経営者・社長・会社経営の名言格言一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

会社の財産は人間である。自己を捨てて会社のために尽くそうという人がたくさんいることは、私としては本当に心強い。

自分の利益よりも、まずまわりの幸福を考える。それがリーダーの条件だ。

良いアイデアの生まれるのは、儲からなくて何とかしようと苦しんでいるときである。だから私は、儲かることをあまり喜んでいない。

人真似をするな。楽をしたければ人真似をするのも自由だが、そうなると企業は転落と崩壊の道をたどり始める。

技術者だからそこ自重してはならない。技術者の正装とは真っ白なツナギ(作業着)だ。

私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある。

私は「一番以外はビリだ」と思って生きてきました。二番でもいいなんて言う考え方は駄目です。それから、異端者を評価しない会社も問題です。ちょっと変わった人間が世の中にないものを生み出している。

資本がないから事業が思わしくないとの声をよく聞くが、それは資本がないからではなく、アイデアがないからである。

社長なんて偉くも何ともない。課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。要するに命令系統をはっきりさせる記号に過ぎない。

やろうと思えば人間はたいていのことができると私は思っている。

私はうちの会社のみんなに、「自分が幸福になるように働け」っていつもいってるんですよ。会社のためでなく、自分のために働けって。

進歩とは反省のきびしさに正比例する。とかく他人にきびしく、自分自身に寛大なのは凡人の常だ。

嫌いなことをムリしてやったって仕方がないだろう。私は不得手なことは一切やらず、得意なことだけをやるようにしている。金をかせぐよりも時間をかせげ。

当時、一生懸命がやたらと尊ばれた。たんなる一生懸命には何ら価値がないことを為政者は教えなかった。だから国民は一生懸命が価値を持つためには、正しい理論に基づくことが前提条件だということを悟らなかった。

こんなところで遊んでないで、さっさと帰って油まみれになって働け!
(覚書き|経営者向け勉強会に講師として呼ばれたときに発した言葉。理論や勉強は大切だがそれ以上に実務の中で培われるものを大切にし、一生懸命汗水たらして自分の事業を行えと戒めた言葉。)

芸術でも技術でも、いい仕事をするには、女のことが分かってないとダメなんじゃないかな。

私の現在が成功と言うなら、私の過去はみんな、失敗が土台作りしていることにある。仕事は全部失敗の連続である。

何かを深く信じれば、誰でも自分の中に大きな力を見つけだし 自分を乗り越えることができる。

チャンスは貯金できない。

いかなる場合でも、あきらめずに最善を尽くしていれば、いずれは陽の目を見る。それを自分の力だけでそうなったのだと思ったら、その人間はすぐ奈落の底へ落ちてしまう。

企業にとって重要なのは発明より革新なのだ。その革新は実はたわいのない夢を大切にすることから生まれる。
【覚書き|ソニー発展の起爆剤になったトランジスタラジオの開発について振り返った時の言葉】

余儀なくされる前に、改革せよ。

できない理由を並べ立てる人がいる。これでは新しい事業を達成することはできない。何もないことを前提として、目標を達成するために必要な人材や設備、技術をどう調達するかを考えなくてはならない。

私は学校時代から考えていたのだが、商売人は、ときとすると、駆け引きをして嘘をつくことを商売の常道と考えがちである。これはとんでもない過ちなのだ。私は世の中に立っていく以上は、士魂商才の精神をもって進まなくてはならないと考え、その信念を堅持してきた。技術面では品質の改善、営業面では優良品の薄利多売の方針で臨んできたわけである。

些細なことをおろそかにしない心がけが人生を大きな成功へ導く。

ビジネスは「勝てば官軍」である。企業は勝たなければならない。勝つことによって、社会にいろいろな主張が言えるようになる。実績を上げられない経営者が何を言っても、負け犬の遠吠えとしか世間は見てくれないであろう。敗者は滅びるのみである。

リーダーの行為、態度、姿勢は、それが善であれ悪であれ、本人一人にとどまらず、集団全体に野火のように拡散する。集団、それはリーダーを映す鏡なのである。

我々の行動のすべては、顧客の獲得か、顧客の維持を目的としている。

花を育てるには、肥料と水を両手に持って、常に両方をかけなくてはいけない。うまく育てば美しい花壇になる。育たなければ抜くしかない。経営もそれと同じだ。

人が第一、戦略は二の次と心得ること。仕事でもっとも重要なことは適材適所の人事であって、優れた人材を得なければ、どんなにいい戦略も実現できない。

あらゆる事象は心の反映である。したがって純粋な心でひたすら念じ続ければ、たいがいのことは成就する。

先入観に基づいて経営を行ってはならない。枠にとらわれない「心の自由人」でなければ、クリエイティブな発想も高い利益率も達成できるはずがない。

努力には限度がない。限度のない努力は本人が驚くような偉大なことを達成させるものである。自分の中にある既成概念を壊さなければならない。壁を破り、一線を越えることによって、成功に至る。この壁を突破したという自信が、さらに大きな成功へと導いてくれる。

製品には、つくった人の心が現れる。粗雑な人がつくったものは粗雑なものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになる。「製品の語りかける声に耳をすます」くらいに、繊細で集中した取り組みで、製品をつくり上げるようにしなければならない。

人を動かす原動力は、ただ一つ、公平無私ということだ。天賦の才を決して私物化してはならない。むしろ、謙虚に、集団のためにその才能を使うべきなのだ。誰かと議論を行う際は、初めに相手の立場を考え、相手を思いやることのできる心の余裕が必要だ。そうすれば、互いの相違を乗り越えた、本当に建設的な議論ができる。

ビジネスを成功させるためには、夢を抱いてその夢に酔うと言うことがまず必要だ。夢に酔っていればこそ、それを実現させる情熱が湧いてくる。もちろん、 実際に事業に着手したら、理性的に判断し、リスクを未然に防ぎ、具体的な方策について考え尽くし、仕事を成功に導くようにしなければならない。

お客様から「尊敬」されるようになれば、たとえ他の会社が安い価格を提示しても買って下さるだろう。商売の極意とはお客様の尊敬を得ることだ。売る側に高い道徳観や人徳があれば、信用以上のものが得られる。

アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。

日本ではブームに乗ったと思ったら執着しないほうがいい。それはもう売れなくなるという意味だと受け止めるべきで、善後策をたてておかないと手痛い目にあう。一つの価値観や目先の目標にとらわれないことこそ大切。

われわれは失敗にも報酬を与えている。機能しない照明器具を作ったチーム全員にテレビセットを贈ったこともある。そうしないと、社員は新しい挑戦を避けるようになる。

(ライバルと)差をつけることはきわめてむずかしい。それが簡単だと考えている人は組織にいるべきではなく、それができないと考える人もいるべきではない。

世の中で一番素晴らしいものは若者のエネルギーだよ。こりゃあ進歩の原動力だ。社会ってのは常に有為転変するものだ。若い連中はそれに合わせて、ちゃんとやっていけるけど、年寄りはそうはいかない。だもんだから「今の若いものは……」なんて批判する。口で言うだけならまだいいが、伸びる芽まで摘んでしまっちゃ駄目だよね。そうなったら、老害以外の何物でもないからね。そう考えたから、俺は第一線から身を引いたんだ。人間、はじめるよりも終りのほうが大事なんだよ。

私はソニーに入るまで、ソニー製品は絶対壊れないと思っていた。それは、私が買ったソニー製品が壊れたことがなかったから。

すばらしい仕事をするには、自分のやっていることを好きにならなくてはいけない。まだそれを見つけていないのなら、探すのをやめてはいけない。安住してはいけない。心の問題のすべてがそうであるように、答えを見つけたときには、自然とわかるはずだ。

当時は分からなかったが、アップル社に解雇されたことは、私の人生で起こった最良の出来事だったと後に分かった。成功者であることの重さが、再び創始者になることの身軽さに置き換わったのだ。何事につけても不確かさは増したが、私は解放され、人生の中で最も創造的な時期を迎えた。

あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。

アップル社再建の妙薬は、費用を削減することではない。現在の苦境から抜け出す斬新な方法を編み出すことだ。

知ってると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃべり、他人が創造した数学を使っています。何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。そしてその人間の経験と知識の泉に 何かをお返しができるようなものを作るのは、すばらしい気分です

iPodより高価なスニーカーもある。
(覚書き|iPodの価格が300ドルというのは高いのではないかという質問に対するコメント。商品の値段よりも、値段が高くても顧客が喜んで買ってくれるような価値を持つ商品を発売すればいいという趣旨の発言)

あなたがテレビのスイッチをオンにするのはあなたが自分の脳のスイッチをオフにしたいからだと思います。それに対してコンピュータで仕事をするのは、脳のスイッチをオンにしたいときではないでしょうか。

イノベーションは誰がリーダーで、誰が追随者かをはっきりとさせる。自分がクオリティの基準となりなさい。すばらしいアイデアが要求される環境に慣れてない人もいる。

方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、まず本当は重要でもなんでもない1000のことにノーと言う必要がある。

部下の士気を高める7つのツール

  1. 金銭的な報酬。
  2. 仕事の面白さ。
  3. 一緒に働いて楽しい同僚。
  4. 認めてあげること。個人やチームが大きな取引を制約したなどの注目すべきことをしたら、大げさなくらいに騒ごう。人前で認めよう。
  5. お祝い。成功したときに十分お祝いしてあげる。勝利を祝うのは、人々の気持ちをつなぎとめるものすごく効果的な方法。
  6. 社員の身も心もとらえて離さない偉大なミッション。
  7. ギリギリタッチできる目標を設定する。達成感と挑戦がちょうどうまい具合にバランスが取れているような職場環境を作り上げること。仕事に興奮を覚えるには、成功の喜びを感じる必要がある。

イノベーションをもたらす二つの方法

  1. 独創的で役立つものを見つけること。新たな分子、画期的なソフトウェア、市場のルールを変えるような技術などを見つけることだ。このような通常のタイプの革新は、たとえばガレージで見つかるとか、たまたま偶然に生じることもある。企業が新たなアイデアを歓迎し、褒賞を与えるようなカルチャー(企業文化)を積極的に築けば一層多く生じる。
  2. 改善を継続的かつ積極的に行う。企業はまったく新しい概念を見つけ出して革新を遂げなくてはいけない。ベストな方法を捜し求め、採用し、それをたゆまず改善し続けることで革新を遂げることができる。

自社にぴったりな戦略を見つける5つの質問

  1. 競争する市場はどんな状況か?
  2. 最近、競争相手は何をしているのか?
  3. 私たちは最近、何をしたのか?
  4. 夜眠れなくなるような出来事あるいは起こりそうな変化があるとすればなんだろう?
  5. 以上のことをすべて踏まえて、私たちは勝つためにどう行動すればいいだろう?

有能な人材に働きたいと思わせる会社になる6つの条件

  1. 継続的な学習の場を社員に提供することを公に発信する。口先ではなく、働きたいと思わせる会社は社員の成長に投資する。
  2. 成果主義をとる。給料と昇給は業績にリンクしていて、厳格な業績評価システムを通じて社員がどのレベルにいるかを常に理解させようとする。
  3. 社員がリスクをとることをよしとするだけではなく、リスクをとる人を褒め称え、たとえうまくいかなくても打ちのめすことはしない。
  4. 職場環境が先進的であるか?性別、人種、国籍などで差別されず、多様性に富んだ視野を持ち、グローバルであり、成果を上げて信頼を勝ち取った人は勤務時間を自分自身で決めることができるなど。
  5. 人材の採用基準を厳しく定めているか?根気のいる面接があり、知的レベルと職業経験に厳しい基準があり、応募してきた人は相当努力しなくてはならない。
  6. 会社の収益性が高く、成長を続けているか?株価が上昇を続けていれば、磁石のように人材をひきつける。

組織に不可欠な三つの要素

  1. やる気を起こさせるようなミッション。はっきりとした目的を与え、部下が興奮してせきたてられるようにして働く気になるようにさせるもの。
  2. 明確な価値観。または行動規範。ミッションを達成するために、どのような行動をすべ貴下の指針を与えるもの。具体的で現実に即したものであればなんでもいい。
  3. 率直で厳格な評価システム。部下に結果を出しているか、価値観に沿った行動をしているかどうかを知らせるためのもの。

4タイプの管理職と彼らへの対処法

1)良い業績を出し、会社の価値観に基づいて行動するマネジャー
ことあるごとに褒め称えて報酬を与える。
2)業績はあげられないが、会社の価値観をきちんと実行しているマネジャー
社内のほかのポストに移動させる。別のチャンスを与える。
3)良い業績を上げるが、会社の価値観に従わないマネジャー
彼らは通常、組織を破壊する。こういうやつらを長く会社に居座らせてしまうと、社員のやる気と信頼を損ねることが多い。クビにする。
4)仕事もできないし、会社の価値観にも従わないマネジャー
即刻クビにする。

「私の会社で”選別(※)”を適用するにはどうすればよいのでしょう。うちの会社や国では簡単に人をクビにできないと思います」とよく質問される。定期的な人事考課の面談の席で、あなたの業績は下から10%に属していますよと言われれば、その社員は自発的によその会社に移っていくようになる。そしてたいていの場合、もっと自分にあった職業を見つけてくる。底を這っているような状態のまま、会社に居残りたいと思う人はほとんどいない。
(※選別=業績上位20%は昇進させ、70%は育成し、底の10%は解雇するというGEの人事制度)

新規事業は失敗を恐れていてはできない。手掛ける仕事の10分の1も成功すればいい。

ビジネス世界の報酬はすべて二種類の通貨で支払われる。二種類の通貨とは「現金」と「経験」だ。報酬はまず経験で受け取ること。現金は後でついてくる。

中小企業は資本・人材・経営者の力量などが限られている。だから大企業の隙間を探し、その小さい力を一点に集中投下し、錐(きり)でもむように市場に食い込まなければならない。

欧米の経営者が、日本の中小企業経営者のように、生活のすべてをかけてビジネスをするというのは考えにくいことです。企業経営は生活の糧を得る=命を守るためにやるわけですから、欧米の経営者にとって命がけの経営というのは理屈に合いません。

経営トップが6ヶ月休んでも会社はビクともしない。ただし3年さぼったら会社がおかしくなるといった体制を作るのが経営トップの仕事だと思っています。日々のオリックスは、課長クラスが動かしていることになります。もしこのような形で、それぞれの管理職が自らの持ち場を守って仕事ができるとすると、経営トップは自社の三年先の姿を描き、それに向けて大きな戦略的なことに目を向けることができます。

現在では人事評価を少しでも間違うと、優秀な人材が会社からいなくなる可能性が高くなっています。人事評価は「真剣勝負の時代」になりつつあります。正しい評価に基づいた報酬制度にしないと、他社でもっと良い処遇を受けられる自信のある社員や実際にそういう実力を持った社員は、次々と会社を辞めていくかもしれません。

人材の多様化を積極的に進めてきたために、人材を多様化するうえで注意すべきことがわかってきました。ひとつは、せっかくの多様な人材を既存の仕事の枠にはめ込んでしまってはなんの意味もないということです。豊富な経験を積んだ熟年社員に対して、新入社員と同じような業務研修を行い、自社の色に染めようとするのは時間の無駄です。それよりも彼ら自身の色をオリックスでどのように生かすかを考えてもらう一方で、会社側はそれぞれの色を実現しやすい役割分担や職場環境作りをした方が有意義だということです。

私は社内にはない特殊な才能を持っている人材が必要なときには、成功報酬型の条件で外部から招くことが最も有効だと思っています。プロ野球の世界では、有力な選手の獲得のために数億円の年俸を出したりするのですから、ビジネスの世界でも外部から成功報酬型で人材をスカウトしてくるのは何も驚くほど新しいことではありません。

知識社会では、たゆまぬ創造性を発揮しなければ企業は存続できないことでしょう。このため、コア社員(知の創造のできる中心的な社員)には長い期間、従来の日本型雇用のように定年まで働いてもらう必要があります。連綿とした知識創造のノウハウを暗黙知として組織内で継承して、そうした作業の継続を企業の社風にまで高めるような役割が求められます。

コーポレート・ガバナンスの本来の意味は「経営者が株主のために企業経営を行っているか監督する組織」のことです。もっと短く言うと「経営者に対する監視制度」ということになります。取締役は株主を代表して、業務執行にあたる経営者を監督するのがその役目です。執行当事者のほとんどが取締役を兼ねている日本の現状では、この目的の達成は難しいでしょう。

グループ経営のもとでは、子会社の株式公開とは自らの一部を売却することです。株式公開が本質的に会社を他人に売る行為である以上、なぜ売らなければいけないのかを企業経営の観点から考える必要があります。上場というのはそれだけで何か素晴らしい行為というわけではありません。本質的に会社の一部を他人に売却する株式公開は、他人に株を持ってもらう、すなわちその会社の所有者になってもらうことであり、当然、その後の果実の一部はその株主に帰属します。

経営者にとって自社の株価を高めることは、株主重視経営に繋がっていくだけではなく、株式交換制度の導入によってM&Aを有利に進めるという具体的な意味合いを持つことになりました。自社の株価を高めるには、健全な財務体質、高収益、高成長を実現しなければなりません。つまり中長期に高い成長のできる企業は財務内容を充実し、株価も高い評価を得てM&Aのような斬新な経営方針を実現できるようになるわけです。

複数の企業によるアライアンス(提携)の基本理念は共存共栄です。企業が協力して新しいネットワークを構築し、協同することによって互いの利益総額が大きくなります。互いのコアビジネス、つまり得意技同士を持ち寄って、何かあがらしいシステムを作る企業間提携は、これまで単独の企業ごとではできなかった異業種のノウハウを結集できます。うまくいけば、斬新で参入障壁の高いネットワークも作りあげられます。

私が理想かもしれないと思うのは、企業の期間利益の目標を100とすると、その120%くらいをコアビジネスで計上できる力をつけ、そのなかから20%程度を隣接分野や周縁、外辺などへ先行投資を常に行うことです。そうできればコアビジネスが万が一縮小するようなことがあった場合でも、新しいコアビジネスの芽が生まれる循環が期待できるからです。

得意技を見極める基準も効率です。資本効率の高い分野は、それだけ付加価値のある仕事をしていることになります。なぜなら、市場経済においては付加価値のある商品やサービスでなければ市場で売れず、利益も上がらないからです。したがって、利益の上がるビジネスが得意分野で、儲からないビジネスは不得意分野ということになります。もちろん、儲からないビジネスの中でも中長期的な成長の糧となる先行投資分野については別です。

無数の参加者がしのぎを削る中で、ユーザーに選んでもらえるものを提供しようとすると「選択と集中」が不可欠となります。選択と集中とは、得意な分野とそうでない分野とを見極めて、得意分野に特化することを意味しています。なんでもやって、しかも市場ですべて評価されることをしたらこれはもう奇跡でしょう。しかし、現実にはそうした奇跡は起こりません。

オリックスでは、以前から「オリックスの経営陣は『中長期的にこの会社の成長を見届けたい』という株主を重視している」と繰り返し株主に伝えてきました。これは暗に「短期的な投資効率を追求しようとする株主の期待に応えるつもりはない」ということを意味しています。それを許せないと思う方はどうぞ株を売ってくださいという意味です。経営者が株主像を明確に示し続けることで、少しずつでも経営者の思い描く株主像と実際の株主構成とを近づけていく努力は大切だと思います。

市場原理の働いている社会というのは優勝劣敗の世界です。弱肉強食の世界だとよくいわれていますが、市場経済では、強いものが弱いものを直接打ち負かすわけではありません。売り手が買い手に向かって勝負を挑み、買ってもらえれば勝ち、買ってもらえなければ負けという間接的な勝負です。

市場経済では企業は常に安定性がなく、今日のチャンピオンは明日もチャンピオンであるという保証はまったくありません。たとえば、昨日は焼きたてのビスケットが飛ぶように売れたから、今日も同じ品物が同じ値段で売れるだろうと思って店先に並べても、まったく売れないということが起こります。それはビスケットの味が落ちたわけではなく、たとえば、ただ単に消費者が今日はチョコレートが食べたかっただけなのです。

市場に評価される商品とかサービスを作り出す能力は、得意分野に特化することでしか養われないもののようです。個々の企業の持つ経営資源は限られており、どこにも負けない専門領域もそれほど広くはないことが理解できれば、そのなかで生き続けるには「得意技を磨くしかない」ということになります。その結果が顧客に評価されたら、それで得た利益をまた得意技のところへ集中投資していく。こういったことの繰り返しが市場経済における企業戦略の基本だと思います。

収益性で得意分野を判断して、得意分野に集中して経営資源を投入する一方で、利益の上がらない分野からは撤退することは、資本効率を求める株主の要求と一致します。利益の上がる分野に集中する一方で利益の上がらない分野から撤退すれば、それだけで利益が上がるからです。市場経済と効率経営と株主資本主義は一体の関係にあるのです。

「オリックスはこんなにいろいろな事業に手を広げて大丈夫か」と聞かれることがありますが、私たちは違ったことをたくさんやっているという意識はありません。元を正せば、金融サービスというコアビジネスに特化した結果が、隣接部門への進出する意欲を与えてくれたのです。しかし現時点で経営資源の大部分を投じているのは、あくまでコアビジネスであり、これへの注力なくしては多角化の芽生えはあり得ないものです。

M&Aは経済全体が低成長の中でも縮小均衡せずに収益の拡大を可能とする手法のひとつです。M&Aだけに依存するのは問題ですが、経営の中にM&Aを取り込むことで戦略の幅が広がるのは間違いありません。M&Aを有利に進めるためには、経営内容に優れ、結果として高い株価が実現していなければならないのです。

会計制度は財務内容を正しく伝えるものでなければなりません。なんとなくこのセグメント(分野・部門)は儲かっていないようだから、やめるべきだなどと大まかな判断をするのでは経営とはいえません。セグメントごとに一つ一つ採算性を時系列化し、それを検証しないと、どのセグメントを改善すべきかも判断できません。企業会計の基本は、企業の財務状態を限りなく実態に近づけて明示することに尽きると思います。正確な経営データは、自社の経営内容を正確に把握するためには不可欠です。

経営は一つの経営指標で判断できるほど単純ではありません。それだけに、新しい経営指標を取り入れて多角的に分析できるようにしなくてはなりません。しかし、忘れてはならないのは、基礎データが正確でなければ、間違った結論が導き出されるということです。

社外取締役とは、社員以外から選ばれる取締役のことです。アメリカでは、社外取締役が単に社外の人間であることだけではなく、独立していることについて詳細な要件を定めています。そのため、最近では独立取締役と言われることが多くなりました。社外取締役の任務は、すべての株主を代理してその利益を最大化するという観点から、経営の成果を客観的に判断することです。

知識社会では、画一的な社員ばかりでは務まりません。従来と違って、これからの企業は多様な社員を求めています。経営者にとっても、社員全体に右向け右と言わなければならない場面は徐々に減りつつあります。仮にそう言ったとしても、左や上や後ろを向くような社員もいないと生き残れないのが知識社会です。

企業の活動範囲が広がるにつれ、社会的な影響力も大きくなってきています。私たちの行動が常に社会から評価を受けているといっても言い過ぎではありません。企業行動が社会的な規範に反し、世の中から批判を受けるようなことが起これば、長い間努力し積み重ねてきたものを一気に失うことにもなりかねません。これまで以上に公正さを意識することが重要になってきています。

業務が拡大して一人で手に余るようになると、人を増やすことになります。そうなると、人がただ集まっただけの烏合の衆では統制がとれませんから、互いの協力関係を想定して組織という形にまとめなければなりません。大事なことは、組織というのは止むを得ず作るものということです。あくまでも複数の人を統制するため止むを得ずなのであって、会社は組織で動くというのは必ずしも適切な表現ではありません。

オリックスでは事業部門のトップが交代した場合など、いつも新しいトップに「交代してすぐに組織を変えるようなことだけはしてはいけない。組織図を書き換えるだけで上手くいくんなら、こんな簡単なことはない」と言っています。経営幹部は時として組織を変えるとそれで仕事を終えたようなように考えるからです。そういう気分になると、本当にやらなければならないことや変えなければいけないものが見えなくなってしまうからです。

オリックスの社長に就任した年以来、私はいわゆるトップセールスをあまりやってきませんでした。トップセールスで成約したビジネスは、販売担当部門を結果的に弱める恐れもあり、長い目で見ると決してプラスとは思えません。私は表敬訪問は喜んでしますが、トップセールスにはあまり熱心ではありません。

新着Tweet


おすすめ名言


ページの先頭へ