安部修仁の名言

安部修仁のプロフィール

安部修仁、あべ・しゅうじ。日本の経営者。吉野家HD社長。福岡県立香椎工業高校卒業後ミュージシャンを目指し上京、吉野家でアルバイトを開始する。その後熱心に働き正社員となり、吉野家の倒産後に再建のため社長を任される。アルバイトから上場企業社長になった経営者

安部修仁の名言 一覧

リーダー候補にはハードワークは避けられないと思う。


それぞれの企業が創業時から独自に蓄積してきた「無形の価値」に立ち返ることが大切。


なぜ吉野家を選択していただいているかというと、今までの吉野家の味、サービスの蓄積があるから。その期待を裏切ることは最もよくない。


人生を捧げるという意識は全くなかった。私としては目の前の仕事、役割を全力で片付けていただけ。

【覚え書き|22年間吉野屋社長を務めたことについて】


これからは大変かもしれませんが、同時に面白いことができる時代だと思っています。


基本的には人口数の多い層の嗜好がマーケットをつくる。パイの大きいマーケットは参入企業も多くなりますが、その場合は、先に手を付けておいた企業が有利。


仕事が面白くなると、思考の幅も深さも大きくなり、人生で得られる幸福感がより大きくなると私は思っています。


労働時間の削減を最も阻害するものは、嫌なこと、苦手なことを後回しにすることです。


社長に就任した時から、自分は継承者なんだとずっと思ってきました。今振り返ってみても、この観念は不思議なくらい強い。


勝つまでやる。だから勝つ。


お客さんの期待を裏切らないのが、うちのトップ・プライオリティ(最優先事項)です。


社長時代、自分はジョインターとして、次にバトンをつなぐ。そのことだけは間違えちゃいけないという思いがありました。


経験論でいいますが、自分の限界を小さく設定するほど、仕事はつまらなくなっていき、やらされ感が増大していきます。反対に、会社から与えられた仕事の範囲をはみ出して、周囲の仕事にまで好奇心をもって積極的に提案活動を行っていくと、仕事はどんどん面白くなっていきます。


ある時期、集中的にハードに働くとスキルが急激にアップします。つまり、量が質に転化する瞬間があるわけで、これも忘れてはならないことだと思います。


最終判断を下すのは上位者ですから、提案なんていくらでもやってもかまいません。採用されなければゼロ、採用されればプラスですから。会社にとってマイナスになることは絶対にありません。


私自身、確信犯的に自分の職務範囲をはみ出して、自分勝手に挑戦を続けてきました。だって、簡単なことを達成したときよりも、難しいことに挑戦して、それを達成したときの方が喜びは大きいでしょう。


仕事は生活の糧を得る手段であると割り切って、プライベートの時間を大切にするのが俺の生き方だという考え方は誰も否定できません。ただ、あくまでも私見ですが、ビジネスマンは人生の大半を会社の中で過ごすわけです。その時間の密度を濃くしたほうが、楽しいのではないでしょうか。


マネジメントは働き方自体を評価の対象にしてはいけません。評価はあくまでも客観的、定量的、定性的に行われるべきです。向上心の強い連中の働き方自体を評価してしまうと、暗黙のうちに過重労働を強いることになってしまいます。


向上心の強い連中は、どんな組織にいても、仕事を単なる労働とは考えません。そういう人間は、5年、10年経つと必ず会社の中で頭角を現してきます。すると、必然的により大きな仕事を任されるようになります。だから、一層仕事が面白くなっていきます。


大企業で働いていても、常に問題意識を持ち自分の仕事以外にも好奇心を向けることは可能だと思います。たとえ仕事の範囲が厳格に定められていても、その範囲の中で独自に課題を設定し、それを解決していくことはできます。つまり、どんな環境下でも、自力で仕事を面白くすることは可能です。


実態的にかかった人件費はきちんとコストとして計上し、全額をきちんと支払う。そこを厳密にやった方が、設定した目標に対して、全社員が前向きに取り組めるようになります。経営者にごまかしがあると、企業として本当の力が出ないのです。


実態的に過重労働を強いているにもかかわらず、それをきちんとコストとして計上せずにバランスシートを作成し、収益が上がったように見せかけていると、収益もごまかしの数字になってしまいます。これは仮に収益を5%アップしようと目標を立てても、そもそもごまかしが前提だから、誰も本気にはなりません。


外食や小売業界の一部は、最も過重労働が蔓延しやすい体質を持っています。経営者が低コスト化を実現するために、実態的には労働搾取を行っているのに、それをごまかしているケースが多い。残業時間を語るときには、まず、その企業で公平な分配が行われているか否かを見定める必要があります。


私が20代後半のころ、吉野家は急成長企業でしたから、社員も大きな希望を持っていました。それに、吉野家を企業化した先代の松田瑞穂社長は、教育投資、報酬制度、利益の配分といった面で、社員の成長に必要な環境を非常によく整備してくださる方でした。それらをトータルに考えると、決して労働搾取されていたとは思いません。やはり、残業や過重労働の問題を考えるときは、経営者がごまかしで搾取しようとしているのか、そうでないのかが非常に重要だと思います。


私が28歳のころ、当時の吉野家は九州に一店舗も持っていなかったのですが、私の郷里は福岡なので、休暇で実家に帰ったとき、勝手に提案書を書いて九州の店舗計画を私にやらせてほしいと社長に直訴しました。いま思えば稚拙な提案書でしたが、社長のOKが出て、九州地区本部長になりました。


数字だけを伝えると、今度は手段の目的化という現象が起こってくる。数字はあくまで手段であって目的ではありません。だから、数字は必ず目的と一緒に伝えなくてはなりません。数字を使うときには、きちっと翻訳してやることが大切なのです。


数字は最も重要なコミュニケーションの道具です。言葉だけを伝えると、まったく逆の解釈をされるといったことがしょっちゅう起こってしまいます。ですから、個々の役割を明確にするためには、数字で目標を伝えることが不可欠です。


(買収した企業のブランドを極力絞り込むのは)その部門ごとのトップブランドになってほしいからです。ただし、絶対売上と絶対利益を大きくしろという意味ではありません。一店当たりの来客数と利益率が、相対的に最も高いという意味でのブランドを指すのです。


我々と関わることで、相手のビジネスがさらに高まり、我々もよくなることが企業買収の必須条件です。補完しあいながら有効にドッキングするということです。


むろん時価総額は高いことに越したことはありませんが、短期的に株価を上げようとは思っていません。我々は長期的に株価を上げるとこに判断の軸を置いた経営を標榜するということです。もし、株主が短期的に株価を上げることを望むのであれば、僕らに経営をさせない方がいい。


うちは事業の経営をやっているのであって、株式時価総額を増やすことがトップ・プライオリティ(最優先事項)ではありません。株式時価総額主義とは、一線を画しています。


2から3年は商売しなくても、社員の給料は払えます。手元流動性が高い形で資産を持っていると、いざというとき時間が稼げます。牛丼販売停止のあと、デッドストックを出しつつも新メニューを軌道に乗せることを優先できたのは、キャッシュを潤沢に持っていたからです。つまりそれをやらなきゃ死んじゃうというとき、赤字を出してでも生命の維持・継続に集中できる。


会社更生法申請以降、出店基準をROI(投下資本利益率)20%以上、営業利益10%以上と定めたわけですが、この基準はいまでも変えていません。言い換えれば、営業キャッシュフロー重視の経営を志向しているということです。


牛丼を食べる刹那的な時間であるけれど、お客さんとのメンタルなつながりを大事にしていきたい。そういうマインドを、心根のところで共有していきたい。


文化人の方々は、吉野家は無機質この上ないとおっしゃるわけですが、築地で生まれた吉野家には、伝統的にかもし出してきたひとつの文化があると思うんです。券売機を置かないのは、その文化を収益が許す限り大事にしていきたいというメッセージでもあるんです。


券売機を置いた方が作業の煩雑性ははるかに小さくなるから、労働生産性を徹底的に追求している我々としては本来、券売機は必然の道具です。しかし、非常に矛盾に満ちたことではありますが、券売機を置かないことで大事にしたいことがあるんです。


仮説ってものほどあてにならないものはないから、仮説検証には相当ボリュームをかけます。280円のときは4タイプの価格実験を30店舗でやりました。粗利が一番大きくなる合理的なプライスポイントは一直線には出てこなくて、跛行性(はこうせい。つり合いのとれていない状態のまま進行すること)がある。たとえば、270円と280円で客数は変わらないが、290円と300円の間には壁がある。つまり、とびとびに出て来る。その中から、あるレンジ(範囲)に収まる価格を選び出すのです。


ドラスティック(徹底的)な革新運動はそれまでの常識を持ち出して、はなから無理だとしてしまったからできないんですね。そこで、現状肯定と過去習慣の延長は全部ご破算にして、おおっぴらに自己否定をするところから始めました。こうでなければ我々は成立できないという目標と枠組みを作って全員を追い込みました。


作業工程の無駄を徹底的になくし、生産性を向上させるために、作業をすべて分解するところから始めました。たとえば、フロアモップがけという作業については、道具の運搬、人の移動、洗浄作業などの作業に分解し、ワークスケジュールの流れと組み合わせて、作業時間の短縮に取り組みました。


作業をブレークダウン(細分化)して最小単位の作業項目に置きなおし、作業項目を少なくする作業にも取り組みました。こうして想定できるイメージの限界ギリギリのところに終着点があるのだと考えて、高い目標を掲げて改善運動を進めていったんです。


吉野屋を支えてくださっているお客様はヘビーユーザー、常連客。いつもと違う味の牛丼を出せば、これは吉野家の味ではないと失望される。一口食べて、吉野家の味だとわかってくださるお客様がいることが我々の誇り。ここにダメージを与えることは、後々、ブランドへの信頼を損なってしまう。


我々は無借金経営で増収増益が続いていました。そうなると組織は硬直化して、セクショナリズム、官僚化が起こる。そこで無理難題を解決するために、革新運動を進めることにしたのです。全社で様々な改善を行って、あらゆるコストの見直しをしました。


目先の刹那的な評価を優先するより、今我慢しておけば将来振り返った時に従業員の自負とか誇りになる決断だってある。一時的に社会的な批判を受けたとしても、世間様もいつかは理解してくれる時が来る。そのような判断を下すことが継承者の役割なんですよ。


時代の変化に合わせて変えるべきものもある。では何を基準にするか。それは短期的な利益ではなく、少なくとも3年後とか5年後の未来にその判断がどのように評価されているのか。その視点で選ぶべきでしょう。


あくまでも先代から脈々と受け継がれてきた吉野家に対するお客さんの期待がある。それに応えるのが第一義であり、継承者である僕の使命だった。


安部修仁の経歴・略歴

安部修仁、あべ・しゅうじ。日本の経営者。吉野家HD社長。福岡県立香椎工業高校卒業後ミュージシャンを目指し上京、吉野家でアルバイトを開始する。その後熱心に働き正社員となり、吉野家の倒産後に再建のため社長を任される。アルバイトから上場企業社長になった経営者

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