柳井正の名言

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柳井正のプロフィール

柳井正、やない・ただし。日本の経営者。カジュアル衣料のユニクロを展開する「ファーストリテイリング」社長・会長。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、父が経営する小郡商事(のちのファーストリテイリング)に入社。父から経営を引き継ぎ、同社を大きく成長させた。

一回失敗したくらいで何を言っているんだ。勉強したのだから、きちんと儲けて損した分を仕事で返せ。
【覚え書き|26億円の損失を出した野菜事業担当者が辞表を出したときの言葉】


私は決して奇抜なことを考え、言っているわけではないが、他人様からは過激なことを言っているように見えるらしい。本人は真面目に考え、正論を吐いているだけなのだ。物事を真正面から考え、解決策を考えているにすぎない。真っ当に生きたいと考えているだけなのである。


私は小さい頃、「山川」というあだ名がついていた。人が「山」と言えば、反対の「川」と言うのである。別に天邪鬼ではないが、自分の考えをはっきり述べる性質(たち)らしい。自分で物を考え、自分で納得しないと、気が済まないのである。


少なくとも、誰とでも対等に話ができるということが、成功の第一要件。


どんな単純な仕事も、できなければ駄目なんですよ。で、できた後にまた考えて、より上手くやる方法とか、何か別の方法があるんじゃないかって考える訓練をしないといけない。


海外ではナイーブでは生きていけない。反対に、相手の気持ちが分からないとダメ。そのバランス感覚を経験や交渉によって培っていかないといけない。


日本が最高で、ほかの国のことは勉強する必要がないというふうに思い始めたらよくない。


会社には6時ごろ来てます。うちの社員は7時ごろ来るんですよ。だから1時間は邪魔されずにいろんなことができる。効率がいいんじゃないかと思います。


ユニクロは今回、ニューヨークのソーホーに店を出しました。おかげさまで全米メディアの話題にもなり、売上も上々です。以前ニューヨーク郊外のショッピングモールに出店して失敗しました。大失敗でした。一般のアメリカ人はそもそもユニクロを知りません。また、モールの中の一店舗じゃ目立たないから話題にもならない。戦略が間違っていたのです。
【覚書き|ニューヨークのソーホーは芸術家やデザイナーが多く住み、先端ファッションブランドが軒を並べる地域】


偉くなるとすぐ「自分は考える人、社員は行動する人」と、これは最低の考え方です。社員全員が考えて、社員全員が実行する会社を作らなくてはなりません。


社内にいる経営者やその候補者からしても、いつかはグループのCEO(最高経営責任者)になれるということでないとモチベーションを持ってもらえませんから。
【覚書き|子供に会社を継がせない理由を聞かれての発言】


子供達は経営者にはしないよ。うちの息子二人は、能力も性格も見識も今の執行役員と同等ぐらいのものは持っている。でも飛び抜けてはよくない。だったら実際の経営をするよりも経営者を任命したり、オーナーとして振る舞う方が普通だと思うし、全社にとってはそっちの方が絶対いいと思う。


僕らもビジネスをやっているのは社会のためで、金儲けを目的にやっているわけじゃない。そういうことを全社員が信じられるような企業にしない限り、特に小売業ではうまくいかない。みんながそれを信じられれば、一人ひとりが主役として働けるはずです。


僕は一人ずつの人を説得したら変えられると思ったんですよ。でも人はやっぱり自分の過去とか自分の経験とか自分の能力とかいったことで変えられない人もいる。でも変えられない人を否定してもしょうがないなということなんです。だから変えられなくてもこつこつ頑張っている人は、それはそれとしてやっぱりいい人生だったなと言ってもらえるようにしたい。
【覚書き|転勤のない地域限定社員を始めたきっかけについて】


まず儲かるところからやっていかないといけないから、儲からないところにそんな資本投下できない。


(反日感情の強い中国で業績が好調なのは)やっぱり中国に貢献しているからだと思います。中国の繊維産業に貢献してきましたし、中国人の経営者を登用し、任せて経営してきました。商売も地元に密着してやっている。そういうことが評価されたんじゃないかと思っています。


日本にある本部を、本当のグローバル本部にしないといけないと思っています。そのためには、今の人間の半分ぐらいを世界に出して海外事業を経験させるということをしなくてはいけないし、あるいは逆に国内事業に海外の人たちを入れて、混成チームにしてやっていくということが必要なんじゃないかと考えています。できるだけ早く3分の1を外国人にしたいし、最後の理想としては半分を外国人にしたい。


日本人が海外で働く場合もローカル化してもらう。たとえばニューヨークに行く人には「ニューヨーカーになれ」とよく言うんです。外国人の経営者と対等に話ができて、その人達を使わないといけないので、日本人とつるんでいるようではどうしようもない。


いままで私は数多くの失敗をしてきました。その中で大きな失敗が、店長を主役にした会社にしようとしてきたことです。これからは、店舗のスタッフ一人一人を主役にします。


根源を改めて問い直す必要がある。例えば時計の会社だったら、「あなたはなぜ時計を着けるんですか」と。それをもう一回問わないといけない時代になったということ。だからうちは、「なぜ服を着るんですか」というところから出発しようと考えています。


技術の進歩によって、全ての人が力を持つようになった。それを生かす人と生かさない人では大きな違いが出ます。生かせば、誰でも小売りビジネスができるし、繊維だって物流だって、規模の大小にかかわらずどんなビジネスだってできるんですよ。


経営者が倒れたら、ほかの人に迷惑がかかる。ビジネスパーソンも同じでしょう。だから、体調管理には特に気を使っています。


スポーツは才能によって結果が左右される面が少なからずありますが、ビジネスは違います。一般の人がチームを組んで取り組めば、偉大なことができる。それができるのが、ビジネスの世界です。


ビジネスというのは、自分1人だけでするわけではありません。1人では無理でも、チームでならできる、という場面が多々あります。自分の長所を活かす働きをして、苦手なところはチームの他のメンバーがやってもいい。そうする方が、効率的でもある。


今の若い人を見ていると「なぜこんなに自信がないのだろう」と感じることがあります。まだ何もやってないのに、できないと思い込んでいる。物事は、やってみないと分かりません。もっと自分に自信を持ってほしい。


そう簡単に、人は成長できないものです。自分で努力することはもちろんですが、人の協力も必要。


日本人は困難な課題に直面した時、「難しいですね」とよく言います。しかし米国人は、「チャレンジングだ」と言う。「難しい」とは言わないんです。「チャレンジングだ、けれどひょっとしたら、自分にもできる」。そんな気持ちを持つことが、特に若い人には必要だと思います。


生きることは、失敗することです。何かを興そうと思ったら、そんなに簡単に成功できるわけがない。実行する前から失敗を恐れていたら、何もできません。


商売するうえでお客様の「クチコミ」は、一番大事なもののひとつ。


人は教科書や本を読むと、考えているような気になるものです。でもそこに書かれているのは著者の考えであって、自分の考えではない。本を読んで「自分はどう思い、どう考えるか」「自分の付加価値は何か」といったことを考えることが大事。


うちの社内では、「教科書通りですね」という言葉はマイナスの言葉なんです。「あなたは何も考えていませんね」と同義だから。


思いを自分の言葉でしっかりと伝えないと、相手に伝わりません。どこかから借りてきたような教科書通りの言葉で説明しても、なかなか伝わらない。


海外でビジネスを展開するには、世界共通語である英語でなければ通用しないことが多い。英語は、運転免許証のようなものです。


今は、世界中の人と競争していかなければならない時代です。ただそれは同時に、「世界中の人にチャンスがある」ということでもあります。今は、ネットなどを通じて、世界中とつながることもできます。その中で日本の若い人に、もっと活躍してほしいと思っています。


我々は、もっと冷静に、相対的に日本を見るべきです。もちろん、日本にはたくさん素晴らしいところがあります。しかし、長所は別の角度から見れば短所でもある。


「ヒートテック」などでの東レとの協力関係は大成功していますが、そこから学んだことは、我々が持っていない能力を身につけようと思ったら、オープンイノベーションをするしかないということです。ですので、デジタル化に対応するために、物流センター運営で大和ハウス工業、システム構築などでアクセンチュアと、より密接なチームを作ることにしました。


サラリーマン経営者でも創業者のように、「この会社は何のためにあるのか」を突き詰めて考えるべきではないでしょうか。業績を株主に報告する仕事を、サラリーマン的にバトンタッチしていくという感覚では、会社はおかしくなる。ガバナンスについても、経営者自身が考えを改めずに、社外取締役を入れたり委員会設置会社に移行したりしても、ダメですよ。


最終的な目標を決めて、それに対して具体的に行動しなければ、あなたの人生とほかの人の人生は違わないかもしれない。それではあまり意味がないんじゃないかなと、僕は思うんです。


若い人は残り時間がたくさんあると錯覚しているけど、いつ死ぬかはわからない。明日死ぬかもしれない。それなら今日が最後の日だと思って、行動するべきです。


僕はいつも「人間のピークは25歳」と言っているんです。自分の才能にいつ気付けるかは、人によって違う。ただし、いずれにしても、自分の持っている才能のもとは、だいたい25歳ぐらいまでにできている。その才能にいつ気付けるか、という違いなんです。


父に対しては尊敬する部分と、そうじゃない部分や教師と反面教師の部分がありますね。その二つの間で、自分というものを自分で発見するということが必要なんだと思います。


人生の最終目標なのか、使命感なのか、自分のビジョンなのか。できるだけ早くそれを見つけるか、決めるか、発明するか。そういうことが必要なんじゃないかなと。僕もこの商売を一生やろうと思ったのが早かった。23~24歳からずっと経営をやっているのでうまくいったんだと思います。


僕らは「売上高5兆円」という前人未踏のエベレストに登頂しようとしているわけです。大学を卒業したばかりの新入社員に「エベレストに行こう」と言っても難しい。それなら、まずは近くの標高500メートル程度の山に登るところから始めないといけない。地域正社員はその取り組みのひとつです。でも500メートルに登ったら、次は1000メートルに登りたいと思うはずです。500メートルで見える風景と、平地で見える風景は、まったく違いますから。


辞めた人たちは卒業生として、いい関係を続けたい。いつどこで会うかもわかりません。敵であるより味方のほうがいいですよね。辞める人は、だいたい僕のところへ挨拶に来るんですけど、そのときに「何か困ったことがあれば来てくれ、僕にできることだったら何でもします」と言って送り出しています。そういうことが、僕は大事だと思います。


社員には「サラリーマンというのはもうない。本当はみんな自営業者なんだ」と言っています。自営業者としても食える人でなければ、組織の中でもやっていけない。


大企業であっても、零細企業のつもりで、少なくとも自分の周辺、自分の上下を見渡して、会社がどっちの方向に進もうとしているのかを知っておく必要があるはずです。そうじゃないと、たぶん仕事はできないと思いますよ。


不思議なことに、みんな大学を出たら一人前だと思っている。どれだけ優秀な人でも何かの仕事で一人前になろうとしたら、3年から5年はかかります。普通の人なら一つのことを10年ぐらいはやり続けないと絶対に一人前になれません。


成長性や収益性が高ければ、従業員や取引先は夢を抱くことができる。人々は勢いのある会社にビジネスチャンスを見いだし、人、物、カネなどの経営資源が集まってくる。だからこそ、会社には「私たちはいう夢を実現する会社だ」というが必要になる。


私にとっての「善い会社」とは、「長期的に成長し、収益を上げられる会社」だ。成長性と収益性が高ければ、顧客、地域社会、従業員、取引先、株主などすべてのステークホルダーとウィンウィンの関係を結べる。


欲望は、ある意味で非常に悪い面もありますが、人間が生きるため必要なものでもある。生存欲に火がついてないんです。


僕はよく、こんなことを社員に言っています。「おまえたちは自分の能力を全然発揮していない。人間は普段、自分の能力の3%しか使っていなくて、残る97%の能力は眠っている。眠っている能力を覚ませ」と。


本気で仕事に取り組めば、分からないことや課題が見えるはずです。課題さえ分かれば、そのほとんどは解決できるものですから、人は何倍でも成長できる。まずは課題意識を持つことです。


日本では、会社という看板を隠れ蓑にして、なかなか個人が表に出てこない。だから重要な経営判断を下す場合でも、責任の所在が曖昧になってしまう。


外国人とビジネスする場合、相手がどんな人間か知り、その人を信頼しないと商談は進みません。


僕は全社員にこう言っています外国人と仕事をする時には、たとえ反日感情の強い国であっても、相手の国に敬意を払うこと。そこの国の人々の生活を良くしようという意識を持つこと。その国の会社である以上、主役はそこの国の人々ですから。


今の若い人はバブル崩壊後の世界しか知りません。親の給料がどんどん下がる環境で育てば、安定を求めるようになるのかもしれない。けれども、それが起業家精神や事業欲、自分で生活して家庭を営むんだという人間として本来あるべき欲を阻害してしまった。


僕は子供の頃、親と一緒の部屋で寝ていました。するとおふくろとおやじが夜、年末の資金繰りを話し合うんです。うちは大丈夫かと思うことが何度もありました。これが僕の原体験です。今は皆さんサラリーマンで、毎月毎月、同じ額の給料が入ってくる。これは現実のビジネスとは違います。会社はいつ潰れるか分からないし、店だっていつ閉店するか分からない。そういう現実感が希薄になっている。


僕はどちらかと言えば、内向的で人づき合いが下手です。つまり商売には向いていない。しかも商売を始めたのは炭鉱町の駅前商店街です。今でも本社の最寄り駅は無人駅。キツネとタヌキが出るようなところです。そんな僕の境遇と比べると今の人は恵まれています。インターネットを使えば誰もがあらゆる情報にアクセスできるオープンな世界が広がっている。それなのに、すべてが海外に流れ出て日本が終わるかのように嘆く人がいる。恵まれすぎて、今以上の生活を望まなくなったことが一番の問題でしょう。要するに、みんなが「坊ちゃん」「嬢ちゃん」になってしまった。


商品をつくるというと、みんな技術の問題だと勘違いしている。そうではなくて、つくるというのは、お客様のためでしょう。お客様の生活をより良くして、ああこんなものがあったらいいなというものをつくっていく。それは製品の使い方とかマーケティングとか、商品化していって、買いたいなと思ってもらい、買ってよかったなと思ってもらう。そういうものにしないといけない。


何をどうすればいいのかは教えてもらうのではなく、自分で問いかけ、自分で答えを出すべきです。それが自立した人間であり、そういう自立した人間が集まることで強い国ができる。


企業経営というのは自分が弱い点は他の人がチームで補完してくれるんです。だから、企業経営をやって、自分はどういう強みを持つのか、どんなことで自分の弱い分を補っていけるのか、常時考えないといけない。


当社が世界一になるためには経営陣だけでなく、お店のスタッフも総務もグローバルで世界一を目指すという経営者意識を持ってもらいたいと思います。そのための様々な仕組みが必要だと思います。


つくづく思うのがビジネスに国境はないということ。今まで日本だけなら1億人がターゲットでしたけど、世界を目指せば40億人が対象になるということで、すごくビジネスチャンスがある。


私がよく言うのは、単純に時間給の労働者として1000時間働くのと、経営者として物事を考えながら1000時間働くのとでは、その成長度合いは何倍も違うということです。後者の場合、現在は労働者であっても、日々成長していけば経営者になりえます。


理念を後世まで伝えようと思ったら、宣教師のような人が必要です。これも宗教みたいなもので、経営者が打ち立てた理念を、宣教師役となった人たちが伝えていく。そういう体質をつくることが大事ではないでしょうか。


今日の仕事を今日やるというのは、起きた問題を解決することに終始します。それは対処療法にすぎない。根本的な解決法は、「明日はどうなるんだろう」と予測して、自分たちで明日をつくっていくこと。それができて初めて、明日の勝者になれる。


民族固有のものとグローバリズムは、対立軸で語るのではなく、対話が必要です。本当に共存共栄しようと思ったら、対話をして、よいものはお互いに取り入れましょうという姿勢が大切だと思うんです。


若い時期に必ず世界へ行く、そして職業を持ったら海外で仕事をする経験を持つべきだと思います。ずっと日本にばかりいると、日本一国主義になってしまう。まず、日本は世界の中の一国なのだと知ること。それから、できるだけ早く違う文化の人々と接する機会が持てるといいと思います。


私は根本的に古くならないものが経営理念だと思っています。確かに言葉の上では古くなりますが、創業者がその時に置かれている立場で発した言葉は、根源的なものだと思うのです。


私は経営理念がない会社は、心がない会社だと思っています。何のために仕事をするのか、それを端的に表したものが経営理念です。英語で言えば「ミッション」、日本語で言えば「使命」とも言い換えることができると思います。それを信じるところから、仕事を始めなければなりません。


経営者は1人でもやり抜かないといけない。一番厳しい決断は自分以外にできない。そこから逃げている経営者は大半が退場しています。


人の気持ちがわかる人、人の心をつかめる人、実行できる人、自分が言ったことには責任を持って最後までやる人。そういう人にしか経営はできない。


私は社員自身も消費者だと考えているので、その人たちがモノを買って経済を回していくようにしていかなくてはいけないと思っています。
【覚え書き|賃上げした理由についてのコメント】


今はオープン・イノベーションの時代だと思う。資本関係があるなしにかかわらず、世界中でベストパートナーと組んでやっていかないと世界競争には勝てない。


海外でのパートナーを選ぶときのポイントは、やはり人格的に正しい人ですね、当然ですけど。ずっと付き合える人。そこから買うという考えではなく、一緒につくる、ということです。結婚と同じなんです。離婚しないような人を選ぶ。そういうことが大事ではないかと思います。


店長より、現場のスタッフの方がよく知っている。やらせて、やって、シェアして勉強する。店長はスタッフを守り、スタッフは仲間を信じ店長を支えてもらいたい。


スタッフが主役ということはお客様視点ということです。店舗スタッフが主役となり、お客様の思いに寄り添うことが大切。目の前のお客様に喜んでいただくことが大切。


社内にいる2人の息子は結構優秀なんですよ。でも、息子が経営したら社員が夢をなくします。サラリーマンは最後は経営者をやりたいと思うし、そのために会社に入ったんですから。僕は株主として優れた経営者を次も、その次も任命しなくちゃならない。そっちの方がよっぽど難しいですよ。


創業者は絶対に引退できないんですね。引退できないけど、迷惑をかけないことだけは気を付けないといけない。だから創業者は自分を引き継いでくれるチームと、そのリーダーを任命しないといけない。


継者候補には「自分のようにやると失敗する」と言っています。僕は創業者でCEO(最高経営責任者)だから人々が言うことを聞くんですよ。同じことを後継者が言ったら誰も聞かないですよね。歴史を全部知っている僕より強いことをやろうと思ったら、チームを作るしかないでしょう。


僕もも創業当時、お金がなかった時が一番厳しかった。45歳ぐらいまで貯金が1000万円しかなくて、借金が50億円。寝ている時以外はずっと考えるか仕事している。それくらい熱中しないと成功しないし、楽しかった。


成功したと思うこと、それがすなわちマンネリと保守化、形式化、慢心を生む源だ。


成功するためには計画を立てたら前準備をしっかりとやることです。わが社ではこれを前始末と呼んでいます。計画を立て、前準備やリスク管理、つまり前始末をしっかりやってはじめて成功できるのです。


事業とは地道なものだと思うし、地道なことをやっていくことが大切です。しかし地道だけでは駄目で、革新と挑戦もしなければいけません。常に挑戦する心がないと、地道だけでは絶対成功しない。


社会起業家でなければ大成功できないと思います。世の中のニーズに応え、喜んでいただきお金が儲かる。これほどおもしろいことはないと思います。資本主義イコール悪、大企業イコール悪、小さいことがいいというような風潮がありますが、小さかったら社会は変えられない。


今、社会貢献しようという人はNPOにいっていますが、そういう人ほどぜひ事業をやっていただきたい。NPOは民間非営利団体なので大きいことはなかなかできません。事業をやって成功する方が社会を変えられる。今は本当の意味で社会に貢献した人が賞賛される世の中になっていると思うし、そういう社会になるべきだと思います。


異業種の人のほうが、この業界の常識にとらわれずに、「なぜだろう」「どうしてだろう」と原理原則から取り組むことができる。同業種だと、「こうなっているのが当たり前」と見なして、無理・無駄の存在する現状を肯定しながら進もうとする。改革には現状否定が欠かせない。


情報を商品化するという、新しい業態に生まれ変わらなきゃいけない。インターネットを見たら世界中の情報が入ってきて、しかもそれは人工知能で全部分析できるという時代なので。


よく頭のいい人は分析ばかりしていますが、なぜ駄目かなど分析ばかりしていても何も変わらない。それより飛び込んだほうがいい。飛び込みもせずに語るだけの人は評論家です。経営は実行あるのみだと思います。


日本にいると日本が中心みたいに思うがそれは違う。グローバル化を考えたら、今やっていることが果たしてニューヨークや上海で通用するかということを考えないといけません。日本で一番といっても何の保障もない。世界中のあらゆる企業と競争して勝てなければ生き残れないのです。


経営はチームです。会社全体でやることです。一人では100メートル9秒台で走ることは難しい。しかしチームなら、それぞれ得意な分野を発揮すれば100メートル9秒台で走ることはそう難しくない。ゴルフのほうがよほど難しいです。


事業部や会社という小さい「公」と、全社という大きい「公」があるときは、大きい公である全社を優先してもらわないといけない。


世の中は凡人ばかりで、秀才や天才はほとんどいません。私は、「ピープルビジネス」と呼んでいますが、いかに一般の人たち、つまり、凡人がやっても成功するような仕事の仕方にしていくか。それが重要なのではないでしょうか。


一つひとつは小さなことだけれども、コツコツコツコツ改善していく。単純にオペレーションを回すだけではマンネリになりますが、改善して、いい方向に変えていく。日本人は、これが得意ですから、改善がイノベーションを生むと思っています。


お世辞なんか、部下は見抜いていますから、そんな「褒め」はムダです。本当にすごいなと思ったときに、「おまえ、これすごいな」と言ってあげる。本心から褒める。そうすると、言われた人も素直に喜び、その得意なことに磨きがかかります。


経営者は自分が仕事をするだけではなく、社員に仕事をしてもらわないといけない。そのためには、経営者は社員の何倍も質の高い仕事をする必要があります。


人は一緒に仕事をするまでは分からないものです。その人の基本的な考え方が私たちの会社に合うかどうか。その人がどのくらい本気で「やりたい」と思っているのか。


やはり「褒める」と「叱る」の両方ともやって、その人にいいダイレクション(指導)を与えて、自分で考えるようにもっていかないと、人は育成できない。


臨機応変に、どんなことが起きても、状況がよく分からない状態でも、そのときの最適解を自分で考えて指示できる人でなければ経営者にはなれません。


採用面接でも、みんな口では「これをやりたい」と言うのですが、本気でコミットしているかどうかは、一緒に働いてみるまで分からないというのが正直なところ。ただ、それでも自分のやりたいことを熱く語れる人、熱意のある人を採用します。


柳井正の経歴・略歴

柳井正、やない・ただし。日本の経営者。カジュアル衣料のユニクロを展開する「ファーストリテイリング」社長・会長。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、父が経営する小郡商事(のちのファーストリテイリング)に入社。父から経営を引き継ぎ、同社を大きく成長させた。

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