喜多村円の名言

喜多村円のプロフィール

喜多村円、きたむら・まどか。日本の経営者。「TOTO」社長。福岡県出身。長崎大学経済学部卒業後、東陶機器(のちのTOTO)に入社。執行役員経営企画部長、執行役員浴室事業部長、常務、専務などを経て社長に就任。

喜多村円の名言 一覧

自信を持って良いと思える製品を作り続けていれば、必ずお客さんも認めてくれると思って仕事をしています。


難しいことをやるからこそ他社がまねできない。


大切なのは、とことん好きなことをやらせること。この業界で、売上高の約3%を研究開発費に使っている会社なんてほかに見当たりません。


当社の商品を買ってもらったからには、絶対に損はさせたくない。お客さんに「TOTOを選んでよかったね」と言ってもらえる最高品質の商品を作り続ける必要がある。


私で16代目の社長になりますが、創業時から顧客の満足を最優先する企業理念を守り続けたからこそ、会社が存続できたと考えています。


顧客満足を第一に考えるという創業理念は何があっても引き継いでいきます。これは絶対に変わらない。お客さんを大事にする気持ちはTOTOの根幹です。どの時代になっても変わりません。


創業者の理念以外は変えていいと思っています。トイレの形だって、お客さんの満足につながるなら、ひょっとすると変えていいかもしれません。


未来のトイレがどうなるか予想するのは難しいですが、大事なのは使う人のために作るという発想。それさえあれば、人々が豊かに暮らすための商品を作る企業であり続けられると思います。


過去の体験談はさておき、これからの話をしませんか。
【覚え書き|取材に来た記者に対しての発言】


この2年間、社内で「チェンジ」と言ってきました。もともと新しいことに挑戦してきたからこそ、今があるわけですから当然のことなんですが、会社が大きくなると、どうしても「今がベスト」みたいな感じになりがちです。ですから「チェンジ」と言い続けてきて、今年から「アクション」に変えています。


当社が恵まれているのは、自分たち社員も製品ユーザーであること。トイレは、臭いがしなくて、きれいが長持ちしてほしいね。究極的には全く掃除をしなくていい便器が欲しいね、と。このような視点で、ずっときている会社なわけです。


他社のまねをするようになったらおしまい。技術的な優位性があるのに、うまく利益につながっていないという批判があるのは承知しています。それでもオリジナリティーのある製品を次々と作り出せる会社でありたい。


ウォシュレットは発売開始から十数年は売れませんでした。販売代理店の奥さんにまず使ってもらうようお願いしました。すると次第に「使い慣れるといいね」というクチコミが広がったのです。そこに「おしりだって、洗ってほしい」というキャッチフレーズのテレビコマーシャルが話題になり、一気に普及が加速しました。


TOTOには社員を念頭に置いた「愛業至誠」という社是があります。意味は、良品の供給と需要家の満足を目指す中で、「まず自分の仕事を愛する、誇りを持つ。そうすれば必ず正しい道に行きますよ」ということなんです。


とにかくお客さんにとっていいものを作りたい。私たちが提供する商品は10年、20年と使われるものがほとんどです。大事なのは、売って終わりではなくて、選ばれてからのお客さんとの絆であり、それを担保できる品質やアフターサービスです。


技術的に一番手を走り続けるのは正直キツいです。研究開発にはコストがかかりますし、最先端技術を搭載した商品でも、ヒットするかどうか確信を持てません。二番手は、新技術が評価されたかを確認してから商品を出せばいいので、先行投資はいりません。


100年の時間軸で経営を見ると、堅実にじっくりと事業規模を伸ばした会社の方が結局は強い。目立たない会社かもしれませんが、お客さんに「TOTOの商品を買ってよかった」と思っていただくことが最終目的。


世界中にTOTOファンをつくろうと社内に言っているんです。全社に占める海外売上高の割合が2割を超えてきました。日本発祥のTOTOというブランドイメージではなく、「インドのTOTO」「米国のTOTO」といったように、その国に根差した企業になろうと思っています。


M&A(合併・買収)は全く否定するものではありません。ただ、規模拡大だけを狙うM&Aは我々の頭には全くありません。我々が扱うトイレなど水回りの商品は長期にわたって使われるものです。売って終わりではなく、顧客満足を維持するアフターサービス体制が必要と考えています。こうした企業方針を本当に理解できる企業としか組まないようにしています。ですから自然と買収対象となる企業は限られてきます。


もっとデザインで挑戦できたはずなのに、開発とか生産技術とか、ほかの部門が止めていたんですよ。10年前には「生産のための作りやすいデザインがあっていいじゃないか」なんて、バカなことを言っていたんです。あり得ないですよね。デザインはお客さんのためにあるのであって、製造のためのものではない。効率化したいから「真四角のものを作れ」と言っているに等しいわけです。デザイナーに妥協させることのないように技術力を高めることがこれからの目標です。


年に1回、「商品戦略会議」という研究発表会を社内で開催しています。今から5~10年先を見据えて、どういうテーマを研究しているかを発表してもらっています。大まかなテーマは設定しますが、基本的には好きな内容を自由に発表してもらっています。私から見ると昨年とほとんど内容が変わっていないように見える発表もあります。「じっと木に止まっているカメレオンを見ているようだ」と私は思うのですが、発表している本人にとっては非常に大きな変化なんですよ。渦を巻くように水を流すことで少ない水量で便器を洗える「トルネード洗浄」や便器内部の汚れや菌を取り除く「きれい除菌水」というのも当社が開発した新技術ですが、そんな小さな積み重ねから生まれてきたわけです。


1990年にウォシュレットを米国市場で発売しましたが、テレビコマーシャルなどのオーソドックスな営業戦略はことこ、とく空振りに終わりました。そもそも、お尻を水で洗うという発想が全くありませんでしたから。ウォシュレットを使ったことがある人がいないといくら宣伝しても響かないんです。それが、ある時から急に売れ始めたんです。きっかけは、仕事や旅行で日本を訪れた米国人が、ホテルに設置したウォシュレットを実際に使ってみて、評判が広がったそうです。徐々にハワイや西海岸から売れ始めました。


「米国でもつと売れ」なんて投資家からよく言われますが、アフターサービス体制をつくる方が先なんだと言い続けてきました。もちろん急いでやっていますよ。でも、TOTOの商品を扱ったことのない代理店がいっぱいあるわけです。商品教育も十分にやらないといけない。十分な顧客対応の体制が作れない限りは新しい地域に打って出ないという方針は、投資家に何と言われようが変えません。


喜多村円の経歴・略歴

喜多村円、きたむら・まどか。日本の経営者。「TOTO」社長。福岡県出身。長崎大学経済学部卒業後、東陶機器(のちのTOTO)に入社。執行役員経営企画部長、執行役員浴室事業部長、常務、専務などを経て社長に就任。

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