天池源受の名言

天池源受のプロフィール

天池源受、あめいけ・もとつぐ。日本の経営者。「天池合繊」社長。石川県出身。中京大学卒業後、繊維メーカーを経て父が創業した天池合繊に入社。超極薄生地「天女の羽衣」を開発し、同社を成長させた。

天池源受の名言 一覧

誰に、何を売るか。自社製品の「置き場所」を見極めることが大切。

私たちのような小さなメーカーが世界で認められるためには、1点1点力を抜かず、真心を込めて感動を伝える織物を作ることが継続に繋がると思っています。

下請けからの脱皮には、労働の効率性は必須条件。とくに腕がまだ未熟なため1人でもできる仕事を2人でやっているような部署では、「早く仕事を覚えて1人でこなせるようになれば、1人を新たな別の仕事に回せるので、2人とも給料が倍増するぞ!」と、私はよくハッパをかけています(笑)。

一にも二にも人材に尽きます。「天女の羽衣」が人気のおかげで急激な人手不足になっており、新しく仲間になってくれる方がまず必要です。加えて、当社にはこれまでなかった商品の企画・開発力を持った人材の育成も急務となっています。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するミラノで開かれた展示会に出展したことで、新たな発見もありました。それは、私たちの提供する製品やサービスを「世界基準」で測り直してみるということです。私たちは国内市場の実績や評価で物事を考えがちですが、海外ではまた違った評価基準があることを今回の経験で学びました。

職人の世界には、修行中の若手社員には「5年間は織機には触らせない」といった不文律もあります。しかし、私どものような小さな会社でこれをやられると、若手が即戦力としてなかなか育ちません。このベテランと若手の力をうまく融合する施策も、下請けから脱却するには必須。

小さいメーカーですから、商品の企画・開発はこれまでは事実上私1人が担ってきました。ただ「天女の羽衣」の関連ビジネスがここまで成長したいま、このスタイルを続けるのは限界があります。いまこそ私個人が蓄積しているノウハウを若い世代にどんどん伝えていかなければならないと思っています。その手始めとして、昨年より週1回研修会を開き、私や外部専門家が講師となり、織物の設計書作りといった実務知識から、アイデアをどう生かしていくかといったソフトパワーの充実まで、勉強させているところです。一朝一夕にはいかないでしょう。しかし、新しい天池合繊はまだスタートラインに立ったばかりです。根気強く続けていくつもりです。

本当にもう駄目だと思う度に発注が入り、お客様に何度助けられたことか。お客様は、厳しいことをおっしゃる方も多いのですが、会社を経営していく中で、温かい心で助けて下さる方も多いことが分かりました。また、お客様から「これは素晴らしい! さすが日本人だ!」と言われ、その評価を信じ、ものづくりに力を注いできました。今の天池合繊があるのはお客様のおかげです。その気持ちを常に持ち続けるために、我が社は「お客様に感謝し感動を伝えるものづくりをする」を経営理念に掲げています。

安価な海外製品と競合する製品では、この先ビジネスとして行き詰まることがとうに見えている。会社の将来を考えると、下請け仕事は棲み分けし「天女の羽衣」関連でのビジネスを伸ばすか、それに並ぶ新しい事業を開拓するしかないと私は考えています。それを成し遂げてはじめて、「技術開発型メーカー」だと胸を張って言えるのではないでしょうか。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するミラノで開かれた展示会に出展し、イタリアとフランスの有名ファッションブランドが「天女の羽衣」を採用してくれたことが、次への大きなステップボードになりました。私はヨーロッパのあるお客様が「天女の羽衣」をはじめて手に取った時、「ジャパン・マジック!」と思わず感嘆された姿がいまでも忘れられません。目利きのバイヤーが揃うヨーロッパのファッション界で認められたことは、私にとっても会社にとっても大きな自信となりました。

私をはじめとして値付けや売り方が分かる人間は社内には誰もいませんでした。何事も暗中模索で、大手繊維メーカーの出展する国内テキスタイル展に、「天女の羽衣」で作った黒い服をとりあえず1着用意して展示したのが第一歩でした。その時幸運なことに、デザイナーの桂由美さんに目を留めていただいて、ブライダルドレスの生地として初の商談がまとまりました。

【覚え書き|下請けからの脱却を開始した時期を振り返って】

幸いなことに当社は大手の総合商社さんと直接取り引きする機会が以前からありました。総合商社には繊維の流通には詳しい人間はいても、どんな糸を使ってどんな織機で織れば製品になるかという「設計」まで手がけるプロはいません。そこで私たちはどんな織物が欲しいのか、イメージを総合商社の方から聞いて織物の設計をして、必要ならば、その生地を織るために織機の改造まで手がけて試作品を納めていました。この総合商社さんとのお付き合いで我が社の技術力は相当鍛えられました。

百貨店に「この生地を使って製品にしたい」と相談しにいったんです。「スカーフ程度の大きさなら7000円」と言うと、その3分の1程度で納品してくれ、と言われました。開発費を回収することを考えれば、実際には1メートル6000円はいただきたい。でも、それ以下で取引されるシルクがあるなか、合繊でその価格は高いと思われるのはよくわかります。ですから、生地を評価し、相当の対価をきちんと支払ってくれる相手を見つけなければ、と痛感しました。

天池源受の経歴・略歴

天池源受、あめいけ・もとつぐ。日本の経営者。「天池合繊」社長。石川県出身。中京大学卒業後、繊維メーカーを経て父が創業した天池合繊に入社。超極薄生地「天女の羽衣」を開発し、同社を成長させた。

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