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加藤諦三の名言

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加藤諦三のプロフィール

加藤諦三、かとう・たいぞう。社会学者、作家、ラジオパーソナリティ。ラジオの人生相談番組で数多くの相談を受けた。早稲田大学理工学部名誉教授。教授時代の専門は社会学。自己啓発系の著作を数多く執筆した。

加藤諦三の名言 一覧

トラブル・メーカーに対しては、「この人はそういう人なんだ」と、割り切って付き合うしかない。下手に付き合うとこちらが疲れるだけです。あなた自身も強い内なる力を持って、トラブル・メーカーとは距離を取るようにしましょう。


なぜ、職場でトラブルを起こす人は、またトラブルを起こしてしまうのでしょうか。その人が抱える「心のトラブル」が、人間関係を通じて表れているからです。


失敗はたんなるひとつの体験です。「失敗した自分を人がどう思うだろうか」と考えるから悩みになるだけです。


あるアメリカ人の物語です。1831年、その人は事業に失敗しまた。32年、州議会選挙に落選しました。35年に恋人が死亡、36年に神経衰弱を患い、38年に州議会議長選挙に敗北。40年には大統領選挙人団の選に漏れました。43年には下院議員に落選しました。48年にも落選しました。54年、上院議員に落選しました。56年、副大統領選挙に落選。58年、上院議員に落選しました。そして、60年にどうなったか。その人はアメリカで最も尊敬される大統領になりました。リンカーンです。リンカーンはなぜ失敗に強いのでしょうか。なぜ奴隷解放という偉大な事業ができたのでしょうか。人を見ていないで、頂上を見ていたからです。人を見ていないで、自分の努力を見ていたからです。


失敗をどう受け止めるかということが、人間をテストする最良のものだと、カーソンという人がいっています。彼は運について研究した人です。さらに彼は、もっとも成功した人は不運から人生をスタートしているといいます。失敗のなかで鍛えられ、自分を向上させる人もいれば、失敗に負ける人もいる。「この失敗のおかげでこんなにいいことがある」と思えれば、失敗は苦しみになりません。


失敗しても、その失敗をどう次の成功に結びつけようかと頑張る人もいれば、座って嘆いているだけの人もいます。失敗に対する対処の仕方で、失敗は成功への一里塚ともなれば、泥沼にもなります。何が起きても「私はここから何を学べるか」と思う人は、最後には幸せをつかみます。起きた事態は勉強の教材みたいなものです。


心理的に健康な人は、失敗した自分をダメな人間だとは思わないで、そこから出発します。悩んでいる人と悩んでいない人の違いはそれだけです。失敗という体験に違いがあるのではなく、失敗という体験の解釈が違うだけです。


「マネージャーに昇進したが、部下が思うように動いてくれない」と悩んでいる人は、「それで自分の価値がなくなった。その失敗で人間としての価値がなくなった。失敗した自分はダメな人間だ」と思っています。そう思うから悩んでいるのです。「部下が思うように動いてくれない」という事実で悩んでいるのではありません。


同じ失敗でも、名声追求の過程で失敗した人と自己実現の過程で失敗した人では、その失敗によって被る心の傷がまったく違います。名声追求の過程で失敗した人にとって、その失敗は心理的に痛手ですが、自己実現の過程で失敗した人にとって、失敗はたんなる一つの体験にすぎないのです。「現実と接する」この一点を守ることで解決する悩みはたくさんあります。


いま、「営業成績が思うように挙がらない」と悩んでいる人は、営業成績が思うように挙がらないという事実で苦しんでいるのではありません。いままでの生き方といまの心の持ち方が、悩みの原因なのです。そこを間違えると、死ぬまで悩みは解決しません。


痛みという生理的現象でさえ、心の持ち方に大きく左右されます。同じ傷を負っても、同じように痛いのではありません。ハーバード大学の麻酔科のビーチャー教授は、治療が必要なほどの激痛の頻度を、第二次大戦で負傷した兵士と一般人の対応群とで比較しました。兵士は広範囲にわたって負傷していましたが、モルヒネを用いた治療を求めたのは32%だけでした。それに対し、一般人のほうでは83%でした。驚くべきことに、戦争での負傷者は、比較的、痛みから解放されていたのです。さらに注目に値するのは、負傷した兵士たちは楽観的で、陽気でさえあったということです。兵士は戦場から野戦病院に運び込まれています。絶望的に不安な地域から比較的安全な地域に運び込まれているわけです。彼らは、「災難は終わった」と考えていたのです。


がんを宣告されて死を意識したとき、病院からの帰り道に雑草が美しくみえた、空が輝いていた、家に帰ると妻が女神にみえた。そういった人もいます。逆に、すっかり落ち込んで、すべての人に憎しみを感じた人もいます。家に帰って妻を殺したいと思った人もいます。同じ言葉がまったく違って受け取られるのです。


『Twin Demons』という本があります。そこに書かれている話です。二人の人がレストランで食事をしています。一人は蛙の足と生カキを注文します。それが最高の味であることを期待しているからです。もう一人は蛙がのたくったり、カキが泥のなかで繁殖したりしているのを想像し、それが自分の食道を通り、胃の中に入ることを思い、吐き気を催します。同じものを食べていても、これだけ違うのです。この本の著者は、同じ体験が幸福にもなるし不幸にもなると主張しています。


心理的事実と客観的事実とは違います。人は客観的事実ではなく、心理的事実で生きています。長いあいだ、「醜いアヒルの子」で生きてきた人もいます。間違った思い込みで生きてきた人です。そういう人は、一人で勝手に悩んでいます。一人で悩みをつくって生きています。事実は違うのですから。


青春時代とは問題のないことが異常なのである。問題がある方が正常なのである。いや、人生は一生、問題をかかえているのである。青春には青春の問題があり、老年には老年の問題がある。青春の問題を解決できないような人間は、老年になればまた老年の問題を解決できない人間なのだ。


将たる器という言葉があるが、将たるものは明確な意志を持ち、決断のできる人でなければならない。何事につけても「君に任すよ」と言いながらも、何事につけても不満な上役がいる。自分に意見があったうえで「君に任すよ」というのは相手に対する信頼感があるから言えることである。ところが、自分に意見がなくて、どうしていいかわからないから「君に任すよ」という上役がいる。こういう上役は要注意だ。上の人が自分に意見がなくて君に任すよというくらいなら、下の者としては隅々まで指図された方がずっとやりやすい。


人と人とを繋げる能力のあるタイプもいれば、最後のツメの仕事で集中力を発揮するタイプもいます。そのように自分の適性を社会に適合できれば、問題は起こらないのに、情緒的未熟さゆえに自分の価値を見誤っている人が、トラブル・メーカーになってしまうのです。もちろん、その人は能力がないわけではなく、むしろ有能でさえあるかもしれません。しかし、社会の中で、まだ自らの心理として自分がどうすれば生きるのかが、わかっていない。心の内側が成熟していないのです。


社会心理学者のエーリッヒ・フロムは「神経症的非利己主義」という言葉を用いています。「非利己主義」つまり自分のためではなく、他人のために行動をしている。一見するとそのような利他性は好ましいように見えますが、「神経症的非利己主義」の人間は、相手のことを理解できない、望むものがわからないのに、闇雲に一生懸命に「他人のため」に行動してしまっている。なぜそうなってしまうかと言えば、「他人が自分をどう思っているか」でしか、自分を評価できないからです。ですから、自分自身を省みることなく、他人の本当の思いを考えることなく、自らが「認められたい」という理由で突き進んでしまう。結果、コミュニケーションをうまく取れず、操め事を起こしてしまう。自分で自分を支えられない、「心の未成熟」を持ったままなので、どこの職場でも、どんな人間関係でも自分の心の葛藤を自分の内面ではなく、他人を巻き込む安易なやり方で解消しようとするので、トラブルが起きてしまうわけです。


うまくいっている人間関係とは、自分がやりたいことと、他人からの期待が合致している関係です。たとえば、リーダーシップの持ち主だと自任する人が、周囲からも「あの人にはリーダーシップがあるから、それを発揮してほしい」と期待されている場合は、非常にうまくいっている職場だと言えるでしょう。反対に、自分は「リーダーシップを見せたい」と考えていながら、周りからは「リーダーではない」と思われている場合は厄介です。誰にも求められていないのに、一生懸命になってしまい、あまつさえ「自分はこんなに頑張っているのに、認められない」と怒りを感じてしまう。このような「自分の能力」を勘違いした人間が、えてしてトラブルを起こしてしまうのです。


加藤諦三の経歴・略歴

加藤諦三、かとう・たいぞう。社会学者、作家、ラジオパーソナリティ。ラジオの人生相談番組で数多くの相談を受けた。早稲田大学理工学部名誉教授。教授時代の専門は社会学。自己啓発系の著作を数多く執筆した。

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