坂本光司の名言

坂本光司のプロフィール

坂本光司、さかもと・こうじ。日本の経営学者(専門は地域経済論、地域企業論)。法政大学経営学部卒業。浜松大学経営情報学部教授、浜松大学大学院経営学研究科教授、福井県立大学地域経済研究所教授、静岡文化芸術大学文化政策学部教授、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科教授、福井県立大学地域経済研究所招聘教授、法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科客員教授、静岡県立大学経営情報学部客員教授、法政大学大学院政策創造研究科教授などを歴任。著書の『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズは45万部以上のセールスを記録した。

坂本光司の名言 一覧

自分たちの会社は、何のために存在しているのか。一度真剣に考えてみてほしい。一言でいえば、それは社員やその家族、またそのほか関係する人たちを幸せにするためではないでしょうか。この思いがないと、どんな制度や仕組みをつくってもうまくいかないだろうと私は思います。


偽のリーダーは権威と権限で人を動かす。真のリーダーは誠意ある行動と熱意、言い換えれば「背中と心」で人望を集める。


会社の将来は、中枢である若い方々が正しいモノサシを持って活動するかどうかにかかっている。


大切なのは、いまの仕事を何のために、誰のために行っているかということ。


個人の成長の総和が会社の成長。まずは社員一人ひとりが「あの人でないと」と言われる高付加価値の人材になるように努力すること。


社風を変えるうえで大きな役割を果たすのが、経営陣や幹部社員の言動。


一つの課を束ねているならその課の社長だと思って、部下とその家族の幸せに全力を尽くせばいい。そうすれば、部下たちのほうも課長のために全力を尽くします。


それ(不況だから業績が振るわないという言葉)は駄目な経営者の言い訳にすぎません。苦境から脱出するための戦う努力を怠っているからです。


助けて欲しいと血を流すような思いをしている会社が目の前にあります。僕にとっては毎日が学者としての戦いなのです。彼らが生き抜く術を考えなければならないからです。


福利厚生制度についていえば、できることから順番にやっていけばいい。周りの会社と比べる必要もありません。まずは社員とその家族が最も必要としていることは何か。それをしっかり見極めることが第一歩です。


たとえばある会社では、週1回、出勤時間を1時間遅くできる制度を設けています。「たった1時間か」と思うかもしれませんが、これが子育てをする家庭などにとっては非常にありがたい。家事を丁寧にできることで、心身がリフレッシュされるといいます。


私たちの分析によれば、高業績企業の社員のモチベーションが必ずしも高いわけではありません。一方で、社員のモチベーションが高い企業について調べると、しっかりと継続的に利益を出している。ここには明確な相関関係がありました。やはり、経営者がまず追求すべきは、売り上げや利益ではなく、社員の働きやすさや満足度なのです。


営業利益率が高い企業ほど、福利厚生制度を現状より充実させたいと考えている。そうした結果が出ています。理由としては、「従業員や家族の幸福度を高めるのに役立つ」「従業員のモチベーション向上により業績向上が期待できる」などが挙げられました。


最悪の場合、需要はあっても人手不足のために倒産しかねない。いわゆる労務倒産です。そうした中で、働きやすい職場づくりへの関心が高まっている。これは企業規模に関係なく、大手企業でも職場環境への不満を原因とする離職は深刻な問題になりつつあります。


赤字を出してリストラした企業は、経営者の再教育訓練を行う必要があります。リストラするなら、まず社長と役員の報酬を返上すべきです。経営者の意識を変えなければなりません。


発想の根本的な転換が必要です。目的を「業績」ではなく、「社員の幸福」に置くこと。それを実行すれば、社員は力を尽くし、社会に対して良い働きをし、結果として会社に利益が生まれます。会社はそれをまた、社員の幸せのために使えばいいのです。そのサイクルを作れる企業こそ、真の優良企業だと言えます。


真のリーダーには、「徳」が不可欠です。正確に言えば「才」と「徳」が必要なのですが、より大事なのは徳です。優しさや利他心を持っていれば、自然と「世の中に役立ちたい」という気持ちが生まれ、その目的に向かって勉強をします。結果、才は後から育まれていくでしょう。


考えていただきたいのは「そもそも業績は第一優先事項なのか?」ということです。「当然そうである」と多くの人は考えるでしょう。しかし私の考え方は違います。業績は目的ではなく、手段です。真の目的は利潤の追求ではなく、そこに属する人を幸せにすることです。この考え方に賛同する経営者は、国内外で年々増えつつあります。


残業をしなければならない会社というのは、それだけ競争力が弱いということ。不況だろうが、為替レートが変動しようが、赤字にならない。そういう競争力の強い会社は、月の残業時間が10時間以下なのです。1か月の営業日が20日だとすると、1日平均30分以下。実質的には残業がないと言っていいでしょう。


これまでおよそ8000社の企業を訪問してきました。しっかり黒字経営を続けている会社というのはドアを開けた瞬間すぐにわかります。雰囲気が違うんです。そういうと抽象的に聞こえるかもしれませんが、いい会社というのは一人一人が「自分が必要だ」と感じながら働いています。自分がその場に必要とされているかどうかは、子供でもわかることです。


経営トップの方によくお話しするのは、「ご自身も社員だった時代があるでしょう。そのとき、どんな環境で働きたかったか思い出してください」ということです。大きなお金をかけなくても、できることはたくさんあります。多くの経営者は、社員の頑張りに報いたいという気持ちを持っているはず。その思いを伝えるために、福利厚生を使ってみるといいでしょう。


今の時代、会社で大切なのは「5人を幸せにする責任を果たす」こと。5人とは、「社員とその家族」「社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族」「顧客」「地域住民、とりわけ障害者や高齢者」「株主・出資者・関係機関」。この5人を幸せにできている企業は業績が良く、その会社を訪問すると、社員が真剣に仕事をしていて、表情が生き生きしています。


就職を控えた若い人々にも考えてほしい。両親が喜ぶから、大学の就職相談室が勧めるから、といって安易に大企業を選んでよいものでしょうか。大切なのは、会社の業績や利益率ではなく「自分がその会社で幸福になれるかどうか」です。これまで8000社の企業を見てきた私の結論として、社員を幸せにする企業は必ず業績がついてきますから、その判断基準に間違いはないはずです。


一つ忘れてはならないのは、制度だけでなく組織風土の改革にも目を向けることです。言うまでもなく、どんな優れた制度も使われなければ意味がありません。経営者の中には、「うちの社員は、有給を取れと言っても休まない。仕事が好きなんです」という人がいます。本当にそうでしょうか。多くの場合、単に「休みづらい空気」が社内に漂っているだけです。制度をいかに実効性のあるものにするか。その雰囲気づくりもリーダーの重要な役割です。


ある社長は業績が下がった際、自分の給料を「100円」にしました。社員たちは「社長の給料を元に戻そう」を合言葉に、業績をV字回復させました。またある社長は、社員の奥さんがリストラされた際、その社員に毎月特別手当を支給。奥さんはそれを聞いて、必死で次の職を探し当てたそうです。結果、支給は3か月間で済みましたが、社長自身は1年でも2年でも出すつもりだったと語っています。これらの事例からわかるのは、「社長が社員の幸せを追求すればするほど、社員は会社を愛し、力を尽くす」ということです。温かい心のやり取りがある会社は、強靱です。


私は、会社には「5人」を幸せにする責任があると考えています。かつ、そこには明確な優先順位があります。優先順位の第1位は、「社員とその家族」。そして2番目が「外注先や下請け企業」。3番目が「顧客」、4番目が「地域社会」、最後が「株主」です。こう言うと、「顧客が第一ではないのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。そう、顧客は1番ではありません。顧客を大切にするのは社員の役目。管理職や社長の役目は、社員とその家族を幸せにすることです。私は全国を回って多数の優良企業を取材していますが、こうした企業の社長は、常に社員第一です。


目下、売り手市場全盛の就職戦線。採用で苦労をしている会社は数知れず。一方で、募集人員の十倍、百倍、ときに千倍以上の応募が殺到する人気企業も存在します。つまり、「不人気企業」と「人気企業」の二極化が起こっているのです。それらの人気企業は、決して誰もが知る大企業ではありません。給料が高いわけでもありません。中には、廃棄物処理業など、いわゆる「3K」「5K」の事業に携わる会社もあります。にもかかわらず、人が集まるのはなぜでしょうか。答えは簡単です。それらの会社が、「社員を幸せにする会社」だからです。就職しようとする人たちの判断基準は、間違いなく変わってきています。


よくアドバイスするのは、あまり細かくルールを定めずに、「個別対応で運用しましょう」ということです。たとえば、制度の規定にちょっとだけあてはまらない社員がいるとして、「じゃあ新しい規定を追加しよう」ということをしていくと、どんどんルールが複雑になってしまう。逆に、全員にあてはまるようなルールにすると、平均値を取るような形になってしまい、価値が薄れてしまいます。社員はそれぞれ、家族構成や家庭の事情も異なるわけですから、個々の状況に合わせてある程度調整していけばいい。そのほうが現実的です。それが組織全体として受け入れられるかどうかは、まさに風土の問題といえます。


優秀な人財を採用したり、また社内にとどまってもらうため、福利厚生が大事な要素になってきている。そうした認識は着実に広がってきています。背景にあるのは、雇用される側の意識の変化。会社の業績も大事だが、何より「自分や家族が幸せになれるかどうか」。これが会社選びの重要な基準になってきています。会社側としては、そうした変化に対応しなければ、人を集めることができない。


坂本光司の経歴・略歴

坂本光司、さかもと・こうじ。日本の経営学者(専門は地域経済論、地域企業論)。法政大学経営学部卒業。浜松大学経営情報学部教授、浜松大学大学院経営学研究科教授、福井県立大学地域経済研究所教授、静岡文化芸術大学文化政策学部教授、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科教授、福井県立大学地域経済研究所招聘教授、法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科客員教授、静岡県立大学経営情報学部客員教授、法政大学大学院政策創造研究科教授などを歴任。著書の『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズは45万部以上のセールスを記録した。

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