経営者・社長・会社経営の名言

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経営者・社長・会社経営の名言 一覧

利益を上げるための方法は二つしかない。ひとつはオンリーワンの独創的な技術を生み出すこと。もうひとつは、トータルコストをどう最小化するかだ。

株価を上げるために人員整理を行うのは会社経営ではない。メーカーの価値は生み出される商品で判断されるべきだ。私には、リストラを実行した会社の株価が上がるようなら、日本の製造業に未来はないという確信があった。株主を大切にすることに異論はない。企業にとって人材は最も重要な財産である。従業員もまた、株主と同等に大切にされるべきなのだ。

個々の商品の違いがわかりにくくなり、お客様は商品をブランドで選ぶ、あるいは価格で選ぶといった傾向が強まってきたように思います。この変化の中で、当社としてはより明快な特長を持つ商品を創出すること、そしてその良さを正しく評価して買っていただけるようにブランド価値を高めることが不可欠となってきました。さもなければ、韓国や中国などの強靭なコスト力を持つメーカー相手に「価格のみで勝負」をせざるを得なくなります。

それまでシャープの製品はブランド力が低いがゆえに、たとえ性能が優れていても、トップブランド品よりも安く売られていた。一年間通してその売価差を積み上げてみると、衝撃的な結果が出た。私はこの金額の大きさに愕然とした。一段下の価格で販売されるということは、ひとつの商品につき10%程度の売り上げ減にあたる。これが全商品に及ぶわけだから、全社で取り損ねた収益は莫大な金額になって当然だ。

ブランドは無形の財産だ。開発技術や生産技術、デザイン、知的財産、特許などと同様、バランスシートには載ってこない。だが、この無形の財産の価値を高めなければ企業価値を高められない。強いブランド力を持たない企業は、生き残っていくことが難しい。

亀山工場では、生産技術のブラックボックス化を行った。かねてより生産技術が海外流出していることに懸念を抱いていた私は、亀山工場を建設するにあたり、生産技術の要となる部分を、外からでは見えないようにした。

加速し続ける海外生産にストップをかけなければ、いずれ日本の生産技術は消滅してしまうという危機感が、私の中でだんだん大きくなっていった。日本で育てた最先端の生産技術が海外に流出する懸念だ。中国をはじめアジア各国のハイテク技術がどんどん向上していく中、安易な海外移転を繰り返せば、日本が長年かかってつくりあげてきた生産技術は、彼らに習得されてしまう。そうなれば、製造立国・工業立国日本そのものが危うくなってしまう。

半導体で重要なのは研究開発と設計だ。生産は優秀な製造企業に委託すればいい。君たちには、世界一流のファブレス(生産部門を持たない半導体メーカー)になって最先端の半導体を開発してほしい。
【覚書き:半導体事業を縮小し、液晶テレビに経営資源を集中させた際の発言。半導体事業は廃止するのではなく、生産部門は廃止しつつも開発のみに特化させることによって経営合理化と同時に技術の蓄積を可能にさせた】

オンリーワン経営の要諦は「選択と集中」である。二兎を追う者は一兎をも得ずと言います。今後は選択と集中を徹底しなければ会社はやっていけません。小が大に勝つためには効果的な選択と集中をする必要があります。

当社の経営理念は「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術を持って」という一文から始まっています。これからのシャープの目指すべき姿は、ナンバーワン企業ではなく、オンリーワン企業であると考えます。つまり、世界の中で、独自の特長がきらりと光る企業です。

金なんかなくたって、心が豊かで、誰にも迷惑をかけずに、好きなことをやっていけたら、これが一番幸せな人生なんだろうな。俺は若いころから好きなこととなると無我夢中になった。だって、嫌いなことを無理してやったって仕方がないだろう。人間「得手に帆あげて」生きるのが一番良いからね。ただし、俺が好きなことばかりやってこれたのも、会社でも家庭でもいいパートナーがいたからなんだ。

輸入規制などはとんでもない。オートバイを輸入しろ。輸入して外国製品と競争していくと日本のオートバイ・メーカーがちゃんとしたものを作れるようになる。

息子や親せきでないと社長にしないとか、東大出でないといかんとか、企業に関係のない条件で社長を選んでいるところがある。みんなが見ているというのに、それでいいと思っているんですかね。会社は大勢が飯を食うところ、大勢の生命の源泉です。そこを忘れたら会社は潰れますよ。
【覚書き:ホンダの社長は2代目以降も能力重視で現場たたき上げの人間が多数を占めている】

(写ルンですのCMキャラクターを)デーモン小暮さんに決めたあと、たまたま経営者の集まりがあって、皆さんにデーモン小暮さんの名前を出したらほとんど誰も知らなかった。しかし、その会食の席で料理を運んでくる仲居さんたちが目を輝かせているのです。デーモン小暮は相撲好きだとか、実に詳しい。やはり、お客さまの意見が一番重要です。おじさんたちが頭をいくらひねっても、自分の経験だけでやろうとすると大きく間違う。

経営者としては事故を起こさないように用心をするというのは当然のことだと思っています。私どもが気を付けるべきは、クリーンと順法の精神です。これしかありません。要塞の中に閉じこもっていたのでは仕事になりませんから。

グローバルスタンダードということについて考えさせられました。協調するところは協調しつつ、争うべきところは争うという姿勢が大切なのではないでしょうか。コダック社とは、フィルム戦争の真っただ中でさえ、デジタルカメラの統一規格を作るための話し合いを続けて言いました。言いたいことをいいながら論争していく中で、初めてお互いに相手を認識することができると思います。
【覚書き:フィルム戦争とは米コダックが米国通商代表部に「富士フィルムが日本政府と共謀してコダックの参入を阻んでいる」という報告書を提出したことで発生した貿易摩擦問題。事実無根な内容だったため富士側は500ページにも及ぶ反論書とメディア戦略でコダックを退けた】

戦後育ててきた経済の仕組みを立て直す時期に来ているのではないかと思います。戦後50年の成長と発展というのは、悪く言えば、同時に老化であり硬直化が進んだということでもあります。現在のようにグローバルな競争が激しくなってくれば、行き詰まりが目立ってくるのも当然です。やはりここは一回バラバラにして、いろんな点で仕組みの立て直しをしないといけない時期に来ていると思います。

終身雇用とか年功序列とか、これは日本型というよりも戦後日本型と言った方がより正確かと思います。これまで通りで許される時代ではないのは確かです。役員会についてはスピードとか効率とかいったアメリカ的な考え方を取り入れていくことが必要です。戦略的な役員会にするためには、とにかく人数を少なくする必要がありました。そうしないとまともな議論さえできないのです。

アメリカ的な経営方法と我々の方法とを比較すると、重点の置き方が少々違う。アメリカの場合は、圧倒的に株主重視です。株主にどれだけ多くの利益を還元できるかを最重要の営業課題だと考えている。しかし、会社運営の関係者というのは、株主だけでなく、従業員も取引先もさらには国家も含むと私は考えています。そういった様々な集団の利益を考えながら、企業は長期的に成長し発展を続けなければならない。

内部蓄積は株主資本ですから、本来株主のものなのです。会社というのは持続して成長していかなければならない。それによって株主の期待に応えるというのが筋だと思います。

我々のようにグローバルに投資する場合には一件で100億、200億すぐかかる。その意味では人間を含めた投資設備型の産業です。企業は成長と安定が大切です。そのためには次に必要なものが何かを常に考え、投資する必要がある。

うちの社業は地味で、長年にわたって努力を積み重ねても、なかなか利益が上がるものではない。そこへ、わずかの間に荒稼ぎする部門が出てきては、会社全体の空気がおかしくなると思ったのです。いったん動き出したものが完全に止まるまでには2年かかりました。
【覚書き:バブル景気真っただ中に財務部門での投資を全廃した理由を聞かれての言葉。この決断によってバブル崩壊で損害を受けずにすみ、クリタグループは堅実に業績を伸ばした】

お客様の声を聞いて、それに応えるということが大事です。またいかに速くそうした要望に応えるかが問題になってくる。結局、お客様を騙すことはできないんです。ニーズに合わなければ、車は売れないのですから。

常にお客様の視点で考える企業は元気です。現在苦しんでいるのは、官との結びつきで伸びてきたとか、規制に守られて仕事をしてきた企業だと思うんです。僕らは以前から世界中のお客様の目線に合わせて仕事をしてきたから、国に頼るという気持ちはありません。

GMは自動車では世界一の巨大企業です。しかし、だからといってGMの支配力がどんどん強まっているかというとそんなことは全然ない。GMのお膝元であるアメリカでもホンダやトヨタの車がどんどん売り上げを伸ばしています。お客様にアピールする商品を作ることが何よりも大事で、会社の規模はそれほど重要ではないんです。

巨大合併すると会社の個性、車の個性が失われかねません。クライスラーとベンツおのおのの個性はどうなるのでしょうか。個性がなければ車は売れない。僕らの商品の個性はもちろんのこと、企業自体の個性、そして企業で働いている人たちの個性も大事にしていきたいと考えています。大きければいいというものではないのです。

いやとんでもない、技術屋はそもそも入社するときからそういう発想がないんです。社長業などしているより、車を作っている方がよほど楽しいですから。
【覚書き:ホンダに入社当時、将来社長になると思っていたかと聞かれた時のコメント】

国によってお客様が求めるものが違います。アメリカではサイズが大きくてゆったりと快適で、しかも丈夫でないといけない。日本だと一年間で1万キロも乗ったら大したものですが、アメリカでは2万キロ以上乗ります。一方、日本のお客様はよりファッション性があり、小回りがきくものを求めます。基本部分はもちろん共通ですが、サイズだとか細かな味付けの部分を国によって作り変えているんです。

大型合併で失われかねないのがスピードです。世の中の変化が非常に早くなってきていますから、それに対応できるスピードが企業にとってなにより重要になってきています。しかし、企業が巨大化するとそのスピードも落ちる可能性が出てくる。ですから他社の合併を恐れることは全くない。

二輪と四輪に発電機や芝刈り機といった汎用エンジンも加えると、ホンダ製品の売り上げは一年間に合計1050万台にも達します。ホンダは一年間に一千万人ものお客さんと接触がある。これは大きな強みです。お客さんの声をそれだけ吸収できる。芝刈り機ひとつにしても製品に満足してもらえれば必ず次につながっていくはずです。

僕はそういう考え(大合併して大きな企業体にならないと今後生き残れないという考え)に与しません。マスコミの中にはそういうことを言う人もいますが、ワンパターンの考え方だと思います。自動車産業では今後大事なのは世界性と技術と個性です。
【覚書き:ベンツとクライスラーの大型合併について聞かれた時のコメント】

経営者が自分の後継者はいないと傲慢に言い出したら終わりです。いま私が直面している、大変だなと思うことを分析して、それを次の人がやさしくできるような仕組み作りをしたいと思っています。

私は経営をアメリカ型と日本型に簡単に分けられるものではないと思います。ソニーの場合、株主の45%は外国人。つまり45%の株主はアメリカ式の投資と同じ感覚でリターンを厳しく追及してきます。それに対し日本の株主の場合、銀行などの安定株主は、必ずしもリターンを厳しく追及してきません。これら二種類の株主の株主を同時に満足させる必要があるのです。アメリカ的経営と日本の企業としての在り方のふたつを共存させないといけない。

私は社長としての功績についてあまり考えないことにしています。社長というのは具体的に何もやらない。判断したり、会社の方向性とか空気を変えるということが仕事なんです。会社というのはひとつのことをやろうと思ったら組織で大勢の人が動くでしょう。うまくいったときは、みんなでよかったよかったと言って、心の中で俺がやったんだと思っていればいいんです。

ルールブレイカーというのは、アウトローという意味ではありません。古いルールを壊して、新しいルールをつくり上げるのが本当のルールブレイカーです。これはきちんと見分けないといけません。

社員が提言をしてくれないとがっかりですね。例えば会議をやっていまして、絶対自分はこのプロジェクトはまとまらないと思うのに、会社がやっているからしょうがないと黙って社員が聞いているとしたら、それはやっぱり企業としては非常に危険です。見えない部分でまずいなというところがあったら、それをこうしたらいいんじゃないかと体を張ることです。

Eメールというのは下手をすると直訴状合戦になってしまうのではないかと心配する声もありますが、それほど社員のインテリジェンスは低くありません。上司の悪口など一切なし、会社の改善点をはじめ、建設的なことを書いてきてくれています。
【覚書き:全社員から社長への直通メールアドレスを作ったことについて】

私は、松下と日本のマーケットで厳しい競争を繰り広げていることこそが、ソニーの強さの源泉だと思うんです。ソニーと松下は競争すればするほど、お互いに強くなります。

井深(大)さんをはじめとしてファウンダー(創業者)は会社の精神的支柱です。会社が生まれてきた素、DNAみたいなものですから、その精神に敬意を表さないと、会社がおかしくなってしまうと思います。

海外に一人で行かされると、禅問答をしないといけません。私も駐在中は本社の方針が伝わらないまま、たぶん本社の方針はこうだろうと自分で立てた仮説をもとに仕事を進めていました。何をすべきか、ソニーがどこを向いているのかを自分で考えざるを得なかったのです。
【覚書き:ソニー欧州駐在員時代について語った言葉】

企業には競争戦略と成長戦略の二つの戦略があります。競争戦略というのは、松下やフィリップスに対してどういう競争をしていくかを考えることです。成長戦略というのは、ソニー・グループ全体を運営しながら、会社全体としてこっちへ行くべきではないかというような将来の基本的な方向性を考えることです。

変化を歓迎しない会社全体を変えていくわけですから、社長の意見は社内ではマイノリティたらざるを得ない。社長に就任した三年前から、これだけの大きな会社に変化の必要性を浸透させ、方向性を示し、実際にそれに向かって舵を切りだすことに努力してきました。

私個人としては、やはり事業部長がいちばんやりがいがあって楽しかったですね。社長になると全体の責任を持たないといけないし、会社全体のムードを良くすることを考えなくてはいけませんから。

マネージメント(経営)にも様々なスタイルがありますが、私はオープンに自分の考えを打ち出して、みんなに共有してもらいたいと考えています。

かわいい社員のクビを切ってまで、自分は会社を存続させられない。社長を辞し、会社は解散する。社員を憂き目にあわせてまで、自分はもう、ものを言えない。残った人間で会社を続けてよいが、自分はタッチしない。
【覚書き:1950年代初頭、米国の財政金融引き締め政策ドッジ・ラインが引き金になって起こった世界不況時の発言。不況の煽りを受けシャープも経営危機に陥ったが、この発言を機に労組が自ら自主退社を募り始めるなど、経営再建の機運が社員全体から高まり、シャープは危機から脱した。以降、シャープでは首切りはしないという経営風土が作られた】

スピーディな対策は不可欠で重要な経営者の素質ですが、原因を突かない、性急で一方的、画一的ないわゆる合理化策というのは会社を疲れさせ、停滞させてしまいます。合理化、すなわち人員削減というのでは、優秀な人材から会社を去り、会社の戦力は一層下がります。会社の成績はいよいよ絶望的、やっぱり会社はつぶれることになるのです。

ご承知のように弁護士も種々の専門分野に分かれています。弁護士は専門性の合ったところで、適切なときに起用することが大切です。それには自社がある件に関してどんな問題を抱えているかという点を的確に知って選任するしかありません。

社長の事業上の判断以外にも、証券、金融の市場との対応という場面で会社をつぶすことがあります。いや、社長その人が会社をつぶす大きな原因になるのです。市場というのは貪欲でいろんな意味で短気ですから、自らの確信に基づいた辛抱強い説明が必要です。短気を起こして切れてはいけませんぞ。

成長しようとする会社は全体が大きくならねばなりません。そのためには、会社の全部の細胞がそれぞれ成長しなければ、全体も大きくなりません。大きくなれる細胞ばかりではなく、大きくなれない、また小さく萎える細胞もあります。最も弱い因子を引き抜く役割は社長、あなたです。これは社内では憎まれます。しかし、あなたがやらねば全体は助からない。

今日競争力がある強力な商品であっても、競合先の工夫によって知らない間に陳腐化しています。毎日、市場ニーズの変化という環境変化のリスクにさらされています。このリスクから会社を守って、大きな合理化の憂き目にあわぬためには商品に決して満足しないことです。

山に登ろうとしてどこが頂上なのか知らなければ、登る気にもなりません。頂上は知っていても、途中でいまはここまで来た、あと残りどれくらいかと知ることによって元気が出るものでしょう。改革も同じです。エネルギーを奮い立たせる標識が必要なのです。

合理化をやろうとするには、相当時間をかけて溜まった悪弊を一掃しようとするのだから、全員参加でやるしかありません。全員のエネルギーを使うしかない。社長がやらなければならないことは、独りよがりの命令を下すことではなく、全員をその気にさせ参加させるということに尽きます。合理化という非常に苦痛の伴う手段を、なぜ、どの程度、いつまで必要かを設定し、みんなに理解してもらうことが大切です。

社長はあらゆるリスク、危険を頭に入れ、次に起こる場面を想定しながら、いま何が一番危険な因子なのか、四六時中見張り続けなければなりません。財務的に弱いところはどこか、金融市場の変調に耐えうるのか、いまあるビジネスモデルが誰かにとってかわられないか、会社のエースに次ぐ第二第三の柱は育っているか、当社のビジネスモデルはグローバル市場で十分に闘えるか、気まぐれなマーケットは変化していないか、技術の陳腐化は当社のビジネスモデルを否定しないか、当社は社会的に有用か、違法性が出る部署はどこか、いまは違法ではなくとも社会的な指弾を受ける恐れはないか、会社内の不届きな人間が会社の評価を傷つけるようなことをしていないか。

突然予期せざる不慮の災厄。社長であるあなたは不慮と言ってはいけません。慮外、考えなかった、考えていなかったこと、想定しなかったそのことが、社長の罪と認識すべきです。本来こんな事象が起こることを予知する情報収集を怠っていたということにすぎません。百歩譲ってまったく予知することができないと客観的に証明されたとしても、リスク分散をせずに偏重しすぎて致命的な傷を負ったという責任は残ります。不断の努力の不足ということです。

どんなケースであったにせよ、つぶれたという結果の全責任を負うのが社長です。ですから、社長は今日も明日も次の日も、会社がつぶれることばかりを考えて、つぶれないように全神経を張りつめ、危険が迫っていないかを確かめながら、どんな危険の因子もこれを取り除いておかなければ安心して寝ることはできません。

一番大切なことは、メディアにどうやって、何を今日中に発表できるか決めることです。何が何でも今日のうちに発表しなければいけません。情報の材料が足りないとか、対応策が決まっていないとか、不足する事項はいっぱいありますが、今日中に発表すべきです。材料が足りなくてもいいんです。「社長が知っていて対応しようとしている」「社長が関与すべき問題だと会社は認識している」という二つのメッセージのおかげでメディアの反応はまるっきり変わってきます。

現場訪問はそれが予定された行事であっても、突然の訪問であっても、現場そのものであっても、社内食堂であっても、社長の方に意識するテーマが秘められ、またあらかじめ周到に用意された会話にならない限り、役に立ちません。社長の自己満足以上の何ものでもありません。

会社の成長の証は、売上高や利益という目に留まる形で表れる時期もありますが、会社の内実の充実という実力の蓄積を遂げている成長時期もあります。技術の醸成とか新しい商品の仕込みとか人材の充実とか、取引先との関係強化とか、無駄を省く仕組みの構成とか、組織が一体となって業務を積み重ねる力の育成とか、決して今期の決算書には表れないが、会社の成長としては評価されるものであって、来期、再来期には目に見える売り上げや利益となって表れるものです。

日本人の几帳面さ、日本人の完璧さ、日本人の求める保証、日本人の品質均一性、日本人の厳格な納期などなど、あなたの会社に課せられてきた課題、そしてこれらを解決してきたあなたの会社の商品とサービスは、グローバル市場で十二分に通用する資質を持っている。いや、グローバル市場での価値基準になるのだと理解してください。

大がかりな合理化に追い込まれないために、リスクの排除を常に心がけるのが社長の役目。合理化すべき事態のリスクについて言えば、毎日毎日、日頃から合理化に取り組むことによって社内のリスクや非合理なやり方が堆積し、大がかりな合理化を余儀なくされるような場面を回避することが大切です。

コンサルタントや金融機関の人たちは、会社の外形を見てすぐに整形をしたがる。内実の病巣や仕組みの不具合をじっくり根本から治すことなんか時間がかかってまだるっこしいと思うのでしょう。これは手術だからやったそのときは良く見えるが、根本治療ではないから必ずすぐほころぶ。

別の形で会社の存立を危うくする危険があります。風評のリスクはそのひとつで、会社の存在を否定されるケースです。ニュースや評論が事実に基づいていない場合もありますし、事実は正しくても著しく誇張され曲解して伝えられているケースもあります。正当に社会に貢献している会社でも、社会的規範に違反していると誤解、曲解されることによって圧死するケースもまれとは言えません。

会社の成長の前に、より良くする前に、まずこの会社をつぶさない。いささかも減衰させないということが出発点であるべきなのです。社長になった途端、これは忘れられがちです。

会社というものは、どの会社も、いつもつぶれかかっています。いや、毎日毎日つぶれています。正確に言うと今日突然つぶれることもありますし、昨日も今日もそしてまた明日も少しずつ少しずつ、部分的に傷んでいってその傷に耐えられなくなった日に破たんするということもあります。

一番大きな取引と利益の間にはたいてい、予測可能な相関関係がある。過去にさかのぼって顧客が顧客になったきっかけを分析し、それから次のことを予測してみよう。顧客が将来、最も購入しそうなもの。購入する頻度。購入し続ける期間。以上三つの答えを知ることで、顧客それぞれの短期的長期的価値、ひいてはどのグループが他と比べてより価値があるかを分析する助けになる。

中小企業と創業まもない企業の95%は業績目標を達成していない。それは、会社の事業計画が商品、市場、顧客移行、マーケティングという4つの要素にしっかりと根付いていないからだ。ほとんどの企業が具体的で明確な将来像を持っていない。

はなはだしく景気の悪化した市場でも、売り上げが完全に干上がるわけではない。人も企業も、物を買っている。商売は完全には停止しない。これに気付くことが極めて重要だ。ライバルが苦境のあまり周囲が見えなくなり、市場に対し意味ある働きかけができないでいるときこそがあなた自身を最も信用信頼できるソースとして確立する最高のチャンスだ。

経済危機において買い手の確信や動機の薄れとともに売り上げが落ち込むときには、たまらなく魅力的で、誰にもまねできない、断れないオファーをする必要がある。あなたのゴールは、景気のいい時も悪い時も、常に購買に対する彼らの抵抗を和らげること、初回購入のバリアを下げ、ハードルを低くする努力をすることだ。

自分のビジネスで意味のあること、ないことを把握するための10の質問

  1. いまどんなビジネスをしているのか?
  2. 現在の対象市場はどこか?
  3. その市場にどうアプローチしているか?
  4. その市場の拡大、または市場への接触、参入の方法は現実的に他にいくつあるか?
  5. あなたが売ることのできる商品やサービスは何か?
  6. 他にどんな商品やサービスを付け加えられるか、提供できるか?
  7. そのうち実際につくれるのはどれか?
  8. 制作、生産委託するとしたら、外注先をどのように見つけるか?
  9. 自社以外に同様の潜在顧客にアクセスできるのは誰か?
  10. 顧客に最初に販売する商品やサービスの限界純資産、または生涯価値はいくらか。その次の取引や、累積収益ではどうか?

景気が下り坂になると、経営者は一様にマーケティング予算を減らし始める。しかし、それはビジネスを拡大するための投資を減らすことであり、悪循環の種をまくことだ。

売上不足で行き詰るのは、たいてい効果的な販売方法を知らないからだ。あなたが売っているもの、売っている相手、売っている方法を振り返り、そのやり方が市場をつかみ、初回購入とその後のリピート購入を動機づけ、納得させるもっとも効率的で生産的な方法なのかどうか見直す必要がある。

たいていの人は、不景気になると人を裏切るような経費削減に走る。つまり、社員や知的資本といった、いまの企業のほとんどが本当は一番必要としている資産を削る。これは大きな間違いだ。あなたの周囲にいる人の活力、情熱、知性、人的つながり、起業家精神ほど大きなプラスのレバレッジを生むものはない。

ビジネスの行き詰まりから抜け出す7つの策

  1. 数字を細分化する。
  2. 見込み客や初めての顧客を呼び込むための連続性、予測可能性、持続性のある体系化された戦略的プロセスを採用する。
  3. 毎年、足し算だけでなく、掛け算式に儲けを増やす。
  4. 自分のビジネスにとっての試練を把握する。
  5. 市場から見た競合他社の魅力、優位点、差別性を知る。
  6. あなたの商品やサービスの代わりに顧客が購入できる商品やサービスを把握する。
  7. すべての仕事に成長思考を取り入れる。

私は不況が大好きだ。不況は、受ける痛手も大きいが、景気のいい時よりも悪い時の方が、成長分野が豊富にあることに気付かせてくれる。苦境をバネにすることができれば、一人勝ちできるのだ。景気のいい時には誰も気づかなかったビジネスチャンスや、市場、取引、発想に気付ける。

ビジネスは単なるゼロサムゲームではない。このことを自覚できない経営者が増えている。社員の利益を図ることはコストが増え利益が減るどころか、経営者が予想もしなかったような大企業に発展するための強力な活性剤になることを自覚する必要がある。

スターバックスの歴史は成長と成功の記録にとどまらない。一企業がどのように変わったやり方で成長したかという物語でもある。スターバックスは真心で経営し、魂をはぐくみ、しかも利益を上げられることを実証している。我々は社員の人格を尊重するという社会の基本理念を犠牲にすることなく、長期にわたって株主に利益を配当しているのだ。

スターバックスが他社に抜きんでた存在となった理由を一つだけ挙げるとすれば、それはビーンストックを導入したことだろう。ビーンストックとは、スターバックスのストックオプション制度の名前である。スターバックスは株式を公開していなかったにも関わらず、ストックオプション制度を導入した。対象は経営トップからバリスター(コーヒー淹れ職人、コーヒー版バーテンダー)に至る全社員で、それぞれの基本給に応じて自社株購入権が与えられた。全社員が経営のパートナーになったのだ。

事業計画などは単なる紙切れにすぎない。いかに見事な事業計画でも、社員がそれを受け入れてくれなければ何の価値もないのだ。社員が経営者と同じ気持ちになり、心底やり遂げようと決意しなければ、事業を継続することはおろか、軌道に乗せることすらおぼつかない。そして社員は、経営者の判断が信頼でき、なおかつ自分たちの努力が認められ、正当に評価されるのだと実感した時、はじめて計画を受け入れる。

社内文化を変えるのは不可能ではないが、極めて困難なのである。5年間、間違った価値観で会社を運営したら、その基本的理念を変えるには時間がかかる。すでに井戸の水があふれていたら、それを飲まざるを得ないのだ。企業家は、会社の発足当初から社内文化や価値観、指導理念を組織に浸透させなければならない。それが会社の方針や雇用、経営戦略を決める基盤となる。

企業と社員の間に築かれた信頼関係ほど大切なものはない。経営者から正当な報酬を受けていないと感じた社員は、疎外されたと思うだろう。社員が経営者に不信感を抱くようになった途端に、その企業の将来は危うくなる。

スターバックスの創立者にとって、コーヒーの品質がすべてだった。とくにジェリーは自分の信念を貫き、決して妥協しなかった。ジェリーとゴードンは、自分たちのマーケットのことを理解していたに違いない。なぜなら、激しい景気変動にも関わらず、スターバックスは毎年利益を上げていたからだ。創立者たちは純粋なコーヒーの信奉者であり、本物のコーヒーを知る少数の顧客に喜んでもらえれば満足したのである。

株主の利益だけを考える企業は従業員を道具のように扱い、コストを低く抑えようとする。情け容赦なく首切りを実行する経営者が一時的に自社の株価を上げる場合がよくある。しかし長期的に見れば、そんな経営者は社員の士気を低下させるだけでなく、革新を阻み、起業家精神を枯渇させ、会社の発展を支えてきた大切な人たちとの心の絆を断ち切っているのだ。

私たちはコーヒーやペイストリー(小さなケーキ)、現金、損失などを綿密に記帳し、何が良く売れているか把握するために個々の商品について追跡調査した。そのおかげで、常に資金繰りを明確にすることができたのだ。こうした情報の蓄積によって、新製品を売り出す際に明確な目標を設定することも可能になった。

どんな企業も、第一に何を基盤にするかが問われる。スターバックスは単なる良質のコーヒーではなく、創立者が魅せられた深入りコーヒーの風味を基盤にしたおかげで、他のコーヒー店とは一味違う本物になれたのである。

スターバックスの創立者は、普通の経営者とは全く違っていた。大学で文学を専攻したジェリーは英語の教師をしたことがあり、ゴードンは作家だ。三人目の共同経営者ゼブ・シーゲルは歴史を教えていた。三人ともビジネス王国を築く野心など持たなかった。スターバックスを創立した理由はただ一つ。コーヒーや紅茶を愛し、シアトルの人々に最高のものを味わってもらいたかったのだ。

自分が働いている会社が好きになり、会社の方針や目標に共感した社員は、会社の発展のために努力するようになる。社員が自尊心と誇りを持てば、さらに会社や家庭、社会に貢献するに違いない。経営者の立場にある者には、会社を支えるために毎日働いている人たちに対しる責任がある。それは事業を適切に推進するだけでなく、すべての社員を守るということなのだ。

私がスターバックスで成し遂げた最も誇れることを一つ挙げるとすれば、会社で働いている人たちとの間に築いた信頼関係である。それは多くの企業に見られるような口先だけのスローガンではない。我々はパートタイマーを含む総合的な健康保険制度や、全社員を対象とするストックオプションなど画期的な制度を導入してきた。倉庫係も入社したばかりの小売店員も人間として敬意を持って待遇されているのだ。

父は1988年1月に肺がんで亡くなったが、このときほど悲しかったことはない。父には貯金も年金もなかった。何よりも胸が痛んだのは、父が自分の仕事に生きがいも誇りも持てなかったことである。少年時代の私は、いつの日か自分が会社の経営者になろうとは夢にも思わなかった。しかし、何かできる立場になった時には、決して人々を見捨てるようなことはしないと固く心に誓っていた。

会社を大きくしようと思ったらいくらだってできたけど、うちは小さいってのが武器なんだ。こんな威力がある武器を手放す気はさらさらない。社員が100人も200人もいてみろよ、その家族のことを考えたら、安い値段をつけられたって、それでやりますって言うしかなくなっちまうだろ?社長のわがままで、あいつは気に食わないからこの仕事はしないってわけにはいかないからな。

いくら値段が高くたって値段を超える付加価値があれば、それが適正価格ってもんなんだ。ノウハウってやつは値段がつけられない。いままで誰もやったことがないことをやるためのノウハウだから、まだやってもいないうちから、どれくらい価値があるかなんて判断しようがないだろ?最初はえらく高いことをいうなってびっくりするんだろうけど、終わってみたら、岡野さんと知り合ってホントによかったって言ってくれる人ばっかりだね。

大企業が突然、経営危機に陥るってことがあるだろ。あれは上層部が、下から上がってくる情報を鵜呑みにしているのが原因だ。下は都合の悪い情報は知らせっこねえんだから、それを鵜呑みにしちまったら、ほんとのところは何も見えない。裸の王様になるに決まってんだよ。上層部が肝心な情報を持ってなきゃ、経営危機にだってなるし、倒産だって、して当然だろ。

金は天下の回りものって言葉があるけど、回ってきたお金をよそさまに回すから、また自分のところに回ってくるんだよ。欲出して抱え込んじまったら、それっきり回ってこなくなるもんなんだ。周囲を儲けさせれば、皆が岡野に仕事を取らせようぜということになる。

「客と飲みに行くなんてまっぴら。そんな面倒なことはいやだよ」なんて言ってたら仕事なんか来やしない。人付き合いの中で相手と信頼関係を作っていかなきゃ、自分の思うような仕事はできないね。

間に入る調整役の役目は大事なんだ。仕事を続けていくうちには、発注元も俺に言いたいことが出てくるよ。俺の方だっていいたいことはあるさ。それを直接言い合っちゃったら角が立つよ。俺はこういう気性だから、相手の言い方によっては「もうあんたのところの仕事はやめだ。二度とうちの敷居をまたぐなコノヤロウ」ってことにもなる。間に調整役がいりゃ、そうならない。

自分の仕事場にデンとかまえてるだけじゃ、発想もアイディアも頭打ちになっちまうだろ。新しい技術を開発するにも、時代に即応して儲けるにも、なんてったって情報だよ。それもメーカーが持っている最新の情報を知らなきゃいけない。メーカーの人たちは、いつも5年先、10年先を見てる。時代の流れが速いってことを肌で感じてるからね。

相手が大企業だからって卑屈になることはないんだよ。ちゃんとした技術なら、欲しいってところはいくらでもあるんだ。大企業の看板を鼻にかけて、実績だなんだと言っているようなところと、顔色をうかがいながら仕事をするこたあないんだ。

もし、利益の追求が会社の基本的な目的となっていないのであれば、利益がもたらされるというのは偶然の結果でしかありません。利益を上げようと努力しないで、どうやって利益を得ることができるでしょう?魔法でも使わない限り、そんなことはできません。

メーカーが生き延びられるか、また成長できるかは競争力にかかっています。競争力には4つの要素があって、第一はイノベーション(革新)。第二の要素はたゆみない品質の向上、つまり、クオリティの問題です。第三の要素はコストを抑えられるかどうか。第四の要素はあらゆる面で迅速でいられるかどうか、つまり、開発と生産の間をどうコントロールしてスピードアップしていくかです。

新規事業の開拓自体は悪いことではありません。問題なのは、よそ見をしていると本業での競争力が落ちるということです。これまで多角化を目指したメーカーは本業をおろそかにすることが多く、その結果としてことごとく痛い目に遭ってきました。私は付帯的な事業に手を広げても構わないと思います。しかし、そのためには本業に十分な力を注ぎ続けるということが大切です。

会社に大きく貢献した人、普通に貢献した人、まったく貢献しなかった人を、ほぼ同等に扱うことが公平であるといえるでしょうか?私にはそうは思えません。株主にとっても、顧客にとっても、また社員にとってもそれでは不公平です。私は公平という概念を貢献度から見た形にシフトさせていきました。

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