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尾山基の名言

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尾山基のプロフィール

尾山基、おやま・もとい。日本の経営者。アシックス社長。石川県出身。大阪市立大学商学部卒業後、日商岩井(のちの双日)に入社。同社にてナイキ・ジャパンの立ち上げに携わった後、アシックスに移る。ウォーキング事業部マーケティング部長、マーケティング統括部長、アシックスヨーロッパ社長、アシックス本社取締役、常務取締役、常務取締役海外担当兼経営企画室担当兼マーケティング統括部長などを経て社長に就任。

尾山基の名言 一覧

私自身も中途入社です。社歴にこだわらず、ふさわしい能力の人間がふさわしいポジションに就けばいい。社内ではすでに多くの中途入社組が統括部長など要職に就いています。


善い会社であるには成長が必須。そうでなければステークホルダーに利益を与えることもできないからだ。


「プロ経営者」という言葉には違和感を覚えますね。そもそも社長までいって、2~3年で実績を残した人はみんなプロですよ。会社を色々と渡り歩いた人だけがプロ経営者と呼ばれるのは変です。


販売員を含めてグループ全体で社員が1万人いるんですが、核になる人間は20人ぐらいだと思います。このメンバーを徹底的に育て、ブレークスルーさせることが私の役目だと思います。


M&Aは常に検討していますが、むしろ、買収されないようにしないと(笑)。そういう意味でホワイトナイト(買収に対抗するための支援企業)をどうするかも、常に考えています。


スポーツは1人でやろうが、チームでやろうが、ファイティングスピリットがなかったら無理です。なんぼ上がチャレンジしろと言ったって、本人の気持ちが最初に行かなくちゃ、チャレンジもできません。


アシックスの強みは、やはり日本人の勤勉さで、コツコツと技術を進化させてきたことでしょう。当社にはスポーツ工学研究所があって、大阪大学などと組んで科学的な研究を重ねています。一方、弱みはデザインです。もうちょっとファッション性を高めなくちゃいけない。そこでデザインセンターをつくりました。


僕は商社時代にドイツへ行って、アシックスに入ったあとも米国で5年、オランダで4年過ごしました。これからはミックスカルチャーを経験し、理解できる人でないと当社の社長は務まらない。だから日本人の社員も海外へ行かせて、いわゆるミックスカルチャーを経験させなくてはと思っています。


もともと当社は体育会系の社員が多いんです。いまもベースは体育会でキャプテンをやっていたとか、陸上をやっていたとかいう人材です。だからファイティングスピリットはあるはずなんです。


一般社員向けの研修も強化しています。いまの日本は、10~20年間のデフレと経済停滞で、本当に元気がない。そこに軽いコンペティション(競争)を起こしたいと思いました。そのためには、誰かがフッと息を吹きかけてやらないといけません。それが研修なんだと思うんです。


帝人の役員の方があいさつに来られたときに、50歳以下で次のリーダーをつくるといいと言ったんです。エリートスクールをつくれと。僕は日商岩井時代、26歳と28歳のときに語学研修性としてドイツに行った経験がありますので、その意味はよく分かります。そこでよしと思いまして、25~29歳、30~36歳、37~46歳の3つのグループをつくって、昨年は経営やファイナンス、英語の教育を受けさせました。これが当社のエリートスクールです。


私はアシックス入社後、百貨店事業や、「ペダラ(ウォーキングシューズシリーズ)」の立ち上げを経験しています。そのときに伊勢丹研究所に入れてもらったんです。すると、彼らはものすごくしっかりやっている。「ハーヴェイ・ニコルズ(英国ロンドンの老舗百貨店)」には必ず定点観測に行くとか、今年は何色を差し色にするとか。店頭を明るくするために明るい色を入れるとか。びっくりしました。これを参考にして、当社のデザインセンターでは、東京都パリのファッショントレンドを全部、デザイナーに流しています。


ブランド戦略で、僕がアッと思ったのはニューバランスです。過去に米国でニューバランスのバスケットシューズを出したんです。けれども、米国人は誰もニューバランスがバスケットシューズのブランドだと思っていなかった。ランニングシューズでしょうと。バスケットはナイキ、アディダスでしょうということで、結局売れなかったんです。これは怖い。アシックスも同じように、ランニングのスペシャリストと刷り込まれてしまうとまずい。


国ごとにカタログが表紙から中身のレイアウトまで違えば、経済的に見ても2倍、3倍、いや10倍ぐらいのコストがかかっているわけだから。アシックスのブランドイメージを統一していったわけです。


鬼塚(喜八郎、アシックス創業者)さんも言っていた「頂上作戦」をやっています。頂上とは、日本ではオリンピック選手だし、世界でいくと世界記録を出している選手ですね。このトップラインは、ナイキもアディダスも勝てるかどうかの難しい世界ですよ。そこで選手のニーズをくみ取って、徹底的に技術と商品を磨く。頂上がとれれば、その後で中間層も追随します。そうやって商品は浸透するんです。


海外で現地の販売代理店に任せると勝手にやってしまうわけです。50~200ドルの靴のラインがあったら、販売代理店はだいたい50~60ドルの靴しか売りません。売りやすいからです。本当は象徴的な意味も込めて、少しだけでも200ドルの靴も売ってほしいんです。それなのに売りやすいものだけを売ろうとする。これではビジネスになりません。それで自前でマーケティング会社をつくることにしたんです。


最初はアジアパシフィック法人をつくってアジア全域を統括しようとしました。でもやっぱり難しいんです。それは「ユナイテッド・オブ・アジア」じゃないからです。韓国は韓国だし、中国は中国だし、台湾や香港も違います。ましてや、シンガポールはもっと違う。


過去、うちは「世界中でアシックスの花が咲けばいい」という考えで、ライセンスを供与して世界展開を進めてきました。それで各国が勝手にマーケティングをしていました。しかし欧州を回ったとき、愕然としたんです。オランダからドイツへ行って、フランスを回ってイタリアへ行ったら、カタログの表紙が全部違うやないかと。到着する先々の空港でアシックスのイメージが印象が変わって、はたしていいのかと。私はもともと商社にいて、ブランドのセントラルコントロールは慣れていましたから、これはあり得ないと思いました。その後、現地法人の社長を説得して、ブランドを統一していきました。


もしOEMを委託した企業が仕様書に違反して(工場の苛酷な労働などで)人権を侵害していたとしても、最終的な責任は発注元である当社のブランドに跳ね返ってくる。常時観察する必要がある。


社内では全体的に待遇をもう少し上げていきたい。この業界は規模が小さいので、ずっと給料を抑えてきた歴史がありました。一般社員から見ても、「あそこまでいったらあれだけもらえるぞ」という、張り合いがある感じにしたいんですよ。


スポーツ用品業界にはかつてない地殻変動が起きています。SNSが当たり前の時代となり、ブランドが消費され、飽きられるスピードもどんどん速くなっています。グローバルで競争している各社は、その地殻変動への対応に追われています。


ダイバーシティー(多様性)というと女性活用と意訳されがちですが、それは間違いです。アシックスにおけるダイバーシティーとは、年代、性別、国籍、全部を含めた概念です。だから日本も世界の一地域にすぎないと定義しています。日本事業の本部は東京で、全世界のヘッドクオーターが神戸市にあるという体制にしました。


スポーツ用品業界にはナイキOBが結構多いんですが、「アシックスOBが活躍している」といわれるぐらいになったら、それは勲章ですよね。今までは流出を止めていましたが、外から採ってきたから今後は逆に放していくのもいいかなと考えています。


段階的に人事制度を変えました。現在では、大卒で入ったとして、最短4年でマネジャー、5年で部長になれる仕組みになっています。頑張ってA評価を重ねれば、どんどん上へ行く。そのAが正しいかどうかのチェック機能はもっと働かせないといけませんが。45歳を過ぎたらもう経営陣に入っている、というのが理想です。


外部から登用する人の場合なら、いかにアシックスの社内文化や業務プロセスに合うかがポイントです。その人が転職前からやっている仕事にマッチすれば、フィットしやすい。だから専門性の高い仕事、すなわち法務、IT、人事などに強い人を採ってきた。でも、経営はその上ですから、得意、不得意が出てくるはずです。社内外を問わず、CEOになる人はそれらを全部理解しなければ、本当の経営者になれません。


創業者の鬼塚喜八郎氏はとても勘が鋭く、ファッションにも敏感でした。5年、10年先を見据えた経営方針を立て、それが全部合っていた。占い師みたいでした。すぐ側で彼を見ていて思ったんですが、問屋や小売りの先にいるお客さんが見えていました。だから世の中の変化がよく見えた。経営者は様々なフィルターがかかってそれが見えなくなるのが一番危ない。


経営者として大事にしているのは実証主義です。とにかく現場に行かなきゃダメ。工場があるなら3回でも4回でも行って、全部見て、こんなふうに商品が作られているんだということを知るべきです。当社の場合、シューズもウエアも生産工程が全部違いますが、幸いにも日本に工場があるので、行って見てくればいい。下が言ってきたものをまとめるのは誰でもできます。


為替変動の影響などを除くと、売上高は4000億円規模で3年間横ばいです。スポーツ用品業界全体が厳しいという状況もありますが、アシックスだけを見れば、やはり何かが足りない。この水準を何年も続けているということは、アシックス本体も海外の子会社も、商品も、マーケティングも、販売チャネルも全部、見直さなければいけない。今がまさに正念場ですね。


私が米国にいた1980年代、現地で「スリーピングタイガー(眠れる獅子)」と呼ばれて侮られたことがありましたが、実際に商品を使った人からは「すごくいい」と言われていました。不思議なことに、アルゼンチン、オランダ、南アブリカなど色々な国に行くたびに、まったく同じ内容の話を聞くんです。現地の協会幹部やアスリートが「俺もオニツカ(現アシックス)のシューズを履いていたよ」と。我々の知らない間に、アシックスの商品を面白いと思って買ってくれた方が世界中にいます。広告塔に頼りきるのではなく、こうした人々を地道に増やしていきたいです。


競技場で着用する分には、アシックスのマークやストライプが商品に大きく付いていても問題はなかった。でも今や、そこが要注意。大きなマークやストライプが嫌いな人は増えていますから。そういう点で、米ナイキは本当によく考えていると思います。マークを見せたいときは商品の前面に大きく付けたり、逆に必要ないと思えばほとんど付けていません。社内では「定番だからといって、必ずしもアシックスストライプを付ける必要はない」と言っています。例えばゴルフの松山英樹選手が着用しているシューズは、ストライプをかなり小さくしました。


尾山基の経歴・略歴

尾山基、おやま・もとい。日本の経営者。アシックス社長。石川県出身。大阪市立大学商学部卒業後、日商岩井(のちの双日)に入社。同社にてナイキ・ジャパンの立ち上げに携わった後、アシックスに移る。ウォーキング事業部マーケティング部長、マーケティング統括部長、アシックスヨーロッパ社長、アシックス本社取締役、常務取締役、常務取締役海外担当兼経営企画室担当兼マーケティング統括部長などを経て社長に就任。