加藤照和の名言

加藤照和のプロフィール

加藤照和、かとう・てるかず。日本の経営者。「ツムラ」社長。愛知県出身。中央大学商学部卒業後、津村順天堂(のちのツムラ)に入社。米国法人社長、ツムラ広報部長、取締役執行役員コーポレート・コミュニケーション室長などを経て社長に就任。また、日本漢方生薬製剤協会会長を務めた。

加藤照和の名言 一覧

伝統とはそのままでは守れないもの。伝統とは革新の連続である。


とにかく何でもいいから売れるものをつくるのではなくて、自分たちが売るべき薬とは何かを深く考える、すなわち「良薬を追求し、さらに進化させる」という信念を大切にしています。


経理部門で9年間働いたあと、子会社の整理・清算を手がける新設部門へ移りました。当時の社内では誰も経験したことがない未知の業務で、非常に過酷な日々でしたが、よき出会いにも恵まれ、乗り越えることができました。この時の経験は、かけがえのない財産として今も私の支えになっています。


経営者感覚を持つ社員を育てるには、40代前後で小さな会社の責任者を経験するのが一番だと思います。つまり、自分が最終の意思決定者であり、自分の後ろにはもう誰もいないという状況に置かれることです。


創業者がいる間は存在そのものが理念ですから、それをあえて文章化する必要はないのかもしれません。しかし2代目以降はそれが必要になります。そして、正しい経営理念を持つためには、その背後に正しい人間観の裏打ちが必要です。


理念を継承し、人を育てるにあたっては、やはり創業者の精神にふれることが最も重要だと考えています。どの企業においても、歴史を経るうちに創業者は次第に遠い存在になっていくものです。そのため、当社では創業者の足跡を学び、その精神にふれるよう努めています。


経営では、やるべきことをやり、やらざるべきことをやらないという判断が極めて重要ですが、その拠り所となるのが経営理念です。経営理念をいかに浸透させるか。そして、理念にもとづいてビジョンを立て、計画に落とし込んで実行していく。それをあたかも自転車に乗るような自然な感覚で実行できるまで持っていくのが、今の私の経営のテーマになっています。


「理想の組織像は漢方薬である」と私は考えています。漢方薬は、それぞれ薬効を持つ複数の生薬から成っています。一緒にエキスを抽出すると、それぞれの生薬が相乗効果を発揮し、また別の薬効を生み出します。あるいは、生薬が互いに調和して、絶妙なバランスを保持します。「天地自然の理法」に従えば、人の組織も同じです。異なる人財がそれぞれの知恵を出し合い、シナジーと調和を両立させながら、より大きなパワーを生み出すことができるということ。


新入社員の頃、『松下経理大学の本』に出会いました。そこには経理のことだけでなく、「衆知を集める」「ダム経営」「水道哲学」など、これまで幸之助さんが提唱されてきた経営のエッセンスも随所に記されていました。社会人としての第一歩を踏み出す時に、こうした一流の仕事観、経営観にふれられたというのは、誠に幸運なことでした。それ以来、幸之助さんの本をいろいろと買い求めて仕事の指針としてきました。


当社の創業者(津村重舎)は「良薬は必ず売れる」という信念を持っていました。その信念は、「いい薬は多くの人に使っていただかなければならない」という使命感に裏づけられていたと思います。もちろん、商売を始めたからには、資金繰りや規模の拡大など、様々な経営課題を解決していかなければならなかったでしょう。しかし、その背景には、「いい薬を多くの人に使っていただく。それが世の中の繁栄につながり、人々の幸せに貢献することである」という思いがありました。現代の私たちも、そこは全く同じです。


35歳の時にアメリカに渡り、38歳でマーケティング会社の立ち上げを命じられました。それほど規模は大きくありませんが、この時初めて本当に「経営する」という経験をさせてもらいました。これは、ほとんどゼロからのスタートでした。倉庫兼本社を借り、人を雇い、日本から商品を輸入する。商品はそろっても、在庫管理システムがないから、慌ててシステムをつくる。ところが、いざ販売を始めると、インボイス(通商上の書類)一枚出せないことがわかり、慌てて出せるようにする。そんな具合に、細かいことまですべて自分たちの手でつくり上げなければなりませんでした。


米国法人立ち上げのときに、利益よりも資金がモノを言うことを痛感しました。商品を仕入れて在庫して、そこから売るというビジネスをしている限り、先にお金が出ていき、後から入ってきます。たとえ利益が出ていても、資金がショートしてしまえば倒産するという危機感を初めて肌で感じました。一会社員ではありましたが、このような創業経験ができたことは、とても幸運だったと思います。


経営トップに限らず、当事者意識を持って仕事に取り組める人間を育てることが重要なのです。小さな経営体では、「自分がやる範囲はここまで」とか、「それは私の仕事じゃない」などとは言っていられません。例えば、決算の棚卸の時などは、地面に這いつくばってでも在庫の数をきちんと数えないといけない。営業担当であろうと経理担当であろうと、関係ありません。つまり、「やらされている」のではなく、自分の頭で考えて理解してできること、自主自立で動くことが、日頃から求められるわけです。


2週間の研修のあと、配属されたのは経理部門でした。元々、営業志望で入社しましたから、正直なところちょっとがっかりしました。そんな時、東京・八重洲の地下街を歩いていて、たまたま立ち寄った書店で目に留まったのが、『松下経理大学の本』でした。私が当初抱いていた経理のイメージは、この本によって完全に覆されました。経理は単なる会計係ではなく、「企業経営の羅針盤」の役割を果たすべきもの、つまり、経営管理、経営経理でなければならないと述べられています。ですから本書の冒頭には、「初めに経営基本方針ありき」と謳われていました。大学時代に経営学を学んできたものの、経理から見た経営という観点には初めて気づかされました。


加藤照和の経歴・略歴

加藤照和、かとう・てるかず。日本の経営者。「ツムラ」社長。愛知県出身。中央大学商学部卒業後、津村順天堂(のちのツムラ)に入社。米国法人社長、ツムラ広報部長、取締役執行役員コーポレート・コミュニケーション室長などを経て社長に就任。また、日本漢方生薬製剤協会会長を務めた。

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