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山口周の名言

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山口周のプロフィール

山口周、やまぐち・しゅう。日本のコンサルタント。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻アートマネジメント分野修士課程修了。電通、ブーズ・アレン・ハミルトン、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー、ヘイ・グループなどを渡り歩いた。著書に『グーグルに勝つ広告術』『天職は寝て待て』『外資系コンサルのスライド作成術』ほか。

山口周の名言 一覧

人間は経験を積むほど、眼前で起きている光景をありのままに認識できなくなります。けれども無価値であると判断して見ていないものの中に、革新的なアイデアにつながる重要なヒントが隠れているかもしれません。


だんだん知識のストックが増えてくると、やがて異なる分野の内容同士が関連づいてくる。経営のことが心理学につながり、歴史が自然科学に結びついたり。こうなればしめたもので、物事を多角的に考察する力にもなる。


残業を減らして浮いた時間を何に使うか。残業を減らす目的ともいうべき部分をまずしっかり定めることが大事。


重要とは思えないことで何時間も悩む人もいますが、自分の中に絶対的な軸があれば、判断を下すに必要な時間は大幅に減らせるはず。


私の場合、「何がクライアントにとって最もいいことか」を判断の軸に置いている。それを最優先事項と考えれば、自分が取るべき行動はすぐ決定できる。


仕事の無駄な時間を減らすためには「決断を迷わない」こと。迷った場合の判断基準を自分の中に持つ必要がある。


自分で自分をマネジメントする。そういった意識で仕事をすることが、残業を減らし、より良いキャリアを築く第一歩。


仕事にはサステナビリティ(持続可能性)も必要。上司から求められる水準がよくわからずに「とりあえず全力投球」していては持ちません。


情報を見るときは、視点を絞り込んだほうがいい。それでこそ、みんなが気づかないことに気づける。


「自分には何の情報が必要なのか」を定めてから、情報源を探すこと。勉強という言葉は「磁力」が強いために、あれこれ手にしたくなるもの。ですが、後に何も残らなければムダな時間と知識になってしまいます。


仕事時間を短縮するために作業を効率化するというやり方は、基本的には効かないと私は考えています。それよりも、余計なことをやめることが重要です。


すぐに役立つ情報は、すぐに陳腐化する。知的生産に必要なのは、すぐ役に立つとは限らないが、なぜか自分の心にさざ波が立った情報。そうした情報が何かの瞬間に化学反応を起こして、新しい発想が生まれる。


最先端を追う進取の気性を否定するつもりは毛頭ない。ただ、メディアやマーケティングの領域に身を置いていると、次から次へと新しいコンセプトが生まれ、デジタル技術も時々刻々と変化する。その世界で働いている人々がマッチポンプのように新しいものを出しては燃やし、出しては燃やし……。そこに気を取られすぎると、本質を見失いかねない。


ビジネスの現場で使われる最先端のキーワードも、あっという間に使い古され、痛い言葉と化す。一方、たとえばビジネスの会食の場で「マキャヴェッリは『君主論』の中でこんなことを言っていますね」「カエサルは『内乱記』の中でこんな決断をしていました」という話なら、10年後でも20年後でもずっと使えるネタだ。


資料にグラフを入れるとき、適切なグラフかどうかを判断する方法として、口頭で説明しやすいかどうか確認するというものがあります。口頭で説明しにくければ、適切なグラフでない可能性があります。より適切なグラフを心がけてください。


色数が多いスライドをつくりがちな方が初心者には多いのですが、基本的に白と黒の二色で100%の完成度にもっていけると考えてください。できないのであれば、そのグラフやチャートの内容に問題があるか、伝えようとしているメッセージが複雑すぎるかの場合がほとんどです。本当に伝えたい一点のほかは、大胆に単純化するか、消すことです。


スライドをつくるときは伝えたいメッセージにフォーカスを当てることは非常に重要です。


チャートをつくる際には、「プレグナンツの法則」を知っておくといいでしょう。プレグナンツの法則には、「近接の要因」というものがあります。これは、近くにあるものは同じグループとして認識してしまう、というものです。スライドも、同じグループのものを近くに配置し、違うグループのものとのあいだに距離を開けることで、わかりやすくなります。


独学の力をつけるには「抽象化・構造化する」というプロセスが欠かせない。すぐにできることは、読書日記やメモをつくること。感想文を書くのが目的ではなく、「何が書かれていたか」を要約することです。引用したい一節や固有名詞、疑問点にはマーカーや下線を引いておくと、後に振り返るときに役立ちます。


教養がもたらしてくれるものは「豊かな人生」だと思います。たとえば、リベラルアーツと呼ばれる学問群は、「人々の思想や発想を自由にするためのもの」と言われます。さらにその本質を突き詰めると「人に騙されないための技術」でもあるのです。


顧客から時間を守るポイントは「顧客がうるさく言い始めると時間を取られる」ということ。そして、うるさく言い始めるのは不安になっているからです。だから、顧客を不安にさせないこと。


優秀だったはずのコンサルタントが、転職すると出がらしのようになって、ろくなアウトプットができなくなってしまうことがあります。自分が本来やらなければいけない勉強、考えなければいけない大事なことのために時間を使わず、会社や顧客のために時間を取られてきたからです。自分の時間を守りきれないとどうなるか、といういい例でしょう。


仕事はきちんとしなければいけません。けれども、どこかで線を引かないと、無限に時間を奪われることになります。


私が時間について考えるとき、いつも意識しているのは「世の中は時間を奪い合う競争であり、時間を取った人にお金が行く」ということです。


「何かをやめる」ことの重要性を私が強く意識するようになったのは、コンサルタントになって2年目、毎日2時間しか寝られないほど忙しかった頃のことです。当時、私はタバコを吸っていました。ビルの外の喫煙所までの往復時間を含めると、1本吸うために15分。1日に10本くらい吸っていましたから150分、2時間半もタバコに費やしている。ということは、タバコをやめれば睡眠時間が倍になると気づいて、私はピタリとタバコをやめました。これはややくだらない例ですが、本当に忙しいと「余計なことにかける時間を削ろう」という圧力がかかるものです。


「この局面で求められるクオリティは何点なのか」を見極めて、出力を調整することが大切。常に全力投球していては、評価されないムダな仕事が発生しますし、ここぞというときに力を発揮することもできなくなってしまう。


軍事では「戦力の逐次分散投入は愚策」と言われますが、情報収集も同じでしょう。アンテナを広げすぎると注意力が分散されて、何も見ていないのと同じ状態になってしまいます。ですから、情報収集のときには一定の方向に注意力のフォーカスを当てて、他は遮断することを意識したほうがいいと思います。


重要だと言われた資料も、躊躇せずにばっさり捨てます。今は大概のものは元のデータが保存されていますし、重要な資料は会社として保管していることがほとんどです。あとで必要になったらそのときだけ参照できればいい。使うかどうかわからないのに保管しておくのはムダです。


本棚を人文科学、社会科学、ビジネス書、小説の4つに分けて整理しています。本棚は自分の頭の中のアナロジーになっていて、本棚に置く本を時折入れ替えてあげないと、頭の中の情報もアップデートされません。ジャンルに分けていると、「今この分野がいっぱいになっているからスペースを作ってあげよう」とか、「この分野は余裕があるから情報を追加しよう」と可視化できます。


気になったところは転記するので、本そのものはなるべく捨てるようにしています。残すのは、あとで参照すると確信を持っているものと、事典的な使い方をするものだけ。引っ越しのときにそれ以外のものを一気に捨てたら、従来の五分の一くらいになりました。それでも困ったことはないですよ。


私の中で自伝はビジネス書の位置づけ。私の専門は組織開発や人材育成なので、とてつもないことを成し遂げた人が何を考え、自らのキャリアをどう切り開いてきたのかということが仕事のヒントになるのです。


情報の整理方法は、いまの時代は、やはりデジタル管理がおすすめですね。私はタブレット端末を活用してます。後に使いたい情報や書き出したデータは、たとえば「組織」といったキーワードで「タグ」をつけ、クラウドに保存しておく。検索すると、過去にまとめた情報がすべて一覧できるようにしています。情報のストックが増えてくると、独学は本当に楽しくなりますよ。


ワクワクして読めることが大事な物差しになりますが、そんな本に巡り合えるのは10冊買ってもせいぜい1~3冊。すべての本を熟読するのはナンセンスで、熟読できる本でなければ、「要点だけを拾う本」「読み飛ばす本」に分けて読む。仕事に必要ならば、頭にたたき込む必要がある本もあるかもしれませんが、独学には必要ない。インプットするための情報源は、映画やドキュメンタリーなどの映画でもいいでしょう。


世の中はグローバル化が進んでいると言いますが、世界の貿易統計を見ると明らかにローカル化が進んでいる。併せて、「ポピュリズム」「保護主義」「人種差別」も台頭している。こうしたことに気づくことが教養であり、「グローバル化が必要だ」と言っている発信源に対して、検証や批判が必要になる。そのためには「1人で学ぶ力」をつけることが大切だと思うのです。


まずは、残業を減らして浮いた時間を使って、自分がしたいことを見つけること。時間とは何にでも利用できるかけがえのない資本であり、投資の源泉です。時間とお金は同じ性質を持っていて、余剰時間をつくるという行為は貯金と同義。貯金も欲しいものややりたいことがなければ有意義に使えないように、余った時間もそれを費やすに値することを見つけなければ、無意味に浪費するだけ。


処世術の基本となるものは古典が教えてくれる。たとえば紀元前に生きたソクラテスやプラトンの言葉になぜいま、我々が共感するかといえば、「ああ、あの時代もそんなに生きにくい世の中だったのか」と思えるから。夏目漱石だって「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」と言っている。セネカは怒りの無益さを説いている。


私が出会った経営者の中で「バランスのとれたリーダーだな」と尊敬せずにはいられない人というのは、知識を入れる構造が二段階になっているように見える。一つは、必ずしも実利的とはいえないが、古典や歴史から吸収した知識の層。そこには、人間の本質、物事がうまく運ぶときと運ばないときの根本が含まれている。もう一つは、アプリのような役割を担う知識の層。マーケティングやデジタル技術などの最先端の情報を絶え間なく吸収し、取捨選択して、実際に使えるツールと判断すれば即取り入れる。


私はそもそも、面倒や手間はかけたくない性格なので、「最も効率的かつ最短で学べる」というポートフォリオを検討しました。結果、マーケティングの名著や古典を学ぶことにたどり着きました。私は大学で美術と音楽を専攻していましたが、どちらも流行と衰退を繰り返した末に、いい作品だけが残るのだと知っていた。「時間」と「人」によるフィルタリングで残ったものが「古典」なのです。マーケティング理論もきっと同じだと仮説を立てました。ドラッカーやコトラーなどの名著を読んで基本を押さえた。すると、後の理論はすべて、それらのどれかを応用したものに過ぎないことに気がついた。独りで学んだことが、後に役立つことこそが独学の目的であり、醍醐味なのだと思います。


独学の成果を上げるコツは、学びのターゲットを「ジャンル」ではなく、「テーマ」で決めることである。テーマを「徳川将軍家」に設定したからといって、ジャンルを「歴史」などと一対で設定するのも無意味だ。教科書的な基礎知識はひと通り得られても、「あなたならでは」の洞察力や示唆を得て新たな発想が生まれるかといえば、期待は薄いわけだ。「テーマを主、ジャンルを従」とするのは、領域を横断するインプットにより、様々なジャンルの知識が組み合わさり、新しいアイデアが生まれることを期待してのことなのだ。書籍の分類としてのジャンルに縛られる必要はない。「歴史」「文学」「経済」「心理学」「教育」等々はジャンルだ。一方、テーマとは自分が追求したい「論点」のことだ。


目新しいものばかり追いかけると、どうなるのか。歴史上、新しもの好きの一人として知られているのが坂本龍馬。事の真偽はともかく、エピソードとしてよく語られる話がある。北辰一刀流の剣の使い手だった龍馬が、友人に「これからはこれだよ」と懐から拳銃を出した。後日、「俺も拳銃を買った」と言う友人に、「いや、もう拳銃は古い」と『万国公法』の一冊を見せた。それほど時代の最先端を追い求めたのに、龍馬は次の時代へ行けなかった。生きて明治期を迎えたのは、山縣有朋や伊藤博文である。戦国期の織田信長も新しもの好きだったが、次の時代へ行けたのは徳川家康だ。


「時代遅れ」をことさら意識したり、新しいものを取り入れようとすればするほど、逆に時代遅れになりかねない。たとえば、書店に並ぶ書籍。「時代遅れにならないもの順」に序列をつけるなら、書かれた年代の古いもの順になるに違いない。日本なら『古事記』『日本書紀』、海外なら『旧約聖書』『新約聖書』や、ローマ軍を率いたカエサルによる『ガリア戦記』などは、「時代遅れ」とは無縁の存在だ。ユリウス・クラウディウス朝時代のローマ帝国の政治家であり、哲学者・詩人でもあるセネカの著作を「時代遅れだよ」という現代人もいないだろう。そうした書物から順に並べていって、一番時代遅れになる書籍はといえば、出版年月が最も新しいものである。


リーダーの素養について分析した「ホーガンアセスメント」によると、戦略思考性と美意識は強い正相関にあることがわかっています。なるほど、大塚製薬の大塚武三郎氏、ポーラの鈴木常司氏、ブリヂストンの石橋正二郎氏、セゾングループの堤清二氏など、名経営者が美術に造詣が深かった例は枚挙にいとまがありません。「美術力を学ぶ」とは、世間でいいと言われている作品を自分もいいと思えるようになることではありません。知識を詰め込んで、他人と話を合わせることでもありません。自分が本来的に持っている感性や心を動かされるものに軸足を置いて、仕事や人生を組み立てていく。自分がいいと思ったことを世に問うことが人々の共感を呼び、イノベーションを起こすのではないでしょうか。


今、世界的に名だたるグローバル企業が経営幹部を英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)などの美術大学院に送り込み、アートを学ばせています。その理由は、市場調査や統計分析などサイエンスに基づいた従来のモノサシに頼っていては未来がないことに、彼らが気づき始めているからです。携帯電話を思い出してみてください。当時は大半が折りたたみ式で、機能やデザインでメーカーを言い当てるのは困難でした。各社それぞれに市場調査をし、集まったデータを開発に反映した結果、同じような製品ばかりになってしまったのです。そこへ、「自分たちはこれが美しいと思うから」という理由で開発されたiPhoneが登場して、シェアを根こそぎ奪ってしまった。従来正しいとされてきたモノづくりのプロセスが、根底から揺らいだ出来事でした。このほか、マツダや無印良品など、マーケティングに頼らない独自の美意識を確立した企業が好業績をおさめているのはご存じの通りです。


山口周の経歴・略歴

山口周、やまぐち・しゅう。日本のコンサルタント。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻アートマネジメント分野修士課程修了。電通、ブーズ・アレン・ハミルトン、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー、ヘイ・グループなどを渡り歩いた。著書に『グーグルに勝つ広告術』『天職は寝て待て』『外資系コンサルのスライド作成術』ほか。