角山剛の名言|新人を叱るときは人を見て叱る

新人を叱るときは、「なぜ叱られたのか」を明確にすべきです。「ここを直せば自分は伸びる」とわかれば、人は報酬を求めるので、そういった方向に行動します。ただし、なかには対人関係に慣れていない人もいるので、ストレス耐性を見極めつつ、頭ごなしに叱ることは避けた方がいいでしょう。

角山剛 の経歴

角山剛、かくやま・たかし。日本の心理学者。新潟出身。立教大学文学部心理学科卒業、立教大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。専門は産業・組織心理学。モチベーション理論、女性のキャリア形成、セクハラ問題、ビジネス倫理意識など、組織に関する研究を行っている。東京国際大学人間社会学部教授、東京未来大学教授、東京未来大学モチベーション研究所所長。その他、産業・組織心理学会会長、日本社会心理学会理事、日本グループ・ダイナミックス学会理事、人材育成学会理事などを務めた。主な著書に『組織・職務と人間行動』『産業・組織心理学ハンドブック』など。

経営・ビジネス・仕事・お金・経済的に成功した人たちの言葉

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いま、子供を叱れない、生徒を叱れない、部下を叱れない人がいる。何やってんの。叱ることが愛情だよ。

叱ると怒るは違います。感情的になって怒鳴れば、部下は悲観的や反抗的になってしまいます。

最近増えているのが「ちょっとしたことで傷つきやすい人」。部下がこのタイプだと、おちおち叱ることもできず、なかなかやっかいです。傷つきやすいのは、自信がなくて自己評価が低いためです。そこにさらに自己評価を落とすような言葉をぶつけてしまうと、深刻なダメージになり、こちらのいいたいことなど伝わらなくなってしまうのです。こういう人への対処法は、「評価」ととられないような言葉を使わないことです。「これからどうすればいいと思う?」といったフレーズで、自分で問題に気づかせるように促すのが効果的です。

褒めるのも叱るのも対象の部下と二人だけのときにすべきです。みんなの前で褒めると、ほかの人は嫉妬や恨みを持つ。これを心理学用語で「暗黙の罰」といいますが、一人を褒めることは、暗にほかはダメと叱責しているのと同じですから。

上司が叱ることができないから「話し合いましょう」「よく説得して」と別の手段を持ち出すことになるわけです。しかし、叱ることと話し合うことや説得することは、まったく違います。叱るというのは最後の手段です。その前に、「教える」「注意をする」というステップを踏んでいます。そのうえで、部下が何回注意されても直さない。たとえば、いくら言っても遅刻を繰り返す。そういうときに、上司は頭に来るわけです。感情を込めて「何やってるんだ、お前!」と怒るのです。本当はそうすることは自然です。

部下が目標を達成できないと、「お前ダメじゃないか」というように、上司はついその「結果」ばかりを叱ってしまいます。しかし、結果に対して上司が何を言っても、結果が良くなるわけではありません。スポーツ選手の成績が悪かったとき、優れたコーチは悪い「成績=結果」をつくった「フォーム=原因」を直そうとします。それは仕事でも同じです。できる上司は「結果」ではなく、それを引き起こした「原因」を叱るのです。

褒めるとは不足行動(やるべきなのにやっていない不足している行動)を促し、叱るとは過剰行動(やるべきではないのにやっている過剰な行動)を抑制することを指します。押さえておくべきポイントは、不足行動は誘惑に弱いということです。たとえば、営業マンが勤務中に喫茶店で居眠りをするのは、不足行動を邪魔するライバル行動であり、過剰行動です。よって、人は褒めるだけでは目標に到達しづらく、適度に叱ることで過剰行動を抑える必要があるのです。両者をバランスよく使うことで、目標達成までのスピードは速くなるといっていいでしょう。

影響力を最大限に発揮するには、部下に信頼されていなければなりません。そのためには言動の軸がブレないことが前提となります。また、甘やかすだけでなく、部下のキャリアを考え愛情を込めて「怖い」と思われるくらい叱ることも忘れてはいけません。

もし試合でいいパフォーマンスを出せずに落ち込んでいる選手に、「おまえ、あのプレーは何なんだ」といきなりダメ出ししてしまうと、その瞬間にどんなアドバイスも受け付けなくなる。でも、次の日の朝一番に、「昨日の試合のことを振り返ってみろ」と声を掛けたら、「ああ、監督は昨日の俺のことを気にしてくれていたんだ」と思うもの。そうなれば、自分からいろいろと話してくれるようになりますよ。

最近は、上司が部下を叱るのを避ける風潮があるようです。しかし、叱ることができないのは、信念も思いも希薄な証拠です。リーダーが叱らざるをえないときに叱らないと、組織は弱体化します。

ガツンと叱ることのできる上司はどんどん減っています。絶滅しているといってもいいでしょう。人を叱るには多大なエネルギーを使います。たとえば、やっちゃいけないことをしている人間に「そんなことはするな!」と言いますね。これは相手を否定することです。プライドや心を傷つけます。だから相手は、言ってくれた人間を憎みます。嫌います。最悪の場合は殺したいと思います。それを感じるから、上司は叱ることを躊躇するのです。

褒めたり叱ったりするには、周囲を巻き込むことも有効です。人前で褒めることは、相手が嬉しいだけでなく、周囲に褒める習慣を浸透させる効果もあります。叱るときも、自分が言ってもダメなら他の人に叱ってもらうように頼むなど、協力態勢を作りながら行なうと職場の関係性が緊密になります。

部下を叱るときは手短に理由を話すことが大切です。相手本人の頭で理解させ、責任の追及が目的ではないと理解させることがポイントです。

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