吉田たかよしの名言

吉田たかよしのプロフィール

吉田たかよし、よしだ・たかよし。日本の医師、アナウンサー、議員秘書。京都出身、東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了、東京大学新聞研究所(のちの東京大学情報環境・社会情報学分野)修了後、NHKに入局。個性派アナウンサーとして人気を博した。その後、NHKを退社し、北里大学医学部に学士入学し医師免許を取得。東京大学大学院医学博士課程を修了し医学博士号を取得。本郷赤坂前クリニックを開設し院長を務めた。そのほか、日本健康教育振興協会理事長、東京理科大学客員教授、学習カウンセリング協会理事長、人間情報学会理事・ヘルスケア部会長、総務省ICT利活用遠隔医療研究プロジェクトリーダーなどを務めた。

吉田たかよしの名言 一覧

どんな人にも学べる部分があります。好き嫌いで相手を判断し、嫌いになると一切受け付けない人がいますが、それだけ学ぶチャンスを失っているのです。


幸福感は、挑戦するときに感じやすく、逆に今の状態を守ろうとすると抑うつ感情が芽生えやすくなる。


チャレンジ精神を発揮させるためには、失敗しても責任を追及してはいけません。チャレンジしたことを褒めてあげること。


段取り力を伸ばす訓練は仕事のフローチャートを作ること。段取りが苦手な人は、順番と内容をごちゃ混ぜにしている。まずは順番を考え、一個一個の中身は後で考えるクセをつけましょう。


大事なのは上司が自分の脳を部下に押し付けないこと。脳はみんな違うのですから、それを見極めたうえで上手に付き合うのが大原則。職場というのは異脳種交流の場なのです。


物理的には同じ一分でも、朝の一分と夜の一分では違うのです。論理的な能力が要求される仕事については、朝にやったほうがいいことは確かです。


チャレンジ精神とは、簡単に言えば、ダメでもともと、うまくいけばラッキーということ。


社交性はあったほうがいいかもしれませんが、全員にある必要はない。なくたってどうってことはないのです。自分の得意不得意を把握して、重荷は捨てればいい。


職場の上司や先輩など、できるだけ身近な人がいいでしょう。役者になったつもりでその人になりきる。本来の自分ではできないことでも、不思議にできるようになる可能性があります。


寝ていたいとか、楽をしたいというのは人間の本能や自己愛。しかし朝の時間を律することで、前頭前野が早くに働き出し、理性や創造力など、より高度な人間の思考が優位に立つ。


ストレスは心の領域ですが、心は脳の働きで生み出されるもの。脳に悪いことは心にも悪いもの。


神経生理学上、人間の集中力は90分が限界。90分経ったら軽く休憩を入れ、次の時間はまったく別の仕事をすることで、全体の効率は上がる。


感情に流されず判断するために一番有効なのは、とにかく紙に言き出すこと。頭の中で考えているとどうしても本能や感情に引きずられてしまう。しかし一度紙に書き出すだけで、思考は一気に理性的な方に傾く。なかでも仕事の流れや全体の関係性を図解することが一番効果的。


10の仕事を1の労力でこなす人がいる半面、100の時間と労力をかけてもこなせない人がいる。前者がいわゆる仕事を削れる人です。成功している人は皆自分なりの仕事の削り方を身につけた人だといえます。


集中する時間とそうでない時間を、効率的に分配することが、仕事の成果につながります。


目標は自分自身がつくりあげたものでなければ、やる気には結びつきにくい。他人から押し付けられた目標では、効果は半減する。


終身雇用や年功序列が当たり前だった時代には、会社が用意したレールから外れなければそれでよかった。しかし、転職や企業が当たり前になった昨今、個々人が人生のリスクを背負わなければならない。こうした状況で大きな成功をつかみとるには、大きな挫折を乗り越えるしぶとさが必要だ。


人は褒められれば、扁桃体と海馬の働きによって、心地よい記憶が脳に刻み込まれる。すると脳は、さらに褒められるために努力しようと気持ちが高まり、側坐核がやる気を生み出していく。


家族のことは省みず、休みも返上して働き詰めることが、ビジネスエリートの条件だと考える人は、いまだ少なくない。しかし長い目で見ると、ビジネスの世界で生き残るためには、こうした働き詰めのライフスタイルはお勧めできない。無言の圧力に押しつぶされて正常な判断能力を失ってしまう人、イライラが募って職場の人間関係を損なってしまう人、自律神経を失調して仕事自体ができなくなってしまう人。医師として私は、多くのビジネスエリートの挫折を見てきました。


プレゼンテーションや会議などで、複雑な内容をわかりやすく興味深く説明するには、直感的に伝えることが効果的です。とくに、上司や同僚から、話が理屈っぽい、説明がわかりにくい、話していることがピンとこないなどと注意されたことがある人は、とりわけ聞き手の直感に訴えかける話し方を心がける必要があります。


企画書や人に読ませる原稿を書く場合、一番いいのは、論理的な思考が低下する夜中に企画書や原稿の原案を書き、思考力が高まる翌朝に検証することです。こうすれば理屈っぽすぎず、かといって堅すぎない、的を得た企画や原稿が仕上がりやすいはずです。


歩くことは、脳の血流を増やし、脳の活性化に大変効果があります。そこで、ちょっと集中が途切れたと思ったら、あえて自動販売機にジュースを買いに行く。もしくは、立ち上がって机の周りを一周するだけでも、脳の機能はリフレッシュします。人と会話を交わすことも脳をリフレッシュさせるには効果的です。デスクワークに偏りがちな現代人の脳にとって、おしゃべりは不可欠です。


一日中、仕事に集中といきたいところですが、脳の動きは、そう簡単ではありません。脳のベスト・コンディションを維持するためには、日中の仕事の時間にも、意識してOFFの状態を取り入れることが必要です。そこで簡単にできるのが、どこか静かな場所に行き、目をつむって、過去の楽しかった記憶を思い出すことです。


脳のコンディションづくりについて、多くの人が誤解しがちなのは、集中してものごとに取り組む「ON」の時間を増やそうとすることです。私から見れば、多くのビジネスパーソンに足りないのは、むしろ「OFF」の時間です。脳は、ONの状態がずっと続くと、情報伝達物質が枯渇して機能が低下します。したがって、脳を活性化させるためにも、むしろOFFの時間をとるように、戦略的にスケジュール管理することが重要です。


私が卒業した灘高校、東京大学というのは、いわゆる世間では学力が高いといわれる学校ですが、卒業生がみな社会に出て活躍しているかといえば、実はそうではありません。組織の中に埋もれ、自分の力を発揮できていない人も少なくないのです。こうした世間でいう「頭の良い人」でも、社会で活躍できない人がいる理由は、学力で表される「頭の良さ」と、社会で活躍するための「頭の使い方」とが根本的に異質だからでしょう。


情報社会の扉が開かれ、いまや誰もが言いたいことを声高に主張し合う時代になった。いくら価値のあることを提案しても、アピールの仕方が稚拙であれば、あなたの主張は埋没してしまう。訴えかける内容の是非だけではなく、アピールの方法そのものも、厳しく問われている。


幅広く興味を持つことは、ビジネス界で成功を手に入れるためにも有効な手段です。何事に対しても興味を持つ人は、結果的に本業のビジネスでも大きな成功を手にします。


あなたも一度、興味を持って楽しみながら取り組んだら、画期的なアイデアが思いついたという経験があるはずです。楽しいと感じているときには、脳の中でA10神経と名付けられたユニークな神経が活発に動きます。A10神経は、脳の奥深くにある中脳から、思考力を司る前頭連合野までつながっており、活性化するとドーパミンと呼ばれる情報伝達物質を放出します。このドーパミンの作用により、前頭連合野は創造力を活発に働かせる仕組みになっているのです。


私自身、細切れ時間をインプットにあてています。覚えるべき内容を自分の携帯電話のアドレスにメールで送信しておき、それを読みながら電車で移動したり、手帳に医学書や専門書の縮小コピーを貼っておいて、30秒でも空き時間ができたらサッと取り出して暗記をしたりしています。こうした習慣で、まとまった時間が取れなくてもかなりの知識を身につけることができるのです。


ビジネスマンの多くは、時間に余裕のある週末を勉強時間にしていると思いますが、勉強だけでなく、同時にリラックスする時間も大切にしてほしいものです。私がお勧めしたいのが、「レジャー勉強法」です。外へ出かけて、普段とは違う環境の中で勉強するのです。私も公務員試験の勉強をしていたころは、休日に大学構内の芝生に寝転がって勉強したものです。海が好きな人なら海が見える場所、山が好きな人なら山が見える場所で勉強するといいでしょう。


自分が好む環境に身を置くことは、気持ちをリフレッシュさせると同時に、記憶力を向上させる効果もあります。脳の中で記憶を司る「海馬」には、「場所ニューロン」という細胞群があり、これが「いつもと違う場所」というシグナルを脳に送ると、記憶力が高まるといわれています。また、外に出れば自然と身体を動かすことになりますから、脳が活性化されて学習効果も上がりやすくなるのです。


ビジネスマンは平日忙しいせいで土日に朝寝坊をして、体内時計のリズムを崩してしまうものです。そうして休みを無駄にして後悔した経験のある人も多いでしょう。そうならないためにも、週末も平日と同じ時間に起床する。これはぜひ守ってほしいと思います。どうしても週末に寝だめをしたいのなら、早く就寝すればよいのです。そうして意識して朝方の生活に変えていくことが、早朝学習に適した身体をつくる第一歩です。


記憶する勉強は、むしろ細切れの時間の方が適しています。たとえば、英単語を暗記する場合、脳は記憶したあと、10分弱の時間をかけて記憶の定着を行います。ですから、60分間ずっと暗記を続けるよりも、「5分間暗記して、しばらく時間を置き、また暗記する」というやり方を12回繰り返す方が、記憶の定着率は高くなるのです。


相手の仕事の状況を理解するために、1年、1か月の流れを書き出す。次に、いつどうやって自分が相手にアプローチしたのか。その結果、相手はどう反応し、どんな結果になったのかを書き出す。そして、失敗したら次はどうやってアプローチをするか記入する。書いて「見える化」することで、より学習効果が高まる。


間の取り方は訓練や学習によって上手くなる。自転車に乗れなかった人が練習して乗れるようになるのと、原理は一緒。間が悪くて何度も失敗すると、「このパターンは駄目だ」と脳が学習し、次はこうすればいいと解決策がわかると自然と間の取り方が上手くなる。


米ノースカロライナ大学で脳とストレスに関する実験が行われました。その結果によれば、ストレスの悪影響が最も顕著に現れるのが「創造力」で、ほんの少し焦ったりイライラしたりするだけでも能力は大幅に低下していました。一方、ルーチン・ワークなど単純作業に関する能力については、むしろ、ある程度のストレスを感じたほうが作業効率は上がるという結果でした。つまり、企画書や提案書など創造力が必要な作業はすぐに手を付けるべきなのに対し、伝票処理など単な事務作業については、ある程度は先送りした上でまとめて片付けたほうが得策だということです。


前向きになるためには、自分の長所を見つけ出す努力が必要です。自信のない人も、本当は長所がないのではなく、単に長所を思い出しにくくなっているだけで、じっくり考えれば気付かなかった長所が見つかるはずです。こうした努力をすることが本物のポジティブ思考なのです。


どんなに自信がない人でも、一生懸命に考えれば、長所の1つや2つは見つかるものです。普段は気にも留めない自分の長所をしっかりと意識することで、心をポジティブな状態に変えられる。


集中しようと思うだけで、誰でも5分程度は集中することが可能です。ところが時間が経つと、思ったことを忘れてしまう。それでボーっとしたり、他のことを考えてしまったりするのです。それを防ぐためには、携帯電話のアラームを5分ごとに鳴るようにセットするという方法もあります。周囲の迷惑にならないよう、マナーモードにしておくといいでしょう。そのアラームが鳴るたびに、「集中するぞ」と気持ちを切り替えるわけです。単純ですが、有効な訓練になります。こうしたトレーニングを積むことで、自分の集中力をコントロールできるようになり、いずれはアラームの助けがなくても、集中力が維持できるようになるはずです。


企画などのアイデアを出す仕事になかなかとりかかれない人は、まずは企画書のフォーマットからつくってしまいましょう。仮タイトルやテーマなど、現在埋められる項目を記入していくことで、これからアイデアを出すべき部分だけが空白で残ります。つまり、「自分は何を考えるべきなのか」が改めて明確になるわけです。ただ漠然と「アイデアを出さなくては」と思っていても、具体的な案はなかなか浮かびませんが、先にフォーマットをつくることでやるべきことに自然と意識が集中していきます。


新しい企画や商品を開発するといったクリエイティブな仕事は、「楽しみ」が動機になると効率が上がります。「あと一時間で企画を5本考えなくては」などといったプレッシャーがあると「恐怖」が動機になってしまい、数はあっても凡庸なアイデアしか浮かばなくなってしまいます。ですから、斬新なアイデアが必要な場合は、締め切りに惑わされないように、とにかく早く着手することです。ゆったりとした気分で頭を自由に働かせることが、クリエイティブな発想には必要なのです。


一度低下した集中力を回復させるには、休憩が必要です。たとえば、昼食後の昼寝などはとても有効な方法といえます。ただし、時間は20分程度にしておきましょう。30分以上になると深い睡眠に入ってしまい、目覚めたあとに頭が働かなくなってしまいます。


一定のリズムを保って生活していると、集中力が高まる時間も、ある程度決まってきます。そのリズムを活かし、「自分が一番集中できるのは午前10時ごろだから、重要な資料を午前中につくってしまおう」などと計画を立てれば、効率よく仕事を進めることができます。


24時間のうち、人間が本当に高度なレベルで集中できるのは、せいぜい30分から1時間程度でしょう。「ずっと集中できる」ことを前提に予定を組むと必ず失敗するのは、これが原因です。ですから、その限られた集中時間を有効に使えるように計画を立てる必要があります。


集中が続くかどうかは、努力や意識の問題だと思っている人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。神経細胞が情報を伝え合う際には、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が使われます。この神経伝達物質は、体内でリサイクルされるのですが、回収率は100%ではありません。ですから、脳が働き続けると神経伝達物質はどんどん減ることになります。すると、脳からの命令が神経に伝わりにくくなり、作業効率は低下します。同時に、ドーパミンは代謝されて睡眠物質に変化するので、脳が沈静化して眠くなってしまいます。その結果、集中力も低下していきます。つまり、長時間集中し続けるのは、脳の仕組み上、無理なのです。


脳を活性化するには、一日のリズムをつくることが大切なのですが、そこで重要な役割を果たすのが「睡眠」です。眠っているとき、脳の働きは沈静化しています。この間に脳をしっかりと休ませるからこそ、起きているときに脳を活発に働かせることができます。ですから、仕事で集中力を発揮するには、深くて質のよい睡眠が不可欠なのです。


しゃにむに結果を求め、思いどおりの成果が得られたときは、その都度、快感に浸ってみる。そうして、それを次の結果を生み出す努力へと結びつけていく。努力→結果→快感→努力→……という報酬系・神経回路のループを、脳内に刻み込んでおくことが必要だ。


ネット検索での時間の浪費を回避する上で役立つ研究成果が、米ウィスコンシン大学のグループによって発表されました。その内容は、何かを探すときは、探しているものの名前を独り言としてつぶやくと、集中力が高まり、結果的にすばやく、確実に探している対象が見つけられるというもの。


情報のインプットと整理は、脳にとって異質な作業。同時にしようとすると煩雑になり、習慣として身につきません。


人間は社会的な動物。助け合わなければ絶滅してしまうので、自動的に人に感謝し、感謝されようという仕組みが脳にある。この本来持っている脳の機能は、感謝を意識すると活性化し、セロトニンが分泌されやすくなる。セロトニンは幸福感を持続させる重要な脳内ホルモンです。


普段から感謝するトレーニングをしておくと、試験や本番で脳や体が緊張せず、のびのびと動ける。私のクリニックでも、毎晩、今日の出来事で感謝できることを3つ紙に書かせる訓練を取り入れています。


楽観的な人と、悲観的な人を比較すると、幸福度はもちろん、営業の販売実績などもはるかに楽観的な人のほうが高いというデータがあります。


常識というのは社会全体には正しいことだろうけれど、全体にとって正しいことが自分にとって正しいとは限りません。まずは世間の常識としてよくないと思われている自分の性格をしっかり自覚しましょう。


起床すると脳には外界の刺激が一気に押し寄せます。これは脳の神経細胞にとって大きな負荷。人体はそれに対応すべくコルチゾールというホルモンを副腎から分泌します。過酷な環境に置かれる脳を守るのです。週末もいつも通りに副腎から分泌されるのに、寝坊するとコルチゾールと脳の状態がチグハグ強タイミングになり、週末、たっぷり寝てエネルギーチャージしたと思っても、かえって頭が重い、体調不良になるのです。もし週末に長めに眠りたいなら前夜の就寝時間をいつもより早くすれば脳への負担は少なくなります。


根性で起床すると同時に起き上がることは危険です。血圧が一気に上がり、特に血管の薄い脳に大きな負担をかけてしまいます。ヘタをすると、脳出血や脳梗塞、もしくは脳貧血を起こし、倒れて頭を打って……という一大事にもなりかねません。30代以降はこうした起床のしかたは避けるべきでしょう。目覚めたらベッドの中で手と足をグー、パー、グー、パーと開いたり閉じたりしましょう。グーパー運動で筋肉にある紡錘体というセンサーが刺激を受け、神経の興奮が脳幹網様体に届きます。その結果、脳全体のスイッチがオンに切り替わり、目が覚めるわけです。寝転んだままできるので、脳が十分に覚醒していなくても実践できるのが大きな利点です。


音でも光でも、人体は覚醒しますが、体内時計にまで深く作用するという意味で、光を利用するほうが継続して早起きをするには効果的なのです。本当はカーテンを開けっ放しで寝て、朝日の力を利用するといいのですが、防犯上、問題がありますし、日の出の時刻と起床時刻は必ずしも同じとは限りません。そこで、私自身も長年実践しているのですが、寝床の自分の顔に照明があたるように設置し電源タイマーを使って起きる時刻の20分ほど前にスイッチが入るようにしておきます。するとすっきり目が覚めます。


光(日の出)によって人が自然に目覚めるようになっているのは、やはり外敵に襲われないようにとの本能ゆえ。太陽が地平線から出てからではなく、むしろ出る前、東の空が白んでくる頃の光が脳の体内時計のスイッチを入れるのです。さあ、朝だ、起きるぞと体のほうから目覚め始めるのです。


人が目覚める方法は二つ。音によるものと、光によるものです。理想的なのは、後者の光です。目覚まし時計の音は、脳にある脳幹網様体という部分を一時的に刺激し、緊急事態を知らせますが、実際は緊急事態ではないので、起きなければならないモチベーションに乏しいわけです。生命の危機でないとわかると安心して二度寝するようなことも起こります。


まず取り組むタスクは「緊急&簡単」、次に「緊急&難解」、三番目は「非緊急&難解」、最後が「非緊急&簡単」。私なら迷わずこの順番をつけます。


睡眠時間が短くなりすぎて損をしている人の方が圧倒的に多い。睡眠は質も大事ですが、ある程度の量は絶対に必要です。仕事時間を減らしても、そのぶん睡眠時間を増やした方が仕事や勉強のパフォーマンスは必ず上がります。


ハーバード大の実験ですが、算数の問題を解いた後に自己採点させ、点数に応じて賞金を出すという実験をしたのです。自己採点なので、ご褒美をもらおうと思ったらウソつき放題です。すると、明るい部屋では答案をごまかした人が24%。ところが薄暗い部で同じテストをすると61%がズルをしたのです。どうやら明るいときと暗いときでは人はモードが変わる。明ると相手の行動がよく見えるで、信頼・協力関係を築こうとする。逆に暗いとウソがバレにくいので、ウソをついたほうが得だと感じ、不誠実な本能が目覚めてしまう。同じ人が朝は正直で夜はウソをつきやすくなることも実証されています。


企画書とかプレゼンの作成ならタイトル、名前、思いついた項目など、とりあえず書けるところは何でも書いてしまう。そうすると何もない状態でいちから考えるよりもはるかに整理しやすい。脳も半分できたような気になって安心する。するとより創造力が高まるのです。


Aの案件を終わらせてから、次にBの案件にいくというのは、大変危険で非合理的。同時にやっているとBをやっているときにでも、脳は無意識にAを考えている。だからアイデアを思いつく可能性が倍になるのです。


たとえば経費精算のような単純作業は、溜まったところでまとめてやる。このとき重要なのは何日までにやるというデッドラインだけは最初に決めておく。そして、退屈で面倒な作業は、ダラダラやらず、タイムレースのように速く処理することを心がけるといいでしょう。


難しいタスクは、後回しにしがちだけれど、とりあえず着手は早くしたほうがいい。というのも、難解な仕事ほど脳で処理する作業が複雑で、どうやればよいのか答えが見つからない。でも脳は自分で意識していないときも無意識に問題を解決しようとするデフォルト・モード・ネットワークという働きがあります。すぐには終わらないのが難解な仕事。手を付けて行き詰まったらほかのことをすればいい。寝るのもいい。その間に自動的に脳が情報の処理、整理整頓といった複雑な作業をしてくれ、そこからアイデアが生まれるのです。その時間をキープするためにも、やはり早くスタートラインにつく必要がある。


日本人に多いのが損害回避傾向の強い人。環境が変わることによって危険な状態に陥るのを警戒する。これが過剰に働くので、新しいことにはためらいがち。むしろ真面目にコツコツ進めるのが得意です。


相手の段取り力を測りたいなら、面接の場で作文を書かせてみれば一目瞭然。400文字以上の文章は、全体を俯瞰してイメージを持たないと書けません。極端な話、書かれた内容はどうでもいいのです。全体の構成ができているかどうかを見れば、段取りの能力がわかります。


時間家計簿をつけることをお勧めします。家計簿と同じように何かを管理しようと思ったら、現状を把握しなければ欠点はわかりません。3カ月か半年に1回、平均的な1日を記録してみる。時間の使い方の欠点、改善点を見つけ出すためなので1回でいい。それ以上やることこそ時間の無駄。


あなたの周りの人の名前を書き出し、その人のいいところ、学べるところを箇条書きで挙げるのです。新たな気付きがあるし、客観的で理性的な脳である前頭前野が活性化し、より成功に近づくことができるはずです。


企画立案や営業戦略を練るなどのクリエイティブな仕事は午前中に。午後は外回りで人と会ったり、メールの返事や情報収集、身の回りの書類整理など、頭を使わないルーティーンや雑務に充てるべき。


「やる気」は、脳内ホルモンのドーパミンの働きによります。ドーパミンは達成感を感じると多く分泌されます。締め切りを作ってそこで仕事を完了した達成感が次の仕事へのやる気に。またドーパミンを分泌しやすくするには、朝に体操や軽いジョギングなどをして、心拍数を上げると効果的。


脳には理性や思考力をつかさどる前頭前野と呼ばれる部位があります。じつはこの部位が最も活性化するのは日が覚めてから3時間後。創造力や判断力が必要とされる仕事はこの時間帯にこなすようにしています。この時間帯をコアタイムにしているのはとても理にかなっている。


営業などのように、人と会う仕事の場合、相手あってのことなので、自分の調子だけで内容や成果が大きく変わるというものではありません。こういう仕事は午後で十分。また伝票の整理や単純作業など、あまり頭を使わなくてもよい作業も、午後にまとめて処理することが効率化のカギ。


つらさや怒りを感じた出来事に対して、次に同じことが起きても、そうしたマイナスの感情が生じないための具体的な解決策を見つけられ、かつ解決に向けて行動ができると確信できた時、ストレスを感じなくなる。逆に解決策が見えないと、ストレスが大きくなる。


本当はつらいのに「もっと頑張らなきゃ」と自分を鼓舞するのは、心にとってはよくない。顕在意識でいくらポジティブになろうとしても潜在意識にマイナス感情があると、整合性がとれなくなり、かえって精神的な不調を招く。ありのままを認め、自分はつらいんだと受け入れることが大事。


受験ではケアレスミスが命取りになりますが、問題文に指をさせばこれを防げます。人間の脳には、ヤリやキバから身を守るため、尖ったものの先端に注意を向ける性質があり、指を差せば集中力が自動的に高まるのです。右利きの方は、試験中、左手が余っているので、重要な箇所を左手で指しながら解けば、効率良くケアレスミスを防げます。


メンタル面の不調は、仕事の中身にも特徴のある影響を及ぼします。うつ病の初期症状として典型的に現れるのは、些細なことでケアレスミスをすることです。もともと、そそっかしい人なら仕方ないのですが、そうではないのに急にミスが増えたら、うつ病の可能性があります。


現状の地位を失うのは嫌だと思うと、不確実性はマイナスに働き、恐怖心が芽生え、実力が発揮できないことがままある。これは脳の中の扁桃体の過剰反応によるものです。扁桃体の役割のひとつに不満や不安をつくり出す機能があります。未来に不安を覚え、慎重になるのは、生命を維持するうえで重要なのですが、これが過剰すぎると、不満・不安が高まりすぎて、能力低下を招き、不幸を導いてしまう。


トレーニングで悲観的な人を楽観的に変えることは可能です。3つの軸で物事を捉え直す訓練をするのです。

  1. それが一時的なものなのか、永続的なものなのか。
  2. 特殊なことなのか、普遍的なものなのか。
  3. 外的な要因なのか、内的な要因なのか。

自分の成功や失敗について、この3つの尺度を矯正してみる。いいことがあったときには、こんな幸運は一時的と思わずに、ずっと続くと思う。失敗したときには、ダメだ、できないと思わずに、たまたまにすぎないというように、意識的に軸を変えてみるのです。


免疫が多様であれば一つの伝染病で人類が絶滅するのを防げます。脳の機能も、画一的だとしたら、やはり絶滅の恐れがあるわけです。だから非常に慎重な人もいれば、怒りっぽい人もいれば、とんでもなくケチな人も社会には必要になってくる。というわけで、そもそも人間というのは、自分らしく生きることしかできないのです。みんなと同じにしようと思うこと自体が、遺伝子のありように反しているわけで、ストレスを感じて当たり前なのです。


人に八つ当たりできない小心者の人は、お酒を飲むとモノに八つ当たりすることがあります。皿を割ったり、モノを投げたりすると、壊れた瞬間に諺積したものがスカッと晴れるような気になるためです。が、衝動的にモノを壊しまくったり、八つ当たりすると、攻撃本能が強まり、どこまでも破壊欲が肥大化するおそれがあるので、医学的にはあまりおすすめできません。また、壊れたモノの残骸を見ると自己嫌悪感に陥り、なんとなく虚しくなります。「やらなけれはよかった」という思いが残り、それがストレスを強めることも。どうせ壊すなら、「いつも皿を1枚壊すと気分が楽になる」と、壊すものや枚数を決め、一種の儀式にしてやる分には攻撃本能がエスカレートする心配は少ないので、比較的にマシかもしれません。


泣くのはストレス解消に非常に効果的。ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが多量に分泌されます。が、涙を流すと、涙と一緒にコルチゾールが体外に捨てられることがわかっているからです。悔し涙も悪くはありませんが、ストレスの原因となっていることとはまったく関係のない悲しい映画や感動的なドラマを見て、心から泣くのがいい。


イヤなことがあっても一晩眠れば、たいていの人は落ち着きます。だからといって、日頃たまった心のウサを土日の寝だめで解消しようとしても逆効果。体内時計が狂って、逆に頭がボーッとします。月曜の朝に起きられない人は週末の寝だめが原因。土日にゆっくりと眠りたい人は、いつもと同じ時間に一度起きる。そして1時間は起きてブラブラして、また眠るといいでしょう。


脳全体にスイッチを入れる機能を預かっているのが、脳幹網様体と呼ばれる部分。ここを働かせるためには、全身の筋肉や皮膚からの刺激を与えること。とくに顔の皮膚と手を刺激することがもっとも効果的。ですから私は毎日数回顔を洗い、手と顔の皮膚を同時に刺激しています。とくに昼すぎなど明らかに脳の働きがよくなります。


様々な実験などから、高ストレス下において、人はより完璧主義者になることがわかっています。たとえば強いストレスを受ける試験前の受験生などが、出題されそうもない分野まで覚えないと不安に陥ってしまうケースがあります。仕事の場合もストレスにより完璧主義に陥ると、ムダな仕事、些末なことと頭でわかっていても、どうしてもこだわってしまい、削ることができなくなってしまうのです。


脳というのはまさに今の官僚組織と似ています。ムダだとわかっていても過去の慣習を変えられずについつい同じことを繰り返す。そこで仕事のムダを省くためには思い切って脳に活を入れる必要がある。私は仕事の「一人仕分け作業」と呼んでいるのですが、いま自分がやっている仕事が本当に必要なものかどうか検証することをお勧めしています。


スーパーマンのポーズを取ってください。なんと、それだけで体内のホルモン量が変化し、やる気がみなぎってくるという驚く実験結果が発表されたのです。ハーバード大学のグループは、両足の間隔を肩幅くらいに広げ、胸を張り、両手は腰に当てるという映画でおなじみのスーパーマンのポーズをしたときに、体内でどんな変化が起こるか調べる実験を行いました。その結果、たった2分、このポーズをしただけで、テストステロンというホルモンが増加し、これが脳に作用することによってやる気が高まるというデータが得られたのです。しかも、このポーズを止めたあとも、効果は15分から20分ほど持続することも分かりました。こうした現象が起こるのは、脳がポーズに編されるためだと考えられています。私たちは子供の頃から何かを成し遂げると、ついつい胸を張って誇らしい気分に浸ってきました。こうした経験を繰り返すと、脳は次第に、胸を張っているときは自分が絶好調なのだと判断するようになるため、自動的に前向きな気分が生み出され、やる気が高まるのです。スーパーマンのポーズはその究極の形だったわけです。


メンタル面で不調をきたすと、耳で聞いたことを正確に理解することが特に苦手になるため、誤解が生じやすい。また、記憶に残りにくくなるので、本人に悪気はなくても、後から「上司は注意したといっているが、それはウソだ」と主張し、パワーハラスメントの問題に発展することもあります。注意した内容と日時を記して書面に残しておくと、上司は自らの立場を守れます。同時に、コピーを部下に手渡せば、何度も読みなおして確認できるため、集中力の低下を補うことができるわけです。うつ病はこうした上司の配慮で抑えこみが可能です。部下との関係を見直し、職場を守ってくださ


「部下が2人うつ病になったら上司失格!」。これは心療内科医の間でよくいわれる言葉です。うつ病による労働力の低下は多くの企業で深刻な問題になっていますが、予防のために重要なのが管理職の役割です。実際、人事異動で上司が変わるとうつ病の発病率も変動します。


うつ病に対して上司が担う最大の任務は、部下の言動をよく観察し、初期の段階で見つけ出すことです。見落としていけないのは、連休明けに有給休暇が増えるという現象です。「子供が熱を出した」「実家で急用ができた」など、毎回、もっともらしい理由をつけて有給休暇を取るわけですが、何度か続いた場合、本当はうつ症状で出勤できなくなっているケースが多いということは医者の間で常識になっています。風邪をひきやすく治りにくい場合も要注意です。うつ病になると免疫力が低下するため、ちょっとしたことで風邪をひきます。さらに回復も遅れ、症状がおさまるまでに1週間以上もかかる場合も多いのです。そんな部下がいたら、単なる体調不良だと決めつけず、うつの可能性も考慮に入れるべきです。


吉田たかよしの経歴・略歴

吉田たかよし、よしだ・たかよし。日本の医師、アナウンサー、議員秘書。京都出身、東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了、東京大学新聞研究所(のちの東京大学情報環境・社会情報学分野)修了後、NHKに入局。個性派アナウンサーとして人気を博した。その後、NHKを退社し、北里大学医学部に学士入学し医師免許を取得。東京大学大学院医学博士課程を修了し医学博士号を取得。本郷赤坂前クリニックを開設し院長を務めた。そのほか、日本健康教育振興協会理事長、東京理科大学客員教授、学習カウンセリング協会理事長、人間情報学会理事・ヘルスケア部会長、総務省ICT利活用遠隔医療研究プロジェクトリーダーなどを務めた。

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