出口治明の名言

出口治明のプロフィール

出口治明、でぐち・はるあき。日本の経営者。ライフネット生命保険の創業者の一人。三重県出身。京都大学法学部卒業後、日本生命に入社。バブル全盛期には生命保険業界の取りまとめ役を務めた。その後、58歳でライフネット生命保険の前身であるネットライフ企画を設立。ライフネット生命保険は、日本で74年ぶりに誕生した親会社に保険会社を持たない独立系生命保険会社。

出口治明の名言 一覧

僕が生命保険の仕事を始めたのは全くの偶然でした。でもやってみないと何が天職かわからないですから。おそらく最初から「これが自分の天職だ」と思って仕事をしている人は少ないと思いますよ。


僕は人生は偶然の産物だと思っていて、「川の流れに身を任す」がモットーです。もちろん与えられた役割を全力でこなすのが前提ですが。その方が何が起きるかわからないし楽しいですよね。


世の中の常識のほとんどが非常識。


勉強を始めるタイミングに、「遅い」ということはありません。「無知ほど人間を堕落させるものはない」と肝に銘じて、今日から始めましょう。


自らが信じる何かを実現したいと強く思い、たとえ失敗しても諦めずに、1%の可能性を信じて挑み続けた人たちが、世界をより良く変えてきた。


すべての人間は、自分の能力を3割から5割増しに見る脳みそを持っている。だから「評価をされていない」と不満を持つのは当たり前といえば当たり前のこと。


人間とは何か、社会とは何かを理解しなければ、ビジネスの戦略は立てられない。


経営戦略を考えるとき、戦略に関する本ばかり読むのはお薦めできない。いいアイデアは、仕事のことをあれこれ考えているときには出てこない。仕事から離れて、仕事と関係なさそうな本を読んでいるときに、ふと浮かんでくることが多い。


みんなで議論して、同じ方向を向かなければ、勝てるものも勝てなくなる。


人生は自分探しの旅。人間は一生自分に合ったものを探し求めるもの。


人間は感情の動物であり、人生の豊かさは喜怒哀楽の総量。


スタートアップの9割は3年以内につぶれる。だが、そのリスクにチャレンジしなければ社会は変わらない。


日本経済の未来についてあえて言えば構造改革に尽きます。まず、生産性を上げること。


人生には波がある。天気と一緒で、晴れの日もあれば雨の日もある。その方が自然ですよね。鷹揚に構えていればいい。


事業は遊びではない。ビジネスです。どんなビジネスでも、徹底して事前調査をするのは当たり前のこと。


意志決定のスピードを高めるには、集中力を高めること。考える力は睡眠と一緒で「中身の濃さ」。10時間考えても、中身が薄っぺらだったらダメ。


成功体験を持っている人にそれを捨てろと言っても、なかなか捨てられない。今の日本のしんどさの原因は、「成功が失敗の母」になってしまっているからだと思います。


古典は熟読以外ない。古典を速読するのは、百害あって一利なし。ビジネスパーソンなら、古典をはじめとした良書を、じっくり読むといい。


運動にしても、思考にしても、技量というのは、毎日練習していく中で、ちょっとずつ上がっていくもの。毎日積み重ねていくことが大事。


脳も人間の体の一部。筋肉を鍛えるように、脳も鍛えなければ賢くなるはずがない。


失敗するのは当たり前。失敗を積んでいくうちに、人はだんだんと賢くなっていく。そもそも人生は、失敗の連続。僕もたくさん失敗してきた。


「知ることは楽しいことだ」と思える人は、さらに伸びる。自分は賢い、何でも知っていると思ったら、学ばなくなる。


ビジネスパーソンの仕事に、特別な才能は必要ない。必要なのは、好奇心と謙虚な気持ち。言い換えれば、誰もが伸びる可能性を持っている。


リーダーは、「自分はこれをしたい」というものを持っていなければならない。「したいこと」とは、強い思いや志、と言い換えてもいい。


ビジネスのほとんどは基本「儲かるかどうか」で合理的に答えが出るもの。


異質な人間を多く揃えないと経営は良くならないし、健全なビジネスにならない。


私たち年輩の人間は、若い人をもっと助けていかないといけません。日本の将来は若い人が引っ張っていくしかないんですから。


これからの人生では、いまのあなたが一番若いのです。どうか頑張ってください。


準備していれば、本当の夢を実現するチャンスが巡ってくる。


具体的な夢がなかったら、仮置きでもいい。人間は怠け者ですから、何か目的を設けないと動けない。


自分が買い叩かれたら、自分の価値を高めるしかない。勉強して自分の価値を高めるしかない。勉強に歳は関係ない。


目の前の結果に一喜一憂することなく、仕事と向き合えれば、ビジネスパーソンは成長し続けられる。


幅広い視野を持つと、大きな流れを感知できる。


説明が上手な人は、事前の勉強や準備をきちんとして、まず自分を納得させている。相手を説得するには、自分の納得感が必須。


説明する内容について事前に「やっぱりこうだ、これでいくしかない」と、その結論に自分が納得するまで考え抜くことが大事。


現場へ行き、自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分で判断するということがすごく大事。


「わかる」ということはすごく楽しい。腑に落ちるという感覚がすごく好き。


うまく仕事ができない人は、たいてい「詰め」が足りない。とくに外国人と仕事をするときには、詰めが甘いと通用しません。


僕は、世の中の人はほとんどみんな変な人だと思っています。人間はみんな顔が違うし、能力も異なるので、みんな異能人であり変人なのです。


仕事ができる人の机の上は、だいたいきれいです。「机の上の状態を見れば、その人の脳みその中身がわかる」と言う人もいるほどです。


日ごろから風が吹いたときに凧を揚げられる準備をしておきなさい。


部下が困っているときには全力で助けてあげることが大切。上司部下に限らず、人間関係の基本はギブ・アンド・テイクです。


大事なのは年齢や社歴ではなく、人を動かす方法を知っているかどうか。


最初から「誰の責任だ!」と怒鳴るような上司では、ミスが隠されて、事態はますます悪くなる。


3年後や5年後にはあまり興味がありません。私が考えているのは、100年後の世界一だけです。


大局観は少し現場から離れ、一呼吸置いて見ることで得られる。


その人の中身。それなしにどんな関係も続きません。


人間は自分に関心を持ってくれる人に胸襟を開く。


自分の中身を磨くには「人、本、旅」。普段からたくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろいろな場所へ足を運ぶことが、あなたの魅力をアップさせる。


自己主張が強い人は、同じ自己主張が強い人には弱い。逆に奴隷状態の人には強い。


コミュ二ケーションの要諦は、「あくまで上司から部下へ」です。


答えは自分たちの中にしかない。考える力を高めることなくして日本の再建はない。


我々は自分たちが持っているカードをきちんと洗い出すべきだ。


成功体験を捨てて足元を見ると、わが国にはこれまで気付かなかった強みがたくさんある。


戦後の延長線上で考えるから行き詰まる。


常に言行一致であることがリーダーの条件であり、その態度を見て、部下はリーダーに共感する。


リーダーの共感力とは、仲間や部下に対して、「君たちを大事に思っているよ」ということを、口だけでなく、いかに態度で表わせるかということ。


力を蓄えれば、いつか必ずピンチヒッターなどで活躍する機会が訪れます。


立派な業績を挙げたトップには、必ずリーダーシップのある名参謀がついている。


何かしないと、と焦れば焦るほど悪循環に陥ります。まずは気持ちを落ち着けて、時間をかけて自分の能力を向上させなくてはいけません。


部下の話を真正面からよく聞いてあげてください。話を聞いてその人を知ることで、より使いやすくなるという利点もありますから。


人間は、好きなこと・得意なことをやっているときが一番幸せです。そして、社員にそうさせる方が企業にとっても得なのです。


アイデアは思い詰めるほど出なくなるもの。


何が起こるか分からない世の中では、運と適応力のある者こそが勝つことになる。


我々は過去の体験しか未来に生かすことができないのです。過去に学んでいたからこそ、すぐに行動することができるのです。


歴史を知らずとも、じっくり考えることで同じ答えに至ることはあるでしょう。でも、考えている間に時間は刻々と過ぎ、手遅れになってしまうかもしれないのです。


最も大事なのが熱意。「これができないなら、僕は辞めます」くらいの熱意で語れば、反対している人もたいてい「そこまで言うなら一回やらせてみようか」という気になる。


リーダーの条件として、僕は後継者を選ぶ能力も重要だと考えています。偉大なリーダーでも、後継者選びに失敗したケースは枚挙にいとまがありません。


トップは孤独に耐えられなければ務まらない。


我々のようなベンチャーは、大手と同じような考え方をする人を採用しても成長するわけがありません。


名選手と名監督は違うから、やらせてみない限り名監督は育たない。岩瀬(大輔)がナンバー2で私を支えてくれ、安心できるまでに育ったから社長を譲ったのではない。育てるために譲ったのだ。


読書法について言えば、私が一番嫌いなのは速読です。速く読めて時間の有効活用だと思っている人がいるかもしれませんが、速読は時間のムダでしかありません。思考を追体験するというのは、より具体的に言えば「どうしてこう考えたのか?」という思考のプロセスを追っていくことです。丁寧に読むからこそ、思考のプロセスを理解することができるのです。


方向性がバラバラというのは、多くの会社で起こりうること。ただ、マネジメントの基本は「ワンボイス」。経営陣はワンボイス(同じ言葉)で方向を示すのが当たり前。


難しい本と真っ向から真剣勝負しない限り、何も身にはつきません。負荷を掛けなければ、筋肉がつかないのと同じこと。


21世紀の私たちは、いわば「海図のない航海」に出ているのです。絶対的なモデルがないから、どうしたらいいかは自分の頭で考えるしかない。


行動するには心の底から納得する「腹落ち」が必要です。頭でわかった気になったくらいでは、行動にはつながらないのです。


集中するためには、「速く仕事を終わらせよう」と常に意識すること。僕は何をやるにしても「どうすれば速く終わるか」を一所懸命に考えます。


職場は何よりも仕事をするところ。「今日も一日元気に頑張ろう」とベストコンディションで毎日出勤する。これが社会人の最低限の心構え。


パワハラなどで部下に嫌われるのは論外ですが、人には好き嫌いがあるので、多少部下に嫌われるのは仕方がない。


興味のない本はすぐに処分して、自分が好きな本だけ読めばいい。好きこそものの上手なれです。


数字・ファクト・ロジックだけでは抜けがあるかもしれない。最後は経験者の勘に頼ることも大切。


働き方は自分で決めればいい。でも、休んだ方が健康のためにはいいでしょうね。サステイナブルでなければ、いい仕事はできません。20代、30代は、たまに無理もきくとは思いますが。


「良い社員」とは、「短時間で優れた成果をあげられる社員」、要するに労働生産性が高い社員です。仕事ができたうえで人間関係もうまくできるに越したことはないのですが、ウエートで言えば、仕事の能力が9割で、人間関係は1割ぐらいだと思います。


「あなたは間違っている」と言ってくれる人をそばに置かない限り、人は必ず間違う。


何かをやり遂げたい強い思いを持ち続ける人は、迷っても失敗しても、何度でも立ち上がる強さがある。周りも手を差し伸べたくなり、思わぬ応援を得られたりもする。


出世し、人の上に立って支配することが目的のような人物をリーダーにすべきではない。何かを成し遂げたい強い思いがある人をリーダーにすべきだ。


高度成長期のように成長曲線が比較的想定しやすい社会では目標を立てやすい。でもいまは先が読めない世の中。こういったときに精緻な目標を立てると、どこかがズレたらすべてが狂ってくる。


どのような状況でも生き抜ける応用力をつけるために、自分の頭で考える力を養っておきましょう。


真のリーダーとは、「志」「共感力」「統率力」の3つがある人。一言で言えば、自然に人がついていきたい気持ちになるような人。それが、リーダーの条件。


同僚の愚痴は聞き流すのが一番。まともに聞いていたら、自分もストレスがたまり、疲れてしまう。人間の脳は興味のない話は構造的に聞き流すようにできていますから大丈夫。


私は、常に一期一会を大切にし、自分の直観を信じて即断即決。これが信条です。


実はライフネット生命を設立する8年前頃にも、ネットで生命保険を販売するアイデアをかたちにしようと動いていたのですが、その時は時期尚早と判断し、断念しました。風がなければ、凧は揚げられませんからね。


よく起業決断の理由を聞かれますが、恋愛と同じような感覚です。今の仕事よりも魅力的なものが見つかったから、そちらを選んだだけ。


人間は偶然の出会いを繰り返しながら、人生を構築していく生き物です。自分自身の転機を振り返ってみてください。すべての転機が何らかの偶然の出会いから生まれていることに気づくでしょう。


経営者の仕事は大きく2つ。メンバーが毎朝、会社に行きたくなるような楽しい組織をつくる。楽しければ必ずいいアイデアが生まれますから。これが9割。そして、残りの1割は、メンバーがわからないことをはっきり決めてあげる。これだけですよ。


長所を伸ばし短所を直すことは、トレードオフの関係です。短所を直すと、長所も削られて丸くなる。つまり、同様なメンバーばかりになり、環境変化に対応できなくなるのです。


ライフネット生命は、生まれて間もないベンチャー企業。人もお金も足りません。同じ保険業界には歴史ある大企業がいくつもあり、新興企業がそれと同じことをやっていては、絶対に勝てません。生き残っていくためには「いかに人と違うことを考えるか」がすべてです。


私はよく「時間は有限である」と言っています。時間が無限にあると考えるから、仕事をダラダラとしてしまうのです。


仕事だけをしていても、これからの時代に必要な「考える力」は養われません。空いた時間で自分に投資することこそ、仕事のスピードを高める一番の目的なのです。


いまの自分が一番若い。迷っているとその分だけ歳をとって元気がなくなる。挑戦するなら早ければ早いほどいい。


「ゆとり世代」という見方にも問題がある。人間は世代に関係なく、みんなが個性的でそれぞれ違う。ステレオタイプで人を捉えるべきではありません。


やる気が見えないというのは、与えられた仕事とやりたい仕事にミスマッチが起きていることが多い。面白いと思える仕事を与えれば、部下は頑張るはず。部下のやる気を引き出すのが上司の仕事。


まず、質・量ともにその人の能力に見合った仕事を与えているかどうかを考えてみてください。部下の能力、やりたいことをきちんと理解して、仕事に打ち込める環境をつくることがマネジメントの基本です。


自分が情熱を持って仕事に打ち込んでいるかどうか、我が身を振り返ってみてください。新人は先輩を見て育つので、あなたがロールモデルでなければなりません。


物事を理解してもらうには、絵を描くのが一番早い。できるだけわかりやすく図解する。たとえば、自分の子供に説明するとき、「こういうことだよ」と絵を描いて説明するでしょう。


「やる」と決めたら集中できる。やるしかないという選択肢を選べば、うだうだ考えるのは時間の無駄だということが腹落ちするはず。


毎日を充実させることが、将来への準備となる。よくわからない先のことを心配している時間は無駄。


遊び心のない職場は楽しくない。職場が面白ければ毎日行くのが楽しくなる。


ライフネットは若い人向けの保険。若者のアイデアこそ貴重なんです。


30歳のときに決めた人付き合いのルールは「基本的に人の誘いを断らない」です。それ以降、夕食を自宅で取った記憶はありません。


今は体力よりもアイデアが勝負の時代。ムダな残業を削減し、「人・本・旅」から大いに学んでほしい。


日本もこれから労働の流動化が進み、世界基準での普通の社会になりつつあります。普通の社会では専門分野があった方がはるかに転職しやすい。


企業は自分の好きな分野、得意な分野で頑張って成果をあげた人が評価される場所です。そのほうが企業にとっても本人にとってもいい。


厳しい競争に晒されている世界では、「ゼネラリストで人材を育成しよう」というような悠長なことを言っていられるはずがない。


ある分野で飛び抜けた実績を収めている人は、「好きなことはとことんやる人間」だと考えられる。そういう人を採用して、あとは長所を徹底的に伸ばせばいい。長所とは、言い換えれば尖っている部分。


仕事は「事業を継続、向上させること」という当たり前の原則がわかれば、チームをストレスなく、伸び伸びと活躍させ、成長させることができる。


会社のこともすべてオープンにしたほうがいい。その覚悟で仕事をすれば、それがコンプライアンスだ。


立派な指導者は、一番下の人の意見を良く聞く。


早く帰れないから家事や子育てを手伝うこともできない。生産性も低くなる。ダラダラ残業が諸悪の根源。


やるべき仕事に集中し、そのほかのことを割り切れば、あまり疲れなくなる。そうして必要な仕事にだけエネルギーを注げば、早く帰れるはず。


成長に限界が訪れた時、業態を変えないと生き残れない。


売れる本と良書は違います。テレビで話がうまくて有名な学者が、学会で全く評価されていないケースはたくさんあります。短期的に見ると、一流の学者が書いた専門書は、三流の学者が書いたわかりやすいトンデモ本に淘汰されてしまう。


「忙しい中で古典を読む時間を確保するのは難しいのでは」と思われるかもしれませんが、歯磨きと同じように習慣にしてしまえばいいのです。私の場合、朝6~7時は新聞を三紙読む、夜は寝る前に1時間本を読むというのが、20代からの習慣になっています。


仕事に行き詰まったり、壁にぶち当たったときは、早く帰ればいいんです。それで、好きなものを食べて、風呂には行って、ぐっすり眠った後に、もう一回考えればいい。頭と体を切り替えなければ、いいアイデアも出ませんよ。仕事の質が低くなる。


社内は若い人が多く、彼らの意見こそが貴重だと思います。


私はリーダーの条件とは、究極的には3つしかないと思っています。

  1. 自分がこのポストにいる間に何をしたいのかを明確にすること。
  2. 自分のやりたいことにはどういう意義があり、いかに自分たちの組織のためになるのかを仲間に説得できること。
  3. 仲間を当初考えた目的地まで引っ張っていく統率力。

一人では何もできませんから、リーダーは自分の考えていることを仲間にもわかるように話せなければなりません。


データの裏付けのないものは、勝手な思い込みに過ぎない。そういうものをベースにしても長続きしないでしょう。


日本の老人経営者は、すぐに志とか信念を持ち出しますが、よく考えれば何を言っているのかわからない話が多い。そんなのデータがないじゃないかと言われたら、すぐに揺らぎますよ。事実やデータに基づいていない理念は共感を呼びません。


会社の経営には「タテ・ヨコ思考」が一番大事だと思います。タテ思考とは、10年前に比べて成長率はどうなっているかを見るという時間軸での発想です。しかし、売上が伸びていることだけで満足したらダメです。同業などと比較するヨコ思考も必要で、業界内のシェアも見ないといけません。「タテ・ヨコ思考」はいろいろな場面で応用できるのでお勧めです。


数字に対する感覚は、見るだけではなく、自分で数字をつくらなければ磨かれません。自分が所属するセクションの予算や売上目標など、取り扱う数字はなんでもいい。1年間の売上目標に対して、1人あたりどれくらい売る必要があるか、といったように計算してみる。上から与えられた数字を「はい、やります」じゃなくて、自分でつくってみるのです。


数字を効果的に使えるようになるには、ただ数字を見るだけでなく、自分で検証する訓練をすることです。


ビジネスは、「数字」「ファクト」「ロジック」がずべてだと考えています。会社というのは合理的な経営体で、長期の経営計画や決まった年間の予算がある。こうした取り決めに対して、どうやった方が効果的かということでしか意見の対立は生じないわけです。「数字」と「ファクト」を出し合って、どちらの「ロジック」が正しいかを考えれば、結論なんてすぐ出ます。


どんな会社でもステージによって見る数字が違います。ライフネット生命はまだ伸び盛りですから、新契約価値(ある期間に獲得した新契約から得られる将来利益の現在価値)しか見ていない。でも、私が日本生命の社長だったら新契約価値は見ないでしょう。業界内で自社のポジションを把握し、どういうステージにあるかを認識したうえで、経営にとって何が大事かを考えることが重要です。


日本の所得分布をみると、子育てを終えた世代よりも、これから子育てをしようとする若い世代の方がずっと貧しい。これが少子化の原因だと思います。こういったデータがあるから、子育て世代の生命保険を半額にして、安心して赤ちゃんを産んでもらおうということを、会社をつくるうえで旗印にしました。思いや願いの背景に数字があるわけです。


我々は全国枠でテレビCMをやったことがなく、地区と期間を限定して流しています。その結果、どのくらいのお客様がホームページにアクセスし、実際にどれくらい契約に至ったかを見ているのです。地区を限っているから、何もしなかったところとの比較ができます。効果があり1件あたりの獲得コストも安いという仮説が立てられれば、ほかの地区でもやる。いくつかの地区で行った結果、費用対効果が見えてくれば、料金が高い東京地区でもやってみようとなるわけです。


何も努力していなければ、神風が吹いたときに自分の凧を揚げることができません。大切なのは、来たるべきときに備えて準備をしておくことです。


将来何が役に立つかなんて、簡単にわかるものではありません。ですから、仕事でも私生活でも、普段からできるだけ異質で多様なことをして、インプットの種を増やしておいた方が将来的なメリットは明らかに大きい。そういう意味で、無駄な努力などないと思います。


ただ頑張るだけでは競争に勝てません。どうも日本人には、いまだにそのあたりを勘違いしている人が多いような気がします。


仕事ができるというのは、人より多くの付加価値を生み出すことだと私は思います。そのためには、隣の席の人より長く働くのではなく、隣の席の人が思いつかないようなことを考えられるようにならなければいけません。「人と同じことは絶対にやらない」という気概がなければ、新しいビジネスの発想は絶対に生まれません。


若いうちは上司から指示された仕事をきちんとこなすことが大切ですが、それをどう達成するかは自分で考えるべきです。


私が新入社員だったときには、上司に仕事を頼まれたら、「何のためにその仕事をやるのか」ということをまず確認していました。そのうえで、その目的を効率的に達成するにはどうすればいいかを考えて実行するのです。さらに、先輩たちはどういう方法でそれをやっていたかを聞いて、自分のやり方と比べてみるということを習慣にしていました。そうすれば、たとえ雑用のような仕事だって、頭のトレーニングになります。


努力が実りそうもないから何もしないというのは、生き方として疑問です。「この世界に生きる一人一人の人生は、世界経営計画のサブシステムである」というのが私の考えです。全員がいずれかのパートでふさわしい役割を果たすからこそ、この世界が維持されている。あなたの努力はあなたの人生だけでなく、この世界のあり方にも確実に影響を与えているのです。


努力をすれば必ずその分報われるといった幻想を持ちすぎてはいけません。厳しい言葉かもしれませんが、それが事実であることは歴史が証明しています。いつの時代も人間の努力の99%は徒労に終わってきました。しかし、努力をやめなければ、人生には1%の可能性は常に用意されているのです。


自分の仕事のスタイルが完成するぐらいの年代であれば、キャリアアップを前提にした仕事選びをすることもあり得ますが、若いビジネスマンはあまり好き嫌いを言わず、目の前のことに一生懸命取り組めばいいと思います。


いくら肉が好きでも、肉だけを食べていたら健康を損ねてしまうのと同じで、自分の興味や関心の範囲だけで仕事をするとインプットの幅が非常に狭くなります。とくに若いうちは、やりたくないこと、役に立ちそうにないことにも取り組んで、脳のいろいろな部分をまんべんなく刺激すべきです。


会社の都合に従う代わりに毎月給料が支払われる。それが会社員の仕事の基本です。上司から仕事を命じられたら、それがつまらない仕事に見えてもすべてやるのが当たり前です。ただし、どうせやるなら楽しくやった方がいい。自分の頭でやり方を考えるというのは、仕事の能力をあげるためのテクニックでもあるのです。


ピーター・ドラッカーの本が世界で一番売れている国は、日本だということをご存知ですか。ドラッカーの読者が増えたからといって、企業が成長しているかといえば、日本企業の業績も株価も低迷したまま一向にあがってきていません。要するに、他人に遅れまいとして、横並びの発想で同じ知識を頭に詰め込むことばかりにとらわれているからでしょう。


既存の生保では、販売員の組織を維持することがすべてに優先するようになり、普通の商品がつくれなくなってしまいました。恋人や両親に安心して勧められるようなわかりやすい商品をゼロからつくりたい。


以前、ふたつの銀行を統合した欧州の金融機関の経営トップがこう言っていました。「ひとつのポストにふたりの責任者がいたら、優劣を決めてどちらかひとりを選べばいいだけのこと。簡単な作業だ。選ばれなかった人間は残さず解雇して、労働市場に出してあげる。そうして、他社で活躍してもらう。この方が当社にとっても本人にとっても幸せだろう」。こうした考え方に学ぶ点は多いと思います。


定年制も含め、日本企業は雇用形態についていま一度、見直すべきだと思います。他社と経営統合した後に、たすきがけ人事なんてこをとして、経営がおかしくなっている企業も少なくありません。


多くの日本企業では、若手・中堅がベテランを上手に活用することさえ現実できていない状況です。それなのに、外国人従業員を連れてきてダイバーシティ(多様性)を推進するといっても、本当にできるのでしょうか。従来の雇用形態を維持したままで、海外の人材を増やせば、グローバル化が図れるというのは考えが甘いでしょう。


年功序列主義で企業が健全に成長しているのであれば、実力成果主義を導入する必要などないでしょう。しかし、仮に年功序列型組織で成長していないのであれば、やはり見直すべきだと思います。


定年制がないだけでなく、当社には年功序列の考え方もありません。若手がリーダーを務め、年長者を部下として抱えていることもあります。良い商品・サービスを提供するために、年齢など関係ありません。若手を無理に抜擢することもなければ、高齢者だからといって厚遇することもしません。個人の実力に応じて、適所適材で活用するだけのことです。


少子高齢化が進んでいる日本では、今後、労働力が不足するのは周知の事実です。こういう状況で、定年制があること自体おかしいのではないでしょうか。時代が変化しているのに定年制を維持している。この点だけに限りませんが、日本企業の多くは従来のやり方を後生大事にして何も変えない。その結果、競争力が低下して株価も低迷しているのだと思います。


反対する方は企画の甘いところをついてくる。だから、反論できないように「数字・ファクト・ロジック」の精度を上げておくことがまず大事。わざと突っ込みどころをつくっておいて、突かれたら「素晴らしいご指摘ですね」と徐々に論破していく戦法もあります。


いい本は時間がかかってもいいので、辛抱して最初から最後まで精読すること。飛ばし読みをしてはいけない。いい本は、読んですぐに役に立たなくても、内容が読み手の血肉になって、どこかで必ず生きてくる。


人生には、成功の法則などない。先人の生き方をケーススタディにして、生き抜く知恵を学ぶしかない。偉人たちは天才です。天才は文字通り天賦の才能ですから、なかなか一般の人が同じような偉業を成し遂げることはできないでしょう。しかし、生き方を模倣することはできるはず。


子供の頃、ほとんどの人は「偉人伝」を読んだことがあるでしょう。そのときは、昔の英雄たちの活躍に、胸を躍らせたり、感動したり、憧れたりしただけだったかもしれません。ビジネスパーソンの皆さんには、そうした伝記をぜひ、もう一度読み返してもらいたい。なぜなら、偉人伝こそ、最高の人生の教科書だからです。


我が国の関連会社の人事では大抵親会社のトップ争いに敗れた人が一番大きい関連会社に行き、70歳ぐらいまで社長をやる。専務で敗れた人が次のクラスの関連会社の社長になり、常務で敗れた人はそのまた下のクラスの関連会社の社長になる。こんな無駄なポストの使い方はない。外に出て自分の力で修羅場を乗り越えた者を引き上げるべきだ。


1990年代に米シティコープのリーダーだったジョン・リード氏は、経営者の資質があると思った若者をまずシティグループの子会社の社長に抜擢した。そしてナンバー1として孤独に耐え、きちんと1人で物事を決めることができるかどうかを見極め、初めてグループの幹部候補にした。日本の大企業や金融機関にもたくさん関連会社がある。選手として優秀な人間に関連会社の社長をさせ、素質があるかどうかテストしてみてはどうか。


読書は丁寧に思考のプロセスを追っていくことでこそ、様々な著者の思考パターンを学ぶことができます。とくに役立つのが、賢人の思考パターンを理解すること。だから、古典を丁寧に読むことが大切なのです。


ビジネスマンに成り立ての頃、ある先輩に「管理職になったら、部下の言うことを良く聞くこと」と教わりました。「賛成か反対か、部下の意見をちゃんと聞けと言うことですね」と聞くと、「そうではない」と言いました。「賛否のような結論は、話を聞かなくても数秒でわかる。大事なのはなぜ反対なのか、なぜ賛成なのか。部下の考え方のパターンを知らないと、その部下を上手に使えないだろう」と言うわけです。


「学生時代に勉強をサボってしまった自分はどうすればいいのでしょうか?」と聞く人がいます。そういう人は今日から勉強すればいいだけの話です。今後の人生を考えると、いまの自分が一番若いのですから。


ライフネット生命の採用試験では、難しいテーマを与えて字数無制限で論文を書いてもらっています。これは考える力を見たいからです。


地頭の良さとは何かといった抽象的なことを考えるより、まず必死に勉強することが大事だと思います。


私は人の頭の良し悪しに大差はないと思っています。みんな「チョボチョボ」ですよ。もともとの頭の出来で言えば、そんなに賢い人もいなければ、そんなにアホな人もいません。


会社と直属の上司の方向性が違うのであれば、「それでは仕事ができません」と言うしかありません。極端に言えば、社長が「北極へ冒険に行くんだ」と言っているのに、直属の上司が「僕は南極に行きたい」と言っているようなものでしょう。


教養は仕事に圧倒的に効く。グローバル企業の経営者と少し話をするだけでも、彼らの、人生や社会に対する深い洞察に気づかされます。教養のない人にはちゃんとした仕事はできない。私は心からそう感じる。


どんな仕事でも、仕事の相手は生身の人間です。だから、人間の喜びや悲しみについて知ることは、誰にとっても必須。文学は、その意味で、何よりの教材になります。読む本は古典でもいいですし、芥川賞などの賞をもらった現代文学でも構いません。


歴史、経済・金融、この知識なくして、社会状況を正しく把握することはできません。例えば、金融緩和をさらに進めた方がいいのかどうかすら、判断できないはずです。そんな人が、仕事上の判断を正しく行えるわけがありません。


10冊のビジネス書より、1冊の古典。人々が何千年にもわたって、取捨選択を繰り返し、選び抜いたものだけが、古典として受け継がれてきている。


アダム・スミスの『国富論』を開き、「見えざる手」の部分だけ読んでも無意味です。それならウィキペディアを引いた方がいい。本を読む醍醐味は、著者の思考プロセスの追体験にある。飛ばさず、1行ずつじっくり読む。


本を読むのは、時空を超えて、著者と話すこと。速読なんてしてはいけない。人に会っている時に、要点を早口で話しても、何も得られないでしょう?


人はその土地と風土の創造物だ。誰もが自分の生まれ育った土地や、先祖への愛情を抱いている。だから、あらゆる人たちと胸襟を開いてつき合うためには、世界中の歴史と地理を学び、相手の背景を知る努力をすべきだ。


いわゆる報連相というのは部下に強いるものではなく、管理者自身のための言葉です。若い人に元気がなかったり、腹が立ったような顔をしたりしていたら、こっそり別室に呼ぶとか、昼食に誘うなどして、報告・連絡・相談をしやすい雰囲気をつくるのが上司の仕事でしょう。


時間をつくるには、まず捨てられるものは捨てる。私はテレビとゴルフを捨てました。これだけでずいぶん時間ができます。そして、やりたいことを習慣にすることです。忙しいからといって、風呂に入らない人はいないでしょう。読書や新聞を読むことも、風呂や歯磨きと同じ習慣にしてしまえばいい。強い意志をもって歯磨きを継続している、という人はいないでしょう。


表面的な議論に囚われるのではなく、数字・ファクト・ロジックという、しっかりした岩盤にまで掘り下げて考えるクセをつければ、本で読んだ内容にいちいち振り回されることはないでしょう。


本のなかで語られている主義主張や政策といったものは、必ず根拠をもっています。そして、その根拠は数字にすることができるはずです。数字で表わした根拠をベースに判断する習慣をつければ、本を読んでその主張を鵜呑みにするということはなくなります。


読書でとくにお勧めしたいのは、古典を読むことです。古典は長いあいだマーケットで評価されて残っている本です。長く評価され続けているのは、いいことが書いてあるから。僕はいつもいっていますが、いま売れているビジネス書を10冊読むなら、古典を1冊読むほうが役に立ちます。


リーダーに必要な資質を身につけるには、人間を知ることが大切です。人間はどういう動物で、どのように行動するのか。人間を知ろうと思えば、たくさん人に会い、たくさん本を読み、たくさん旅をして、いろいろな事象を知ることに尽きます。


いくら強い志があっても一人では何もできませんから、なぜそう考えるのか、どうすれば理想を実現できるのかを、人に説明して共感を得る能力が必要です。


どんなプロジェクトでも、山あり谷ありは避けられません。「谷」の時期には、メンバーは元気を失います。そのときに、みんなを安心させて最後まで引っ張っていく力が必要になります。一般には統率力といわれるものですが、その実態を考えれば、コミュニケーション能力ということでしょうね。一人一人と丁寧にコミュニケーションを取って、盛り立てていく能力です。


40代からの勉強では、リーダーとなることを意識しなければなりません。リーダーには強い思いが必要です。「志」といってもいい。世界のあり方をどのように理解し、そのうえで、何を変えたいと思うかが大切です。


普段、私が経営判断をするうえでもっとも参考にしているのは、モンゴル帝国の皇帝クビライです。ヨーロッパでは十字軍や異端審問が行なわれていた時代に、彼は思想・信条・宗教と政治を切り離していました。首都・大都(のちの北京)の設計をムスリムの技術者に任せたことが好例です。この例にかぎらず、彼は中国人やペルシャ人、アラブ人など、さまざまな国・地域から優秀な人材を登用しています。徹底的に合理的なのです。いってみれば、ダイバーシティの先駆けですね。経営判断をするときには、社会の常識に囚われていないだろうか、クビライのように合理的に判断できているだろうか、とつねに自分を顧みています。


私はよく「『済んだことに愚痴を言う』『人を羨ましいと思う』『人に褒めてもらいたいと思う』、人生を無駄にしたいならこの3つをたくさんどうぞ」という言葉を口にして、自分を戒めるようにしています。


いくら自分の抱えている問題を解決してくれるような言葉を本の中に見つけ、気持ちがすっきりしたとしても、そこで終わりでは何も変わりません。大事なのは行動に移すこと。


歴史に問題解決のひとつのヒントを求めるのは、有効な手段です。古今東西の歴史を調べると、先が見えない状態で正しい意思決定を行ったり、未曾有の危機に直面しながらそれを乗り越えたりといった例が、いくつも見つかります。そういう先人の足跡を学び、参考にするというのは、きわめて合理的だといえます。


僕は、仕事が速かったおかげで、オンとオフは完全に切り替えることができた。


ミスを隠そうとするから余計にミスが起こる。私の会社では、問題が起きたらまず「ギャーッ」と叫べと言っています。叫んだら皆が集まってきて「どうしたんだ?」となるのでミスが直るのです。原因や責任はあとで考えればいい。


人間は多かれ少なかれ、必ずミスをする動物です。ミスをするのはむしろ健全な証拠。自分を責めすぎてはいけません。ミスが起きる前提で仕事の仕組みをつくっておくことの方が大事。


時々、「やはり飲みニケーションが大事ですよね」などという人がいます。彼らには「これからの時代の管理者の在り方について自覚が足りませんね」と指摘させていただいています。たとえば、もし部下が宗教上の理由でお酒が飲めない場合、飲みニケーションを強要するわけにはいきませんよね。


人間は「自分で決めなければいけない人」と「誰かに相談できる人」の2種類に分かれる。管理職になるということは、相談できる人から、決めなければいけない人になったということ。となれば、孤独に耐えなければなりません。耐えられないのなら、もう一度平社員に戻してもらいましょう。


石の上にも3年だ。入社して3年学んで、どうも居場所が違うと思ったら辞めれば良い。何も最初に置かれた場所で咲かなくても良いのだ。


入社員は3年で辞めて、もっと儲かる産業に移動しなければいけない。若者が既存の安定した大企業を目指すばかりでは、わが国の未来はない。


思い込みや常識を排し、数字、ファクト、ロジックによって、目標達成に必要な道筋を考え、仕事を組み立てていく。それが当社の必要としている人材であり、私にとってともに仕事がやりやすい相手でもあります。


どんなことでも練習しないとうまくなりません。苦手であれば人一倍リハーサルをする。あとは、恥をかきながら慣れていくしかない。


世の中に場数を踏まないであがり症を克服する方法はありません。逆に言えば、場数さえ踏めば多くの人は克服できる。


1対1で話すときと、1対100で話すのとは、同じだと思った方がいい。相手の数が多くても、相手が一人のときと同じように、聞き手の表情をよく見て、自分の言葉が相手に刺さっているかどうかを確認しながら話すのが良いでしょう。


本を読み始めると、集中してしまうので、周りが見えなくなるし、音も聞こえなくなります。僕が見る夢はだいたい直前に読んだ本です。一番印象に残っているのはマルクス・アウレリウスの『自省録』を読んだあとに見た夢。寝苦しいと思ったら、ドナウ川の畔で、マルクス・アウレリウスと一緒に戦っていました。


目標がなければ仮の目標をつくって、何歳までにそれを実現するかも決めて頑張ってみましょう。そうしているうちに、本当にやりたいことが見えてくるかもしれません。


モチベーションが続かない理由はシンプル。好きでないか、腹落ちしていないか。


「二・六・二」という法則があります。人間の集団の2割は優秀、6割が普通、2割はぱっとしないというものです。やる気がある2割には、どんどん仕事を与えればいい。そうしたら6割も「置いていかれる」と歩き出す。残る2割も不安になって動き出す。


リーダーシップは上の立場の人だけが発揮するものではありません。地位や肩書きがなくても、下からリーダーシップを発揮し、仲間たちとコミュニケーションを取りながら、国や社会をより良くすることができます。


リーダーのコミュニケーション力が本当に問われるのは、困難に直面したときです。調子良く物事が進んでいるときは元気だった部下も、困難に出会えば途端にやる気をなくし、逃げ出す者も出てきます。そこで、部下と丁寧なコミュニケーションを取り、統率を取ることが求められるのです。


報連相は部下に命じるものではなく、上司が実践すべきものです。上司が部下に目を配り、「元気がないな」「何か悩んでいるのかな」と思ったら、別室に呼び出すなり一緒に食事を摂るなどして、部下が報連相しやすい雰囲気を作ること。これが報連相の本当の意味です。


飲み会や勉強会、合コンなどでもいいですが、たくさん社外の人に会ってみてはどうでしょう。その中でロールモデル(お手本)が見つかるかもしれません。必ずしも、社内で見つける必要はありませんから。ロールモデルが身近にいなくて欲しければ、広い世界に探しに行けばいいのです。


ロールモデルというのは、「生き方や考え方を見て参考にする」ということなので、必ずしも自分と同じタイプの人である必要はありません。自分にはない素晴らしいところがあるから憧れるのです。つまり、ダイバーシティが大事。自分とは視点や、感覚が違うからこそ、その人が貴重な存在になる。


自分の評価と周囲の評価がズレている人は、結局、自分のことしか見ていないことが多い。僕はこれほど一所懸命にやっている、私はすごいというように。目に自尊心の膜がかかっていて、外の世界が見えていない。自分を見れば見るほど、自分を誤解してしまう。


広島のある眼鏡チェーンでは、「この職場は私に合いません」と言う部下がいたら、「それなら、どこがいいか言ってごらん」と、無条件で他の店舗や部署などの希望を聞いて異動させるそうです。それを3回くらい繰り返すうちに、誰でも「あ、悪いのは自分かもしれない」と考え始める。


僕がかつて、同期で最初に部長になったとき、山ほど祝電が届きました。でも子会社に行くことになったときは10通も来なかった。「人の気持ちは変わる」という事実を知らなければ、ショックを受けたでしょう。でも、変わるのが当たり前だと知っていれば平静でいられます。


「人の気持ちは変わるのが普通だ」ということがわかっていれば、裏切られてもショックは少ないはず。どんな相手に対しても誠実に、正直に接して、信念を持って仕事をすればいい。


世の中のことを考えると、経済も政治も文化も常に変わり続けている。たとえば、ダウ平均の発足当時から現在まで同一名称で採用されている銘柄はGEただ一社。ほかは全部入れ替わっています。それが世の中の常なのです。


上司に嫌われたら困るという人はリアリズムに欠けていると私は思います。会社員は左遷される可能性のほうが高いからです。社長になれる確率を計算すれば明らかでしょう。社長になれなければ、みんなどこかのタイミングで左遷されるのです。自分だけが嫌われているなんて考えるのは幻想です。


数字・ファクト・ロジックで上司と徹底的に議論したり、任せられてもいない仕事をどんどんやってしまうことは、「出すぎたヤツだ」と上司から嫌われるリスクをはらんでいます。でも、リターンには必ずリスクが伴います。リスクを避けたいなら、上司から言われた仕事だけをやって給料をもらい、満足するしかありません。


いくら議論しても上司が理解してくれない場合は、諦めて時期を待つしかありません。


仕事とプライベートの比重を間違えないということも重要です。人生で過ごす時間において、働いているのは3割に達しません。大切なのは仕事ではなく、食べて寝て、家族や友人と楽しく過ごす時間です。仕事なんてどうでもいいと割り切れたら、八方美人になったり上司にゴマをすることがバカバカしくなります。絶対に譲れないと思うときは上司を打ち負かすつもりで臨めます。本当にいい仕事ができるのです。


仕事はたいてい文章でやりとりされます。くだらない話だと思うかもしれませんが、誤字には気をつけましょう。どんなに立派な内容の報告書を作成したとしても、最初の一行目に誤字があったら台無しです。読んだ上司は、「なんだこいつは」という気持ちになります。上司への文章は提出する前に精査する習慣をつけるべきです。


期限が一週間後の仕事を3日でやり遂げる部下がいたとします。出来栄えは経験豊富な上司に及ばないかもしれませんが、時間があるので上司は手を入れることができます。直す余裕があるかないかで印象は全然違います。


上司から仕事を任せてもらえるようになる正攻法は、仕事に一生懸命打ち込んで「こいつは見どころがある」と思わせることです。一生懸命という意味は深夜まで残業することではありません。よく考えて、早く、正確に働くのです。「よく考える」とは、数字・ファクト・ロジックの三要素で徹底的に検討すること。目的や方法論が腑に落ちない場合は上司に「なぜ?」と聞く。議論をする。上司としては部下の思老プロセスがわかるので、安心して仕事を任せられます。


大きな流れは過去の歴史を見なければ分からない。過去のケースを知っていれば、その中から最適なものを選択したり、ヒントにして類推したりすればいい。多くのケースを知るには、歴史を勉強するしかない。


時間をかけて考え抜いたら良い意思決定ができるわけではない。それに多くの場合、意思決定にかけられる時間は限られる。短時間で意思決定を迫られ、結果を出さなければならないのが現実だ。


いいかげんな思い付きで意思決定をしても、会社に成果をもたらし、顧客の利益に資すれば、それは良い意思決定だったことになる。一方で真剣に考え抜いた意思決定でも、会社にマイナスの効果しかもたらさず、顧客の不興を買うようであれば、悪い意思決定だ。


統率力とは、思いがけない困難にぶつかったとき、仲間と丁寧にコミュニケーションを取り、最後まで率いる力を指す。統率力というと誤解されがちなのが「黙って俺についてこい」などの不毛な精神論だ。独善的に振る舞うことは、統率することとは違う。


人は表向きは賛同して、裏では足を引っ張るようなことを平気でする。それが人間社会だ。だが共感してくれるメンバーを何人か得ることができれば、それでチームを引っ張っていける。


リーダーに必要な資質とは何か――。よくそう聞かれるが、私は3つの最低条件があると考える。それは、強い思い、共感する力、そして統率力の3つだ。


海外より長時間働いても生産性が低いのだから、極論すればいまの日本は、経営も現場もダメ。いままでの日本の現場は捨て、どういう現場が必要かを考え、つくりなおすしかない。


もはやキッチアップができないのだから、ベルトコンベヤーの上でどれだけ速く仕事をするかではなく、コンベヤーに代わる仕組みを考える要がある。


リーダーには適性が必要ですが、それだけで成功するわけではありません。努力が不可欠です。そこに世の中の大きな流れが重なったとき、偉大なリーダーが開花するのです。適性だけでも、努力だけでも、運だけでもダメだというのが人生の面白いところであり、歴史を学ぶ面白さでもあります。


リーダーシップの本質は、立場や地位ではなく「機能」です。一人のトップが完璧なリーダーシップを備えているのが理想かもしれませんが、そんな立派な人はまずいませんから、仲間や部下たちがトップに足りていない機能を補って、組織としてリーダーシップを発揮できれば良い。


出口治明の経歴・略歴

出口治明、でぐち・はるあき。日本の経営者。ライフネット生命保険の創業者の一人。三重県出身。京都大学法学部卒業後、日本生命に入社。バブル全盛期には生命保険業界の取りまとめ役を務めた。その後、58歳でライフネット生命保険の前身であるネットライフ企画を設立。ライフネット生命保険は、日本で74年ぶりに誕生した親会社に保険会社を持たない独立系生命保険会社。

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