デービッド・アーカーの名言

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デービッド・アーカーのプロフィール

デービッド・A・アーカー。米国の経営学者、コンサルタント、ブランド論の権威。カリフォルニア大学バークレー校ビジネススクール名誉教授。プロフェット・ブランド・ストラテジー社副会長。日本の広告代理店電通の顧問。ブランド論の第一人者。ブランド・ポートフォリオ戦略、ブランド・エクイティ戦略などを提唱した。主な著書に『ブランド・エクイティ戦略』『カテゴリー・イノベーション – ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』『戦略立案ハンドブック』『ブランド優位の戦略』『ブランド・リーダーシップ』『シナジー・マーケティング』など。

企業は売上や利益ばかりを追求するのではなく、社員を鼓舞し、顧客との信頼関係を高めるために、高い目的意識を構築する必要がある。


顧客の関心は商品やその属性などではなく、商品の周辺にある情報。


企業が高い目的意識を持つことはとても素晴らしいこと。売上アップに繋がることはもちろんですが、人はそんな企業で働きたいと志向するからです。


「ブランド・パーソナリティ」は、とりわけ重要。ブランド・パーソナリティはブランドに親近感や活力を効果的に与えることができる。


新しいサブカテゴリーが生み出せれば、市場のリーダーになれる可能性が十分にある。


ストーリーという形態を取ると説得力が出て来るので、人々はいつまでも心に留めることができる。商品自体には気を留めませんが、ストーリーには興味を示す。


ブランドが理念として掲げた目的意識に市場の10%の顧客が共感すれば、売上には大きな違いが生じる。そして、ブランド理念に共鳴する人々は、ロイヤルカスタマーになる。


若者たちは、売上アップだけを目標にするような、高い目的意識を持たない企業では働きたがらない。顧客も同様に、高い目的意識をもった企業の商品を買いたがる。


ブランド構築はもはや、売上をあげるためにマーケティング部門が行う小さな「戦術」の1つではなく、全社的に取り組むような大きな「戦略」の1つとなった。


企業ブランドや、商品・サービスのブランドに対する社員の意識を高めながら変革を進めるときには焦りは禁物です。ゆっくりでも、着実に社内の信頼を勝ち取る啓蒙活動を地道に進めなければなりません。


社内の経営改革に一番役立つのは、CMO(最高マーケティング責任者)のような、市場の調査・分析や商品開発、価格設定、ブランド構築など、消費者の対応にしか必要なさそうな専門職です。


商品やサービスだけでなく、その会社で働いている社員の態度も含め、企業に関わる全てがタッチポイント(ブランドと顧客との接点)になりえます。そこでの対応が、触れた者に蓄積し、企業ブランドになっていくのです。


社員一人一人の理解を深めることが、強いブランドづくりにつながります。ブランドと人との関係、すなわちブランドと消費者やクライアント企業の担当者との関係は、ブランドと人とのすべての接点で生じているのです。


説得力、専門知識、大局観など、CMO(最高マーケティング責任者)に求められる資質は非常にたくさんあります。人柄も重要です。組織の風通しを良くすべく、社内に敵をつくらないようにしなければならないし、好き嫌いで人を異動させたりするなどご法度です。新時代のCMOに求められる役割は、マーケティングの専門チームを率いる企業の変革の担い手です。


マーケティング責任者は、経営者にブランドのイメージやブランドの素晴らしさをただ情緒的な言葉で説明するのではなく、企業経営になぜブランド構築が役に立つのか、ブランドによって何が企業にもたらされ、どのような利益成長できるかを、定量的な分析を加えながら、論理的に語れなければなりません。


CMO(最高マーケティング責任者)とは、文字通りマーケティングを仕切る最高責任者のことです。しかし、CMOはそれにとどまらず、縦割り組織に風穴を開け、組織をよくするキーパーソン足り得るのです。会社をあげてブランドを構築するにあたり、組織をひとつまとめる当事者になるのです。


ブランド・エクイティという概念は、ブランドは企業の重要な資産の1つとしてマネージメントされるべきものだという考え方をもたらしました。この考え方により、ビジネスでは大きな変化が起きました。


世界には、20代後半~30代前半でも成功している素晴らしい経営者がたくさんいる。日本企業は、若い才能の芽を摘み取ることなく、また、リーダー的資質のある女性を採用することで、企業の発展に役立てるべき。


重要なのは企業が顧客に共感を持ちながら、高い目的意識を探すこと。高い目的意識を見つけるのは、たとえ資金があったとしても、簡単なことではありません。カギはその目的意識が効果的に実行できるものであること、そして、自分の仕事と繋がりがあること。


既存市場でブランドの優劣競争に参加することは、企業にとって楽しいことではない。結局のところ、いくら競争してもほとんど成長に繋がらないというのが現実。企業はサブカテゴリーを定義づけるような、大きなイノベーションを起こすことに、もっと資本を投下すべき。


顧客がコミュニケーションをコントロールしている今、マーケティングでは何よりコンテンツが重要。そして、ベストなコンテンツは通常、ストーリーという形態を取っている。だから、企業は是非ストーリーを活用してほしい。


トラクターを製造しているジョンディアが農業従事者たちに配布している冊子には、トラクターの商品情報ではなく、彼らが関心を持ちそうな田園のライフスタイルや科学的農法などが紹介されています。顧客が関心を持つ「カスタマー・スイートスポット」を見つけ、それを中心に、顧客が参加できるプログラムを作ることが重要です。直接宣伝をしても顧客はなかなかついてきませんが、「カスタマー・スイートスポット」を通じてならついてくるのです。


残念ながら顧客はその商品の自体の情報にはそれほど興味を持っていないことが多い。むしろ、その商品の周りに関心を持っていることが多いので、そちらに焦点を当てる必要がある。例えばパンパースは、ベビーケアに関するウェブサイトを設けました。顧客がおむつではなく、ベビーケア情報に興味があると分かったからです。


プリウスの成功は「自己表現ベネフィット」の重要性も教えてくれます。これは、そのブランドを買い、使うことによって顧客が自己表現できるという価値です。プリウスの場合、そのドライバーは、例えば周囲の人から「あの人はハイブリッドに乗っている。環境意識が高いのだろう。興味深いな」と思われます。既存ブランドのハイブリッドバージョンの場合、車に近づいて確認しないことには、それがハイブリッドなのかわかりません。そのため、自己表現ベネフィットを得ることが難しいのです。


振り返ると、様々な市場において、ブランドが大きく成長するのは新たなサブカテゴリーが定義された時でした。私はそれを、日本のビール市場を過去40年間遡って分析した時に発見しました。ビール市場は40年間で4回、市場シェアの順位が変化しています。4回のうち3回はアサヒのスーパードライ、キリン一番搾り、そして発泡酒が生まれた時でした。4回目は、2つのサブカテゴリーが再定義された時。つまりドライビールが再定義された時と、キリンがラガーからドラフトへ転換した時でした。ビールに限らず、同じような現象が多くのカテゴリーで起きています。


企業が評判を落とした場合の対策の1つに、問題を解決し、顧客に伝えるという方法がある。しかし、この方法では、顧客に問題があったことを再び思い出させる恐れがある。別の対策として企業が全く新しいチャレンジをして方向転換を図るという方法もある。ウォルマートは、それまで力を入れていなかった環境面に力を注ぎ、高い目的意識を持った企業に生まれ変わることで評判を取り戻した。


企業にとって、ビッグデータは非常に重要でパワフルな存在。企業がビッグデータ活用の能力を高めて行くために重要なことは、データ分析に長けたチームを作って、モデル構築に取り組ませること。しかし、この取り組みにはリスクもあります。企業には大量のリアルデータが取り込まれるため、来週来月という短期的ゴールに注意を集中させるような、昔の考え方に舞い戻ってしまう危険性がある。モデル構築の際には、そうしたリスクを回避するための予防策が必要になる。


トップクラスのデータアナリストは企業にとって、とても重要。トップクラスのデータアナリストになるには、一流大学を出て10年間の経験を積んだ程度では不十分で、統計学の修士号や博士号を持ち、さらにはマーケティングモデルも熟知している必要があります。しかし、そういった人材は希少で引く手あまたなので、獲得するのは非常に難しい。日本の場合、それはアメリカ以上に難しいでしょう。しかし、例えば、統計学を学んだ人材を採用し、その人にマーケティングを教えることはできるかもしれません。反対に、マーケティングを学んだ人に、あとから統計学を教えることは難しいですね。


移り変わりが激しい現在、戦略を策定して、製品・サービスのオファーを洗練されたものにするには、顧客像を明確化する必要があります。顧客を知るための新しい方法が、顧客が日頃慣れ親しんでいるSNSなどのデジタル技術です。企業はこの技術で顧客に直接情報発信するようになりました。同時に顧客のアイデアも積極的に取り入れるようになり、協力しながら、オファーを生み出すようになったのです。


企業のエグゼクティブたちに「持続可能な競争優位や信頼できる資産は何か」と質問したのですが、その回答として「知覚品質」「ブランド認知」「カスタマー・ロイヤルティ」が上位にランクしました。一方で、彼らが四半期ごと、ともすれば、月単位や週単位といった短期的な売上や利益の最大化に終始していることにも気づきました。こうした近視眼的な考え方がビジネスを歪めていたのです。結果的に、ビジネスは資産を構築するものでなければならず、その最も重要な資産の1つがブランドなのだという確信に至りました。


デービッド・アーカーの経歴・略歴

デービッド・A・アーカー。米国の経営学者、コンサルタント、ブランド論の権威。カリフォルニア大学バークレー校ビジネススクール名誉教授。プロフェット・ブランド・ストラテジー社副会長。日本の広告代理店電通の顧問。ブランド論の第一人者。ブランド・ポートフォリオ戦略、ブランド・エクイティ戦略などを提唱した。主な著書に『ブランド・エクイティ戦略』『カテゴリー・イノベーション – ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』『戦略立案ハンドブック』『ブランド優位の戦略』『ブランド・リーダーシップ』『シナジー・マーケティング』など。

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