースを伝える「報道」に力を入れています。これはテレビを主に見る人とネットをよく見る人の溝を埋めようとする努力です。ネットしか見ない人に世の中の動きを知ってほしいんです。マスメディア側とネット側をつなぐことが、当社の本業ではありません。でもニコニコ動画は、ネットの世論形成の中心にいるという自負があります。だから、ある程度のことはやりたい。本当はヤフーさんが取り組んでおかしくないのですが、コンテンツを流すだけですからね。


「テレビを見るか、ネットを見るか」という単純な話ではないと思う。テレビや新聞、雑誌といったマスメディアの情報を全く見ない人が増えてきて、見る人との間に大きな溝ができている。今年の夏に、「フジテレビの放送は韓流に偏っている」と抗議するデモが起きましたよね。でもネットをあまり見ない人の中には、その事実すら知らない人がいるはずです。ネットを主に見ている人はマスメディアに不信感を持って、「マスコミは真実を報じない」と批判する。それを受けて、マスメディアを主に見る人や擁護する人が「ネットの住人は暴走しやすい、暴力的だ」と言い返す。お互いの不信感が消えることはなく、感情的になる一方です。実際はそうした人ばかりではないのだから、誤解でしょう。望ましいことではないですね、日本に2つの国ができ始めているんですから。世界の過去の歴史を振り返ると、隣り合った同同士がお互いのことを誤解した結果、戦争に発展してしまったケースは多いんです。


僕も基本的にテレビを見ない。ただ、みんなが「テレビは面白くない」というから、それを確認するために時々見ます。でも、めちゃくちゃ面白いんですよね。ネットでやっていることに比べて、面白さのレベルがはるかに高い。じゃあ、「面白くない」という声がどうして上がるのか。僕はみんながテレビにただ飽きているんだと思う。ずっと面白いものなんてあり得ないのだから、単なるわがままですよ。少し前まで、みんな1日に何時間もテレビを見ていたじゃないですか。現在は飽きてしまって、ネットしか見ないという人が増えているのでしょう。


私を受け入れてくれた鈴木敏夫さん、映画監督の宮崎駿さんと高畑勲さん。やはり、この3人がとにかくすごい。常にチャレンジしているんですよ。現役バリバリで枯れる様子がありません。宮崎さんと高畑さんはもう70代ですが、信じられないくらいに若い。宮崎さんは若いアニメーターに、「君の描く女の子は古い。20年前の顔だ」って説教してました(笑)。この3人が昔話を一切しないことにも驚きましたね。数々の偉業を成し遂げてきたのだから、昔の話が出てきておかしくない。でも話す内容は現在と未来のことだけ。過去の作品を超えたものを作ろうといつも考えているんです。僕は40代に入って、そろそろ人生の折り返し地点かなと思うようになりました。でも70歳を過ぎてもこれだけやれるんだということを見せつけられて、まだ折り返し地点に来ていないと思い直しましたよ。


川上量生の経歴・略歴

川上量生、かわかみ・のぶお。日本の経営者。「KADOKAWA・DWANGO」会長。愛媛県出身、大阪育ち。京都大学工学部卒業後、ソフトウェアジャパンを経てドワンゴを設立。同社を東証一部に上場させた。その後、KADOKAWAと経営統合を行い、会長に就任した。