中田亨の名言

中田亨のプロフィール

中田亨、なかた・とおる。日本の工学博士。独立行政法人産業技術総合研究所研究員。神奈川県出身。東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻修了後、産業技術総合研究所に入所。同研究所デジタルヒューマン研究センター人間モデリングチーム研究チーム長などを務め、ヒューマンエラー防止などの研究を行った。著書に『事務ミスをナメるな!』『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『理系のための「即効!」卒業論文術』『情報漏洩 9割はあなたのうっかりミス』ほか。

中田亨の名言 一覧

問題を多角的に検討することが、ミスを防止するための最善策を探り当てるにはとても重要。


大きな問題になる前に、ミスの芽を小さなうちに摘んでおく秘訣は、職場内のコミュニケーションにある。


「便利さと危険性のトレードオフ」なのです。安全性を突き詰めれば不便さが増す。パスワードを複雑にすればするほど安全ですが、そのぶん不便になる。結局、どこまでやるかを自分の価値観と照らし合わせて決める、ということになるのです。


会社の情報漏洩の多くが、いわゆる「風呂敷残業」、つまり仕事を家に持ち帰ることから生まれています。「不必要な書類は作らない」とルール化することで、一石二鳥の情報漏洩防止になるのです。


もしSNSをやっていて、情報公開の範囲を初期設定のままにしているなら、自分の情報を全世界にばら撒くリスクとメリットのどちらが大きいか、考え直すべきでしょう。ほとんどの場合、リスクのほうが大きいはずです。最近、アルバイト先のイタズラの画像から、撮影した個人がすぐに暴かれるという事態が多発していますが、ほとんどの場合SNSがきっかけです。


「情報は盗まれるもの」「パスワードは破られるもの」という前提で情報機器を使うべきでしょう。むやみに会員登録しないのはもちろん、あまり重要でないサイトに登録する際の「捨てパスワード」を持っておくのも手です。


実際にはアンチウイルスソフトを突破するほどの労力をかけて個人の情報を盗もうとすることは稀です。政治家や企業ならともかく、個人相手では労力に見合った対価が得られないからです。むしろ個人で気にすべきは、初歩的なセキュリティ意識の欠如です。いわば「うっかりミスの撲滅」。実はいまだに情報漏洩の9割は「電車内にパソコンを置き忘れる」「居酒屋にUSBメモリーを落とす」「人前でパスワードを口にしてしまう」といった理由なのです。また、誕生日や電話番号、愛車のナンバーなど、簡単に類推できる数字をパスワードに使っている人もまだまだ多いのが現状。しかもその誕生日を、フェイスブックなどのSNSで堂々と公開していたりする。逆に複雑なパスワードを設定したはいいが、覚えられずにメモにして机に貼っている、という本末転倒なこともあります。


日本ネットワークセキュリティ協会によれば、2011年に起きた個人情報の漏洩事件は、報道されたものだけでも1511件にのぼるそうですが、これはあくまで氷山の一角。発覚しながら報告していないものや、漏洩しているのに気づいてさえいないものもあるからです。個人情報は漏洩したらすぐに悪用されるとは限らず、より大きな利益が得られるタイミングまで「泳がせる」ことも多く、あなたの個人情報もすでに盗まれている可能性があるのです。


自分のIDやパスワードを入力する機会は飛躍的に増えています。常々気をつけている私ですら、改めて数えてみたら30を優に超えていました。多くの人も似たような状況でしょう。しかも、ほとんどの人がどれも同じようなパスワードを使っているようです。これでは、ひとつのパスワードが漏れてしまったら、すべての情報が盗み取られてしまう危険性があります。


企業の情報漏洩防止の基本はやはり社員一人ひとりの意識ですが、より根本的な対策として「情報量を減らす」というものがあります。最近、あらゆる情報をCCで関係者全員に送る会社が増えていますが、多くの人に情報が伝わるほど、漏洩のリスクは高まります。また、数行ですむ用件をわざわざ別データにして添付で送ってくる人もいますが、データ化された情報は漏洩しやすくなるうえ、ムダに仕事時間が増えることにもつながります。


それぞれのサイトのセキュリティの強さも判断すべきです。もしパスワードが4桁しかなく、しかも間違っても回数無制限でやり直せるようなサイトは非常に危険。サイトの運営がずさんな場合もあります。たとえばパスワードにハッシュをかけずに保管しているサイトがあります。ハッシュとはパスワードを元に戻らない形に変形する処理のことで、これをかけるのは情報管理の基本ですが、それすらしていないサイトも多く、大手企業にも見受けられます。また、お金を盗まれることが不安なら、クレジットカードやネットバンキングの限度額も見直しておくべきです。


ミスが起きたときに、「これからは気をつけましょう」と注意を促すだけの職場がありますが、これではミスを防ぐことはできません。「ミスを防ぐ手立てはなかったのか」「そもそもミスが起きるような作業をする必要があったのか」など、あらゆる角度から見直す必要があります。


どんな職場でも、小さなミスを引き金にした大きな問題は起こり得る。人間が関わっている限り、ミスは起こり得ます。職場において、「ミスは防ぎにくい」ことを念頭に置き、あらゆる防止策を講じることが、大きな問題にしないために必要なのです。


人間が仕事をするうえで、ミスをなくすことは不可能。しかし、事象が小さなうちにミスに気づいて方向修正をしたり、起こってしまったミスから、次に起こらないように対策を講じることは必要不可欠であり、それにより大きな間違いや事故を防ぐことは可能。


ミスの内容を書き連ねたミス防止ノートは、部下や後輩を指導する際にも役立ちます。気をつけなければいけないシーンがたくさん載っている業務の虎の巻です。渡すだけで、指導者としての評価が高まるでしょう。


ミス防止に役立つのは、ミスの原因を探ったり、予防策を考えたりすることではありません。何より重要なのは、ミスを記録してためること。「ミスをしてしまうかも」と身構えるだけで、ミスの多くは防げます。つまり、ミスの事例を多く知っている人ほど、防げる可能性が高まるわけです。


部下を権力で従えているような怖い上司の下で働いている人は、聞きたいことがなかなか聞けません。上司が間違った判断をしていると感じていても、仕方なく指示に従ったりします。そんな状況では、ミスは起こるべくして起こります。危険を察知したら、どんなに怖い上司でも意見を言うべきです。


質問が得意な人と不得意な人では、明らかに後者の方がミスをする確率が高い。質問下手な人は、仕事を頼まれた時に「よく理解できなかったこと」や「疑問に思ったこと」を相手にしっかり聞けないまま仕事を進めるため、ミスをするのです。


上司は何より「良い結果」を求めています。上司の望みをかなえるためにも、上司の間違った決断や指示に対して「指摘できる勇気」が必要。それが上司に対する本当の「忠誠」と言えます。


有効なダブルチェックは、一人が責任を持ってチェックし、その人の行動をチェックするためにもう一人が「突っ込み役」になること。「なぜこの数字なんですか?」「これで正しいのですか?」といった突っ込みに対して、もう一方はその理由を説明しなければなりません。その過程で曖昧さや思い込みが排除され、ミスが発見されやすくなるというわけです。


誰もが言いたいことを言える雰囲気を作るには、全員が発言できる場を仕組みとして導入することが効果的。たとえばある工場では、毎朝のミーティングで、「ミスや安全に関して思っていること」を全員が順番で発言する機会を設けています。指名された人は必ず発言するルールなので、「言うべきときには言う」という意識が全員に生まれるそうです。


ミスをしない人は、「ミスをしない」のではなく「ミスをしているように見えない」のです。もちろん、記憶力がいいなど個人の能力もありますが、ミスが少ない人は、仕事を抱え込まず、上司や周りの人たちに自分の仕事の状況を要所要所で知らせたり、確認を取って、もし何かあったとしても、問題にならない早い段階で軌道修正をしているのです。


中田亨の経歴・略歴

中田亨、なかた・とおる。日本の工学博士。独立行政法人産業技術総合研究所研究員。神奈川県出身。東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻修了後、産業技術総合研究所に入所。同研究所デジタルヒューマン研究センター人間モデリングチーム研究チーム長などを務め、ヒューマンエラー防止などの研究を行った。著書に『事務ミスをナメるな!』『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『理系のための「即効!」卒業論文術』『情報漏洩 9割はあなたのうっかりミス』ほか。

他の記事も読んでみる

ガー・レイノルズ

プレゼンで「念のために」と何でも情報を詰め込み、上司から「これも入れておけ」と言われれば、それも入れる。そうしてスクリーンは文章だらけになる。聞き手はスクリーンのどこを見ればいいのかわからず、疲れる。プレゼンターがスクリーンに映った文章を読み上げるのを、利き手は我慢して聞く。これではつまらないに決まっています。


戴正呉

シャープは本当に優秀な技術者が集まっている会社。経営危機の際は、現場ではなくマネジメント層の力が弱かった。マネジメントの基本は会社の方向性を示すこと。これが定まらないと、エンジニアも目標を見失います。


森下一喜

「面白いゲームを作ろう」という姿勢がスタッフから感じられれば、発売日が遅れてもアイデアがイマイチでも、とがめることはありません。


林信秀

米国と香港に合わせて約13年駐在した。入行5年目でニューヨークに赴任。日系企業との付き合いは、銀行の看板が後ろ盾になってくれることもあるが、非日系企業だとそうはいかない。「あなた個人の付加価値は何で、どんなメリットをもたらしてくれるのか」が問われた。


菊原智明

間違っても上司の言うことを完全に無視してはいけません。「バカな上司も使いよう」です。


鈴木喬(経営者)

現場から出てきたネーミングは大抵、小難しくて、一度聞いてもよく分からないものが多いんです。誰か「独裁者」がいて強引に決めないと、ネーミングは決まりません。


鑄方貞了(鋳方貞了)

会社を存続させていくためには、社長自身が確固たる経営哲学に基づきつつ、「我が社はお客様に活かされている」という思いで虚心坦懐にお客様の声に耳を傾け、柔軟に対応する姿勢を持ち続けることが大切。


塚越友子(水希)

傲慢と感じるのは、あくまで自分たちの世代の価値観と比較した場合のこと。いま、老年期にある男性たちは戦争で平和を奪われ、戦後は高度成長期をがむしゃらに働き続けてきた世代です。そういう時代を生き抜いてきた人たちですから、いまと価値観が異なって当たり前なのではないでしょうか。


石田淳(コンサルタント)

目標が達成できない原因は、大きくわければ3つ。「目標の立て方」「目標の続け方」「目標の立て直し方」のいずれかに問題があります。途中で挫折する残念な人と次々と目標を達成する人、この両者の差は埋めにくいものではありません。明確な違いは、目標達成できる「仕組み」を理解しているかどうか。それさえわかれば、誰でも多くの目標を達成できるようになりますよ。


藤井孝一

仕事で結果を出し、評価されている人ほど、何のために働いているのかをきちんと自覚しています。人生の目的や目標がはっきりしないという人は、何にもましてそれを考える時間をねん出することです。人生設計図はそれをブレイクダウンして、具体的なスケジュールに落とし込まなければ効果は出ません。


鈴木敏文

コンビニ参入も銀行設立も、セブンプレミアムの開発も、みんな無理だと言った。オムニチャネルだって今、みんなが否定している。だけど、それを可能なんだ、突破するんだ、自分はやるんだと、そう思わないでどうするの。


川田達男

四半期ごとの業績や株価も大事ですが、数字に表れない社員のやる気、人材力をいかに高めていくか。それにはまずトップや管理者が自分には現場が見えていないと肝に銘じることから始まるように思います。


大坪清

これまで請負や派遣社員を使ってきたのはやはりコストを抑えるためです。1000人強の派遣社員をこの際どうするのかという議論の中で、今後も派遣社員として使い続けていくのであれば、従来と何も変わりません。会社にとって本当に必要な人間であれば、レンゴーで働く人間は全員正社員にしようと決めたのです。結果としては大成功しました。


山内雅喜

開発力の源泉となっているのは、「お客さまに喜んでいただきたい」という社員の気持ちです。例えば、スキー宅急便は長野県で働くセールスドライバーが、スキー板をかついで移動する大変そうなお客さまの姿を見て発案したものです。


小宮一慶

仕事をしていれば自然に信念が形作られると考えている人もいますが、無手勝流の信念は自分でもどこか信じきれずに、迷いが生じてしまう。


ページの先頭へ