世耕石弘の名言

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世耕石弘のプロフィール

世耕石弘、せこう・いしひろ。日本のマーケッター。「近畿大学」総務部長。奈良県出身。大学卒業後、近畿日本鉄道(近鉄)を経て近畿大学に奉職。入学センター入試広報課長、同センター事務長、広報部長などを経て総務部長に就任。斬新な広報活動で近畿大学の志望者を増やした。近畿大学の母体である大阪専門学校創設者・世耕弘一の孫。


世耕石弘の名言 一覧

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「何となくいい感じ」というブランドの価値観が、知名度はもちろん、集客にまで影響を及ぼしているのが現実。


どんなに頑張っても、何かを根本的に変えない限り、状況は永遠に変わらない。


大学は、教育と研究で成り立っています。それを「鬼」とするなら、広報を担う私たちは「金棒」です。来たるべき少子化時代の大嵐を、近大流の「鬼と金棒」で切り抜けていきます。


近大の強みは、ビジネスと直結した「実学教育」を理念としていること、そして、総合大学でありながら理系の裾野が広く、ものづくりでは圧倒的な強さを持っていること。


私たちは、自分たちのやっていることを「ブランディング」とは言いません。「近大流コミュニケーション戦略」と呼んでいます。知ってもらうためにあらゆることをする。これが私たちのコミュニケーション戦略です。


今なお、多くの有名大学は、その名前の上に安住しています。しかし少子化が深刻化する今後は、大学の名前が入学の決め手でなく、「こういう勉強をしたいからこの大学に行く」ことが当たり前になる世の中になります。これからが、大学にとって真価が問われる時代なのです。


電車広告を変えたところ、マスコミはすぐに反応しました。どの大学も同じような広告を出す中、近大だけが一風変わった広告を出したので、「何が起こったのか?」とニュースにしてくれました。その後に打った広告も新聞に取り上げられ、「近大はひと味違うぞ」というイメージを、世間にジワジワと広げていきました。



ガラリと変えたもののひとつは電車広告です。大学が出す電車広告といえば、大学の理念、きれいな校舎、笑顔の学生を登場させたものがほとんど。でもそんな広告、誰も目を止めないと思いませんか? 私たちは、とにかく「目立つ広告」をつくりたかった。だって、広告は見てもらえなければ意味がありませんからね。


今後少子化で、募集の厳しい大学はつぶれていくでしょう。それだけではありません。一定の大学が姿を消すことで、他の大学の位置が相対的に下がり、「中の上だと思っていたら、いつの間にか中の下」ということになりかねない。以前と同じようにやっていても必然的にレベルが下がる。これが少子化の怖さです。


おかげさまで近大は、日経BPの「大学ブランド・イメージ調査」で、関西私学トップのブランド力を誇る同志社大学に迫っています。しかし、「関関同立」という言葉の壁を越えるという点では、まだ何も成功してはいません。近大と関関同立を天秤にかけたとき、受験生はまだ「関関同立」を選ぶ傾向があるからです、この厚い壁を突破するために手がけようとしているのは、近大の世界的な評価を浸透させていくこと。世界大学ランキングではすでに高く評価されているので、それを国内に逆輸入してアピールしていこうと考えています。そしてゆくゆくは、関西ナンバーワンの私学になりたい。


私たちは、広告に手を抜いたりしません。広告づくりを広告代理店に丸投げもしない。キャッチコピーの句読点の位置まで、ひとつひとつ自分たちで吟味します。限られた広告費で最大効果を上げなければなりません。大量に広告を打てない私たちにとって、その一本一本が真剣勝負なのです。しかも、広告費には大学生から預かった学費の一部が充てられているわけですから。


以前は、「そんなチャラチャラした広報をやって」と、批判の声もずいぶんありました。今でも批判はされますが、肯定的な意見のほうが圧倒的に多いです。広報の力を大学内部の教職員にわかってもらうために私たちがしたこと。それは賞を取ることでした。最初に受賞したのは、「世界がそうくるなら、近大は完全養殖でいく。」というポスターです。これがフジサンケイグループ広告大賞メディア部門とクリエイティブ部門の新聞優秀賞を受賞しました。それを皮切りに、ここ4~5年で30を超える広告賞を受賞しました。それが広報の評価につながったと思っています。


近畿大学直営養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」立ち上げのときに、私たちが最もこだわったのは、オープン初日にメディアにどんどん報道してもらうこと。メディアに興味を持ってもらえそうなストーリーを、マスコミ各社に発信する「広報ファースト」という手法をとりました。マスコミに取り上げてもらいやすいような、料理店にまつわるストーリーを発信し続けたわけです。


実は、私たちがPRしているのは、「近大マグロ」そのものではありません。その背後にある「実学教育」という理念です。研究を実用化し、生まれた利益を次の研究に投入するという考え方が、伝統的にあります。研究はするが実用化は民間企業に任せるという他大学とは、そこが大きく違う。まさに実学重視。私たち広報が打ち出しているのはそこなのです。「近大マグロ」という媒体を通じて、「実学教育」を発信しているんです。


私、ブランディングという言葉はあまり好きではないんです。どの大学もブランディングを一生懸命やっていますが、「上品でおしゃれ」なカラーばかり打ち出そうとして、誰の目にも止まらない広告やポスターをつくっているような気がしてならないんです。でも私たちは、広告を打つならしっかりと目立つことが重要だと思っています。


私が近大に来てまず行なったのが、受験志望者に配布する大学案内などのリニューアルです。入試広報課長の頃、いくつもの高校を訪問して大学説明会を開きました。そこで見ているとよくわかるのですが、高校生たちは、文字がびっしり詰まった大学案内なんて、はなから読む気はありません。それはそうです。近大には14学部48学科あります。法学部を受けたい高校生にとって、他学部のページなんてどうでもいい。それに、詳細なカリキュラムも、じっくり読みこんだりはしません。「だったら、せめて読んで楽しいものに」。そんな素直な気づきをもとにリニューアルしたのが、現在の大学案内です。等身大の学生を紹介しており、他校のものとは全く違うと思います。


世耕石弘の経歴・略歴

世耕石弘、せこう・いしひろ。日本のマーケッター。「近畿大学」総務部長。奈良県出身。大学卒業後、近畿日本鉄道(近鉄)を経て近畿大学に奉職。入学センター入試広報課長、同センター事務長、広報部長などを経て総務部長に就任。斬新な広報活動で近畿大学の志望者を増やした。近畿大学の母体である大阪専門学校創設者・世耕弘一の孫。

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