水尾順一の名言

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水尾順一のプロフィール

水尾順一、みずお・じゅんいち。日本の経営学者。「駿河台大学大学院」教授。香川県出身。神戸商科大学(のちの兵庫県立大学)商経学部卒業、専修大学で経営学博士号を取得。資生堂に入社。コーポレート・デザイン室課長、経営企画部課長、ビューティーサイエンス研究所課長、企業倫理委員会事務局リーダ、駿河台大学経済学部助教授・教授、同大学院教授などを務めた。

現場で生じている問題やリスクについて、部下が何でも自由に話せる「風通しのいい文化」がなければ、企業が様々な問題を芽のうちに摘み取ることができず、重大事故を招くことになりかねない。


企業がセルフ・ガバナンスで自浄作用を発揮できる組織になるには、社員たちが「よいこと」を率先して行なう文化をつくることも重要。


不祥事が起きるのを止められないのは、コンプライアンスが形だけのものになっていて、企業文化に根づいていないから。その根本的な原因はコミュニケーションの不足。


上司が部下と語り合おうとしなければ、いくら高度なコンプライアンスの規定やマニュアル、行動指針をつくっても、それらはまさしく「絵に描いた餅」となり、社員はトップや上司の言うことに面従腹背するようになってしまうでしょう。


上司が部下を支援し、権限を委譲すれば、彼らは上司の顔ではなく、顧客の顔を見て仕事をするようになる。逆に、上司がトップダウンで「これをやれ」「あれをやれ」と命令すると、部下は「指示待ち人間」になってしまう。


コンプライアンス意識を高めるためのコミュニケーションは、日々反復を徹底させることが基本。トップや上司がコンプライアンスの大切さについて繰り返し語ることはもちろん、皆がコンプライアンスの大切さを実感することのできる仕組みをつくることも重要。


企業の不祥事や事故を防ぐ危機管理では「未然の予防」が大原則。問題が大きくなって通報や内部告発に至ったらもう手遅れ。まだ小さな芽のうちに問題を摘み取るためにも、社員が気軽に相談できる仕組みが必要。


江戸時代に米沢藩の藩政改革を成功させた名君・上杉鷹山は、「君主のために臣や民があるのではない。臣や民のために君主がいる」と述べていますが、それは現代風にいえば「部下や市民・お客様のためにリーダーがいる」ということであり、彼はその意味で、当時すでにサーバント・リーダーシップを実践していたのです。


「仏つくって魂入れず」という言葉がありますが、自社のコンプライアンス活動が、単なる義理や建前で行なわれている状態になっていないか、今一度よく考えてみることが大事。


コンプライアンスは「法令遵守」と訳され、法令に違反する行為を行なわないことばかりに目が向きがちですが、この言葉の元々の意味は、「相手の期待に応えること」です。社員たちが日常的に行なっている「よいこと」をお互いに褒め合い、会社自体も社会に貢献する「よいこと」を率先して行なうことは、相手の期待に応え、企業の倫理観を高めるのに大きく役立つことは、いうまでもありません。


「どなり、指示なし、突き返す、見ない、丸投げ、無関心」の鬼軍曹型リーダーは、もはや過去の遺物。それとは逆に、上司は、部下に考えさせ、その結果出てきた提案やアイデアについて適切な判断を下した上で、部下と一緒に問題解決に取り組む「サーバント・リーダー」を目指すべき。それが部下の成長にもつながり、将来的には会社の成長にもつながっていく。


企業がコンプライアンスを実践していく上で、「これはダメ」とか「あれをやってはいけない」という法律論も大切ですが、根本的には企業文化が問われている。リスクの洗い出しがきちんとできることはもちろんですが、何よりも、部下が上司に何でも話せて相談できる「風通しのいい企業風土」をつくり、「三ザル文化」を打破することです。それが、企業がセルフ・ガバナンス(自己統治)で自浄作用を発揮できる組織になるための基盤です。そのためにもリーダーはみずからが率先して「見る・聞く・話す」を実践しなければなりません。


水尾順一の経歴・略歴

水尾順一、みずお・じゅんいち。日本の経営学者。「駿河台大学大学院」教授。香川県出身。神戸商科大学(のちの兵庫県立大学)商経学部卒業、専修大学で経営学博士号を取得。資生堂に入社。コーポレート・デザイン室課長、経営企画部課長、ビューティーサイエンス研究所課長、企業倫理委員会事務局リーダ、駿河台大学経済学部助教授・教授、同大学院教授などを務めた。

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