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佐藤勝人の名言

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佐藤勝人のプロフィール

佐藤勝人、さとう・かつひと。日本の経営者、経営コンサルタント。サトーカメラ専務。栃木県出身。栃木県立宇都宮商業高等学校卒業後、兄とともに家業のカメラ店の業態を変更し、第二の創業を行う。栃木県にエリアを絞り、地域密着型の営業を行う。大手家電量販店の激戦区でありながらも県内カメラ販売シェア14年連続ナンバーワンなどを達成。著書に『日本でいちばん楽しそうな社員たち』『売れない時代はチラシを売れ』『一点集中で中小店は必ず勝てる』ほか。

佐藤勝人の名言 一覧

うちの考え方は要するに、「カメラがほしくてカメラを買う人なんかいない」ということです。モノのないころは、車がほしくて車を買うという人がたくさんいたけど、もうそんな時代はとっくに終わっている。みんな、楽しみたいからモノを買っているのです。楽しむための手段として、その道具がほしいだけ。


商品はブランド力で売れるとみんな思っているが、そんな時代はもうとっくに終わっているからだ。ブランドよりも商品の内容が本当に問われている。実際に、ある程度のグレード、これぐらいの価格帯というものがあって、その中でベストの商品が売れている。だから、うちのアソシエイト(スタッフ)たちは、商品に惚れ込むまで徹底的に調べている。


うちの各店舗では夕方になると、ご近所の常連さんたちが店にたまって、楽しそうにくつろいでいる。自分で撮った写真をお互いに見せ合ったり、アソシエイト(スタッフ)とおしゃべりしながら、何時間も平気で店にいる。以前は、年配の男性の常連さんが多かったが、最近では女性や若い男性が増えてきた。驚くことに、その常連さんたちが、別のお客さんを相手に、「こちらがいいですよ」とか「これは私も使っていて便利ですよ」と接客していることもある。


企業はもともと自分本位で、いかに手っ取り早くお客さんを回すかということばかり考えている。効率が「良い」とか「悪い」というのは、こちらの都合でしかない。にもかかわらず、地域密着とは効率と相反するものなのに、みんな地域密着と言いながら、やっていることは、選ばれた2、3割のお客さんだけを相手にして、残りの7、8割を排除しようとする行為そのものだ。私はそれが許せなかった。


アソシエイト(スタッフ)一人ひとりの主体性を養うために、権限を与えたり、仕事を任せることは大事ではあっても、すべてを丸投げしてはならない。すべてを店長に任せて安心していてはならない。


うちのお客さんに限らず、どんな人でもコミュニティ、すなわち「よいつながり」がほしいと思っているはずだ。いくらネットが普及して便利になっても、人と人とのつながりがない生活はさびしいものだから。その点、うちのお客さんたちはサトーカメラに来ることで、もともと趣味ではなかった写真を趣味にして、みんなで一緒に楽しむことができるようになった。我々は、そういうコミュニティをつくることができたと思う。


「ブランド力のある売れる商品」にはいわば最大公約数的なところがあって、価値が同質化しているから、お客さんからすればどこで買っても同じ。だから結局「売れる」商品で儲かるのは大手だけということになる。我々がメーカーやブランドは関係なく、自分たちの基準で「売る」商品を決めてきた理由はそこにある。


原点回帰とは「昔に戻る」ということではないと思う。モノのない昔に戻るということは、たとえば服に穴が開いたら「新しいモノをくれ」というニーズに応えるわけだ。ところが時代はもう次の段階に進んでいて、満ち足りているお客さんと話をしながら「今度はこんな商品を使ってこういうことをしてみませんか」という、生活における価値創造を提案していく必要がある。そうでなければ、我々中小企業が今後生き残っていくことはとてもむずかしい。


うちでは「写真文化の創造」を活動のテーマに掲げているが、これから写真文化を広めていこうと思ったときに、こちらがプロカメラマン気取りの態度で接したら、一部の人が喜ぶだけになる。そうではなくて、文化は底辺に向けて広げていくべきものだから、敷居が高くならないように、いかにご近所さんが買い物ついでに寄れるような形で、写真を楽しめるようにするにはどうしたらいいかを常に考えてきた。我々も私服になり、こういう格好をして応対しているから、お客さんも普通に「やあ!」と言って店に入ってきてくれるのだ。


いままで我々は、あくまで店側があれこれ考えて、お客さんを巻き込んでいくものだとばかり思っていたが、小売の現場はすでに変わってきている。お客さんみずからが主役になって、お客さん同士で楽しんでいるのだ。こうなると、うちと付き合うほうが楽しいのだから、他店の商品がいくら安くても関係がなくなる。


店舗のディスプレイの仕方も発展していったね。10年前はうちも量販店志向だったから、商品を山積みして無造作に置いていた。いま思えば、大手と同じような発想で、商品をたくさん仕入れて早く回転させるということしか考えていなかった。そこで、メーカーの什器(じゅうき)を全部片付けて、お客さんが撮った写真を飾った。お客さんにすれば、「いまサトーカメラの本店に、おれが撮った写真が飾ってある」って言えるからうれしいだろう。


我々は「カメラの使い方が分からない7、8割のお客様のために何をしてあげられるのか」を考えることが、新たなマーケットの創造だと思っている。市場創造と言うと、だいたい新しい商品をやるか、違う町に行くかという話になるが、我々がこのエリアに腰を据えてお客さんに向き合ってみたら、カメラの使い方を知らない人たちが数多くいた。だから、こういうお客さんたちに「想い出をきれいに残す」方法を教えてあげることが、ドラッカーの著作に書いてあるような、新たな顧客価値の創造につながると思うのだ。


1枚10円のプリントサービスをやるなんて言ったら「儲からないお客さんばかり来るからやめたほうがいい」ということになるけど、それは企業側の論理にすぎない。うちでは、そういうところに新たなお客さんがいるはずだと思ってサービスを始めてみたら、実際にお客さんが来てくれた。


カメラは生活必需品ではない。あればあったで生活は潤うが、本来「なくてもいい商品」なので、不景気になればなるほど「カメラなんかどうでもいい」ということになる。だからこそ、我々は、このカメラという商品を使ってどう楽しむかということを、お客さんたちに教えていかなければならない。


これだけたくさんの商品があふれ返っている現在、はっきり言って、どの商品を買っても大差はない。だからこそ、我々がいかに徹底的に調べ抜き、商品が持つたった「1パーセントの違い」に気づくかが勝負になる。ワインは原料も製造工程もそれほど変わらないのに、ソムリエが「この渋みはこういう料理に合います」と言ってバックグラウンドを見せてあげると、「ああ本当だ、その渋みがおいしい」と、みんながそのわずかな味の違いに価値を感じるようになるではないか。


フィルムカメラであろうがデジタルカメラであろうが、あるいはそれが「スマホ」に替わろうが、お客さんには関係ない。お客さんは、「想い出をきれいに残す」ためにカメラを買うのであって、突き詰めれば我々も、そのためにこの商売をしている。


我々は別に、チェーン店を1000店舗つくるとか、そういう考えで商売を始めたわけではない。でも、サトーカメラの今後を考えたとき、あるいは男である以上、私自身は会社の規模をある程度大きくしたいと思っている。ただ、その方法論として、コンビニをはじめとするチェーンストアのようにどんどん出店すればいいとは思っていないし、ユニクロのように価値が同質化した商品を売ろうとも考えていない。うちが店舗改革を本格的に始めてから十年かけて築き上げてきた、「とことん売上重視にはしない」といういまの経営スタイルを維持しながら、そのまま大きくなっていくことが大事だと思っている。


ポイント還元をやめたら、顧客管理ができなくなるのではないかという不安もあった。ずっと(ポイントシステムに記録された)商品の購買履歴などを見て接客していたので、「このお客さんはこういうことに興味があって、こんなことをしたいと言ってたな」ということが分からなくなってしまうと思ったからだ。最初は苦労したが、やれば結構できるもので、アナログの対面商売に戻してから、アソシエイト(スタッフ)1人が300人ぐらいのお客さんの顔と名前を覚え、積極的に会話をするようになった。お客さんは必ずしも、ポイント還元があるから店舗に来ているわけではなかったのに、我々が勝手にそう仕向けてしまったのではないかと反省している。


佐藤勝人の経歴・略歴

佐藤勝人、さとう・かつひと。日本の経営者、経営コンサルタント。サトーカメラ専務。栃木県出身。栃木県立宇都宮商業高等学校卒業後、兄とともに家業のカメラ店の業態を変更し、第二の創業を行う。栃木県にエリアを絞り、地域密着型の営業を行う。大手家電量販店の激戦区でありながらも県内カメラ販売シェア14年連続ナンバーワンなどを達成。著書に『日本でいちばん楽しそうな社員たち』『売れない時代はチラシを売れ』『一点集中で中小店は必ず勝てる』ほか。

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