中野信子の名言

中野信子のプロフィール

中野信子、なかの・のぶこ。日本の医学博士、脳科学者、認知科学者。東京出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院医学系研究科医科学専攻修士課程修了。フランス原子力庁サクレー研究所研究員、東日本国際大学客員教授、横浜市立大学客員准教授などを務めた。著書に『東大卒の女性脳科学者が、金持ち脳のなり方、全部教えます。』『科学がつきとめた「運のいい人」』『成功する人の妄想の技術』『世界で通用する人がいつもやっていること』ほか。

中野信子の名言 一覧

人は違ってあたりまえ。たとえば同じ会社の人間でも、出世を第一に考えている人と、人生の充実感を最も大切にしている人では全く違います。良し悪しではなく、それをきちんと認め合う。その意識が過度の同調を回避させてくれます。


本を読んだり、人と会って知識や知恵を吸収する。運を引き寄せるため、まずは勝負に勝つ実力をつけること。


敵対するグループの関係を修復するもっとも良い方法は、共同で乗り越えなければならない困難を与えること。


「コーヒーを淹れたら必ず作業を始める」のようなマイルールをつくるといいでしょう。最初は無理にでも取りかかることで、いつの間にか「○○をすると自然にスイッチが入る」という状態になるはずです。


いきなり大変なことからやるのではなく、なるべくやりやすいことから始めるのも、すぐに取りかかるコツです。たとえば会議の資料づくりなら、まずはパワーポイントを立ち上げ、ページ番号を打つことから始めるなどです。


こんな実験があります。ある人の写真を2つのグループに見せました。ひとつのグループには「この人はBaker(ベイカー)さんです」、もうひとつのグループには「この人はBaker(パン屋)です」と紹介しました。後によく覚えていたのはパン屋として紹介したグループでした。これは同じ単語でも、固有名詞の意味記憶で覚えるより、パンの匂いや味などの経験と結びつくエピソード起憶で覚えたほうが記憶に入りやすいことを示しています。つまり記憶箱の入り口を広げるには、物事をエピソードとしてとらえて、そのときの感情と一緒に覚えればいいのです。


脳は酸素要求量が多く、栄養もたくさん使います。体としては、なるべく脳の働きを抑えて酸素や栄養などのリソースを節約したい。そこで年齢を重ねるにつれて節約モードになります。節約モードに入ると、たとえば何かを経験しても、「これは重要なことではない」と注意を向けなくなり、記憶しようとしなくなります。


年齢を重ねても、記憶力そのものが落ちるわけではありません。記憶の容量を箱になぞらえると、何歳になっても箱の大きさは変わりません。ただ、加齢とともに入り口のところが狭くなり、情報が記憶の箱に入りづらくなります。つまり年を取ると記憶を引き出せなくなるというより、最初から覚えないようになるのです。


男性の脳と女性の脳は構造的に違います。たとえば言語のコミュニケーションに関係する上側頭回は、女性のほうが大きいという傾向があります。上側頭回が発達していると、人とコミュニケーションを取ることで満足を得られます。つまり女性は、意味のないことでもおしゃべりしていることが癒やしになるのです。一方、男性は感情を引きずりやすく、むしろ孤独になることで癒やしを得ます。


朝早くすっきり目覚めるには、夜更かしせずに早めに寝ることが大事です。その鍵を握るのは、睡眠物質メラトニン。これが多いと眠りにつきやすくなりますが、メラトニンは朝に光刺激を受けて15時間後から増えてきます。早起きのためには、まず前日の朝にきちんと光を浴びて、メラトニンを増やすサイクルをつくることが大切。それが夜の眠たさを誘い、いい睡眠を得ることができ、翌朝の気持ちいい目覚めにつながっていきます。


朝に目覚めるときにはノルアドレナリンという物質が出ています。ノルアドレナリンは戦うための物質で、血糖値や心拍などを上げて、闘争できるように体を整えてくれます。これが出ているときは、やる気も高い。だから朝は、ちょっとたまっている嫌な仕事を片づけるのにぴったりです。ノルアドレナリンの効果があるのは、目覚めてから3時間くらいまで。その間にハードルの高い仕事にチャレンジしてください。


女性は男性より、心を平穏にするセロトニンの量が少なく、損害回避傾向が高めです。損害回避傾向がよい方向に働くと、「後で困らないように前もって片づけよう」という計画性につながりますが、悪い方向に働くと、「もし失敗したらどうしよう」といった不安から逃れるために別のことを始めたりします。そのときは自分を納得させるため、何か意味ありげなタスクに取りかかることが多い。切羽詰まると急に部屋の掃除をしたりするのも、そのせいです。


完全に人目を気にしないというのは現実的ではないので、適度に人目を気にする。それが世の中を強くしたたかに生きる、重要なコツと言えます。


勝負する場所をムリに変える必要はありません。でも、環境を変える選択肢もあるんだということを頭に入れておくのは、気持ちのうえでとても大きいと思います


社会が厳しい状況になると、共同体を維持しようとする「向社会性」が高まる。それは一方で妬みが強くなる窮屈な世界でもある。そんな世界ではサイコパスや自己愛性人格障害のような、社会的規範やルールを無視した反社会的人物が非常に魅力的に見える。閉塞した感じを変えてくれるのではと。


本の読み方にルールはありません。特にビジネス書の多くはどこから読んでもいい構成になっています。ただ、それでも頭に入ってこない本は、思い切って投げ出す勇気も大切。本には読みたくなる時期というのがあるので、それまで寝かしておけばいいのです。


本の内容を定着させるには「言語化」もカギになります。まずは、雑な言葉でいいので本から得た感動を言葉にしてみる。そしてそれを、言葉を少し整えて誰かに話す。この二段階を経ることで、本の内容はしっかり脳に記録されます。


世の中には「すぐにはやらなくていいこと」も確実にあります。すぐに取りかかれない人というのは、無駄なことを選り分ける能力が高いともいえるのです。だからすべてのことを無理にすぐやろうとはしない、というのも手。やるべきことと、やらなくていいことのメリハリをつければいいのです。


すぐやる力は人からもらうこともできます。じつはこの能力は遺伝するだけでなく伝染もします。たとえば社内の「頑張り屋」と仲良くなってたくさん話をしたり、そういう人を仕事のパートナーに選んだり。そうすることで、いざやりたくないことを目の前にしても、あの人もやっているんだからというプラスの作用が働きます。


はみ出した人間は叩かれやすい。それなら、たとえば太っているとか、変なメガネをかけてるといったアラをわざと演出し、攻撃側のはけ口を作っておくのです。もちろん、攻撃されてもOKなものに限ります。名づけてトカゲのしっぽ作戦です。


人の悪口を言うと、ブーメラン効果によって悪口を言った自分の評価まで下がるといわれていますから、人の悪口はこらえる。そのかわり同じ噂話でも、誰かを褒める話をしてみるという戦略。すると人は直接褒められるより第三者を介して褒められた方が嬉しいというウィンザー効果によりあなたの株が上がるかもしれない。


妬みは、環境によって「良性」と「悪性」に分かれます。良性の妬みが生まれるのは、健全な競争が行われている場所です。たとえば契約件数など数字で公正に順位付けしている営業部など。この良性の妬みの環境では、努力をすればするほど報われるので、気の持ち方で大きな原動力にもなります。


気が利かないとお悩みの方は、気が利くと思われたい相手の普段の様子をじっくり観察してみてください。そうすれば自然と行動パターンが見えてきて、一歩先回りすることができるはずです。言われてからやるのと、言われる前にやるのでは、印象は全く違います。社会人としての評価も、そういうところで大きな差がついてくるのではないでしょうか。


本当の適性を知るには、自分を客観的に見つめる必要があります。それには自分がどんなときに喜びどんなときに怒ったかなどの感情の動きを日記につけたり、信頼できる人に客観的意見を言ってもらうのも有効です。


オススメの方法は、勝負する場所を変えること。環境そのものを、自分が運を発揮できる場所に変えてしまうのです。もしあなたが運が悪いと感じているなら、環境を自分に適したものに変えてみてはいかがでしょう。


自己愛もサイコパスも自己演出が上手でプレゼン能力がとても高い。ですから、一見さわやかで魅力的。イケメンで如才がなく、口が達者な人は要注意です(笑)。実際にイケメンかどうかというより、世間一般が「さわやかなイケメン」と思う基準に合わせ過ぎている人ですね。さわやか過ぎるイケメンは、危険ですね。自然なイケメンならともかく、イケメンの仮面をかぶったような人。イケメン政治家とか、絶対投票しません(笑)。


脳に効率的に本の内容を取り込むには、虫食いで読むという方法もあります。目次を見たり、ページをパラパラめくったりして、気になる見出しのところから読み始めてしまうのです。自分が気になるところというのは、それだけ情動が動きやすく、記憶に残りやすい。だからまずはそこを確実に自分の血肉としてから、徐々に周辺にも読み広げていくのです。これなら本を読み込むハードルをグッと下げられます。


本の内容を脳に定着させるには、集中して読むことが肝心。でも集中しようと思うと、帰って逆効果だったりします。「しよう、しよう」という思い自体に気が向いてしまうからです。あまり集中しようとは思わず、「お?」「なんだ?」と気になる部分に出会うまで、気軽な気持ちで読んだ方がいいのです。心が動いた箇所から先は、自然と没頭していくでしょう。


文章は情報量のわりに脳のメモリを食わないんです。だから脳のなかに簡単に取り込めるし、情報が抽象化されているので、脳から取り出して使いやすい。画像や動画だと、脳からアウトプットするときに情報が壊れやすい特徴があります。読書により脳は常に刺激を受け、変化し続けます。だから自覚はなくとも、読むだけで確実に血肉となっているのです。


面倒なことほど後回しになり、そうすることで、さらに面倒な事態になってしまったりしますよね。そんなあなたはズバリ、会社のデスクや家の中が散らかっていませんか? じつは「すぐにやれない人」と「片づけられない人」は、イコールだという調査結果があるのです。それは、目の前のちょっとしたイヤなことを先送りにしてしまうところが同じというわけです。だから、仕事も片づけも、後回しになってしまう、と。


悪性の妬みが生まれやすいのが、公正な競争が行われていない場所。たとえばコネや容姿など、上司や人事部の主観だけで評価が決まってしまう会社。努力が報われにくいため、陰で悪口を言い合ったり、足を引っ張ったりといったことが起きやすい。自分が前向きに努力するよりも、相手の噂や評判を落とす方に気持ちが向かってしまいがちになる。


「気が利く」能力は、努力次第で大きく伸ばすことができるんです。すごく気が利く子供というのはあまりいませんよね。これは、この能力が大人になってから完成すること、つまりは後天的に伸ばせることを示唆しています。伸ばすことでメリットが得られるし、大人になってからでも伸ばすことができる。こんなに伸ばしがいがある能力は、ほかにないのではないでしょうか。


「勝ち」が出ると、その後はその勝ちを活かして勝負できるので、次はより勝ちやすくなります。たとえば運良く大学受験に合格する。すると次の就職という勝負でも勝ちやすくなる。同じように、一度負けた人はその後も負けやすくなる。こうして勝ちと負けの差はどんどん開いていく。つまり運が良い人とは「勝ちグセがついている人」、そして運が悪い人とは「負けグセがついている人」ともいえるのです。


集中力もいつかは切れます。そんなときの「作業のやめ方」にもコツがあるんです。それは「キリの悪いところ」でやめること。そうするとやめている状態が気持ち悪くなり、自然と作業に戻ってまた集中状態に入れるんです。これはツァイガルニク効果という心理作用で、テレビで視聴者を離さないように「続きはCMの後で!」とやるアレと同じですね。


目の前には、一刻も早くやらなくちゃいけないタスクがある。でも焦れば焦るほどほかのことに目がいき、一向に進まない……。よくあることですが、実はこれ、人としてごく健全な状態なんです。脳は、生き延びるため、子孫をきちんと残すために、ひとつのことに集中しにくい仕組みになっています。たとえば、近くに危険が迫っているときや、自分の子供が泣いているとき、もし何かに集中していると、その異常を察知できません。だから脳は何かに集中せず、周りの変化に気づけるようになっている。「やらなければ」と焦るほど逆に集中できないのは、緊張感が増して脳が周りの物事に、より過敏になるからです。


脳を飽きさせないために、複数の本を同時進行で読むというのも効果的。その際は、組み合わせを工夫してみるのも一興。たとえば「殺人の人類史」という本とミステリーを同時進行で読む。内容がリンクするので、相互補完的に興味をグングン高められます。でもそれでは近すぎて新鮮味がないというのであれば、「戦争の歴史」と「子育て」の組み合わせはどうでしょう。全く交わらなさそうな両者ですが、実は子育てをするには食べ物をはじめ十分な資源が必要で、そのために人は争ってきた歴史がある。だから子育てと戦争は切っても切り離せない、と。こちらは、一つのものごとを多角的に見る面白さを味わえます。


実は脳科学的に見て、本は仕事にとても有意義な存在です。理由はいくつかあります。その第一が、気軽に「体験」できること。たとえばコーヒーを飲む描写を読んだとき、読み手はあたかも自分がコーヒーを飲んでいる気になります。これは脳で「ミラーニューロン」という神経細胞が働き、それを体験したときと同じ回路が脳に作られるから。つまり、わざわざ休暇を取って何万円を費やして海外に行かずとも、30分の読書時間と1500円の本代で脳に同じ刺激を与えられるのです。


見ないふりをするのではなく、きちんと認識すること。逆説的ですが、それが気にしないことのスタートライン。まずは自分がどんな問題に反応しているのかを言葉で明確化することです。そうするだけで自然と対処法が見えてくることがありますし、少なくとも「漠然とイヤな気持ちがあるけど、その発生元がなんだかよくわからない」という曖昧な状態は抜け出せます。


日本人は人目を気にすることで生き延びてきた民族です。日本は地震をはじめとにかく災害が多い国。日本の国士面積は全世界の0.25%しかないのに、自然災害の被害総額ではなんと全世界の15~20%にものぼるのです。そんな国なので昔から生き延びるには人々が互いに協力し合うことが不可欠でした。だから脳の構造的に、みんなのために何かしなくちゃという気持ちが高まりやすい反面、1人だけ得しているような人には厳しい目が向きます。それは自分に対しても同様。要は「自責感情」も強いのです。災害で助かったのに「なんで自分だけ生き延びてしまったんだろう……」と悩み苦しむ方が多いのは、その一端でしょう。協力し合うことで生き延びてきただけに、日本人にとって仲間から排除されることが大きなリスクとなってきました。だから人が自分をどう思っているかにも、とても敏感なのです。


仕事が立て込んでいたある日、次の仕事に向かう車中での話です。心身の疲れからか私はふと「あ、何か甘いものが食べたい……」と思いました。するとなんと、隣にいたマネージャーからチョコレートが差し出されたのです。驚いた私が「なんでわかったんですか!?」と聞くと、彼はこう言いました。「このタイミングで、先生はよく甘いものを買いに行かれますよね。だから最近ずっと持ち歩いていたんです。また先生は気が滅入ったときにため息が出るので、渡すなら今だと思ったんです」と。まさにこれこそが「気が利く」ということではないでしょうか。決して超能力や当て勘ではなく、人を観察することで得た経験的な知識を活かし、一歩先回りする。しかもこれなら、特別な能力がなくても、頑張れば誰でもできますよね。


中野信子の経歴・略歴

中野信子、なかの・のぶこ。日本の医学博士、脳科学者、認知科学者。東京出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院医学系研究科医科学専攻修士課程修了。フランス原子力庁サクレー研究所研究員、東日本国際大学客員教授、横浜市立大学客員准教授などを務めた。著書に『東大卒の女性脳科学者が、金持ち脳のなり方、全部教えます。』『科学がつきとめた「運のいい人」』『成功する人の妄想の技術』『世界で通用する人がいつもやっていること』ほか。

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