ジョエル・ティリングハストの名言

ジョエル・ティリングハストのプロフィール

ジョエル・ティリングハスト。「米フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ」ポートフォリオマネジャー。ノースウエスタン大学経営大学院でMBAを取得。米調査会社バリューライン アナリスト、バンク・オブ・アメリカ調査アナリストなどを経てフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチに入社。著書に『Big Money Thinks small』。

ジョエル・ティリングハストの名言 一覧

私自身、大きな期待を抱き過ぎて多くの失敗をしてきた。最良の学びは他の人の失敗から得られる。


植物を育成するために、水をやり、雑草を取り除く作業を続けなければならない。ほったらかしにすることはできない。株式投資でも常に新しい情報を入手して、購入した時の見立てが崩れていないかどうかを確かめることが必要だ。


企業が成長し続けるかどうかを判定するためには、消費者がなぜその会社の商品を選ぶのか、消費者はこれからもその商品を買い続けてくれるのか、その会社は消費者の購買を促す新商品の開発が得意なのかといった点をチェックしなければならない。


テンバガー(10倍株)の軌跡は、PER(株価収益率)が低い時点から始まる。バランスシート(貸借対照表)も良好だ。成長率が非常に高い。だから、成長するために必要な人員を雇い、設備を購入することもできる。通常は、まだ誰も手掛けていない、もしくは他社がまねできない独特の事業を営んでいる。


経営者に問題がある会社の株を購入するという失敗もある。さらに、流行り廃りの激しい事業や汎用品の販売を手掛ける会社の株を買ったり、割高な価格で賊入したりといった失敗がよく見られる。


多額の投資を必要としないビジネス、また、消費者が特別と感じる事業を手掛けていることが必要だ。さらに、特定の消費者にフォーカスし、ニッチな商品を販売して高い満足度を与えている会社が望ましい。


投資銘柄選定の4つのポイント。

  1. 事業内容を理解できること。その会社の商品を客がなぜ買おうとしているのかが分からなければ、販売の先行きを高い精度で見通すことはできない。
  2. その会社が他社とは異なるユニークな事業を営んでいること。その会社がなくなったら、消費者たちが惜しむような事業を手掛けている会社がいい。
  3. 資金配分に長けていること。これは、ROE(自己資本利益率)が高いことを意味する。ROEが安定していて成長を続けている会社が望ましい。
  4. PER(株価収益率)が低いこと。PBR(株価純資産倍率)や配当利回りを見ることもあるが、常に見ている株価指標はPERだ。

バリュー株投資を採用しているのは、私が典型的な中産階級の家庭で生まれ育ったことが影響している。裕福ではないので、モノをできるだけ安く買うことで所持金を有効利用しようとした。だから、本来の価値よりも低い価格で買うバリュー株投資は自分には腑に落ちた。


私が運用を担当しているファンドが中小型株に特化しているのは、中小型株をフォローしているアナリストは、大型株ほど多くはいない。そのため、中小型株の中に見過ごされた有望な銘柄を見つけることができるからだ。


株式投資で失敗する人が多いのは、株式投資をギャンブルと考えている人が多いからだと思う。失敗を防ぐためには、長期投資の仕方と合理的な思考を学ぶ必要がある。企業の事業内容を理解できるだけでなく、「この事業は5年以内にこのようになっている」と推測できるようになることも求められる。


「正しい判断は経験から生まれ、経験は間違った判断から生まれる」という格言もある。利益に伴う喜びよりも損失に伴う痛手の方が大きい。さらに、完璧になるよりも失敗を防ぐ方が簡単だ。完璧な投資などあり得ない。大きな損失につながる失敗を防いで心理的な痛手を回避することは、多くの人にとって可能だ。


私の趣味はガーデニングだ。株式投資もガーデニングも今日の行動の結果がすぐには表れない点が共通している。ガーデニングでは、蒔いた種が花や野菜になるまで何か月もかかる。木の場合は何か月どころか何年だ。株式投資も同じだ。今日買った株が明日100円上がるかもしれないが、そのことを当てにしてはいけない。5年後までに「あの株を買ったのは良い判断だった」と振り返ることができればいい。


株に投資するのであれば、先行きを予想しようと試みることが必要だ。企業の将来価値は、経営者がどれだけ優れた決断を下せるかに左右される。もちろんその決断がどのような結果をもたらすかは事前に分からない。一つの決断の結果が出るまでに長い時間がかかることもある。だからこそ、長期投資が求められる。


企業の利益が将来に増えるかどうかは、経営者の手腕にかかっている。他社にはない特別なものを扱うビジネスを創り出している経営者を探すことだ。たとえば米アマゾン・ドット・コムは、世の中に流通している本を全て扱い、しかもすぐに配達することで、書籍販売という一般的なビジネスを特別なものにした。


ビッグチェンジには乗ろうとしている。ただし、誰もが注目して最も人気のある銘柄には投資しない。だから、EV(電気自動車)や自動運転車には関心を持っているが、テスラの株は保有していない。その代わりに、EVメーカーや自動運転車メーカーと協業する戦略を取っている自動車関連の会社を探している。


日本は小型株の投資家にとっては素晴らしい市場だ。米国よりも人口が少ないのに、米国に比肩するほど多くの小型株が上場しているからだ。この点は他の国の小型株も同じだが、米国に比べてアナリストにカバーされている小型株が少ない。また、他国に比べて日本は詐欺師まがいの悪質な経営者が少ない。これも私が日本の小型株を強く選好する理由の一つだ。


ピーター(リンチ)は驚くほどエネルギーに満ち溢れていた。非常にスマートで、新しいアイデアや情報に耳を傾ける柔軟性があった。彼は知識の習得に貪欲で、それまでの考えと矛盾する情報を得ると、考えを改めることをいとわなかった。自分の失敗を素直に認めることができた。その姿勢だろう。これは簡単なことではない。多くの人は自分の下した判断が正しいと思いたがり、それを裏付ける情報だけを見ようとするからだ。


保有している株を売るのは他にもっと有望な株を見つけた時だ。事業が成長するスピードが速く、経営者の手腕も優れている一方で、過小評価されて価格は割安になっている。そんな会社の株が見つかったら、保有している株を売却して乗り換える。そのために常に銘柄を比較している。もちろん単に保有している銘柄が割高になり、経営も悪化して、競合他社に対する優位性も失われていたら、他にもっと有望な銘柄がなくても、見切って売却することはある。


フィデリティに採用される前はバンク・オブ・アメリカでエコノミストをしていた。その時に債券よりも株の方が好きなことに気付いた。それで株式投資に関係する仕事に就きたいと考えた。また、多くのことを学べる偉大な人たちと一緒に仕事をしたいという気持ちも強かった。ピーター(リンチ)は、今も米国で最も有名なファンドマネジャーだ。運用していた「フィデリティ・マゼラン・ファンド」で抜群の成績を残した。だから彼に何度も電話して面談を受けたんだ。


ジョエル・ティリングハストの経歴・略歴

ジョエル・ティリングハスト。「米フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ」ポートフォリオマネジャー。ノースウエスタン大学経営大学院でMBAを取得。米調査会社バリューライン アナリスト、バンク・オブ・アメリカ調査アナリストなどを経てフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチに入社。著書に『Big Money Thinks small』。

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