室伏広治の名言

室伏広治のプロフィール

室伏広治、室伏アレクサンダー広治、むろふし・こうじ。日本の陸上選手(ハンマー投げ)、スポーツ科学者。父はアジアの鉄人と呼ばれたハンマー投げ選手・室伏重信。母はオリンピックやり投げルーマニア代表セラフィナ・モーリツ。静岡県出身。中京大学体育学部卒、同大学大学院で体育学の博士号を取得。父が打ち立てたハンマー投げ日本記録を更新。アテネ五輪で金メダル、ロンドン五輪で銅メダルを獲得。アジア史上初の投擲種目金メダリストになった。また東京医科歯科大学教授を務めた。

室伏広治の名言 一覧

私はハンマー投げの選手としては、体格の面で決して恵まれていたわけではありません。固定観念に縛られない発想と創意工夫を続けなければ、世界のトップ選手と勝負できなかった。


トレーニングは体作りが目的ですが、何よりも本人が「楽しいな」と思ってくれたり、「これは何か伸びそうだな」と可能性を感じてくれたりすることが大事。


新しい何かを得ようとする能動的な姿勢が、自分を客観的に見つめ直す気持ちを持ったり、欠点と向き合ったりする機会となり成長につながる。


競技を続けていると伸び悩み、ケガで練習できず、壁にぶち当たることがあります。その壁を乗り越えるには変化が必要であり、そのためには、「人の話に耳を傾ける」ことが重要だと実感する場面が多々ありました。


時間がない中で新しい練習方法を考えることは生きがいで、そこに楽しさがある。


ハンマー投げという競技を通して、向上していくことの素晴らしさを実感できた。「どうすれば遠くに投げられるか」と、自分で考えて工夫しながら練習することは楽しかったし、昔から好きでした。


人の話に耳を傾けるだけではなく、それを応用して自分のものとし、いかに向上させるかが大事。それがハンマー投げの奥深さや楽しさなんです。


結果を出せたのは、目的と目標を定めて最短の軌道を描くことができたからだと思います。目的とは「最終的に実現したいこと」、目標は「その目的のために実現させるべきこと」です。


楽しくないと日々の練習や、スランプで記録が伸びない時期を乗り越えられません。記録が伸びない期間が長くなるほど、「本当にこの練習でいいのか」という不安も生じる。でも、自身の能力を高めていくことが「楽しい」と思えたり、自分の潜在能力が少しでも引き出される実感があれば、新鮮に感じて意欲的にチャレンジできるようになり、集中力にもつながります。


タイミング、動きの柔軟性、全身のバランス感覚を要するものや、力の出し方で言えば、徐々に力を出したり、一瞬にして力を出し切ったり、逆に身体をできる限り動かさずに物体を動かす方法であったり、できるだけ多くの感覚を磨くことを意識しています。


年を経ても高いレベルで競技を続けるために意識しているのは、年齢を考慮したトレーニングを考えること。つまり、「どんなトレーニングをすれば身体に悪影響がある負担を最小限にとどめながら、世界の舞台で勝負できるか」を追求することです。


ある所を超えると、そのトレーニングではその上には行けなくなるところがある。結局は自分自身が編み出す以外ない。最近は自分でつくった練習以外、効果がなくなってきた。


アスリートにも普通の仕事をしているひとにも、それぞれの人生があって、これが私の人生だという風景があると思うんです。僕にとってそれは、きらびやかなスポットライトを浴びる瞬間ではなく、穴を埋めたり、ハンマーを磨いたりする日常の作業なんです。


はじめてハンマーを投げたとき、父が「お前にはセンスがある。しっかりやる気があるのならば、日本記録は超えられる」と言ってくれました。ですから、記録を超えることに悩むよりも、超えてからが自分の競技生活で本当の勝負になるんだと思ってやってきたんです。


周りを見ながら余裕を持って取り組む。それが「集中」だと思うんです。集中というと、ひとつのものにギューっと入り込んでいく姿を考えがちですがそうじゃない。視野を広く持って、のびのびしている状態。それが理想です。


ロンドン五輪の時の目標は金メダルの獲得、そのモチベーションとなる目的は、東日本大震災の被災地で知り合った子供たちに少しでも勇気を与えたいということでした。そのためには年齢的な肉体の衰えをいかに補って勝つかが鍵になる。合理的かつ効果的なムダのないトレーニングを実践し、試合では失敗を恐れずに全力を出し切ることが重要になります。


現役中は競技に専念・集中しないと成績が落ちるといったことを、本気でおっしゃる方もいますが、私はそうは思いません。私自身セカンドキャリアを見越して、現役中に大学院で学び、研究していました。「トップアスリートとしての自分」と「研究者としての自分」の2つのライフワークがあったからこそ、長く競技を続けられたとも思います。


ハンマー投げは、誰が勝つかというスポーツではなく、「ここで誰が試合から退くか」というゲームだと思っています。メダルを狙うには決勝のパフォーマンスに響かないように、予選で確実かつギリギリの目標値を狙って投げればいいわけです。ルールをよく知り、戦術を考え、必要な準備を行い、ムダを省く。それが、年を経ても戦うために必要なポイントでした。


練習の質を上げるヒントは、自分の種目以外のスポーツや動きにもあります。短距離選手なら飛脚や動物の走り方から、水泳選手なら古式泳法から学んでもいい。「ハンマー投げの練習や動きは、ハンマー投げだけから取り入れる」といった考え方は、得られる情報を狭め、トレーニングそのものが単調になって面白くなくなる恐れがあります。


私も人間ですから、思い通りに練習できず苦しい時もありました。そんな時はスポーツ科学分野の研究に没頭したり、水泳などの別のスポーツに夢中になったりしていました。複数の基軸を持てば視野は広がり、時には学びにつながる。没頭できれば集中力を鍛えることにもなります。そうしてしばらくハンマー投げを離れることで、リフレッシュして練習に戻ることができたのです。


我々アスリートのトレーニングでも、皆さんの仕事でも、「何だか集中できない」と思うのは、面白みを感じないような単純な反復練習や、単純なルーティン作業など、取り組みそのものの質に問題があると思います。逆に言えば、工夫次第でいくらでも面白く感じることができる。日々自然と集中できる状態を生むことが、大事な舞台で結果を出すための集中力にもつながるはずです。


トップアスリートとして結果を残すことは当然です。でも目先の結果ばかりにとらわれると、なぜ自分がこの競技をやっているかが分からなくなる。プレッシャーだけがのしかかり「結果が出なければどうなるか」と追い込まれてしまいます。すると、自分で選んだはずの競技を続けることの本質や楽しさが奪われてしまう。10代でいきなり頂点に立ってしまって苦しむアスリートはこういう傾向が多いです。


アテネ五輪を終えてから体の疲労が抜けきれず、今までのように自分を追い込む練習ができなくなっていました。アスリートは30歳前後が引退するか迷う時期かと思いますが、38歳で自己記録を更新した父の影響もあって、競技を継続したい気持ちはありました。でも、すでに29歳だったので年齢との戦いにもなる。目標設定をどうすればいいか、正直迷いました。そんな時、尊敬する先生が「君の対戦相手は、無限の蒼空と不動の大地だ」という言葉をくださった。これはライバルに勝って金メダルを獲るとか、世界記録を出すとか、そんな小さくてくだらないことを目標にするのはやめなさい。不動の大地と広い大空を相手にハンマーを投げる喜びを追求しなさいというメッセージでした。はっとして、肩にのしかかっていた重荷がすっと落ちたような気がしました。視点ががらりと変わって自分の考えの小ささに気づいたあの瞬間は、その後10年以上、世界のトップで戦い続けられることになった、まさしく私のターニングポイントでした。


メダル獲得を目指すだけではなく、よりよいものを追求したいという向上心が強かったと思います。ハンマー投げの技術にさらに磨きをかけたい。何か得るものがあるのではないかと思った私は、男子ハンマー投げの米国記録保持者ランス・ディールさんの紹介で、彼のコーチであるスチュワート・トーガーコーチの指導を受けました。通常、回転運動をする時の軸足は、左回りなら左足線上にあるのがいいとされていますが、トーガーコーチは「軸を右足線上に置く」方法を指導してくださいました。最初は驚くことばかりでしたが、数か月練習すると新しい動きができるようになった。正解は1つではなく、常識だけの中にあるものではないと学びました。


高校1年からハンマー投げを始め、翌年にはインターハイや国体で優勝し、高校記録を出して順調に記録を伸ばしていた私は、自身の能力を過信していた時期がありました。大学生になってから記録は自分で伸ばすという思いも強まり、私は父のアドバイスを聞かなくなってしまった。いわゆる反抗期かもしれません。それでも父は私の練習を忍耐強く見守り、試合ではハンマーを投げる姿をビデオに撮り続けてくれた。が、案の定、大学2年の日本選手権では高校時代の記録を下回り、成績が全く伸びなくなってしまいました。悩んだ揚げ句、父の話を聞くことにしました。結果、成績は改善されていくわけですが、それはハンマー投げの技術や練習方法以前に、自分から人の話や考えに耳を傾ける心、教えを請う姿勢が大事だと気づくことになった。


最初は、ハンマー投げの日本の第一人者であり、コーチである父の手ほどきを受けました。父は、このタイミングを逃しては将来伸びていかないだろうという重要な局面では徹底的に教え込みますが、基本的に「指導者とは何を言うかではなく、何を言わないかが大事」といった忍耐強い心の持ち主だと思います。選手自身が自らの乗り越える力を向上させるようなアドバイスの仕方が特徴です。そんな指導者が身近にいたので、私も自分で考えて練習することが身についていました。


若い頃と同じ負荷、同じ数だけ反復する筋力トレーニングで体に無理をさせると、疲労が蓄積して故障しかねません。量から質へ変えたムダのないトレーニングをするために、指導者のアドバイスや経験に基づいたもの、科学的根拠に基づいたものを取捨選択しながら取り入れました。その際、従来のトレーニング法を指示されたまま取り組むのではなく、自分の長所をどう伸ばせばいいかと考えながらアレンジする。その方法の1つが「原理原則」を考えることです。


室伏広治の経歴・略歴

室伏広治、室伏アレクサンダー広治、むろふし・こうじ。日本の陸上選手(ハンマー投げ)、スポーツ科学者。父はアジアの鉄人と呼ばれたハンマー投げ選手・室伏重信。母はオリンピックやり投げルーマニア代表セラフィナ・モーリツ。静岡県出身。中京大学体育学部卒、同大学大学院で体育学の博士号を取得。父が打ち立てたハンマー投げ日本記録を更新。アテネ五輪で金メダル、ロンドン五輪で銅メダルを獲得。アジア史上初の投擲種目金メダリストになった。また東京医科歯科大学教授を務めた。

他の記事も読んでみる

柳井正

知らせなければ誰が買ってくれるんですか?
【覚え書き|広告宣伝についての発言】


定保英弥

個の力を上げていけば、それが最終的に売り上げと利益の向上につながる。


堀之内九一郎

なんとなく、あえてこっちという判断こそが、実は正しかったり、物事の本質を突くものであったりするということを私は何度も体で感じてきました。自分の中に眠る、野良犬の嗅覚に素直に従ってみると、思いがけない展開があなたを待ち受けているかもしれません


小山昇

私は著書の原稿直しはPDF上では行わず、プリントして手書きで行います。作業によってアナログの方がはるかに効率的なことがある。デジタルとアナログを適宜使い分けているのです。まずは一度デジタルでやってみる。試してみて、効率が悪いようなら、アナログに戻してしまえばいい。


山光博康

類似品があるか、「自分が思ったこと」と「世間の欲求」にズレがないか、そのズレが修正できるか。マーケティングや会議よりネットの中に、商品化を判断できる要素はゴロゴロある。


高橋智隆

人や家電がする作業をロボットが代行するといった「今あるニーズに応え、問題や不満・不安を解消する」やり方では、もう新しい市場は生まれにくい。それは、「発展途上国型の開発」とも言えるでしょう。


堀江泰(経営者)

この業界は職人の世界です。現場の人間は自分の仕事にプライドを持って一徹に取り組んでいます。当時の代表は父でしたが、父をはじめ、多くの社員から「電装しかやったことのない会社が床の貼り替えなんてできるわけがない」と言われました。何度も話し合いを持ち、賛同してくれる社員を少しずつ増やしながら、どうにか現場をまとめました。


瀧本哲史

個人の働き方において、非連続的な変化を起こせるかどうかがカギとなります。それはどんな職場でも可能で、あらゆる業界に「普通のやり方」と、圧倒的に生産性を高める「普通でないやり方」があるはずです。その方法を発見するために、最も効率の良いやり方は、自分の働く業界に関して、誰よりも詳しくなることです。それも狭い業界の枠組みを超えて、俯瞰的に業界全体をとらえてみる。その上で業界の中の非効率なところや、ユーザーに不便を強いているシステムを正すことを考える。これは誰にでもできて、なおかつ勝てる公算が大きいチャレンジとなります。


渡邉幸義

雇用されないのではなく、雇用する側が忌避しているにすぎない 過去を問わない採用を続けていくうちに、あることに気づいたのです。それは、成果を出してくれている社員の中に、何らかの障がいを持っていたり、当社に来るまではきちんとした職につけていなかったりした人たちが、おおぜい含まれているということでした。(ニートやフリーター、障害者などの)就労困難者というのは、仕事ができないから雇用されないのではなく、雇用する側が忌避しているにすぎないということを知ったのです。


高橋フミアキ

メールのポイントは「謙虚」「丁寧」「配慮」の3つ。メール文章にはあいさつはいらない、表現もドライでいい、と考える人がいますが、これは間違いです。たとえば「お忙しいところ恐縮ですが」「恐れ入りますが」といった謙虚さを表わすクッション言葉は必須ですし、「ください」ではなく「していただけますでしょうか?」と丁寧な言葉づかいも大事です。また、「配慮」という意味では、忙しい相手にいきなり長文を送りつけることは、迷惑以外の何物でもありません。初対面でのメールは長くても400字程度です。


阿部俊則

今まで2階建ての住まいだった方は、自分の土地に3階建てが建てられるということをあまりお考えになられません。商品力や提案力次第で、潜在ニーズを掘り起こしていけるということです。


菜々緒

少し回り道をして、自分の幅を広げたら目的地にたどり着けた。回り道が私の転機になった。


森秀明

ある日本企業では、「相手の意見を批判するな」「意見を数多く出せ」「思いついたら書き出せ」という三原則を徹底し、会議の活性化に成功しました。突飛な意見を出しても怒られず、むしろ褒められる文化があれば、人は積極的に発言するものです。


石田宏樹

皆さん、安いのは好きですが、安っぽいものは嫌いです。


津谷正明

米国人はとにかく雑なのが欠点だが、概念を捉えてまとめるのがうまい。


ページの先頭へ