尾藤克之の名言

尾藤克之のプロフィール

尾藤克之、びとう・かつゆき。日本のコラムニスト、ノンフィクション作家、経営コンサルタント。埼玉大学大学院博士課程前期修了。衆議院議員秘書、大手コンサルティングファームIT系上場企業役員などを経て独立。著書に『ドロのかぶり方』。

尾藤克之の名言 一覧

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昨日の敵は今日の友。どんなイヤなヤツでも、味方になる日が来るかもしれないことを頭に叩き込んでおきましょう。


企画書や稟議書を通すとき、つまり会社に大きなお願いをするときは、社内で発言力の大きい「実力者」を味方につけるのが一番の近道。


事業を成功させるための努力は大変だしライバルも多い。でも、敗戦処理なら簡単なのに誰もやらないので、評価も上がりやすい。トラブルの最終処理を仕上げることで、周りを助け、最後に自分の人望も集まる。こんな部下なら、上司は評価せざるを得ませんよね。


どうすれば仲良くもない相手と手を組めるのでしょうか。政治の世界ではいい方法が確立されてます。それは「仮想敵国」を作ること。あなたが大嫌いな相手ですから、おそらく向こうもあなたを大嫌いなはず。そんな相手でも、共通の敵を設けることで「あ、こいつ、味方なんだな」と思わせられるのです。いうなれば2人の世界の緊急事態宣言。「有事」は、好き嫌いを超越するのです。


政治の世界では「敵を作らないこと」が最も大事な生き残り術です。下手に禍根を残すと、局面が変わった場面での対処が難しくなります。「相手を徹底的にやりこめない。勝つとしても6対4で」というのが政治の世界での鉄則となっているほどです。これはビジネスの世界でも同じ。いつ大キライだったヤツが自分の上司になるかもわからない。仕事をムゲに断ったヤツから、仕事を教えてもらう日がくるかもしれない。そのとき、過去に禍根があれば、あなたに跳ね返ってきてしまうのです。



ゴマすりでいいんです。ゴマすりだって、やりたいことが通って評価も上がり、さらには会社の業績がよくなるのであれば万々歳ですよね。そもそも立場が上の人にただお願いするだけでは、うまくいくはずがありません。「自慢話をひたすら聞く」という普通の人がいやがることを徹底でき、いい気持ちにさせるから気に入られるのです。


企画書や稟議書が通った後に一つだけ、詰めの作業があります。それは他の実力者にひと言挨拶すること。なぜなら、あなたの稟議書に全員が賛成したとは限らないから。なかには「面倒な仕事が増える」「うちの部署の売上が下がる」などと思いつつ、しぶしぶ承認した人もいるでしょう。要は「稟議書が通った=敵を作った可能性もある」ということ。だからこそ、そんな人達にも「お力添え、ありがとうございました」「今後ともご指導をお願いします」とフォローする。そのひと言があるだけで、他の実力者を敵に回すどころか、新たな協力者になってもらえるかもしれません。


実力者を味方につけるやり方は、いたってシンプル。「相手の武勇伝を聞いてあげること」です。まずは相手の得意分野の話を振る。誰でも得意なことは人に話したいですから、「今度、昼ごはんでも」といって、向こうから武勇伝を聞かせてくれる機会を設けます。あとはそれを、「ほうほう」「なるほど~」「はい、○○ですね」など、いくつかの相づちを使い回しながらひたすら聞くだけ。さらに話の興が乗ってきたら、「とてもためになるので、書き残させてください!」とおもむろに手帳を出し、メモを取る。すると相手は自尊心をくすぐられ、あなたのことを「なかなか話のわかるやつだ」とすっかり気に入ります。これを、より人に語りたくなるお酒の席でできたら、一層効果的。取引先への接待でも活用できます。


ある会社に転職したときのことです。社内に赤字続きで資金が回収できず潰れそうなプロジェクトがありました。私は上司にこう言ったのです。「僕にやらせてください! やれるだけのことはやってみます」。あとは最低限のお金の回収や、顧客との関係調整など、撤退に向けての事務作業=敗戦処理に専心しました。プロジェクトを成功させようなどという努力はしなくてOK。なぜなら、これまでも八方手を尽くしてきたわけで、正直そんなもの誰がやろうと、業務改善なんてできないからです。そして実際に撤退となったのですが、私の評価は落ちるどころか、大きく上がったのです。そもそも瀕死状態ですから、最初から成果は求められてません。そしてやるのは事務処理や調整だけなので、少し頑張ればすぐ結果が出て、「火事場の処理がうまい人」という印象になったのです。加えて「火の中に飛び込む度胸のあるやつ」「器のでかい男」という評価も得られました。ワラをもつかむ思いだったプロジェクト内の人たちは、私に大きな恩義を感じてくれたはず。上司からは部の成績の下げ止まりの功労者として評価され、みんなにいいことだらけでした。そう、ポイントは、「プロジェクトが撤退する寸前で手を差し伸べる」ことです。


私は、過去に衆議院議員の秘書を務めていました。議員秘書の役割の一つは、トラブルを最小限にとどめること。もし上司である先生がトラブルに巻き込まれそうになったら、すぐさま「僕がやります」と飛び出していかなくてはなりません。当然リスクも伴いますが、逆にそうすることで先生からの信頼や評価が一気に高まります。私は「トラブル」を積極的に拾いにいくことで、自分の地位を確固たるものにしていったのです。転職後もあえて火中の栗を拾いに行くように努めました。人のトラブルを背負うことが後々は自分に大きく返ってくることを、議員秘書時代に身を持って学んでいたからです。


尾藤克之の経歴・略歴

尾藤克之、びとう・かつゆき。日本のコラムニスト、ノンフィクション作家、経営コンサルタント。埼玉大学大学院博士課程前期修了。衆議院議員秘書、大手コンサルティングファームIT系上場企業役員などを経て独立。著書に『ドロのかぶり方』。

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