加賀見俊夫の名言

加賀見俊夫のプロフィール

加賀見俊夫、かがみ・としお。日本の経営者。東京ディズニーランドを運営する「オリエンタルランド」社長・会長。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、京成電鉄に入社。その後、京成電鉄・三井不動産・朝日土地興業の合弁会社オリエンタルランドに移籍。東京ディズニーランド開園時には総務部長を務めていた。夢の国というイメージを守るため、お弁当持ち込み禁止を強く主張したことでも有名。

加賀見俊夫の名言 一覧

課題を乗り越えるために必要なのは、「もう、やるしかない」という想いではないでしょうか。そのビジネスにどれだけ心を打ち込めるかです。


人生は浮き沈みがあるけれども、沈んだときにどうするかが重要だ。体力、あるいは精神力、そういった逆境を乗り切る力を持って欲しい。


伸びる人材とは、やはりトラブルを率先して自分が解決しようという意識を持っている人ですね。こういったトラブルから逃げてはいけない。


若いときの失敗の経験は、心の糧になる。失敗を恐れないで火中の栗を拾い、率先して解決することにチャレンジして欲しい。


日本人の関心は、本当にモノから心へと変わってきました。これをどう、お客様が満足していただけることに結び付けられるかが大きい。


足して二で割る案は最悪になる。


どこまで自社の製品やサービスのリピーターを確保していくか。ここが縮小する内需で企業が勝ち抜くポイントです。


東京ディズニーランドは縮小する国内市場の中で右肩上がりの成長を実現してきました。なぜそれが可能になったのか。結論から言うと、リピーター数の増加です。


短期的な収益計画を追うよりも、顧客満足度を高めることで中長期の成長を狙うのが当社の特徴です。


顧客満足度を高めるには、まず従業員満足度を向上させることが不可欠。


3年ごと、いや5年ごとでもいい。再び来ていただいた時に、新しい価値を提供できるかが勝負です。


成熟社会の中では、企業が需要を掘り起こしていくことが欠かせません。


満足度を高めるには、ゲスト(お客様)が不満や不快、不便に思う要因をひとつひとつ取り除くことも重要です。代表例が混雑や夏場の暑さへの対策でしょう。


通年で顧客満足度を高められれば、おのずと収益は後から付いてくる。そこで季節や暦を取り入れたイベントに力を入れてきました。


私は議論する際、100%とは言い難いですが、90%以上は理論武装するようにしています。


やはり経営判断の要素は数字だと思います。その際、基礎的な知識があるのとないのとでは全く違います。そう感じた私は「どうせやるなら」という想いで商業簿記を終えた後、工業簿記の資格も取りました。


もし東京ディズニーランドのオープンが5年遅かったら、トップバッターを走れなかったでしょう。やはり、2番手、3番手になったらイメージが違います。その意味では、ラッキーでしたね。


物質面での豊かさが、ある程度の飽和点やレベルに達したときに初めて「次は心の豊かさを求めたい」といったニーズが芽生えて当社のようなビジネスが出てくる。


私も意地っ張りなんですね(笑)。そこで白旗を上げたら決してダメだと。ですから、絶対最後まで頑張ろうと心に決めていました。


私は同期の中でも役員になるのが一番遅かったんです。でも、いずれ追い付くだろうと思っていました。とにかく自分の仕事をしっかりやっていればいいんだと。


私自身、こだわる性格でしたので、担当した仕事を100%、あるいは120%理解するためにも基本的なビジネスの仕組みを理解しないと納得しないというところがありました。ですから、入社して経理部に配属された私はとにかく経理の基礎を徹底的に叩き込もうと思いました。


アンケートの中でも1日で数十件くらい寄せられるゲストの自由記述欄はとくに意識しています。例えば、「すごい人なので、待ち時間が寒くてつらかった。でも、ダッフィーに会えて感動した」というメッセージが寄せられたとします。ここで注目すべきは後半の「感動した」ではなく、前半の待ち時間であり、寒さ対策です。施設の投資計画に反映するほか、部門ごとに各キャスト(スタッフ)から改善提案を出してもらうなど、すぐに対応します。


年間3000万人規模のゲスト(お客様)が来園する中では、賛辞だけではなく、いわゆるクレームに相当するご意見も年1万件ほど頂きます。このうちキャストの対応などに関する意見が約半分です。これを十分と見るか、むしろ少ないと見るかは人それぞれかもしれませんが、この意見の裏に、直接ご意見を申されなくても、同じ思いをされている方が数多くいると私は考えています。


当社の従業員満足度が高い背景には、モチベーションだけではなく、キャスト(スタッフ)がお互いに協力して学び合いながら、顧客満足度の向上に取り組むような工夫を取り入れていることも大きいと思います。例えば、「ユニバーシティ・リーダー」の存在です。現場のキャストからお手本となる人材を毎年15人程度選抜して1年の任期で、他のキャストの各種研修で先生役を務めてもらいます。正社員だけが教え込むのではなく、現場のキャストが自分たちで考えることがサービスの向上につながっていきます。


人と人がフェース・トゥー・フェースで接するテーマパークのようなビジネスでは、キャスト(スタッフ)の機転がゲストの感動を呼び、時に失望につながりかねないのです。


「東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの顧客満足度が高いのは、従業員のマニュアルがしっかりしているからだ」。そんなイメージを持たれる方がいらっしやるかもしれませんが、実際は違います。もちろんディズニーの理念や、現場で守るべき4原則の「SCSE(安全、礼儀正しさ、お客様を楽しませる姿勢、効率)」はきちんと教育しています。その上で、「あなたの家族や友達を連れてきたとしたら、どんなサービスをしてあげたいと思いますか」という視点で働くよう求めています。またそういった働き方を実現させるために、準社員といえども、現場の一人ひとりに正社員とほぼ同じような権限を与えています。


準社員がディズニーの基本理念を共有すれば、中長期にわたって活躍しますし、結果として顧客満足度や企業価値の底上げに結びつきます。


大勢のゲスト(お客様)に親しまれたエレクトリカルパレードも、導入から5~6年経過すると、「もっと顧客満足度を高めるにはどうすべきか」「コンテンツそのものを抜本的に見直す時期に差し掛かっているのではないか」という議論が自然にわき起こってきました。現状に満足せず、コンテンツの中身を常に見直していく。そんな東京ディズニーランドのカルチャーが最もよく表れたケースだと言えるでしょう。


東京ディズニーランドの30周年となる2014年3月期は、おかげさまで3000万人を超えるゲスト(お客様)が来園される見込みです。ただ、アニバーサリーイヤーの翌年は反動が出るもの。3000万人というゲスト数に慢心して、これを基に事業計画を描いては過大投資になりかねません。


ディズニーシーのコンセプトづくりをしたとき、日本人と米国人のちょっとした感覚の違いを埋めるために、私たちはディズニーと相当の議論を尽くしました。この過程はオリエンタルランドとディズニーにとって必要なものだったと思っています。議論の中でディズニーと信頼関係が生まれ、これまでの主従関係から対等なフィフティー・フィフティーの関係が築けましたから。何より、オリエンタルランドの人材が自前でクリエーティブなプランをまとめる力が付いたことが大きかったですね。


ファミリー層に非日常を味わっていただくテーマパークには、少しでも淋しさや郷愁を感じさせるものは置いてはダメです。


オリエンタルランドではここ3年間で年250億円前後の設備投資を続けているにもかかわらず、フリーキャッシュフロー(純現金収支)は3年間で計1864億円と、当初の目標より500億円以上積み上がる見通しです。こういった設備投資が可能なのは、最適な事業ポートフォリオを組むことでリピーターが増えているためです。


単に施設やショーに多額の投資をすればよいというわけではありません。新しいアトラクションを矢継ぎ早に入れるのは財務、資金の面からも限界があります。時間の経過とともにゲスト(お客様)のニーズは変わり、運営する私たちのスキル、ノウハウも高まっていきます。市場が成熟した内需産業では、既存のアトラクションに絶えず磨きをかけることこそ重要なのです。


重要なのはアトラクションの選択と集中ではなく、ひとつひとつが組み合わさって価値を生み出す相乗効果なのです。


東京ディズニーランドの普遍的な価値とは何かと問われれば、3世代のファミリー層で楽しめるということに尽きます。世代を超えて楽しむには共通の価値が欠かせません。ですから、誰もが幼いころから親しんでいるオールド・ディズニーの基幹コンテンツは、テーマパークを形成するうえで欠かせないのです。


東京ディズニーランドの歴史の中では、廃止・縮小したアトラクションも少なくありません。それぞれのアトラクションを個別の事業に見立てれば、危ないと思った時に撤退する勇気も必要です。


東京ディズニーランドと東京ディズニーシー合わせると、100万平方メートルの広さがあります。これは、8~9時間の滞在で、それぞれ3分の2ほどを回れる大きさです。逆に言うと、一度の滞在で回りきれない広さにしていることで、実は「もう一度訪れてみたい」という期待感につなげているんです。


経営管理の手法やノウハウは、当社が東京ディズニーランド開園以来、30年かけて独自に編み出してきました。米国と日本では市場や顧客の特性が異なるため、米国のデイズニー流をそのまま日本で受け入れても通用しません。


ゲスト(お客様)が体験したアトラクションの数にかかわらず、「非常に満足」だった絶対数が1日で4つくらいあると再来園意向は90%前後まで高まることが分かっています。たとえ「満足」していても、最上位の「非常に満足」でなければ再来園意向の底上げにはつながらない。そこで、リピーターを育むためにアトラクションごとに魅力を高めていくように、具体的な経営戦略を立て現場のオペレーションに落とし込んでいくのです。


人気のアトラクションでもゲスト(お客様)の全員が高い顧客満足度をつけるわけではありません。ゲストによって、心が満たされるアトラクションは異なるんです。


顧客満足度はゲスト(お客様)が体験したアトラクションの数に必ずしも比例しません。アトラクションごとに「非常に満足」から「非常に不満」まで5段階で評価した場合、「非常に満足」の絶対数こそカギになります。満足度を学校のテストに例えれば、一定の「合格点」を超えればいいのではなく、「満点」でなければなりません。しかも、アトラクションの人気と顧客満足度は必ずしも比例しません。


当社は顧客満足度を高めるために、綿密な定量分析と経験に基づく定性評価の2本柱でとらえています。定量分析の代表例として、東京ディズニーランドでは年10万件にも及ぶゲスト(お客様)との対面調査を行っています。ゲートで調査員がゲスト一人一人にヒアリングしたり、インターネットで受け付けたり、調査結果は経営戦略を練るための源泉になります。たかが調査と侮ってはいけません。調査を続けているうちに、戦略の根幹をなす興味深い傾向が読み取れるようになってきました。一例として、顧客満足度がゲストの体験したアトラクションの数に必ずしも比例しないという事実です。


開業当初、年間来園者1000万人の目標を掲げた時は、「何を大げさな」「机上の空論だ」と陰口をたたかれたこともありましたが、1985年3月期に目標を上回る1001万人を達成、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの2パーク体制になった2002年3月期には2200万人余、東京ディズニーランドの30周年に当たる2014年3月期には3000万人の大台を超える見込みです。おかげさまで開業以来、右肩上がりで成長を続けています。


自分の趣味をどう仕事に生かすかということも大事ではないかと思います。どんなに小さな趣味でもいいと思うのです。やはり仕事人間になってしまっては困りますからね。その点、私の趣味は旅行です。自然が好きなので、国内では京都に最もよく足を運んでいます。


交渉のとき、まずは正面からぶつかっていきます。堂々と相手と議論し、ぶつかっていくわけですが、その分、オフタイムにどう接するかがポイントになります。私の場合は、よくゴルフをやりました。すると、その日の夕飯時には和やかになりますし、次の日の交渉も気持ちが楽になりましたね。


自分の意見通りにいかない場合もありますが、それでも決して腐らないで、次のチャレンジをどうするか。企業にとって進化が止まったら終わりです。失敗してもいいから挑戦して進化し続けること。これがとても大切。


若い人の失敗で会社が傾くようなことはありません。ですから、私はよく「失敗しろ」と言っているのです。係長クラスの社員には「思い切ってやりなさい。そのかわり失敗していいよ」と。「君たちが部長になって失敗すると、多少利益が減るかもわからない。役員になって失敗すると、会社は潰れてしまう」と。


川崎(千春・初代社長)さんが高橋(政知・2代目社長)さんを信用し、高橋さんが私を信用してくれました。ですから、私は2人の意思をつないでいかなければなりません。いくら経営がバトンタッチされても、意思がつながっていかないとおかしくなってしまいますからね。


今の若い人たちに伝えたいことの1つは「チャレンジする気持ちを持って欲しい」ということです。言われたことを着実にこなすだけではなく、上司からの指示に対して新しいアイデアや変化をつけるといった提案ができるかどうかが大事です。


我々のビジネスの中心は、人に喜び・安らぎを与え、ホッとする瞬間を提供することが基本にあります。我々は常に進化しなければなりませんが、この基本原則を崩してしまってはいけませんし、それに反するビジネスをしていては、少なくとも舞浜から伸びていくことはできないと思っています。


できるだけ若い人にやらせてみて、その結果、彼らがどう判断をするかが大事だと思うのです。私が若い人たちに求めたいのは、上司から言われた仕事の中で判断を必要とする業務があった場合、「どうしますか?」ではなく、「私はこうしたいと思うのですが、これでよいですね」という意見なのです。


必要なことは、常に進化していかなければならないということです。当社のビジネスは人に喜び・安らぎを与えるものです。ホッとする瞬間を与えることが基本にあります。常に道を制しながら新しいものをどう取り入れていくかです。


高橋(政知・2代目社長)さんから学んだ点はハートです。とても豪放磊落(ごうほうらいらく)な方でしたが、その本質にはすごいハートがありました。もちろん、仕事でガンガン怒るときもありましたが、基本的には優しい人。ですから相手から信用されると、自分ものめり込んでいく人でした。それでいて決してエリート面しない。漁業交渉で何度か高橋さんについて行ったことがあるのですが、高橋さんは漁師の人と交渉するとき、学校の話は一切しませんでした。そうやって相手の懐に入っていったのです。


もともと私は出世にこだわっていませんでしたので、同期に比べて出世するのも遅かったのですが、歯がゆさなどを感じることはありませんでした。むしろ、自分がやるべきことが決まったら、その原理原則を理解しようと、とことん突きつめました。ですから、オリエンタルランドに出向しても腐っている暇はなく、その時々の仕事に関わる資格の勉強をして、結果的には7~8個の資格を取得しました。


35周年を迎えられたのは、皆様に支えてもらったおかげなので、これからも皆様の期待に応えていかなくてはいけません。新しいイメージの「東京ディズニーリゾート」をどうして行くか。それが非常に大切ではないかと思っています。


今まで、社員制度は有期採用と無期採用の2つでしたが、有期雇用の社員約800人全員を無期雇用へと切り替えました。コストは上がりますが、当然覚悟の上です。プロフェッショナルな人財の育成を強化するなど、事業を成長させる上で欠かすことのできない人財への投資を行ってまいります。


加賀見俊夫の経歴・略歴

加賀見俊夫、かがみ・としお。日本の経営者。東京ディズニーランドを運営する「オリエンタルランド」社長・会長。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、京成電鉄に入社。その後、京成電鉄・三井不動産・朝日土地興業の合弁会社オリエンタルランドに移籍。東京ディズニーランド開園時には総務部長を務めていた。夢の国というイメージを守るため、お弁当持ち込み禁止を強く主張したことでも有名。

ページの先頭へ