小笹芳央の名言

小笹芳央のプロフィール

小笹芳央、おざさ・よしひさ。日本の経営者、経営コンサルタント。大阪出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートに入社し人事部人事課採用担当として十数年在籍。その後独立し、モチベーションをテーマにした経営コンサルティング会社のリンクアンドモチベーションを設立。同社を8年で東証一部に上場させた。テレビ番組のレギュラーコメンテーターとしても活躍。主な著書に『変化を生み出すモチベーション・マネジメント』『自分は評価されていないと思ったら読む本』『なぜ、できる人から辞めていくのか?』『部下の「やる気」は上司で決まる』『トップ人事コンサルタントが明かす いる社員、いらない社員』『引く手あまたの「売れる!社員」になる』など。

小笹芳央の名言 一覧

我々は労働生産性の向上に相関関係のあるファクターを発見しました。それは何かというと企業と従業員のエンゲージメント(相思相愛)度合いが高い企業は生産性が高く、度合いの低い企業は生産性が低いということです。


与えられた仕事でも全力で取り組み続けていくと、周囲の信頼が積み上がっていく。信頼はより大きな仕事を差配する自由につながる。


悩む暇があったら、目の前の仕事に全力で取り組もう。


葛藤などあり得ない。選択肢は「やる」だけ。どうしようなどと言っているヒマがあったらやればいい。


観察してアウトプットする。この積み重ねが、仕事の感性を磨いてくれる。


現象の表層だけを見て判断を下してはいけない。まずは「待てよ」と立ち止まって、考えてみることが必要。


人間って結局、いろいろな関係の網の目の中で生きているので、周りから見いだしてもらえるというのは重要なこと。


「入りたい人より、採りたい人」という姿勢じゃないとチームの器を超える人は来ない。


私はずっと仕事のことを考えています。ずっと考えているからインスピレーションが降りてくる。


人生の選択には絶対に「解答」はないんですよ。だから「よし、こっちだ」という自分の嗅覚や、選んだ後で正解だったと将来言える行動の方が大切。


誰もやってないということはチャンス。うまくいけば自分のオンリーワン性を確立できる。


腹さえくくっていれば、自分で道を切り開いていける。


案ずるより産むがやすし。1回だけの人生、「これは」と響くものがあったらどんどんチャレンジしてほしい。


極端な考え方をすることで、物事の本質が見えてくることがある。最適解は極論と極論の間にあることが多い。


利他の精神で取った行動には、必ず正のフィードバックが働く。


完璧な人間がいないのと同じように、「完璧なビジネスパーソン」というのもまた、存在しない。


仕事で成長するためには自分で自分のしていることに「OK」が出せないとダメ。


不満ばかり言っていても事態は何も変わらない。逆に自分の関与の仕方次第で、状況は変わってくる。


人は自由を獲得するために働いている。自分の信頼残高さえ増えれば、自由になれる。


どんな改革であっても、原点は一人ひとりの「本気」から始まる。その本気が周囲の共感を生み、社会が大きく変わっていく。


経営者というものは役割や立場上、自分の私利私欲や我欲みたいなものが出てくると組織を率いることはできない。


情報は使ってこそ価値がある。集めるのは手段に過ぎない。


自社と業界との距離をどのくらいに置くか考えていないと、業界の常識を外れることは難しい。


社内の企業風土や社員の意識レベルは経営者の写し鏡だと思うことが、トップとして大事。


思い通りの結果にならないと腹を立ててもストレスになるばかり。努力してもダメなら仕方ない。「次に行こう!」と悩まないこと。


99%までは自分の努力で成功に近づくことができますが、全て望みが叶うわけではありません。結果はどうであれ受け入れることが重要。


本当に努力を積み重ねてきた人間ほど、最後は運など、自分ではどうにもならない力に対して、祈る気持ちが出てくるもの。


謙虚に頭を垂れる、そういう心持ちでいると、結果的に多くの人からの支援やエネルギーを引き出せることが多い。


起こったことは変えられないが、起こったことに対する解釈・意味づけを変えることはできる。


大切なことは、いかによい人材を育てるか、言い換えればいかによい企業文化を創造するかが企業の運命を分ける。


若いうちはお金に対するリテラシーを持ちつつ、自分株式会社としての意識を持ち、信頼残高をためなさいと言いたいですね。信頼残高がたまると自然にお金の残高も増えてくる。


信頼とは約束と実行。それができる人にお金は集まります。しかし一方で、約束を守らない人にはその逆もある。


お金と言う存在も社会的な信頼というもので成りたっています。それだけにお金も信頼できる人のところに集まるのだといえます。


お金に関しては、資本主義の社会の中で生きる上では言葉を覚えるのと同じように、メカニズムを知りリテラシーを持つことはいたって当然の話です。


組織も生き物です。コミュニケーションや情報という血の流れが悪くなり、血栓が起きると、連携上の問題が起こり、モチベーションも低下するのです。


トンネルの先にどのような世界が待っているか、トップが確実に伝えていれば耐えられる苦労かもしれない。ですがその発信がなければ、どこか縮小均衡になっているという不満感が出てきます。


どんな仕事も、自分の心の持ち方次第で自分の成長に繋がる。


持てる力の120%を発揮しないと、才能があるかどうかなんて判断できません。


自分を会社と見立て、自分の今後の戦略や看板を自ら確立する「アイカンパニー」の考え方が必要です。個人が勝負の時代なのです。


通貨の取引は信頼関係を土台に考え出された仕組みですから、お金は信頼のあるところに集まる。一方で、約束を破った人には罰が与えられる。


有効な対策を打つには因果関係の正しい理解が必要。


これからの企業は労働市場に適応していかないといけない。時代の変化に対応できるような人や組織が整っていないと、変化に対応できるわけがない。


世の中に課題がある限り、当社の役割はまだまだ大きくなる。


現在、議論されている働き方改革というのは、長時間労働の是正ということだけに光が当たっていますが、それだと「ゆとり教育」ならぬ、「ゆとり労働」で終わってしまいますので、本質的には労働生産性の向上が大事になってきます。


少しずつ、「自分への期待→殻を破る挑戦→成功→自信」というサイクルを作っていくことが、できるビジネスパーソンヘの第一歩。


オフィスは社内外にメッセージを発信する強力なメディアです。そこで、我々の規模や、社会的影響力や、貢献度合いを高めていこうという覚悟を人々に感じてもらう場所だと捉えています。


忠告や叱責は、自己認識と他者からの評価のギャップを修正する格好の機会です。言われたことを真摯に受け止め、学びの機会に変えてください。


クレームが来ることは企業にとっては大きな失点です。しかし、全力で対応することで、ただの失点ではなくなる。


優秀なビジネスパーソンほど、幅広い物の見方ができ、それを表現する術を持っている。


仕事の本質は、「どこかにいる誰かの願いをかなえること」。


新規事業のライフサイクルは短い。だから、企画力や創造性をもって、次々に新しいことに取り組んでいかなければならない。


怒りの内容を文字にするには、いったん思考を通すことが必要ですよね。そこで理性が働きますから、書いているうちに少しずつ怒りが収まってくる。


この世の中、完全な客観性や中立性なんてものはありません。人が何かを判断する時には必ず、バイアスがかかっているものです。


あなたが何となく過ごした1日は、消えていった命が「あと少しだけでいいから」と切望しても、叶わなかった時間なのです。今日も自分が生かしてもらえていることへの感謝を胸に、日々の仕事に取り組んでいきませんか。


夢は持たなくてもいいし、叶わなくても構わないもの。そして、叶ったからといって、そこで立ち止まっていいものでもない。ただ、人は未来が開かれていると思うことで、今を生きる意欲が湧いてくる。


会議を実りあるものにするために一番大切なのは「議論の順番」の設計です。まず現状を把握し、共有することが必要。それを受けて、方針についてディスカッションを行い、その後、具体策を考える。


顧客満足と同じ熱意を持って従業員満足を図ること、それを自社のみならず顧客企業や社会全体に伝えること。その志を抱きつつ、今日も仕事に臨んでいる。


様々な判断・決断はある意味賭け。その決断を繰り返した人ほどカリスマ性があると思います。


信頼はどうやって築きあげるのか。それは「約束と実行」を繰り返すこと。


職場でエースと呼ばれる人材は現状を俯瞰し、自社のビジネスとの関連性を見つけ、すべきことを具体的に考えられる。だから成果を上げられる。


アイデアは既存の知識の組み合わせに過ぎない。よく「ゼロから1を生む」と言いますが、滅多にあることではない。


斬新なアイデアは、かけ離れたジャンルの掛け合わせから生まれる。広く深い知識を身につけ、結びつけてみる努力でアイデアマンになってください。


コミュニケーションのキモは、伝えたことを、どれだけ聞き手に残せるかにかかっている。


落ち込むようなことを言われるのが好きな人はいない。でも、そこを取り払い、ノーガード戦法で飛び込むと、大きな学びを得られる。


あなたが今、自分は評価されていないと感じるなら、それは上司や取引先などの期待に応えていないから。


気持ちが内向きになりがちな世の中だからこそ、安定志向を脱し、大きな夢を持つ。すると、不思議なことに、同じような志を持つ人が集まり、自分だけのネットワークもできるのです。


自らの手で変えられるのが「自分」「思考・行動」「未来」です。変えられないものに囚われず、こうした変えられるものにエネルギーを集中するほうが、ずっと生産的な仕事ができるはずです。いわば、ピンチをチャンスへと変える発想の転換が必要でしょう。


他人は自分の力では変えられません。「他人」「感情」「生理反応」「過去」は変えられないもの。すぐにできることと言えば……自分の意識の外に出して、可能な限り考えないようにすることぐらいです。


腐らず愚直に仕事に取り組めば、それを評価してくれる人は必ずいるということを忘れてはいけません。


若い人たちは「自分」というものがあると思っています。しかし、「自分」というものは、「ある」ものではなく「つくっていく」ものです。自分づくりを意識して、ネガティブなフィードバックもその糧にしていく姿勢が重要です。そうすれば、周囲もアドバイスを多くくれるようになりますから、成長も早くなります。


「30歳だから、もう英語の勉強は遅い」「40歳だから、もう起業は遅い」などと溜息をつく人が少なくありません。でも、50歳の私から見れば、彼らは「まだこれから」ですし、羨ましいとも思います。自分の年齢で限界があると思っていても、自分より歳を重ねた人から見れば、「まだまだ」「羨ましい」と感じるのです。年齢によって自分の限界を決めてしまってはいけません。


「30歳だから、もう英語の勉強は遅い」「40歳だから、もう起業は遅い」などと溜息をつく人が少なくありません。でも、50歳の私から見れば、彼らは「まだこれから」ですし、羨ましいとも思います。自分の年齢で限界があると思っていても、自分より歳を重ねた人から見れば、「まだまだ」「羨ましい」と感じるのです。年齢によって自分の限界を決めてしまってはいけません。


私は営業課長などをしてきましたが、コンサル部門を立ち上げるには、それまで身につけてこなかったものが必要でした。そういったときには、それまでの自分を一度壊さなければならないのです。


仕事でも、どんな人間関係でも、ある意味で賭けが必要です。賭けるということは、相手を信頼するということでもあります。100%失敗しないことを求めてはいけません。


ベンチャースピリットを持っている人は、たくさん賭けています。ときには裏切られて、勝率は7割くらいかもしれませんが、失敗を重ねているうちに耐性がついてきますし、勝率も高くなってきます。


会社や業界の流れが、いまどうなっているか考えることで、自分の仕事にはどんな重要性があるのか、会社全体の中でどんな役割を果たしているのかが腑に落ち、仕事への姿勢が変わると思います。


私は20代のころ、人事採用担当者としてある程度の実績を残していたのですが、急に営業マネージャーへの異動が命じられました。もし、このとき「なぜ自分が」と腐っていたら、営業の新しいスキルを身に着けようというマインドには至らなかったと思います。


自分が好きで仕方がない、自分への視点へのこだわりが強い人は、失敗を恐れるので賭けていません。それでは成長はできません。


まずは組織や上司から与えられた「やるべきこと」ができるよう、懸命に努力せよと言いたいです。そうして「やるべきこと」に打ち込んでいくうちに、「やれること」も多くなります。さらには、「やれること」の中から、「自分は仕事のこんなところにやりがいを感じる」などと、「やりたいこと」も出てきます。


私は仕事の最終的な目標は、「自分がやりたいことをやれる自由を獲得すること」だと思っています。その自由は、一朝一夕に手に入れられるものではありません。やれることをきっちりやって、周囲から信頼を獲得していく中で、徐々に勝ち取れるものだと思っています。


多くの人は、「努力した時間に比例して、だんだんと実力も伸びていく」と考えがちです。しかし、これは大きな誤解です。成長は階段状に訪れます。そこを理解しているかどうかが、まず大きな分かれ目です。


成長というのは「だんだん伸びていく」のではなく、「ある日突然」やってくるものです。したがって、一度でも「ある日突然」を経験した人は、次なる目標に対しても「ある日突然」を信じて努力を続けられるわけです。ですから、まずは一度でも階段状に自分が成長することを経験する。その最初の瞬間まで踏ん張れるかどうかが勝負の分かれ目だと思います。


デスクを整理すと、頭の中身も整理されます。いままで仕事に追われ気味だったのが、整理することによって、ポジティブに追いかけられる状態に戻ります。毎週末でも月一回でも、ある一定のサイクルでやると、行動に移るためのいいきっかけになると思います。


行動に移すためのきっかけづくりを、用意するといいでしょう。たとえば、友達や同僚で、「あいつと飲んだら元気になる、モチベーションが上がる」という人を見つけて、少しやる気が下がったときに、その人と会う約束を入れる。デスクの周りを思いっきり片づける。いらないモノを捨てて、いるモノを並べ直す。これは効果的です。


自分の気持ちが切り替わるなら、それを意識して「きっかけ」とすればよいのです。たとえば、引っ越しです。私は働きだしてから21年間で19回引っ越しをしました。いままで稼いだ分の、ほとんどを引越し代に費やしています(笑)。景色が変わると、気持ちも変わるものですから。


私は講演のとき、必ず参加者からのアンケートに目を通します。そこから自分の現状の課題も見えるし、成長実感もつかめます。そうやって小ジャンプの成長実感を持てれば、やる気も長続きするものです。


周囲からのフィードバックを、積極的に受けることも重要です。成長したときは、周囲の自分を見る目が変わってくるはずなんです。ですから、周りから「さすが○○さん」とか「期待しているよ」と声をかけられるようになったら、自分の成長のサインです。逆にいうと、批判も含めて、他者からの評価を恐れないことが重要です。


自分の実力に比して目標設定が大きすぎると、挫折の要因になります。野球選手も、守備練習のときは、キャッチできるかできないかのギリギリの位置にノックしてもらって、主義範囲を広げていきます。それと同様に、自分の実力の少し上ぐらいに目標設定するのがポイントでしょう。


成長するためには途中で諦めない工夫も必要です。たとえば、大きな目標にはマイルストーン(一里塚)を置くことです。仮にあなたが営業マンだとして、「売れる営業マンになる」という目標を立てたとします。でも、これでは目標が大きすぎて成長実感を持つことは難しいはずです。そこで、「1日100件、お客様に電話をかけよう」「そのうち10件の人と会おう」「そのうち1件と成約しよう」というように分けて数値目標を立てれば、まずは電話を100件かけるところから始められます。そこから成長実感を味わうことができるわけです。


子供のときに鉄棒の逆上がりを練習しましたよね。最初は何度挑戦してもちっともできず、そのあいだは「だんだん上達している」という感覚も、まったくなかったはずです。ところが、ある日突然、思ってもいなかったような場面で逆上がりできる瞬間が訪れます。しばらくはできない状態が続き、ある日突然、くるりと回れるようになるわけです。


以前に比べ、マネジメントが難しい時代を迎えました。最大の理由は、若い世代の働くモチベーションが多様化していることです。


部下は上司の意欲に敏感です。やる気のない上司の下で頑張る気持ちは起きません。だからマネジャーは自分自身のモチベーションアップも上手くなければなりません。


40代前半は世界観をガラッと変えるように強いられるわけですが、一方で人間は、行動経済学でいう「現状維持のバイアス」も働きます。変わりたくない、このままでいたい、という変化への抵抗は、年齢が上がるほど強まります。その意味で40代前半は、変化への対応力を最初に試される時期です。この先出世するために最も重大な要素のひとつが、この対応力なのです。


もし出世が遅れていたら、上司や先輩に、出世が遅れている理由を率直に尋ねてもいいでしょう。自分の強み・弱みを知るマーケティング調査だと思えば、苦言も素直に聞けるはずです。


40代前半はちょうど人生の中間地点です。後半戦に向けて、自分のバリューを高めていく戦略を立てる必要があります。3年後、5年後のビジョンを描き、そのときに売り上げや利益はどうなっているのか。考えを巡らすことは自分のキャリアプランにも役立ちます。


仕事のモチベーションを高めるために私が最も効果的だと考えるのは、自分は「アイカンパニー」の社長なんだという発想を持つことです。つまり、自分自身をひとつの会社に見立てるのです。そうすれば、ライバル会社と比較したときの競争優位性は何かと気になってきます。お得意様は誰で、その人に自信を持って提供できる商品は何かと考えてもいいでしょう。


若い世代をマネジメントするには、一人一人が何を求めているかを見極める必要があります。この欲求が働くモチベーションのエンジンです。エンジンは個々に違いますから、マネジャーは機会を見つけて部下から聞き出すようにしたいものです。ポイントは喜怒哀楽で、その部下は何に喜び、何を避けたがっているのかを探ります。


成熟社会に生まれ育った世代は、お金とポストだけが働くモチベーションではありません。自分と同じように、お金とポストで部下が動くと思い込むのは、新米マネジャーが陥りやすい落とし穴です。


マネジャーとなり評価される側から評価する側になり、評価権を持てば、孤独に耐えなくてはいけません。部下たちが居酒屋で、自分の欠点を愚痴りあっているかもしれないのです。


プレーヤーなら今週、来週、せいぜい今月の仕事を進めればよかったのですが、マネジャーは少なくとも半年から1年先まで計画を立て、成果を出さなくてはいけません。


マネジャーには全社的な視点から、自部門の役割を理解し、自分たちの行動を位置付けていきます。上からの情報を部下に伝えるときには、現場向けに噛み砕き、意味づけしていきます。反対に現場の情報は、整理し、優先順位をつけて上に報告します。他部署と連携をはかることも増えるでしょう。プレーヤー時代に比べて縦、横、斜めと空間的に視点が転換していきます。


40代前半は、マネジャーになる人が多く、ビジネス人生の大きな転換期です。当然、プレーヤー時代とは異なる視点を獲得しなければなりません。


私自身、経営者としての悩みが多いのですが、地球儀を見たり、空を見上げたりすると、「自分の悩みなんてちっぽけだな」と思えて、やる気が湧いてきます。


部下を表彰してスポットライトを当てることもやる気につながります。弊社では3か月に1度の社員総会で表彰を行っているほか、週一回発行している社内独自のスポーツ新聞で、そのときどきのヒーローやヒロインを紹介することもしています。


戦略的に信頼残高を高めたければ、小さな約束をいくつもして、それを確実に守っていくことです。たとえば、「いつまでにこれをやる」「会議はいつも1時間で終える」などと約束しておいて、それをきちんと守る。これを繰り返せば比較的短期間で信頼残高を高めることができるでしょう。


ミドル層の育成は、どの組織でも抱えている悩みのひとつです。社内で育てることが困難な場合は、優秀な人材を中途採用することも必要です。そのくらいミドル層は重要なポジションなのです。


上司の言葉を部下が納得するように、上司は自分の専門性に磨きをかける必要があります。


影響力を最大限に発揮するには、部下に信頼されていなければなりません。そのためには言動の軸がブレないことが前提となります。また、甘やかすだけでなく、部下のキャリアを考え愛情を込めて「怖い」と思われるくらい叱ることも忘れてはいけません。


20代の部下が、今週や今月の目標が達成できないということで過度に思い詰めてしまっているとしましょう。そのときには、「君はどういう30歳を迎えたい?」と声をかけてあげるといいでしょう。時間のレンジが極端に短くなっていたことに気づかせ、より本質的な課題に向かわせることができます。


視点が高すぎて評論家のようになっている部下には、目の前のことに集中して成果を出すことの大切さを伝えるべきです。


若い人に納得しつつ働いてもらうためには、会社や上司は、これまでのようにお金やポストをインセンティブにするだけではなく、彼らの精神的な満足も重視しなければならないのです。


やる気の源泉は十人十色です。ある人は上司に褒められることかもしれません。ほかの人は上司の評価ではなく自分が納得できる仕事をすることの方が優先順位が上だったりします。だからこそ、上司は部下の一人一人とコミュニケーションをとり、何をモチベーションの源泉にしているのかを知ることが重要なのです。


組織も人間と同じです。企業活動の中のコミュニケーションは人間にとっての血流と捉えることができます。コミュニケーションがサラサラの血液のように流れている会社は、社員一人一人のモチベーションが高い。職位を問わず情報が共有されており、部下の情報がマイナス面を含めて上司に伝わっているといった具合です。


コミュニケーションが滞っている会社では、上司の考えや部下の思いが、まったく行き来しません。そのような組織では、社員のやる気が下がり、能率も業績も落ちてしまいます。


中間管理職の存在意義は、大人数の組織を小さなチームに分け、それぞれのトップを決めることで、組織内のコミュニケーションの複雑さを解消し、より効率的なコミュニケーションをすることにあります。


中間管理職は、上からの情報を自分の言葉で噛み砕き、部下に組織の進むべき方向性を示しつつ、下の情報を取捨選択したうえで、優先順位をつけて上に伝える。もめ事を裁く父性と同時に、温かく見守り励ます母性も発揮する。そうすることで、組織内のコミュニケーションがよくなります。


社会が豊かになったいま、お金とポストだけでは働く人のやる気を維持することが難しくなっています。とくにバブル崩壊後は、エンゲル係数が約20%という豊かな社会に暮らしており、お金のために汗をかいて働くという意欲がわかず、責任を負ってまで昇進したくないと思っている人も少なくなくなりました。


いまは、モチベーションの源泉が多様化しています。それにもかかわらず、いまだにお金やポストを社員のモチベーションを高める手段にしている会社や上司も多い。これは大きな問題だと思います。


いまの若い人には働くことで得られる「精神的な満足」をモチベーションの源泉としている人が増えてきました。たとえば、自分の成長を実感することや、「自分は会社や仲間の役に立っている」というような貢献している実感、また、「自分は社会にとってかけがえのない存在なのだ」というような承認を得ているという実感です。


世の中には運も存在します。失敗にも、成功にも、人智が及ばない領域があることは事実です。しかし、私は不運さえも自分のどこかにそれを引き寄せる言動があったと捉えるようにしています。不運もある。でも、幸福もある。その前提に立ったうえで、努力を重ねていくことで、ただ天に運を任せるよりはいい結果が得られると信じています。


上司と自分の意見が異なることもあります。不本意な気持ちで仕事に取り組まなければならず、仕事に身が入らない。でも、会社や部門全体の方針や業界の流れを見ると、上司の判断が正しいという場合も多々あります。


高い視点や時代の潮流を見るのは大事ですが、それによって与えられた仕事のやる気が削がれているのなら問題です。まずは、目の前の仕事をやりきることを目標にしましょう。


「ちょうどよかった」という言葉は、ものごとの受け取り方を変える呪文です。起こってしまったことは変えようのない過去の事実です。でも、悲しみや不安、怒りを覚える対象から、ポジティブな気づきを自分に与える対象へと、受け取り方を変えることはできます。その思考の切り替えのスイッチこそが、「ちょうどよかった」です。


楽観的に考えるには呪文を唱えるといいでしょう。何か悪いことが起こったときに、「ちょうどよかった」と唱えるのです。たとえば、会社で何かミスが起きて、大事なお客様を怒らせてしまったときは、真摯に謝罪しつつ、心の中でこの呪文を唱えました。「いまミスが発覚して、ちょうどよかった。もし会社の規模がもっと大きくなっていたら、もっと大きな問題になってしまったかもしれない」と。


楽観的に考えるか、悲観的に考えるか。ものごとの捉え方が重要です。これは10年以上、会社を経営してきた中で学んだ経験則です。


自分がやりたくない仕事や、不本意な人事異動の場合、「仕事の意味を抽象化できるか」がカギを握ります。「自分の仕事はどんな仕事か」「どういう筋力を発揮する仕事か」などと抽象化して再解釈すれば、急な異動にでも対応できるはずです。抽象化さえできれば、どんな業務でも高いモチベーションが維持できます。


仕事の最終目的について「なぜ働くのか」「なぜ生きるのか」までさかのぼって考えることは必要です。本当の意味でのモチベーションは、「なぜ生きるか」「どう生きるか」までたどり着かなければ、論じられない気がします。ただ、焦って考える必要はないと思います。


私の場合、「なぜ働くか」を考えたきっかけは、肉親の死でした。そこで「人間は死んでしまうのだな」と、普段考えないことを考えさせられ、「生きる時間は有限だ」と改めて実感したのです。その有限な時間をどう使うか。「どうせ死んでしまうから」と諦めるか。それとも、「有限だからこそ充実して生きたい」と思うか。やはり充実して生きたい。そのためには自由が欲しい。自由というのは、信頼も収入もいろいろなものを手に入れて得られるもの。そのためには……と、「働く」ことの意味を考えた時期があります。


引っ越しはモチベーションにもつながります。私は30歳のとき、タワーマンションの4階に入りました。しかし4階は景色がほとんど見えませんでした。そこで、「もっと晴海(東京湾)の花火を見られる上の部屋に移りたい」と次なる目標を立て、仕事のやる気にもつなげたわけです。「きっかけ」も「やる気」も、そうやって、自分からつくり出せるものだと思っています。


私たちの仕事はすべて、他人との「協働」で成り立っています。上手にコミュニケーションがとれないと、他のスキルが優れていても、伸び悩むようになる。


私は20年以上、日曜日の夜に1週間の仕事の優先順位づけをしています。その週の仕事をすべて書き出し、俯瞰する。そしてそれぞれの仕事に優先順位をつける。こうすることで月曜日の朝、出社してすぐに全力で仕事に取り組めるのです。


仕事に取りかかる前に「最低限、達成したい目的(マスト)」「時間が許す範囲で質の向上を目指すこと(ウォント)」の2段階に分ける。そして、「マスト」から手をつけます。こうすることで、仕事に追われている状態から解放され、主体的に業務をコントロールできるようになる。


学生時代、試験を受ける際に「まず、すべての問題に目を通し、解きやすそうなところから手をつけなさい」と言われた経験があるでしょう。仕事もこれと同じ要領です。一通りできたら、時間が許す限り各項目の完成度を高めていきます。


「忙しい」が口癖で、徹夜も時々する。それなのに、思うように成果が上がらない。そんな悩みを抱えている若手ビジネスパーソンは多いでしょう。一方で、ほとんど残業をしないのに結果を残す人もいる。両者の間に能力や、やる気の面で大きな差はありません。仕事に取りかかる前の一手間の有無。これが両者を分けているのです。


目に映る現象だけがすべてなのか。他に要因はないのか。原因と結果を取り違えていないか。「たまたま」の現象に引きずられていないか。因果関係を整理する時は、これらを必ず疑ってください。


人には物事を単純に理解したがる傾向があります。その根源には「面倒なことはやりたくない」という思いがある。しかし、ビジネスの世界は複雑で面倒くさいものなのです。結果を出すためには、思考に「一手間」をかけることが近道なのです。短絡的な発想から抜け出しへ成果につなげてください。


私はよく、就職や転職の相談を受けます。その際、相談者は大企業に入ることしか考えていないことが多い。経営の安定度や知名度など、単純な尺度だけで仕事を選ぼうとしているからです。しかし、「自分の専門性を生かせるか」「若い社員でも大きな仕事を任せてもらえるか」など、別のものさしを持てば、会社の規模にとらわれず、仕事を選ぶことができます。


私たちの会社でも、経験の浅い経理担当者は、私に売り上げを報告する際、直近の数字だけを持ってくることが多い。そんな時、私は決まって「直近の数字だけで私に何をしろと言うの?」と尋ねます。前年や前期と比べ、売り上げが伸びているのか、落ちているのか。それが分からないと、経営判断などできません。


成長するためにはまず、「自分は常に他者と比較されている」ということを意識してください。もし、社内での自分の評価を上げたければ、同僚と自分を積極的に比較しましょう。


私自身、不本意な人事異動に不満を抱いた1人でした。リクルート入社以来、人事畑を歩いてきた私は、8年目にして営業所への異動を命ぜられたのです。辞令を聞いた時、私の頭にはまつ先に「何で?」という文字が浮かびました。人事部のエースだと思っていた私は、ショックで体調を崩したくらいです。ただ、いつまでも腐って何もしないわけにもいかない。「人事の連中は大したことがない」と、営業部門の人間に思われるのも悔しい。そこで考えを変えました。人事のノウハウを生かし、求人広告の新しい売り方を自分の手で生み出してみよう、と。


「変わった方がいい」と視点を変えてみませんか。長い仕事人生に比べたら環境の変化に戸惑う時期は、ほんの一瞬です。一生は続きません。「見えない未来は、明るい未来なのだ」と信じて新しい環境で頑張り、今までと異なる思考やノウハウを身につける。社会の状況が目まぐるしく変わっている現代では、それが未来へのリスクヘッジにもなるのです。


長く同じ部署に居続けることは、決して良いことではありません。変化への耐性が失われ、仕事のスタイルは硬直化します。会社の経営環境が劇的に変わった時、そういう人が変化に対応できるでしょうか。


お客様の要望を解決に導くには「診断」と「変革」という2つのステップが必要です。まず、収入や待遇など社員のやる気に影響を与えるファクターに関するアンケートを社員の方に答えていただき、モチベーションを高める上で何が重要か、何に満足しているか「診断」します。その結果をもとに適切な「変革」を行うのです。


忙しい時は要注意。なぜなら、今まさに仕事に追われている人は、視野が狭くなりがちだからです。それは例えば時速100kmで走っているクルマのようなもの。運転席からの視界は極めて狭い。時速10kmなら、周りがよく見えますよね。「最近、忙しいな」と感じたら、時には立ち止まってみましょう。


当社は日本を日本株式会社として捉えた時に、日本株式会社の組織開発部と人材開発部という役割を担おうという使命を持っています。多くの企業のエンゲージメントを高める組織開発と、個人の価値を高めるスクール事業、そして派遣でそれらをマッチングする仕組みを作ってきました。


上司や同僚に「自分の働きぶりはどうですか」と聞いてみましょう。それは怖いことだし、耳を塞ぎたくなることもあるでしょう。でも、自分の殻に閉じこもって成長を止めてしまうより「通過儀礼」と受け止め、教えを乞う方が、得られるものは大きい。


「自分はできる」という自惚れと、周囲の「使えないヤツ」という評価。そのギャップを放置すると、信頼を失ってしまう。「つもりの自分」と、同僚の目に映る自分のギャップを埋めることが、ビジネスパーソンとしての成長につながります。


社内の課題や問題を解決する場合は、まずは各階層の社員間で世界観を揃えてから議論する必要があります。そうすれば、コミュニケーションにかけた時間や労力に見合う実りが得られるでしょう。


多くの企業で経営トップと社員たちのコミュニケーションがうまくいかないのも、世界観のズレが原因です。現場の社員たちは自分の担当業務のことしか見えていないし、先のことも今月の売上げくらいしか考えていない。中間管理職クラスでも、見えているのは自分の担当部署の範囲内で、時間的にも四半期ごとの決算くらいしか考えていない、ということはよくあります。一方、経営トップは会社全体のことを見ながら、長期スパンで今後のことを考えます。つり、それぞれに視界の範囲も時間軸もズレているわけです。これでは話が噛み合うわけがありません。


コンサルティング部門の顧客は、企業の経営者です。その人たちに対してプレゼンテーションや商談を重ねるうちに気づいたのは、「視界」と「時間」の感覚を相手と同一にすることが重要だ、ということでした。視界を同じくするというのは、その人が関心を持っている範囲を把握し、相手が見ている空間に入り込むということです。その経営者が今見ているのは、「国内の店舗展開を拡大する」という世界観なのか、「アジアに店舗を拡大する」という世界観なのか。それを自分と相手で一致させないと、論点のズレた話し合いになってしまいます。時間についても同様です。その経営者が今見ているのは、これから先3カ月の範囲なのか、1年なのか、10年なのか。それによって提案する内容が変わるのは当然です。ですから、時間の物差しを相手と揃えることも不可欠。


大事なのは、「10のうち10が伝わることはない」という前提に立つことです。人はそれぞれに歩んできた人生も価値観も異なりますから、すべてを伝えるのは不可能です。でも、だからといって諦めるのではなく、伝わるコンテンツの数をひとつでも多く増やしていく努力をすることが必要です。


私は新卒採用担当者として、文系や理系、体育会系など、さまざまな属性の学生を相手に話をしてきました。その過程で、同じメッセージを伝えるにしても、相手が関心を持っていることに置き換えたほうが伝わりやすいと気づいたのです。たとえば、サッカー部に所属する学生に内定を出すときなら、「最高のパスが回ってきたんだから、今すぐシュートすべきだよ!」と言う。「この機会を逃してはダメだ」というメッセージが相手の心にストレートに届くので、その場で入社を決めてくれるわけです。ゴルフ部の学生なら、「君にとってのフェアウェイは、この業界だと思うよ」といった口説き方をする。「ぜひわが社に来てほしい」という言い方だと10のうち1しか伝わらないという場面で、「では、どんな比喩を使えば、それを5や6にできるのか」を考えることが重要なのです。


発信する側がどう話すかよりも、受け手が何を受け取るかが、コミュニケーションの最終的な成果になるのです。


自分が100のコンテンツを伝えても、相手の頭や心に2つや3つしか残らなければ、残りの90以上はコミュニケーションとして成立しなかったことになる。


コミュニケーションの主役は発信する側だと考えている人が多いようですが本当の主役は受け手です。


人間力が備わっていなければ、いくら話し方のテクニックを磨いても、相手が自分の話に耳を傾けてくれることはありません。


見た目の清潔感などももちろんですが、相手への共感力が高い人が魅力的に映ります。心理学用語では「態度の類似性」といって、人は態度や意見が似ている相手に好感を持ちます。「君も日本酒が好きなの? 僕もだよ」というようなひと言が相手に響くのです。また、「君はすごいね」といった相手へのポジティブな評価を態度や言葉に表わすことでも、魅力を高めることができます。


「すごい」と思わせるために必要なのは、専門性です。その人がある分野における権威やスペシャリストであれば、たとえ話し方がつたないとしても、そのテーマに関する話については誰もが耳を傾けるはずです。


顧客に対してであれ、部下や他部署の人に対してであれ、「この人の話なら聞いてみよう」と思わせるものがあるかどうかが問われます。


言葉遣いや話題の選び方といったテクニックは、実は表層にすぎないと考えています。その深層に、人間力というベースがなくてはいけない。


当社では、四半期ごとに優秀な成績を上げた社員を表彰していますが、その際のスピーチで出てくるのは、たいてい「崖っぷちに立たされてそれを乗り越えたことが自分の成長のきっかけになった」という話です。社員に対してそのような機会をつくることが、経営者の役割の一つです。


経営者は住々にして人が育ってから仕事を任せようとしますが、皮肉なことに、これでは人は育たないのです。「少し早いかな」と思われるくらいできっぱりと任せてしまうほうが、人は成長するもの。


仕事のできる人間が必ずしも優れた上司になるとはかぎらないし、ちょっと心許ないなと思っていた人間に思い切って任せてみると、予想以上に成果を上げたりすることもあります。


モチベーションというのは、もっとお客様に感謝される仕事をしようとか、もっと自分の会社の社長を喜ばせたいとか、もっと自分が成長したいという、あと半歩、あと一歩のエネルギーであり、それこそが企業の優劣を最終的に決めると、私は信じています。


人間は個人としては微力な存在でも、集団になってみんなで協力し合ったり、集団同士が連携したりすると、単なる足し算では計算できない大きな力を発揮する。


人事は、それぞれの人の気持ちに直結しているので、単に制度やシステムを整備すれば問題が解決するわけではないのがやっかいなところ。


おおむね人は「自分のほかに最終的な判断をする人間はいない」という立場に置かれると、それまで使われてこなかった潜在的な能力が一気に開花する。


人は、最終的にほかの誰かが責任を取ってくれるという立場にいると、どうしても依存心が生まれてしまいます。それでは成長できない。


経営者としての悩みを突き詰めていけば、最終的には人の問題に行き当たる。


あまりに高い理想を掲げると、部下はかえってやる気をなくします。ですから、少し頑張れば届く程度の目標を設定して、そこへ向かって一歩一歩成長していけるように指導することがポイントです。


強みを伸ばし、しかも弱みも克服することは、簡単ではありません。しかし、それができた人は、市場価値も飛躍的に上がります。たとえば、ITに精通している人が1万人、人の気持ちをよく理解してコミュニケーションを取る達人が1万人いるとしたら、その中で、両方を兼ね備えた人はおそらく10人くらいでしょう。まったく違う方向性を持ったスキルを兼ね備えた人材は非常に希少なのです。


包み隠さず本音を言ってもらえる関係性を作るためには、自分も本音を語る人でいなくてはいけません。正直な思いを伝えあうことで、自分では気づかなかった弱点や強み、可能性を発見できるのです。


頑張っているのに評価されない場合、おそらく、本人の自己認識と他者から見た本人像との間のギャップが原因でしょう。本人が努力したつもりでも周囲はまだまだ足りないと思っていたり、成果を上げたつもりでも、周囲が求めているものとは違っていたり。両者のズレを修正することが必要ですね。


どこでも通用するスキルのひとつ目は「対課題」のスキル。問題解決やアイデア創出に欠かせないものです。二つ目は「対人」のスキル、つまりコミュニケーション力です。そして三つ目は「対自分」のスキル。セルフコントロールの力、忍耐力、決断力、瞬発力、持続力などが対自分のスキルに当たります。


私も、リクルートに入社した頃は、実務能力で仕事をしていました。しかし、課長、部長と役職が上がるにしたがって、実務は部下に任せるようになりました。その後、独立してからは、さらにそれが顕著になりました。部下に任せないことには、とても全部の業務を実務まで見ることはできません。


一度染みついた思考習慣は、簡単には抜けないと思うかもしれません。でも、ほんの少しの工夫で克服できるようになります。私はリクルート時代、すぐにネガティブな言葉を口にする部下に対して、「ポイント制」を導入していました。「どうせ」「しょせん」と言った途端、聞きつけた人が棒グラフにシールを貼るのです。だんだんと棒が伸びていくと、本人もまずいと思い始め、最終的にネガティブな言葉を使わなくなる。


「どうせ今回もダメだろうな」と嘆く代わりに、「やってみなければ分からない」と口に出してみましょう。するとあなたは、「どうすれば、うまくいくか」と考えるようになる。ここから行動が変わり始めます。


ネガティブな言葉を繰り返し口にすると「自分はダメなヤツなんだ」と自己暗示にかかり、やがて「できなくても仕方がない」と思うようになる。そして実際に失敗し、言い訳ばかりするようになるのです。その結果、いつまでたっても自分の殻を破れず、成長しないまま年齢を重ねてしまう。


オフィスに投資するのは、メーカーで言えば工場の設備に投資するのと同じ。私たちは知的生産性が問われる業務を手掛けているので、グループ各社や事業部間の連携を強化することで、バリューを高めることができます。


数字はただの象徴で、重要なのはその中身です。分布や内訳といった、平均値や前年比を算出する元になる個々の数字を調べて、初めて判断材料になります。ところが若いビジネスパーソンの多くは、表面上の数字に気を取られ、分布や内訳まで考えることができる人は稀です。


統計は母集団の規模や性質など、数字の背景を考えながら読むことが重要。数字は物事の一面しか示していません。このことを肝に銘じて、数字と上手につき合ってください。


大量の仕事をこなすコツは緩急をつけることです。10の仕事のうち緊張度、重要度の高いものは何か考え、エネルギーの配分を考える習慣をつければ、こなし方が見えてきます。


教育係を任されたら、「教えた経験を多くもつほど、将来さまざまなタイプの部下に応じて指導ができる。それを見越して、どう育てるべきか、何を喜ぶのかなど、多種多様な価値観に対応するトレーニングだ」と考えましょう。


叱るべきときはきっちり叱りましょう。部下のためを思っての叱責なら避ける必要はありません。悪いのは、イライラや八つ当たりで叱り飛ばしてしまうこと。それは部下のモチベーションを下げる原因になります。


自分人格のまま仕事に臨むと、逆境のときに自分自身が否定されたように感じてしまいます。そこから一歩引いて、舞台の上にいる俳優だと考えるといいでしょう。たとえばクレーム対応であれば、自分はクレーム対応係という役をもらった役者であるという具合です。


結果を出すことで、同僚、上司、顧客などから得た信頼が貯金のように増えます。その「信頼残高」が高ければ発言力も増します。異動などの希望も叶いやすくなります。逆にいえば、「残高」が低いのに不満をいうのはお門違い。自分からの視点ではなく、組織側からみた自分を考えることも大切ですね。


プレイヤーとして優秀でも人を育てるのが下手なのは、自分のノウ八ウを言葉で説明できないということ。教育係になることでその欠点を直したいところです。


会社を思っての進言なら、上も耳を傾けてくれます。それでも聞かないような会社であれば、そのときこそ転職すべきですね。


会社は利益をめざすことで成り立つ組織である。


一人の人格から全部を学ぶのは無理です。Aさんの電話応対、Bさんの接客、Cさんの謝り方……と、周囲に師はいくらでもいます。最強のロールモデル(お手本)を自分でつくってください。


「この仕事は面白くない」という発想は、実に大きな間違いです。仕事の中に最初から面白さが宿っているわけではありません。その仕事に全身で向き合ううちに形成されていくものなのです。だから、まずは数年頑張ってみようと覚悟を決め、その間はとにかく仕事に没頭してみてください。そうすると、あるとき面白さが見えてきます。


上司が大量に仕事を任せてきたとき、上司はどのくらいの分量まで音をあげずに頑張るかを見ています。つまりこれは「試される仕事」です。ここを突破できれば次は仕事を任されるようになり、さらには重要なプロジェクトを託されるようになります。この階段を上る候補者と目されているのですから、チャンスと考えるといいでしょう。


壮大な目標に向かって着実に歩を進めるという充足感はないかもしれない。でも、生きていく中では、ゴールを設定しにくいことの方が多いものです。やりたいことが見つからなくても、「今は信頼を積み上げている時期なのだ」と考えて日々を充実させていけば、後で大きな自由を獲得できる。そう信じて進んでください。


ビジネスの世界ではよく、「1つのクレームの背後には30の不満がある」と言われます。1つクレームを頂いたら、懸命に対応するだけでなく、「他にも何か問題があるはずだ」という視点でサービスや商品を点検する必要がある。日頃からクレームの芽をつぶす努力をしてください。


数年前のある日、私が取引先との会食から帰社した時のこと。新入社員が私の席の前で、泣きながら立っていました。話を聞くと、飛び込み営業をした先の社長を怒らせてしまったとのことでした。そして、「社長を連れて来い!」と言われたという。そこで私は彼とともに、即座にその会社に出向きました。先方はまさか、本当に社長を連れてくるとは思わず驚いていました。そして後日、新入社員宛に長い手紙を送ってくれたのです。そこには、クレームから逃げず、全力で対応した彼への励ましが書かれていました。この新人は、クレームを機に真摯に仕事に取り組んだ結果、優秀な営業マンに成長してくれました。


企業にとっては、顧客の無言の退出が一番怖い。そう考えると、クレームを伝えてくれる顧客には、素直に感謝すべきだと分かるでしょう。なぜなら、自分たちが気づかなかった改善の方向性を、ストレスというコストを払って示してくれたのですから。


ビジネスの現場では、不満を抱いた顧客の多くが退出を選びます。ですから、「クレームが来ないこと=問題ない」ということではありません。クレームがないことに安心していたら、いつの間にか顧客から見放されていた、という事態もあり得るのです。


現状のままでは危ない。築き上げてきたものを壊し、リストラをしなくてはならないこともある。存亡をかけた戦いに挑むために、「今の苦境を乗り越えたらどうなるのか」というビジョンを含めた強いメッセージを発信することもリーダーには求められる。


多くの仕事は人を相手にしているので、セールスだろうとリクルーティングだろうと、最終的に顧客に提供するものの本質は同じです。これがわかっていれば、職種が変わっても、やり方を微調整するだけで適応できます。


「偉くならなくたっていい」と公言する人は問題です。スポーツにおいても仕事においても、「勝ち負けに意味はない」というセリフは、おおむね敗者の弁です。個人も企業も、常に上を目指して努力し、やっと現状維持を保てるもの。現状で満足した瞬間から、衰退するのです。


「俺は偉くなるんだ!」と公言する人、私は好きですよ。自らを鼓舞し、公言することで自分にプレッシャーをかけようとする心意気は成長を促すはずですし。有言実行すればいいだけの話です。


ロジカルシンキングや英会話力など社内だけではなく社外でも活かせる技術を磨けば、自分の商品力を高めることにつながります。そうした持ち運び可能なスキルがあると、組織に頼らず個人として活躍でき、組織外でも高い評価を得られるようになる。


私の見立てでは、偉くなる人というのは「個」として自立し、主体的にキャリアを積む意識がある。自分自身を会社と見立て、自分株式会社を経営する視点で、周囲との関係性をどうつくればいいか考えてみる。すると、信頼を得ることの重要性に気付くはずです。会社経営していくには、何よりこの信頼をしっかりと貯蓄しておく必要があります。それがうまくいくと、自分株式会社の規模を広げ、信頼残高を増やすことができる。そんな人材が企業でも高い地位まで上り詰めることができるのです。


組織で偉くなろうとするときに大事なのは、「偉くなりたい」と本人が強く願うと同時に、いかに上司や同僚、顧客といった自分をとりまく人々に「偉くなりうる人」と評価されるかということです。もっとわかりやすく言うと、同好会でもサークルでもない企業において、しっかりと利益をもたらす有用な存在であることがリーダーの条件になるのです。


有能な経営者やリーダーは偉くなるために、人知れず練習や努力を積み重ねている。大した努力をせず成果も出せずに、口だけで「俺は偉くなるんだ」ということが目的化してしまっては単に滑稽な人になり下がってしまいますからね。


私が知っている有能な経営者やリーダーのほとんどが若い頃から「上にいきたい」「偉くなりたい」という「野心」を胸に抱き、さまざまな局面で勝負をし、自己精進に励んできた人ばかり。その姿はアスリートとよく似ています。プロのスポーツ選手が常に「勝ち」にこだわって勝負に挑んでいるのと同じように、高みを目指しているビジネスパーソンは勝負師のスタンスを持っています。それが「偉くなりたい」という気持ちの表れだとも言えます。


地位が高くなれば、より大きな報酬と裁量権が得られ、仕事の達成感や自由度が増します。キャリアが浅いときは仕事上、何かと窮屈な思いをしますが、肩書が大きくなると、責任が重くなる一方で仕事のよろこびも増える。そう考えると高い志や大目標を持つことは健全なことに思えます。


困難な状況だとしても、何とか上司のメンツを立てつつ、ダメ上司に代わって仕事をこなせば、自分の能力を内外に広く知らしめることができます。


責任を取る必要のない万年平社員で十分だという人は、あくせくしない無欲な人と言えば聞こえはいいですが、利潤を追求し、生き残り競争に勝たねばならないこれからの企業にとってより「お荷物」感が増すかもしれません。ひとたび業績が悪化しリストラされれば、転職市場での苦戦、給料激減といった将来像か見え隠れします。このご時世、定年まで企業にぶら下がろうという発想のほうがよほどリスクの高い賭けです。それなら、「偉くなってやろう」と努力をしたほうが精神衛生上もいい。


我が社は役職ごとのおおまかな給与を、社員に公表しています。どこまで昇進すれば、いくらもらえるのかを皆、知っています。私は若手社員との飲み会の席で「おまえ、いくら欲しいねん?」とよく尋ねます。この時、スパッと希望の年収を答えられる社員ほど、成長が速い。


人は第一印象で相手を「色づけ」する。名乗って名刺を渡すだけでは、相手に「こいつはやる気があるのか?」「この仕事を任せようと思っていたけど考え直そう」と思われてしまうこともあり得る。簡単な挨拶だけで済ませるのは、好機を潰す危険な行為でさえあるのです。


自己紹介が上手な人は、自分の特徴の中で、何が相手の気持ちに届くのかを常に考えています。つまり、その時々で「どの武器を使うか」ということへの意識が高い。これは、局面ごとに最適な選択をするというスキルでもあるのです。


初めてドラッカーの『マネジメント』を読んだのは20代の頃でした。当時の私には何のことやら、さっぱり分かりませんでした。しかし、何年かかけて何度も読み返すうちに分かることが増えてきた。それを記録し、アウトプットしていった結果が、独立・起業につながっていると思っています。


アウトプットを意識しないインプットは歩留まりが悪い。研修を受ける時どれだけの目的意識を持って向き合うのか。それが自分の中になければ、研修を受けてもムダ。


何でもちょっと教わっただけですぐにできてしまう人は、何にも身につかないで終わってしまう危険性がある。量がこなせないから基礎が身につかない。だから最終的には、安定的に好成績を収めることができなくなる。


不器用であるほど、後で大きな花が咲きます。きっとあなたは毎回のように「なんでうまくできないんだろうか」と考えるでしょう。そしてやり遂げるために工夫をするようになる。そうやって量をこなしていくことで、気がついたらコツという名の大きな武器を手にしていることでしょう。


量をこなすことで、体にコツが染みつきます。これが判断力の土台になる。ゴタクを並べる暇があったら、今すぐ量をこなすべく、目の前の仕事に取り組んだ方が得策。


小僧には、意味など考えず取り組むことが何よりも大切なのです。思い出してみてください、小学生の頃を。掛け算の九九を覚えるのに「何のために?」なんて考えなかったでしょう。言葉を発し始めた赤ん坊は「これに何の意味があるのか」なんて考えませんよね。


圧倒的な量をこなすことで、体に技術が染みつく。単純な作業を、ひたすら繰り返すことでしっかりとした土台ができ、それが時に、神がかり的な仕事を可能にする。


「変わらなければいけない時」、つまり人事異動をいい機会だと考えてください。ここで「自分の棚卸し」をするのです。今までの自分を振り返り、強みと課題をリストアップしてみましょう。


人生は常に「過去の自分の総決算」です。今の境遇に不満があるとしても、それが現時点での総決算。誰かのせいではありません。現状を打破しようとする「良き習慣」を身につけてこなかったから、そうなっているに過ぎないのです。


世界を白と黒に分けてしまう精神性ははっきり言って赤ん坊と同じです。赤ちゃんと同じ精神構造でビジネスの世界を生き抜いていくことなど、できるわけがない。人はみんなグレーなのです。学校の外の世界では、完璧な正解も間違いもない。「白か黒か」ではなく、トータルで見たらどちらに近いか、その考えこそが重要。


何もかもを持っている人はいないかもしれませんが、誰もが「何か」を持っている。それぞれが持っているいいところを吸収していけば、あなたは「いいとこ取り」ができる。心の置き所ひとつで、不満を抱いていた職場も学びと成長の場に変わる。


ビジネスパーソンにとって、「お手本」は身近にいる人の数だけ存在します。儒教では「出会う人すべてが師」という考え方をします。一人ひとりが、あなたにとって学ぶべき点を持っているのです。あなたが「学ぼう」と決めた瞬間、職場は生きた教材の宝庫になります。


得意分野を持つ人は、「私は○○屋だ」と自分に看板をつけることができる。これが強いのは「○○のことならあいつに任せれば安心だ」という評判を核に、雪だるま式に信頼を集めていけること。


できる営業マンは忙しくない。できない営業ほど、客がふと漏らしたひと言に振り回され、右往左往します。優秀な営業マンは、客の言葉を表面的なものか、本質的なものかを見極めてから対応します。だから、必要以上に忙しくならないのです。


個人の持つリソースにも限界があります。能力、時間、体力などは無尽蔵にあるものではない。にもかかわらず、実績や自信のない人ほど、周囲のニーズにすべて応えようとして、疲弊していきます。周りを見回してみてください。できないヤツほど徹夜で働いていませんか?


経営者のこんな言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。「多様化する顧客のニーズに応えられるような体制をつくる」。はっきり言って、そんなことをしたら会社はつぶれます。なぜなら、どんな会社も経営資源は限られているからです。つまり、1つの会社にできることには、限度がある。「一人ひとりのお客様に、オーダーメードのサービスを提供する」という方法論は、利益の喪失と組織の疲弊しか、もたらしてくれません。


私たちは社会に出て、一番不自由な状態からスタートします。そこから仕事を通じて信頼関係の構築に努力することで、不自由という名の鎧を少しずつ脱ぎ捨てていく。つまり、働くとは自由へと向かっていくプロセスなのです。


みなさんを取り巻くビジネス環境について、振り返ってみましょう。この10年くらいはまさに、激動と言ってもいい時代でしたよね。そして、それはこれからも続く。つまり、あなたも変化への適応が求められているのです。


時間密度を上げる方法の一つは、「今年がこの部署での最後の1年だ」と心の中で勝手に決めること。こう思い定めることで「次の人のために自分の業務内容を整理しよう」「自分の足跡を残すために大きな仕事に取り組もう」という意欲がわいてきます。


今に不満がある人こそ夢を持ってほしいのです。夢があるから人との出会いを大切にできるし、日々の仕事を充実したものにできる。その夢が叶っても叶わなくても、ひと区切りついたら新しい夢を設定する。そうして過ごしていくことで、あなたの人生は充実したものになるでしょう。


宝くじは完全に「運任せ」かも知れません。しかし、麻雀や競馬はどうでしょう。研究することで勝つ確率を高めることはできるはずです。ビジネスだって同じ。努力や研究で勝つ確率を上げられます。実はあなたにとって、年末ジャンボ宝くじで1等を当てるよりも、勤めている会社で社長になる確率の方が高いんですよ。


社員のモチベーションを高めるときに必要なのは社員一人ひとりをしっかりと見てあげることです。今は「個人が価値を生み出す時代」で、一人ひとりが多様な「モチベーションエンジン」を持っています。


いまは教育の段階で問題があると思います。私が学生の頃は、成績の順位が発表されたり、運動会で勝ち負けを決めたり、学芸会で主役と端役がいることが当たり前でした。ところが、「競争心を煽ることは悪である」「みんな平等に」という教育が続き、若者が牙を抜かれてしまいました。新興国といわれる中国やインドなどの学生のエネルギーに触れてみて、強い危機感を覚えましたね。


今日、明日で憂鬱なことや苦手なことがあると人は落ち込みます。それは自分の時間の物差しが短くなっているためです。それを自己調整するためには、3~5年など長い時間の物差しに切り替えることで、モチベーションを高めることが出来ます。


私も創業者として言葉を大切にしております。当社は「ひとりひとりの本気がこの世界を熱くする」というコーポレートキャッチを掲げていますが、これも練りに練って熟成してできました。


モチベーションが下がったとき、気持ちを立て直す方法を自分なりに持っておくとよいでしょう。たとえば、友人と飲みに行くと元気になるとか、夜空を眺めると気分が晴れるとか、モチベーションを引き上げる方法は人それぞれで構いません。


中間管理職にありがちな例として、会社を仮想敵にして一致団結を図ろうとすることがあります。それは短期的に見れば人がついてくることもあるのかもしれませんが、実際は長続きしません。リーダーが語るミッションや戦略の上には、会社の方針があります。その二つのベクトルが一致していなければなりませんから。


仕事人生は長距離走のようなもの。全力疾走を続けるのは不可能です。でも、同じペースで走っているだけでは目立たない。節目節目で強烈なインパクトを与えられれば、抜擢につながる。


小さなことでいい。私なんて最初は「絶対に遅刻をしません」でしたから。ただし一切妥協せず、何があっても約束を守り抜く。すると、やり抜いた時に周囲の評価が変わる。


自分と同僚の仕事ぶりを積極的に比べろ。同じ仕事を担当しているのに、他人にできて自分にできていないことがある。そんなとき、できる人は自分がやっていない工夫をしているはずだ。


部署は共通の目的を達成するために組織されています。皆さんの職場にも必ず、「鉄則」と言われるルールがあるはず。情報を集める際に、それをヒントにするだけでもムダな時間が減り、成功への確度が上がります。手際よく情報を集め、「本来の仕事」に精力を注ぎ、成果を上げてください。


私は、人事時代も営業時代も、自分が編み出したメソッドをマニュアル化して部署で共有しました。全員がうまく情報を活用できれば、チーム全体の成果が上がるからです。


若い人の会社選択には、4つのファクターがあります。1つ目は、「仕事内容・事業内容の魅力」です。2つ目は、「経営者が掲げるビジョンや、将来構想に対する共感」です。3つ目は、「組織にいる複数の人物が醸し出している組織風土」などに惹かれるということ。そして、4つ目が「待遇」になります。中小企業では、仕事内容と待遇で大手に劣りますので、ビジョンと社長の魅力で引っ張るのです。


人を採るという行為自体が、経営の根幹に関わっています。採れなければ事業を拡大できません。そういう意味では経営者はもちろんのこと全社をあげて、採用に関心を持たなくてはいけません。当社では売り上げの30%を採用関係に注ぎ込んでいます。


当社のカレンダーでは3カ月を1年と数えています。普通であればそれは4半期ということなのですが、もっと徹底しています。1年というためには、年末年始休暇が必要になります。独自のカレンダーにはその意味で連休が入れられています。3カ月ごとに決算し業績を把握し、目標設定をし評価も行います。ボーナスも3カ月ごとに年に4回になります。すべて3カ月で完結する仕組みにしています。もう間もなく私たちは設立から7周年を迎えますので、ちょうど通算28年目になります。それぐらいスピードのある時間観で動いていきたかったのです。


仕事をやりながら、やってみて結果を出すというプラン・ドゥ・シーというサイクルがあり、パチンコや競馬と同じような面白さがあるはずです。仕事には遊びの要素も、自らを成長させる材料も詰まっているのです。ですので「遊・学・働の融合」という言葉で、「遊」が「遊ぶ」、「学」が「学ぶ」、「働」が「働く」というこれらの3つの要素が融合しているような状態を作りたい。


仕事は「人生の一部を切り売りし、いやいやこなすもの」という考えでフィー(報酬)だけもらうのではなく、学べる要素もたくさん詰まっていて自己成長につながることが大切だと思う。


一番大切にしているのは、当社自体をモデルケースにしようということです。主張を述べるコンサルティング会社が自分の会社を棚あげしていては、信用が得られません。そうはなりたくないという強いこだわりを持っています。当社が21世紀型のモチベーションあふれる企業となり、社員達にとって本当に成長エンジンとなれるような組織のモデルケースでありたいと考えています。


「飲みニケーション」というものはとりづらくなりました。多くの会社で経営者の方々を含め困っていらっしゃると思います。断られるのではないかと思ってしまうのです。確実に行うためには、私的に飲みにいくのではなく会社のプログラムにするとよいと思います。新入社員に研修の一環として社長と食事をする機会を作ってしまうのです。ここで、ひとたび関係を持つことで、その後も誘える空気ができるでしょう。


トップは常に情報をオープンに発信しつづけることが大切です。「次はこの戦略でいく」「こういうことを大切にしよう」ということを全社に対して伝えます。ですから声を届けるためのメディアをきちんと構築しておく必要があります。


「人」に問題があるという視点から解決を目指すと、必ず抵抗にあいます。そこで「間」という見方に変えて、「わが社は営業部門と企画部門の“間”に問題があるのではないか」といえば、双方のトップも「確かに多少の問題があるのではないか」と素直に認めやすくなります。間の問題を認めてくれる人が増えてくればその間をどうつないでいけばよいのかという議論へ移れます。問題の存在を認めてくれるだけで、変革に向けて大きな一歩を踏み出せるのです。


組織の中を血液がさらさらと流れるという状態がまさにコミュニケーションであるといえます。さらさらと流れずに血液が詰まってしまっているのであれば、どこで詰まっているのかを見つけなければいけません。


組織というのは「人間」が集まって構成されています。組織で何か問題が起こると、あいつが悪いとか、こいつが悪いというように、「人」のほうに問題の原因を持ってきてしまいます。しかし、そうではなくて「間」に原因があるのだという見方をするといいでしょう。たとえば、本部と支社、営業部署と企画部署、技術と営業、正社員と派遣などです。人が集まったどこかとどこかの「間」で問題が起きているのです。なぜ「間」に問題が起こるかというと、それは両者のコミュニケーション不全の問題からなのです。


組織は社員との関係で成り立っています。社員は組織に対し仕事で成果を出すという貢献行為があり、組織からも何らかのものが提供されます。これは給料だけではありません。組織と個人は互いに価値の交換をしています。この交換バランスが崩れてしまうとどうなるでしょう。働く個人は提供している仕事の成果よりも、もらうものが上回っていなければ、もっとバランスの取れるところへ行こうと変わってしまいます。企業は人材の流失を防ぐためにも何か支払わなければなりません。


成長拡大している会社では、ミドル・マネジメント層に対する不満が圧倒的です。成長スピードが速く、経営側がミドル層に対しマネジメントを充実させる時間がありません。そのため、それぞれの役割をデザインできず、下で働いている者からすると「ムリ・ムダ・ムラ」が山ほどでてきます。結果、頑張っても報われないという感情を抱いてしまう。これをマネジメント不全と呼んでいます。


会社にとって一番危険なことは、優秀な人材を流失してしまうことです。自分の希望が満たせないのであれば、他の満たせそうな会社に転職しようということが簡単に起こります。あるいはモラルの低下につながり、場合によっては内部告発や情報漏洩というトラブルへと発展していきます。


最近の若い世代の人々は、「お金」も「ポスト」も、モチベーションエンジンにはなっていません。この豊かな時代において、「給与を得て食べる」ということ以外の意味を仕事や会社に求めているのです。また、出世やポストアップそのものに対する関心も薄らいでいます。人材の流動化が起こり、転職が普通のものとなる時代になりました。一つの組織内でポストアップを目指すよりも、自らの市場価値を高めるキャリアアップに注目しています。


中間管理職の存在も大切です。彼らがトップの方針と部下のモチベーションをつなぐ結節点の役割を果たしてくれるからです。誰に管理職となってもらうか、また彼らをどう鍛えるかが組織を成長させるカギになると思います。


もし「この仕事ではどう頑張っても上にいけない」と思うのなら、上にいける仕事や会社を探せばいいのです。終身雇用は崩壊し、一番初めに所属した組織が一生食べさせてくれるというのは、もはや幻想でしかない。


仕事に対するキャパシティは、若いときの5年で決まる。若いときにぬるま湯の環境で働いてしまうと、せっかくの才能も使いものにならなくなってしまう。最初の5年をどう過ごすかで、その後20年が大きく変わってきます。


「私は才能がない」と思っている人には、「あなたは120%の力で仕事をしていますか」と聞きたい。120%の力でしばらく仕事を続けてみれば、才能の有無は結果として見えてきます。才能は「あったか」「なかったか」の結果論として初めてわかるもの。


リクルート時代、私は人事部ではなく営業を希望していました。なのに人事部配属。正直言って、自分に人事の才能があるとは思えませんでした。しかし「やってみないとわからない」と腹をくくって120%の力で仕事にとりくんでみたところ、多くの優秀な人材を口説き落とせた。そうして、心の持ち方が大切だとわかったのです。


私は今、「個人個人がアイ・カンパニーになりましょう」ということをあちこちで言い続けています。自分自身が、自分株式会社の経営者という意識を持ち、自分という商品を販売していくという意識を持とうという提案です。「アイ・カンパニー」を人気企業、優良企業にしていこうという意識がもっと持てるようになれば、たくさんの日本人がより自立的に人生やキャリアを切り開いていけるようになるでしょう。


トップ自身も、運動神経のよさが必要です。経営者のセンスのよしあしとは、会社にとっての最適化のために、タイミングを外さずに英断できる力ではないかと思います。


トップは、不感症になってはいけない。たとえばマーケットが変わっているのに自分たちの内部の整合性ばかりを優先させるようになると、これは動脈硬化、脳梗塞が起こりかけているのに気づかないようなものです。


同じようなミスがまた起きることもありますが、それでもいいのです。失敗は次の挑戦のヒントになりますが、失敗の隠蔽は百害あって一利なしです。


当社には「エジソンファイル」というものがあります。エジソンの「私は実験において失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見を、2万回してきたのだ」という言葉をヒントに、過去のミスやトラブルを集めたファイルを、全社員がいつでも見られるようにしてあります。失敗することが悪ではなく、失敗を共有しないことが悪なのだと考えているからです。


トップは、自分のところにきちんと情報が入ってくる状態にしておくことが肝心です。基本的に社員はトップからにらまれたくないですから、トップが喜ぶ情報しか持っていきたくありません。現場で起こったミスやトラブルの報告をしたときに、聞きたくないという反応をした瞬間、二度とその手の情報は上がってこなくなります。情報がきちんと入ってこないと、手を打つこともできません。プラス情報もマイナス情報も報告しやすい風通しのいい環境、オープンな環境づくりが必要です。


情報の受発信というのは、ただ伝えればいいわけではなく、相手に理解しやすいように自分の言葉で伝えることが大切です。上の考えていることを現場がきちんと理解できるように、自分というフィルターを通して自分の言葉で「翻訳」すると、言葉が活きてきます。


チームリーダーには4つの機能が求められます。情報の「受信力」「発信力」、そして「父性的資質」と「母性的資質」です。当社では、この4点の機能に関わる設問項目がある調査を年に一回実施します。その結果を見ながら具体的に「あなたはここはいいが、ここが弱い。これだとみんなが息苦しくなるよ」といったことを、アドバイスします。半分は本人の評価のために、半分は人材育成のためのツールとして実施しています。


大事なことは、環境変化に対して反応力をよくすること。いかなる環境にも適応していく柔軟性や俊敏さを持った「運動神経のよい組織」であることだと思います。


中間管理職の存在意義は、大人数の組織を小さなチームに分け、それぞれのトップを決めることで、組織内のコミュニケーションの複雑さを解消し、より効率的なコミュニケーションを可能にするところにあるのです。


高いモチベーションを保って仕事に取り組むには、自分をよく知っていることが大事。「自分はこんな時に、モチベーションが上がったり下がったりするのだ」と知る必要がある。


内部のモチベーションマネジメントの向上は採用活動と切り離して考えられないので、採用局面も含めた改善策を練り、クライアントに提案します。


コンサルティングという業態的には、どうしても人材資源に依存する部分があります。そのため、いかに優秀な人材を惹き付け、その後のモチベーションをどう維持していくのかが大切になるので、顧客だけでなく自社でも色々な取り組みをしてきました。


「金銭報酬」は大前提ですが、それ以外の報酬が今後さらに重要な意味を持つ。具体的には承認欲求を満たすこと、貢献欲求を実感させること、成長欲求を感じさせること、親和欲求を満たすことなどを指します。これらを「金銭報酬」に対峙する形で、「意味報酬」と名付けて括っています。


若い人はまだ視野が狭く、仕事本来の目的を忘れ、自分の興味がある部分に目を奪われがちです。「人に報告する」という意識を持って働くことは、必要に応じて視野を広げたり、絞り込んだりすることに役立ちます。これは仕事の基礎力を高める、絶好のトレーニングなのです。


上手な報告は、次のような構成になっています。まず「全体の見取り図を、事実を基に示す」。その後、「相手の関心が高いテーマについての詳細を説明する」。最後に、「自分なりの考察や意見を述べる」。


最近はパソコンなどIT機器の進化で「知っている」ことの価値が薄れています。しかし、知ることを軽視するといざ「考えるぞ」という時に、頭から知識が取り出せない。本を読んだり、いろいろなものを見たり、多くの人と会って話したりする努力を怠らないでください。


新しい製品やサービスを考える時、組み合わせの元になるのは、豊富な知識です。アイデアマンには博識な人が多いですよね。彼らは自分の職域にとらわれず、常に様々な分野の知識を吸収しています。それを組み合わせ、斬新な発想を生み出している。


新しい製品やサービスを生み出すことだけがアイデアだと思っているのでしょう。そんなことは、ありません。例えば、海外の製品を日本向けにローカライズして発売するビジネスは「海外の製品と日本市場」という組み合わせから生まれたアイデアだと言える。常に国内外の業界の動向に目を配り、新製品をチェックする。そして「この製品を日本市場向けにアレンジできるか」を考え続ける努力がないと、作れない組み合わせです。他の業界のビジネスモデルを自分の仕事に持ち込んでみる、という手法も、同じパターンだと言えます。


任された役割を、何でも引き受ければいいわけではありません。ときには「できません」と断る勇気も必要です。「大変ありがたいお話ですが、いまの私にはまだ荷が重いです」と断ることで、信頼の崩壊を予防することが必要な場面もあります。


相手がいてこそ、自分をブラッシュアップできるもの。


私は半年間、地道に週末の執筆活動を続けましたが、モチベーションを保てたのは、原稿を待つ編集者がいたから。


限りある人生を何に使いたいのかを大事にすること。そんな活動を続ければ、自分の人生観につながる「本当にやりたいこと」が見つかるはず。


これからの時代は、一人ひとりが人生やキャリアについて考えることが求められる。


本人に直接言う場合は「練り直し」が必要。例えば相手の仕事の問題点を批判するより、「こういう手もあるよね」と提案した方がいい。それがないと相手を感情的にさせ、事態を悪化させるだけ。前向きな提言なら、言われた側も理性的になれる。


「誰かが自分のいないところで褒めてくれている」という行為が、本人にもたらす効果は、面と向かって褒める以上。言われた本人のやる気が上がるだけでなく、あなたがその人と仕事をする時のコミュニケーションが円滑になるという効用もある。ただし、この時に大切なのは「本心から褒める」こと。下心は見透かされるので、ご注意を。


話題の詰め込みすぎ、独りよがり、自分の言葉で話していない、評論家・批評家になっている、要約する力がない。これらはすべて「話がつまらない人」の特徴。


何か大きな成果を出したときに全部自分の力だと勘違いする若者たちを見てきました。それだと成長しません。成功の裏には自分以外の誰かの協力もあったかもしれません。


人間とは社会的な生き物で、万人が人との関係性の中で生きています。人間という字は、「人」の「間」に生きるという存在であり、自分ひとりでは何もできません。


以前、ある会社で20人のメンバーを率いる営業所長さんから、相談を受けました。曰く「職場に活気がなく、挨拶すらしない」。そこで私が提案したのは、所長さんが先陣を切って朝の挨拶をするということ。月曜日、彼の挨拶に応えた人はゼロ人でした。それが翌日は、戸惑いながら2人が挨拶を返し、水曜日には6人になり、水曜日には過半数以上に。そして金曜日、ついに全員が挨拶をするようになったのです。


成長や進化は、右肩上がりではない。1ステップごとに必ず、踊り場が来る。そこを耐えて努力することで、ブレークスルーの瞬間が訪れる。組織も個人も同じ。


あなたのいる部署の業績がどれだけ良くても、会社はそれだけで成り立っているわけではありません。その好業績も、特定の部署だけの力で成し遂げられるものではない。製造・開発部門も、連携している販売や宣伝などの関連部署の活動や、働きやすい環境を作る管理部門の貢献に支えられているのです。


「本当の自分」などというものはどこを探しても見つかりません。なぜなら、そんなものは存在しないからです。例えば子どもを持つ社会人の男性なら父親、夫、ビジネスパーソンと少なくとも3つの側面があります。それはぴったり重なるものではなく、それぞれに違った要素を持っている。では、それぞれの「顔」が偽りの存在なのかというと、それは違う。生きていくうえで、誰もが必要に応じて役割を演じ分けているのではないでしょうか。


現場に「素の自分」を持ち込まず、その都度要求される役を演じ続けていくことで、職業人としての自分を形作っていく。それが、ビジネスパーソンには必要なのです。


私は悩んだり落ち込んだりすると地球儀を眺めてみます。そうするとすごく遠くから自分のことを見ている感じがします。地球上で10億人が今日明日の食べ物にも困っていることなどを考えると、自分の悩みは地球規模で見たら気にするほどでもないと思えたりします。


今日明日、今週来週のことでどん詰まっていたり落ち込んでいたりする時には、5年・10年単位で物事を考えます。5年・10年単位のビジョンや目標を見直し、自分の頭の中を長期時間軸に変えます。逆に先々のことを考えすぎてコンディションを崩している場合は、今日一日だけに時間軸を短くして乗り切ります。


私もモチベーションがずっと高いというわけではありません。問題はその下がった時に下がりっぱなしにせず、自分の力でグッと持ち上げることが重要です。


まずモチベーションの高い組織を作る上では、採用段階からいかにやる気の高い状態で入社するかが大事です。


どれだけ立派な戦略案やIT環境、潤沢な資金があったとしても、それらを生かすも殺すも最終的にはそこで働いている人たちの気持ち、「モチベーション」です。


山に登る時に、頂上ばかり見ていたら気持ちが折れてしまうので、まず足元をしっかり見る。つまり、成果に結びつくキーを1つに絞った方がいいのです。とはいえ、足元ばかり見ていたら、いつまでも同じことを繰り返しているように感じる。そんな時はもう一度、頂上を見てみる。魚が川の上流と下流を交互に見渡すように状況に応じて時間軸の視点を「今」と「将来」に切り替えるのです。


今の若者は、いろんな憂鬱を抱えていることと思います。例えば年金。「老後、本当にもらえるのだろうか」。考えるだけで、気分が暗くなるのは無理のないこと。しかし、それはあなたが今、本当に悩まなければいけないことですか。数十年後のことを思い悩むことで、あなたが今、やるべきことを見失っているのではないですか。将来のことばかり考えるのではなく、今日1日を充実させることを考えた方が、プラスに働くことは多い。


リクルートという会社自体が社員のモチベーション、昔でいうやる気をいかに掻き立てるかという部分について経営陣が相当エネルギーを使っていましたし、外部からも「なぜリクルートの社員はあんなにやる気が高い人間が集まっているのだ?」という見方をされておりましたから、私の経験が生かせると考えて、2000年に起業したということです。


世の中どこを見渡しても、一番大事なモチベーションにフォーカスしたコンサルティング会社などどこにもありません。戦略立案系やIT系、あるいは金融・ファイナンス系のコンサルティング会社は多々ありますが、モチベーションに特化した会社は一つもありませんでした。それで、世の中にないのであれば、自分で立ち上げようと考えて、2000年に当社を設立したのです。


量を誇る速読・多読の人は、ほとんどの場合、お金と時間をドブに捨てている。なぜなら、彼らはアウトプットを意識していないから。私もインプット偏重の多読派だったのですが、30歳を目前にして気がついたのです。「あれだけ本を読んでいるのに、自分の頭の中に何も残っていないじゃないか」と。


水泳でも、いちいちこうやったら泳げるとは考えないですよね。どんな物事でも圧倒的な下積みや基礎の練習をこなせば、身体化されてくる。頭も体もフルに使った圧倒的な経験の中で「身体化」されてくる。


独立、起業というのは納得のいく判断だったので、それを正解にすべく全エネルギーを投入しました。今もビジネス上の大きな判断では、最低限自分の納得感だけは大事にしています。


覚悟を決めてやってほしい。僕の弟は、プロボクサーや料理人を目指したけど全然ダメで、20歳の時に内装業にたどり着いた。もうその道で生きていくしかないんですよ。後がない。21歳で独立して、今はうちの会社より、よっぽどでかい。彼を見ていて思ったのは、覚悟を決めた人間って本当に強いなということ。覚悟を決めて自分の立ち位置を定めた瞬間から、応援をしてくれる人が集まると思います。


決断するときに一番大切なのは嗅覚。僕はラグビーを子供の頃からやっていたんですけど、タックルしなきゃいけない場面がある。躊躇した瞬間に、抜かれてしまうから、一瞬でも怖いと思うと当たれない。だから躊躇することなしに、すべてのチャンスやきっかけをつかもうという意識は強い。その時に何をどう、つかむのかという嗅覚を大事にしています。


上司を説得するには、大失敗した時、どの程度の損失が出るのかも提示しないといけません。大失敗しても「大した損失ではない」と上司に思わせることができれば、話は前に進むはずです。上司が結論を出せないのは、大抵の場合、「最悪シナリオ」が見えずに不安になっているのです。ベストとワースト、両方のシナリオを提示できて初めて、他人に判断を促すことができる。そして「大失敗シナリオ」の可能性がどの程度あり、それはどうすれば回避できるか、あるいは受けるダメージを軽減できるかを示せれば、提案が通る可能性は、さらに上がります。


夢の役割は、「今」に意味を持たせること。将来が続いていくという前提の下でしか、今、この瞬間は意味を持たないのですから。倒産が決まった会社の社員が、つぶれると知った途端にモチベーションが下がるのと同じです。「3か月後に退職します」と宣言した社員が、1か月以内に周りから「用なし」とされてしまうのも、似たようなものですね。


人事評価は、自分の主観と他人の主観の擦り合わせに過ぎません。多くの人が「自分は冷遇されている」と感じる原因の1つは、ここにあるのではないでしょうか。人間は自分に甘い生き物です。自分自身のことは、他人以上に客観視できないのでほとんどの場合、自己評価は高くなる。評価への不満を耳にするたびに思います。「どれだけ自分好きやねん」と。


これまで数多くの組織変革をサポートしてきた経験から言えば、リーダーのビジョンや理念に一貫性があり、それがチーム全体に共有され浸透していると、メンバーのモチベーションも一様に高い傾向にあります。反対に、リーダーが自分の経験とスキルによって束ねようとしている組織では、メンバーのモチベーションも低いという結果が出ています。「自分たちはなんのために働くのか」ということが、組織で働くあらゆる人を束ねる軸となるからです。


リーマンショックの後、多くの企業がプレイングマネジャーを増やしました。その結果、現場の戦力としては優秀だけれども、チームのマネジメントや部下育成にまで手が回らないリーダーが増えています。しかし、そんな難しい時代だからこそ、部下としっかりとコミュニケーションを取り、多様化する個々のモチベーションに向き合ってメンバーをうまく束ねられる人が、重用されるのは間違いありません。


『経営者の役割(チェスター・バーナード著)』を、私は当社社員の必読図書としています。その目的はもちろん経営理念の理解ですが、この本の難解な文章と「格闘」してもらうことにも意味を感じています。それは私自身が、30代にこの手の「難しい本」――哲学書や経済書と格闘したことで、思考力が飛躍的に上がった経験を持っているからです。


リクルートでの新人時代、営業希望だったにも関わらず人事に配属されました。最初は落ち込みましたが、冷静に考えると新卒採用とは、他社よりも多く優秀な人材を獲得することだと気づいた。そこで思ったのが「これは営業なんだ」ということ。そう思い直すことで、仕事へのモチベーションがグンと高まりました。そして以前なら他社に流れていた内定者を多くつなぎ止めることができた。それが、リクルートの成長の原動力になったと自負しています。


経営者や管理職の給料が高いのは、会社や部門を正しく導けるだろうという信頼があるからです。そして信頼感には希少性がある。だから、大金を稼ぐのは一部の限られた人なのです。若手の給料が安いのは仕事を任せられるだけの信頼感がなく、交換の利く人材に過ぎないからです。そういう理解がないと、大金は稼げません。だから皆さん、信頼を集めることとお金を稼ぐことは、等価であると考えて仕事に打ち込んでください。


若いビジネスパーソンの皆さんは、いわば「迷子になった幼児」のようなもの。皆さんは何か1つ失敗すると、すぐ動揺するでしょう。経験が浅いから視野が狭いのですね。幼い子供が迷子になりやすいのも、動物としての視野の狭さが原因。つまり、皆さんは職業人としては非常に幼い。だからすぐ、ドツボにはまるのです。お客様との関係がこじれたとき、彼らはおしなべて「世界の終わりだ」というような顔をします。これは一種の視野狭窄です。でも、一歩退いて我が身を振り返ると、別のお客様とはとてもうまくいっている。そんなことは珍しくありませんよね。1つの悩みにとらわれている時は、周りが見えなくなっているので仕方のない部分もあります。ですから「今、自分はドツボにはまっているな」と感じたら、その時は視界を広げて全体から自分を俯瞰してみることをお勧めします。


これからの企業は働く人から選ばれる企業にならないといけない。これを私たちは「モチベーションカンパニー」と呼んでいます。一方で、個人も様々な企業や組織から選ばれるような存在にならなくてはならない。これだけ技術革新の激しい時代ですから自分たちもキャリアを磨くなど、スキルを向上させることによって自分磨きをしないといけないわけです。


これからの企業は社員から選ばれる企業にならなければなりません。働く個人から選ばれる企業、つまり、どれだけ素晴らしいビジネスモデルや経営戦略があったとしても、それらはすぐに陳腐化・模倣化されてしまいますので、社員のモチベーションを高めたり、人を惹きつける魅力のない企業はどんどん衰退していくと思うのです。


企業と従業員のエンゲージメントのポイントはいくつかあるのですが、例えば、事業の将来性や仕事内容、会社のムード、待遇、将来ビジョン、また、働く施設の環境や上司との人間関係などを調べて、会社に求める度合いや満足度を全て数値化しています。すでに当社には何十万のデータベースがありますから、それを偏差値化して、組織の状態を示す物差しをつくっているということです。エンゲージメントの度合いが高ければ高いほど確実に生産性が上がっていますし、離職率も低くなります。こういうことがこれまでの調査ではっきり分かっていますから、競合が出てきたとしても当社に追いつくのは容易ではないと思います。


リクルート時代、我々がやっていたコンサルティングは、年功序列型賃金から成果主義への移行であったり、人材採用であったり、ミドル層の教育研修といったものがメインでした。しかし、突き詰めていくとその先にある経営者の真の悩みというのは、社員の多様なモチベーションを束ねながら、いかに高めていくか。そして業績にいかにつなげていくか。これは会社の規模や業種問わず、共通した悩みであることが分かってきました。そこで14年間の経験を通して、これから企業にとって重要になるのは、設備とか箱モノなどのハードではなく、人材力であると思いました。人材力というのはホスピタリティであったり、アイデアであったり、モチベーションであったりするでしょう。そういうものが競争の源泉になるのではないか、という確信に変わったのです。


「おまえ、いつも怒ってるみたいだけど職場に不満でもあるのか」。若手時代、先輩からそう言われて驚いたことがあります。私自身は自分を、職場では常に快活な男だと思っていた。でも、よくよく聞いてみると黙っている時の私の顔は、不機嫌そうに見えるようなのです。自分では一生懸命、考え事をしているだけだったので、ショックでした。それに、そう見えるとしたら顔立ちのせいでもあるので、マイナスのイメージを持たれてしまうことへの、理不尽な思いもありました。他人の目に映った「不機嫌そうな小笹」も、その人にとっての事実なのですから。そこで私が思ったのは、「たかが顔のことで、近寄りがたいイメージを持たれるのは損だ」ということでした。普段からにこやかな顔でいよう。そう思い、実行に移したことで「不機嫌そうなやつ」というイメージは、徐々に薄れていきました。


講演が終わるといつも、2つほど、していることがある。1つは録画した映像のチェックです。話の速さや抑揚、表情やアクションなどを見て、反省材料にしています。もう1つはお客さんのアンケートすべてに目を通すこと。自分が伝えたかったことよりも、それを引き立てるために仕込んだ「小ネタ」のほうが実は受けた、ということも往々にしてあるのです。そうなると、「次は今回の小ネタを膨らまそうか。それとも別の引き立て役を仕込もうか……」と考えることができる。そうやって講演の中身を磨き上げています。


日本は島国ということもあり、同調圧力が強い。一人ひとりは「おかしい」と感じていても、「反対する方がもっとおかしい」というムードがいつの間にかできていることも多い。戦時中の日本社会の暴走も、同じような流れでしょう。ですからビジネスパーソンには会社に染まりつつも、「おかしい」と感じる自分を維持しなければならないという、ある種の矛盾した作業が求められるのです。そのためには日頃から、「自分が客だったら、この(自社の)商品を買うだろうか」など、「外の人の視点」を持つことが大切です。


時に利益を求めるあまり暴走してしまうのが、会社の怖いところなのです。賞味期限や産地の偽装表示、不適切な耐震設計……。ここ数年、世間を騒がせた事件を振り返ってみましょう。これらの不祥事は「社会的におかしいだろう」ということに気づかなくなり、一線を蹄み越えてしまった例ですよね。長くいるとそれだけ、「普通に考えたら危険だ」ということに無自覚になっていくリスクを抱えているのが、会社という組織なのです。


会社は経済原則に則って動く。つまり基本的には儲かることしかしないし、経済合理性が何よりも大切です。これが人間だったら、「利益を追求することしか考えていないなんて、イヤなヤツだ」とそう思いますよね。そう、「会社くん」は、とってもイヤなヤツなのです。ではその会社くんは、社会に貢献していないのか。もちろん答えは「否」です。会社の社会貢献とは税金を納めることですから。それでも成長と共に、自分たち単体では生きられないことに気がつく。従業員、地域社会、そして地球環境。そういったものに支えられて生きていることに、気がつく。そこで、社会と共生していくことを覚える。


私は学生時代、まだリクルートの内定者だった時期にアルバイトで働いていました。学生ということで「お客さん」のように扱ってくれるものと期待していましたが、甘かった。いきなり営業部に放り込まれ、「契約を取ってこい」と言われました。当然、そんなことはできるわけがない。サークルのボスとしてふんぞり返っていた私は初めて鼻を折られたのです。自分はまだ、社会人としては何のスキルもない。まして「世界の中心」になどいないのだ。ここで「地動説」への転換を余儀なくされました。私は早い段階で自らを「自分は所詮、その他大勢なのだ」と相対化することができたおかげで、「会社の一員として」仕事に邁進することができるようになった。


今の企業は若者を戦力化しなければならない。社会に出て間もない人はまだ、自分を「壊される」機会が少ない。小さな世界の中心に自分がいて、その周辺に自分を心地良くさせてくれるものだけを配置した環境で育っているので、そのままでは使い物にはなりません。そんな若者を「社会人」にすることは、それほど難しいことではない。集団としての「重力」が強くはたらく場所に放りみ、右往左往させる。そして失敗させて叱責する。それを繰り返す中で、徐々に彼らは自らを相対化することができるようになる。


戦前は「お国のために」という風潮もあり、自己犠牲の大切さが説かれていました。しかし、太平洋戦争が終わるとそれは「自分らしく」「個性を大事に」というものへと変わっていった。これが子供たちの「勘違い」「自己チュー」を助長させました。それをゆとり教育が加速させ、大量の「自分大好き」な「天動説くん」を送り出した。個性の尊重も、自分が好きだという気持ちも、それ自体が悪いわけではありません。こういった性向がもたらす視野の狭さこそが、ビジネスパーソンとしての成長を妨げる。そこが問題なのです。


投資であれば、大事なお金をかけるに値する事業や経営者に対して、共感や応援の気持ちを込めて株を買う。そういう長期的な視点からやるのがいいと思います。私は新卒で入社したリクルートで上限枠まで自社株を買い続け、途中リクルート事件などもありましたが、14年後に退社する際にはそれが3500万円まで殖えて、今の会社の起業資金になりました。


今は、会社と個人が相互に選択し合って雇用契約を結ぶ時代。「選ばれる人」になるために私が勧めているのが、「自分株式会社」の経営者のつもりで自分という「商品」を売り込む意識を持つことです。さしずめ株式投資は財務の一部ですが、財務部門はそれだけではありません。例えば負債。住宅ローンを抱えているサラリーマン投資家は多いと思いますが、金利の高い住宅ローンという極めて自分に不利な商品を放置しておきながら、株で儲けてその穴埋めをしようというのは明らかにおかしい。できれば財務諸表を作って家計をトータルに見直す必要があり、それには株式投資だけでなく、お金全般に対するリテラシーを磨いていかなければなりません。


私は今年、50歳になりました。そのせいか最近、「今まで」と「これから」について思いを馳せることが増えました。10代のころは人生がずっと続く気がしていました。20代、30代はビジネスの現場に飛び込み、先のことを考えずガムシャラに過ごしてきました。40代は独立・起業から始まったので、後ろを振り返ることはありませんでした。そして迎えた50歳という年。脇目もふらず仕事に打ち込んだ結果、自由は広がった。その一方で「完全に人生の折り返し地点を過ぎたな」という思いもあるのです。残された時間は決して長くない。そこで私は浪人時代を思いだし、さらに濃い時間を過ごそうと考えました。


私の会社では、3か月を1年とみなし、それぞれが立てた目標を必ず達成すべく努力する。自ずと仕事のスピードは上がり、成長も早まります。1か月だと短すぎ、半年や1年先では遠すぎてイメージがつかみにくい。その点、3か月という期間は、小さな目標を達成するのにちょうどいい長さです。ちなみに「年度末」には社員の労をねぎらうために、全社一斉の「年末年始休暇」を設けています。3か月が過ぎたら、できたことと積み残したことをチェックしたうえで、3年計画や年間計画の軌道修正をしていく。これを繰り返していくと、数年後に振り返った時に大きな達成感を感じられる可能性が高くなります。


区切りが見えない時間の流れの中で、常に全力で過ごすことは不可能。3年、1年、3か月。まずは時間をこの3つに分ける。初めに考えるのは「3年後、自分はどんなことをしていたいか」という目標と計画。そして、そこから逆算して、1年ごとに達成していきたいことを整理しましょう。最初の1年間で何をすべきかを考え、行動計画を立てて、その計画を達成するために1年を4つに区切って自分にノルマを課すのです。それだけだと息が詰まるので、3か月ごとに「ごほうび」を用意しておくといいでしょう。


あなたは常日ごろから「どうせ」「しょせん」という言葉を口にすることが多くありませんか。こういう言葉を使うことであなたの頭には諦めが定着し、日々が味気ないものになっていきます。ですからまず、この2語をあなたの辞書から消しましょう。一切、口にしないと決めるべきです。言葉は恐ろしいもので、何を口にするかによって思考が左右されます。「どうせ」「しょせん」の代わりに「ちょうどよかった」を使うことで、マイナスの条件も闘志をかき立てる材料にできます。


私がコンサルタントとしての起業を意識したのは、30代半ばのころです。そこから数年で、それを達成することができました。しかし、そこで人生が「あがり」になるわけではない。人生は続いていくし、夢は成就した瞬間に現実になる。結果はしょせん、結果であって「夢そのもの」とは違います。抱く夢のように、今の自分を輝かせてくれるものではない。だから私は、次々に新しい夢を持ち、突っ走ってきました。それは今も同じです。


リクルート時代、自分が今、取り組むべきなのはコンサルティングだという強い信念がありました。そこで会社の上層部に掛け合い、事業部を立ち上げました。しかし、立ち上げたばかりの事業がすぐに軌道に乗るわけがありません。常にMVPを獲得していた私の評価は、初めて通信簿でいう「普通です」になった。しかし私は、全く気にしませんでした。事業が軌道に乗れば、後から大きな評価となって返ってくるのですから。それに通信簿にはしょせん、私の将来(独立や起業)を評価するハンコなど押せませんからね。


人事評価に拘泥していては、大きな成長は望めない。せいぜい年に数回の、短期的な評価のループにとらわれてしまう。こうなると近視眼的になり、目先の小さな仕事ばかり、一生懸命やろうとする。バントばかりして、バットを思い切り振れなくなるようなものです。人事評価がもたらした「小粒化」という名の弊害ですね。この状況を打開するには、「評価制度のループ」から抜け出すことが必要です。一度は評価を気にするのをやめて、大きな目標に取り組んでみてはどうでしょうか。


私自身、新人時代も2年目もMVPを取り続けていたので、自分でも「できるヤツだ」と思っていました。しかし、ある時、先輩から周囲は私を「気合と根性だけで仕事をしている」と見ていることを知らされました。それがロジカルシンキングの勉強など、ウィングを広げるきっかけになった。同僚とのコミュニケーションは、スキーやゴルフで、自分のプレーを録画してチェックするようなものです。「できているつもり」と実態とのズレを埋めていくプロセスこそが成長へとつながるのです。


新人に「10点満点で自己評価してみなさい」というと、時折、9点をつけるヤツが出てきて驚かされます。普通は5点とか6点ですから。自己評価が高すぎるのは、「できている」という認識のレベルが低すぎるということです。逆に2点とか3点をつけるヤツもいる。これはこれで考えものです。自責性が強すぎる。こういう人たちは、他人の仕事を見てみるべきです。そして話を聞いてみる。そうやって周囲のフィードバックを浴び続けることではじめて、マシな自己評価ができるようになります。その点、上司の評価と自己評価が擦り合わせやすい性格の人は比較的、自分を客観視できているので、安心して仕事を任せられる。


利害と視点が違う人が集まって議論をする以上、全体を考えないと会議はできません。でも多くの人が「自分の問題」を優先させているのが実情です。「まず自分」という考えを抑えて「そもそも何のための会議なのか」を意識すれば、「自分の抱えている問題は優先順位が低いんじゃないか」「今日の会議では、あの先輩の課題から議論した方がいいのでは?」など、「烏の目」を持てるはずです。議題に際しても常に「そもそも、何の話でしたっけ?」と発言できるようになれば議論をリードできる。そして「本質的な発言をする人」という印象を、周囲に与えることができるのです。


皆さんは目の前に複数の仕事がある時、それぞれに優先順位をつけますよね。関連する仕事は一緒に進めた方が効率がいい。考え方はだいたい同じです。頭では分かっていることなのに、会議になると同じことができない。それは出席者が「虫の目」、つまり自分の立場でしか考えられなくなってしまうことに原因があります。特に大きな組織の会議は、出席者がそれぞれ職責を担っています。その職責の範囲内で重要だと思うことを繰り返し主張する。結果、議論の中身は近視眼的になり、会議は実りのない時間になる。一歩引いて全体を俯瞰できれば建設的な議論ができます。


私は気持ちが落ち込んでいるときは地球儀を眺めます。地球儀全体を見渡すと視野が広がり、自分の悩みが小さなことのように思えて、気持ちが晴れていきます。これは自分の頭の「空間」を切り替える作業です。そのほかにも、目先のことで行き詰まったら、5年後、10年後の未来を具体的に考えてみたり、あるいは先のことを不安に感じるときは、今日1日でうれしかったことや改善できたことを書き出し、今という時間にフォーカスしたりしています。これは「時間」の物差しを切り替える作業です。悩み事にとらわれてやる気の出ない状況から脱却するには、このように頭の中の「空間」や「時間」を切り替えると効果的です。


「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の3つの重なりを追い求めることが、個人のモチベーションアップにつながります。モチベーション管理のうまい人は、仕事に取り組むことの意味を理解しています。「これをやり遂げれば自分の成長につながる」と意味づけできる人は、その仕事にエネルギーを注ぐことができるのです。


今の時代のモチベーション管理において必要なのは、「個」の特性を把握しておくことです。どのような環境で育ち、なぜこの会社に入ったのか、何が喜怒哀楽のポイントなのか。たとえば、リーダーシップを発揮したいタイプなら、なるべく口を出さずに仕事を任せるようにしたり、チームでやる仕事をやらせてみる。あるいは人の役に立ちたいと思っているタイプなら、直接顧客の声を聞くことができるような仕事を任せてみる。このように一人ひとり異なるモチベーションのあり方を理解し、マネジメントしていくことが大切なのです。


読書とは単に知識の吸収ではなく、思考の運動能力を鍛錬する機会でもあります。時間をかけて四苦八苦した末、その本のレベルに頭が慣れると、思考の次元が変わるのを体感できるはず。その際、本の内容を「人に伝える」ことを想定しながら読むのもお勧めです。その本の要点や本質を積極的に探し、咀嚼する姿勢が身につくでしょう。


小笹芳央の経歴・略歴

小笹芳央、おざさ・よしひさ。日本の経営者、経営コンサルタント。大阪出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートに入社し人事部人事課採用担当として十数年在籍。その後独立し、モチベーションをテーマにした経営コンサルティング会社のリンクアンドモチベーションを設立。同社を8年で東証一部に上場させた。テレビ番組のレギュラーコメンテーターとしても活躍。主な著書に『変化を生み出すモチベーション・マネジメント』『自分は評価されていないと思ったら読む本』『なぜ、できる人から辞めていくのか?』『部下の「やる気」は上司で決まる』『トップ人事コンサルタントが明かす いる社員、いらない社員』『引く手あまたの「売れる!社員」になる』など。

ページの先頭へ