桑畑英紀の名言|頭ごなしに部下を叱ることは不祥事の温床となる

ミスやクレームが発生したとき、いかに早く報告させるか。そのためには、「早く報告して良かった」という実感を部下に持たせることが大事です。結果だけを評価して、頭ごなしに失敗をなじる。これは最悪の対処法です。ある部下が、トラブルを未然に防げなかったとします。でも、報告してもろくに経緯も聞かずに怒られるだけだと思い、しばらく取り繕って隠していた。そして、問題は日増しに大きくなって……。不祥事が生まれる典型的なパターンです。

桑畑英紀 の経歴

桑畑英紀、くわはた、ひでき。日本の組織・人事コンサルタント。九州大学経済学部経営学科卒業後、沖電気工業人事部門マネジャー、沖電気米国法人マネジャー、フィリップモリス日本法人人事責任者、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングで組織・人事コンサルティング部代表、取締役などを経たのち独立しイマージェンスを設立。そのほか、りそな銀行社外取締役、電通アライアンスパートナーなども務めた。主な著書に『強い組織をつくる 設計から導入・運用までの実践的手法を解説』『死に至る病から会社を救う 企業統治・風土改革の実践手法』など。

経営・ビジネス・仕事・お金・経済的に成功した人たちの言葉

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叱るときのコツは質問をすることです。「売上げが悪いじゃないか!」と責めるのではなく、「原因はどこにあると思う?」「アップするにはどうする?」と問い、相手の答えを引き出しましょう。これなら悪感情を持たれずにすむだけでなく、解決にもつながりやすくなります。

部下がミスを犯したとき、上司が思わずカッとなるのは仕方がありません。しかし、その場で反射的に叱らないことです。ミスを犯したとき、部下は気持ちが動転しています。そんなときにいくら叱られても、その言葉を素直に受け入れられるわけがありません。かたや上司の方も、同様に動転していますから、「ただたんに怒る」ことになりがちです。ですから、カッとなったら、すぐその場から去ることです。そうやっていったん間を置き、冷静になってから理性的に叱るのが得策です。

信頼関係があってこそ、叱り言葉は部下に届く。雑談やプライベートの悩みもオープンに話せる「1対1」の関係を築くことが大切。意識して数か月に一度は、部下の話を聞く場を設けましょう。

最もやってはいけないのは、感情的に叱ることです。そうやって叱られたとき、相手はあなたに対して心を閉ざしてしまいます。なぜなら、そのスタッフのためではなく、自分の怒りを吐きだすために叱っている、ということを見抜くからです。そういう叱り方をした場合は、叱った本人にも後味の悪い思いが残りますから、結果として誰のためにもならないのです。

叱るときは相手を見てやらないといけない。相手によって叱り方も変える。人の叱り方には1万種類あります。手段や場所も考える。面と向かってなのか、メールやメモでなのか、場所も会社でなのか飲み屋でなのか。ただメールは相手の顔が見えないから限度がありますね。

「バカヤロー!」などと、怒鳴ることが習慣になっている上司は、怒ったままでもいいですから、「ちょっと座れ」「ちょっと来い」という言葉を意識的に使ってみてください。医学的に「6秒たてば冷静になれる」ことが証明されています。この2つの言葉を発すると、部下は椅子に座ったり、あなたのところへ歩み寄ったりするでしょう。そのことで、部下と話をするまでに6秒の時間を確保すれば怒らず、叱ることができます。

基本的なポイントは、「叱る=罰」にとらわれないことです。「あのとき叱ってくれたおかげで成長できた」と、あとから考えて「報酬」と部下が受け取れるように言葉や態度を選ぶことです。よって、叱る際は、感情的にならない、他者と比較しない、不公平にならないといった点を注意すべきです。あまり追い詰めると、窮鼠猫を噛むではありませんが、思わぬ反発や攻撃、いわゆる逆ギレを誘う危険性もありますから、気を付けてください。

私が叱るときに実践してきたのは、「ルールを決めること」です。具体的にいえば、やってはいけないことを明確に決めて共有し、そのルールに反したときのみ叱る。そうすれば冷静に叱ることができますし、叱られる側も、「ルールに反したから仕方がない」と納得して聞くことができます。お互いに無駄な葛藤がない分、思いもより伝わりやすくなります。

叱るのは瞬間的な判断です。その場の行為を見て、「このやろう」と思ったときに叱るのです。タイミングを失ったら叱る効果がなくなります。しかも、私は人前で叱るべきだと思います。そうすることで周囲の人間にもぴーんと響きます。次の日、応接間に呼んで叱っても意味はありません。叱るにもタイミングが大切なのです。

最近は、上司が部下を叱るのを避ける風潮があるようです。しかし、叱ることができないのは、信念も思いも希薄な証拠です。リーダーが叱らざるをえないときに叱らないと、組織は弱体化します。

私が叱るのは次の2つの場合です。ひとつは遅刻が続くなど、社会規範から逸脱した行動をしたときです。一度目でガツンと言うか、二度、三度続いてからやるかは、時と場合、そして相手に応じて使い分けます。もうひとつは、仕事内容が稚拙な場合です。これは叱りつつ教えるという、本人の成長に結び付けるやり方を取る必要があります。答えをすべて教えると自分の頭で考えなくなってしまうため、10のうち3、4くらいは教え、あとは考えさせることが多いです。

部下たちが自分の職責をきちっとまっとうしない、いつまでもやらないでいるときは、私は怒り狂い「給料泥棒」と言うこともあります。もちろん相手によって強弱をつけますよ。十人十色です。この子にはここまでやったらいかんな、この子には後でフォローをしとかんと……。それをどこまで見分けられるかがポイントです。自分でいうのは何ですが、どういうわけか社内では慕われていますよ(笑)。それは愛情をもって接しているからだと思います。

叱るときは「お前の判断が遅いから納期が遅れたんだぞ!」などと、疑いようもなく「正しいこと」を述べ立てる。それは上司にとって気持ちのいいことです。「俺っていいことを言うなあ」と自己陶酔に陥り、その気持ちは瞬時に伝わります。すると相手の心は閉じてしまい、叱る効果はなくなるのです。

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