福嶋康博の名言 一覧

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福嶋康博のプロフィール

福嶋康博、ふくしま・やすひろ。日本の経営者。「エニックス」創業者。北海道出身。日本大学理工学部建築学科卒業。いくつかの事業で成功したのち「エニックス(のちのスクウェア・エニックス・ホールディングス)」を創業。その後数多くの人気ゲームを世に送り出した。

新規事業を成功させるアイデアの種は異業界に眠っている。


企画がダメな事業は、いくら修正を繰り返してもダメなのです。ダメとわかれば、その企画はすぐにでも止めるべきです。


企画が魅力的であれば、消費者には支持されます。お金がないなら、ないなりの規模でどうやるかを考えれば、大抵の事業は出来ます。


事業には常に成長が必要であり、終わりがありません。常に満足せずに、次の目標を目指すことが重要。


企画した事業を実際に実行するかどうかの判断材料となるのは、失敗した時にどこまで損失を許容できるかにあります。


事業を成功させるには、良い意味で消費者に驚きを与える商品・サービスを提供しなくてはなりません。


会社は経営者によって良くも悪くもなる。


妥協して成功することはありません。仕事に対して妥協してはいけません。お客様に対しても社内に対しても、自分が思った事を信じてやり通すのです。


企業は進化しなければなりません。前へ、前へと進んで行くのです。止まってしまうと、事業はどんどん衰退します。


閃いたら即実行していくことが重要です。そして、実行していく時に最悪駄目だった場合のことを想定しておけば、思い切って実行することができるし、成功する確率が高くなります。


私は事業計画を入念に練ることはしません。事業は重要なポイントが当たるかどうかだと思いますし、結局は始めてみなければわかりません。


会社の成長を左右するのは「人」ではなく「企画」だと考えています。社員を総入れ替えしても企画が同じであれば、同じ状態が続くでしょう。


大事なのは自信を持って事業を進めていくことです。揺るぎない自信があればこそ、壁はすぐに破ることができます。


多くの社長は日常の細々したことに口を出し過ぎています。長期的な視点を忘れてしまいますし、社員は自らで物事を考えなくなってしまいます。


商品の企画をした人がその商品開発の責任者となるのが当然だと思います。例えば、「ドラゴンクエスト」は、その企画をした人が決定権を持ち続けることにより、良い結果が生まれています。


現状成り立っている事業であっても、それが今後も伸びていく事業であれば伸ばしていき、衰退していく事業と感じれば即撤退すべきです。


多くの会社は時代の流れに沿って事業をしているだけのように感じます。時代の先を捉えることが大切です。


今、世の中で当たっている事業の数十倍、失敗している事業があります。事業とは全部当たるわけではないので、自分が手がけている事業が当たらなくても、次を考えればいいのです。


素晴らしい夢を語る社長はいますが、何年間も同じ夢だけを語りつづけ、1つも実行していない人も多くいます。やはり頭の中で考えたら、即実行するべきです。


一般的なことをずっと続けているようでは、進歩しません。


過去の失敗よりも、新しい事を考えた方が成功の確率は高いでしょう。そうしなければ、次へ繋がらず終わってしまいます。


無理してお金を調達しようとせず、借金しない方法を考えるべきです。「どうしたら、お金を使わずに出来るか」をじっくり考えれば、答えは出てきます。


過去の失敗を考えてもプラスになりません。失敗は失敗です。これからどうするかを考え、いかに実行するかが重要です。


日常の業務をこなしていると、それだけで仕事をやっている気持ちになりがちですが、日常の業務に追われているだけでは、事業はなかなか伸びません。


人は過去を振り返って「あのとき、ああしておけばよかった」と考えがちです。しかし、決断する自分自身が変わらなければ、次の機会が訪れても逃がしてしまいます。


重要なのは、前例がなかろうと、周囲が反対していようと、自分の信念は貫き通すことです。こうした常識にとらわれない発想に基づく信念を持ち、それを貫き通すことが重要です。


自分が迷っていることは、あまり上手くいかないことが多いものです。逆に、今は上手くいっていなくても、絶対成功するはずだと信じ続けていれば成功する。


常識と言われていることでも自らが納得できない方法は止め、自らの感覚、信念を貫いたことが、成功に結び付いた。


小さな変化では、大ヒットには繋がらない。これまでにない新しい視点を得るには、自分が現在所属する業界を見るのではなく、他の業界を学び、その視点を積極的に取り入れなければなりません。


大ヒットするのは今までには無いタイプのゲームであり、二番煎じのゲームからは大きな成功は生まれません。


皆が納得する企画とは、誰もが思い付く企画です。いままでとは全然違う発想だからこそ、皆が反対するのです。皆が納得する企画を実行しても大きな成功は得られません。


成功しない企画にこだわり続けてしまうと、全てを失ってしまいます。そのため、撤収の時期を間違えないことが大切です。


自分の感覚を信じ、信念を貫き通すことが重要ですが、同時に大切なのが軌道修正です。事業を始めてみて「あ、これはダメだ」と思ったら、すぐに止められる見切りができるかどうかです。


経営者には強力なリーダーシップが必要です。ときには皆が反対する企画を推し進めなければなりません。


私は経営上重要な判断を下す際、常に自分の感覚を信じ、それが正しいと感じたら素早く行動に移してきました。


私は多くの事業の始まりから終わりまでを見てきましたが、事業の継続的な成長に必要なのは、事業の核となるニーズの大きさと伸び、そしてそのニーズに基づく事業企画なのです。


事業成功のポイントは企画にあります。業界の固定観念に囚われない発想で自らのビジョンを考え、具体的な事業企画を立てたのち、即行動に移すことが重要です。


まず3回挑戦してみるという姿勢が必要です。例えば、挑戦して壁にぶつかり、もう一度挑戦してまた壁に直面したとします。しかし、大抵のことは3回挑戦すれば叶うものです。


自らの言動を実行せず、うやむやにする人もいますが、そのような経営者は成功を逃します。


人間は、なかなか発想の転換ができないのです。だからこそ、リーダーが大きな目標を掲げ、社員に発想の転換を促していくことが大切なのです。


人間は、どのような事業目標を掲げるかによって考え方が変わってきます。たとえ同じ人物であっても、目標それ次第でその後の人生が大きく左右されるのです。


いくら大きな目標を持っていても、行動しなければ達成できないのです。有言不実行の人が多いですが、実行しないと何も始まりません。事業企画を即実行に移すことは、事業成功の必要条件です。


ビジョンを小さく持ってしまうと、成果も小さくなります。ナンバーワンを狙って目標を大きく持つことが、事業成功の確率を高める上でも重要となります。


商品を見たとき、「ヒットする」と思っても売れないことはありますが、「これは売れないな」と感じた時はほぼ100%売れないものです。


細かい部分は構いませんが、企画全体の骨格や重要な部分はリーダーが決定すべきです。


創業者は自らの退職を決めたら、早めに経営から退き、後継者にすべてを任せるべきです。取締役に残ると自分の意見を押しつけてしまい、新社長は自らの決断を行えなくなります。


経営に携わった約30年間、常に業績を伸ばすことだけを考えてきましたが、いつも現状に満足できず、将来に不安を感じ、それを解決するために経営を続けてきました。


トップに求められるのは、事業を発展させる力です。創業者はこの点で最も優れた後継者を社内から選ぶべきです。いくつかの欠点や失敗があっても、私は70点であれば素晴らしい後継者だと考えます。


時折、社内に満足する後継者がいないと思い、100点の人材を求めて社外を探す創業者がいます。そのような創業者は社外から誰を持ってきても、きっと満足できない考えの人だと思います。その創業者が満足できる人材がいないからです。


私は後継者を選ぶ時に社外からの採用を一切考えませんでした。社外の人材は知り尽くしていないなどの点で、外れの確率が高いと思います。


会社の創業時、自己資金が乏しいのであれば、事業予算を自己資金で損失をまかなえる範囲内に収めるだけのこと。100万円しか自己資金がないのであれば、それで事業をスタートできるよう努力をすれば良い。


文化を知るためには、長年その国に慣れ親しむことが必要です。商店や路地を歩き回るだけでは、特に勉強にはなりません。私の場合は米国でのハウスキーパーのアルバイト経験が非常に参考になりました。一般的な家庭の生活が間近で見れたからです。


世の中には数多くの事業がありますが、その業種によって売上規模や利益率は決まってきます。そこで、私は事業計画を立てる際、人々のニーズを基準に、伸びる業種かどうかを判断しました。


異業界から、新たな業界に挑んだ方が斬新な発想が浮かぶ。逆の立場で考えれば、業界内から創業する人たちは、異業界の事業モデルからどんどん学ばなければいけません。


どの業界を見渡しても、大成功している創業経営者には異業界の出身者が多い。一方、元々経験が長い業界で事業を起こす創業経営者の多くが一定の事業規模に留まっている。この原因は、同業界での創業となるとその経営者は発想の転換ができず、周知の視点で事業を企画してしまうから。


事業の成功を左右するのは人の能力よりも、自らの企画が消費者のニーズを捉えたかに因ります。つまり、「事業は企画なり」です。なぜなら、いくら社長や社員が優秀でも、事業企画が悪ければその会社は伸びないからです。


エニックスを設立し、企業向けオフィスコンピューターの販売事業からゲーム事業に参入しました。そのため、ゲームソフトを開発する人材もノウハウも、全く持ち合せていませんでした。そこで、私は日本全国から優れたゲームクリエーターを発掘し、彼らに開発してもらったゲームをエニックスから発売することを思いつきました。こうして開催されたのが「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」です。このコンテストは大成功に終わりました。第1回コンテストに入選した13作品を商品化したところ、5作品が人気ランキングの10位内に入るヒットとなり、事業開始初年度で3億5000万円の利益を計上することができました。


ビジネスモデルの寿命、対応年数は状況によって全く違います。非常に長く続く業種もあれば、10年も持たない業種もあります。それは業種によって違います。商品やサービスも同じで継続的に売れるわけではありません。常に「もっともっと」を探ることが必要です。


「ドラゴンクエスト」がヒットした理由のうに、チームで作ったことがあります。エニックス設立前後のゲームソフトは、音楽、画、プログラミングなど全てを1人の手によって作られていました。それを画は画、音楽は音楽で担当者ごとに製作したのがドラゴンクエストです。つまり、それぞれの得意分野を持つ人材がチームを組んで、1つの商品を作りあげたのです。今までの常識だった「ゲームは1人で作る」を変え、「皆で作る」という新しい手法が当たったのです。


企画の立案者が社員なら、その企画はその立案者に任せるべきです。「なぜこれをやるのか」というポイントを一番知っているのは、立案者自身だからです。つまり、アイデアを考え企画した人が、事業の責任を持つということです。


事業計画は重要なポイントとなるニーズだけを捉えれば良いでしょう。お客様が何を望んでいるかを正しく捉えれば、お客様は集まりますし、逆にそれが間違っていたらお客様は集まりません。ニーズを捉えられているかどうかで、成功するかどうかが決まるのです。細かいことに気を取られて、事業の中心にあるニーズを忘れてしまってはいけません。


私は常に、会社をより安定させたいと考えていました。そのために、次から次へと挑戦していく必要があったのです。つまり、会社を安定させるために、事業を大きくしていき、業界ナンバーワンを目指したのです。


事業を始めた時には必ず壁にぶつかりますが、私はそれで良いと思っています。壁にぶつかってみて初めて分かることの方が多いのです。自分が自信を持てるアイデアがあるなら、まずは実行してみて、問題が生まれた時にすぐに対処すれば良いのです。


何百本とゲームが出ても、その中で大ヒットは数本です。事業も同様でしょう。何百という事業が出てきますが、その中で当たる事業はすぐ数字に表れます。そのため、当たらない事業に注力しても変わらないのです。分からないのは、その事業を考えた自分だけです。


商品がヒットするかどうかは、ユーザーに見せればすぐに分かります。商品が発売開始してから1週間も掛かりません。例えば、お客様はイメージだけで映画を「面白そうだ」と思って映画館に足を運びます。つまり、最初から大ヒットする映画は決まっているのです。ゲームも同様です。消費者はプレイしたことのない新作ゲームを買います。そのため、発売1日目、2日目の売り上げによって、答えが分かるのです。発売当初に売れなければ、その後もヒットはありません。宣伝費をかけても変わらないでしょう。


自分の企画が当たらなければ、それは自分の考えがニーズに合っていなかっただけです。「時代に合わない」というのも言い訳に過ぎません。では、「数年後なら当たるのか」と言ったらまた違うでしょう。皆がいま持っているニーズに対して合致しなければ、5年後のニーズを捉えることなど出来ないと思います。


よく新規事業で、「もうちょっと追加投資したら成功するかもしれない」と考え、継続的に投資することがあります。しかし、段々と泥沼に入り込むだけです。「あと5000万円あればなんとかなる」と思って事業を続け、撤退の時期を見誤ることは避けるべきです。「あといくら追加投資があったら」、「あと3カ月あれば」と言う人はいつまでたっても「あといくら」、「あともう3カ月」となります。そもそも、どの事業も始めてすぐに、当たるかどうかの答えは出ます。


私は、いつも新たな企画を考えていました。そして、頭の中で「これいいな」と思ったら即実行しました。今までに無い企画を発想し、それに自信を持って進めることこそが成功に繋がるからです。


借金は新たな挑戦を制約してしまいます。そのため、私は創業期から銀行借入をしたことが一切ありません。借金して成功する人もいますが、それ以上の人々が借金で失敗や自己破産をしています。だから、私は借金を勧めません。


常に自己否定することが必要です。はじめにその事業がそれなりの利益を上げていても、「これでは満足できない」と自分に言い聞かせます。そういう面では、経営者にとって不安な状態はいいことかもしれません。不安によってすぐ解決しようとしますから、プラスに働くでしょう。


お金が入ると、高級車や自らの趣味にお金をつぎ込むことで、仕事を疎かにしてしまう経営者もいます。しかし、経営者はわずかな成功で満足してはいけません。現在の会社の業績は過去の取り組みの結果なのです。


事務所を借りなくても自分のアパートで事業は出来ます。組織を作らなくても、最初は自分一人でも構わないのです。形式に捉われすぎると、形を作るだけでお金が掛かる一方です。つまり、基本的には借金をしないで出来る、事業方法を考えるべきなのです。格好をつけていたら駄目です。最初から立派な事務所を作ったりしては成功は遠のきます。成功するかどうかは形式によっては決まりません。


常に2~3年後を見据えて、事業を考え、実行することが大切です。行き当たりばったりで予算を決めて使い込んでも先がありません。最終的にどういう形へ持って行くか、それを達成するにはどうすればいいかというビジョンを持つのです。


現状に満足できなければ、新たな事業企画を立ち上げるべきです。例えば、ある事業領域で日本一になっても、将来的にニーズが大きく成長しないようであれば、その事業を無理して拡大しようとする必要はありません。


私は事業を始める時には必ず最大損失額を設定しました。エニックスの創業時には3000万円と設定しました。すると、「失敗しても3000万円の損失だな」とイメージができ、すぐ行動に移せました。


他の経営者からは後継者が社内にいないため、社外から社長を起用するという話を聞きますが、多くは社外から起用した人の長所だけを見て決めており、逆に社員については欠点ばかりを見ているように思います。私が社内で選んだ3~4人の候補者には長所も欠点ありました。経営者も含め100点満点の人間などいないのです。


よく「思いつきで行動するな」と言われますが、そんなことはなく、事業企画の多くは思いつきが起点となります。議論や理屈を突き詰めていっても、良い企画はなかなか出てきません。大切なのは、流行りよりも思いつきなのです。


私が考える経営者像を一言で言えば「正しい決断をして実行する人物」です。つまり、正しい決断を出来るかどうかが一つの大きな要素になってきます。正しい決断とは、大きく成長する事業分野を見定め、新たな発想で事業に挑戦する決断であり、自分が考える答えを自ら掴みとる行為です。


事業計画を描くとき、2段・3段と構えるべきではありません。初めは売上10億円を目指し、到達したら50億、100億円という風に思い描くよりも、最初から100億円を目標に設定したほうが成功の確率は高まります。それを初めから10億円に設定してしまうと、最終的にはそれすら困難になります。初めから到達しそうにない目標であっても達成するという気概を持つべきです。


企業を見回すと、既存事業を単に継続しているだけの経営者が多いように思います。これは、経営者の考え方や力量が、その会社の現在の姿として反映されていると言えます。しかし、事業成長に向けて強い思いを持てば、そこまで会社は成長します。


自分が大きな会社にしようと考えれば大きくなるし、小さくてもいいと思ったら、いつまでたっても小さいままです。だから、大きな会社にしようと強く願い、それを目指して実行していけばその通りになっていく。


私はゲームソフト製作の陣頭指揮を執っている時、「今までと同じものを作るな」と繰り返し言い続けていました。しかし、100種類のゲームソフトを販売したとしても、その内のほとんどは過去に発売されたソフトと似たり寄ったりのソフトで、新感覚なものは数本でした。しかし、ヒット商品はこうした新感覚の数本の中から生まれてきます。


社員は営業に苦戦すると、「今回の商品が売れていないのは、商品の良さを分かってもらえていないからなので、宣伝を強化しましょう」と提言しがちです。ところが、それは自分たちが作った商品をユーザー目線で見られなくなっているだけです。やはり売れる商品は「売れる顔」をしています。「売れない顔」の商品は、いくら宣伝しても売れません。


固定観念に囚われないお客様の視線でいま売れているヒット商品を見ると、必ず商品が消費者に「えっ」という驚きを与えていることが分かります。それは時に、商品の機能であったり、価格であったりしますが、商品が提供する価値に驚きがあればヒットになります。


売れない商品の共通項は、ゲームであれば他のゲームと類似していたり、見た目から面白さが伝わってこないものです。多くの人々はゲームを買う時、ゲーム画面の写真、イメージ画やゲームの説明文等を見て、買うか買わないかを判断します。ほとんどの人はゲームを体験せずに購入の意思決定をするので、売れるか売れないかは写真を見ればわかるのです。


多くの場合、同じような価値を提供する商品であれば、価格は安いに越したことはありません。しかし、エンターテイメントの商品は全く違うのです。いくら安くても売れないものは売れません。エンターテイメント商品の決め手は価格ではなく、コンテンツの魅力そのものなのです。


魅力あるものづくりが出来るかどうかは、リーダーの才能と企画によって決まります。そのためエニックスでは、企画やゲームコンテンツを作る時は、リーダーとなる人物が全体を考えて、その一人の考えに基づいて皆が作るようにしていました。複数のクリエイターが案を出し合って作る方法では、意見が分かれ、焦点が絞れず良い商品が作れないと考えていました。そのため基本的に、リーダー一人が良し悪しを判断し、その考えに沿ったものを皆で作りあげていきました。


我が社が漫画雑誌「月刊ガンガン」を発行した当時、新規の漫画雑誌を出しても成功しないと出版業界は考えていたようで、それまでの十数年間は、漫画の月刊誌や定期刊行誌の新規発行がない状況が続いていました。結果的に幸いしたのが、我々が出版業界を知らなかったことです。マンガ刊行誌について成功することはないという業界の常識を知っていたら、我々は出版事業に挑戦していなかったかもしれません。


エニックスは出版業界にも進出しています。漫画雑誌を企画した社員がいました。彼は粘り強く1年に渡って企画を提案し続け、「出版業界で最も売上と利益率が高いのは漫画」という話が興味深かったこともあり、事業化を決めました。


私がゲームソフトの発売後3日間の売れ行きを重視していました。3日間の販売実績でその後の販売本数が読めるからです。もちろん、例外はありましたが、数百タイトルに一つ程度の割合でした。


私は実績データを尊重します。予想については間違いが生じることはありますが、実績データに間違いはなく、自分で立てた予想が事業企画に合致しているかをこれらのデータと照らし合わせることで、素早く検証し、企画の修正が必要かどうかを判断することができるからです。


私はエニックス時代に、過去に販売された全てのゲームソフトの販売実績データを記録し、ゲームソフトを発売する時は、このデータを参考にそのソフトの出荷本数などを決定していました。なぜなら、データをみると、多くのことが分かるからです。


再挑戦する時、同じ失敗を繰り返してはいけません。失敗すると、そこには必ず失敗の原因となる問題点があります。その問題点を解決した上で、改めて挑戦するのです。それでも上手くいかなければ、別の問題点を探りだして再び行動します。3回も失敗すると「これはまずい」と本質的な間違いに気づくはずです。


いつも新入社員には、上司に自分の企画を提案して一度ダメだと言われても、3度までは修正して提案し続けるように話していました。この過程で、十分に考えを巡らせることで自分が考えていた企画の不備が見えてくるようになるからです。


事業撤退の際も迅速でなければなりません。失敗を少なく出来るのは、執着心をもたずに即撤退できる人です。自らの事業に必要以上の愛着心を抱いてしまい、撤退の時期を見誤ってしまう人は、失敗を積み重ねてしまいがちです。


例えば、喫茶店を開きたい人がいるとします。その時、100店舗のチェーンを経営する計画と1店舗のみを経営する計画では事業企画が根本から異なってきます。100店舗を目標として掲げているのであれば、仮に100店舗までは実現できなくても数十店舗のチェーンを実現できる可能性は非常に高くなりますが、目標を1店舗とした場合は、2店舗目をオープンすることでさえ難しくなります。そして、事業が成功する確率も大きく違ってきます。


私は、事業を起こす際は必ず「ナンバーワンになろう」と思い、行動していました。それによって「どうしたらナンバーワンになれるか」という事業企画を考えるからです。単に会社を経営するのと、ナンバーワンを目指すのとでは、結果が大きく異なります。


大きな目標を立てても、小さな目標を立てても、事業運営に必要な基本的なステップ、努力量は同じです。しかし、大きな目標を立てることによって、それを達成するためにはどうすれば良いのかをより広く深く考えるようになります。


基本的な手順は一緒でも、目標、考え方が違えばもたらされる結果が異なります。大きい目標を掲げた方がより大きな結果に繋がりますし、逆に小さな目標では小さな結果にしか繋がりません。また、大きな目標を持てば持つほど、より正しい、つまり事業の成功に繋がる答えが出てくる確率が高まるのです。


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福嶋康博の経歴・略歴

福嶋康博、ふくしま・やすひろ。日本の経営者。「エニックス」創業者。北海道出身。日本大学理工学部建築学科卒業。いくつかの事業で成功したのち「エニックス(のちのスクウェア・エニックス・ホールディングス)」を創業。その後数多くの人気ゲームを世に送り出した。

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