南部靖之の名言

南部靖之のプロフィール

南部靖之、なんぶ・やすゆき。日本の経営者。人材派遣会社のパソナ創業者。関西大学工学部卒業直前、人材派遣会社テンポラリーセンター(のちのパソナ)を設立。同社を急成長させた。

南部靖之の名言 一覧

1 / 11

我々は事業の基準が儲かるからやるとか、儲からないから止めるというのではありません。社会の課題を解決するというのが前提。

南部靖之の名言|社会の課題を解決するというのが前提


今の状況をよく見て、人の話をよく聞く。そうすることでこれから必要なものが見えてくる。その意味で、兆しは今にある。

南部靖之の名言|兆しは今にある


不思議なもので、会社は利益を最優先に考えると利益が出ないもの。

南部靖之の名言|不思議なもので、会社は利益を最優先に考えると利益が出ないもの


働く者から見た豊かさは、お金以上に自分の夢の達成や自由な環境で仕事をすることにあります。

南部靖之の名言|働く者から見た豊かさ


社会の問題点を考えて事業を始めて行くと、不思議と事業になって利益もついてくる。だから、社会の問題点を解決するという企業理念を最初に確立できたことは非常に大きかった。

南部靖之の名言|社会の問題点を解決する事業を


私の唯一の判断軸は、昔も今も、利益ではなく創業精神に沿っているかどうかです。

南部靖之の名言|創業精神を唯一の判断軸に


一流大学出だけ集めていると、企業は危ない方向に行く。

南部靖之の名言|一流大学出だけ集めていると、企業は危ない方向に行く



よく人を見て処遇することも創業社長の仕事です。すべてを人事部長に任せようとするから、問題が起こるのです。

南部靖之の名言|すべてを人事部長に任せようとするから、問題が起こる


人が地方に行くことによって、その人が持つ夢も地方に行く。そしてその夢から新しい産業が生まれ、ビジネスも生まれる。だから地方創生は人を誘致するべき。

南部靖之の名言|人が地方に行くことによって、その人が持つ夢も地方に行く


いま喉元過ぎればなんとかでリスク分散について話をする人が減っていますが、これはコストがかかってもしなければいけないことだと思います。

南部靖之の名言|リスク分散は必要


実は、農業は担い手が減っているからこそ新しい挑戦ができる。

南部靖之の名言|担い手が減っているからこそ新しい挑戦ができる


私は夢を語ることはできても経営者としては半人前です。ですが、それを補ってくれる社員が創業時からいた。これは大きかった。

南部靖之の名言|補ってくれる社員が創業時からいたことは大きかった


地方で産業を興し、そこで売り上げをつくり、雇用も生む。そこに自治体も一緒になって、官民一体で地方創生を行っていくことが必要。

南部靖之の名言|地方創生に必要なこと


社会に問題があって、その問題に多くの人が気付いていた。僕はそれをつかみ、その問題解決を手伝ってきただけです。それが世の中の流れになっていった。

南部靖之の名言|僕は社会問題解決を手伝ってきただけ


僕に先見性はありませんよ。あるとしたら、いろんな人から話を聞いて、その声を吸収することと、一度始めたら途中で諦めないこと。

南部靖之の名言|いろんな人から話を聞いて、その声を吸収することと、一度始めたら途中で諦めないこと



もっと人の力を信じ、活かす努力をしなければいけない。人はすごい力を持っている。それを活かせていないのは、経営者自身が「火事場の馬鹿力」を発揮したという経験をしていないからです。

南部靖之の名言|もっと人の力を信じ、活かす努力をしなければいけない


私はいつも社員に風船の話をしています。能力を風船にたとえると、大きな能力、つまり大きな風船でも息の吹き込み方が少なければしぼみます。一方で小さな能力、つまり小さな風船でも息を吹き込んでいたら舞い上がっていく。だから、日々、一所懸命に息を吹き込むように毎日を暮らしなさいと言っているのです。そして、目の前に困っている人がいたら、その人のために相談に乗ってやってほしい、と。

南部靖之の名言|能力があるかどうかよりも一所懸命やることが大切


私は事業を社会貢献事業、文化創造事業、社会福祉事業の3つに分けてそれぞれやってきましたが、いずれも「先義後利(せんぎこうり)」、つまり先に義によってすべきことをして、後から利益がついてくればよいという考え方です。それゆえ、事業によっていろいろな評価をされているようです。

南部靖之の名言|事業は先義後利


新しいものは、利益を生むかどうか分かりません。そこに投資するのは株価や利益を見通せるからとは限りません。利益を判断基準として決断し、追い求めると、短期的なヒット商品は生まれても、ロングセラーにはならない。また利益目的の事業は儲からないとやめたくなりますが、大義名分のある事業は土日でも徹夜でもやりたいと思うものです。つまり事業を長く続けるためには、哲学や理念がないとダメなのです。創業者にはそれがある。

南部靖之の名言|事業を長く続けるためには、哲学や理念がないとダメ


私はM&Aには積極的ではありません。事業規模の拡大だけをめざすのは、私の創業精神とは外れますから。

南部靖之の名言|創業精神から外れたことはやらない


リーダーは「心で判断できるか」が重要。そしてそれを実行に移すことが、先見性につながる。

南部靖之の名言|リーダーは「心で判断できるか」が重要


私は、世の中のリーダーには、共通する四つの力があると考えています。一つは「活力」、次に「共有力」、それから「影響力」、最後に「今を見る力」。

南部靖之の名言|リーダーに必要な4つの力


社会のニーズに応えるのが目的ではなく、働く側の立場で世の中の問題点を発見し、いかにそれを解決するかを考え続けました。「なぜ、子育てを終えた女性の働く場所がないのか」「なぜ、定年退職者の豊かな知識と経験を企業で活用できないのか」といったことです。正社員での採用があるなら、採用しやすい仕組みをつくればいい。そのひとつが人材派遣でした。

南部靖之の名言|ニーズに応えるのではなく、世の中の問題点を発見し解決する


フリーターは統計を出すために総合的につられた名称です。時代をさかのぼると、プータロー、フーテンと呼ばれ、100年前には素浪人でした。坂本龍馬も脱藩した素浪人で、明治維新はフリーターが集まって大組織の徳川幕府を倒して成し遂げたのです。自由な立場の人が世の中を変えることは、歴史が物語っています。

南部靖之の名言|世の中を変えるのは、自由な立場の人


すべての基本は「人」です。企業ならばいま、技術力や資金力だけでなくマーケティング戦略のような人的サービスも優れていないとモノは売れません。だから人材ニーズが多様化しています。人事部の役割は非常に重要です。今後は人事部の時代になると思います。

南部靖之の名言|人材の重要性が高まる中、人事部の重要性も高まっている


今後は、国の価値はGDPではなく文化で決まります。企業の価値も、売上高や利益や株価ではなく、文化や哲学で評価されるようになります。その文化や哲学を生み出すのは「人」だけです。

南部靖之の名言|GDPより文化や哲学で評価される時代に


少子化で労働力が減るのは国家にとって困ることです。しかし、私は働く側の立場ですから、豊かさに対してワークライフバランスで考えます。「自分にとって大事なものを犠牲にしてまで、一生懸命働かなくてもいい」という考え方は、抵抗なく受け入れられます。いまは、大企業に入ったら使い捨ての人材で終わることを承知のうえで、自分を犠牲にして会社を守り、会社に尽くす時代ではないでしょう。

南部靖之の名言|人々の労働観は変化する


創業した当時、就職難の時代で、とくに大卒女子の就職率は16%でした。難関を突破して入社しても昇進で男性に大差をつけられ、さらに結婚して退職すると、もう一度働きたいと思っても再就職は不可能でした。そんな女性に雇用の場を提供することが、私の最初のビジネスでした。ターゲットを「子育てを終えた30代の女性」に絞り、雇用形態が正社員かパート、アルバイトしかなかった時代に、派遣という新しい雇用形態を企業に提案しました。

南部靖之の名言|困っている人の問題を事業で解決する


私も、忙しかった若いころでも、年に10日間は仕事のことを忘れて遊ぶ期間をつくっていました。それぐらいなら、若手のみなさんでも可能ではないでしょうか。

南部靖之の名言|仕事のことを忘れて遊ぶ期間を


ものすごく忙しい人は何を頼まれてもこなしてしまうように、忙しく働けば働くほど、不思議とゆとりがみえてくるものです。「忙しい」ばかり口にして、時間に振り回されている人は、働き方が中途半端になりがちですね。

南部靖之の名言|忙しく働けば働くほど、不思議とゆとりがみえてくるもの


仕事ばかりのメリハリのない生活を続けていると、惰性で働くようになります。すると、新しい発見や感動がなくなり、感性も鈍ってしまう。これじゃあ、仕事の成果は挙がりませんし、人生もつまらないですよね。

南部靖之の名言|仕事人生にならないように注意


弊社で効率を求めれば、一人でも多くのスタッフを企業に派遣することが目的になるでしょう。しかし、本当に大事なことは、スタッフの話にじっくり耳を傾けること。効率重視だと、それを忘れてしまう。話を聞くことは時間もかかりますが、20代のうちから、「そんな時間はムダ」と中途半端に働いているようでは、あとで大成しません。

南部靖之の名言|効率重視の問題点


20代のうちは、効率を求めないほうがいいですね。「ムリ・ムダ・ムラをなくす」なんて考えは捨てたほうがいい。効率を求めると、損得を考えて行動するようになります。すると、本質を見失ってしまうんです。

南部靖之の名言|20代のうちは効率を求めないほうがいい


会社というのは、経営者の器以上には大きくならないもの。目の前の仕事に追われずに、自らに投資し、自らを成長させる時間をもつ重要性を痛感しましたね。

南部靖之の名言|経営者は自らを成長させる時間を


じつは若いころは「忙しい、忙しい」が口癖で、時間に追われるように朝から晩まで仕事ばかりしていたんです。でも、一度しかない人生を、「忙しい、忙しい」といって生きるなんてイヤだ。時間に料理されるんじゃなくて、時間を料理してやろう。40歳になったころから、そう思うようになったんです。

南部靖之の名言|時間に料理されるんじゃなくて、時間を料理してやろう


社員だけでなく、当社への入社を志望してくれた方にも積極的にお会いします。たとえば、新卒採用のときは、最終面接ではなく、一次面接で一人一人と会います。1000人を超えますから、なかなかたいへんですけどね。もちろん中途採用の面接も、同様に全員と会いますよ。

南部靖之の名言|一次面接からトップが参加することの大切さ


サービス業である当社の最大の財産は、「人」ですからね。私は、社員が結婚するときには、必ず自筆の書でお祝いメッセージを贈ることにしているんです。長さ1mぐらいの巻物形式なんですが、日々の仕事ぶりや激励など、個々に合わせたメッセージをしたためています。これができるのも、日ごろから社員とコミュニケーションをとっているから。スケジュールが空いていれば、式自体にも出席します。

南部靖之の名言|日頃から社員とコミュニケーションを取ることの大切さ


私はCEOですが、その「E」はエグゼクティブではなく、エシックス(倫理)とエンカレッジ(勇気づけ)。つまり、会社を正しい方向に向け、社員を勇気づけることが仕事です。当社は社員が1000人以上いますが、誰がどんな人かは、だいたいわかっていますよ。

南部靖之の名言|CEOの仕事とは


新規事業のための営業も毎日のようにしていますし、役員会や経営会議にも出席します。それからなんといっても、社員と触れ合う時間を多くとるようにしていますね。

南部靖之の名言|忙しくても社員とふれあう時間を大切に


トップが健康であることは、会社や組織にとっても極めて重要なことです。江戸幕府が260年も続いたのも、初代の徳川家康が長生きしたから。私も80歳、90歳まで元気に生きないと、大きな仕事が成し遂げられないなと思っています。

南部靖之の名言|トップの健康は会社や組織にとって重要なこと


どんなに忙しくても、毎日2時間は身体を動かしています。都心のホテルのスポーツジムやテニスコートは、夜通しオープンしていますからね。そこで汗を流すのが日課です。いまでも、テニスや腕相撲は、若い人に負けるつもりはありません。夜に運動すると、エネルギーを使い果たすので、ぐっすり眠れる。だから、翌朝スパッと目が覚めて、気持ちよく一日のスタートを切れるんです。

南部靖之の名言|忙しい中でも運動する理由


これからの社会は気づきや人の活用の仕方をあらためて考え直す時期です。職場環境を見直すことで、その会社がもっと社会や人の役に立てることに気付くはずです。

南部靖之の名言|職場環境を見直すことで、その会社がもっと社会や人の役に立てることに気付くはず


パソナ本社に飾られている絵は、すべて障害者の方々が、自由に描いたものです。何も知らず、会社を訪問する方々の中には、「絵を譲ってほしい」と言う人もいます。障害者の人が、何事にも一心不乱に集中して作業し、人並み外れた才能を発揮するように、天は違う才能を与えています。才能を引き出すため、福祉施設に隔離するのではなく、企業としても何か、自主的な仕組みを構築するべきです。

南部靖之の名言|天は違う才能を与えている


世の中には足が速い子もいれば、算数が得意な子もいます。フリーターやニートと呼ばれる方々にも、必ず何か才能が与えられています。仕事でもそうです。そうした才能を引き出し、チャンスを与えることが大事なのです。そうした仕組みをつくっていくのがパソナの使命だと自負しています。

南部靖之の名言|才能を引き出し、チャンスを与えることが大事


私は禅の教えの影響を受けました。幼い頃、男兄弟の末っ子でヤンチャだった私は、大学卒業まであるお寺に預けられ、書生として育ちました。そこで、世間の常識にとらわれず、惑わされない心を学びました。それが現在の仕事につながっています。

南部靖之の名言|大学卒業まであるお寺に預けられ、世間の常識にとらわれず、惑わされない心を学んだ


会社を上場させようとか、1兆円企業にしようとか、会社立ち上げの目的が儲ける・儲けないという話であれば、業績が悪くなった途端に社員はみな辞めていったと思う。それが皆が残ってくれたというのは、やはり、社会の課題を解決しようという目的・大義が皆の腑に落ちたからだと思います。

南部靖之の名言|目的が大事


創業者と経営者に求められるものは違う。創業者というのは大きな夢を持ち、その夢を希望という言葉にして部下に伝えることができる人。だから、ゼロから何かをつくっていく人。一方、経営者は売り上げを上げ、利益を出し、株価を上げ、時にM&Aをして会社を成長軌道に乗せていく人。

南部靖之の名言|創業者と経営者に求められるものは違う


仲間に恵まれたということが大きい。私が誇りに思うのは仲間である社員の力です。会社を立ち上げた時、私を含めて7人のメンバーがいましたが、私の妻を除けば、全員がいまも何らかの形で会社に残っている。これは有難いこと。

南部靖之の名言|私が誇りに思うのは仲間である社員の力


私が学生の頃、試験の成績が悪くて落ち込んでいたら、父が「何を恥じることがある。人に迷惑を掛けたら恥じよ。試験の成績が悪いのはお前が寝坊したからだ」と叱られた。言われてみれば、周りに対して恥ずかしいと思っていたが、成績が悪い理由は自分が勉強しなかったからだと気が付いた。

南部靖之の名言|落ち込む前に失敗原因の分析を


私が子供の頃、母が「算数で100点取るも、100メートル走で1番になるも、絵が上手に描けるのも、ピアノが上手なのも同じよ」と話してくれた。世間には物差しがいくつもあることを教えてくれた。

南部靖之の名言|世間には物差しがいくつもある



社会にとって必要なことをやればやるほど、問題が起こる。何か問題が起こると、それを取り仕切ろうとする。規制を作り、お互いを縛ろうとするのは好きじゃない。規制は緩めて、本来のもっと伸びやかで自由な発想で考えないと経済の停滞はまた起こると思います。

南部靖之の名言|規制は緩めて、本来のもっと伸びやかで自由な発想で考えないと経済の停滞はまた起こる


IQとEQが経営上とても必要だと思う。そして、もうひとつSQが必要だと思う。スピリチュアルのSです。前向きでヤル気があって、向上心があることが重要です。

南部靖之の名言|前向きでヤル気があって、向上心があることが重要


世の中の先行きを見通していたわけではありませんが、主婦の方の多くが、育児も一段落したので働きたいけれど、スーパーのレジの仕事ぐらいしかなく、自分のスキルが生かせない、と困っていた。この悩みに応えようとして始めたのが、たまたま人材派遣だったのです。そしてこれを40年間、ずっと続けてきました。

南部靖之の名言|悩みに応えようとして始めたのが、たまたま人材派遣だった


地方創生はパソナ1社でできることではありません。ただし、パソナがやることで、こういうやり方があることに気付いてもらう。さらにはノウハウも学んでもらう。そうした人たちが全国に散らばり、それぞれの地方を活性化させていけば、日本経済は今よりも元気になるはずです。

南部靖之の名言|パソナがやることで、こういうやり方があることに気付いてもらう


実はあるエグゼクティブなリーダーが私と面談したおりに、自分の10年間の実績を語り、自己PRしたことがありました。しかし、私は一秒で断りました。どんなにすばらしい実績があっても自分の理念と合わなければ活躍してもらうのは難しいと判断したからです。

南部靖之の名言|理念と合わない人と仕事をしないという選択


父は常日ごろ「人生での苦労はすべて勉強」だと言っていました。卒業のときに父からもらった言葉は、「土薄(つちうす)き石地(いしじ)かな(石ばかりの地面から根を張って芽を出すのはエネルギーが要るけれども、いったん根を張ればあとは強い。だから苦労は買ってでもせよという意味の言葉)」です。またナポレオンの「英雄は若者から生まれる」という言葉もよく聞かされていました。

南部靖之の名言|父から受けた教え


日本企業は海外とも戦いをしていますが、勝つためにはアントレプレナーシップ(企業家精神)が必要です。ですから私は、自分の子どもに対しても学費を出さず、「自分の力で大学に行け」と言いました。でも父親が金持ちだと、日本では奨学金をもらえないのだそうです。そこで娘はファミリーレストランでアルバイトをし、結局、奨学金制度が整っているアメリカの大学に進学しました。アメリカではロックフェラーのような大富豪でも子どもの入学金など出しません。

南部靖之の名言|子供に起業家精神を植え付ける教育を


母も、私の価値観を形づくった重要な一人です。小さいころ、私はよく外で絵を描いていました。絵が好きな友だちと一緒に描いていたのですが、友だちは家に帰るなり「こんな遅くまで何をしていたんだ」と親に怒られたそうです。「また、南部君と一緒か!」と(笑)。でも、南部家は違いました。母は、私の絵を1枚10円で買ってくれたのです。そしてこう言いました。「算数で100点をとるのも、100メートル走で一番になるのも、絵で一番になるのも、すべて同じ才能だ」と。つまり勉強で一番になることが人間の価値ではなく、その価値の考え方は多様なのだと教えてくれたのです。だから私は勉強ができる者、スポーツができる者、両方の友だちがいました。私はもらったお金で新しい絵の具を買いました。そして「絵だけはだれにも負けない」という自信をつけました。

南部靖之の名言|子供に多様な考え方があるのだと教えることが大切


私がパソナの前身である「テンポラリーセンター」を興したのは、父の一言からでした。当時は、大学を卒業したら就職するのが当たり前の時代。「学生ベンチャー」という言葉も発想もなく、私もご多分にもれず、就職活動をしていました。でも内定を決められる雲行きはよくありませんでした。ある日、父から「就職決まったか」と質問され、正直に「むずかしい」と答えました。すると父は「就職活動を通じて、何か気づいたことはないか」と尋ねるので、「ぼくよりも女子大生がたいへんだ」と答えたのです。当時、男子大学生のほとんどは就職するのに、女子大学生の就職率は低く、大学でせっかく勉強しても、企業は彼女らを採用したがりませんでした。さらに問題だと感じたのが、一度家庭に入った主婦たちです。子育てを終えたあと、職場復帰する人はほぼゼロパーセントでした。父は私の報告を聞くと「面白い」と膝を打ち、「この社会問題を解決しなさい」と私に言いました。つまり、女性の雇用拡大に寄与する事業をしろ、というのです。

南部靖之の名言|パソナ創業のきっかけ


私は最初から、社会の問題点を解決するということを経営理念として掲げていました。だから売上をいくら上げるとかということではなく、雇用を生むことによって社会問題を解決するということで人材派遣会社を創業したのです。まだ関西大学の学生だった24歳のときでした。

南部靖之の名言|社会問題を解決するために起業する


中高年は若者に比べて、知識や経験、豊富な人脈、余裕資金を持っています。定年を迎えると、これに自由な時間が加わるわけです。楽隠居を決め込まないで、自分が納得できる生き方を追求してほしいですね。

南部靖之の名言|楽隠居を決め込まないで、自分が納得できる生き方を追求してほしい


社会人として数十年間培ってきたものを生かして、ベンチャー企業を興すという働き方があってもいいと思います。中高年の多くは、アントレプレナーとしての才能を十分持っています。自分の裁量でビジネスを手掛けるというのは、大変魅力的ですよ。

南部靖之の名言|中高年の多くは、アントレプレナーとしての才能を十分持っている


今後は「自分の力を生かしながら楽しく生きる」というふうに意識を変えないと、定年などで職を失ったときに人生の目標も失ってしまうことになりかねません。給与や企業ブランドなどの物質的な豊かさだけではなく、生きがいを見つけて心の黒字をつくることが重要ではないでしょうか。

南部靖之の名言|心の黒字をつくることが重要


企業経営では、人と人の組み合わせが非常に重要です。松下電器産業を創業した松下幸之助さんには高橋荒太郎さんという有能なパートナーがいました。複数の異なる感性を経営に生かすことで、ビジネスがうまくいくわけです。

南部靖之の名言|複数の異なる感性を経営に生かすことで、ビジネスがうまくいく


僕の同級生をみると、個人商店を営んでいる経営者は定年と無縁でバリバリと働き、趣味を楽しんでいます。反対に、会社勤めをしてきた人の多くは、くたびれているように見えます。人生のすべてを会社に預けて、社会との接触をゼロにしながら朝から晩まで身を粉にして働いてきたからでしょう。

南部靖之の名言|個人商店を営んでいる経営者は定年と無縁でバリバリと働き、趣味を楽しんでいる


福沢諭吉の『学問のすゝめ』に書かれてある「一身独立して一国独立す」という言葉が重要になると思います。国民一人一人が強くなることで、結果的に国家が繁栄するということです。

南部靖之の名言|国民一人一人が強くなることで、結果的に国家が繁栄する


パソナグループが掲げる企業理念は「社会の問題点を解決する」というもので、これは創業以来一貫しています。社会には様々な問題があります。私はそれをよく見て、多くの人から悩みを聞いて、ヒントを教えてもらうことで、解決のお手伝いをしてきただけだと思っています。

南部靖之の名言|多くの人から悩みを聞いて、ヒントを教えてもらうことで、解決のお手伝いをしてきただけ


事業を行なうことができるのは、今の社会の問題をじっと見て、何が必要なのかを常に考えているからかもしれません。未来とは、現在の延長線上にあるものですから、「先を見る力」とは、すなわち「今を見る力」なのです。

南部靖之の名言|「先を見る力」とは、すなわち「今を見る力」


謙虚に学び続けるためにつくった会があります。そこでは私はカバン持ちをしています。私自身、会社を創業して、長年、トップを務めていると、周囲は「代表、代表」と言ってくれます。でも、そんな環境にばかり浸っていると、驕りも出てくる。そういう気持ちを戒める意味もあって、年に1回、約2週間、人生の師と仰ぐ方たちと一緒に地中海などの船旅に出かけるんです。先生の皆さんは90歳くらいで、人生の大先輩です。「南部、ちゃんと考えないとダメだぞ」などとお叱りを受けることで、初心や謙虚さを取り戻すことができ、とてもありがたく思っています。

南部靖之の名言|人生の大先輩と接して初心や謙虚さを取り戻す


様々な方を招いた勉強会も以前から開いています。アメリカでは経営者やエグゼクティブは、同じ経済人だけではなく、様々な分野の人と交流する勉強会やビジネススクールを通じて、業界業種を超えた交流をしています。アメリカに住んでいた頃、このことを知って、素晴らしいと思いました。それで、日本に帰国したら自分もやろうと。

南部靖之の名言|業界業種を超えた交流を


未来を見通すための「今を見る力」は、どうすれば身につけることができるのか。それにはやはり、地道にあらゆる情報に接する機会を持つことと、感性を磨くことではないでしょうか。私はパソナグループの代表ですが、オフィスにじっとしていることはありません。いつも様々な方とお会いしています。社内では、新たな事業を創造するイノベーションチームのメンバーと一緒にいます。そこでは常に新入社員たちと意見交換をしています。

南部靖之の名言|地道にあらゆる情報に接する機会を持ち、感性を磨く


創業当時、結婚などで会社を離れた多くの主婦の方が、自分のスキルを活かせる仕事がなくて困っていた。そんな悩みを見聞きして、自分に何ができるのかを考えて挑戦したのが、人材派遣の仕組みでした。私には先見力はありませんが、いろいろな人から話を聞いて、その声を吸収する力は、人一倍あるかもしれません。わからないことは率直に聞いて、教えてもらう。それは今も変わりません。

南部靖之の名言|いろいろな人から話を聞いて、その声を吸収する


私は大学では工学部に進み、応用化学を専攻していたので、法律や労働のことにはまるで詳しくなかった。事業に将来性があるからスタートしたというよりも、ただ単純に「こういう働き方があるといいんじゃないか」「こんな働き方があれば喜ばれるんじゃないか」と思って、動いたのです。

南部靖之の名言|事業に将来性があるからスタートしたというよりも、ただ単純に「喜ばれるんじゃないか」と思って動いた


人が動くと、その人が持っている夢も一緒に動きます。人それぞれが夢を抱いています。夢を持った人たちが地方に移住して、その夢がひとつひとつ実現された結果、町が活性化し、その地域全体の活性化にもつながっていく。そして、年齢や性別、職業も多様な人材が集うことで、化学反応を起こして、新たな地方創生につながっていく。

南部靖之の名言|夢を持った人たちが地方に移住して、その夢がひとつひとつ実現された結果、町や地域全体の活性化にもつながっていく


地方創生で気をつけなくてはいけないのは、取り組みをイベントで終わらせないことです。イベントは一過性ですから、終われば、また元に戻ってしまう。地方にコールセンターをつくるような事業は確かに雇用が生まれます。でもそれは、東京の事業で儲けて、東京で雇っていた人材を地方で雇っているだけです。東京の企業の業績が悪化すると、地方のコールセンターももちろん立ち行かなくなる。稼ぐのは東京で、東京で得た利益を地方で使っているので、地方が自立して発展しているとはいえない。これでは、真の地方創生とはいえません。私が考える地方創生は、その地方で魅力あるものを生み出して、地方で利益を上げ、地方が持続的に発展できる仕組みをつくることです。そのためには、地方に人を誘致することが最も重要になります。言い換えれば、工場誘致ではなく、人材誘致です。

南部靖之の名言|地方創生は、その地方で魅力あるものを生み出して、地方で利益を上げ、地方が持続的に発展できる仕組みをつくること


私はベンチャーで会社を興した創業者です。会社に就職して昇進を重ねて社長になった経営者ではありません。私は創業者と経営者では、大きく異なる点があると思っています。経営者はひと言でわかりやすく言うなら「儲ける人」です。会社の売上を上げて、利益を上げる。事業を拡大して既存事業の競争力を高めて会社を大きくし、相対価値を高めていく人です。一方、創業者はゼロから新しい事業を生み出します。理念にもとづいた絶対価値で物事を判断します。これまで世の中になかった新しい仕組みをつくり、イノベーションを起こしていくのが創業者です。だからある意味では「お金を使う人」かも知れません。創業者と経営者にはそれぞれ異なる役割があり、二人の力がうまく組み合わさることで、企業は大きな力を発揮できると思います。

南部靖之の名言|経営者と創業者の違いと役割


南部靖之の経歴・略歴

南部靖之、なんぶ・やすゆき。日本の経営者。人材派遣会社のパソナ創業者。関西大学工学部卒業直前、人材派遣会社テンポラリーセンター(のちのパソナ)を設立。同社を急成長させた。


1 / 11

気に入ったらみんなとシェア

ページの先頭へ