坂東眞理子の名言|叱るのは相手のためだから溜め込まないでその都度言うこと

40代になると、自分自身が成果を出すこと以外に、部下を育てることが求められるようになります。難しいのは叱り方です。ここでも女性によく見られるのが、溜めてしまうことです。「女性がしょっちゅう叱っていると、ヒステリーだと思われるのではないか」と考え、普段は見て見ぬふりをして、我慢できなくなったときに爆発させてしまうのです。叱るのは相手のためですから、溜めこまないでその都度言いましょう。

坂東眞理子 の経歴

坂東眞理子、ばんどう・まりこ。昭和女子大学学長。富山県出身。東京大学文学部心理学科卒業後、総理府に入省。ハーバード大学留学を挟み、統計局消費統計課長、埼玉県副知事、在豪州ブリスベン総領事、総理府男女共同参画室長、内閣府初代男女共同参画局長を務め退官。昭和女子大学教授、副学長などを経て同大学学長に就任。

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私がお勧めするのは、叱る前に前置きをすること。「今日はちょっと嫌なことを話すかもしれないけど」「話しにくいことなんだけど、ちょっといいかな?」という柔らかいクッションフレーズで前置きをすると、自分もひと呼吸置くことができますし、部下も「上司が自分に気配りしてくれているのだな」と感じて、そのあとに続く言葉を受け入れる心構えができます。

最近増えているのが「ちょっとしたことで傷つきやすい人」。部下がこのタイプだと、おちおち叱ることもできず、なかなかやっかいです。傷つきやすいのは、自信がなくて自己評価が低いためです。そこにさらに自己評価を落とすような言葉をぶつけてしまうと、深刻なダメージになり、こちらのいいたいことなど伝わらなくなってしまうのです。こういう人への対処法は、「評価」ととられないような言葉を使わないことです。「これからどうすればいいと思う?」といったフレーズで、自分で問題に気づかせるように促すのが効果的です。

叱るときに心がけていることは「叱る絶対三点セット」を厳守することです。まず、相手の「悪いところをハッキリ指摘し」、次に「直す方法を指導する」。最後に「それでいいかどうか、直ったかどうか、OKかNGかをきちんと伝える」。叱るだけで直す方法を言わなかったら、選手は自信を無くすだけです。テレビは、私が叱っているところしか映さないですけど(笑)。

世の中にはミスをした部下に「反省しろ!」と怒鳴る上司がいたりしますが、あれはダメですね。「人の失敗を叱れるほど、おまえは偉いんか」と言いたい。部下がミスをしたら、「そうか、ミスしたか。次からどうする?」でいい。叱る行為そのものが、エネルギーと時間のムダです。

叱るときのコツは質問をすることです。「売上げが悪いじゃないか!」と責めるのではなく、「原因はどこにあると思う?」「アップするにはどうする?」と問い、相手の答えを引き出しましょう。これなら悪感情を持たれずにすむだけでなく、解決にもつながりやすくなります。

厳しい上司はパワハラだと訴えられてしまうから、厳しいことが言えない。いい上司がいなくなっていく。相手に対して「思い」がなかったら、厳しくなんかしないんですけどね。しっかりした親は、子どものことを考えるから叱るのです。そういう親を「パワハラ親」だとか「ブラック親」だなんて言いません。

父はとにかく多弁でね。社員の前で話を始めると1~2時間は覚悟しなければならなかった。なんでそんなに長く話ができるかというと、次から次へと社員の失敗のケーススタディーを話していたんですね。失敗した本人は針のむしろです。失敗の共有こそが企業を強くするというのが父の考えで、「叱るのも諭すのも、人前でなく個室でやったらどうか」と意見されても聞かなかった。私は父のようなことはしません。失敗が社内で共有される仕組みを別に築いています。

現在、「部下を叱っていいのだろうか」と悩んでしまっている上司も少なくありません。自分が成長するためであれば、ひとつの手段として叱られることも喜んで受け入れようという姿勢が、最近の若手にはあります。だから、そんなことで悩む必要はないのです。どうせ悩むなら、「叱るか叱らないか」ではなく「どう叱るか」で悩むべきです。

褒めたり叱ったりするには、周囲を巻き込むことも有効です。人前で褒めることは、相手が嬉しいだけでなく、周囲に褒める習慣を浸透させる効果もあります。叱るときも、自分が言ってもダメなら他の人に叱ってもらうように頼むなど、協力態勢を作りながら行なうと職場の関係性が緊密になります。

叱り方に自信がなく、あえて部下と距離をとる上司もいますが、これは感情任せで叱るより悪いことです。最近は指導とパワハラの境目がわかりにくく、リスクをとるより放置しようと考える心理もわかります。しかし、部下と向き合わず、陰で愚痴をこぼすような上司がはびこる組織はもはや存続の危機です。部下のタイプに合わせて叱り方を変えることなどは必要ですが、とにかく対処することです。

叱るときはアフターケアが重要です。まずは一旦は落ち込ませる、叩きのめす。それから今度は戻してやる。その繰り返しです。

新人を叱るときは、求める結果と必要な行動を明示することが必要です。さらに、短期的に達成感を得られるタスクを与えることです。チェックリストやマニュアルを使い、自分がどれだけ成長できたかマイルストーンを置くことで、ビジネスマンとしての素地を早く整えることができるのではないでしょうか。

私が叱るのは次の2つの場合です。ひとつは遅刻が続くなど、社会規範から逸脱した行動をしたときです。一度目でガツンと言うか、二度、三度続いてからやるかは、時と場合、そして相手に応じて使い分けます。もうひとつは、仕事内容が稚拙な場合です。これは叱りつつ教えるという、本人の成長に結び付けるやり方を取る必要があります。答えをすべて教えると自分の頭で考えなくなってしまうため、10のうち3、4くらいは教え、あとは考えさせることが多いです。

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