三田紀房の名言

三田紀房のプロフィール

三田紀房、みた・のりふさ。日本の漫画家。岩手県出身。明治大学政治経済学部を卒業後、西武百貨店に入社。父が体調を崩し、経営していた2つの衣料品店を兄とともに引き継ぐため西武百貨店を退職。経営不振と多額の負債で資金繰りに苦しむ中、漫画雑誌の新人賞の募集を見て賞金を得るために作品を投稿。3社に応募し講談社ちばてつや賞一般部門に入選。店を閉め上京し、30歳で漫画家として活動を開始する。主な作品に『ドラゴン桜』『マネーの拳』『空を斬る』『銀のアンカー』。そのほか『個性を捨てろ! 型にはまれ!』『汗をかかずにトップを奪え!』などビジネス書の執筆も行った。

三田紀房の名言 一覧

読者アンケートが毎週1位だった『ミナミの帝王』を徹底的に分析しました。それをマネて、ありえないことでも情感たっぷりに描いてハッタリをかます、今の作風に変えていったんです。そして結果が出て、アンケートが上位にあがり、『ドラゴン桜』などが生まれたんです。


洋品店を営んだ経験上わかるのですが、結局のところ一番売れるのは「白いポロシャツ」、つまりは定番品なのです。私はその「白いポロシャツ」を作りたい。斬新さなど狙わず、一定の質を備えたものをコンスタントに提供したいと考えています。


日本は自由で平等な社会といわれます。ただし、それは経済的に自立しているという前提があってこそ成り立つ。


いつでも仕事に取り組むことができて、いつでも手を休められるような精神状態を維持することが大切です。


苦手なことは、そもそも無理に克服しようとしないことです。放っておけばいいんですよ。


「儲ける=悪」というのはあまりにも潔癖すぎます。みんなでお金を回していけば、日本も自分たちも、幸せになるという意識を持たないと。


新人アシスタントにも初日から練習なしでペンを入れさせます。そのうえで改善点を先輩が指摘、その都度修正。これにより早い成長が促され、すぐに戦力として活躍してくれます。


自分の成功パターンを公式化し、その公式で生産していく。私はこれを「デジタル化」と呼んでいます。作品内容も、制作フローも、私自身のスタイルも、できる限りデジタル化します。


いま吉祥寺に仕事場を構えたのは、「漫画家の聖地ともいえる吉祥寺でアシスタントをすること」に、多少のステイタスを感じてもらいたいから。スタッフのやる気が高まれば、作品づくりに反映されますから。


僕は小さいころから、「どうすれば相手に好印象を与えることができるか」ということにかなり意識的だったと思います。僕が考える相手に好印象を与えるコツというのは、「相手の立場に立って考えればいい」だけのことです。


会社がある目的を持った組織である限り、そのメンバーには期待される役割があります。組織で働くからには、その仕組みを冷静に把握したうえで、自分がどのように振る舞えば、上司が喜び、自分も得をするかを考えることが大切なのです。


漫画家の中には「親密な人間関係が結べなければ、その編集者とは仕事をしない」という姿勢の人も多いのですが、僕の場合は逆です。親密かどうかの前に、まずお互いの利益は何かと考える。最終的にお互いが利益を得られることが確実にわかっていれば気持ちよく仕事ができます。そして一緒に仕事をした結果、親密になり、何らかの信頼関係が築かれていくかもしれませんが、それはまた別の話です。


周囲の期待や要求に応えていくとき「ボランティア精神が大切」とか、「本当はイヤだけど仕方なく」という気持ちでやろうとすると、それは続かなくなります。そうではなくて、こちらのリターンも考えるんです。たとえば、講演会で1時間なり1時間半なり直接顔を突き合わせて話せば、その場にいる人たちの心に強い印象を残すことができます。そのうちの何人かは僕に親近感を抱いてくれて、読者になってくれることもあるでしょう。つまり、相手の立場に立って、その期待に応えることで、自分も何らかの価値を手に入れられるわけです。そんなふうにドライに捉えた方が人付き合いは楽になるのではないかと思います。


昔取り組んだテーマをリメイクすることを「後退」と感じる人もいるかもしれませんが、僕はまったくそう思いません。得意分野をローテーションして、より速くより深い完成度をめざすというやり方は、一般のビジネスの世界でも応用可能だと思いますよ。


ある程度こなせるジャンルをいくつかつくって、ひとつを描き終えたら、昔やった別のジャンルにまたチャレンジするというように、ローテーションで回すことを意識しています。一度取り組んだジャンルやテーマでも、そのすべてをやり尽くしたなんてことはそうあるものではない。とくに若いころは構想力もテクニックも未熟ですから、いま振り返ると十分に描き切れていない部分が結構あるものです。それを克服する意味も込めて、また同じテーマに取り組むわけです。


僕はスタッフに対して「何でも描けるようになれ」とはいいません。たとえばクルマを描くのがとてもうまくて速いのなら、それでいい。彼が苦手な分野については、ほかのスタッフに任せればいいですから。たとえ、苦手であまりはかどらない分野があったとしても、得意な分野に注力することで、「仕事が速くてできる人」と見なされることは十分可能です。


計算が不得意なビジネスマンが、会計の知識くらい必要だと、突然勉強を始めたりしますよね。そういう人をみると、「やめておいたほうがいいのに」と思います。これほどの時間のムダ使いはありません。たいていの場合、会社にはその人よりも会計に詳しくて計算も得意な人間がいるものです。そういう人と比べたらいくら努力をしても、「スピードも遅いし、成果も見劣りする」という評価になるのは避けられません。だったら無理に克服するより、得意なものを伸ばしていったほうが、本人のためにも会社のためにもなるはずです。


思いきりのいい人は、何事もまずやってみるわけです。もし失敗したとしても、思いきりがいいぶん、「なぜ失敗したか」を検証しやすいから、次に活かすことができます。逆に、迷いながら物事に取り組んでいると、失敗の理由もあれこれと浮かんできてしまい、次に活かすことができません。それが積み重なって、成長のスピードにも自ずと大きな違いが出てくるのではないでしょうか。


どんな世界でも同じことがいえると思いますが、漫画についていえば、思いきって描いたほうが断然いい作品になりますね。迷いがあって考えながら描くと、「結局、何が描きたいの?」といいたくなるような中途半端なものになります。一方、「このストーリーや絵だったら、絶対に面白いものになる!」という確信をもって描いた作品は、多少強引さがあっても読者に伝わるものになります。だから僕はいつもアシスタントに、「もっと思いきって描け」と口を酸っぱくして言うのです。思いきりのある人のほうが、仕事も自己成長のスピードも速いと思います。


仕事が速い人と遅い人の差は、「思いきり」がいいか悪いかの差だと思います。ウチのスタッフをみていても、思いきりがいい子は「こうだ」と決めたら、余計なことはせずにどんどんそれに取り組んでいきます。だから当然、アウトプットも速くなります。逆に思いきりが悪い子は、迷いながら仕事を進めていきますから、仕上がりも遅くなります。それだけの違いです。


呑み込みが早い部下と遅い部下の差は、上司の指示の背景にまで考えが及ぶかどうかの差ではないでしょうか。たとえば、あるチェーン店に勤めている人が、不振店舗を閉店する撤退作業を担当するように指示を受けたとします。普通であれば、命じられたことを命じられたとおりにやるだけでしょう。けれどもできる部下は、撤退作業に携わりながら、「なぜ会社や上司はこの店舗を閉店するという判断を下したのか」と考えるものです。「立地が悪かったのか。それとも店の広さやレイアウトに問題があったのだろうか」などと、自分なりに納得できる原因を探すクセが身についているのです。そうして、指示の背景にあるものについて考える訓練をしていくと、次第に会社や上司の思考回路がつかめるようになります。そうすれば、ほかの指示を受けた際にも、会社や上司が求めるものを短時間で理解できるようになりますし、行動にもムダがなくなります。さらには、会社が抱える課題について解決案を提案する能力も磨かれていくはずです。


ある投資ファンドの人に「やっぱり最後は勘や感性なんだ」と聞きました。人が行う以上、感情と無関係ではいられませんが、感情を制し論理を優先できる人が成功するのでしょう。


マンガ制作において重要なのは「削る」作業。面白いところだけを強調し、余計なものは入れません。ダラダラ話すと余計なアイデアが出てきて「あれも入れたい、これも入れたい」となりがち。編集者との打ち合わせは早々に切り上げるのが得策です。


私は生涯、生産者でありたいと思っています。そのためには常に高い生産性を保ち続けなくてはなりませんから、作品のコンセプトも私自身のキャラクターも、「普通はやらないことをやる/言う」という公式を決めて、次々に新しいものを作るのです。


漫画界には、「限界まで身体に鞭打ってこそ素晴らしい創作活動ができる」という美学、もとい「幻想」があります(笑)。最初は私もその価値観に慣れていましたが、デビューから10年が経ち、自作が売れ、自信がついてきた頃から、「別の方法でもいい作品は作れるはず」と考えるようになったのです。


編集者との打ち合わせは毎回30分程度、議題は「次回の内容」と「山場の部分」の2点だけ。いたってシンプルな話し合いです。それ以上、長く話しても、同じ内容の繰り返しになることが多いですね。


「お金で幸せは買える」というのが私の意見です。サラリーマンを辞めて家業の洋服店を兄と一緒に経営していたときには、「明日仕入れ先に支払う金がない」という状況に何度も追い込まれました。その時の家の中といったら、並みの神経では耐えられない空気に包まれます。この状況から抜け出さなくては、と漫画を描き始めたのがいまの私につながります。店のレジに現金があれば、ビールも美味しく飲めたし、家族も明日頑張るぞと燃えた。お金があれば、幸せを味わえるのです。


「徹夜ゼロ、残業ゼロ」を開始したときの一番の変化は、私語がピタリと止んだこと。6時半に終業するには、仕事に没頭するしかありません。徹夜・残業なしと決めたことで、スタッフらの「目的」に変化が起きたのです。以前の彼らの目的は、「楽しい職場作り」でした。おしゃべりをしながらともに疲労感や睡魔と戦う連帯感はたしかにあったでしょう。それが一転、「短時間で質の高い仕事をする」ことに意識が向いた。「ながら仕事」がなくなり、結果的にはスピードのみならず質も向上したと思います。職場の雰囲気も、冷たくなるどころか「一致団結していいものを作ろう」という、気持ちのいい緊張感が生まれました。


制作の速度と精度を上げるには、最初の方向づけが要となります。私の最大の役割は、毎週の仕事始めまでにプロットを考え、完璧なネーム(絵コンテ)を用意すること。これがないとスタッフは何もできないわけですが、この「アイデア創出」の過程にも、私は時間をかけません。なぜなら、頭の中にストーリーの「型」が用意されていて、それを発展させるだけだから、迷うことがないのです。


私は30歳のとき、経験ゼロの状態から漫画家になりました。漫画を描くなら絵の練習をしてから、などと思うより、まずつくって投げかけた方がはるかに早い。ビジネスも同じでしょう。新商品にせよ個人的挑戦にせよ、準備や調査に時間をかけたところで、実際の手ごたえにはかないません。「失敗するかも」と考えている時間こそムダであると、私は思います。


「徹夜ゼロ、残業ゼロ」を打ち出したことでスタッフ側からも効率化の改善案が出るようになりました。たとえば昼休みの廃止。それまではみんなで決まった時間に昼食をとっていたのですが、各自が好きな時間に休むほうがいいとの意見を採用しました。また、漫画の背景部分を手描きからデジタルに切り替えたのもスタッフの発案です。


投資というと金儲けだけに注目されすぎる。もちろん、資産形成も大きな目的ですが、株でも土地でも投資をすると、何より経済や歴史を学べるんです。また、世界中の名投資家たちが、引き際の大切さを名言として残すことを知ると、いかに損切りが難しいかという人間心理が怖いほどわかる。そんな知識と大局観のようなものが投資で身につく。それは仕事や人生そのものを潤す力になる。


「誰からも相手にされない老人」にならないためにも投資はしたほうがいい。お金も教養もない。仕事もないし、身体も動かない……。良し悪しではなく、そんな老人は社会から邪魔者扱いされる確率が高い。しかしうまく投資をすれば、お金も教養も得られる。そんな老人なら大事にされますよ。投資の目的は単に資産形成ではない。幸せな未来を形成することなんだと僕は思いますね。


僕は運をつかむために大切なのはテニスでいうところの、「リターン」を必ず返すことだと思うんですよ。僕にとって転機となったのは間違いなく、『漫画ゴラク』で連載をしている時の担当者の「三田さん、このマンガで読者アンケート1位をとりましょう!」という一言なんです。正直、それまではアンケート結果はまったく駄目。「その程度だろ」と諦めていた時に、突然、「1位に!」という弾丸サーブが来たわけですよ。そこでとにかくリターンしようと決めた。1位になるため、やれることをやろうと。


日本ってお金をタブー視するじゃないですか。「いくら儲けた」なんて声高に話すと人格を疑われる風潮がある。けれどその結果、経済の仕組みを学ばないまま、ビジネスの世界に放り込まれ苦しむわけでしょ。そこにニーズがあると考えた。だから『インベスターZ』を「中学生が図書館の地下にある投資部で投資をしていく」というストーリーにしたんです。すると、タブーに踏み込む刺激を持ちつつ、わかりやすく経済や社会の仕組みが学べる。大人こそ楽しめる、ためになるマンガになると考えたわけです。


三田紀房の経歴・略歴

三田紀房、みた・のりふさ。日本の漫画家。岩手県出身。明治大学政治経済学部を卒業後、西武百貨店に入社。父が体調を崩し、経営していた2つの衣料品店を兄とともに引き継ぐため西武百貨店を退職。経営不振と多額の負債で資金繰りに苦しむ中、漫画雑誌の新人賞の募集を見て賞金を得るために作品を投稿。3社に応募し講談社ちばてつや賞一般部門に入選。店を閉め上京し、30歳で漫画家として活動を開始する。主な作品に『ドラゴン桜』『マネーの拳』『空を斬る』『銀のアンカー』。そのほか『個性を捨てろ! 型にはまれ!』『汗をかかずにトップを奪え!』などビジネス書の執筆も行った。

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